JP2000147812A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2000147812A
JP2000147812A JP10319493A JP31949398A JP2000147812A JP 2000147812 A JP2000147812 A JP 2000147812A JP 10319493 A JP10319493 A JP 10319493A JP 31949398 A JP31949398 A JP 31949398A JP 2000147812 A JP2000147812 A JP 2000147812A
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charge
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electrophotographic
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JP10319493A
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Satoshi Nishigaki
敏 西垣
Kazuya Ishida
一也 石田
Akihiro Kondo
晃弘 近藤
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度、高画質、高安定性および高解像度の
電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体1,7の電荷発生層4
は、電荷発生物質4aとしてCuKα特性X線(波長:
1.5418Å)のX線回折スペクトルで、ブラッグ角
(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを示す
低結晶性チタニルフタロシアニン組成物、特にブラッグ
角9.0゜〜10.0゜間に複数回折ピークを示し、2
4.0゜にブロードな回折ピークを示すもの、9.0゜
〜10.0゜間の回折ピークおよび24.0゜の回折ピ
ークの各ピーク強度が27.3゜の回折ピーク強度の2
5%以下で、非晶質パターンを示す回折ピークを含むも
の、9.1゜,9.3゜,9.5゜に回折ピークを示す
ものを含有し、電荷輸送層5は特定のエナミン構造を有
する電荷輸送物質5aを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタニルフタロシ
アニン組成物を電荷発生物質として含有する電荷発生層
と、エナミン構造の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層
との積層構造を有する感光層を備えた電子写真感光体、
特に1200dpi以上の高密度露光を行って電子写真
感光体上に潜像を形成し、平均粒径6μm以下のトナー
を使用して反転現像方式で潜像の可視化を行うデジタル
画像形成装置に適用される電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、即時性に優れ、高品質
で保存性の高い画像が得られることなどから、近年、複
写機分野だけでなく、各種のプリンタやファクシミリの
分野でも採用されている。電子写真プロセスは、基本的
に、電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう)
の均一な帯電、露光による潜像の形成、潜像のトナーに
よる現像、トナー像の転写材への転写および定着の各プ
ロセスから成る。なお、場合によってトナー像は、中間
転写体に転写した後、転写材に転写される。
【0003】感光体としては、セレニウム、ヒ素−セレ
ニウム合金、硫化カドミウムおよび酸化亜鉛などの無機
系材料のほか、無公害で、成膜が容易で製造が容易であ
る有機系材料を光導電材料として使用した感光体が開発
されている。また、電荷発生層と電荷輸送層との積層構
造を備える機能分離型の感光体は、高感度で、材料の選
択範囲が広く、安全性が高く、また生産性の高い塗布方
式による安価な製造が可能である。
【0004】一方、近年、より高画質な画像を得るため
や入力画像を記憶したり自由に編集したりするために、
画像形成のデジタル化が急速に進行している。これによ
って、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータの出
力機器として用いられるレーザプリンタ、LED(発光
ダイオード)プリンタおよび一部のカラーレーザ複写機
に限られていたデジタル画像形成が、アナログ画像形成
が主流であった一般の複写機の分野にも広がっている。
【0005】このようなデジタル画像形成に対応した感
光体では、画像情報を感光体上に記録するための記録手
段としてレーザ光源やLEDなどが用いられ、特に78
0nmの近赤外光源や650nmの赤色光源が多く用い
られるので、これらの波長光に対する高い感度が要求さ
れる。感光体の高感度実現に対して、結晶型フタロシア
ニン組成物、特に高感度な結晶型チタニルフタロシアニ
ン組成物が検討されている。結晶型チタニルフタロシア
ニン組成物には種々の結晶系が存在し、X線回折スペク
トルにおける回折ピークの一致/不一致によって結晶格
子の大きさと形が規定され、回折ピークの相対的強度に
よって結晶格子中の分子配列が規定される。結晶型チタ
ニルフタロシアニンを用いた感光体では、結晶格子の大
きさ、形および結晶格子中の分子配列によって、帯電
性、暗減衰性および感度が大きく異なる。
【0006】また、デジタル画像形成では上述したよう
にレーザ光源やLEDなどが画像情報を感光体上に記録
するための記録手段として用いられる。この場合、画像
は画素と呼ばれる微小ドットの集合および配列で表わさ
れるので、光学系の高分解能化による微小スポットの形
成技術が必須となり、光学系側では1200dpi以上
の記録密度が可能となる。
【0007】このような1200dpi以上の高記録密
度に対応した感光体が要求される。特許番号第2696
400号公報には、600dpi以上の記録密度でデジ
タル画像露光を行い、8μm以下の重量平均粒径のトナ
ーを使用する画像形成技術が記載されている。しかし、
1200dpi以上の高記録密度のデジタル画像形成で
は、上記公報のように単にトナーの重量平均粒径を規定
するだけでは、感光体上の静電潜像を忠実に再現するこ
とは困難である。また、感光体において記録密度が劣化
しないような設計が必要である。
【0008】なお、高感度化および長寿命化の要求によ
って厚い膜厚の感光層が検討されている。たとえば、特
開平3−11353号公報、特開平3−63653号公
報、特開平3−87749号公報、特開平3−5696
6号公報、特開平6−301224号公報、特開平7−
244388号公報および特開平7−261415号公
報で検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】電荷発生物質として用
いられる従来技術の結晶型チタニルフタロシアニン組成
物は、結晶系の安定性や結晶物質の分散液の安定性に問
題がある。また、従来技術の感光層を備える感光体を反
転現像の画像形成装置に適用した場合、帯電電位の初期
安定性、特に暗順応後の1回転目の帯電電位の安定性、
および帯電能、すなわち初期およびライフ後の電荷保持
の能力に問題があり、また環境、特に温度変化によって
電位特性が変化し、さらに微小な画像欠陥が発生すると
いう問題がある。したがって、従来技術の感光体におい
て高感度、高画質および高安定性の全ては充分に満足で
きない。
【0010】また、高画質化の追究によって感光体自体
の高解像度化の検討が求められ、1200dpi以上の
高密度記録、たとえば1500dpi〜2400dpi
の高密度記録で静電潜像を忠実に再現する高感度な感光
体が必要となる。600dpi以下の記録密度で用いら
れる感光体の感光層膜厚は20μm〜35μmである
が、この膜厚は感光体に要求される感度および耐刷性
(寿命)の要因を考慮して設定され、感光体上の静電潜
像の再現性は特に問題にならないので考慮されていな
い。しかし、1200dpi以上の記録密度で用いる感
光体の感光層膜厚を20μm以上とすると、静電潜像を
忠実に再現することが困難となる。
【0011】また、高記録密度で用いる感光体の感光層
膜厚を20μm以上とすると、感光層中のキャリア走行
距離に依存してキャリアが拡散し、解像度が劣化する。
たとえば、シミュレーションによれば、感光層膜厚が3
0μmのとき、キャリアの拡散による静電潜像の劣化は
約25μmに広がる。高解像度が要求される感光体にお
いて、静電潜像形成時の解像度の劣化を防止するために
は、表面電荷密度を高くするか、キャリアの拡散による
劣化が問題とならないレベルまで感光層膜厚を薄くすれ
ばよいが、膜厚が薄くなると感光層にかかる電界強度が
高まって耐圧性が低下する。また、電気容量の増大に伴
う実効的な感度が低下する。耐圧性の低下は反転現像に
おける微小な画像欠陥の発生につながり、実効的な感度
低下は電位コントラストの低下につながり、充分な画像
濃度の確保のためには、さらに表面電位を高め、光源の
電力を上げる必要が生じる。
【0012】特公平5−55860号公報には、チタニ
ルフタロシアニン化合物を結着樹脂中に分散した塗液で
形成した電荷発生層と、ヒドラゾン系化合物を含有する
電荷輸送層との積層型電子写真感光体が記載されている
が、高感度、高画質、高安定性および高解像度の要求を
すべて満たすことはできない。なお、このような要求を
満たす感光体として、0.1μJ/cm2 の感度が達成
できるa−Si系感光体が挙げられるが、環境や成膜性
に問題のある無機系感光体であり、無公害で、成膜が容
易で製造が容易な有機系感光体では上記要求を満たす感
光体がない。
【0013】本発明の目的は、高感度、高画質、高安定
性および高解像度の電子写真感光体を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、導電性
支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層との積層構造を有
する感光層を備える電子写真感光体において、前記電荷
発生層は、電荷発生物質として、CuKα特性X線(波
長:1.5418Å)に対するX線回折スペクトルにお
いて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に最大
回折ピークを示す結晶性チタニルフタロシアニン組成物
を含有し、前記電荷輸送層は、下記一般式(I)で表さ
れるエナミン構造を有する電荷輸送物質を含有すること
を特徴とする電子写真感光体である。
【0015】
【化3】
【0016】式(I)中、Ar1は、置換基を有しても
よいアリーレン基、置換基を有してもよい複素環基、置
換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有して
もよい複素環アルキル基を表す。nは、2〜4の整数で
ある。
【0017】本発明に従えば、上述したようなX線回折
スペクトルを示す比較的低い結晶性のチタニルフタロシ
アニン組成物を電荷発生物質として含有する電荷発生層
用の塗液は、分散安定性が優れている。このような塗液
を用いて形成される電荷発生層と、上述したような一般
式(I)で表されるエナミン構造の電荷輸送物質を含有
する電荷輸送層との積層構造を有する感光層を、導電性
支持体上に設けた電子写真感光体を搭載した画像形成装
置では、1回転目から画像が形成できるプロセス設計が
可能である。また、環境変化による電位特性変化が小さ
く、優れた電荷保持能力を持つ。さらに、微小欠陥の少
ない高品位な画像が形成できる。したがって、高感度、
高画質、高安定性および高解像度の電子写真感光体を提
供することができる。
【0018】また第2の本発明は、前記結晶性チタニル
フタロシアニン組成物は、前記X線回折スペクトルにお
いてさらに、ブラッグ角9.0゜〜10.0゜の間に複
数の回折ピークを示し、ブラッグ角24.0゜にブロー
ドな回折ピークを示すことを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、上述したようなX線回折
スペクトルを有するチタニルフタロシアニン組成物を電
荷発生物質として用いるのが特に好ましいことが判っ
た。
【0020】また第3の本発明は、前記ブラッグ角9.
0゜〜10.0゜の間に存在する複数の回折ピークおよ
びブラッグ角24.0゜に存在する回折ピークの各ピー
ク強度は、前記ブラッグ角27.3゜に存在する回折ピ
ーク強度の25%以下であり、非晶質パターンを示す回
折ピークを含むことを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、また上述したようなX線
回折スペクトルを有するチタニルフタロシアニン組成物
を電荷発生物質として用いるのが特に好ましいことが判
った。
【0022】また第4の本発明は、前記ブラッグ角9.
0゜〜10.0゜の間に存在する複数の回折ピークは、
ブラッグ角9.1゜,9.3゜および9.5゜に存在す
ることを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、さらに上述したようなX
線回折スペクトルを有するチタニルフタロシアニン組成
物を電荷発生物質として用いるのが特に好ましいことが
判った。
【0024】また第5の本発明は、前記導電性支持体と
感光層との間に配置される中間層を含むことを特徴とす
る。
【0025】本発明に従えば、前記低結晶性のチタニル
フタロシアニン組成物を主成分とする電荷発生層用分散
塗液は、浸漬塗布法によって感光層を形成する場合、分
散溶剤の蒸発潜熱のために導電性支持体の熱容量の影響
を受け易いが、本発明では中間層を設けることによって
前記影響を緩和することができる。
【0026】また第6の本発明は、前記中間層はルチル
型酸化チタンとポリアミドとを含有し、前記ルチル型酸
化チタンは中間層の全重量に対して30重量%以上50
重量%以下の範囲で含まれ、前記導電性支持体上に、中
間層、電荷発生層および電荷輸送層がこの順番に積層さ
れていることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、特に上述したような中間
層を設けることによって電位特性の安定性および画像欠
陥の防止効果が向上する。
【0028】また第7の本発明は、1200dpi以上
の高密度露光を行って電子写真感光体上に潜像を形成
し、平均粒径6μm以下のトナーを使用して反転現像方
式で潜像の可視化を行う画像形成装置に適用される電子
写真感光体では、電荷輸送層の層厚が10μm以上20
μm以下の範囲に選ばれることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、上述したような特に高解
像度の画像形成に適用される感光体では、電荷輸送層の
膜厚を上述の範囲に選ぶことによって極めて高い感度が
得られることが判った。また、高解像度の高画質が安定
して得られることが判った。
【0030】また第8の本発明は、前記電子写真感光体
は特に第2〜4の発明のうちのいずれか1つの電子写真
感光体であり、前記電荷発生層はさらにブチラール化さ
れた結着樹脂を含むことを特徴とする。
【0031】本発明に従えば、上述したような特に高解
像度の画像形成に適用される感光体では、電荷発生層に
ブチラール化された結着樹脂を用いることによって電荷
発生層用塗液および電荷発生物質の結晶型において優れ
た安定性が得られる。
【0032】また第9の本発明は、前記電荷輸送層は結
着樹脂として、下記一般式(II)で表されるポリカー
ボネートであって、粘度平均分子量が35,000〜8
5,000の範囲に選ばれるポリカーボネートを含むこ
とを特徴とする。
【0033】
【化4】
【0034】式(II)中、R1〜R4は水素、ハゲロ
ンまたは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Zは置換、
無置換の炭素環もしくは置換、無置換の複素環を形成す
るのに必要な原子群を表す。
【0035】本発明に従えば、上述したような特に高解
像度の画像形成に適用される感光体では、電荷輸送層に
上記結着樹脂を用いることが高感度、高解像度および高
画質を安定して得るために好ましいことが判った。
【0036】また第10の本発明は、前記電荷輸送層
は、酸化防止剤としてヒンダードフェノールを電荷輸送
物質に対して0.5重量%以上10重量%以下の範囲で
含有することを特徴とする。
【0037】本発明に従えば、上述したような特に高解
像度の画像形成に適用される感光体では、電荷輸送層に
上記酸化防止剤を用いることが電位特性の安定化の上で
好ましいことが判った。
【0038】また第11の本発明は、780nmの波長
に対する感度が表面電位を−500Vから−250Vに
光減衰させるのに必要な半減露光エネルギー値で0.1
5μJ/cm2 以下に選ばれることを特徴とする。
【0039】本発明に従えば、このような特に高感度の
感光体はデジタル画像形成装置に好適に搭載することが
できる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある電子写真感光体1,7の断面図である。図1(A)
に示される感光体1は導電性支持体2の上に感光層3を
形成して構成され、図1(B)に示される感光体7は導
電性支持体2と感光層3との間にさらに中間層6を介在
して構成される。いずれの感光体1,7も、感光層3が
少なくとも電荷発生物質4aを含有する電荷発生層4と
少なくとも電荷輸送物質5aを含有する電荷輸送層5と
の積層構造を有する機能分離型の感光体である。ここで
は、導電性支持体2の側に電荷発生層4が配置され、そ
の上に電荷輸送層5が配置されるが、電荷発生層4と電
荷輸送層5とを逆に配置してもかまわない。
【0041】導電性支持体2としては、アルミニウム、
アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、ニッケル
およびチタンなど、導電性を有する金属材料で実現され
る。また、導電性支持体2は、プラスチックおよび紙の
表面に、アルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、
チタン、酸化インジウムおよび酸化錫などを蒸着して実
現される。さらに、プラスチックおよび紙は、導電性粒
子や導電性ポリマを含有してもかまわない。導電性支持
体2の形状としては、ドラム状、シート状およびシーム
レスベルト状などが使用可能である。
【0042】電荷発生層4は、電荷発生物質4aとして
下記構造式(III)の基本構造で表され、CuKα特
性X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)27.
3゜に最大回折ピークを示す低結晶性のチタニルフタロ
シアニン組成物を含有する。
【0043】
【化5】
【0044】式(III)中、Xは水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基およびアルコキシ基のうちのいずれか
を表し、mは0から4の整数を表す。
【0045】また、前記チタニルフタロシアニン組成物
はさらに、ブラッグ角9.0゜〜10.0゜間に複数の
回折ピークを示し、ブラッグ角24.0゜にブロードな
回折ピークを示すものが好ましい。
【0046】さらに、前記ブラッグ角9.0゜〜10.
0゜間の複数の回折ピークおよびブラッグ角24.0゜
の回折ピークの各ピーク強度は、前記ブラッグ角27.
3゜の回折ピーク強度の25%以下であり、非晶質パタ
ーンを示す回折ピークを含むチタニルフタロシアニン組
成物が好ましい。
【0047】また、前記ブラッグ角9.0゜〜10.0
゜間の複数の回折ピークが具体的に、ブラッグ角9.1
゜,9.3゜および9.5゜に存在するチタニルフタロ
シアニン組成物が好ましい。
【0048】チタニルフタロシアニンの合成方法は、モ
ーザおよびトーマスの「フタロシアニン化合物」(MOSE
R and Thomas.“Phthalocianine Compounds”)に記載
されている方法やそれ以外の公知の方法を採用すること
ができる。
【0049】たとえば、o−フタロニトリルと四塩化チ
タンとを加熱融解することまたはα−クロロナフタレン
などの有機溶媒の存在下で加熱することによって、ジク
ロロチタニウムフタロシアニンが収率良く得られる。さ
らに、ジクロロチタニウムフタロシアニンを塩基または
水で加水分解することによって、チタニルフタロシアニ
ンが得られる。また、1,3−ジイミノイソインドリン
とテトラブトキシチタンとをN−メチルピロリドンなど
の有機溶媒で加熱することによって、チタニルフタロシ
アニンが得られる。
【0050】得られたチタニルフタロシアニンは、その
ベンゼン環の水素原子が塩素、フッ素、ニトロ基、シア
ノ基およびスルホン基などのうちのいずれかの置換基で
置換されたフタロシアニン誘導体が含有されていてもか
まわない。
【0051】チタニルフタロシアニンにおける本発明の
結晶型は、チタニルフタロシアニンを水の存在下でジク
ロロエタンなどの水に非混和性の有機溶媒で処理し、さ
らにケトン系溶剤でミリング処理することによって得ら
れる。すなわち、結晶格子の乱れの大きなチタニルフタ
ロシアニンを作った後、溶剤処理を施し、さらに機械的
な歪力を与えることによって、チタニルフタロシアニン
の分子配列が変換されて本発明の結晶型が得られる。こ
のようにして作製されたチタニルフタロシアニンは、結
晶性が比較的低く、塗液作製時の機械的なシェアによる
ストレスに耐え、高い安定性を示す。
【0052】チタニルフタロシアニンを水の存在下で水
に非混和性の有機溶媒で処理する方法としては、チタニ
ルフタロシアニンを水で膨潤させて有機溶媒で処理する
方法、および膨潤処理を行わずに水を有機溶媒中に添加
し、その中にチタニルフタロシアニン粉末を投入する方
法などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0053】チタニルフタロシアニンを水で膨潤させる
方法としては、チタニルフタロシアニンを硫酸に溶解さ
せ、水中で析出させてウェットペースト状にする方法、
およびホモミキサ、ペイントミキサ、ボールミルおよび
サンドミルなどの撹拌・分散装置を用いてチタニルフタ
ロシアニンを水で膨潤させ、ウェットペースト状にする
方法などが挙げられるが、これらの方法に限られるもの
ではない。
【0054】加水分解で得られたチタニルフタロシアニ
ンを充分な時間で撹拌すること、または機械的な歪力を
もってミリング処理することによって、本発明の結晶型
が得られる。このような処理による分子配列の制御は、
いわゆるI型に分類される結晶型のチタニルフタロシア
ニンに対して好適である。
【0055】上述した処理に用いられる装置としては、
一般的な撹拌装置の他に、ホモミキサ、ペイントミキ
サ、ディスパーサ、アジタ、ボールミル、サンドミル、
アトライタおよび超音波分散装置などを用いることがで
きる。処理後、チタニルフタロシアニンは濾過され、メ
タノール、エタノールおよび水などを用いて洗浄されて
単離される。
【0056】本発明のチタニルフタロシアニン組成物
は、上記の製造方法によって製造されたものに限定され
ず、本発明に特有の上述したX線回折スペクトルを示す
ものであれば、いかなる製造方法によって製造されたも
のであってもかまわない。
【0057】このようにして得られたチタニルフタロシ
アニンは、電子写真感光体1,7の電荷発生物質4aと
して優れた特性を発揮する。
【0058】電荷発生層4は、電荷発生物質4aとして
上述のチタニルフタロシアニン以外を含有してもかまわ
ない。たとえば、本発明のチタニルフタロシアニンとは
結晶型が異なるα型、β型(A型)、C型、Y型、M
型、M−α型およびアモルファス性のチタニルフタロシ
アニンを含有してもかまわない。また、その他のフタロ
シアニン類、アゾ顔料、アントラキノン顔料、ペリレン
顔料、多環キノン顔料およびスクエアリウム顔料などを
含有してもかまわない。
【0059】オキソチタニルフタロシアニンの結晶型
は、たとえば「電子写真学会誌、第32巻、第3号、p
289」に記載されているようにX線解析スペクトルの
回析角の違いから数多くの結晶型に分類される。たとえ
ば、特許番号第2007449号公報にはα型、特許番
号第1917796号公報にはA型、特許番号第187
6697号公報および特許番号第1997269号公報
にはC型、特許番号第1950255号公報および特許
番号第2128593号公報にはY型、特公平7−15
067号公報にはM−α型、特許番号第2502404
号公報にはI型、特許番号第1978469号公報には
M型が記載されている。さらに特許番号第270085
9号公報および特開平8−209023号公報には基本
的にY型に属する結晶型が記載されている。
【0060】また、オキソチタニルフタロシアニンの結
晶構造解析から格子定規が判っているものは、C型、P
haseI型およびPhaseII型である。Phas
eII型は三斜晶系に属し、PhaseI型およびC型
は単斜晶系に属する。これらの公知の結晶格子定数から
上記公報に記載された結晶型を解析すると、A型および
I型はPhaseI型に属し、α型およびB型はPha
seII型に属し、M型はC型に属する。このような説
明は、たとえば「J.of Imaging Science andTechnology
Vol.37,No6,1993,p605〜p609」に説明されている。
【0061】電荷発生層4は、また結着樹脂を含有す
る。1200dpi以上の高密度露光を行って感光体上
に潜像を形成し、平均粒径6μm以下のトナーを使用し
て反転現像方式で潜像の可視化を行う特に高解像度な画
像形成装置に適用される感光体において、結着樹脂とし
ては、塗液および結晶型の安定性を考慮して特に、ブチ
ラール化された樹脂が好適である。また、ポリエステル
樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステルポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプ
ロピオナール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルおよ
び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を混合して用いても
かまわない。
【0062】また、電荷発生層4を作成するための塗液
には、上記電荷発生物質4aおよび結着樹脂に加えて、
溶剤が含まれる。溶剤としては、塗液および結晶性の安
定性から、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類が
好適である。また、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどの
エステル類、テトラヒドロフランおよびジオキサンなど
のエーテル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなど
の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミドお
よびジメチルスルホキシドなどの非プロトン性溶媒を混
合して用いてもかまわない。
【0063】電荷発生層4は、たとえば次のようにして
形成される。電荷発生物質4aおよび結着樹脂を溶剤に
加え、ボールミル、サンドグラインダ、ペイントシェイ
カおよび超音波分散機などを用いて粉砕し分散して塗液
を得る。このようにして得られた塗液を用い、シート形
状の場合にはベーカアプリケータ、バーコータ、キャス
ティングおよびスピンコートなどの塗工方法によって、
ドラム形状の場合にはスプレー法、垂直型リング法およ
び浸漬塗工法などによって、電荷発生層4を作製する。
電荷発生層4の膜厚は、たとえば0.05μm〜5μm
の範囲に選ばれ、好ましくは0.08μm〜1μmの範
囲に選ばれる。
【0064】電荷輸送層5は、電荷輸送物質5aを含有
する。電荷輸送物質5aは、前記一般式(I)で示され
るエナミン構造を有する。表1〜表5に、一般式(I)
で示されるエナミン化合物の具体例を示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】電荷輸送物質5aとして、上記エナミン化
合物を1種類または2種類以上含有させてもかまわな
い。また、他の電荷輸送物質5aを含有させてもかまわ
ない。
【0071】電荷輸送層5は、また結着樹脂を含有す
る。上述した特に高解像度な画像形成装置に適用される
感光体において結着樹脂としては特に、前記一般式(I
I)で示されるポリカーボネート樹脂であって、粘度平
均分子量が35,000〜85,000の範囲に選ばれ
るポリカーボネート樹脂が好適である。
【0072】また、結着樹脂としては、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレンおよびポリ塩化ビニルなどの
ビニル重合体およびその共重合体、ポリエステル、ポリ
エステルカーボネート、ポリスルホン、フェノキシ、エ
ポキシ、およびシリコーン樹脂などが挙げられ、これら
の樹脂を単独あるいは2種類以上混合して使用してもか
まわない。また、これらの樹脂を構成するのに必要なモ
ノマーの共重合体や部分的に架橋した熱硬化性樹脂を使
用してもかまわない。
【0073】また、電荷輸送層5を作成するための塗液
には、上記電荷輸送物質5aおよび結着樹脂に加えて、
溶剤が含まれる。溶剤としては、ジクロロメタンおよび
1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶剤、アセト
ン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどの
ケトン類、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル
類、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテ
ル類、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族
炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメ
チルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒を用いて
もかまわない。
【0074】電荷輸送層5は、たとえば次のようにして
形成される。電荷輸送物質5aを溶剤に溶解し、さらに
結着樹脂を加えて塗液を得る。このようにして得られた
塗液を用い、シート形状の場合にはベーカアプリケー
タ、バーコータ、キャスティングおよびスピンコートな
どの塗工方法によって、ドラム形状の場合にはスプレー
法、垂直型リング法および浸漬塗工法などによって、電
荷輸送層5を作製する。
【0075】電荷輸送層5の膜厚は、たとえば5μm〜
40μmの範囲に選ばれ、好ましくは10μm〜30μ
mの範囲に選ばれる。特に、上述した特に高解像度な画
像形成装置に適用される感光体では、電荷輸送層5の膜
厚は10μm以上20μm以下の範囲に選ばれ、好まし
くは10μm〜17μmの範囲に選ばれる。
【0076】中間層6としては、アルミニウム陽極酸化
膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび酸化
チタンなどの無機層を用いてもかまわない。また、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチ
ン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミ
ド、カゼインおよびN−メトキシメチル化ナイロンなど
の有機層を用いてもかまわない。さらに、これらの層
に、酸化チタン、酸化錫および酸化アルミニウムなどの
粒子を分散させてもかまわない。特に、ルチル型酸化チ
タンとポリアミド樹脂を主成分とした中間層6が好まし
く、さらにルチル型酸化チタン結晶が30重量%以上5
0重量%以下の範囲で含まれることが好ましい。この場
合、電位特性の優れた安定性が得られ、画像欠陥の防止
効果が向上する。
【0077】なお、中間層6を設けることは感光体7を
製造する上で好ましい。すなわち、低結晶性チタニルフ
タロシアニンを主成分とする電荷発生層4を形成するた
めの塗液は、浸漬塗布法によって電荷発生層4を導電性
支持体2の上に形成する場合、溶剤の蒸発潜熱のために
導電性支持体2の熱容量の影響を受け易い。中間層6に
よってこのような影響を緩和することができる。
【0078】また、前記電荷発生層4および電荷輸送層
5には、必要に応じてレベリング剤、酸化防止剤および
増感剤などの各種添加剤を含んでもかまわない。酸化防
止剤としては、たとえばビタミンE、ハイドロキノン、
ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニ
レンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導
体、有機硫黄化合物および有機燐化合物などを用いても
かまわない。特に、上述した特に高解像度な画像形成装
置に適用される感光体の電荷輸送層5では、酸化防止剤
としてヒンダードフェノールを電荷輸送物質に対して
0.5重量%以上10重量%以下の範囲で含有すること
が好ましい。これによって、電位特性の優れた安定性が
得られる。
【0079】以下に製造例および実施例を挙げて本発明
を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り以下の製造例および実施例に限定されるものではな
い。
【0080】(製造例1)o−フタロジニトリル40
g、4塩化チタン18gおよびα−クロロナフタレン5
00mlを窒素雰囲気下の200℃〜250℃で3時間
加熱撹拌して反応させ、100℃〜130℃まで放冷
後、熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタ
レン200mlで洗浄してジクロロチタニウムフタロシ
アニン粗生成物を得る。この粗生成物を室温にてα−ク
ロロナフタレン200mlで洗浄し、さらにメタノール
200mlで洗浄後、さらにメタノール500ml中で
1時間熱懸洗を行う。濾過後、得られた粗生成物を濃硫
酸100ml中で撹拌し溶解させた後、不溶物を濾取す
る。その硫酸溶液を水3000ml中に注ぎ、析出した
結晶を濾取し、水500ml中でpHが6〜7になるま
で熱懸洗を繰返した後、濾取し、ウエットケーキをモノ
クロロベンゼンで処理し、メタノール処理して乾燥す
る。乾燥して得られた結晶をペイントコンディショナ装
置(レッドレベル社製)でメチルエチルケトン中におい
て直径1mmのガラスビーズとともにミリング処理する
ことによって、結晶性物質を得る。
【0081】図2は、得られた結晶性物質のX線回折ス
ペクトルを示すグラフである。X線回折スペクトルの測
定条件は以下のとおりである。
【0082】 X線源 CuKα=1.5418Å 電圧 30kV〜40kV 電流 50mA スタート角度 5.0゜ ストップ角度 30.0゜ ステップ角度 0.01°〜0.02゜ 測定時間 2.0°/min〜0.5゜/min 測定方法 θ/2θ スキャン方法 このX線回折スペクトルから、得られた結晶性物質は低
結晶性チタニルフタロシアニンであることが判る。特
に、CuKα特性X線(波長:1.5418Å)に対す
るX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2゜)27.3゜にシャープな強い最大回折ピーク
を示す低結晶性チタニルフタロシアニン組成物であるこ
とが判る。また、ブラッグ角9.0゜〜10.0゜の間
に複数の回折ピークを示し、ブラッグ角24.0゜にブ
ロードな回折ピークを示す低結晶性チタニルフタロシア
ニン組成物であることが判る。また、前記ブラッグ角
9.0゜〜10.0゜間の複数の回折ピークおよびブラ
ッグ角24.0゜の回折ピークの各ピーク強度は、前記
ブラッグ角27.3゜の回折ピーク強度の25%以下で
あり、非晶質パターンを示す回折ピークを含む低結晶性
チタニルフタロシアニン組成物であることが判る。さら
に、前記ブラッグ角9.0゜〜10.0゜間の複数の回
折ピークは具体的に、ブラッグ角9.1゜,9.3゜お
よび9.5゜に存在する低結晶性チタニルフタロシアニ
ン組成物であることが判る。
【0083】(比較製造例1)製造例1と同様の方法で
ジクロロチタニウムフタロシアニン粗生成物を得た後、
この粗生成物を室温にてα−クロロナフタレン200m
lで洗浄し、さらにメタノール200mlで洗浄後、さ
らにメタノール500ml中で1時間熱懸洗を行う。濾
過後、得られた粗生成物を水500ml中でpHが6〜
7になるまで熱懸洗を繰返した後、乾燥し再度硫酸に溶
解し、水中に析出させた後、メタノールで処理すること
によって、比較製造例1の結晶性物質を得る。
【0084】図3は、得られた結晶性物質のX線回折ス
ペクトルを示すグラフである。X線回折スペクトルの測
定条件は製造例1と同じである。ブラッグ角(2θ±
0.2゜)27.3゜に最大回折ピークを示し、ブラッ
グ角9.0°,14.3゜および24.1゜にも回折ピ
ークを有する特許番号第2502404号公報に記載の
I型チタニルフタロシアニンに分類される類似の結晶で
あることが判る。
【0085】(実施例1)製造例1で得られた本発明の
低結晶性チタニルフタロシアニン(電荷発生物質)1重
量部とポリブチラール(結着樹脂)(積水化学工業社
製:エスレックBL−1)1重量部とをメチルエチルケ
トン70重量部に混合し、ペイントコンディショナ装置
(レッドレベル社製)で直径2mmのガラスビーズとと
もに分散処理して電荷発生層用塗液を調整した。得られ
た塗液をアルミニウム膜が蒸着形成されたポリエステル
フィルムで実現される導電性支持体2の上に塗布し乾燥
して、膜厚0.4μmの電荷発生層4を形成した。
【0086】次に、例示化合物1で示されるエナミン化
合物(電荷輸送物質)とポリカーボネート樹脂(結着樹
脂)(帝人化成社製:C−1400)とを1:1の重量
比で混合し、ジクロルメタン18重量%の電荷輸送層用
塗液を調整した。得られた塗液を電荷発生層4の上に塗
布し乾燥して、膜厚23μmの電荷輸送層5を形成し
た。
【0087】このようにして作製した感光体1の感度を
静電記録紙試験装置(川口電機社製:EPA−820
0)を用いて評価した結果、表面電位を−500Vから
−250Vに光減衰させるに必要な半減露光エネルギー
値として、0.04μJ/cm2(波長780nm、露光
強度2.0μW/cm2 )と極めて高い感度が得られ
た。この感度では、高速機用の感光体への応用が可能で
ある。
【0088】(実施例2,3)例示化合物1で示される
エナミン化合物に代わって例示化合物11,14で示さ
れるエナミン化合物をそれぞれ用いた以外は、実施例1
と同様にして感光体1を作製した。例示化合物11では
半減露光エネルギー値が0.08μJ/cm2、例示化
合物14では半減露光エネルギー値が0.11μJ/c
2 と、極めて高い感度が得られた。
【0089】(実施例4)酸化チタン(堺化学社製:S
TR−60N)71.6重量部と共重合ナイロン(東レ
社製:アラミンCM−8000)107.4重量部とを
メチルアルコール287重量部と1,2−ジクロロエタ
ン533重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカ
で8時間分散処理して中間層用塗液を調製した。この塗
液中に、直径65mm、長さ332mmのアルミニウム
製筒状導電性支持体2を浸漬して中間層用塗液を塗布し
乾燥して、膜厚1μmの中間層6を導電性支持体2の上
に形成した。
【0090】製造例1で得られた本発明の低結晶性チタ
ニルフタロシアニン(電荷発生物質)3重量部とブチラ
ール樹脂(結着樹脂)(積水化学工業社製:エスレック
BL−1)1重量部とをメチルエチルケトン70重量部
に混合し、ペイントシェーカで分散処理し、電荷発生層
用塗液を調整した。得られた塗液中に中間層6を形成し
た導電性支持体2を浸漬して電荷発生層用塗液を塗布し
乾燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層4を形成した。
中間層6の上に形成された電荷発生層4は均一であっ
た。
【0091】次に、例示化合物2で示されるエナミン化
合物(電荷輸送物質)とポリカーボネート樹脂(結着樹
脂)(三菱瓦斯化学社製:PCZ−400)とを1:1
の重量比で混合し、さらにα−トコフェロール(酸化防
止剤)をポリカーボネート樹脂に対して2重量%添加
し、ジクロロメタン15重量%の電荷輸送層用塗液を調
整した。得られた塗液中に電荷発生層4を形成した導電
性支持体2を浸漬して電荷輸送層用塗液を塗布し乾燥し
て、膜厚15μmの電荷輸送層5を形成した。このよう
にして中間層6を有する円筒状の感光体7を得た。
【0092】なお、同様の層構成のシート状の感光体を
作製し、その感度を前記静電記録紙試験装置を用いて評
価した結果、前記半減露光エネルギー値が0.07μJ
/cm2 と極めて高い感度が得られた。また、円筒状の
感光体7を市販の複写機(シャープ社製:AR513
0)に搭載して記録光源をそのまま用い、光学系の解像
度を改造してパルス幅変調法によって1500dpiの
記録密度で中間電位の記録を行い、平均粒径5.5μm
の重合トナーを用いて複写画像評価を行ったところ、中
間濃度での濃度むらは認められず、解像度のテストパタ
ーンでは16本/mmまでの解像が可能であり、かつ白
地部のかぶりや微小黒点のない鮮明な画像が得られた。
4万枚相当の複写後の特性変化も問題はなかった。複写
後の感光層3の膜厚を測定したところ、1.9μmの減
少と、耐刷性に優れていることが判った。
【0093】(実施例5)製造例1において得られた本
発明の低結晶性チタニルフタロシアニン(電荷発生物
質)2重量部とブチラール樹脂(結着樹脂)(積水化学
工業社製:エスレックBM−1)1重量部とをメチルエ
チルケトン70重量部に混合し、ペイントシェーカで分
散処理して得られた電荷発生層用塗液を実施例4と同様
の中間層6の上に浸漬塗布し乾燥して、膜厚0.3μm
の電荷発生層4を形成した。中間層6の上に形成された
電荷発生層4は均一であった。
【0094】次に、例示化合物3で示されるエナミン化
合物(電荷輸送物質)に対して、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチル−フェノール(酸化防止剤)を5重量%
添加して電荷輸送層用塗液を調整し、電荷発生層4の上
に浸漬塗布し乾燥して、膜厚14μmの電荷輸送層5を
形成した。このようにして中間層6を有する円筒状の感
光体7を得た。
【0095】実施例4と同様にして感度を評価した結
果、半減露光エネルギー値が0.08μJ/cm2 と極
めて高い感度が得られた。また、実施例4と同様にして
複写画像を評価した結果、16本/mmまでの解像が可
能であり、かつ白地部のかぶりや微小黒点のない鮮明な
画像が得られた。
【0096】(実施例6)中間層6を設けなかった以外
は、実施例4と同様にして円筒状の感光体1を作製し
た。実施例4と同様の感度評価結果では、半減露光エネ
ルギー値が0.07μJ/cm2と極めて高い感度が得
られたが、電荷発生層用塗液の塗布工程時にやや不均質
な塗膜が形成される場合があり、複写画像に斑や微小黒
点が見られる場合があり、製造歩留りの点でやや劣るこ
とが判明した。
【0097】(実施例7)実施例4で中間層6のために
用いた酸化チタン(堺化学社製:STR−60N)は、
表面未処理の針状酸化チタンである。実施例7ではこれ
に代わって、表面未処理の粒状酸化チタン(石原産業社
製:TTO−55N)を用い、該酸化チタン90重量部
と共重合ナイロン(東レ社製:アミランCM8000)
90重量部とした。また、電荷輸送層の層厚を16μm
とした。これ以外は実施例4と同様にして円筒状の感光
体7を作製した。
【0098】実施例4と同様の感度評価結果では、半減
露光エネルギー値が0.08μJ/cm2 と極めて高い
感度が得られた。また、実施例4と同様にして複写画像
を評価した結果、16本/mmまでの解像が可能であ
り、かつ白地部のかぶりや微小黒点のない鮮明な画像が
得られた。
【0099】(比較例1)比較製造例1で得られたチタ
ニルフタロシアニンを用いた以外は実施例1と同様にし
て感光体1を作製した。実施例1と同様にして感度を評
価した結果、半減露光エネルギー値が0.48μJ/c
2 であった。電荷発生層用塗液中のチタニルフタロシ
アニンの結晶型をX線回折パターンで調べたところ、い
わゆるβ型に分類される結晶型に転移していることが判
明した。
【0100】(比較例2)電荷輸送物質として、下記構
造式(IV)のブタジエン化合物を用いた以外は実施例
1と同様にして感光体1を作製した。実施例1と同様に
して感度を評価した結果、半減露光エネルギー値が0.
23μJ/cm2 であり、実施例1のような高感度特性
は得られなかった。
【0101】
【化6】
【0102】(比較例3)電荷輸送物質として、下記構
造式(V)のトリフェニルアミン2量体化合物を用いた
以外は実施例1と同様にして感光体1を作製した。実施
例1と同様にして感度を評価した結果、半減露光エネル
ギー値が0.26μJ/cm2 であり、実施例1のよう
な高感度特性は得られなかった。
【0103】
【化7】
【0104】(比較例4)電荷輸送物質として、下記構
造式(VI)のスチリル化合物を用いた以外は実施例1
と同様にして感光体1を作製した。実施例1と同様にし
て感度を評価した結果、半減露光エネルギー値が0.2
5μJ/cm2 であり、実施例1のような高感度特性は
得られなかった。
【0105】
【化8】
【0106】(比較例5)電荷輸送物質として、下記構
造式(VII)のヒドラゾン化合物を用いた以外は実施
例1と同様にして感光体1を作製した。実施例1と同様
にして感度を評価した結果、半減露光エネルギー値が
0.22μJ/cm2 であり、実施例1のような高感度
特性は得られなかった。
【0107】
【化9】
【0108】(比較例6)電荷輸送層5の膜厚を28μ
mとした以外は実施例4と同様にして感光体7を作製し
た。実施例4と同様にして感度を評価した結果、半減露
光エネルギー値が0.04μJ/cm2と極めて高い感
度であったが、実施例4と同様にして画像を評価した結
果、10本/mmの判別ができる程度の低解像度であ
り、実施例4のような16本/mmの判別が可能な高解
像度は得られなかった。
【0109】(比較例7)α−トコフェロール(酸化防
止剤)を添加しない以外は実施例4と同様にして感光体
7を作製した。実施例4と同様にして感度を評価した結
果、半減露光エネルギー値が0.07μJ/cm2と極
めて高い感度であった。また、実施例4と同様にして画
像を評価した結果、16本/mmの判別が可能な高解像
度が得られた。しかし、耐久性において帯電電位の劣化
に問題があった。
【0110】(比較例8)酸化チタン(堺化学社製:S
TR−60N)120重量部と共重合ナイロン(東レ社
製:アミランCM8000)60重量部とに代えて中間
層6を形成した以外は実施例4と同様にして感光体7を
作製した。実施例4と同様にして感度を評価した結果、
半減露光エネルギー値が0.09μJ/cm2と高い感
度であったが、実施例4と同様にして画像を評価した結
果、画像中の白地に微小な黒点の発生が多く、高品質な
画像は得られなかった。
【0111】(比較例9)電荷輸送層5の結着樹脂とし
てポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:C−140
0)を用いた以外は実施例4と同様にして感光体7を作
製した。実施例4と同様にして感度を評価した結果、半
減露光エネルギー値が0.07μJ/cm2と高い感度
であった。また、実施例4と同様にして画像を評価した
結果、16本/mmの判別が可能な解像度が得られた。
しかし、4万枚相当の複写実施後の帯電性の低下が実施
例4に比べて大きいことが判明した。電位の低下は感光
層の膜厚減少によるものであり、5.2μmの膜厚が減
少していた。
【0112】(評価)実施例1〜7および比較例1〜9
の感光体に対して、デジタル複写機(シャープ社製:A
R5130改造機)を用いて、連続空コピー(Non Copy
Aging)を4万回行い、その前後において、初期帯電電
位V0(V)および感度(半減露光量)(μJ/cm
2 )を評価した。また、5℃/20%RHの低温低湿環
境と35℃/85%RHの高温高湿環境における、明電
位レベルの変化(温度特性変化)ΔVL(V)を測定し
た。さらに、低温低湿環境下での暗順応後のプロセス1
回転目の帯電低下量(V)を測定した。
【0113】また、円筒状の感光体では、高温高湿環境
下で帯電電位−800Vで反転現像し、得られたコピー
の画像特性として微小画像欠陥を評価し、また解像度
(本/mm)を測定した。さらに、一部の実施例および
比較例では、4万枚相当のコピーを実施してその耐久性
を調べた。評価結果を表6にまとめて示す。
【0114】
【表6】
【0115】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、機能分離
型の電子写真感光体において、電荷発生物質としてCu
Kα特性X線(波長:1.5418Å)のX線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.
3°に最大回折ピークを示す低結晶性チタニルフタロシ
アニン組成物を含有する電荷発生層と、一般式(I)で
表されるエナミン構造を有する電荷輸送物質を含有する
電荷輸送層とを設けたので、該電子写真感光体を搭載し
た画像形成装置では、1回転目から画像形成が可能で、
環境変化による電位特性変化が小さく、優れた電荷保持
能力を持ち、微小欠陥の少ない高品位な画像が形成で
き、したがって高感度な電子写真感光体が提供できる。
【0116】また本発明によれば、前記低結晶性チタニ
ルフタロシアニン組成物として、さらにブラッグ角9.
0゜〜10.0゜間に複数の回折ピークを示し、ブラッ
グ角24.0゜にブロードな回折ピークを示すものを用
いるのが特に好ましい。
【0117】また本発明によれば、前記ブラッグ角9.
0゜〜10.0゜間の複数の回折ピークおよびブラッグ
角24.0゜の回折ピークの各ピーク強度は、前記ブラ
ッグ角27.3゜の回折ピーク強度の25%以下であ
り、非晶質パターンを示す回折ピークを含むチタニルフ
タロシアニン組成物を用いるのが特に好ましい。
【0118】また本発明によれば、前記ブラッグ角9.
0゜〜10.0゜間の複数の回折ピークが具体的に、ブ
ラッグ角9.1゜,9.3゜および9.5゜に存在する
チタニルフタロシアニン組成物を用いるのが特に好まし
い。
【0119】また本発明によれば、前記低結晶性のチタ
ニルフタロシアニン組成物を主成分とする電荷発生層用
分散塗液は、浸漬塗布法によって感光層を形成する場
合、分散溶剤の蒸発潜熱のために、導電性支持体の熱容
量の影響を受け易いが、中間層を設けたので前記影響を
緩和することができる。
【0120】また本発明によれば、前記中間層として
は、ルチル型酸化チタンとポリアミドとを含有し、前記
ルチル型酸化チタンは中間層の全重量に対して30重量
%以上50重量%以下の範囲で含まれ、導電性支持体上
にこのような中間層、電荷発生層および電荷輸送層をこ
の順番に積層することによって、電位特性の安定性およ
び画像欠陥の防止効果が向上する。
【0121】また本発明によれば、上述の電子写真感光
体であって、特に高解像度な画像形成装置に適用される
電子写真感光体では、電荷輸送層の層厚を10μm以上
20μm以下の範囲に選ぶことが好ましい。これによっ
て、極めて高い感度が得られ、また高解像度の高画質が
安定して得られる。
【0122】また本発明によれば、特に高解像度な画像
形成装置に適用される電子写真感光体では、電荷発生層
は前記電荷発生物質に加えてさらにブチラール化された
結着樹脂を含むので、電荷発生層用塗液および電荷発生
物質の結晶型において優れた安定性が得られる。
【0123】また本発明によれば、特に高解像度な画像
形成装置に適用される電子写真感光体では、電荷輸送層
は前記電荷輸送物質に加えてさらに一般式(II)で表
されるポリカーボネートであって、粘度平均分子量が3
5,000〜85,000の範囲に選ばれるポリカーボ
ネートを結着樹脂として含むので、高感度、高解像度お
よび高画質が安定して得られる。
【0124】また本発明によれば、特に高解像度な画像
形成装置に適用される電子写真感光体では、電荷輸送層
は酸化防止剤としてヒンダードフェノールを電荷輸送物
質に対して0.5重量%以上10重量%以下の範囲で含
有するので、電位特性が安定化する。
【0125】また本発明によれば、上述の電子写真感光
体であって、780nmの波長に対する感度が表面電位
を−500Vから−250Vに光減衰させるのに必要な
半減露光エネルギー値で0.15μJ/cm2 以下に選
ばれる高感度の感光体は、デジタル画像形成装置に好適
に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電子写真感光体
1,7の断面図である。
【図2】製造例1で得られた結晶性物質のX線回折スペ
クトルを示すグラフである。
【図3】比較製造例1で得られた結晶性物質のX線回折
スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
1,7 電子写真感光体 2 導電性支持体 3 感光層 4 電荷発生層 4a 電荷発生物質 5 電荷輸送層 5a 電荷輸送物質 6 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/14 101 G03G 5/14 101E 9/08 9/08 (72)発明者 近藤 晃弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 EA05 2H068 AA16 AA19 AA20 AA34 AA35 AA43 AA44 BA12 BA39 BB16 BB26 BB28 BB52 CA60 FA27 FC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸
    送層との積層構造を有する感光層を備える電子写真感光
    体において、 前記電荷発生層は、電荷発生物質として、CuKα特性
    X線(波長:1.5418Å)に対するX線回折スペク
    トルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3
    ゜に最大回折ピークを示す結晶性チタニルフタロシアニ
    ン組成物を含有し、 前記電荷輸送層は、下記一般式(I)で表されるエナミ
    ン構造を有する電荷輸送物質を含有することを特徴とす
    る電子写真感光体。 【化1】 [式(I)中、Ar1は、置換基を有してもよいアリー
    レン基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有し
    てもよいアラルキル基または置換基を有してもよい複素
    環アルキル基を表す。nは、2〜4の整数である。]
  2. 【請求項2】 前記結晶性チタニルフタロシアニン組成
    物は、前記X線回折スペクトルにおいてさらに、ブラッ
    グ角9.0゜〜10.0゜の間に複数の回折ピークを示
    し、ブラッグ角24.0゜にブロードな回折ピークを示
    すことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記ブラッグ角9.0゜〜10.0゜の
    間に存在する複数の回折ピークおよびブラッグ角24.
    0゜に存在する回折ピークの各ピーク強度は、前記ブラ
    ッグ角27.3゜に存在する回折ピーク強度の25%以
    下であり、非晶質パターンを示す回折ピークを含むこと
    を特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記ブラッグ角9.0゜〜10.0゜の
    間に存在する複数の回折ピークは、ブラッグ角9.1
    ゜,9.3゜および9.5゜に存在することを特徴とす
    る請求項2記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記導電性支持体と感光層との間に配置
    される中間層を含むことを特徴とする請求項1〜4のう
    ちのいずれか1記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記中間層はルチル型酸化チタンとポリ
    アミドとを含有し、前記ルチル型酸化チタンは中間層の
    全重量に対して30重量%以上50重量%以下の範囲で
    含まれ、 前記導電性支持体上に、中間層、電荷発生層および電荷
    輸送層がこの順番に積層されていることを特徴とする請
    求項5記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 1200dpi以上の高密度露光を行っ
    て電子写真感光体上に潜像を形成し、平均粒径6μm以
    下のトナーを使用して反転現像方式で潜像の可視化を行
    う画像形成装置に適用される電子写真感光体では、電荷
    輸送層の層厚が10μm以上20μm以下の範囲に選ば
    れることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1
    記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記電子写真感光体は特に請求項2〜4
    のうちのいずれか1記載の電子写真感光体であり、前記
    電荷発生層はさらにブチラール化された結着樹脂を含む
    ことを特徴とする請求項7記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記電荷輸送層は結着樹脂として、下記
    一般式(II)で表されるポリカーボネートであって、
    粘度平均分子量が35,000〜85,000の範囲に
    選ばれるポリカーボネートを含むことを特徴とする請求
    項7記載の電子写真感光体。 【化2】 [式(II)中、R1〜R4は水素、ハゲロンまたは炭
    素数1〜4のアルキル基を表し、Zは置換、無置換の炭
    素環もしくは置換、無置換の複素環を形成するのに必要
    な原子群を表す。]
  10. 【請求項10】 前記電荷輸送層は、酸化防止剤として
    ヒンダードフェノールを電荷輸送物質に対して0.5重
    量%以上10重量%以下の範囲で含有することを特徴と
    する請求項7記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 780nmの波長に対する感度が表面
    電位を−500Vから−250Vに光減衰させるのに必
    要な半減露光エネルギー値で0.15μJ/cm2 以下
    に選ばれることを特徴とする請求項7〜10のうちのい
    ずれか1記載の電子写真感光体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002006548A (ja) * 2000-06-21 2002-01-09 Mitsubishi Chemicals Corp 画像形成方法及び画像形成装置
JP2003167363A (ja) * 2001-12-04 2003-06-13 Sharp Corp 電子写真用感光体及びその製造方法
KR100677581B1 (ko) 2005-03-16 2007-02-02 삼성전자주식회사 N,n-디비닐기를 갖는 방향족 아민계 전하 수송 물질
JP2011095476A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Sharp Corp 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置

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