JP2000144472A - 電解用塩水の精製処理方法 - Google Patents

電解用塩水の精製処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩水中に含有するヨウ素、シリカイオン等の
不純物を安定的且つ経済的に高率で除去して電解処理性
能に影響しない塩水にできる工業的実用性に富む電解用
塩水の精製処理法の提供。 【解決手段】 電解処理に供する塩水と水酸化ジルコニ
ウムとを酸性下接触処理することにより塩水中に含有す
る電解処理に影響するヨウ素及び/又はシリカイオンに
代表される不純物を吸着除去することを特徴とする電解
用塩水の精製処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解用塩水の精製処
理方法に関し、詳しくは、電解処理に影響する塩水中に
含有されるヨウ素及びシリカイオンを水酸化ジルコニウ
ムを用いて除去する電解用塩水の精製処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩水をイオン交換膜法で電気分解する場
合、使用する塩水中にppmオーダで混入されるヨウ素
イオンやシリカイオン、例えばヨウ素イオンであれば約
1ppmで含有され、シリカイオンは約10〜20pp
mで含有されることがあり、これらイオンが電解性能に
悪影響を与えることが知られている。このため従来から
電気分解する塩水中のヨウ素及びシリカイオンの除去が
種々行われている。従来の塩水からのヨウ素イオンの除
去法として、例えば、特開平7−237919号公報等
のイオン交換法、特公平7−91666号公報等の活性
炭吸着法、特公平6−88777号公報等の沈殿法等が
提案されている。また、シリカイオンの除去法として
は、例えば、特公昭55−3290号公報等のマグネシ
ウムイオン添加法、特公昭59−43556号公報等の
一次精製沈澱スラリー循環法及び特開昭60−1253
88号公報等のキレート樹脂吸着法等が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案の方
法は、それぞれ下記のような欠点があることが知見され
た。特開平7−237919号公報記載のイオン交換法
は、ヨウ素イオンをヨウ素錯イオンに酸化し、陰イオン
交換樹脂でイオン交換により塩水からヨウ素イオンを除
去する方法であるが、ヨウ素イオンをヨウ素錯イオンへ
確実に酸化制御することが困難である。即ち、ヨウ素イ
オンを酸化して得られる酸化生成物にヨウ素酸イオンが
あり、このヨウ素酸イオンが生成した場合、陰イオン交
換樹脂では吸着できないためヨウ素が残存することにな
る。そのため、この方法ではヨウ素の除去率が低くな
り、イオン交換膜法電解で要求されるヨウ素濃度0.2
mg/l以下の低濃度までヨウ素を除去することは難し
い。特公平7−91666号公報等に記載の活性炭吸着
法は、ヨウ素イオンをヨウ素錯イオンへ確実に酸化制御
することが困難であるとか、ヨウ素錯イオンが活性炭に
より還元されヨウ化物イオンになり吸着率が低下すると
いった等の不都合がある。また、特公平6−88777
号公報記載の沈澱法は、ヨウ素イオンを過ヨウ素酸イオ
ンまで酸化し、難溶性の過ヨウ素酸塩を形成析出させ塩
水からヨウ素を除去する方法であり、この方法もヨウ素
の除去率が低いという問題がある。
【0004】また、シリカイオン除去に関する上記提案
において、特公平55−3290号公報等記載のマグネ
シウムイオン添加法は、粗塩水中に塩化マグネシウム溶
液を添加し生成する水酸化マグネシウムにシリカイオン
を吸着させて除去する方法であり、多量の塩化マグネシ
ウムを添加することになり塩水マッドが増えその処理に
経費が嵩むことから改良が望まれている。また、特公昭
59−43556号公報記載の一次精製沈澱スラリー循
環法は、沈殿槽で濃縮した炭酸カルシウムや水酸化マグ
ネシウム等の一次精製沈澱スラリーの一部を反応槽に循
環させてシリカイオンと反応させ珪酸塩の形成を促進さ
せる方法であり、シリカイオン除去率が低くSiO2と
して2ppm以下にはできないため、高除去率が要求さ
れる場合には適用できない。更に、特開昭60−125
388号公報記載のキレート樹脂吸着法は、塩水を微酸
性として強陽イオン性マイクロポーラス型キレート樹脂
で処理する方法であり、この方法は上記のいずれの方法
よりシリカイオン除去率が低く高除去率の要求に適合で
きない。
【0005】発明者らは、上記したような各種提案され
ている従来法の欠点を鑑み、それらを解消し、塩水から
ヨウ素イオンやシリカイオンを高除去率で除去すると共
に、安定的で且つ経済的であって工業的に実用性に富む
塩水中のヨウ素及びシリカイオン除去法を開発すること
を目的として鋭意検討した。その結果、ヨウ素及びシリ
カイオンが所定条件下で水酸化ジルコニウムに効果的に
吸着除去され、且つ、所定に脱着することができること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、不純物
イオンを含有する塩水と水酸化ジルコニウムとを酸性下
接触処理して前記不純物イオンを吸着除去することを特
徴とする電解用塩水の精製処理方法が提供される。この
場合、前記不純物イオンがヨウ素及び/又はシリカイオ
ンである塩水に好適に適用できる。
【0007】また、本発明は、(1)ヨウ素及び/又は
シリカイオンを含有する塩水と水酸化ジルコニウムとを
酸性下接触処理してヨウ素及び/又はシリカイオンを吸
着除去するヨウ素及び/又はシリカイオン吸着工程、及
び(2)ヨウ素及び/又はシリカイオンを吸着した水酸
化ジルコニウムと水性液とを前記吸着工程のpH値より
高いpH値で接触させて吸着ヨウ素及び/又はシリカイ
オンを脱着するヨウ素及び/又はシリカイオン脱着工程
を有し、前記吸着工程と前記脱着工程を単一処理槽で交
互に行なう又は別々の処理槽でそれぞれ連続して行うこ
とを特徴とする電解用塩水の精製処理方法を提供する。
上記本発明の電解用塩水の精製処理方法において、前記
吸着工程と脱着工程を別々の処理槽で連続して行ない且
つ水酸化ジルコニウムを各工程間を循環させることが好
ましい。
【0008】上記本発明の電解用塩水の精製処理方法に
おいて、前記吸着工程と脱着工程を別々の処理槽で連続
して行ない且つ水酸化ジルコニウムを各工程間を循環さ
せることが好ましい。更に、塩水中に含有する中性シリ
カ及び/又はコロイダル状シリカをシリカイオンに変換
させる前処理工程を有して、中性シリカ及びコロイダル
状シリカをも含有する塩水の精製に適用することができ
る。なお、本発明において、ヨウ素イオンとは、ヨウ化
物イオン(I- )、ヨウ素錯イオン(I3 -)、ヨウ素酸
イオン(IO3 -)、過ヨウ素酸イオン(IO4 -、IO6
5- )等を総称する。更に、シリカイオンは溶解シリカ
で解離状の珪酸イオン(SiO3 2- )を指す。溶解シリ
カには上記珪酸イオンの他に非解離状の中性シリカやコ
ロイド状シリカの存在は周知である。本発明は特に珪酸
イオンの除去に優れる。塩水中に非解離状の中性シリカ
やコロイド状シリカが多く含まれる場合には、予め塩水
をアルカリ性として非解離状の中性シリカやコロイド状
シリカを珪酸イオンに変換させて、シリカイオンを除去
することができる。従って、アルカリ処理工程を含む塩
水中のシリカイオンの除去も本発明に包含される。ま
た、電解用塩水中に含有される電解処理に影響する不純
物としては、ヨウ素、シリカ、芒硝、クロレート、カル
シウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、ア
ルミニウム、鉄、ニッケル等を挙げることができる。こ
れら不純物のうちヨウ素イオン及びシリカイオンが代表
的であり、本発明はこれらのいずれか又は双方共に含有
される塩水に適用でき、以下は単にヨウ素及びシリカイ
オンと記載する。
【0009】本発明は上記のように構成され、ヨウ素及
びシリカイオンをほぼppmオーダで含有する電解用塩
水を、ヨウ素及びシリカイオンの吸着能に優れる水酸化
ジルコニウムと所定に接触させることから、塩水中のヨ
ウ素及びシリカイオンを高率且つ安定的に除去して電解
用塩水を精製処理できる。また、ヨウ素及び/又はシリ
カイオンを吸着した水酸化ジルコニウムは、所定に処理
して吸着ヨウ素及びシリカイオンを脱着して再生できる
ことから、水酸化ジルコニウムは繰返し使用でき経費が
増大することなく塩水から含有ヨウ素及びシリカイオン
を除去でき電解用塩水を効率よく精製処理できる。更
に、ヨウ素及びシリカイオンの吸着と脱着とを交互又は
連続的に繰返すことができ、安定して塩水中のヨウ素及
びシリカイオンを除去できる。ヨウ素及びシリカイオン
の吸着剤として用いる水酸化ジルコニウムは、上記した
各ヨウ素イオンの吸着に優れ、ヨウ素酸イオン、過ヨウ
素酸イオンも効率よく吸着でき、前記従来法に比し含有
ヨウ素イオンの除去率が向上し、電解用塩水を効果的に
精製できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、塩水中のヨウ素及びシリカイオ
ンは水酸化ジルコニウムに吸着され除去される。本発明
のヨウ素及びシリカイオンを吸着する水酸化ジルコニウ
ムの使用形態は、特に制限されるものでなく、粉状や粒
状のものをそのまま使用することができる。また、イオ
ン交換樹脂に担持させて用いることもできる。水酸化ジ
ルコニウムをそのまま使用する場合、その組成(ジルコ
ニウム含量)は特に制限されない。但し、水分含量が多
いものは機械強度が低く繰返し使用できないおそれがあ
る。従って、ヨウ素イオンの吸脱着を繰返し、再生再使
用する場合等においては、水分40重量%以下の水酸化
ジルコニウムを使用することが好ましい。水酸化ジルコ
ニウムの水分とは、付着水を除いた水酸化ジルコニウム
を灼熱し、二酸化ジルコニウムまで分解した場合の重量
変化をいう。
【0011】水酸化ジルコニウムをイオン交換樹脂に担
持して用いる場合は取扱が簡便となり好ましい。水酸化
ジルコニウムを担持するイオン交換樹脂としては、強酸
性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂及びキレ
ート樹脂のいずれかを選択して使用できる。この場合、
陰イオン交換樹脂は水酸化ジルコニウムの担持効率が低
く且つ塩化物イオンを吸脱着するため、ヨウ素及びシリ
カイオン吸着の選択性が損なわれることから使用は好ま
しくない。本発明の水酸化ジルコニウムの担持体として
用いる上記イオン交換樹脂は、表面の状態により分類さ
れる所謂ゲル型とマクロポーラス型のいずれでもよく双
方とも使用できる。ゲル型樹脂は表面積が小さいためヨ
ウ素イオンの吸脱着速度がマクロポーラス型より遅いが
条件を適宜選択することにより使用できる。また、平均
粒子径100〜1200μmの粒状のイオン交換樹脂が
好ましい。平均粒子径が100μmより小さい場合は取
扱いが煩雑となり、平均粒子が1200μmより大きい
場合はヨウ素イオンの吸着や脱着速度が低下する。
【0012】本発明において、上記イオン交換樹脂に水
酸化ジルコニウムを担持させる方法は、ジルコニルイオ
ンを含有する水溶液とイオン交換樹脂を接触させイオン
交換樹脂内の官能基をジルコニル型に変え、更にアンモ
ニア、苛性アルカリ金属、水酸化カルシウム、水酸化テ
トラアルキルアンモニウム等の水酸イオンを含有する水
溶液と接触させればよい。この場合、使用するアルカリ
水溶液としては、安全性、廃棄時の環境への影響、経済
性、使用条件等を総合的に判断して最適なものを選べば
よい。例えば、アンモニアは弱塩基であり、水酸化ジル
コニウムと反応するアンモニウムイオンが少なく、容易
に水酸化ジルコニウムから除去できる長所があり好まし
いが、反面、苛性ソーダより高価でまた排水規制されて
いる窒素が排水に高濃度で混入するおそれがある。一
方、苛性ソーダは強塩基であり、水酸化ジルコニウムと
反応するナトリウムイオンが多く、酸性にしないと水酸
化ジルコニウムから除去できないという欠点はあるが、
アンモニアより安価で、しかも排水規制の問題が少ない
という長所がある。
【0013】水酸化ジルコニウムの上記イオン交換樹脂
への担持量は、イオン交換樹脂の種類、処理容量、被処
理塩水量等処理条件に応じて必要な処理能力、即ちヨウ
素イオンの吸着能に適応できるように適宜選択する。水
酸化ジルコニウムの担持量は、イオン交換樹脂への担持
回数により調整できる。担持回数は一概にはいえず、イ
オン交換樹脂の種類、担持する水酸化ジルコニウム量、
ジルコニルイオン濃度等により最適回数を選択する。発
明者らによれば、担持回数が多い程ヨウ素又はシリカイ
オンを吸着する能力(イオン交換樹脂1リットル当たり
吸着されるヨウ素又はシリカイオンのg数で規定)は増
大する傾向がある。ヨウ素及びシリカイオン吸着能が大
きい程、一定量のヨウ素及びシリカイオンを一定時間で
処理するために必要なイオン交換樹脂量が減少し、処理
設備等がコンパクト化されて好ましい。しかし、担持回
数が増えることは、担持に必要なジルコニル化合物やア
ルカリの使用量が増え製造コストが高くなる。従って、
担持回数は、製造コスト、設備費等総合的な判断が必要
である。例えば、強酸性の陽イオン交換樹脂に担持する
場合、1回担持ではヨウ素イオンの吸着能が少なく大き
い設備や大量の樹脂が必要となり好ましくなく、また、
3回以上の担持では、担持コストに見合う設備の縮小や
樹脂使用の削減ができず好ましくなく、2回が最も好ま
しい。
【0014】本発明において、水酸化ジルコニウムをそ
のまま使用する場合は、ヨウ素酸イオン、過ヨウ素酸イ
オンの除去に優れ、水酸化ジルコニウムを樹脂に担持し
たものを使用する場合は、ヨウ化物イオン、ヨウ素酸イ
オン、過ヨウ素酸イオンの除去に優れていることが発明
者らにより知見された。即ち、処理をしようとする塩水
中のヨウ素イオンの形態により、吸着剤である水酸化ジ
ルコニウムの使用形態を適切に選ぶことができる。例え
ば、アメリカ等でよく使用される所謂井戸鹹水に含有さ
れるヨウ素イオンは主にヨウ化物イオンである。この場
合、そのまま水酸化ジルコニウム担持イオン交換樹脂で
吸着除去することができるし、また、塩素、次亜塩素酸
塩、臭素等による前処理でヨウ化物イオンをヨウ素酸イ
オンまで酸化すれば水酸化ジルコニウム単体、水酸化ジ
ルコニウム担持イオン交換樹脂のいずれを用いても除去
できる。また、イオン交換膜電解槽からの所謂淡塩水の
処理においては、ヨウ素イオンは主にヨウ素酸イオン又
は過ヨウ素酸イオンであり、水酸化ジルコニウム単体及
び水酸化ジルコニウム担持イオン交換樹脂のどちらを選
択して用いてもよい。上記のように本発明の塩水中のヨ
ウ素イオンの除去法は、特にヨウ化物イオン、ヨウ素酸
イオン及び過ヨウ素酸イオンのヨウ素イオンの除去に優
れ、それらを含有する塩水に好適である。
【0015】更に、発明者らによれば、処理しようとす
る塩水の種類によっては含まれる溶解シリカの形態が異
なることも知見される。例えば、天日塩を使用して製造
した塩水中に含有されるシリカは殆どが珪酸イオンとし
て溶解されている一方、前記井戸鹹水中のシリカは珪酸
イオンの他に非解離状の中性シリカやコロイド状シリカ
が共存することが多い。これら非解離状の中性シリカや
コロイド状シリカが含まれる塩水を処理する場合は、前
記のように水酸化ジルコニウムが吸着するシリカは珪酸
イオンであることから、予め前処理工程でアルカリ処理
して含有する中性シリカ等全シリカを珪酸イオンに変換
した後、水酸化ジルコニウムと接触させてシリカ成分を
除去すればよい。また、ヨウ素イオン及びシリカイオン
の双方が含有される塩水の場合、シリカイオン除去は水
酸化ジルコニウム単体及び水酸化ジルコニウム担持イオ
ン交換樹脂のいずれでもよいことから、ヨウ素イオン形
態により用いる水酸化ジルコニウムを選択する。更に、
前記井戸鹹水の場合は、先ずアルカリ処理して含有量の
多いシリカ分を除去した後、酸化処理してヨウ素分を除
去すればよい。
【0016】本発明は、ヨウ素及びシリカイオン含有塩
水と水酸化ジルコニウム単体又は水酸化ジルコニウム担
持イオン交換樹脂とを接触処理して塩水中のヨウ素及び
シリカイオンを除去するものであり、その接触処理の方
法は特に制限されるものでない。例えば、固定層状態に
保持した水酸化ジルコニウム単体又は水酸化ジルコニウ
ム担持イオン交換樹脂に、被処理塩水をダウンフロー又
はアップフローで通液して接触する方法、撹拌機構を備
えたタンク内で水酸化ジルコニウム単体又は水酸化ジル
コニウム担持イオン交換樹脂と塩水とをスラリー状態で
接触する方法、水酸化ジルコニウム担持イオン交換樹脂
を充填した充填塔の下部より塩水を供給して流動層を形
成して接触する方法等の従来公知の接触法を使用でき
る。
【0017】本発明のヨウ素及びシリカイオンの吸着工
程において、ヨウ素及びシリカイオン含有塩水と水酸化
ジルコニウム又は水酸化ジルコニウム担持イオン交換樹
脂との接触は酸性下で行なう。この場合、酸性度はpH
1〜5、好ましくはpH2〜3である。pH値が1より
低い場合は、水酸化ジルコニウムが一部溶解したり、塩
水中に共存する塩素酸ソーダが分解し塩素分が発生し、
安全な操作が続けられなくなり好ましくない。一方、p
H値が5より高い場合は、ヨウ素及びシリカイオンの除
去率が低下するため好ましくない。上記pH値の酸性保
持は、塩酸、硝酸等の酸を添加して行うことができる。
通常、処理する塩水中にはアルカリ金属塩化物が含有さ
れるため塩酸を用いる。接触温度は、0℃〜100℃、
好ましくは40℃〜90℃である。接触温度が高くなる
と、吸着速度が速くなり、且つ塩水の分離性も改善され
るので好ましい。ヨウ素及びシリカイオン吸着除去時の
被処理塩水の食塩濃度は特に制限されない。一般的な1
5〜26重量%の食塩濃度塩水を処理できる。水酸化ジ
ルコニウムとヨウ素及びシリカイオンの親和力は大き
く、塩水濃度に左右されることなく吸着できるためであ
り、このことは発明者らにより初めて知見された。従っ
て、本発明においては被処理塩水の希釈や濃縮が不要で
あり、操作が簡便となることも大きな特長の一つであ
る。
【0018】本発明において、吸着剤の水酸化ジルコニ
ウム又は水酸化ジルコニウム担持イオン交換樹脂は、ヨ
ウ素及びシリカイオン含有塩水と接触させそれらイオン
を吸着させて廃棄処理してもよいし、脱着再生して繰返
し使用してもよい。一回の吸着処理で廃棄する場合は、
脱着工程が不要となり、吸着剤の価格や廃棄の難易性等
との兼合いでは工業的メリットがある。通常は吸着イオ
ンを所定に脱着して再生し再使用する。
【0019】本発明のヨウ素及びシリカイオン脱着工程
において、吸着処理に使用した水酸化ジルコニウム又は
水酸化ジルコニウム担持イオン交換樹脂は、上記吸着時
pH値より高いpH値で水性液と接触処理することによ
り吸着イオンを分離して再生される。一般に脱着工程の
pH値は7〜14、好ましくは9〜13である。このp
H値とするため、通常、苛性ソーダ等のアリカリ剤を添
加する。pH値が7より低いと脱着効率が低く、14よ
り高いと多量のアルカリが必要であり経済的でなく好ま
しくない。脱着工程の所定pH値の水性液との接触方法
は、特に制限されることなく、前記吸着工程と同様に固
定層、スラリー状態及び流動層等で接触させる従来公知
の接触法を適宜選択できる。また、脱着温度は0℃〜1
00℃、好ましくは20℃〜70℃である。脱着温度が
高くなると脱着速度が速くなり、且つ水溶液の分離性も
改善するので好ましい。但し、高温過ぎると水性液の加
熱用に蒸気等の熱エネルギーが必要になり好ましくな
い。
【0020】本発明において、上記脱着処理に先立ち、
必要に応じてヨウ素及びシリカイオン吸着後、水酸化ジ
ルコニウム等の吸着剤を水洗処理することが好ましい。
吸着後の水洗処理により系外に排出される食塩を低減で
きる。また、脱着処理後の水酸化ジルコニウム等の吸着
剤も、必要に応じて水洗処理する。脱着処理後の水洗処
理は、再使用する吸着工程に同伴されるヨウ素及びシリ
カイオン量が減少するため好ましい。
【0021】本発明の上記ヨウ素及びシリカイオンの吸
着工程及び脱着工程は、所定の単一処理槽内で吸着と脱
着を交互に繰返して行なうことができる。この場合、処
理槽を複数設置し各処理槽における吸着と脱着処理を経
時的に連続させることができる。また、各別の処理槽内
でそれぞれ連続して吸着処理又は脱着処理し、その間を
水酸化ジルコニウム等の吸着剤を循環させ吸脱着処理を
連続させてもよい。このように吸着工程及び脱着工程を
連続して行うことにより、塩水からヨウ素及びシリカイ
オンを効率よく安定して且つ経済的に除去することがで
きる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。但し、本発明は下記実施例により制限されるもので
ない。下記実施例で使用する吸着剤として、水酸化ジル
コニウム単体は水分17.5重量%、平均粒系7.3μ
mのものを使用した。また、水酸化ジルコニウム担持イ
オン交換樹脂は下記する方法で調製した。即ち、三菱化
成社製陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンPK2
16、平均粒径740μm)10リットルをポリプロピ
レン製容器に入れ、2Mオキシ塩化ジルコニウム水溶液
20リットルを加えた。適時撹拌しながら2時間浸漬し
た。デカンテーションでオキシ塩化ジルコニウム水溶液
を除き、純水25リットルで5回洗浄した。樹脂を2M
苛性ソーダ溶液40リットル中に投入し、適時かき混ぜ
ながら1時間浸漬した。デカンテーションで苛性ソーダ
溶液を除き、純水25リットルで5回洗浄した。5回目
の洗浄水を捨てず、濃塩酸をpHが2.5まで滴下し
た。デカンテーションで液を捨て、先に使用した2Mオ
キシ塩化ジルコニウム水溶液20リットルを加えた後
は、濃塩酸をpHが2.5まで滴下するまで上記と同様
の操作を繰返し、担持回数2回で水酸化ジルコニウム担
持陽イオン交換樹脂を得た。なお、イオン交換樹脂に担
持された水酸化ジルコニウムは、約9モルである。
【0023】実施例1〜6 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヨウ素酸ナト
リウムを使用し、NaCl:300g/l、Na2
4:3g/l及びNaIO3:1.6mg/lの混合溶
液を調製した。調製した混合溶液を100mlずつ三角
フラスコ6個に採取して恒温槽に浸し50±1℃の温度
に調整し、前記水酸化ジルコニウム単体を各フラスコに
10g(実施例1)、5g(実施例2)、2g(実施例
3)、1g(実施例4)、0.5g(実施例5)及び
0.1g(実施例6)をそれぞれ添加した。更に、各フ
ラスコ内の溶液を撹拌しながら塩酸を滴下し溶液をpH
3に維持して15分間接触処理した。処理後の上澄み液
を濾過して採り、ヨウ素分を吸光光度法で分析してヨウ
素除去率を測定した。その結果を表1に示した。この実
施例1〜6から、水酸化ジルコニウム単体とヨウ素酸イ
オン含有塩水とを接触処理することによりヨウ素酸イオ
ンが効果的に除去できることが明らかである。
【0024】
【表1】
【0025】実施例7〜9 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナ
トリウムを使用し、NaCl:300g/l、Na2
4:3g/l、NaIO4:1.7mg/lの混合溶液
を調製した。調製した混合溶液100mlずつ三角フラ
スコ3個に採取して恒温槽に浸し50±1℃の温度に調
整し、前記水酸化ジルコニウム単体を各フラスコに10
g(実施例7)、5g(実施例8)及び1g(実施例
9)をそれぞれ添加した。更に、各フラスコ内の溶液を
撹拌しながら塩酸を滴下し溶液をpH3に維持して15
分間接触処理した。処理後の上澄み液を濾過して採り、
ヨウ素分を実施例1と同様にして分析しヨウ素除去率を
測定した。その結果を表2に示した。この実施例7〜9
から水酸化ジルコニウム単体と過ヨウ素酸イオン含有塩
水とを接触処理することにより、過ヨウ素酸イオンが効
果的に除去できることが明らかである。
【0026】
【表2】
【0027】実施例10〜15 実施例1と同様の混合溶液を100mlずつ三角フラス
コ6個に採取し、恒温槽に浸し50±1℃の温度に調整
し、前記のように調製した水酸化ジルコニウム担持陽イ
オン交換樹脂( 単に担持樹脂とする) を、各フラスコに
30g( 実施例10) 、20g( 実施例11) 、15g
( 実施例12) 、10g( 実施例13)5g( 実施例1
4) 及び1g( 実施例15) をそれぞれ添加した。フラ
スコ内の溶液を撹拌しながら塩酸を滴下し溶液をpH3
に維持して20分間接触処理した。処理後の上澄み液を
濾過して採り、ヨウ素分を実施例1と同様にして分析し
ヨウ素除去率を測定した。その結果を表3に示した。こ
の実施例10〜15から水酸化ジルコニウム担持イオン
交換樹脂とヨウ素酸イオン含有塩水とを接触処理するこ
とにより、ヨウ素酸イオンが効果的に除去できることが
明らかである。
【0028】
【表3】
【0029】実施例16〜18 実施例7と同様の混合溶液を100mlずつ三角フラス
コ3個に採取し、恒温槽に浸し50±1℃の温度に調整
し、前記のように調製した水酸化ジルコニウム担持陽イ
オン交換樹脂( 単に担持樹脂とする) を、各フラスコに
10g( 実施例16) 、5g( 実施例17) 及び1g(
実施例18) をそれぞれ添加し、フラスコ内の溶液を撹
拌しながら塩酸を滴下し溶液をpH3に維持して20分
間接触処理した。処理後の上澄み液を濾過して採り、ヨ
ウ素分を実施例1と同様にして分析しヨウ素除去率を測
定した。その結果を表4に示した。この実施例16〜1
8から水酸化ジルコニウム担持イオン交換樹脂と過ヨウ
素酸イオン含有塩水とを接触処理することにより、過ヨ
ウ素酸イオンが効果的に除去できることが明らかであ
る。
【0030】
【表4】
【0031】実施例19〜22 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヨウ化ナトリ
ウムを使用し、NaCl:300g/l、Na2SO4
3g/l、NaI:1.2mg/lの混合溶液を調製し
た。調製した混合溶液を100mlずつ三角フラスコ4
個に採取し、恒温槽に浸し50±1℃の温度に調整し、
前記のように調製した水酸化ジルコニウム担持陽イオン
交換樹脂( 単に担持樹脂とする) を、各フラスコに50
g(実施例19)、30g(実施例20)、20g(実
施例21)及び10g( 実施例22) をそれぞれ添加
し、フラスコ内の溶液を撹拌しながら塩酸を滴下し溶液
をpH3に維持して20分間接触処理した。処理後の上
澄み液を濾過して採り、ヨウ素分を実施例1と同様にし
て分析しヨウ素除去率を測定した。その結果を表5に示
した。この実施例19〜22から水酸化ジルコニウム担
持イオン交換樹脂とヨウ化物イオン含有塩水とを接触処
理することにより、ヨウ化物イオンが効果的に除去でき
ることが明らかである。
【0032】
【表5】
【0033】実施例23 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヨウ素酸ナト
リウムを使用し、NaCl:220g/l、Na2
4:7g/l、NaIO3:0.5mg/lの混合溶液
を調製した。混合溶液300mlを恒温槽に浸し温度を
50±1℃に調整しながら、オキシ塩化ジルコニウム
(30%溶液)を30ミリモル加え、次いで苛性ソーダ
(30%)を滴下してpH9にし、水酸化ジルコニウム
を生成させスラリー状とした。更に、塩酸を滴下し、ス
ラリーのpH値を3に維持しながら15分反応させた。
反応後の上澄み液を濾過して採り、ヨウ素分を実施例1
と同様にして分析しヨウ素除去率を測定した。その結果
ヨウ素分が98%除去されていた。これから明らかなよ
うに、ヨウ素酸イオン含有塩水をスラリー状の水酸化ジ
ルコニウムと接触処理してヨウ素酸イオンを除去できる
ことが分かる。
【0034】実施例24〜28 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウ
ムを使用し、NaCl:300g/l、Na2SO4:3
g/l及びNa2SiO3:20.3mg/lの混合溶液
を調製した。調製した混合溶液を100mlずつ三角フ
ラスコ5個に採取して恒温槽に浸し50±1℃の温度に
調整し、前記水酸化ジルコニウム単体を各フラスコに1
0g(実施例24)、5g(実施例25)、2g(実施
例26)、1g(実施例27)及び0.5g(実施例2
8)をそれぞれ添加した。更に、実施例1と同様に各フ
ラスコ内の溶液を撹拌しながら塩酸を滴下し溶液をpH
3に維持して15分間接触処理した。処理後の上澄み液
を濾過して採り、シリカ分をIPC発光分光分析で分析
してシリカ除去率を測定した。その結果を表6に示し
た。この実施例24〜28から、水酸化ジルコニウム単
体とシリカイオン含有塩水とを接触処理することにより
シリカイオンが効果的に除去できることが明らかであ
る。
【0035】
【表6】
【0036】実施例29〜33 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウ
ムを使用し、NaCl:300g/l、Na2SO4:3
g/l、Na2SiO3:20.3mg/lの混合溶液を
調製した。調製した混合溶液100mlずつ三角フラス
コ5個に採取して恒温槽に浸し50±1℃の温度に調整
し、前記水酸化ジルコニウムを担持する樹脂を各フラス
コに30g(実施例29)、20g(実施例30)、1
5g(実施例31)、10g(実施例32)及び5g
(実施例33)をそれぞれ添加した。更に、実施例10
と同様に各フラスコ内の溶液を撹拌しながら塩酸を滴下
し溶液をpH3に維持して20分間接触処理した。処理
後の上澄み液を濾過して採り、シリカ分を実施例24と
同様にして分析しシリカ除去率を測定した。その結果を
表7に示した。この実施例29〜33から水酸化ジルコ
ニウム担持樹脂を多く使用するほどシリカイオンの除去
率が高くなることが分かる。
【0037】
【表7】
【0038】実施例34〜38 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウ
ムを使用し、NaCl:200g/l、Na2SO4:5
g/l及びNa2SiO3:12.2mg/lの混合溶液
を調製した。調製した混合溶液を100mlずつ三角フ
ラスコ5個に採取して恒温槽に浸し50±1℃の温度に
調整し、前記水酸化ジルコニウム単体を各フラスコに1
0g(実施例34)、5g(実施例35)、2g(実施
例36)、1g(実施例37)及び0.5g(実施例3
8)をそれぞれ添加した。更に、各フラスコ内の溶液を
撹拌しながら塩酸を滴下し溶液をpH3に維持して15
分間接触処理した。処理後の上澄み液を濾過して採り、
実施例24と同様にしてシリカ分を分析してシリカ除去
率を測定した。その結果を表8に示した。この実施例3
4〜38から、水酸化ジルコニウム単体とシリカイオン
含有塩水とを接触処理することによりシリカイオンが効
果的に除去できることが明らかである。
【0039】
【表8】
【0040】実施例39〜43 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヨウ素酸ナト
リウム、珪酸ナトリウムを使用し、NaCl:300g
/l、Na2SO4:8g/l、NaIO8:1.6mg
/l及びNa2SiO3:20.3mg/lの混合溶液を
調製した。調製した混合溶液を100mlずつ三角フラ
スコ5個に採取して恒温槽に浸し50±1℃の温度に調
整し、前記水酸化ジルコニウムを担持する樹脂を各フラ
スコに30g(実施例39)、20g(実施例40)、
15g(実施例41)、10g(実施例42)及び5g
(実施例43)をそれぞれ添加した。更に、実施例10
と同様に各フラスコ内の溶液を撹拌しながら塩酸を滴下
し溶液をpH3に維持して20分間接触処理した。処理
後の上澄み液を濾過して採り、ヨウ素分を実施例1と同
様に分析しヨウ素酸除去率を測定し、また、シリカ分を
実施例24と同様に分析しシリカ除去率を測定した。そ
の結果を表9に示した。この実施例39〜43から、水
酸化ジルコニウム担持樹脂を多く使用するほどヨウ素酸
及びシリカイオンの除去率が高くなることが分かる。
【0041】
【表9】
【0042】実施例44 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウ
ムを使用し、NaCl:300g/l、Na2SO4:7
g/l及びNa2SiO3:20.3mg/lの混合溶液
を調製した。混合溶液300mlを恒温槽に浸し温度を
50±1℃に調整しながら、オキシ塩化ジルコニウム3
0重量%溶液を30ml添加した。更に苛性ソーダ30
重量%溶液をpH9まで滴下して水酸化ジルコニウムを
生成させた。更に塩酸を滴下しスラリー溶液をpH3に
維持しながら15分間反応させた。反応後の上澄み液を
濾過して採り、実施例24と同様にしてシリカ分を分析
した結果、シリカ除去率は95%であった。水酸化ジル
コニウムを生成して用いてもシリカイオンを除去できる
ことが分かる。
【0043】実施例45 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウ
ム及び市販のコロイダル状シリカ液(日本化学社製、二
酸化珪素として30重量%含有品)を使用し、NaC
l:300g/l、Na2SO4:3g/l、珪酸イオン
(二酸化珪素として10mg/l:モリブデン酸アンモ
ニウムを使用する吸光光度法で測定)及びコロイド状シ
リカ(二酸化珪素として5mg/l:IPC発光分光分
析による全シリカ分析値からモリブデン酸アンモニウム
を使用する吸光光度法による珪酸イオンの分析値との差
から求めた)の混合塩水を調製した。この調整した塩水
に重曹(NaHCO3)を塩水1リットル当たり2g加
えて溶かし、更に沸騰水バスに60分浸した後室温まで
放冷した。その後、塩酸を滴下してpH5に調整した。
上記のように処理した塩水のシリカ分をモリブデン酸ア
ンモニウムを使用する吸光光度法で確認した結果、全シ
リカは全て珪酸イオンに変換されていた。得られた塩水
100mlを三角フラスコに採取して恒温槽に浸し50
±1℃の温度に調整し、前記水酸化ジルコニウム単体を
15gを添加した。フラスコ内の溶液を撹拌しながら塩
酸を滴下し溶液をpH3に維持して20分間接触処理し
た。処理後の上澄み液を濾過して採り、実施例1と同様
にしてシリカ分を分析してシリカ除去率を測定した。そ
の結果、シリカ除去率は95%であった。この実施例4
5から塩水中にコロイダル状シリカを含有する場合も、
塩水を予めアルカリで処理して水酸化ジルコニウムと接
触することによりシリカ分を除去できること分かる。
【0044】実施例46 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ヨウ素酸ナト
リウムを使用し、NaCl:300g/l、Na2
4:7g/l、NaIO3:1.6mg/lの混合溶液
を調製し、塩酸を滴下しpH3に調整した。一方、水酸
化ジルコニウム50gを食塩水(NaCl:100g/
l)500mlに分散させた後、吸引濾過して、母液塩
水が付着している水酸化ジルコニウムケーキ層を作成し
た。このケーキ層に上記調製の混合溶液を50℃に維持
しながら200ml/時の流量で300時間通液して混
合溶液からヨウ素を吸着除去した。その後、ケーキ層
に、pH13のアルカリ水を50℃に維持しながら20
0ml/時の流量で50時間通液してケーキ層をアルカ
リ洗浄し、ケーキ層からヨウ素を脱着除去した。更に、
アルカリ洗浄したケーキ層に、pH2の水を50℃に維
持しながら500ml/時の流量で100時間通液して
水酸化ジルコニウムを活性化して再生した。上記の混合
溶液からのヨウ素吸着除去、ケーキ層に吸着したヨウ素
の脱着、水酸化ジルコニウム活性化再生を1サイクルと
して、合計5サイクル実施した。全サイクルにおいて処
理した混合溶液の塩水からのヨウ素除去率は95%以上
であった。これから明らかなように、水酸化ジルコニウ
ムをヨウ素イオンの吸着剤として用いて吸着除去し、そ
の後アルカリ処理して吸着ヨウ素イオンを脱着すること
により水酸化ジルコニウムの吸着能を再生でき、繰返し
使用できることが分かる。
【0045】実施例47 試薬の塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウ
ムを使用し、NaCl:300g/l、Na2SO4:7
g/l及びNa2SiO3:20.3mg/lの混合溶液
を調製し、塩酸を滴下してpH3に調整した。また、水
酸化ジルコニウム50gを食塩水(NaCl100g/
l)500mlに分散させ、吸引ろ過しケーキ層を作成
した。ケーキ層に上記で調製したpH3の混合溶液を5
0℃に維持しながら200ml/時の流量で50時間通
液してシリカ分を除去した。その後、実施例46と全く
同様に処理して再生活性化した。活性化した水酸化ジル
コニウムのケーキ層を用いて再び上記と同様にシリカイ
オン含有の混合溶液である塩水を通液してシリカ分を除
去した。このようにしてシリカ分の吸着、シリカ分の脱
着、水酸化ジルコニウムの再生活性化を1サイクルとし
て5サイクル実施した。いずれのサイクルにおいてもシ
リカ除去率は90%以上であった。これから明らかなよ
うに、水酸化ジルコニウムをシリカイオンの吸着剤とし
て用いて吸着除去し、その後アルカリ処理して吸着シリ
カイオンを脱着することにより水酸化ジルコニウムの吸
着能を再生でき、繰返し使用できることが分かる。
【0046】
【発明の効果】本発明の電解用塩水の精製処理法は、塩
水中にppmオーダで含有して電解処理に影響するヨウ
素及び/又はシリカイオンを、水酸化ジルコニウムを吸
着剤として用い選択的に高率で吸着除去でき、塩水の種
類や食塩濃度によることなく適用できる。また、吸着ヨ
ウ素及びシリカイオンを脱着して吸着剤を再生して繰り
返し使用でき経済性が高く、工業的実用性に優れる。ま
た、従来の方法に比しヨウ素酸イオンや過ヨウ素酸イオ
ンも選択的に効率よく除去できる。更に、塩水をイオン
交換膜法で電気分解する場合に悪影響を及ぼさないシリ
カイオン濃度5ppm以下に、要すれば1ppm以下ま
で、また、ヨウ素イオン濃度0.2ppm以下まで、シ
リカイオン及びヨウ素イオンを塩水中から効率よく高除
去でき、塩水のイオン交換膜法電気分解にとっても有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 輝美 東京都江東区深川2−6−11 富岡橋ビル クロリンエンジニアズ株式会社内 (72)発明者 奥野 貴子 東京都江東区深川2−6−11 富岡橋ビル クロリンエンジニアズ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物イオンを含有する塩水と水酸化ジ
    ルコニウムとを酸性下接触処理して前記不純物イオンを
    吸着除去することを特徴とする電解用塩水の精製処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記不純物イオンがヨウ素及び/又はシ
    リカイオンである請求項1記載の電解用塩水の精製処理
    方法。
  3. 【請求項3】 (1)ヨウ素及び/又はシリカイオンを
    含有する塩水と水酸化ジルコニウムとを酸性下接触処理
    してヨウ素及び/又はシリカイオンを吸着除去するヨウ
    素及び/又はシリカイオン吸着工程、及び(2)ヨウ素
    及び/又はシリカイオンを吸着した水酸化ジルコニウム
    と水性液とを前記吸着工程のpH値より高いpH値で接
    触させて吸着ヨウ素及び/又はシリカイオンを脱着する
    ヨウ素及び/又はシリカイオン脱着工程を有し、前記吸
    着工程と前記脱着工程を単一処理槽で交互に行なう又は
    別々の処理槽でそれぞれ連続して行うことを特徴とする
    電解用塩水の精製処理方法。
  4. 【請求項4】 前記吸着工程と脱着工程を別々の処理槽
    で連続して行ない且つ水酸化ジルコニウムを各工程間を
    循環させる請求項2記載の電解用塩水の精製処理方法。
  5. 【請求項5】 更に、塩水中に含有する中性シリカ及び
    /又はコロイダル状シリカをシリカイオンに変換させる
    前処理工程を有する請求項1、2又は3記載の電解用塩
    水の精製処理方法。
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