JP3563781B2 - 有機塩素化物の脱酸方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は有機塩素化物の脱酸方法に関し、更に詳しくは有機塩素化物中に含まれる塩化水素等の酸成分を除去する有機塩素化物の脱酸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クロロホルム等の有機塩素化物は、一般に有機物を塩素化して製造されるため、製品有機塩素化物に塩酸等の酸成分が含まれることが多い。有機塩素化物に含有される酸成分は装置を腐食したり、副反応が生起されるおそれもあり、酸成分を極力低減した有機塩素化物が要望されている。そのため、従来から有機塩素化物中の酸成分が各種の方法により除去されていた。例えば、水で洗浄する水洗浄方法、有機塩素化物中に空気や窒素等のガスを吹込み酸成分を揮発させ脱気除去するいわゆるストリッピング方法、アルカリで中和して除去するアルカリ中和方法、シアン化銅等の吸着剤をアルミナやシリカゲルに担持して有機塩素化物と接触させ吸着除去する吸着方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発明者らの検討によれば、上記従来法にはそれぞれ不都合のあることが知見された。即ち、水洗浄方法は、酸成分を除去する点は優れているが、有機塩素化物中の水分含有量が増加するため、後工程として乾燥処理が必要となる。ストリッピング方法は、除去効率が悪く含有酸成分を0.1ppm以下の低レベルに減少させることが困難である。アルカリ中和法は、水洗浄と同様に酸成分の除去率は優れているが有機塩素化物中の水分が増加したり、更に有機塩素化物がアルカリで分解することがあるため他の不純物が混入するおそれがある。吸着方法は、通常、吸着剤の再生が困難であり1回で廃棄処理するのが一般的となっており、経費が嵩む上、地球環境の汚染防止上好ましくない。
本発明は、上記従来の有機塩化物中の酸成分の除去方法の問題点を鑑み、それら各種欠点を解消すると共に、安定的且つ効率的に有機塩素化物から含有酸成分を除去する方法の提供を目的とする。
発明者らは上記目的のため、従来技術を種々検討した結果、従来、有機塩素化物により陰イオン交換樹脂が膨潤するおそれがあり、また、イオン交換基が劣化し易くイオン交換能の低下が著しく適さないとされていた吸着、再生、再使用が簡便な操作で行えるイオン交換吸着除去について注目し再検討した。その結果、イオン交換樹脂を用いることなくイオン交換処理可能なものとして、酸成分含有の有機塩素化物中でも化学反応することなく安定な無機化合物で、且つ、酸成分陰イオンとのイオン交換能を有し、イオン交換基の劣化も少ない無機水酸化物を見出し、本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(1)所定の無機水酸化物をイオン交換体として用い、酸成分を含有する有機塩素化物と接触させ該酸成分を吸着除去する酸成分除去工程、及び(2)前記酸成分除去工程でイオン交換され酸成分吸着無機水酸化物をアルカリ成分含有の水性液で処理して再生する再生工程の2工程を少なくとも有することを特徴とする有機塩素化物の脱酸方法が提供される。
上記本発明の有機塩素化物の脱酸方法においては、再生工程で再生された無機水酸化物を、酸成分除去工程で再使用することが好ましい。更に、前記酸成分除去工程後に有機塩素化物を前記無機水酸化物と分離する有機塩素化物分離工程を、及び、前記再生工程後に再生無機水酸化物を水性液から分離し、乾燥する水性液分離乾燥工程を有することが好ましい。
上記本発明の有機塩素化物の脱酸方法において、処理される有機塩素化物が、クロロホルム、四塩化炭素、三塩化エチレンまたは四塩化エチレンであり、酸成分が塩化水素であることが望ましい。また、イオン交換体として用いられる無機水酸化物は、好ましくは、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム、水酸化チタン及び水酸化第二鉄から選ばれる1種または2種以上の混合物である。
【0005】
【作用】
本発明は上記のように構成され、酸成分含有有機塩素化物を、その含有酸成分陰イオンとイオン交換能を有する無機水酸化物と接触処理するため、効率的に有機塩素化物から酸成分を吸着除去して脱酸することができる。
また、酸成分を吸着した無機水酸化物は、所定のアルカリ水性液により容易に再生でき、繰り返し再使用することができる。従って、廃棄物処理の問題もなく、イオン交換体の無機水酸化物の再生、再使用の操作も簡便であり、有機塩素化物の品質を損なうことなく、安定的に、且つ、経済的に酸成分を除去することができる。
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機塩素化物は、クロロホルム、四塩化炭素、三塩化エチレン、四塩化エチレン等であり、通常、塩酸を主体とする酸成分を含有する。この酸成分を溶解含有する水溶液は、通常、陰イオン交換樹脂との接触により容易に脱酸処理されることはよく知られている。しかし、前記したように上記有機塩素化物中においては、陰イオン交換樹脂が膨潤するおそれがあり、イオン交換基が劣化しイオン交換能が著しく低下し、再生して再使用することができないため、従来、イオン交換樹脂による脱酸処理は困難と考えられていた。
従来困難と考えられていた有機塩素化物中の酸成分のイオン交換による吸着除去処理について、発明者らは、通常のイオン交換法における吸着、再生、再使用の簡便で効率的な処理操作を鑑み、上記有機塩素化物の脱酸処理においても確立すべく検討したものであり、有機塩素化物の脱酸処理を、イオン交換樹脂を使用することなくイオン交換により行う本発明の方法は発明者らにより初めて見出されたものである。即ち、本発明は、有機塩素化物に含有される酸成分をイオン交換して吸着除去するものである。
【0007】
本発明のイオン交換体としては、被処理有機塩素化物に対し安定であり、酸成分陰イオンとイオン交換能を有する無機水酸化物を用いることができる。本発明で使用する上記無機水酸化物は、通常、市販されている試薬を用いることができる。また、当該無機塩をアルカリと反応させて得られる水酸化物を用いてもよい。イオン交換体の無機水酸化物の形状は、特に制限されるものでないが、通常、粉末状、顆粒状、粒状、円筒状等で用いることが好ましい。
上記イオン交換体の無機水酸化物は、そのまま用いることができる。また、活性炭、シリカゲル、フッ素系イオン交換樹脂等を担体として担持してイオン交換体として用いてもよい。
上記イオン交換体として用いる無機水酸化物は、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム、水酸化チタン及び水酸化第二鉄から選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましい。より好ましくは、水酸化ジルコニウムを用いる。
【0008】
本発明の酸成分除去工程において、上記イオン交換体と有機塩素化物との接触方法は、特に制限されるものでない。例えば、イオン交換体として、上記無機水酸化物をそのまま粉末固体状として有機塩素化物液に分散させスラリー状で接触させることができる。スラリー状接触においては、適宜撹拌する等によりスラリー保持することができる。また、上記無機水酸化物を円柱状や粒状等所定形状に成形した固形物ケーキを固定床として充填形成し、有機塩素化物を流通させて接触することができる。
一方、有機塩素化物は、通常、常温で液体であり、スラリー状接触においては、有機塩素化物液としては、そのまま液状有機塩素化物を用いることができる。また、他の有機溶媒に所定濃度で溶解させて接触させることもできる。固定床流通による接触処理は、通常、上記のスラリー状接触と同様に有機塩素化物液を流通させて行うことができる。
更に、上記したように上記水酸化物を活性炭、シリカゲル等の担体に担持したイオン交換体も、無担持の無機水酸化物と同様に、スラリー状や固定床として酸成分含有有機塩素化物と接触処理して、酸成分を吸着除去することができる。また、接触処理の温度、圧力は、特に制限されないが、一般には、常温、常圧にて処理することができる。
本発明の酸成分除去工程の接触処理において、有機塩素化物と接触させる上記イオン交換体の所定の無機水酸化物の所要量は、その無機水酸化物の種類、有機塩素化物中酸成分の含量、所望する処理後の有機塩素化物中の酸濃度等により適宜選択することができるが、通常、有機塩素化物中の酸成分1ミリ当量当たり0.1〜10グラム当量の無機水酸化物が接触するようにするのが好ましい。
【0009】
本発明において、通常、酸成分を吸着した無機水酸化物のイオン交換体を、接触処理された有機塩素化物液より分離する有機塩素化物分離工程を経て、その後、再生処理することが好ましい。
有機塩素化物分離工程において、分離方法は特に制限されるものでない。通常、スラリー接触の場合は、濾過機や沈降槽によって分離することができ、固定床接触の場合は、固定床充填塔より有機塩素化物液を抜出して分離できる。
上記濾過機としては、遠心式、フィルタープレス式、回転ドラム式、水平式等いずれの濾過装置も使用できる。また、沈降分離は、接触処理した装置内で、または、所定の沈降槽に供給し、無機水酸化物イオン交換体を自然沈降させた後、上澄液を抜き出して分離することができる。上澄液の抜き出しは、先ず、上澄液の殆どを上部から抜出し、その後、沈降した無機水酸化物イオン交換体の層を通過させ下部より抜出す方法が、液の抜出しが早く好ましい。
無機水酸化物イオン交換体が固定床の場合は、酸成分を吸着した固定床を通過させて接触処理された有機塩素化物液を抜き出すことができる。
接触処理した有機塩素化物は、無機水酸化物イオン交換体に付着して残存し易いが、できるだけ完全に除去するのがよい。完全に除去しない場合、水性液による酸成分の脱着が不十分となるおそれがあり、再生、再使用上不都合が生じるためである。有機塩素化物を完全に除く方法としては、加熱や温風送風により昇温させて乾燥させることが好ましい。
【0010】
本発明の再生工程において、酸成分吸着無機水酸化物イオン交換体は、上記のように有機塩素化物分離工程で有機塩素化物をほぼ完全に除去した後、アルカリ成分含有の水性液と接触させることにより酸成分が脱着され再生することができる。この再生工程において、アルカリ成分との接触を有機性溶媒中で行うこともできるが、有機性溶液が生成しその処置の問題が新たに発生するため好ましくなく、アルカリ成分含有の水性液を用いるのが好ましい。
水性液に含有するアルカリ成分としては、水溶液中に水酸イオンが含まれるものであればよく、通常、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア水、水酸化カルシウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム等が用いられる。
酸成分吸着無機水酸化物イオン交換体を再生するため、接触処理する水性液中のアルカリ成分量は、吸着した酸成分と当量、または当量よりやや多い量と接触するようにすることが好ましい。アルカリ成分量が、吸着された酸成分の当量より少ない場合は、再生効率が低下し、再使用の酸成分除去工程で所定の酸成分除去が達成できなくなるおそれがあり好ましくない。また、アルカリ成分量が、吸着された酸成分の当量より多すぎる場合は、アルカリ成分の原単位が悪化し、好ましくない。
上記再生工程において、アルカリ成分含有水性液中で再生された無機水酸化物イオン交換体は、水性液より分離し、付着する水性液を、前記した有機塩素化物液の場合と同様に、昇温して乾燥処理して完全に除去されるのが好ましい。
乾燥が不十分な場合は、再使用の酸成分除去工程において有機塩素化物中に水分が移行し、品質低下の問題が起こり好ましくない。
【0011】
上記再生処理により、本発明の無機水酸化物イオン交換体は、再び、酸成分とのイオン交換能を有するようになり、繰り返し、酸成分含有の有機塩素化物から酸成分のイオン交換し吸着除去処理に使用できる。
本発明において、上記のように酸成分除去工程、有機塩素化物分離乾燥工程、再生工程、及び、水性液分離乾燥工程を有する処理サイクルを繰り返すことにより、無機水酸化物のイオン交換体を繰り返し再使用することができ、工業性に優れ実用的な有機塩素化物からの酸成分除去処理が可能となる。
【0012】
【実施例】
本発明について実施例に基づき、更に詳細に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限されるものでない。
(本発明の無機水酸化物のイオン交換体の調製)
下記実施例で使用する無機水酸化物のイオン交換体を、それぞれ調製した。
(1)水酸化ジルコニウム(Zr (OH)4)
酸化ジルコニウム(和光純薬(株)製)90gを濃硫酸150mlと共に加熱して溶解し、その後、水500mlに添加し水溶液とした。得られた水溶液に、6Nアンモニア水を添加して水酸化ジルコニウムを析出沈澱させた。沈澱した水酸化ジルコニウムを濾過後、硫酸イオンが検出されなくなるまで0.1Nアンモニア水で洗浄した。得られた濾過物を、更に12N塩酸250mlに溶解後、6Nアンモニア水600mlを一度に添加してほぼpH7とし再沈澱させ、15〜20℃で一夜熟成し、その後、水洗、風乾して、105gの水酸化ジルコニウムを得た。
(2)水酸化セリウム(Ce (OH)4)
酸化セリウム(和光純薬(株)製)100gを濃硫酸150mlと共に加熱溶解した後、500mlの水を添加して希釈した後、6Nアンモニア水900mlを添加してpH11として水酸化セリウムを析出沈澱させ、一夜熟成し、その後、塩素イオンが検出されなくなるまで0.1Nアンモニア水で洗浄し、更に水洗、風乾して110gの水酸化セリウムを得た。
(3)水酸化チタン(Ti (OH)4)
四塩化チタン(和光純薬(株)製)90mlを6N塩酸180mlに溶解した後、4.5リットルの水に希釈し、3Nアンモニア水1450mlを添加してpH7とし水酸化チタンを析出沈澱させ、一夜放置し濾過した。濾過後0.01N塩酸でアンモニウムイオンが検出されなくなるまで洗浄し、次いで、塩素イオンが検出されなくなるまで水洗した後風乾し96gの水酸化チタンを得た。
(4)水酸化第二鉄(Fe(OH)3)
塩化第二鉄(和光純薬(株)製)を使用して0.1モル/リットルの水溶液3リットルを作成した。作成した水溶液に2.5%アンモニア水250mlを加え70℃に加熱し、70℃で2日間放置して、水酸化第二鉄が析出したスラリー液を得た。得られたスラリー液を濾過し、塩化物イオンが検出されなくなるまで2.5%アンモニア水で洗浄し、次いでアンモニアイオンが検出されなくなるまで水洗し、50℃で乾燥し、30gの水酸化第二鉄を得た。
【0013】
実施例1〜4
塩酸として0.8重量ppmの酸成分を含有するクロロホルム500mlをガラス製ビーカーに採り、上記で調製した無機水酸化物のイオン交換体をそれぞれ表1に示した量を添加した。その後、25℃で15分間マグネット撹拌機で撹拌してスラリー状で接触し、酸成分を吸着除去処理した。
処理終了後スラリーを放置し、無機水酸化物イオン交換体を自然沈降させた。上澄液をデカンテーションで除き、塩酸を吸着した水酸化物イオン交換体に付着するクロロホルムを50℃に加熱して揮発させ完全に除去した。
次いで、塩酸吸着イオン交換体の入ったビーカーに純水50mlと0.1N苛性ソーダ水溶液0.5mlを加え、室温で15分間マグネット撹拌機で撹拌してスラリー状とし、酸成分の脱着処理をした。
終了後、スラリーを放置し、イオン交換体を自然沈降させた。上澄液をデカンテーションで除き、更に、80℃に加熱してイオン交換体に付着する水性液を完全に乾燥除去した。
上記の塩酸吸着、クロロホルム分離乾燥、塩酸脱着及び水性液分離乾燥のサイクル操作を各無機水酸化物のイオン交換体で10回繰り返した。
各処理サイクル操作時でのクロロホルムに残存する塩酸量を10回操作の平均値として表1に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
実施例5〜8
塩酸として2.0重量ppmの酸成分を含有する四塩化炭素500mlをガラス製ビーカーに採り、無機イオン交換体をそれぞれ表2に示した量を添加し、また、四塩化炭素を揮発させるための加温処理を60℃とした以外は実施例1と全く同様にして、各無機水酸化物のイオン交換体による塩酸吸着、四塩化炭素分離乾燥、塩酸脱着及び水性液分離乾燥のサイクル操作を10回繰り返した。
各処理サイクル操作時での四塩化炭素に残存する塩酸量を10回操作の平均値として表2に示した。
【0016】
【表2】
【0017】
実施例9〜12
塩酸として1.5重量ppmの酸成分を含有する三塩化エチレン500mlをガラス製ビーカーに採り、無機イオン交換体をそれぞれ表3に示した量を添加し、また、三塩化エチレンを揮発させるための加温処理を70℃とした以外は実施例1と全く同様にして、各無機水酸化物のイオン交換体による塩酸吸着、三塩化エチレン分離乾燥、塩酸脱着及び水性液分離乾燥のサイクル操作を10回繰り返した。
各処理サイクル操作時での三塩化エチレンに残存する塩酸量を10回操作の平均値として表3に示した。
【0018】
【表3】
【0019】
実施例13〜16
塩酸として3.3重量ppmの酸成分を含有する四塩化エチレン500mlをガラス製ビーカーに採り、無機イオン交換体をそれぞれ表4に示した量を添加し、また、四塩化エチレンを揮発させるための加温処理を80℃とした以外は実施例1と全く同様にして、各無機水酸化物のイオン交換体による塩酸吸着、四塩化エチレン分離乾燥、塩酸脱着及び水性液分離乾燥のサイクル操作を10回繰り返した。
各処理サイクル操作時での四塩化エチレンに残存する塩酸量を10回操作の平均値として表4に示した。
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】
本発明の有機塩素化物の脱酸方法は、所定の無機水酸化物をイオン交換体として用いて処理するため、酸成分の吸脱着操作により再生、再使用して繰返し用いることができる。また、有機塩素化物に含有される酸成分が、効率的に吸着除去することができると共に、酸成分の吸着、塩素化物からの分離乾燥、酸成分の脱着及び再生水性液からの分離乾燥の操作をサイクルで簡便に行うことができ、従来法に比し、円滑に且つ安定的に低レベルまで脱酸でき、極めて実用的である。
Claims (3)
- (1)所定の無機水酸化物をイオン交換体として用い、酸成分を含有する有機塩素化物と接触させ該酸成分を吸着除去する酸成分除去工程、及び(2)前記酸成分除去工程でイオン交換され酸成分吸着無機水酸化物をアルカリ成分含有の水性液で処理して再生する再生工程の2工程を少なくとも有し、
前記有機塩素化物が、クロロホルム、四塩化炭素、三塩化エチレンまたは四塩化エチレンであり、酸成分が塩化水素であり、かつ、
前記無機水酸化物が、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム、水酸化チタン及び水酸化第二鉄から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする有機塩素化物の脱酸方法。 - 前記再生工程で再生された無機水酸化物を、前記酸成分除去工程で再使用する請求項1記載の有機塩素化物の脱酸方法。
- 更に、前記酸成分除去工程後に有機塩素化物を前記無機水酸化物と分離し乾燥する有機塩素化物分離乾燥工程を、及び、前記再生工程後に再生無機水酸化物を水性液から分離し乾燥する水性液分離乾燥工程を有する請求項1または2記載の有機塩素化物の脱酸方法。
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JP23935194A JP3563781B2 (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-07 | 有機塩素化物の脱酸方法 |
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JPH0873384A JPH0873384A (ja) | 1996-03-19 |
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CN108620137A (zh) * | 2017-03-15 | 2018-10-09 | 成都汇嘉春天科技有限公司 | 有机化合物脱酸用催化剂的制备工艺 |
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