JP2000143746A - 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物 - Google Patents

硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物

Info

Publication number
JP2000143746A
JP2000143746A JP4246999A JP4246999A JP2000143746A JP 2000143746 A JP2000143746 A JP 2000143746A JP 4246999 A JP4246999 A JP 4246999A JP 4246999 A JP4246999 A JP 4246999A JP 2000143746 A JP2000143746 A JP 2000143746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
meth
vinyl ether
acrylate
curable composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4246999A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruo Shiono
輝雄 塩野
Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Takero Sunahara
建朗 砂原
Masashi Arishima
真史 有島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP4246999A priority Critical patent/JP2000143746A/ja
Publication of JP2000143746A publication Critical patent/JP2000143746A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素濃度が高い雰囲気下でも、不活性ガスで置
換した雰囲気下と同様に高い硬化性や密着性を得ること
ができる活性エネルギー線硬化性組成物、それを用いた
電子線による硬化皮膜の形成方法および硬化物の提供。 【解決手段】ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル
基とを有するエポキシエステル化合物(A)および他の
重合性不飽和化合物(B)を含むことを特徴とする活性
エネルギー線硬化性組成物、前記組成物に500ppm
以上の酸素濃度下において電子線を照射することを特徴
とする硬化皮膜の形成方法、および前記組成物に500
ppm以上の酸素濃度下において電子線を照射してなる
硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素による硬化阻
害を受けにくい活性エネルギー線硬化性組成物、それを
用いた500ppm以上の酸素濃度下における硬化皮膜
の形成方法および硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線、紫外線等の活性エネルギー線硬
化技術は、(1)速硬化性であり、生産性が高い、
(2)エネルギーコストが低い、(3)無溶剤化により
揮発性分の環境への排出を低減できるなどの利点を有し
ており、塗料、インキ、接着剤等の用途に広く利用され
ている。活性エネルギー線の中で、特に電子線は透過性
が高く顔料の影響を受けにくい、開始剤の添加を必ずし
も必要とせずコストおよび衛生面で有利であるなどの特
徴を有することから、電子線硬化技術を応用した用途は
拡大傾向にある。それらに使用される電子線硬化性化合
物としては、(メタ)アクリロイル基を有するラジカル
重合性化合物が一般的である。
【0003】しかしながら、活性エネルギー線硬化性組
成物を空気中のような酸素濃度が高い雰囲気下で硬化さ
せると表面層の硬化が酸素により阻害を受け、硬化性が
不十分となるという欠点を有していた。このような欠点
を克服するために、これまで多くの提案がなされてい
る。例えば、窒素ガス等の不活性ガスを吹き込み、雰囲
気中の酸素濃度を低下させる方法が知られている。ま
た、活性エネルギー線硬化性樹脂にアミンを添加する方
法が特公昭49−10358号公報等に、亜リン酸エス
テル類およびホスフィン類等の3価リン化合物を添加す
る方法が特開昭46−1790号公報等に、ビニルエー
テル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を使用
する方法が特開平5−320287号公報や特開平6−
16731号公報等に開示されている。
【0004】上記の不活性ガスを用いる方法は、不活性
ガスが高価であり、経済的に適用できる用途が限定され
るという欠点を有しているため、紫外線硬化では一般的
に用いられていない。一方、電子線硬化においては、不
活性ガスにより酸素濃度を通常200ppm以下に調整
して電子線照射を行っている。しかし、高速で印刷およ
び塗装を行う場合には、被照射物が空気を巻き込むため
酸素濃度が上昇し、硬化阻害を引き起こす場合がある。
また、上記のアミンまたは3価リン化合物を添加する方
法は、実用レベルの表面硬化性を得るためにが大量の添
加が必要であるが、それらを過剰に添加すると、それら
自体はラジカル重合性基を有していないため、未反応成
分の増加により逆に表面硬度が低下する欠点がある。
【0005】特開平5−320287号公報や特開平6
−16731号公報等に開示されているビニルエーテル
基と(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系化合物
またはポリエステル系化合物を含む組成物は、光カチオ
ン重合触媒を必須成分としており、光カチオン触媒が一
般的に高価であることからその使用に制限を受ける。ま
た、ウレタン系化合物およびポリエステル系化合物は、
ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどのプ
ラスチックフィルム等に対する密着性がやや劣るという
ような欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸素
濃度が高い雰囲気下でも、不活性ガスで置換した雰囲気
下と同様に高い硬化性や密着性を得ることができる活性
エネルギー線硬化性組成物、それを用いた電子線による
硬化皮膜の形成方法および硬化物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基
とを有するエポキシエステル化合物を含む活性エネルギ
ー線硬化性組成物が、高酸素濃度下でも良好な硬化性を
示すことを見出し、本発明に至った。また、本発明者ら
は、上記硬化性組成物に500ppm以上の酸素濃度下
で電子線を照射することにより良好な硬化皮膜が得られ
ることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、ビニルエーテル基と(メ
タ)アクリロイル基とを有するエポキシエステル化合物
(A)および他の重合性不飽和化合物(B)を含むこと
を特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、エポキシエステル化合物(A)が、カ
ルボキシル基を有する(メタ)アクリル系化合物(a)
と、カルボキシル基を有するビニルエーテル化合物
(b)と、ポリエポキシ化合物(c)との反応物である
上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【0009】また、本発明は、カルボキシル基を有する
(メタ)アクリル系化合物(a)が、環状酸無水物と水
酸基含有(メタ)アクリル系化合物とを反応させてなる
ハーフエステルである上記活性エネルギー線硬化性組成
物に関する。また、本発明は、カルボキシル基を有する
ビニルエーテル化合物(b)が、環状酸無水物と水酸基
含有ビニルエーテル化合物とを反応させてなるハーフエ
ステルである上記活性エネルギー線硬化性組成物に関す
る。
【0010】また、本発明は、エポキシエステル化合物
(A)が、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系
化合物(a)とポリエポキシ化合物(c)との反応物に
ω−ハロゲン化アルキルビニルエーテル化合物を反応さ
せてなる化合物である上記活性エネルギー線硬化性組成
物に関する。また、本発明は、インキ、塗料または接着
剤用途である上記いずれかの活性エネルギー線硬化性組
成物に関する。
【0011】また、本発明は、上記いずれかの活性エネ
ルギー線硬化性組成物に、500ppm以上の酸素濃度
下において電子線を照射することを特徴とする硬化皮膜
の形成方法に関する。また、本発明は、加速電圧が30
〜100kVの電子線を照射する上記硬化皮膜の形成方
法に関する。また、本発明は、電子線の被照射線量が1
〜10kGyである上記硬化皮膜の形成方法に関する。
さらに、本発明は、上記いずれかの活性エネルギー線硬
化性組成物に、500ppm以上の酸素濃度下において
電子線を照射してなる硬化物に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、ビニルエーテル
基と(メタ)アクリロイル基とを有するエポキシエステ
ル化合物(A)は、カルボキシルを有する(メタ)アク
リル系化合物(a)とカルボキシル基を有するビニルエ
ーテル化合物(b)とポリエポキシ化合物(c)とを反
応させて得られる。(a)、(b)および(c)は、
(c)のエポキシ基1個に対して、(a)と(b)のカ
ルボキシル基の合計が0.8〜1.2個となる比率で反
応させることが好ましい。0.8個未満の比率であると
ビニルエーテル基および(メタ)アクリロイル基の数が
減少するため、得られるエポキシエステル化合物(A)
の反応性が低下して好ましくなく、1.2個を越える比
率であると未反応のカルボキシル基が多く耐水性が低下
するため好ましくない。
【0013】また、(a)と(b)の比率は、(b)1
モルに対して(a)1〜4モルであることが好ましい。
(b)1モルに対して(a)が1モル未満の比率である
と、得られるエポキシエステル化合物(A)の反応性が
低下して好ましくなく、4モルを越える比率であると、
高酸素濃度下での酸素による硬化阻害を受けやすくなり
好ましくない。また、この方法で得られるエポキシエス
テル化合物(A)の数平均分子量は、500から200
0の範囲が好ましい。500未満では密着性が悪く、2
000を越えると反応性が低下するため、好ましくな
い。
【0014】カルボキシル基を有する(メタ)アクリル
系化合物(a)は、カルボキシル基と(メタ)アクリル
基とを有する化合物であり、例えば、フタル酸β−(メ
タ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β
−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタ
ル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コ
ハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、
β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、アクリル
酸、メタクリル酸などを挙げることができる。また、カ
ルボキシル基を有する(メタ)アクリル系化合物(a)
は、環状酸無水物と水酸基含有(メタ)アクリル系化合
物とを、必要に応じて3級アミン触媒等の存在下に、公
知の方法で反応させることにより得ることもできる。
【0015】上記環状酸無水物はジカルボン酸の環状酸
無水物であり、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタル酸、マレイン
酸などの脂肪族系ジカルボン酸の環状酸無水物、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸無水物(テトラヒドロ無水
フタル酸)、メチルシクロヘキサンジカルボン酸無水
物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸などの脂環系ジカルボン酸の環状
酸無水物、無水フタル酸などの芳香族環状酸無水物を挙
げることができる。
【0016】また、上記水酸基含有(メタ)アクリル系
化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレン
グチコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-(メ
タ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンカプロラ
クトネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハ
イドロジェンジカプロラクトネート、2-(メタ)アク
リロイルオキシエチルハイドロジェンポリ(重合度3〜
5)カプロラクトネート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル−2−ヒドロキシ−6ヘキサノラクトネー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル2−ヒドロ
キシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロー
ルモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモ
ノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペン
タエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、エチレンオ
キサイド変性トリメチロールプロパンモノ(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。
【0017】カルボキシル基を有するビニルエーテル化
合物(b)は、カルボキシル基とビニルエーテル基とを
有する化合物であり、例えば、フタル酸β−ビニロキシ
エチルモノエステル、イソフタル酸β−ビニロキシエチ
ルモノエステル、テレフタル酸β−ビニロキシエチルモ
ノエステル、コハク酸β−ビニロキシエチルモノエステ
ルなどが挙げられる。また、カルボキシル基を有するビ
ニルエーテル化合物(b)は、上記環状酸無水物と水酸
基含有ビニルエーテル化合物とを、必要に応じて3級ア
ミン触媒等の存在下に、公知の方法で反応させることに
より得ることもできる。
【0018】水酸基含有ビニルエーテル化合物として
は、例えば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−
ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエー
テル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリ
エチレングチコールモノビニルエーテル、テトラエチレ
ングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールモ
ノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビ
ニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエー
テルなどが挙げられる。
【0019】ポリエポキシ化合物(c)には、ビスフェ
ノール型、脂肪族系、フェノールノボラック型などのポ
リエポキシ化合物がある。ビスフェノール型ポリエポキ
シ化合物の具体例としては、油化シェルエポキシ(株)
製のエピコート801、エピコート807、エピコート
808、エピコート815、エピコート816、エピコ
ート819、エピコート828、エピコート834、エ
ピコート1001、エピコート4010P、チバガイギ
ー(株)製のアラルダイトGY−257、アラルダイト
GY−252、アラルダイトGY−250、アラルダイ
トGY−260、アラルダイドGY−280、ダウケミ
カル日本(株)製のD.E.R.324、D.E.R.
331、D.E.R.332、D.E.R.334、
D.E.R.335、D.E.R.336、D.E.
R.337、D.E.R.353J、D.E.R.73
2、D.E.R.736等が挙げられる。
【0020】また、脂肪族系ポリエポキシ化合物の具体
例としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロー
ルポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリ
シジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0021】また、本発明において、ビニルエーテル基
と(メタ)アクリロイル基とを有するエポキシエステル
化合物(A)は、カルボキシル基を有する(メタ)アク
リル系化合物(a)とポリエポキシ化合物(c)との反
応物にω−ハロゲン化アルキルビニルエーテル化合物を
塩基性化合物または還元剤の存在下で反応させて得るこ
ともできる。(a)と(c)は、(c)のエポキシ基1
個に対して、(a)のカルボキシル基が0.8〜1.2
個となる比率で反応させることが好ましい。0.8個未
満の比率であるとビニルエーテル基または(メタ)アク
リロイル基の数が減少するため、得られるエポキシエス
テル化合物(A)の反応性が低下して好ましくなく、
1.2個を越える比率であると未反応のカルボキシル基
が増加して耐水性が低下するため好ましくない。
【0022】また、(a)と(c)との反応物とω−ハ
ロゲン化アルキルビニルエーテル化合物とは、ω−ハロ
ゲン化アルキルビニルエーテル化合物1モルに対して
(a)と(c)の反応物の(メタ)アクリロイル基が1
〜4モルとなる比率で反応させることが好ましい。1モ
ル未満の比率であると、得られるエポキシエステル化合
物(A)の反応性が低下して好ましくなく、4モルを越
える比率であると、高酸素濃度下での酸素による硬化阻
害を受けやすくなり好ましくない。また、この方法で得
られるエポキシエステル化合物(A)の数平均分子量
は、500から2000の範囲が好ましい。500未満
では密着性が悪く、2000を越えると反応性が低下す
るため、好ましくない。
【0023】上記ω−ハロゲン化アルキルビニルエーテ
ル化合物のアルキル基の炭素数は、1から4であること
が好ましく、上記化合物の具体例としては、クロロエチ
ルビニルエーテル、ブロモエチルビニルエーテルなどが
挙げられる。また、塩基性化合物としては、水酸化ナト
リウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられ、
還元剤としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムな
どが挙げられる。
【0024】他の重合性不飽和化合物(B)は、エポキ
シエステル化合物(A)を除くエチレン性不飽和化合物
であり、(メタ)アクリル系化合物、ビニルエーテル系
化合物などが挙げられる。重合性不飽和化合物は、目的
に応じて、2種以上を組み合わせて使用することができ
る。エポキシエステル化合物(A)と他の重合性不飽和
化合物(B)の配合比率は(A):(B)=10:90
〜90:10、さらには30:70〜70:30(重量
比)が好ましい。(A)の配合比率が上記範囲より少な
いと期待される高酸素濃度雰囲気下での硬化性および密
着性が得られない。また、上記範囲を越えると組成物の
粘度が高くなり、印刷、塗工に適さない。
【0025】(メタ)アクリル系化合物の具体例として
は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート、グリセリンメタクリレートアクリレート、2−ヒ
ドロキシー3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、グリセロール(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレン
グリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカル
ビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレング
リコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキ
サエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキ
サイド付加(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニ
ルフェノキシプロピレングリコール(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート化合
物、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物、ポ
リエステルポリ(メタ)アクリレート化合物などが挙げ
られる。
【0026】また、ビニルエーテル系化合物の具体例と
しては、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエ
ーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘ
キシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オク
タデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、アリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4
−ヒドロキシブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノ
ニルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビ
ニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニル
エーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、
トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエ
チレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレン
グリコールモノビニルエーテル、ヘキサエチレングリコ
ールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニル
エーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ト
リエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレ
ングリコール、ペンタエリスリトールジビニルエーテ
ル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピ
レングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリ
コールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビ
ニルエーテル、1,4−ブタンジエールジビニルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、グリ
セロールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジ
ビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン
ジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロ
ヘキサンジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエ
ーテル、ハイドロキノンジエトキシジビニルエーテル、
レゾルシンジエトキシジビニルエーテル、ビスフェノー
ルAジエトキシジビニルエーテル、ビスフェノールSジ
エトキシジビニルエーテル、グリセロールトリビニルエ
ーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリト
ールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラ
ビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニル
エーテル、ジペンタエリスリトールポリビニルエーテ
ル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、
ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル、ポリエ
ステルポリビニルエーテル化合物、ポリウレタンポリビ
ニルエーテル化合物などが挙げられる。
【0027】本発明の硬化性組成物は、上記2種の化合
物を混合した状態で液状であればよいが、組成物を容易
かつ平滑に塗工するには配合状態での粘度が100〜1
0000cps(25℃) であることが望ましい。こ
こで言う液状には、2種類以上の化合物が完全に相溶し
て液状になっているものだけでなく、液状化合物に粉状
化合物が分散している不均一系も含まれる。本発明の硬
化性組成物には、混合時に液状であれば、任意の化合物
を配合することができるが、作業環境や安全性の面から
それぞれ液状であり、引火点が70〜300℃(危険物
第4類第3石油類、第4石油類)の臭気の少ないものを
選ぶのが望ましい。
【0028】本発明の硬化性組成物は、紫外線や電子線
等の活性エネルギー線を照射することにより硬化する。
照射時の酸素濃度は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス
のイナーティングを行うことにより200ppm以下に
すると、酸素による硬化阻害を受けにく。しかし、不活
性ガスのコストを考慮すると、500ppm以上の酸素
濃度下での照射が好ましい。なお、500ppm以上の
酸素濃度とは、不活性ガスによるイナーティングを行う
ことにより達成された濃度範囲も含む。本発明の硬化性
組成物を紫外線で硬化せしめる場合には、公知の光重合
開始剤や増感剤を添加できる。
【0029】また更に、本発明の硬化性組成物には、種
々の目的のため、各種添加成分を加えることができる。
例えば、硬化物性向上、粘度調節あるいはコストダウン
のためにフィラー、希釈剤あるいは樹脂成分を加えた
り、付加価値を与えるために抗菌剤、防黴剤あるいは防
腐剤等を添加したり、着色するために顔料を添加するこ
とができる。さらに意匠性向上を目的として、硅素系微
粒子および有機系微粒子などの艶消し剤を添加すること
ができる。また、粘度低下のため、有機溶剤を添加する
ことができる。有機溶剤としては、イソプロピルアルコ
ール、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸
エチル等が挙げられる。
【0030】本発明の硬化性組成物は、各種鋼板、アル
ミニウム板等の金属板、プラスチックフィルム、紙、プ
ラスチックフィルムラミネート紙等の基材に、ロールコ
ーター、ナイフコーターなどの塗工方法、またはオフセ
ット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、シルクスクリーン
印刷などの印刷方法で、0.1〜500μmの膜厚で造
膜または充填できる。上記方法により造膜または充填さ
れた皮膜は、電子線を照射することにより、500pp
m以上の酸素濃度下においても硬化させることができ
る。
【0031】電子線照射の加速電圧は、30〜250k
Vの範囲に設定することにより硬化皮膜の形成が可能で
あるが、より低い被照射線量で同等な硬化性が得られる
30〜100kVに設定するのが好ましい。30〜10
0kVの電子線を照射することにより、硬化阻害を生じ
やすい塗工/印刷表面に電子線が集中し、硬化性を向上
させることができる。よって、高酸素濃度下での高硬化
性を得るためには、30〜100kVの加速電圧の電子
線を照射することが好ましい。
【0032】また、電子線の加速電圧を30〜100k
Vの範囲に設定した場合には、電子線の被照射線量を通
常より低い値とし、高エネルギー効率による省エネルギ
ー化と、塗工および印刷の高速化による生産効率向上と
を図ることも可能である。加速電圧が100〜250k
Vの通常の電子線照射では、3〜30kGyの被照射線
量領域で本発明の組成物を500ppm以上の酸素濃度
下において硬化させることができるが、加速電圧を30
〜100kVの範囲に設定すれば、被照射線量を3分の
1である1〜10kGyに抑えても同様な硬化性が得ら
れる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。下記
に、実施例および比較例中で用いられる略号を示す。 4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル TEGDVE:トリエチレングリコールジビニルエーテ
ル TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート 4EGA:テトラエチレングリコールジアクリレート UA−306H:共栄社化学(株)製ウレタンアクリレ
ート M−9050:東亜合成(株)製、ポリエステルアクリ
レート
【0034】(合成例1)4−ヒドロキシブチルアクリ
レート144g、無水コハク酸100gおよびN,N−
ジメチルベンジルアミン1.2gをフラスコに仕込み、
90℃に加熱溶解後、2時間反応させて酸価230、数
平均分子量244の反応物(a−1)を得た。同様に4
−ヒドロキシブチルビニルエーテル116g、無水コハ
ク酸100gおよびN,N−ジメチルベンジルアミン
1.1gをフラスコに仕込み、90℃に加熱溶解後、2
時間反応させて酸価87、数平均分子量648の反応物
(b−1)を得た。次に、(a−1)73.2g、(b
−1)194g、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル90g、N,N−ジメチルベンジルアミン
1.2gおよびハイドロキノン0.1gをフラスコに仕
込み、85℃で8時間反応させて数平均分子量1122
のエポキシエステル化合物(A−1)を得た。なお、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのエポ
キシ基1個に対する反応物(a−1)および(b−1)
のカルボキシル基の合計は1個であった。また、(a−
1)と(b−1)の比率は1:1(モル比)であった。
【0035】(合成例2)4−ヒドロキシエチルアクリ
レート116g、無水マレイン酸98gおよびN,N−
ジメチルベンジルアミン1.1gをフラスコに仕込み、
70℃に加熱溶解後、2時間反応させて酸価262、数
平均分子量214の反応物(a−2)を得た。同様に4
−ヒドロキシブチルビニルエーテル116g、無水マレ
イン酸98gおよびN,N−ジメチルベンジルアミン
1.1gをフラスコに仕込み、70℃に加熱溶解後、2
時間反応させて酸価87、数平均分子量642の反応物
(b−2)を得た。次に、(a−2)64.2g、(b
−2)193g、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル90g、N,N−ジメチルベンジルアミン
1.1gおよびハイドロキノン0.1gをフラスコに仕
込み、85℃で8時間反応させて数平均分子量1086
のエポキシエステル化合物(A−2)を得た。なお、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのエポ
キシ基1個に対する反応物(a−2)および(b−2)
のカルボキシル基の合計は1個であった。また、(a−
2)と(b−2)の比率は1:1(モル比)であった。
【0036】(合成例3)2−ヒドロキシプロピルアク
リレート130g、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸無水物154gおよびN,N−ジメチルベンジルアミ
ン1.4gをフラスコに仕込み、70℃に加熱溶解後、
3時間反応させて酸価198、数平均分子量284の反
応物(a−3)を得た。同様に4−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル116g、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸無水物154gおよびN,N−ジメチルベンジル
アミン1.4gをフラスコに仕込み、70℃に加熱溶解
後、3時間反応させて酸価69、数平均分子量810の
反応物(b−3)を得た。次に、(a−3)85.2
g、(b−3)243g、1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル90g、N,N−ジメチルベンジル
アミン1.3gおよびハイドロキノン0.1gをフラス
コに仕込み、85℃で8時間反応させて数平均分子量1
324のエポキシエステル化合物(A−3)を得た。な
お、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの
エポキシ基1個に対する反応物(a−3)および(b−
3)のカルボキシル基の合計は1個であった。また、
(a−3)と(b−3)の比率は1:1(モル比)であ
った。
【0037】(合成例4)4−ヒドロキシブチルアクリ
レート144g、4−シクロヘキセン−1,2−ジカル
ボン酸無水物152gおよびN,N−ジメチルベンジル
アミン1.5gをフラスコに仕込み、80℃に加熱溶解
後、3時間反応させて酸価190、数平均分子量296
の反応物(a−4)を得た。同様に4−ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル116g、4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸無水物152gおよびN,N−ジメチ
ルベンジルアミン1.3gをフラスコに仕込み、80℃
に加熱溶解後、3時間反応させて酸価70、数平均分子
量804の反応物(b−4)を得た。次に、(a−4)
88.8g、(b−4)241g、ビスフェノール型ポ
リエポキシ化合物(油化シェルエポキシ(株)製「エピ
コート828」)114g、N,N−ジメチルベンジル
アミン1.4gおよびハイドロキノン0.1gをフラス
コに仕込み、85℃で8時間反応させて数平均分子量1
450のエポキシエステル化合物(A−4)を得た。な
お、ビスフェノール型ポリエポキシ化合物のエポキシ基
1個に対する反応物(a−4)および(b−4)のカル
ボキシル基の合計は1個であった。また、(a−4)と
(b−4)の比率は1:1(モル比)であった。
【0038】(合成例5)4−ヒドロキシブチルアクリ
レート144g、無水フタル酸148gおよびN,N−
ジメチルベンジルアミン1.5gをフラスコに仕込み、
70℃に加熱溶解後、5時間反応させて酸価192、数
平均分子量292の反応物(a−5)を得た。同様に4
−ヒドロキシブチルビニルエーテル116g、無水フタ
ル酸148gおよびN,N−ジメチルベンジルアミン
1.3gをフラスコに仕込み、70℃に加熱溶解後、5
時間反応させて酸価71、数平均分子量792の反応物
(b−5)を得た。次に、(a−5)87.6g、(b
−5)238g、ビスフェノール型ポリエポキシ化合物
(油化シェルエポキシ(株)製「エピコート828」)
114g、N,N−ジメチルベンジルアミン1.4gお
よびハイドロキノン0.1gをフラスコに仕込み、85
℃で8時間反応させて数平均分子量1434のエポキシ
エステル化合物(A−5)を得た。なお、ビスフェノー
ル型ポリエポキシ化合物のエポキシ基1個に対する反応
物(a−5)および(b−5)のカルボキシル基の合計
は1個であった。また、(a−5)と(b−5)の比率
は1:1(モル比)であった。
【0039】(合成例6)合成例1で得られた反応物
(a−1)146g、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル90g、N,N−ジメチルベンジルアミ
ン1.2gおよびハイドロキノン0.1gをフラスコに
仕込み、85℃で8時間反応させて数平均分子量718
のエポキシエステル化合物(A−6)を得た。なお、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのエポ
キシ基1個に対する反応物(a−1)のカルボキシル基
は1個であった。
【0040】(合成例7)合成例1で得られた反応物
(b−1)389g、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル90g、N,N−ジメチルベンジルアミ
ン1.2gおよびハイドロキノン0.1gをフラスコに
仕込み、85℃で8時間反応させて数平均分子量152
6のエポキシエステル化合物(A−7)を得た。なお、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのエポ
キシ基1個に対する反応物(b−1)のカルボキシル基
は1個であった。
【0041】(合成例8)合成例6で得られたエポキシ
エステル化合物(A−6)72gのテトラヒドロフラン
(THF)溶液(固形分50重量%)に水素化ナトリウ
ム5gを反応系内が25〜40℃になるように冷却、攪
拌しながら少量ずつ加え、反応熱がおさまったところで
クロロエチルビニルエーテル11gとハイドロキノン
0.01gを加え、さらに5時間還流させエーテル化反
応を行った。析出した食塩を濾過除去し、反応溶媒とし
て使用したTHFを除去することにより、数平均分子量
860のエポキシエステル化合物(A−8)を得た。な
おクロロエチルビニルエーテル1モルに対するエポキシ
エステル化合物(A−6)の(メタ)アクリロイル基は
1モルであった。
【0042】(合成例9)トルエン100gとイソホロ
ンジイソシアネート44.5gをフラスコに仕込み、次
いで4−ヒドロキシブチルアクリレート47.5g、2
−ヒドロキシブチルビニルエーテル12.8g、ジブチ
ルスズジラウレート1.0gおよびハイドロキノン0.
1gを約2時間で滴下し、80℃で5時間攪拌して反応
を終了した。次に、溶剤を減圧下で留去し、数平均分子
量496の反応物(U−1)を得た。
【0043】(実施例1)合成例1で得られた反応物
(A−1)50gとTPGDA50gと1−ヒドロキシ
−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャ
リティー・ケミカルズ社製「イルガキュアー184」)
2gを混合し、硬化性組成物を得た。次いで、硬化性組
成物をガラス板およびポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム上に、硬化後の膜厚が5μmになるよう
に塗布した後、紫外線照射装置(東芝ライテック(株)
製「トスキュアーKUVM−30251−1XA−DM
F」、メタルハライドランプ120w/cm1灯)を用い
て、200000ppmの酸素濃度下で紫外線を照射
(照射量:80mJ/cm2)し、硬化皮膜を形成した。
【0044】(実施例2)合成例1で得られた反応物
(A−1)50gとTPGDA50gを混合し、硬化性
組成物を得た。次いで、硬化性組成物をガラス板および
PETフィルム上に、硬化後の膜厚が5μmになるよう
に塗布した後、電子線照射装置(日新ハイボルテージ
(株)製「キュアトロン EBC−200−20−3
0」およびAIT社製「Min−EB」)を用いて電子
線を照射し、硬化皮膜を形成した。電子線照射は、「キ
ュアトロン」については加速電圧150kV、被照射線
量5および20kGyで行い、「Min−EB」につい
ては加速電圧50kV、被照射線量2および5kGyで
行った。また、照射雰囲気の酸素濃度は、窒素ガスを用
いて30、500、5000、50000、20000
0ppmに調整した。
【0045】実施例1および2で形成された硬化皮膜の
表面タック、表面硬度および密着性を下記の方法で評価
した。結果を表1に示す。
【表1】
【0046】(実施例3〜9および比較例1〜5)表
2、表3に示す割合で各成分(数字は重量%を示す)を
混合し、硬化性組成物を得た。次いで、実施例2と同様
にして、各硬化性組成物をガラス板およびPETフィル
ム上に塗布した後、電子線を照射し、硬化皮膜を形成し
た。次に、硬化皮膜の表面タック、表面硬度および密着
性を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】評価方法 (1)表面タック:ガラス板上の硬化皮膜表面のべたつ
きを指触で評価した。 (2)表面硬度:ガラス板上の硬化皮膜につき、鉛筆
(三菱鉛筆(株)製の「ユニ」)により皮膜が破損しな
い最高の鉛筆硬度を測定した。 (3)密着性:PETフィルム上の硬化皮膜の表面にセ
ロハンテープを貼って引き剥がし、下地から剥がれた皮
膜の面積を目視で評価した。
【0050】
【発明の効果】本発明により、高酸素雰囲気下でも硬化
性が高く、かつ表面硬度および密着性の良好な硬化皮膜
が得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 C09J 4/02 C09J 4/02 163/00 163/00 // C08G 59/16 C08G 59/16 (72)発明者 有島 真史 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル
    基とを有するエポキシエステル化合物(A)および他の
    重合性不飽和化合物(B)を含むことを特徴とする活性
    エネルギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】エポキシエステル化合物(A)が、カルボ
    キシル基を有する(メタ)アクリル系化合物(a)と、
    カルボキシル基を有するビニルエーテル化合物(b)
    と、ポリエポキシ化合物(c)との反応物である請求項
    1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 【請求項3】カルボキシル基を有する(メタ)アクリル
    系化合物(a)が、環状酸無水物と水酸基含有(メタ)
    アクリル系化合物とを反応させてなるハーフエステルで
    ある請求項2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 【請求項4】カルボキシル基を有するビニルエーテル化
    合物(b)が、環状酸無水物と水酸基含有ビニルエーテ
    ル化合物とを反応させてなるハーフエステルである請求
    項2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 【請求項5】エポキシエステル化合物(A)が、カルボ
    キシル基を有する(メタ)アクリル系化合物(a)とポ
    リエポキシ化合物(c)との反応物にω−ハロゲン化ア
    ルキルビニルエーテル化合物を反応させてなる化合物で
    ある請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 【請求項6】インキ、塗料または接着剤用途である請求
    項1ないし5いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬
    化性組成物。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6いずれか1項に記載の活
    性エネルギー線硬化性組成物に、500ppm以上の酸
    素濃度下において電子線を照射することを特徴とする硬
    化皮膜の形成方法。
  8. 【請求項8】加速電圧が30〜100kVの電子線を照
    射する請求項7記載の硬化皮膜の形成方法。
  9. 【請求項9】電子線の被照射線量が1〜10kGyであ
    る請求項8記載の硬化皮膜の形成方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし6いずれか1項に記載の
    活性エネルギー線硬化性組成物に、500ppm以上の
    酸素濃度下において電子線を照射してなる硬化物。
JP4246999A 1998-09-01 1999-02-22 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物 Pending JP2000143746A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4246999A JP2000143746A (ja) 1998-09-01 1999-02-22 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24644898 1998-09-01
JP10-246448 1998-09-01
JP4246999A JP2000143746A (ja) 1998-09-01 1999-02-22 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000143746A true JP2000143746A (ja) 2000-05-26

Family

ID=26382171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4246999A Pending JP2000143746A (ja) 1998-09-01 1999-02-22 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000143746A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002293881A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂組成物、及びプライマー層付金属板
JP2003313489A (ja) * 2002-04-18 2003-11-06 Jujo Chemical Kk アルミニウム材にコーティングする放射線硬化型樹脂組成物
WO2017047817A1 (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 東レ株式会社 平版印刷用インキ、平版インキ用ワニスおよびそれを用いた印刷物の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002293881A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂組成物、及びプライマー層付金属板
JP4686884B2 (ja) * 2001-03-29 2011-05-25 Dic株式会社 樹脂組成物、及びプライマー層付金属板
JP2003313489A (ja) * 2002-04-18 2003-11-06 Jujo Chemical Kk アルミニウム材にコーティングする放射線硬化型樹脂組成物
WO2017047817A1 (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 東レ株式会社 平版印刷用インキ、平版インキ用ワニスおよびそれを用いた印刷物の製造方法
JPWO2017047817A1 (ja) * 2015-09-17 2018-03-29 東レ株式会社 平版印刷用インキ、平版インキ用ワニスおよびそれを用いた印刷物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109983082B (zh) 可固化的组合物
EP2167591B1 (en) Acrylated natural oil compositions
EP1189994B1 (en) Oil soluble radiation curable metal-containing compounds and compositions
US20090076183A1 (en) Radiation curable methacrylate polyesters
JP2000086713A (ja) 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物
US4475998A (en) Modified epoxy (meth) acrylate resin and hardenable resin composition containing the same
JP2000143746A (ja) 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物
JP4489698B2 (ja) 硬化性組成物
JP2000109522A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物
JP2000144043A (ja) 紫外線硬化型塗料、及びその利用
KR101116597B1 (ko) 방사선-경화성 수성 페인트용 결합제
JPH11148045A (ja) 活性エネルギー線硬化型塗料組成物及びそれを用いた被膜形成方法
JPH11302562A (ja) 光硬化型塗料組成物
JPH0940708A (ja) 樹脂組成物及びその硬化物
JP2000063410A (ja) 電子線硬化型酸素阻害抑制剤、それを含む電子線硬化型組成物、それを用いた硬化被膜の形成方法および硬化物
JP2000144011A (ja) 活性エネルギ―線硬化型酸素阻害抑制剤、それを含む組成物、それを用いた硬化被膜の形成方法および硬化物
JP3599837B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JPH10120969A (ja) 水性塗料用樹脂組成物、その製造法及び水性塗料
JPS5958016A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2000143735A (ja) 硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法および硬化物
WO2003085028A1 (fr) Compose polyether contenant des groupes acide et insature, procede de production et composition de resine associes
JPH09143396A (ja) 金属缶被覆用紫外線硬化型樹脂組成物
US20220135833A1 (en) Coating composition
JPH10306153A (ja) 硬化性ポリエステルの製造方法
TW201930534A (zh) 用於非極性基材之黏著促進化合物