JP2000144011A - 活性エネルギ―線硬化型酸素阻害抑制剤、それを含む組成物、それを用いた硬化被膜の形成方法および硬化物 - Google Patents

活性エネルギ―線硬化型酸素阻害抑制剤、それを含む組成物、それを用いた硬化被膜の形成方法および硬化物

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JP2000144011A
JP2000144011A JP23488799A JP23488799A JP2000144011A JP 2000144011 A JP2000144011 A JP 2000144011A JP 23488799 A JP23488799 A JP 23488799A JP 23488799 A JP23488799 A JP 23488799A JP 2000144011 A JP2000144011 A JP 2000144011A
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Yoshinori Kawashima
美紀 川島
Teruo Shiono
輝雄 塩野
Hiroaki Tanaka
洋明 田中
Masashi Arishima
真史 有島
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アミン化合物やリン系化合物のように物性に問
題がない活性エネルギー線硬化型酸素阻害抑制剤、およ
び500ppm以上の高酸素濃度下でも活性エネルギー
線により硬化できる活性エネルギー線硬化型組成物の提
供。 【解決手段】カルボキシル基を有する(メタ)アクリル
系化合物と、2個以上のビニルエーテル基を有するビニ
ルエーテル系化合物(C)とを反応させてなり、シクロ
アルカン構造を有する反応性ヘミアセタールエステルか
らなる活性エネルギー線硬化型酸素阻害抑制剤、該酸素
阻害抑制剤と他の(メタ)アクリル系化合物またはビニ
ルエーテル系化合物とを含み、500ppm以上の酸素
濃度下においても活性エネルギー線で硬化せしめること
ができる活性エネルギー線硬化型組成物、該組成物に5
00ppm以上の酸素濃度下において活性エネルギー線
を照射せしめる硬化被膜の形成方法および硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素阻害抑制効果
に優れ、塗料、インキ等の被膜形成材料、封止剤、成形
剤、接着剤、粘着剤などの樹脂素材として広い分野で使
用することができ、500ppm以上の高酸素濃度下で
も活性エネルギー線で硬化物を得ることのできる活性エ
ネルギー線硬化型酸素阻害抑制剤、それを含む組成物、
それを用いた硬化被膜の形成方法および硬化物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境、作業環境への関心の高
まりから活性エネルギー線硬化系への傾向が顕著になっ
てきている。中でも、電子線硬化系は、無溶剤であるこ
とに加えて開始剤が不要であること、更に熱硬化系はも
とより紫外線硬化系と比較しても乾燥時間が非常に短い
こと、基材に熱がかからないことなどから、その有効性
が認められている。しかしながら、従来の電子線硬化シ
ステムは1)装置が大型で初期投資が大きいという問
題、2)酸素ラジカルの発生に起因する表面の反応阻害
を解消するために酸素濃度を好ましくは数10ppm以
下、最低でも200ppm以下といった高純度の窒素等
の不活性ガスによるイナーティングが必要であることか
らランニングコストがかかるという問題がある。
【0003】また、酸素による硬化阻害に関しては、様
々な研究機関により検討がされ、アミン化合物、リン系
化合物等の添加剤が検討されているが、このような比較
的効果の高い添加剤はいずれも硬化後に抽出され硬化物
の耐水、耐溶剤性が低いこと、黄変が認められることな
どから添加量が制限され、十分な硬化阻害抑制効果が得
られていない。また、比較的酸素硬化阻害性が低いとさ
れているカチオン系樹脂素材は、原料が高価であるこ
と、電子線硬化系でありながら開始剤が必要であるこ
と、素材の品揃えが不十分であるため幅広い製品スペッ
クは満たさないことなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アミン化合
物やリン系化合物のように物性に問題がない活性エネル
ギー線硬化型酸素阻害抑制剤、および500ppm以上
の高酸素濃度下でも活性エネルギー線により硬化せしめ
ることができる活性エネルギー線硬化型組成物を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、500ppm以
上の高酸素濃度下での活性エネルギー線照射による硬化
被膜の形成方法および硬化物を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シクロア
ルカン構造を有する反応性ヘミアセタールエステルは、
活性エネルギー線硬化において酸素による硬化阻害を抑
制する効果が高く、アミン化合物やリン系化合物のよう
に物性面に問題がないこと、およびシクロアルカン構造
を有する反応性ヘミアセタールエステルを含む組成物
は、500ppm以上の酸素濃度下でも電子線により硬
化せしめることができることを見出し、本発明に至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、カルボキシル基を有
する(メタ)アクリル系化合物と、2個以上のビニルエ
ーテル基を有するビニルエーテル系化合物(C)とを反
応させてなり、シクロアルカン構造を有する反応性ヘミ
アセタールエステルからなる活性エネルギー線硬化型酸
素阻害抑制剤に関する。また、本発明は、カルボキシル
基を有する(メタ)アクリル系化合物が、環状酸無水物
(A)と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物
(B)とを反応させてなるハーフエステルである上記活
性エネルギー線硬化型酸素阻害抑制剤に関する。
【0007】また、本発明は、上記活性エネルギー線硬
化型酸素阻害抑制剤と、他の(メタ)アクリル系化合物
またはビニルエーテル系化合物とを含み、500ppm
以上の酸素濃度下においても活性エネルギー線で硬化せ
しめることができる活性エネルギー線硬化型組成物に関
する。また、本発明は、活性エネルギー線硬化型酸素阻
害抑制剤と、他の(メタ)アクリル系化合物またはビニ
ルエーテル系化合物との配合比が、10:90〜95:
5(重量比)である上記活性エネルギー線硬化型組成物
に関する。また、本発明は、インキまたは塗料用途であ
る上記活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
【0008】また、本発明は、上記いずれかの活性エネ
ルギー線硬化型組成物に、500ppm以上の酸素濃度
下において活性エネルギー線を照射せしめる硬化被膜の
形成方法に関する。また、本発明は、活性エネルギー線
が電子線である上記硬化被膜の形成方法に関する。ま
た、本発明は、電子線の加速電圧が30〜100kVで
ある上記硬化被膜の形成方法に関する。また、本発明
は、上記いずれかの活性エネルギー線硬化型組成物に、
500ppm以上の酸素濃度下において活性エネルギー
線を照射せしめてなる硬化物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のシクロアルカン構造を有
する反応性ヘミアセタールエステルからなる活性エネル
ギー線硬化型酸素阻害抑制剤は、それ自身またはそれを
含む組成物を500ppm以上の酸素濃度下において活
性エネルギー線で硬化せしめる際に生じる酸素による硬
化阻害を抑制する酸素阻害抑制機能を有する活性エネル
ギー線硬化型の化合物である。
【0010】本発明におけるシクロアルカン構造とは、
炭素数4〜20、好ましくは4〜15、更に好ましくは4〜8の
飽和脂肪族炭化水素系のシクロ構造またはビシクロ構造
を有する有機残基であり、活性エネルギー線の吸収また
は開始剤ラジカルの攻撃により、容易に水素が引き抜か
れ活性ラジカルが生じるためラジカル反応を効率よく進
行せしめ、酸素による硬化阻害を抑制する役割を果た
す。特に、シクロヘキサン構造を有する化合物は、市販
の素材、原料等があり、経済性の面から好ましい。
【0011】シクロアルカン構造を有する反応性ヘミア
セタールエステルは、カルボキシル基を有する(メタ)
アクリル系化合物と、2個以上のビニルエーテル基を有
するビニルエーテル系化合物(C)との反応により得ら
れる。シクロアルカン構造は、カルボキシル基を有する
(メタ)アクリル系化合物または2個以上のビニルエー
テル基を有するビニルエーテル系化合物(C)の少なく
とも一方に含まれていればよい。
【0012】カルボキシル基を有する(メタ)アクリル
系化合物は、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基
を有する化合物であり、シクロアルカン構造を含まない
化合物としては、例えばフタル酸β−(メタ)アクリロ
キシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)ア
クリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メ
タ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−
(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、β−カルボ
キシエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタク
リル酸などを挙げることができ、
【0013】また、シクロアルカン構造を含む化合物と
しては、化学式(1−a)または(1−b)で示される
化合物を例示することができる。
【化1】
【0014】化学式(1−a)または(1−b)で示さ
れる化合物も含めて、カルボキシル基を有する(メタ)
アクリル系化合物は、公知の方法により環状酸無水物
(A)と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物
(B)とを化学量論的に等モル反応させて、ハーフエス
テルとして得ることができる。
【0015】環状酸無水物(A)はジカルボン酸の環状
酸無水物であり、例えば、シュウ酸、マロン酸、こはく
酸、アルキルまたはアルケニルこはく酸、グルタル酸、
マレイン酸などの脂肪族系ジカルボン酸の環状酸無水
物、シクロヘキシルジカルボン酸無水物、シクロヘキセ
ニルジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキシルジカル
ボン酸無水物、シクロヘキセニル無水ジカルボン酸無水
物、ビシクロヘキシルジカルボン酸無水物、ビシクロヘ
キセニルジカルボン酸無水物などの脂環系ジカルボン酸
の環状酸無水物、無水フタル酸などの芳香族環状酸無水
物などを挙げることができる。上記環状酸無水物のう
ち、シクロヘキシルジカルボン酸無水物、メチルシクロ
ヘキシルジカルボン酸無水物、ビシクロヘキシルジカル
ボン酸無水物などシクロアルカン構造を有する環状酸無
水物のジカルボン酸無水物を使用すると、シクロアルカ
ン構造を含むハーフエステルを得ることができる。
【0016】また、水酸基を有する(メタ)アクリレー
ト化合物(B)は、水酸基と(メタ)アクリロイル基を
有する(メタ)アクリレート化合物であり、下記一般式
(2−1)で示されるシクロアルカン構造を含まない化
合物または下記一般式(2−2)で示されるシクロアル
カン構造を含む化合物を用いることができる。
【化2】
【0017】式中、R1は水素原子またはメチル基、p
は2〜20、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2
〜6の整数であり、pが20より大きいと反応性が低下
する。また、mは1〜20、好ましくは1〜5の整数で
あり、mが20より大きいと反応性が低下する。また、
qは、2〜15、好ましくは4〜7の整数であり、原料
の汎用性や物性面からこの範囲が好ましい。また、nは
0(直接結合)〜10、好ましくは1〜5の整数であ
り、nが10より大きいとと反応性が低下する。また、
4'は下記一般式(6−c)または(6−f)で示され
る有機残基であり、rおよびr' は1〜16、好ましく
は1〜4の整数である。
【0018】一般式(2−1)で示されるシクロアルカ
ン構造を含まない化合物は、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート化合物、アルキレングリコールモノ
(メタ)アクリレート化合物、およびラクトン変性系
(メタ)アクリレート化合物に大別される。ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート化合物の具体例として
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0019】また、アルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレート化合物の具体例としては、ジエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングチコ
ールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0020】また、ラクトン変性系(メタ)アクリレー
ト化合物の具体例としては、2-(メタ)アクリロイル
オキシエチルハイドロジェンカプロラクトネ ート、2-
(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンジカ
プロラクト ネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエ
チルハイドロジェンポリ(重合度3〜5)カプロラクト
ネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−
ヒドロキシ−6−ヘキサノラクトネートなどが挙げられ
る。
【0021】また、上記式(2−2)などで示されるシ
クロヘキサン構造を含む化合物の具体例としては、下記
式(3)で示される化合物を例示することができる。
【化3】
【0022】更に、水酸基を有する(メタ)アクリレー
ト化合物(B)としては、上記一般式(2-1)、(2-
2)に示した以外にも、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レートがあり、またグリセロールモノまたはジ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールモノ、ジまたはト
リ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペン
タエリスリトールモノ、ジまたはトリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンモノまたはジ(メタ)ア
クリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプ
ロパンモノまたはジ(メタ)アクリレートなどを用いる
ことができる。
【0023】上記ハーフエステル合成の際には、ジメチ
ルベンジルアミン、トリエチルアミンなどの3級アミン
を触媒として用いることができる。触媒の添加量は、原
料化合物の全量100重量部に対して、0.01〜3重
量部、好ましくは0.1〜1.5重量部である。反応温
度は、50〜120℃が好ましい。また、反応は無溶剤
系で行うことができるが、反応を制御するために汎用の
有機溶剤を使用することもできる。その場合の有効成分
濃度は20〜95重量%、好ましくは30〜90%であ
る。これより低濃度では反応性が低下するため好ましく
ない。
【0024】本発明において反応性ヘミアセタールエス
テルの合成に用いられるビニルエーテル系化合物は、2
個以上のビニルエーテル基を有する化合物であり、シク
ロアルカン構造を含むビニルエーテル系化合物として
は、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサンジビニルエー
テル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビ
ニルエーテルなどが挙げられる。
【0025】また、シクロアルカン構造を含まないビニ
ルエーテル系化合物のうち、ジビニルエーテル系化合物
の具体例としては、エチレングリコールジビニルエーテ
ル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチ
レングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリ
コールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニ
ルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、
ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピ
レングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテ
ル、グリセロールジビニルエーテル、トリメチロールプ
ロパンジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエー
テル、エチレンオキサイド変性ハイドロキノンジビニル
エーテル、エチレンオキサイド変性レゾルシンジビニル
エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ
ビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノー
ルSジビニルエーテルなどが挙げられる。
【0026】また、シクロアルカン構造を含まないビニ
ルエーテル系化合物のうち、3官能以上のポリビニルエ
ーテル系化合物の具体例としては、グリセロールトリビ
ニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ト
リメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリ
スリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトール
テトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ
ビニルエーテル、ジペンタエリスリトールポリビニルエ
ーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテ
ル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル、ポ
リエステルポリビニルエーテル、ポリウレタンポリビニ
ルエーテル等が挙げられる。
【0027】得られる反応性ヘミアセタールエステルの
化学構造は使用する原料により多様であるが、代表的な
構造は下記一般式(4)で示される。
【化4】
【0028】上記一般式(4)中、R1は水素原子また
はメチル基であるが、高反応性を必要とする場合には、
アクリロイル基となる水素原子である方が好ましい。ま
た、R2は直接結合、炭素数2〜15、好ましくは2〜
8のアルキレン基、または下記一般式(5−1)〜(5
−3)で示される有機残基である。
【化5】
【0029】上記一般式(5−1)および(5−2)で
示される有機残基は、それぞれ上記一般式(2−1)お
よび(2−2)で示される水酸基含有(メタ)アクリレ
ート化合物(B)と環状酸無水物(A)とから得られる
ハーフエステルに由来する。従って、上記一般式(5−
1)および(5−2)中のp、q、r、r'、m、n、
およびR4'は、上記式(2−1)、(2−2)中のそれ
らと同一である。また、一般式(5−3)中のq、n
は、上記一般式(5−1)および(5−2)中のq、n
と同一である。
【0030】また、上記一般式(5−1)〜(5−3)
中のR4 は、環状酸無水物(A)に由来し、下記一般式
(6-a)〜(6-g)で示される有機残基である。
【化6】 一般式(6-a)〜(6-g)中、R5 およびR5'は水素
原子または炭素数1〜25、好ましくは1〜16、更に
好ましくは1〜8の飽和または不飽和の炭化水素基を示
す。なかでも、低粘性が必要とされる場合には(6−
a)または(6−b)で示される構造が好ましい。
【0031】上記一般式(4)中、R3は、ビニルエー
テル系化合物に由来し、下記一般式(7−1)〜(7−
7)で示される有機残基である。一般式(7−1)〜
(7−7)中、x1は1または2、x2は1〜3の整
数、x3は1〜4の整数、x4は1〜6の整数、y2は
0〜2の整数、y3は0〜3の整数、y4は0〜5の整
数をそれぞれ示す。また、一般式(7−1)中、sは2
〜25、好ましくは4〜16の整数を示し、一般(7−
2)式中p、m、r、r’、R4’は、上記式(2−
1)、(2−2)中のそれらと同一である。
【0032】
【化7】
【0033】反応性ヘミアセタールエステルの化学構造
は、必要とされる物性や硬化性に応じて選択される。即
硬化性、高硬度が必要とされる場合には、官能基数が多
いビニルエーテル系化合物を原料とする構造、即ち一般
式(4)中のR3 が一般式(7−3)〜(7−7)で示
される有機残基である構造が好ましい。また、柔軟性が
必要とされる場合には、ビニルエーテル基を2個有し、
比較的長鎖のビニルエーテル系化合物を原料とする構
造、即ち一般式(4)中のR3 が一般式(7−1)や
(7−2)で示される有機残基である構造や、R2が炭
素数4〜15、さらには8〜12のアルキレン基、また
は一般式(5−1)で示される有機残基である構造が好
ましい。
【0034】また、カルボキシル基を有する(メタ)ア
クリル系化合物と反応していないビニルエーテル基の存
在は、分子中に導入された(メタ)アクリロイル基の数
より多くなると反応性が低下するため好ましくないが、
同数以下である場合には、(メタ)アクリロイル基単独
の場合より反応性が向上する場合もある。
【0035】反応性ヘミアセタールエステルを製造する
際には、必要に応じて触媒を使用することができる。使
用できる触媒としては、リン酸エステル系の酸触媒、例
えばリン酸ジ−n−ブチル、リン酸2−エチルヘキシ
ル、リン酸モノオクチルなどを挙げることができる。触
媒の添加量は、カルボキシル基を有する(メタ)アクリ
ル系化合物100重量部に対して、0.01〜3重量
部、さらには0.1〜1.5重量部であることが好まし
い。反応は無溶剤系で行うことができるが、反応を制御
するために汎用の有機溶剤を使用することもできる。そ
の場合の有効成分濃度は20〜95重量%、さらには3
0〜90重量%であることが好ましい。これより低濃度
では反応性が低下するため好ましくない。
【0036】また、得られる反応性ヘミアセタールエス
テルの分子量や粘度については特に限定はないが、数平
均分子量200〜5000、さらには200〜2000
であると、他成分との相溶性や粘性の点で好ましい場合
がある。また、粘度は、反応性ヘミアセタールエステル
を含む組成物が造膜可能な粘度範囲であれば特に制限は
ないが、取り扱い上、25℃で液体である方が好まし
く、さらには20〜50000cpsの粘度(30℃)
を有することが好ましい。
【0037】シクロアルカン構造を有する反応性ヘミア
セタールエステルは、単独でも500ppm以上の酸素
濃度下において活性エネルギー線による硬化性を示し、
活性エネルギー線硬化性の樹脂素材として塗料、インキ
等の皮膜形成材料、成形材料、接着剤などとして使用で
きる。また、他の(メタ)アクリル系化合物、ビニルエ
ーテル系化合物などの汎用の活性エネルギー線硬化型化
合物の1種または2種以上と配合した場合にも、同様に
高酸素濃度下において活性エネルギー線による硬化性を
示す組成物が得られる。
【0038】本発明の活性エネルギー線硬化型酸素阻害
抑制剤と配合される他の(メタ)アクリル系化合物のう
ち、単官能(メタ)アクリレート系化合物としては、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n-ブチル(メタ)アクリレート、 t-ブチル( メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレ
ート、トリデシル(メタ)アクリレート、n-ステアリ
ル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アク
リレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシジ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシト
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n-ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、イソボニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリロイロキシエチルハイ
ドロゲンサクシネート、(メタ)アクリロイロキシプロ
ピルハイドロゲンフタレート、(メタ)アクリロイロキ
シプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、(メ
タ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲ
ンフタレート、(メタ)アクリロイロキシエチル2-ヒド
ロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒ
ドキロキシ-3-アクリロイロキシプロピル(メタ)アク
リレート、モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチ
ル)アシッドフォスフェートなどが挙げられるが、必ず
しもこれらに限定されるものではない。
【0039】また、多官能の(メタ)アクリル系化合物
としては、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオ
キサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオ
キサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシア
クリレート、エステルアクリレート等が挙げられるが、
必ずしもこれらに限定されるものではない。上記多官能
化合物のうち3官能以上の(メタ)アクリル系化合物を
用いると反応性が高まり、酸素による硬化阻害の抑制効
果を相乗的に向上できる。
【0040】また、ビニルエーテル系化合物のうち、単
官能のビニルエーテル系化合物としては、ヒドロキシエ
チルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノ
ールモノビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビ
ニルエーテルが挙げられる。
【0041】また、多官能のビニルエーテル系化合物と
しては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチ
レングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコ
ールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビ
ニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテ
ル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピ
レングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリ
コールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビ
ニルエーテル、1,4−ブタンジエールジビニルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、グリ
セロールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジ
ビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン
ジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロ
ヘキサンジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエ
ーテル、エチレンオキサイド変性ハイドロキノンジビニ
ルエーテル、エチレンオキサイド変性レゾルシンジビニ
ルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA
ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノ
ールSジビニルエーテルなどのジビニルエーテル系化合
物、グリセロールトリビニルエーテル、ソルビトールテ
トラビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニ
ルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテ
ル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペ
ンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジペンタエ
リスリトールポリビニルエーテル、ジトリメチロールプ
ロパンテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパ
ンポリビニルエーテルなどの3官能以上のポリビニルエ
ーテル系化合物が挙げられるが、必ずしもこれらに限定
されるものではない。
【0042】活性エネルギー線硬化型酸素阻害抑制剤
と、他の(メタ)アクリル系化合物またはビニルエーテ
ル系化合物との配合比は、シクロアルカン構造の含有率
や配合する他の(メタ)アクリル系化合物またはビニル
エーテル系化合物の構造、硬化時の酸素濃度により異な
るが、好ましくは10:90〜95:5(重量比)、さ
らに好ましくは30:70〜95:5(重量比)であ
る。
【0043】本発明の活性エネルギー線硬化型酸素阻害
抑制剤を含む組成物には、粘性を調節したり、造膜性、
被膜性能を調節するために、アミノ樹脂、フェノール樹
脂、ポリアミド樹脂、セルロース誘導体、ビニル系樹
脂、ポリオレフィン、天然ゴム誘導体、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、アルキド
樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマニ油変性アルキド
樹脂などの汎用樹脂素材やアマニ油、桐油、大豆油など
の乾性油等を配合してもよい。ただし、これらの配合量
は、何れも組成物の全量に対して、好ましくは60重量
%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。
【0044】さらに、流動性を制御する目的で、有機溶
剤、水、相溶化剤、界面活性剤または、滑剤等を添加し
てもよい。これらの配合量は、組成物の全量に対して、
好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%
以下である。本発明の活性エネルギー線硬化型組成物
は、染料やカーボンブラック、チタンホワイト、フタロ
シアニン、アゾ色素、キナクリドン等の顔料からなる着
色剤やSi系微粒子、雲母、炭酸カルシウムなど無機充
填剤等を適当量添加することにより、各種印刷インキや
着色塗料等として使用することができる。また、紫外線
などの活性エネルギー線で硬化せしめる場合には、必要
に応じて公知の開始剤、増感剤などを添加してもよい。
その添加量は、組成物の全量に対して、好ましくは15
重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
【0045】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物
は、各種金属、プラスチック、紙、セラミックあるいは
複合材からなる、板、シート、フィルム状の基材に、ロ
ールコータ、バーコータ、ナイフコータなどの塗工方
法、またはオフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、
シルクスクリーン印刷などの印刷方法で、0.1〜50
0μmの膜厚で造膜または充填できる。上記方法により
充填または造膜した組成物は、電子線、紫外線、可視光
線、赤外線等の活性エネルギー線を照射することにより
500ppm以上の高酸素濃度下においても硬化せしめ
ることができる。
【0046】本発明において500ppm以上の高酸素
濃度とは、窒素やアルゴンなどの不活性ガスによるイナ
ーティングを行うことにより達成された濃度範囲を含ん
でいる。活性エネルギー線により硬化可能な酸素の許容
濃度は、照射条件(トリガーの種類、電子線がトリガー
の場合;加速電圧、被照射線量等、紫外線がトリガーの
場合;開始剤濃度)、酸素硬化阻害抑制剤の配合量、他
の(メタ)アクリル系化合物またはビニルエーテル系化
合物の種類により異なるが、最良の条件下では空気中で
も酸素阻害を受けずに硬化せしめることができる。経済
(イナーティングガスの価格)的には、1000ppm
以上、さらには10000ppm以上の酸素濃度下で硬
化せしめることが好ましい。
【0047】本発明において硬化トリガーとして使用さ
れる電子線は、好ましくは10〜300kV、さらに好
ましくは30〜100kVの範囲に加速電圧を有する電
子線照射装置により得られる。100kV以下の加速電
圧の電子線照射を行った場合には、塗膜や基材に対する
ダメージが少ないため好ましい。また、加速電圧30〜
70kVの範囲の低加速電圧の電子線照射装置は、表面
にエネルギーが集中するため酸素による硬化阻害を生じ
やすい塗工/印刷表面において集中的に電子線が吸収さ
れ、硬化性を向上させることができることから、薄膜の
硬化には効果的であり特に好ましい。また、電子線の被
照射線量(DOSE)は、好ましくは1〜1000kG
y、更に好ましくは5〜200kGyの範囲である。こ
れより少ないと充分な硬化物が得られにくく、またこれ
より大きいと塗膜や基材に対するダメージが大きいため
好ましくない。
【0048】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 ◎数平均分子量および粘度の測定方法 1)数平均分子量(Mn) ゲル透過クロマトグラフィー(東ソー社製:SC−80
20) 2)粘度(30℃) サンプルの粘度にあわせて、レオメトリクス社製レオメ
ータRDS−II(高粘度タイプ)、またはRFS−I
I(低粘度タイプ)で測定した定常粘度(ズリ速度=1
〜10/secの値)をそれぞれ採用した。
【0049】◎電子線照射装置と照射条件 1)エリアビーム型電子線照射装置 Curetron EBC-200
-20-30(日新ハイボルテージ社製) 電子線加速度;200kV 吸収線量(Dose);5〜50kGyの範囲を電流量と搬
送速度により調節した。 2)MIN−EB(AIT社製) 電子線加速度;60kV、 出力;10W 吸収線量(Dose); 5〜50kGyの範囲を搬送速度で
調節した。
【0050】◎実施例、比較例で使用した化合物の略号
を以下に記す。 1) 水酸基含有(メタ)アクリル系化合物(B) 4HBA;4-ヒドロキシブチルアクリレート(Mn=144) 2)環状酸無水物(A) SAH;無水コハク酸 HPAH;cis-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物 PAH;無水フタル酸
【0051】3)カルボキシル基を有する(メタ)アク
リル系化合物 AA;アクリル酸 SA;2-アクリロイルオキシエチルエチルハイドロジェン
サクシネート 4)ビニルエーテル系化合物(C) HDDV;1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル TMPTV;トリメチロールプロパントリビニルエーテル CHADV;1,4-ジヒドロキシシクロヘキサンジビニルエー
テル 5)他の(メタ)アクリル系化合物 HDDA;1,6-ヘキサンジオールジアクリレート
【0052】(合成例1〜3)カルボキシル基を有する
(メタ)アクリル系化合物の合成 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサーを
備えた四つ口丸底フラスコに4HBAと表1に示す環状酸無
水物(A)を等モル仕込み、更にジメチルベンジルアミ
ン0.5phrを添加した。これを90℃に設定した湯浴中に
セットし、加熱撹拌を開始した。反応系内が均一になっ
たことを確認できたら湯浴温度を700℃に下げ、加熱
攪拌を継続した。3時間経過後からIRにて酸無水物 の
特性吸収(1820cm-1付近)をチェックし、ピークが消失
したところで湯浴から外し放冷した。得られた生成物は
GPCと酸価の測定により確認した。表1に使用した環状
酸無水物(A)の種類と得られたカルボキシル基を有す
る(メタ)アクリル系化合物の酸価を示す。
【0053】
【表1】
【0054】(実施例1)撹拌装置、窒素導入管、温度
センサー、コンデンサーを備えた四つ口丸底フラスコ
に、HDDVと2倍モル量の合成例1で得られたカルボキシ
ル基を有する(メタ)アクリル系化合物を仕込み、更に
リン酸ジブチル1phr を添加した。これを室温(25
℃)で撹拌した。1時間おきに酸価を測定し、5mgKOH/g
以下になったところで湯浴から外し反応を止めた。得ら
れた反応性ヘミアセタールエステルは、GPC で測定した
分子量および原料の残存率にて確認した。表2に、得ら
れた反応性ヘミアセタールエステルの数平均分子量、粘
度、および純度を示す。
【0055】(実施例2〜4、比較例1、2)表2に示
した原料を用いて、実施例1と同様の方法で反応性ヘミ
アセタールエステルを合成した。表2に、得られた反応
性ヘミアセタールエステルの数平均分子量、粘度、およ
び純度を示す。
【0056】
【表2】
【0057】(実施例5〜33、比較例3〜13)実施
例1〜4で得られたシクロアルカン構造を有する反応性
ヘミアセタールエステル、比較例1、2で得られたシク
ロアルカン構造を有しない反応性ヘミアセタールエステ
ル化合物および他の(メタ)アクリル系化合物を表4に
示す配合比(重量比)で混合した組成物を調製した。得
られた硬化性組成物および実施例1〜4および比較例
1、2で得られた化合物を#6のバーコーターでアルミ
板上に塗布し電子線を照射した。表3、表4に、使用し
た被硬化サンプルと電子線照射条件(加速電圧、吸収線
量、酸素濃度)、及び得られた硬化塗膜の硬化特性(タ
ック試験→×:タック有、△:タック無だが爪で傷付き
有、○:タック無爪による傷つき無、MEKラビング試験
→MEKを含ませた脱脂綿を約500gの荷重で50回こすった
後の表面状態;○:変化なし、△:表面白 化、×:下
地が見える)の評価結果を示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】本発明により、酸素阻害抑制効果に優
れ、塗料、インキ等の被膜形成材料、封止剤、成形剤、
接着剤、粘着剤などの樹脂素材として広い分野で使用す
ることができる活性エネルギー線硬化型酸素阻害抑制
剤、および500ppm以上の酸素濃度下でも活性エネ
ルギー線で硬化せしめることができる活性エネルギー線
硬化型組成物が得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 222/04 C08F 222/04 C09D 5/00 C09D 5/00 C 11/10 11/10 (72)発明者 有島 真史 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基を有する(メタ)アクリル
    系化合物と、2個以上のビニルエーテル基を有するビニ
    ルエーテル系化合物(C)とを反応させてなり、シクロ
    アルカン構造を有する反応性ヘミアセタールエステルか
    らなる活性エネルギー線硬化型酸素阻害抑制剤。
  2. 【請求項2】カルボキシル基を有する(メタ)アクリル
    系化合物が、環状酸無水物(A)と水酸基を有する(メ
    タ)アクリレート化合物(B)とを反応させてなるハー
    フエステルである請求項1記載の活性エネルギー線硬化
    型酸素阻害抑制剤。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の活性エネルギー線
    硬化型酸素阻害抑制剤と、他の(メタ)アクリル系化合
    物またはビニルエーテル系化合物とを含み、500pp
    m以上の酸素濃度下においても活性エネルギー線で硬化
    せしめることができる活性エネルギー線硬化型組成物。
  4. 【請求項4】活性エネルギー線硬化型酸素阻害抑制剤
    と、他の(メタ)アクリル系化合物またはビニルエーテ
    ル系化合物との配合比が、10:90〜95:5(重量
    比)である請求項3記載の活性エネルギー線硬化型組成
    物。
  5. 【請求項5】インキまたは塗料用途である請求項3また
    は4記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 【請求項6】請求項3ないし5いずれか記載の活性エネ
    ルギー線硬化型組成物に、500ppm以上の酸素濃度
    下において活性エネルギー線を照射せしめる硬化被膜の
    形成方法。
  7. 【請求項7】活性エネルギー線が電子線である請求項6
    記載の硬化被膜の形成方法。
  8. 【請求項8】電子線の加速電圧が30〜100kVであ
    る請求項7記載の硬化被膜の形成方法。
  9. 【請求項9】請求項3ないし5いずれか記載の活性エネ
    ルギー線硬化型組成物に、500ppm以上の酸素濃度
    下において活性エネルギー線を照射せしめてなる硬化
    物。
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