JP4686884B2 - 樹脂組成物、及びプライマー層付金属板 - Google Patents
樹脂組成物、及びプライマー層付金属板 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた成形加工性と密着性を有する樹脂組成物、特に金属被覆用樹脂組成物、該金属被覆用樹脂組成物をプライマー層とするプライマー層付金属板、及び該プライマー層付金属板を用いる液圧転写成形物の製造方法に関するものである。
【0002】
より詳しくは、成形加工性と密着性に優れ、成型加工後に液圧転写等で最終加飾して使用され、その際に優れたインキ密着性と製品外観を示す、樹脂組成物、及び該樹脂組成物をプライマー層とするプレコート金属板(特にプレコート鋼板)用のプライマー層付金属板、及び該プライマー層付金属板を用いた液圧転写成形物の製造方法に関するものである。本発明の金属被覆用樹脂組成物、及びプライマー層付金属板は、成形加工性と塗膜外観が求められる用途、とりわけ自動車用途ならびに家電用途に好適に用いられる。
【0003】
【従来の技術】
家電製品類のハウジングは、ABS樹脂等のプラスチック製が主流であるが、リサイクル問題や、薄型・軽量化といったデザイントレンドの問題から、プラスチックハウジングの金属化も進行している。一方、三次元の立体構造を有するプラスチック製ハウジングの外面への意匠性付与に関しては、通常塗装により行われている。しかし、塗装では単純な色づけしかできず、製品の意匠性の向上が難しく、更に環境問題等から製造工程での塗装レス化の要望がある。
【0004】
そこで塗装によらずに、簡便な方法で複雑な図柄を付与して三次元立体製品の意匠性を向上させる新規な表面装飾方法が要望されている。これに応える1つの技術として、液圧転写法が挙げられる。この加工法は液圧による押圧力を利用して成形後の三次元立体の被転写体に木目や大理石模様などを転写するもので、三次元立体の被転写体にも自由な意匠表現が可能なものである。
【0005】
この加飾成形方法は、ABS樹脂等の特定のプラスチック材料や、金属材料への液圧転写自体は可能なものの、多くのプラスチック材料や金属材料へはインキの密着性が悪いために、加飾面からインキが剥がれる問題があった。それ故、金属材料にプライマー層を塗布してインキ密着性を向上させる方法があるが、深絞りなどの複雑な3次元の成形加工時にプライマーが剥離するため、金属材料を成型加工した後に、プライマー層を塗装する煩雑な工程を要している。
【0006】
一方、従来から金属板の化粧方法として、装飾処理された塩化ビニル樹脂シートを鋼板等の金属板上にラミネートする手法が広く使用されてきた。しかし、塩化ビニル樹脂は燃焼時に熱分解され、塩化水素、その他の有害な塩素化合物が発生する恐れがある。また使用時に塩化ビニル樹脂に起因する可塑剤がブリードアウトして、表面に汚れが付着し易くなったり、金属板と塩化ビニル樹脂シート間の接着力が低下する等の問題があった。
【0007】
非塩化ビニル化の動きに伴って、いわゆる塗装鋼板(プレコート鋼板とも呼ばれる)が脚光を浴びたが、現在用いられているプレコート鋼板は、例えば冷蔵庫の扉等の用途において要求される高品位で、且つ高い鮮映性と厳しい加工に耐え得る成形加工性を必ずしも十分に満足させるものではなかった。また、自動車部材の用途においても、同部材に要求されるような高級な塗膜外観や耐久性を十分に満足させるものではなかった。
【0008】
また、従来から用いられているプレコート鋼板は成形加工後に塗装等の加飾を施されることを前提に設計されておらず、従って、成形加工後に加飾を施しても、上述したような要求性能を十分に満足させることは難しい。このため、従来は、家電用途(例えば、冷蔵庫の扉)や自動車用途に要求される高品質の塗膜を得るためには、金型プレス等の3次元成形作業後に、複雑、且つ煩雑な塗装工程が必要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、基材に容易にロール塗装可能であり、ロール塗装後に厳しい成形加工条件にさらされても被覆樹脂の剥離がない樹脂組成物、特に金属被覆用樹脂組成物、該金属被覆用樹脂組成物をプライマー層とする、インキ転写性、インキ密着性の良好なプライマー層付金属板、及び該プライマー層付金属板を用いた液圧転写成形物の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、特定の構造を有するミクロゲル体とポリエステル系オリゴマーとが溶媒中に分散して成る樹脂組成物が、塗装後に厳しい成形加工条件にさらされても被覆樹脂の剥離がなく、特に金属との接着性が良好であること、更に該樹脂組成物をプライマー層とするプライマー層付金属板は、インキ転写性及びインキ密着性が良好で、液圧転写成形物の製造に好適に用い得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
即ち、本発明は、エポキシ樹脂(A)と、カルボキシル基含有ビニルモノマー(c1)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、N−ヒドロキシアルキルアミド及びN−アルコキシアルキルアミドから成る群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(c2)、及び芳香族系ビニルモノマー(c3)を共重合させて成るカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)とのエステル化反応により得られる三次元網目構造を有するミクロゲル体(G)を含む水性樹脂組成物と、一般式1で表されるポリエステル系オリゴマー(X)
一般式1
【0012】
【化2】
【0013】
(式中、R1は水素原子、アルキル基、又はアルケニル基であり、R2はアルキル基、アルキロイルアルキル基、又はアルケロイルアルキル基を表す)
とが、溶媒中に分散して成る樹脂組成物である。
【0014】
本発明の樹脂組成物は、特に該ミクロゲル体(G)を構成する、エポキシ樹脂(A)とカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)との重量比(A):(B)が40〜90重量部:10〜60重量部であることを特徴とする樹脂組成物、エポキシ樹脂(A)が、1分子当たり平均0.5〜2.0個のエポキシ基を有し、且つエポキシ当量が500〜10,000であることを特徴とする樹脂組成物、ミクロゲル体(G)と、ポリエステル系オリゴマー(X)との樹脂固形分の重量比、X/(G+X)が、0.001〜0.5であることを特徴とする樹脂組成物を含む。
【0015】
また本発明は、これらの本発明の樹脂組成物を主たる成分とする金属被覆用樹脂組成物や、該金属被覆用樹脂組成物からなるプライマー層を有するプライマー層付金属板、及び該プライマー層付金属板のプライマー層に液圧転写用フィルムのインキ層を液圧転写することを特徴とする液圧転写成形物の製造方法を含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、エポキシ樹脂(A)と、カルボキシル基含有ビニルモノマー(c1)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル及びN−ヒドロキシアルキルアミドから成る群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(c2)、及び芳香族系ビニルモノマー(c3)を共重合させて成るカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)とのエステル化反応により得られる三次元網目構造を有するミクロゲル体(G)を含む水性樹脂組成物と、一般式1で表されるポリエステル系オリゴマー(X)
一般式1
【0017】
【化3】
【0018】
(式中、R1は水素原子、アルキル基、又はアルケニル基であり、R2はアルキル基、アルキロイルアルキル基、又はアルケロイルアルキル基を表す)
とが、溶媒中に分散して成る樹脂組成物である。
【0019】
本発明で使用するエポキシ樹脂(A)は、従来公知の種々のものを使用することができる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、多価芳香族又は脂肪族カルボン酸ポリグリシジルエステル、多価フェノールポリグリシジルエーテル、
【0020】
多価アルコールグリシジルエーテル、窒素含有複素環化合物のポリグリシジルエーテル、ポリブタジエン等の不飽和重合体のエポキシ化物、グリシジルメタクリレート等の不飽和モノエポキシド重合体等が挙げられ、特に芳香族エポキシ樹脂が好ましく、1分子当たり平均0.5個〜2.0個のエポキシ基を有し、且つエポキシ当量が500〜10,000である芳香族系エポキシ樹脂が更に好ましい。
【0021】
これらの市販品しては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製のエピコート152、エピコート 154、エピコート 1004、エピコート1007、エピコート 1009、エピコート1010、エピコート1256、大日本インキ化学工業株式会社製のEPICLON1050、EPICLON4050、EPICLON7050、EPICLON9050、EPICLON HM−091、EPICLON HM−101等が挙げられる。
【0022】
本発明においては上記のような未変性の芳香族エポキシ樹脂を、更にエポキシ基の変性剤の存在下もしくは不存在下に加熱処理して、より高分子量のエポキシ樹脂に変性して用いることも出来る。これらのエポキシ基の変性剤としてはビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールFのようなビスフェノール類、脱水ひまし油、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、綿実油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の植物油脂肪酸又はこれらの混合物が主として用いられるが、必要に応じて安息香酸、パラターシャリーブチル安息香酸等の芳香族カルボン酸を併用してもよい。
【0023】
芳香族系エポキシ樹脂としては、数平均分子量8000〜20000のフェノキシ樹脂と通称される部類に入る高分子量エポキシ樹脂で、例えばユニオンカーバイド株式会社より市販されているフェノキシPKHH、PKHC、PKHJ、東都化成株式会社より市販されているフェノトートYP−50、フェノトートYP−40等も加工性を向上させる目的でエポキシ樹脂に50%以内で用いることが出来る。
【0024】
エポキシ樹脂(A)としては、これらのエポキシ樹脂の中から1種類以上のものを選択して使用できる。本発明で使用するエポキシ樹脂は、カルボキシル基含有ビニルポリマー(C)とアルコール製媒体中でエステル化触媒のもとで充分にエステル化反応を進めた場合に、ミクロゲル化するに充分なエポキシ基と分子量を持つものが好ましく、1分子当たり平均0.5〜2.0個のエポキシ基を有し、且つエポキシ当量が500〜10,000で、更に好ましくは、数平均分子量で1000〜10,000のものである。
【0025】
本発明で使用するカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)は、カルボキシル基含有ビニルモノマー(c1)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキシルアルキルエステル及びN−ヒドロキシアルキルアミドから成る群より選ばれる少なくとも1種類のモノマー(c2)、及び芳香族ビニルモノマー(c3)との混合物を有機溶媒中でアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の通常のラジカル重合開始剤を用いて50℃〜180℃の温度で共重合させて得ることができる。
【0026】
カルボキシル基含有ビニルモノマー(c1)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、プロピン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、4−プロピル−2−ペンテン酸等が挙げられる。
【0027】
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル及びN−ヒドロキシアルキルアミドから成る群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(c2)におけるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、
【0028】
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0029】
またα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有モノマー等が挙げられる。
【0030】
更に、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のN−ヒドロキシアルキルアミドとしては、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられ、芳香族系ビニルモノマー(c3)としては、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、2,4−ジブロムスチレン等のスチレン系モノマーが挙げられる。
【0031】
本発明で使用するカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)は、必要に応じて(メタ)アクリロニトリル等のモノエチレン性不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のビニリデンハライド、;
【0032】
(メタ)アクリル酸グリシジル等のモノエチレン性不飽和カルボン酸グリシジルエステル;及び(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体などのラジカル重合可能な化合物も併せて使用することができる。
【0033】
カルボキシル基含有ビニルポリマー(C)を製造するためのモノマー組成としては、カルボキシル基含有ビニルポリマー(C)のガラス転移温度(以下、Tgという)が80℃以下になるモノマー組成が好ましい。本発明の樹脂組成物を塗装した時に粒子間の融着が起こり易くするために、カルボキシル基含有ビニルポリマーのTgは80℃以下であることが好ましく、カルボキシル基含有ビニルポリマーのTgが80℃を超えて高いと、樹脂組成物を塗装した時に塗膜の造膜性が悪くなる傾向にある。
【0034】
カルボキシル基含有ビニルモノマーの使用量としては、カルボキシル基含有ビニルポリマーを得るための全モノマー量に対して20〜60重量%が好ましく、20重量%より少ない使用量では、溶媒中における樹脂の分散安定性、塗装した塗膜の金属に対する密着性や耐溶剤性等が悪くなる傾向にある。また、60重量%を超えて多い使用量では、カルボキシル基含有ビニルポリマーを得るための各モノマーを共重合させる際に反応系の粘度が高くなる傾向にあるので、製造が困難となりがちであり、また塗装した塗膜の耐水性等が悪くなる傾向がある。
【0035】
カルボキシル基含有ビニルポリマー(C)は重量平均分子量で5,000〜100,000の範囲のものが好ましく用いられ、芳香族系エポキシ樹脂とアルコール性媒体中でエステル化触媒のもとで充分にエステル化反応を進め、最終的にミクロゲル化するに充分な分子量を持つものが好ましい。
【0036】
カルボキシル基含有ビニルポリマーの重量平均分子量が5,000未満であると、最終的にミクロゲル化した樹脂組成物が得にくい傾向がある。また、カルボキシル基含有ビニルポリマーの重量平均分子量が100,000より大きいと、芳香族系エポキシ樹脂と良好な自己乳化性を示す状態まで反応を進めた場合、樹脂組成物の塗膜物性は優れているものの、所望粘度の樹脂組成物にするために、固形分含有量をかなり低くしなければならない。
【0037】
三次元網目構造を有するミクロゲル体(G)の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のような方法で製造できる。
エポキシ樹脂(A)40〜90重量部と、カルボキシル基含有ビニルモノマー(c1)、及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル及びN−ヒドロキシアルキルアミドから成る群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(c2)、及び芳香族系ビニルモノマー(c3)から成るカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)10〜60重量部とを、以下の3工程で反応させる。
【0038】
第1工程として、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基に対して、カルボキシル基含有ビニルポリマー(C)のカルボキシル基過剰とする反応基濃度において、アルコール性媒体中でエステル化反応せしめて非ゲル状の樹脂反応物を製造する。
【0039】
第2工程として、樹脂反応物中に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和した後、該中和物を溶媒中に微分散させる。その際、塩基性化合物の使用量を分散液のpHが5以上となる量とする。
【0040】
第3工程として、分散液中に含まれる樹脂分散体に残存するエポキシ基とカルボキシル基を分散液中で反応せしめることにより樹脂分散体をミクロゲル体とする。ここで、第1工程で用いるエポキシ樹脂(A)とカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)の使用割合は、重量比で40:60〜90:10の範囲が好ましい。
【0041】
エポキシ樹脂の使用割合が40重量%未満である場合は、第3工程においてミクロゲル化した樹脂組成物が得にくい傾向がある。また、エポキシ樹脂の使用割合が90重量%を超えて多い場合には、第3工程で得られるミクロゲル体を水性媒体中で安定的に分散させるために、カルボキシル基含有ビニルポリマー中のカルボキシル基含有ビニルモノマーの含有率を高くしなければならず、その結果、塗膜の造膜性が悪化する傾向にある。
【0042】
本発明の第1工程で使用するアルコール性媒体としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等の炭素数が2〜6のアルコール類;
【0043】
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ダイアセトンアルコール等が挙げられる。n−ブタノールは、水性媒体中からの除去が容易であるので好ましい。
【0044】
第1工程の反応は、ジメチルアミノエタノールの如き第3級アミンの存在下で、50〜100℃で10分間〜4時間撹拌を行うことにより進行する。この工程は、非ゲル状の樹脂反応物が自己乳化性を有するに充分な程度まで行われるが、通常、エポキシ基の20〜80%、好ましくは30〜70%を反応させればよい。反応の進行は、反応系の粘度上昇や酸価の低下を測定することによって追跡できるが、エポキシ基の反応率が20%未満であると自己乳化性に乏しく、80%を超えると反応液の粘度が高すぎて第2工程以降の製造が困難となるほか、ゲル化の危険性も高くなるので好ましくない。
【0045】
第1工程で得られた非ゲル状の樹脂反応物は酸価が30〜100、特に40〜80のものが好ましい。酸価が30未満であると、第2工程で得られる分散液中の樹脂分散体の粒径が大きくなり、その結果、第2工程以降での樹脂分散体やミクロゲル体の分散安定性が悪くなる傾向にある。また、酸価が100を超えると、塗膜からの缶内容物への溶出性、耐水性が悪くなる傾向にある。
【0046】
第1工程で得られたカルボキシル基過剰の非ゲル状の樹脂反応物は、続く第2工程での分散液のpHが5以上となる量の塩基で中和することにより、水中分散させることができる。このようにして得られた樹脂分散体は、平均粒径が0.01μm〜1.0μmのものであり、本発明においては、特に、0.05μm〜0.5μmのものが好ましく用いられる。
【0047】
ここで中和に使用される塩基は、無機塩基は、塗膜中に残留し耐水性を悪くする傾向があるので、アンモニアや揮発性のアミン類が好ましい。これらのアミン類としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルコールアミン類;モルホリン等が挙げられる。またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の多価アミンも使用できる。
【0048】
本発明で言う水性媒体とは、少なくとも10重量%以上が水である水単独もしくは親水性有機溶剤との混合物を意味する。親水性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール等のアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のグリコールエーテルエステル類;その他、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ダイアセトンアルコール等が使用できる。
【0049】
第3工程では、樹脂分散体を加熱することにより、微小な粒子の中で残存するエポキシ基とカルボキシル基との反応を行ない、三次元網目構造を有するミクロゲル体を生成する工程である。この反応は、第1工程で用いたアルコール性媒体を含有する樹脂分散体の状態で行なうこともでき、また第1工程で用いたアルコール性媒体を蒸留により除去した後に行うこともできる。この反応は、通常40〜90℃で1〜50時間で行なう。
【0050】
第2工程で得られた樹脂分散体は、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等に可溶性の非ゲル状の樹脂であるが、第3工程の反応が進行すると溶媒に不溶性の三次元網目構造のミクロゲル体となる。第3工程における反応率の測定は、反応生成物がミクロゲル体となり、溶媒に対して不溶性となるためエポキシ基の残存量を追跡する方法では不可能であるが、便宜的に水性媒体が濁った状態での酸価を追跡することによって反応率を推定することができる。これによれば、ほぼ反応系に残存するエポキシ基に相当するカルボキシル基の消費が認められ、その後、酸価は一定になる。アミンを含む水中での反応であるにもかかわらず、エポキシ基はカルボキシル基と反応することにより実質的に完全に消費される。
【0051】
ミクロゲル体(G)を含む水性樹脂組成物は、分散安定性が非常に良好であり、更に含有する有機溶剤を減らす必要がある場合には、アセトン、メチルエチルケトン等の沸点の低い溶剤や、ブタノールやブチルセロソルブ等の水と共沸する溶剤を反応溶剤や分散助剤として用いれば、水性媒体中に分散後に常圧もしくは減圧にて蒸留することにより、安定的にかつ容易に低有機溶剤含有の樹脂組成物を得ることができる。
【0052】
ミクロゲル体(G)を含む水性樹脂組成物に必要に応じて、塗膜性を改善する目的で、溶剤、界面活性剤や消泡剤を加えることも可能である。また、該樹脂組成物にアミノ樹脂やフェノール樹脂を硬化剤として加えることも可能であるが、多量の添加は塗膜中に残存する未反応の低分子量化合物が増加し、塗膜からの溶出量が増すため好ましくない。これらの硬化剤を添加する場合には、固形分換算で10%以下、好ましくは5%以下の添加量が適当である。
【0053】
また、ミクロゲル体(G)を含む樹脂組成物に、その特性を損わない程度に、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン及びその変性樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂等を添加混合することも可能である。更に、ミクロゲル体(G)を含む樹脂組成物に、加工時の塗膜の傷付きを防ぐ目的で、滑剤であるワックスを添加することも好ましい。
【0054】
ワックスとしては、カルナバワックス、ラノリンワックス、パーム油ワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の動植物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラム等の石油系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、等の天然ワックス;12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素、上記の天然ワックスの誘導体、ポリオレフィンワックス、テフロンワックス等の合成ワックス;等があり、粉体化又は、溶媒分散化処理をすることにより、これらワックスを単独で、又は組み合わせて用いることができる。
【0055】
これらの添加物は必ずしも水性化が施されている必要がなく、ミクロゲル体(G)を含む水性樹脂組成物の製造第1工程の反応終了後に、これらを混合して溶媒中に分散させてもよく、また、ミクロゲル体(G)を含む水性樹脂組成物の製造第3工程の反応終了後に適当な親水性溶剤で、これらを希釈して溶媒分散液中に撹拌しながら添加することも可能である。
【0056】
本発明で用いる、一般式1で表されるポリエステル系オリゴマ−(X)の製造方法は、特に限定されないが、以下のような方法で製造できる。
適切な溶媒中、一般式2で表される酸無水物と1価アルコールとの化学量論的な付加反応を行い、ハーフエステルを得る。得られたハーフエステルに適切な溶媒で希釈したエポキシ化合物を加え、エステル化反応を行う。
【0057】
【化4】
【0058】
(式中、R1とR2はアルキル基であり、R1とR2の炭素原子数の和は、3〜30である)
例えば、より具体的には、ドデセニル無水コハク酸(R1+R2=12)、ペンタデセニル無水コハク酸(R1+R2=15)、ヘキサデシル無水コハク酸(R1+R2=16)、オクタデシニル無水コハク酸(R1+R2=18)等が挙げられ、更にこれらのハロゲン化物等を用いることができる。
【0059】
用いる1価アルコールとしては、炭素数1〜50の1価アルコールであり、例えば、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−シクロヘキセン−1−オール、ビシクロ[3,2,1]オクタン−3−オール等の非芳香族1価アルコール、2−フェニルエタノール、p−メチルベンジルアルコール等の芳香族1価アルコール、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。
【0060】
用いるエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。市販品としては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製のエピコート 828、エピコート 834、エピコート 1001、エピコート1004、エピコート 1007、エピコート1009、エピコート1010、大日本インキ化学工業株式会社製のEPICLON 840、EPICLON 860、EPICLON1055、EPICLON2055、EPICLON3050、EPICLON4050、EPICLON7050、EPICLON HM−09、EPICLON HM−101等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の中から1種類以上のものを選択して使用できる。
【0061】
本発明に用いるポリエステル系オリゴマー(X)の分子量は、特に限定されないが、分子量500〜10,000であることが好ましく、分子量700〜1,500が特に好ましい。分子量500未満では水圧転写時におけるインキ密着性が低下し、分子量10,000を超えると分散安定性が低下する傾向がある。
【0062】
本発明の樹脂組成物は、ミクロゲル体(G)と、ポリエステル系オリゴマー(X)との樹脂固形分重量比が、X/(G+X)として0.001〜0.5であることが好ましく、更に好ましくは、X/(G+X)として0.01〜0.1である。0.01未満では、要求されるインキ密着性が得難く、0.5を超えると分散性及び安定性が低下する傾向がある。
【0063】
本発明の樹脂組成物は、金属被覆用樹脂組成物として、アルミニウム板、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、スチール板、各種の前処理したこれらの金属板などの被覆材料として有用である。本発明の樹脂組成物は。この他、木材やプラスチック等の非金属基材の被覆材としても有用である。本発明の樹脂組成物の最も好ましい用途は自動車用、家電用部材用の金属被覆用樹脂組成物として使用することである。本発明の樹脂組成物を用いた塗膜には耐水性、耐溶剤性があり、塗膜から外面への低分子化合物の溶出がなく、塗膜の不浸透性が高いので、長時間の接触等により、極微量の有害物質が人体を蝕む懸念もないし、被覆した金属を浸食する恐れも少ない。
【0064】
本発明の樹脂組成物の塗装方法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどのスプレー塗装、浸漬塗装、ロールコーター塗装、電着塗装などが可能であるが、生産性を考慮した場合には、ロールコーター塗装が好ましい。また、焼付け条件としては、120〜280℃で10秒〜30分間の範囲が好ましい。
【0065】
本発明の樹脂組成物は、用途に応じて適当な防錆剤、顔料、充填剤等を配合して防錆プライマー、印刷インキ、防食性塗料などに使用することもできるが、特に好ましい用途は、該樹脂組成物を用いたプライマー層付金属板である。本発明の樹脂組成物を用いたプライマー層付金属板は、成形加工性と密着性に優れ、成型加工後に液圧転写等で最終加飾して使用される。
【0066】
インキ層が液圧転写されたプライマー層付金属板は優れたインキ密着性と製品外観を示し、プレコート金属板(特にプレコート鋼板)用のプライマー層付金属板として有用である。本発明のプライマー層付金属板は、成形加工性と塗膜外観が求められる用途、とりわけ自動車用途ならびに家電用途に好適に用いられる。
【0067】
更に、本発明は、成型加工により三次元立体化したものを被転写体とし、ベースフィルム上にインク組成物を印刷してなる転写フィルムを、活性剤組成物を塗布した状態で水槽内の液面上に浮かべた状態で供給し、その上方から被転写体を押し付け、液圧によって被転写体表面にインク組成物を転写した鋼板を得る、いわゆる液圧転写に使用する鋼板用プライマーを提供するものである。
【0068】
ここで、液圧転写方法について説明する。一般的な液圧転写の工程は以下の通りである。
(1)三次元立体成形物とインキとの密着性を高めるために、三次元立体成形物にプライマー層を塗装する。
(2)プライマー層を乾燥させる。基材によっては更に下塗り塗装を行い、乾燥させる。
【0069】
(3)インキ層を有するフィルム基材(液圧転写用フィルム)を、インキ面を上に向けて水上に浮かべ、フィルム基材を膨潤又は溶解させると同時に、インキ面を溶剤等で活性化(柔軟化)する。この工程は時によりフィルム基材の膨潤前に行われる。
【0070】
(4)三次元立体成形物を水面のフィルム基材上部から水中に沈めて行き、インキ面を三次元立体成形物の三次元曲面に密着させる。
(5)成形物を水中から引き出し、成形物表面に残った基材フィルムを水流等で剥離させる。
【0071】
(6)表面の水とインキ中の活性剤を乾燥させる。
(7)更に必要に応じて表面保護層として、三次元立体成形物にトップコート層をスプレー塗装し、トップコート層を乾燥、硬化させる。
【0072】
一般的な液圧転写法によれば、上記の多岐にわたる工程が必要である。これらの工程では、成形物を仕上げる上で、必ず製品の途中在庫が発生するうえに、各工程での保持時間が長いため、効率のよいインラインでの生産を難しくするものである。これに対し、本発明のプライマー層付金属板を三次元立体成形物の製造に用いることにより、上記の工程(1)と(2)を省略でき、一気に(3)の工程から三次元立体成形物の液圧転写を行うことができる。
【0073】
液圧転写で用いる活性剤は、転写工程が終了するまで蒸発しないことが好ましく、トルエン、キシレン、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールアセテート、カルビトール、カルビトールアセテート、セロソルブアセテート、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどが好ましく用いられる。
【0074】
また、この中にインキと成形物の密着を高めるために、若干の樹脂成分を含ませてもよい。例えば、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等のインキのバインダーに類似の構造のものを1〜10%含ませることによって密着性が高まることがある。
【0075】
インキ層を有する転写フィルムを成形物に転写した後、基材フィルムを洗浄や物理的、化学的手法によって剥離し、乾燥を行う。洗浄方法は、一般的には水流で好ましくはウォータージェットでポリビニルアルコールフィルムを強制剥離する。本発明においてもこの従来の洗浄法が適用可能である。乾燥方法は、熱風乾燥、近赤外線乾燥、自然乾燥など公知の方法が適用可能である。
【0076】
成形物の材質は、プライマー処理さえ施されていて、水中に沈めても形状が
崩れたりせず品質上問題を起こさないレベルの防水性があれば、特に金属に限定されず、プラスチック、木材、パルプモールド、ガラスなどであって良い。
例えば、金属や無機物では、鉄、アルミニウム、チタン、銅、亜鉛、金、銀、ベリリウム、ガラス、炭素繊維等が挙げられ、これに限定されるものではない。
【0077】
更に、プラスチックでは、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリブチラール、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリレートなどが挙げられる。その他、木材では、天然木のほかに、合成木材なども応用可能である。紙類は、防水上の観点で難しいものが多いが、防水加工が施されていれば、例えば、パルプモールド成形品やスピーカーコーンのような繊維質のものでも転写可能である。
【0078】
液圧転写の対象成形物の形状としては、凸部分の成形物に関しては、成形物上に穴があっても問題はない。但し、成形物に対して大きな凹部分がある場合は、転写の際に、この部分に空気がたまるため転写の際の密着性が低くなる。そこで、このような凹部分には空気抜きできる穴が転写時に存在すればこのような形状でも転写可能である。
【0079】
本発明が適用できる成形物の具体例としては、テレビ、ビデオデッキ、ラジオカセット、パーソナルコンピューター、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、プリンター、ファックス機、電話機、光磁気ディスクドライブ、ハードディスクドライブ、CD/DVDドライブ、スキャナー、スピーカー、ラジオ・テレビチューナー、ステレオコンポ、ポータブルCDプレーヤー、ポータブルMDプレーヤー、ポータブルカセットプレーヤー、BSアンテナ、携帯電話、
【0080】
冷蔵庫、エアコンガスファンヒーター、石油ファンヒーター、セラミックヒーター、加湿器、空気清浄器、家具調こたつ、電気スタンド、家庭用照明器具、デジタルカメラ、ビデオカメラ、洗濯機、衣類乾燥機、アイロン、コーヒーメーカー、食器洗い機、電子レンジ、オーブントースター、電気ポット、炊飯ジャー、掃除機、ジューサーミキサー時計、ひげ剃り機、ドライヤー、体重計、血圧計、マッサージ器、温水洗浄便座などの家庭電化製品のハウジング部分に適用できる。
【0081】
また、イス、テーブル、本棚、タンス、柱、ベンチなどの家具の部材やバスタブ、システムキッチン、扉、窓枠、廻り縁、幅木などの建築部材にも適用できる。汎用性の高いものとしては、筆箱、ボールペン、シャープペンシル、電卓、電子手帳、ファイル、CDケース、フロッピーディスク、テーブルタップ、鉛筆削り、定規などの雑貨・文房具や電動ドリル、ドライバーの柄などの工具にも利用可能である。
【0082】
更に、表面物性の高いものに関しては自動車内装パネル、自動車外板、アルミホイール、樹脂ホイールキャップ、スキーキャリヤ、自動車用キャリアバッグ、ゴルフクラブ、ゴルフボール、ヨットなどの船舶部品、スキー板、スノーボード、ヘルメット、ゴーグル、墓石、モニュメントなどにも使用可能である。
【0083】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。特に断わりのない限り「部」、「%」は重量基準である。
【0084】
(製造例1)〔ミクロゲル体(G)、分散液G−1の調製〕
(a) n−ブタノール 675部
(b) スチレン(c3) 225部
(c) エチルアクリレート(c2) 90部
(d) メタクリル酸(c1) 135部
(e) 過酸化ベンゾイル 20部
【0085】
(a)を窒素ガス置換した4つ口フラスコに仕込み、攪拌溶解しながら110℃に保ち、この中に、(b)〜(e)を混合溶解したものを2時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、更に同温度で7時間攪拌し、固形分40%のカルボキシル基含有ビニルポリマー(CP−1)を得た。得られた樹脂は酸価196、数平均分子量約4000であった。
【0086】
〔エポキシ樹脂溶液の調製〕
エピコート1007(ジャパンエポキシレジン株式会社製エポキシ樹脂、エポキシ
当量1700) 163部
エチレングリコールモノブチルエーテル 137部
窒素ガス置換した4口フラスコに全量を仕込み、徐々に加熱して還流温度まで上げ、1時間撹拌して完全に溶解した後、80℃まで冷却し、固形分54%のエポキシ樹脂溶液を得た。
【0087】
〔水性樹脂組成物の調製〕
(1)前記カルボキシル基含有ビニルポリマー溶液(C) 150部
(2)前記エポキシ樹脂溶液(A) 260部
(3)2−ジメチルアミノエタノール 10部
(4)28%アンモニア水 1部
(5)イオン交換水 448部
(6)カルナバワックス 3部
窒素ガス置換した4口フラスコに(1)及び(2)を仕込み60℃まで加熱し、その後(3)を加えて2時間保持した。この時点でエポキシ基は40%反応し、非ゲル状の樹脂反応物の酸価は61であった。
【0088】
反応生成物に(4)及び(5)を10分間かけて滴下し固形分23%、pH7.3の乳白色の水中分散液を得た。この水中分散液を70℃に保ち撹拌を続けた。6時間後にテトラヒドロフランに不溶性のミクロゲル体が生成し、水性媒体が濁った状態での酸価を測定すると54であった。その後もミクロゲル体は増加し、逆に酸価は低下して10時間以降の酸価は50で一定となった。15時間保持後、冷却し、(6)を加え、十分に分散させて、ミクロゲル体を含有する水性樹脂組成物(G−1)を得た。
【0089】
(製造例2)〔化合物X−1の調製〕
4つ口フラスコにドデセニル無水コハク酸238.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.53部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 104.2部、N,N−ジメチルベンジルアミン1.33部を仕込み、空気を吹き込みながら加熱攪拌し105℃まで昇温し、3時間反応させた。その後、80℃まで降温し、EPICLON850(大日本インキ化学工業株式会社製) 180.7部を添加後、再び105℃まで昇温し、同温度で3時間攪拌し、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.53部を添加し、更に4時間反応させた。
【0090】
反応混合物の酸価が1.9となったのを確認し、セロソルブアセテート226部で希釈して、不揮発分68.1%、ガードナー粘度R−S、酸価1.3の褐色透明溶液(X−1)を得た。
【0091】
(製造例3)〔化合物X−2の調製〕
4つ口フラスコにドデセニル無水コハク酸238.4部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル151.9部、N,N−ジメチルベンジルアミン1.33部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、加熱攪拌しながら105℃まで昇温し、3時間反応させた。その後、80℃まで降温し、EPICLON850(大日本インキ化学工業株式会社製)220.8部を添加後、120℃まで昇温し、同温度で7時間攪拌した。
【0092】
反応混合物の酸価が1.7となったのを確認し、セロソルブアセテート265.4部で希釈して、不揮発分68.8%、ガードナー粘度U−V、酸価1.2の褐色透明溶液(X−2)を得た。
【0093】
(実施例)[樹脂組成物の調製]
製造例1で得た水性樹脂組成物(G−1)100部に、製造例2で得た化合物X−1 4部をセロソルブアセテート(溶剤)4部で希釈して粘度を下げた溶液を添加し、直ちに、攪拌混合(攪拌回転数2000rpm,攪拌時間3分間)により分散させた。実施例2〜4についても同様の処理により、各樹脂組成物を得た。
調製した樹脂組成物は1ヶ月間、室温保存しても、沈降物の発生などはなく、分散性に変化がないことを目視確認した。
【0094】
〔試験用塗装板の作成〕
厚さ0.5mmの電気亜鉛メッキクロム処理済鋼板(以下、試験鋼板と表記する)に、乾燥塗膜の重量が50g/dm2 となるように、バーコーターを用いて上記実施例の各塗料を塗布し、250℃のオーブン中で1分間焼き付けた後、室温まで冷却し、試験用塗装板とした。
【0095】
〔塗膜性能〕
(密着性)
試験用塗装板を、熱水中、125℃で30分間の処理を行い、次いで、塗膜にカッターで1×1mmの碁盤目を100個つくり、その部分に粘着テープを貼った後、この粘着テープを急速に剥離し、塗膜の剥離状態を目視により観察して、次に示す3段階にて評価した。
【0096】
○:剥離が全く認められない
△:全体の1〜30%が剥離した
×:全体の31〜100%が剥離した
【0097】
[加工性]
深絞り試験装置(角筒深絞り)により、深絞り後の塗膜の表面状態を目視により観察して、次に示す3段階にて評価した。
○:深絞りに十分追従している。
△:深絞りに追従しているものの、部分的なフィルム破断あり。
×:深絞りに追従せず、フィルム破断。
【0098】
〔ロール塗装適性〕
ナチュラルロールコーターを用いて、25℃で試験鋼板上に乾燥塗膜の厚さが5μmとなるように塗装後、250℃で1分間焼き付けを行い、表面粗さ試験機により平均粗さ(Ra)を測定した。
【0099】
(塗装板の平滑性)
○:Raが0.1未満である。
△:Raが0.1〜0.3である。
×:Raが0.3以上である。
【0100】
〔水圧転写性〕
(インキ転写性)
日本デコール製液圧転写用フィルム「トスロン」を用いて、試験用塗装板に深絞り試験を施した後の3次元成形物に水圧転写を行い、インキ転写性について、目視によりフィルム模様の再現性を以下のように評価した。
○:模様再現面積率98%以上 (インキ転写性良好)
△:模様再現面積率80%〜98%未満(インキ転写性やや良好)
×:模様再現面積率80%未満(インキ転写性不良)
【0101】
(インキ密着性)
前述のインキ転写性を評価サンプルに碁盤目試験を実施し、インキ密着性について碁盤目テープ法(JIS K5400) に準じて評価(10点満点)した。
以上の結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
【発明の効果】
本発明は、基材に容易にロール塗装可能であり、ロール塗装後に厳しい成形加工条件にさらされても被覆樹脂の剥離がない樹脂組成物、特に金属被覆用樹脂組成物、該金属被覆用樹脂組成物をプライマー層とする、インキ転写性、インキ密着性の良好なプライマー層付金属板、及び該プライマー層付金属板を用いた液圧転写成形物の製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- エポキシ樹脂(A)と、カルボキシル基含有ビニルモノマー(c1)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル及びN−ヒドロキシアルキルアミド及びN−アルコキシアルキルアミドから成る群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(c2)、及び芳香族系ビニルモノマー(c3)を共重合させて成るカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)とのエステル化反応により得られる三次元網目構造を有するミクロゲル体(G)と、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸、ヘキサデシル無水コハク酸、及びオクタデシニル無水コハク酸から成る群から選ばれる少なくとも1つの酸無水物または該酸無水物のハロゲン化物と炭素数1〜50の1価アルコールとの付加反応により得られるハーフエステルと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とのエステル化反応により得られる分子量500〜10,000のポリエステル系オリゴマー(X)とが水性媒体中に分散し、前記ミクロゲル体(G)と、ポリエステル系オリゴマー(X)との樹脂固形分の重量比、X/(G+X)が、0.001〜0.5であることを特徴とする樹脂組成物。
- ミクロゲル体(G)を構成する、エポキシ樹脂(A)とカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)の重量比が40:60〜90:10の範囲である請求項1に記載の樹脂組成物。
- エポキシ樹脂(A)が、1分子当たり平均0.5〜2.0個のエポキシ基を有し、且つエポキシ当量が500〜10,000である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 被覆用である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- エポキシ樹脂(A)と、カルボキシル基含有ビニルモノマー(c1)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル及びN−ヒドロキシアルキルアミド及びN−アルコキシアルキルアミドから成る群より選ばれる少なくとも1種のモノマー(c2)、及び芳香族系ビニルモノマー(c3)を共重合させて成るカルボキシル基含有ビニルポリマー(C)とのエステル化反応により得られる三次元網目構造を有するミクロゲル体(G)と、ドデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸、ヘキサデシル無水コハク酸、及びオクタデシニル無水コハク酸から成る群から選ばれる少なくとも1つの酸無水物または該酸無水物のハロゲン化物と炭素数1〜50の1価アルコールとの付加反応により得られるハーフエステルと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とのエステル化反応により得られる分子量500〜10,000のポリエステル系オリゴマー(X)とが水性媒体中に分散し、前記ミクロゲル体(G)と、ポリエステル系オリゴマー(X)との樹脂固形分の重量比、X/(G+X)が、0.001〜0.5であることを特徴とする被覆材。
- 液圧転写用の対象成形物に使用する請求項5に記載の被覆材。
- 被覆材が塗装された液圧転写用の対象成形物に、液圧転写法によりインキ層を有する液圧転写フィルムを転写してなる液圧転写成型物であって、前記被覆材として、請求項5又は6に記載の被覆材を使用することを特徴とする液圧転写成型物。
- 前記対象成型物が金属である請求項7に記載の液圧転写成型物。
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