JP2000143667A - テトラアザポルフィリン誘導体、2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体、及びその製造方法 - Google Patents

テトラアザポルフィリン誘導体、2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体、及びその製造方法

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JP2000143667A
JP2000143667A JP10312312A JP31231298A JP2000143667A JP 2000143667 A JP2000143667 A JP 2000143667A JP 10312312 A JP10312312 A JP 10312312A JP 31231298 A JP31231298 A JP 31231298A JP 2000143667 A JP2000143667 A JP 2000143667A
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Masayuki Shiyoji
正幸 所司
Michihiko Nanba
通彦 南場
Kaoru Tadokoro
薫 田所
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真感光体の電荷発生物質として極めて
有用な性能を有し、また太陽電池、光ディスク等の電子
デバイスとしても有効に利用できるテトラアザポルフィ
リン誘導体及びその製造方法並びにその合成中間体であ
る2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体を
提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるテトラアザ
ポルフィリン誘導体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に電子写真感光
体に用いられる、光を照射したとき電荷担体を発生する
物質(以下「電荷発生物質」という)として有用な、新
規テトラアザポルフィリン誘導体、及びその合成中間体
である新規2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン
誘導体、並びに該テトラアザポルフィリン誘導体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体の光導電性素材として用いられているものにセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機物質がある、
ここにいう「電子写真方式」とは一般に、光導電性の感
光体をまず暗所で、例えぼコロナ放電によって帯電せし
め、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散
せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの
着色剤と高分子物質とから構成される検電微粒子(トナ
ー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画像
形成法の一つである。このような電子写真法において感
光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で
適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電荷
の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電
荷を散逸せしめうることなどがあげられる。
【0003】ところで、前配の無機物質はそれぞれが多
くの長所を持っていることと同時に、様々な欠点を持っ
ているのが現状である。例えば、セレン感光体は製造す
る条件が難しく、製造コストが高かったり、可撓性がな
いためにベルト状に加工することが難しく、熱や機械的
な衝撃に鋭敏なため取リ扱いに注意を要するなどの欠点
もある。硫化カドミウムや酸化亜鉛は、結合剤としての
樹脂に分散されて感光体として用いられているが、平滑
性、硬度、引っ張り強度、耐摩擦性などの機械的な欠点
があるためにそのままでは反復して使用することが出来
ない。
【0004】近年、これら無機物質の欠点を排除するた
めにいろいろな有機物質を用いた電子写真感光体が提案
され、実用に供されているものもある。例えば、ポリ−
N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフル
オレン−9−オンとからなる感光体(米国特許第348
4237号明細書に記載)、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ールをピリリウム塩系色素で増感してなる感光体(特公
昭48−25658号公報に記載)、有機顔料を主成分
とする感光体(特開昭47−37543号に記載)、染
料と樹脂とからなる共晶錯体を主成分とする感光体(特
開昭47−10735号公報に記載)などの増感方法か
ら分類されるその代表的なものである。
【0005】とりわけ有機顔料の薄膜を導電性支持体上
に形成し(電荷発生層)、この上に電荷輪送物質を主体
とする層(電荷輸送層)を形成した積層型の感光体が従
来の有機系の感光体に比べ高い感度を示すこと、及びそ
の材料のバリェーションの豊富さとから活発に研究がな
されている。
【0006】他方、複写業界においては、近年高画質、
編集機能及び複合処理機能が要請されるようになってい
る。これに伴ってノンインパクトプリンター技術が展開
し、レーザープリンター、レーザーファクシミリ、デジ
タル複写機等に見られるデジタル方式に記録装置が広く
普及しつつある。前記デジタル方式の記録装置に用いら
れる光源としては、小型、安価、簡便さ等の点から、多
くは半導体レーザーが用いられているが、現在用いられ
ている半導体の発振波長は、600nm以上の波長領域
に限定されている。従って、これらの装置に用いられる
電子写真感光体としては、少なくとも600〜850n
mの波長領域に光感度を有することが要求される。
【0007】この要求を満たす有機光導電材料として
は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、シアニン顔料、ア
ズレン顔料、スクアリウム顔料などが知られている。特
に、フタロシアニン顔料は、比較的長波長領域まで分光
吸収を持つと共に光感度を有し、また中心金属や結晶形
の種類によって様々なバリェーションが得られることか
ら、半導体レーザー用の電子写真感光体として盛んに研
究が行われている。これまでに知られているフタロシア
ニン顔料としては、ε型銅フタロシァニン、X型無金属
フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、バナジル
フタロシアニン、チタニルオキシフタロシアニン(特開
平8−231869号公報、特開平5−66595号公
報、特公平8−13942号公報)、テトラアザポルフ
イリン誘導体(特開平2−29660号公報、登録特許
第2637487号)等が挙げられるが、未だ、感度、
帯電能、繰り返し耐久性等の点で充分満足するものが得
られていないのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の感光
体における電荷発生物質の持つ欠点を除去した、特に電
子写真感光体用電荷発生物質として有用な新規なテトラ
アザポルフィリン誘導体、2,3−ジシアノベンゾ
[1,4]ジチイン誘導体、及び該テトラアザポルフィ
リン誘導体の型造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のテトラアザポ
ルフィリン誘導体が、感度、帯電能、繰り返し耐久性等
の点で優れていることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】すなわち、本発明によれば、下記一般式
(I)
【化3】 (式中、Mは水素原子またはテトラアザポルフィリンと
共有結合もしくは配位結合し得る原子または化合物を表
し、R1〜R4は同一または異なって、水素原子、低級ア
ルキル基、またはハロゲン原子を表す。)で表されるテ
トラアザポルフィリン誘導体が提供される。また、本発
明によれば、下記一般式(II)
【化4】 (式中、R1〜R4は同一または異なって、水素原子、低
級アルキル基、またはハロゲン原子を表す。)で表され
る2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体が
提供される。更に、本発明によれば、上記一般式(II)
で表される2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン
誘導体と、金属または金属含有化合物とを、アルコール
系溶媒中で反応させることを特徴とする、上記一般式
(I)で表されるテトラアザポルフィリン誘導体の製造
方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の下記一般式(I)で表されるテトラアザポ
ルフィリン誘導体は、新規化合物であって、感度、帯電
能、繰り返し耐久性等に優れ、特に電子写真感光体用電
荷発生物質として有用である。
【化5】 (式中、Mは水素原子またはテトラアザポルフィリンと
共有結合もしくは配位結合し得る原子または化合物を表
し、R1〜R4は同一または異なって、水素原子、低級ア
ルキル基、またはハロゲン原子を表す。)
【0012】本発明の前記一般式(I)で表されるテト
ラアザポルフィリン誘導体において、該一般式(I)
中、Mは水素原子またはテトラアザポルフィリン誘導体
と共有結合もしくは配位結合し得る原子または化合物を
表し、例えば、水素原子、Ti、Co、Ni、Cu、A
l、V、In、Cr、Ga、Ge、Mg等の金属原子ま
たは、これらの酸化物もしくはフッ化物、塩化物、臭化
物、ヨウ化物などのハロゲン化物、水酸化物等を表す。
具体的には、水素原子、Ti=O、Co、Cu、AlC
l、V=O、InCl、Cr、GaCl、GaOH、な
どを挙げることができる。また、R1、R2、R3、R
4は、同一または異なっていてもよく、水素原子、低級
アルキル基またはハロゲン原子を表し、具体的には、水
素原子、また低扱アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、などの直鎖状ないし分岐
状のアルキル基を表し、更にまた、ハロゲン原子として
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表す。
【0013】次に本発明の前記一般式(I)で表される
テトラアザポルフィリン誘導体の具体例をM、R1〜R4
を示すことによって表1〜表2に示すが、これらに限定
されるものではない。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】本発明の前記一般式(I)で表されるテト
ラアザポルフィリン誘導体の合成中間体は、下記一般式
(II)で表される2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジ
チイン誘導体であり、該2,3−ジシアノベンゾ[1,
4]ジチイン誘導体も新規化合物である。
【化6】 (式中、R1〜R4は同一または異なって、水素原子、低
級アルキル基、またはハロゲン原子を表す。)
【0017】本発明の前記一般式(II)で表される2,
3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体におい
て、該一般式(II)中、R1、R2、R3、R4は、同一ま
たは異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基ま
たはハロゲン原子を表し、その具体例は前記一般式
(I)において例示したものと同様である。
【0018】本発明の前記一般式(I)で表されるテト
ラアザポルフィリン誘導体は、例えば前記一般式(II)
で表される2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン
誘導体と金属または金属含有化合物とを、無溶媒、或い
は溶媒中で反応させることによって製造することができ
る。該金属としては、Ti、Co、Ni、Cu、Al、
V、In、Cr、Ga、Ge、Mg等が使用できる。ま
た、金属含有化合物としては、金属塩化物、アルコキシ
金属等が使用できる。これら金属及び金属含有化合物の
具体例としては、Ti(OC49)4、TiCl4、CuC
2、AlCl3、VOCl3、GaCl3等が挙げられ
る。
【0019】また、溶媒中で反応させる場合、該溶媒と
しては、α−クロロナフタレン、ジクロロベンゼン、ト
リクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ペンタノール、
オクタノール等のアルコール系溶剤、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミン系溶
剤、ベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン等の芳香族系
溶媒等を使用することができる。これらの内、反応溶剤
としては、ペンタノール、オクタノール等のアルコール
系溶剤が、反応収率及び純度の点から好適に使用するこ
とができる。
【0020】また、必要に応じて、触媒として、尿素、
ホルムアミド等のアミンの存在下、合成することも可能
である。反応温度は通常室温〜300℃で行い、特に1
00℃〜200℃で行うことが、反応収率及び純度の点
から好ましい。
【0021】また、本発明の前記一般式(I)で表され
るテトラアザポルフィリン誘導体は前記一般式(II)で
表される2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘
導体の代わりに、相当する酸無水物と金属塩化物、及
び、触媒として、尿素、ホルムアミド、モリブデン酸ア
ンモニウム等のアミンの存在下合成することも可能であ
る。反応は通常無溶媒か、α−クロロナフタレン、ジク
ロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶
剤、ペンタノール、オクタノール等のアルコール溶剤、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミン系溶剤、ベンゼン、トルエン、ニトロベンゼ
ン等の芳香族系溶媒の存在下で加熱することにより得る
ことができる。また、反応温度は通常室温〜300℃、
特に100〜250℃で行なうことが反応収率及び純度
の点から好ましい。
【0022】本発明の前記一般式(II)で表される2,
3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体は、例え
ば、下記反応式に従い、相当する1,2−ジハロベンゼ
ン化合物(III)と、ジメルカプトマロノニトリルジソ
ディウム塩(IV)とを、無溶媒か、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキシ
ド、ベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン等の芳香族系
溶媒、或いは2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノ
ンなどのケトン系溶媒の存在下で得ることができる。
(ただし、1,2−ジハロベンゼン化合物(III)中、
Xは、臭素原子、あるいはヨウ素原子を表す。) また、必要に応じて、触媒として、鉄粉、銅粉、塩化
銅、酸化銅などの存在下合成することも可能である。反
応温度は通常室温〜150℃で行い、特に50℃〜12
0℃で行うことが、反応収率及び純度の点から好まし
い。
【0023】
【化7】
【0024】本発明の前記一般式(I)で表されるテト
ラアザポルフィリン誘導体は、電子写真感光体用電荷発
生物質として有用であるばかりでなく、太陽電池、光デ
ィスク等の電子デバイスとしてエレクトロニクス分野で
好適に使用することが可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
れにより本発明の実施例の態様が限定されるものではな
い。
【0026】実施例1(2,3−ジシアノベンゾ[1,
4]ジチインの合成) 1,2−ジヨードベンゼン24.7g(75mmo
l)、ジメルカプトマロノニトリルジソディウム塩9.
31g(50mmol)、銅粉0.5gをN,N−ジメ
チルホルムアミド100ml中、窒素気流下、70℃で
15時間、撹拌反応させた。反応終了後、反応混合物を
ろ過により不溶部を除去した濾液を、1000mlの水
に注ぎ、1,2−ジクロロエタンで抽出し、1,2−ジ
クロロエタン溶液を無水硫酸マグネシウムを加え、脱水
した。次に、ろ過により硫酸マグネシウムを除去し、
1,2−ジクロロエタンを留去した残査をトルエンを溶
媒としたシリカゲルカラムクロマトクラフィ処理をし粗
製の目的生成物7.96gを得た。この粗製の目的生成
物を1−ブタノールにより再結晶し、目的生成物7.2
0g(収率66.6%)を得た。図1にIRスペクトル
を示す。得られた目的生成物の化合物は、下記元素分
析、及びIRの結果から目的の2,3−ジシアノベンゾ
[1,4]ジチインであることが確認された。 融点:176.0〜176.5℃ C(%) H(%) N(%) 計算値(C101422) 55.53 1.86 12.95 分析値 55.68 1.81 12.95
【0027】実施例2 マグネシウム0.73g(30mmol)と触媒量のヨ
ウ素を1−ペンタノール80mlに加え、還流温度に加
熱、窒素気流下、2時間撹拌混合し、その後放冷した。
室温において実施例1により得られた2,3−ジシアノ
ベンゾ[1,4]ジチイン4.33g(20mmol)
を加え、還流下で5時間撹拌、反応させた。反応終了
後、熱時ろ過を行い、エタノール、イオン交換水によっ
て十分に洗浄を行い、乾燥し4.33g(収率97.5
%)のMgテトラアザポルフィリン誘導体を得た。得ら
れた該誘導体は下記元素分析の結果から、前記一般式
(I)において、R1〜R4;H、M;MgのMgテトラ
アザポルフィリン誘導体であることが確認された。 C(%) H(%) N(%) 計算値(C40168Mg) 54.02 1.81 12.60 分析値 53.82 1.77 12.55
【0028】実施例3 実施例2により得たMgテトラアザポルフィリン誘導体
4.33gを少量ずつ、氷浴下5℃以下に保った硫酸5
00mlに加え、4時間撹拌混合した。混合溶液を氷浴
下5℃以下に保ったイオン交換水5000mlに注ぎ、
2時間撹拌し、一夜放置する。その後、ろ過を行い、エ
タノール、イオン交換水によって十分に洗浄を行い、乾
燥し3.47g(収率80%)の無金属テトラアザポル
フィリン誘導体を得た。図2にIRスペクトルを示す。
得られた該誘導体は下記元素分析、及びIRの結果から
前記一般式(I)において、R1〜R4;H、M;H2
無金属テトラアザポルフィリン誘導体であることが確認
された。 C(%) H(%) N(%) 計算値(C401888) 55.40 2.08 12.04 分析値 54.84 2.09 11.92
【0029】実施例4 実施例1より得られた2,3−ジシアノベンゾ[1,
4]ジチイン誘導体4.33g(10mmol)、チタ
ニウムテトラ−n−ブトキシド3.40g(10mmo
l)、尿素0.6g(10mmol)を1−オクタノー
ル80mlに加え、窒素気流下、150℃で5時間撹
拌、反応させた。反応終了後、熱時ろ過を行い、エタノ
ール、水によって十分に洗浄を行い、乾燥し1.74g
(収率75%)の粗製チタニウムオキシテトラアザポル
フィリン顔料を得た。得られた粗製のチタニウムオキシ
テトラアザポルフィリン誘導体1.74gを、少量ず
つ、氷浴下5℃以下に保ったトリフルオロ酢酸52ml
に加え、4時間撹拌混合した。混合溶液を、氷浴下5℃
以下に保ったイオン交換水1040mlに注ぎ、2時間
撹拌し、一夜放置した。その後、ろ過を行い、エタノー
ル、イオン交換水によって十分に洗浄を行い、乾燥し
1.27g(収率55.5%)のチタニウムオキシテト
ラアザポルフィリン誘導体を得た。図3にIRスペクト
ルを示す。得られた該誘導体は下記元素分析、及びIR
の結果から前記一般式(I)において、R1〜R4;H、
M;TiOのチタニウムオキシテトラアザポルフィリン
誘導体であることが確認された。 C(%) H(%) N(%) 計算値(C4016188OTi) 51.72 1.74 12.06 分析値 51.40 1.69 11.97
【0030】応用例 実施例3で得橋た無金属テトラアザポルフィリン誘導体
を1重量部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックス
BLS:積水化学製)の2重量%酢酸ブチル溶液を50
部、酢酸n−ブチル49部を、2mmφのガラスビーズ
を用いたサンドミルにて2時間分散を行って、電荷発生
層塗布液を調整した。このように調整した塗布液を75
μmのアルミ蒸着PETベース上に塗布し、80℃、5
分間乾燥した膜厚0.2μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記構造式で表される電荷輸送物質60部、ポリ
カーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三菱ガス化学
社製)60部、シリコンオイル(KF50、信越化学社
製)0.001部をジクロロメタン680部に溶解し、
電荷輸送層用塗工液を調製した。これを前記電荷発生層
上に塗布し、80℃で85分、110℃で10分間乾燥
して膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、応用例の電
子写真感光体を得た。
【化8】
【0031】〈評価〉上記電子写真感光体を川口電機社
製の静電特性測定装置EPAS−8200を用い、−6
kVでコロナ放電を20秒行って帯電せしめ、続いて2
0秒暗減衰させた後の表面電位V0(V)、20ルック
スの光照射後、V0が1/2になるのに必要な露光量E
1/2(lux・sec)を測定した。その結果、V0=−
603V、E1/2=61.8lux・secであった。
【0032】
【発明の効果】本発明の前記一般式(1)で表されるテ
トラアザポルフィリン誘導体は、前記のように簡単な操
作で、容易に製造することができ、電子写真感光体の電
荷発生物質としても極めて優れた性能を示すものであ
る。また、該誘導体は太陽電池、光ディスク等の電子デ
バイスとしても有効に利用することができる。更に、本
発明の前記一般式(II)で表される2,3−ジシアノベ
ンゾ[1,4]ジチイン誘導体は、上記テトラアザポル
フィリン誘導体を工業的に有利に製造するための有用な
中間体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図。
【図2】実施例3で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図。
【図3】実施例4で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田所 薫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA19 BA38 BA39 FB07 4C071 AA01 AA07 BB03 BB08 CC06 CC25 DD31 EE14 FF03 GG01 HH01 KK01 LL05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Mは水素原子またはテトラアザポルフィリンと
    共有結合もしくは配位結合し得る原子または化合物を表
    し、R1〜R4は同一または異なって、水素原子、低級ア
    ルキル基、またはハロゲン原子を表す。)で表されるテ
    トラアザポルフィリン誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1〜R4は同一または異なって、水素原子、低
    級アルキル基、またはハロゲン原子を表す。)で表され
    る2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体。
  3. 【請求項3】請求項2記載の一般式(II)で表される
    2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体と、
    金属または金属含有化合物とを、アルコール系溶媒中で
    反応させることを特徴とする、請求項1記載の一般式
    (I)で表されるテトラアザポルフィリン誘導体の製造
    方法。
JP10312312A 1998-11-02 1998-11-02 テトラアザポルフィリン誘導体、2,3−ジシアノベンゾ[1,4]ジチイン誘導体、及びその製造方法 Pending JP2000143667A (ja)

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