JP2000142373A - 倍力装置 - Google Patents

倍力装置

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JP2000142373A
JP2000142373A JP10313068A JP31306898A JP2000142373A JP 2000142373 A JP2000142373 A JP 2000142373A JP 10313068 A JP10313068 A JP 10313068A JP 31306898 A JP31306898 A JP 31306898A JP 2000142373 A JP2000142373 A JP 2000142373A
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lead wire
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valve body
holding member
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JP10313068A
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Masahiro Ikeda
昌浩 池田
Yoshiyasu Takasaki
良保 高崎
Naoto Saito
直人 斉藤
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Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シェル2の貫通孔2cの位置にコネクタ
46を連結するとともに保持部材47を連結している。
保持部材47は、一対の爪部47cを備えており、それ
らの爪部47cによってリード線45のフロント側の端
部45aの近傍の箇所を保持している。 【効果】 リード線45におけるフロント側の端部45
aに無理な力が掛からないので、従来に比較してリード
線45の耐久性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は倍力装置に関し、より詳
しくは、そのシェル内に駆動機構とリード線を収納した
倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、倍力装置として、シェル内に移動
可能に設けたバルブボディと、このバルブボディに取り
付けた駆動機構と、シェルに穿設した貫通孔に取り付け
たコネクタと、シェル内に設けられてフロント側の端部
をコネクタに接続するとともにリヤ側の端部を駆動機構
に接続したリード線とを備えたものは知られている。と
ころで、従来の倍力装置では、駆動機構のリード線は、
バルブボディの内周部からフロント側に引き出してあ
り、さらにリターンスプリングを螺旋状に囲繞してから
上記コネクタにリード線のフロント側の端部を接続する
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置で
は、このリード線のフロント側の端部よりもリヤ側に位
置する領域のリード線の可動部分の荷重が、コネクタに
接続したフロント側の端部に掛かっていたものである。
しかも、倍力装置の組み立て完了後において倍力装置が
繰り返し作動されることに伴ってバルブボディが進退動
されるので、上記リード線のフロント側の端部に無理な
力が作用して、リード線のフロント側の端部およびその
近傍が損傷しやすいという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明は、シェル内に移動可能に設けたバルブボディ
と、このバルブボディに取り付けた駆動機構と、シェル
に穿設した貫通孔に取り付けたコネクタと、シェル内に
設けられてフロント側の端部をコネクタに接続するとと
もにリヤ側の端部を駆動機構に接続したリード線とを備
えた倍力装置において、シェル内における上記コネクタ
を設けた位置にリード線を保持する保持部材を設けて、
該保持部材によってリード線におけるフロント側の端部
の近傍の箇所を保持したものである。
【0005】
【作用】このような構成によれば、コネクタに連結され
たリード線におけるフロント側の端部の近傍の箇所は、
保持部材に保持されているので、上記フロント側の端部
よりもリヤ側の領域となるリード線の荷重は上記保持部
材によって支持される。そして、倍力装置の組立完了後
においてバルブボディが進退動される際にも、リード線
におけるフロント側の端部に無理な力が作用しない。こ
れにより、リード線のフロント側の端部が損傷しにくく
なり、したがって、従来に比較してリード線の耐久性を
向上させることができる。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図1ないし図2において、タンデムブレーキ倍力装
置1のシェル2内は、その中央部に設けたセンタープレ
ート3によって、前方側のフロント室4と後方側のリヤ
室5とに区画形成している。そして概略筒状のバルブボ
ディ6を、シェル2のリヤ側(右方側)の内周部とセン
タープレート3の内周部とにそれぞれシール手段7、8
により気密を保持して摺動自在に貫通させている。上記
フロント室4およびリヤ室5内に位置するバルブボディ
6の外周部には、それぞれフロントパワーピストン11
とリヤパワーピストン12とを連結してあり、また各パ
ワーピストン11、12の背面にフロントダイアフラム
13とリヤダイアフラム14とをそれぞれ張設してい
る。リヤパワーピストン12およびリヤダイアフラム1
4の内周部は、環状のリテーナ9によってバルブボディ
6の外周部に係止している。上記フロントダイアフラム
13によってフロント室4内を定圧室Aと変圧室Bとに
区画してあり、またリヤダイアフラム14によってリヤ
室5内を定圧室Cと変圧室Dとに区画している。上記バ
ルブボディ6内には、定圧室A、Cと変圧室B、Dとの
連通状態を切換える弁機構15を設けるとともに、この
弁機構15のフロント側にソレノイド16を配置してい
る。弁機構15は、バルブボディ6の内周部に形成した
環状の真空弁座17と、バルブボディ6に対して軸方向
に移動可能に設けた筒状部材18と、この筒状部材18
に形成した環状の大気弁座21と、筒状部材18内に摺
動自在に嵌合されるとともに入力軸35と連動した弁プ
ランジャ22と、上記両弁座17、21にリヤ側からス
プリング23によって着座する弁体24とを備えてい
る。
【0007】上記真空弁座17とそれに接離する弁体2
4の第1シート部S1とによって真空弁25を構成して
あり、この真空弁25よりも外周側の空間は、バルブボ
ディ6に形成した第1定圧通路26を介して上記定圧室
Aに連通し、また定圧室A内は、第1定圧通路26から
連続する第2定圧通路27を介して定圧室Cに連通して
いる。上記定圧室A内は図示しない負圧導入管を介して
負圧源と連通しており、それにより定圧室A、C内に常
時負圧が導入されている。また上記大気弁座21とそれ
に接離する弁体24の第2シート部S2とによって大気
弁28を構成している。そして、第2シート部S2と第
1シート部S1との間の空間は、バルブボディ6に形成
した半径方向の第1変圧通路31を介して変圧室Dに連
通しており、この変圧室Dはバルブボディ6に形成した
軸方向の第2変圧通路32を介して変圧室Bに連通して
いる。さらに、大気弁28よりも内周側の空間は、バル
ブボディ6に形成した大気通路33およびそこに設けた
フィルタ34を介して大気に連通している。弁プランジ
ャ22のリヤ側の軸部に入力軸35の先端部を枢支連結
してあり、バルブボディ6に嵌着したリテーナ36と入
力軸35の外周部とにわたって、上記スプリング23よ
りも大きな弾発力を有するスプリング37を弾装してい
る。これにより、図1に示したタンデムブレーキ倍力装
置1の非作動状態では、大気弁座21に弁体24の第2
シート部S2を着座させて大気弁28を閉鎖させるとと
もに、弁体24の第1シート部S1を真空弁座17から
離座させて真空弁25を開放させている。なお、入力軸
35の末端部は図示しないブレーキペダルに連動させて
いる。この非作動状態では、上記各室A,B,C,Dが
相互に連通し、各室A,B,C,D内に負圧が導入され
ている。
【0008】また、バルブボディ6には、第1変圧通路
31のフロント側に半径方向孔6Aを形成してあり、こ
の半径方向孔6Aに従来公知のキー部材38を挿通させ
るとともに、該キー部材38を弁プランジャ22の係合
部22aに係合させている。図1に示したタンデムブレ
ーキ倍力装置1の非作動時に、上記キー部材38をシェ
ル2のリヤ側の壁面2aに当接させることで、キー部材
38および弁プランジャ22をバルブボディ6に対する
前進位置に保持するようにしている。これにより、タン
デムブレーキ倍力装置1の作動開始時における入力軸3
5のロスストロークを減少させるようにしている。上記
第1変圧通路31の位置およびそのフロント側となるバ
ルブボディ6の内周部に、ソレノイド16のハウジング
41を気密を保持して嵌着している。このハウジング4
1は、フロント側に位置してフロント側が大径となる段
付筒状のホルダ42と、リヤ側に位置してフロント側が
大径となる段付筒状のヨーク43とによって構成してい
る。コイルを巻回した円筒状のスプール44をヨーク4
3の大径部内にフロント側から嵌合し、さらにその状態
のスプール44の内周部にホルダ42におけるリヤ側の
外周部を嵌合し、リヤ側を向けたホルダ42の段部端面
とフロント側を向けたヨーク43の段部端面とによって
スプール44を軸方向に挟持している。そして、この状
態においてヨーク43をバルブボディ6の内周部に気密
を保持して嵌合している。
【0009】上記スプール44のコイルに接続したリー
ド線45の中間部は、バルブボディ6のフロント側の内
周部およびフロント側の端面に保持させてからフロント
パワーピストン11のフロント側の端面に保持させてい
る。シェル2内に位置するリード線45の一端は、シェ
ル2のフロント側の壁面2bに取り付けたコネクタ46
に接続している。後に詳述するが、リード線45の一端
がコネクタ46から離脱しないように、リード線45の
一端を保持部材47によって保持している。次に、ホル
ダ42における小径部のフロント側の内周部には、プラ
ンジャプレート51を摺動自在に嵌合している。このプ
ランジャプレート51よりもフロント側となるホルダ4
2の大径部内に、円盤状のリアクションディスク52を
収納している。本実施例のプランジャプレート51は、
リヤ側に位置する円柱部材51Aと、フロント側に位置
する環状部材51Bとによって構成している。円柱部材
51Aのフロント側の端面には円柱状の突起を形成して
あり、その突起を環状部材51Bにリヤ側から貫通させ
ている。これにより、リアクションディスク52のリヤ
側の端面と環状部材51Bおよび円柱部材51Aの突起
の端面とが対向している。また、リアクションディスク
52のフロント側に出力軸53を配置してあり、この出
力軸53における大径の基部53aを上記ホルダ42の
大径部に摺動自在に嵌合して、リアクションディスク5
2にフロント側から当接させている。これにより、リア
クションディスク52は、出力軸53における基部53
aのリヤ側の端面と、ホルダ42の段部端面とによって
挟持されている。図1に示したタンデムブレーキ倍力装
置1の非作動状態では、リアクションディスク52のリ
ヤ側の端面とそれに対向するプランジャプレート51の
フロント側の端面(円柱部材51Aの突起の端面)とが
わずかに離隔している。ホルダ42のフロント側の外周
部には、皿状のリテーナ54を嵌合してあり、このリテ
ーナ54によって出力軸53の基部53aがホルダ42
の外周部から脱落するのを防止している。このリテーナ
54とシェル2のフロント側の壁面2bとにわたってリ
ターンスプリング55を弾装してあり、これによって、
バルブボディ6等を図示非作動位置に保持させている。
上記出力軸53のフロント側の先端部は、シェル2のフ
ロント側の壁面2bから外部に突出させてあり、かつそ
の先端部を図示しないマスターシリンダのピストンに連
動させている。上記プランジャプレート51よりもリヤ
側となるスプール44およびヨーク43の内周部には、
磁性体からなる円筒状のピストン56を摺動自在に嵌合
している。本実施例では、ソレノイド16はON−OF
F制御のものを用いており、図示しない制御装置によっ
てこのソレノイド16の作動を制御するようにしてい
る。制御装置によってソレノイド16が励磁されると、
ピストン56は、スプール44、ヨーク43、ホルダ4
2およびバルブボディ6に対してフロント側へ移動され
るようになっている。
【0010】本実施例では、ピストン56のリヤ側に筒
状部材18を配置して、これらピストン56と筒状部材
18とを連動させるとともに、それらの内方に弁プラン
ジャ22を摺動自在に嵌合させている。ピストン56に
おけるフロント側の軸部に、フロント側へ向けて伸びる
筒状ガイド部56Aを一体に形成してあり、その筒状ガ
イド部56Aの先端部をプランジャプレート51(円柱
部材51A)のリヤ側の端面に当接させるとともに、筒
状ガイド部56Aの外周部を、ホルダ42の内周部に摺
動自在に嵌合させている。一方、ピストン56における
リヤ側の軸部もリヤ側にむけて筒状に突設させてあり、
その外周部に環状ガイド56Bを嵌合してピストン56
のリヤ側の段部端面に密着させている。そして、この環
状ガイド56Bのリヤ側から環状の係合部56Cの内周
部をピストン56のリヤ側の軸部に嵌合して、該ピスト
ン56のリヤ側の軸部を半径方向外方側にカシメてい
る。このカシメた部分とピストン56のリヤ側の端面と
の間に、環状ガイド56Bおよび係合部56Cの内周部
を一体となるように挟持している。環状ガイド56Bの
外径はピストン56の外径よりもわずかに寸法を大きく
してあり、ピストン56がハウジング41内を進退動す
るときには、環状ガイド56Bの外周部がヨーク43の
内周部と摺動するとともに筒状ガイド部56Aがホルダ
42の内周部と摺動するように構成している。換言する
と、本実施例では、ピストン56の外周面とそれを嵌合
したスプール44およびヨーク43の内周面との間には
わずかに間隙が維持され、その状態でピストン56が軸
方向に移動されるようにしている。上記係合部56Cの
リヤ側の端部は、半径方向外方側へ伸長させたフランジ
部としてあり、このフランジ部とそのフロント側となる
環状ガイド56Bのリヤ側の端面との間には所定の間隙
が維持されている。そして、その間隙内に筒状部材18
のフロント側の端部となる係合部18A’を位置させて
いる。
【0011】筒状部材18は、順次フロント側が縮径す
る段付筒状に形成してあり、小径部18Aのフロント側
の端部は、半径方向内方に折り曲げて係合部18A’と
してあり、他方、大径部18Cのリヤ側の端部も半径方
向内方に伸長させて半径方向部18Dとしている。筒状
部材18における小径部18Aをヨーク43の内周部に
挿入し、小径部18Aのフロント側の端部(係合部18
A’)をピストン56の係合部56Cの外周部に摺動自
在に嵌装している。これによって小径部18Aのフロン
ト側の端部(係合部18A’)を、ピストン56のリヤ
側の端面と係合部56Cのフランジ部との間に位置させ
ている。また、これと同時に筒状部材18における中径
部18Bの外周部をヨーク43の内周部に摺動時自在に
嵌合させている。ピストン56の環状ガイド56Bのリ
ヤ側の端面とそれに対向する筒状部材18の段部端面と
にわたってばね57を弾装してあるので、ピストン56
と筒状部材18とは相互に離隔する方向(左右方向)に
付勢されて、ピストン56における係合部56Cのフラ
ンジ部(リヤ側端部)に筒状部材18の係合部18A’
が当接している。換言すると、係合部18A’は、環状
ガイド56Bとピストン56における係合部56Cのフ
ランジ部との間で軸方向に移動することができ、その移
動距離だけ、ピストン56と筒状部材18が軸方向に相
対移動することができる。
【0012】さらに、本実施例における弁体24は、第
1シート部S1と第2シート部S2とを軸方向に離隔さ
せてあり、かつそれらの直径は同一寸法に設定してい
る。つまり、真空弁25と大気弁28の直径は同一寸法
に設定している。上記筒状部材18の大径部18Cは、
上記第1シート部S1と第2シート部S2の間に位置さ
せている。また、本実施例では、筒状部材18の半径方
向部18Dの外周縁によって大気弁座21を構成してい
る。次に弁プランジャ22について説明すると、本実施
例では筒状部材18に大気弁座21を形成しているの
で、従来一般のものとは異なり、本実施例の弁プランジ
ャ22には大気弁座21を形成しておらず、フロント側
が順次縮径する段付の丸棒状に形成している。弁プラン
ジャ22は、フロント側の部分を小径部22bとしてあ
り、そのリヤ側となる部分を中径部22cとしてあり、
さらにそのリヤ側の部分を大径部22dとしている。ま
た、大径部22dのリヤ側の端部は、半径方向外方へ伸
長させてフランジ部22eとしている。弁プランジャ2
2は、その小径部22bをピストン56にリヤ側から摺
動自在に貫通させると同時に、中径部22cよりもリヤ
側の部分を筒状部材18の内周部に摺動自在に嵌合して
いる。すなわち、中径部22cは筒状部材18の小径部
18Aの内周部に、また、大径部22dは筒状部材18
の中径部18Bの内周部に、さらにフランジ部22eは
筒状部材18の大径部18Cの内周部に、それぞれ摺動
自在に嵌合している。フランジ部22eの外周部にはシ
ール部材58を装着してあり、これによって、フランジ
部22eと筒状部材18の大径部18Cの内周部との間
の気密を保持している。中径部22cにおけるリヤ側の
領域に環状溝を形成し、そこを上記キー部材38が係合
する係合部22aとしている。また、筒状部材18の中
径部18Bには上記キー部材38が係合部22aに挿通
されるのを許容する切欠き部18Eを形成している。ま
た、ヨーク43にも、バルブボディ6の半径方向孔6A
の位置に合わせて、リヤ側の端部側にキー部材38が挿
通される切欠き部43aを形成している。上述したよう
に弁プランジャ22のリヤ側の軸部に入力軸35を枢支
連結している。
【0013】さらに、弁プランジャ22のリヤ側の軸部
とそれに対向する筒状部材18の半径方向部18Dとに
わたってばね61を弾装している。これにより、弁プラ
ンジャ22は、筒状部材18に対して常時フロント側へ
向けて付勢されて、上記フランジ部22eが筒状部材1
8における大径部18Cと中径部18Bとの段部断面に
当接する位置に維持されており、かつ、弁プランジャ2
2におけるフロント側の端面(小径部22Bのフロント
側の端面)は、プランジャプレート51(円柱部材51
A)のリヤ側の端面に当接している。さらに、ピストン
56のフロント側の端面と対向するホルダ42のリヤ側
の端面には、ゴム製のリング62を接着している。ソレ
ノイド16が励磁されてピストン56がフロント側へ向
けて移動された際に、ピストン56のフロントの端面が
リング62に当接するように構成してあり、それによっ
て、ピストン56が移動された際にホルダ42のリヤ側
の端面と直接当接することを阻止して打音が生じないよ
うにしている。
【0014】(作動説明)以上の構成において、図1な
いし図2に示したように、ソレノイド16が励磁されて
おらず、かつ、図示しないブレーキペダルが踏み込まれ
ていない非作動状態では、弁プランジャ22はシェル2
の壁面2aに当接したキー部材38に係合して図示非作
動位置に保持されている。また、弁プランジャ22のフ
ランジ部22eは筒状部材18の段部端面に当接し、弁
プランジャ22のフロント側の端面は、プランジャプレ
ート51と当接している。また、筒状部材18に設けた
大気弁座21は弁体24の第2シート部S2に着座して
大気弁28が閉鎖し、弁体24の第1シート部S1は真
空弁座17から離隔して真空弁25が開放されている。
さらに、ピストン56の係合部56Cと筒状部材18の
フロント側の端部(係合部18A’)とが係合し、ピス
トン56はハウジング41に対してリヤ側の後退端に位
置しており、ピストン56のフロント側の端面と、それ
に対向するリング62との間に間隙が維持されている。
また、プランジャプレート51のフロント側の端面(円
柱部材51Aの突起の端面)とリアクションディスク5
2のリヤ側の端面との間には僅かに間隙が維持されてい
る。上述したように、真空弁25が開放され、大気弁2
8が閉鎖されているので、各室A,B,C,Dは相互に
連通し、それらには負圧が導入されている。この非作動
状態から図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、
入力軸35、弁プランジャ22および筒状部材18が一
体となってフロント側にむけて前進される。これによ
り、弁体24の第2シート部S2が大気弁座21から離
隔して大気弁28が開放されるとともに、弁体24の第
1シート部S1が真空弁座17に着座して真空弁25が
閉鎖される。したがって、両定圧室A、Cと両変圧室
B、Dとの連通が阻止され、両変圧室B、D内に大気が
導入される。両定圧室A、C内の負圧と両変圧室B、D
との間の大気圧との差圧によって、両パワーピストン1
1,12およびバルブボディ6等がフロント側にむけて
前進される。なお、筒状部材18が上述のように前進さ
れることに伴って、ピストン56に対して筒状部材18
がフロント側にむけてわずかに相対移動されるが、筒状
部材18の係合部18A’は、環状ガイド56Bとは当
接せず、該環状ガイド56Bと係合部56Cとの間に位
置している。このように、弁プランジャ22が前進され
ても、それによってピストン56が前進されないように
なっている。このようにしてタンデムブレーキ倍力装置
1が作動されるが、出力軸53に作用する出力の反力に
よって、リアクションディスク52の軸部がリヤ側に膨
出されて、そこがプレートプランジャ51と当接する。
したがって、この時点から出力軸53に作用する出力の
反力が、弁プランジャ22と入力軸35を介して運転者
に伝達される。この作動状態から運転者がブレーキペダ
ルの踏み込みを解除すると、リターンスプリング55に
よってバルブボディ6などが図1に示した元の非作動状
態に復帰する。ブレーキペダルが踏み込まれた際の通常
時のタンデムブレーキ倍力装置1の作動説明は以上のと
おりである。換言するとソレノイド16を励磁しない限
り、筒状部材18は弁プランジャ22および入力軸35
と一体となって進退動するようになっている。
【0015】(自動ブレーキとしての作動説明)上記通
常の作動に対して、タンデムブレーキ倍力装置1を自動
ブレーキとして作動させる場合には、ブレーキペダルを
踏み込むことなく、図1に示した非作動状態から制御装
置によってソレノイド16を励磁させる。これにより、
ピストン56がハウジング41に対してフロント側へ移
動され、それと同時に筒状部材18がバルブボディ6お
よび弁プランジャ22に対してフロント側へ移動され
る。これによって、弁体の24の第2シート部S2から
大気弁座21が離隔して大気弁28が開放されるととも
に、弁体の24の第1シート部S1が真空弁座17に着
座して真空弁25が閉鎖される。したがって、両変圧室
B、D内に大気が導入され、両パワーピストン11,1
2およびバルブボディ6等がフロント側にむけて前進さ
れる。このようにしてタンデムブレーキ倍力装置1が自
動ブレーキとして作動される。また上記作動状態からソ
レノイド16の作動が停止されると(消勢されると)、
ばね57,61によって筒状部材18およびピストン5
6が弁プランジャ22に対してリヤ側へ押し戻されるの
で、大気弁28が閉鎖される一方、真空弁25が開放さ
れる。したがって、リターンスプリング55によってバ
ルブボディ6などが図1に示した元の非作動状態に復帰
する。
【0016】しかして、本実施例は、シェル2に対する
コネクタ46の連結構造を改良するとともに、コネクタ
46の位置に設けた保持部材47によってリード線45
を保持するように構成したものである。すなわち、図3
に示すように、シェル2のフロント側の壁面2bの所定
位置に円形の貫通孔2cを穿設してあり、この貫通孔2
cにコネクタ46を連結するようにしている。コネクタ
46は、概略カップ状のコネクタボディ46Aと、この
コネクタボディ46Aに螺合されるナット46Bと、ナ
ット46Bの内周部に装着した環状のシール部材64と
を備えている。コネクタボディ46Aは、軸方向のフロ
ント側の部分を小径部46aとしてあり、そのリヤ側の
部分を中径部46bとし、軸方向のリヤ側の部分を大径
部46cとしてあり、上記中径部46bの外周部のフロ
ント側の領域をねじ部としている。中径部46bの外径
は、上記貫通孔2cの内径よりも僅かに小さくしてあ
り、大径部46cの外径は貫通孔2cの内径よりも大き
な寸法に設定している。コネクタボディ46Aの内部に
は、従来公知のものと同様に、シェル2の外部に配置さ
れる電源側のリード線63の一端を気密を保持して取り
付けてあり、このリード線63の一端をコネクタボディ
46A内の差し込み口46d内に挿通して露出させてい
る。一方、ナット46Bにおける内周部のフロント側の
領域はめねじ部46eとしてあり、このめねじ部46e
を、コネクタボディ46Aの中径部46bのねじ部に螺
合させるようにしている。ナット46Bにおける内周部
のリヤ側の端部は、環状凹部としてあり、そこに、シー
ル部材64を装着するようにしている。次に、図3から
図6に示すように、保持部材47は金属の薄板から構成
してあり、この保持部材47は、環状をした嵌合部47
Aと、その嵌合部47Aの一部を軸方向に伸長させてか
らさらに半径方向外方に折り曲げて形成した支持部47
Bと、支持部47Bの自由端の両側部に対向させて形成
した一対の爪部47Cとを備えている。嵌合部47Aの
内径は、上記コネクタボディ46Aの中径部46bの外
径よりもわずかに大きな寸法に設定してあり、この嵌合
部47Aをコネクタボディ46Aの中径部46bに嵌合
するようにしている。また、上記一対の爪部47Cが隔
てた間隔は、リード線45の幅よりもわずかに大きな寸
法に設定してあり、これらの爪部47Cの間にリード線
45を係合させてから両爪部47Cの自由端を他側側へ
折り曲げることにより、リード線45を保持するように
している。以上のように構成したコネクタ46、保持部
材47をシェル2の貫通孔2cに次のようにして連結す
る。すなわち、先ず、コネクタボディ46Aの中径部4
6bに保持部材47の嵌合部47Aを嵌合した状態にお
いて、図示しないリード線63の他端をシェル2の貫通
孔2cにリヤ側から挿通した後、リード線63の一端を
埋設したコネクタボディ46Aの中径部46bを貫通孔
2cにシェル2の内方から嵌合させる。これと同時に、
保持部材47の嵌合部47Aを、シェル2のフロント側
の壁面2bと大径部46cのフロント側の段部端面とで
挟持する。次に、この状態において、シール部材64を
装着したナット46Bをシェル2の外部からコネクタボ
ディ46Aに嵌合した後、ナット46Bを回転させてそ
のねじ部46eを中径部46bのねじ部に螺合させる。
これにともない、ナット46Bのリヤ側の端面がシェル
2のフロント側の壁面2bに当接し、それに伴って、シ
ェル2のフロント側の壁面2bと大径部46cのフロン
ト側の段部端面とによって保持部材47の嵌合部47A
が前後から強く挟持される。また、シール部材64も、
シェル2のフロント側の壁面2b、中径部46dの外周
面およびナット46Bの内周部によって強く圧縮され、
これらの部分に密着する。これにより、貫通孔2cと中
径部46dの外周面との間の気密を確実に保持すること
ができる。そして、これによって、コネクタ46および
保持部材47のシェル2の貫通孔2cへの連結が完了す
る。次に、この状態のコネクタ46の差し込み口46d
に、ソレノイド16のリード線45のフロント側の端部
45aを差し込んで接続した後、リード線45のフロン
ト側の端部45aの近接リヤ側の部分を保持部材47に
おける爪部47cの間に係合させてから爪部47cを他
側側へ折り曲げる。これらの爪部47cによってリード
線45を保持する。
【0017】本実施例は、上述したように、リード線4
5のフロント側の端部45aの近接リヤ側の部分を保持
部材47によって保持しているので、リード線45のフ
ロント側の端部45aに、そのリヤ側の部分の荷重やタ
ンデムブレーキ倍力装置1の作動時に無理な力が掛から
ないようになっている。そのため、保持部材47を備え
ていない従来のものと比較してリード線45のフロント
側の端部45aが損傷されにくくなり、ひいてはリード
線45の耐久性を向上させることができる。しかも、保
持部材47をシェル2の壁面2bに取り付けるに際して
は、嵌合部47Aをコネクタボディ46Aに嵌合するだ
けで良いので、タンデムブレーキ倍力装置1を組み立て
る際の組立性も良好である。また、本実施例では、上述
したようにコネクタ46をシェル2の貫通孔2cに連結
する際には、コネクタボディ46Aをシェル2の貫通孔
2cに内方側から嵌合した後、コネクタボディ46Aに
ナット46Bを螺合するだけでよく、コネクタボディ4
6Aを回転させる必要がない。この点においても、本実
施例においては、タンデムブレーキ倍力装置1を組み立
てる際の組立性が良好である。なお、上記実施例では、
シェル2の貫通孔2cおよびそれに嵌合するコネクタボ
ディ46の中径部46bは円形にしているが、それらの
箇所は非円形(例えば六角形)に形成しても良い。上記
実施例は、本発明をタンデムブレーキ倍力装置に適用し
た場合について説明したが、定圧室と変圧室が一対のシ
ングルタイプのタンデムブレーキ倍力装置あるいは定圧
室と変圧室が3対のトリプルタイプのタンデムブレーキ
倍力装置にも本発明を適用することができる。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来に
比較してリード線の耐久性を向上させることができると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】図1に示したバルブディの断面図
【図3】図1に示した要部の拡大図
【図4】図3に示した保持部材47のシェル1への連結
前の状態を示す平面図
【図5】図4のV−V線に沿う断面図
【図6】図4の右側面図
【符号の説明】
1 タンデムブレーキ倍力装置 2 シェ
ル 2c 貫通孔 6 バル
ブボディ 16 ソレノイド 45 リ
ード線 45a リード線45のフロント側の端部 46 コ
ネクタ 47 保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 直人 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内 Fターム(参考) 3D048 BB35 BB45 CC27 EE00 EE02 EE10 EE11 EE29 HH61 MM01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に移動可能に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに取り付けた駆動機構と、シェ
    ルに穿設した貫通孔に取り付けたコネクタと、シェル内
    に設けられてフロント側の端部をコネクタに接続すると
    ともにリヤ側の端部を駆動機構に接続したリード線とを
    備えた倍力装置において、 シェル内における上記コネクタを設けた位置にリード線
    を保持する保持部材を設けて、該保持部材によってリー
    ド線におけるフロント側の端部の近傍の箇所を保持した
    ことを特徴とする倍力装置。
  2. 【請求項2】 保持部材は薄板状の金属からなり、環状
    をした嵌合部と、この嵌合部から連続して軸方向に伸び
    る支持部と、この支持部における先端の両側部に形成し
    た一対の爪部とを備え、これらの爪部の間にリード線を
    位置させてから爪部を折り曲げてリード線を保持するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1に記載の倍力装
    置。
  3. 【請求項3】 上記コネクタは、シェルの内方側から上
    記貫通孔に嵌合されるカップ状のコネクタボディと、こ
    のコネクタボディの外周部に形成したねじ部に螺合され
    るナットと、このナットの内周部に装着される環状のシ
    ール部材とを備え、 上記保持部材の嵌合部をコネクタボディに嵌合した状態
    で、該コネクタボディをシェルの内方側から上記貫通孔
    に嵌合し、シェル外に位置するコネクタボディのねじ部
    に上記ナットを螺合させることにより、コネクタボディ
    の段部端面とシェルの壁面とによって上記保持部材の嵌
    合部を挟持するとともに、上記シール部材をシェルの壁
    面とコネクタボディの外周部とナットの内周部とによっ
    て挟持して、シェルの貫通孔とコネクタボディの外周部
    との間の気密を保持したことを特徴とする請求項2に記
    載の倍力装置。
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