JP2000141880A - 両面印刷用インクジェット記録シート - Google Patents

両面印刷用インクジェット記録シート

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JP2000141880A
JP2000141880A JP10322007A JP32200798A JP2000141880A JP 2000141880 A JP2000141880 A JP 2000141880A JP 10322007 A JP10322007 A JP 10322007A JP 32200798 A JP32200798 A JP 32200798A JP 2000141880 A JP2000141880 A JP 2000141880A
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water
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ink
double
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JP10322007A
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Yoshihisa Okumura
佳久 奥村
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Keiwa Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面にインクジェット印刷を施しても裏面に
印刷像が透けることなく鮮明に印刷像を形成することが
でき、耐変形性に優れた軽く薄い両面印刷用インクジェ
ット記録シートを提供する。 【解決手段】 本発明の両面印刷用インクジェット記録
シートは、非吸水層の両面から順に吸水性基材シート層
およびインク受容層を有することを特徴とする。非吸水
性中間層は非吸水性樹脂からなり、インクが裏面へ染み
ぬけるのを防止する。また、非吸水性中間層に遮光性を
持たせることにより、記録シートそのものを厚くしなく
ても画像隠蔽性を付与することができ、記録シートの軽
量化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面にインクジェ
ット印刷を施しても裏面に印刷像が透けたり、変形した
りすることがない両面印刷用インクジェット記録シート
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パソコ
ン等の出力装置としてのみならず、種々の材質の媒体上
に印刷を施す手段として、インクジェットプリンターが
広く使用されている。インクジェットプリンター用イン
クとして現在広く使用されているのは、水その他の溶剤
に有機染料を溶解してなるもので、有機染料としては、
アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、フタロ
シアニン染料、カルボニウムイオン染料、ニトロ染料、
キノリン染料、ナフトキノン染料等が挙げられる。
【0003】上記組成のインクジェットプリンター用イ
ンクにより鮮明で深みのある印刷像を形成するために、
普通紙の代わりにいわゆるコート紙を使用している。こ
のコート紙はインクジェット記録シートの表面に高吸水
性樹脂からなるインク受容層を形成したもので、高吸水
性樹脂層の作用によりインクの滲みが防止され、インク
媒体である水分はインク受容層を支持する紙層に吸収さ
れる。
【0004】インクジェットプリンターによる片面印刷
の場合、インク受容層を有するコート紙で満足な印刷像
を形成することができるが、両面印刷しようとすると、
紙の裏面に印刷像が透けるために、表裏の印刷像が混じ
ってしまうという問題がある。その上、紙層に両面から
水分が吸収されるので、両面印刷すると紙の変形は著し
い。このような問題を解消するために、インクジェット
プリンターにより両面印刷をする場合、100 〜200g/m2
以上の厚い両面コート紙を使用しなければならなかっ
た。しかしながら、このように厚い紙を使用すると、コ
スト高であるのみならず、製本時に重くなる等、嵩張っ
てハンドリング性が悪いという問題がある。
【0005】従って本発明の目的は、両面印刷を施して
も裏面に印刷像が透けることがなく、かつ変形すること
もない比較的薄い両面印刷用インクジェット記録シート
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、両面にインク受容層を形成した基
材シートの内部に非吸水層を設けることにより、いずれ
のインク受容層に形成したインクジェット印刷像の水性
媒体も反対側の面に到達することはないので、反対側の
インクジェット印刷像が滲じむことがないだけでなく、
基材シートが比較的薄くても反対側の印刷像が透けなく
なるので、綺麗な両面印刷をすることができる両面印刷
用インクジェット記録シートが得られることを発見し、
本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明の両面印刷用インクジェ
ット記録シートは、非吸水層の両面に内側から順に吸水
性基材シート層及びインク受容層を有することを特徴と
する。
【0008】非吸水層は、反対側の面へインクや水性媒
体が滲むのを防止するとともに、記録シートに耐変形性
を付与する役割を果たす。吸水性基材シート層はインク
受容層に形成された印刷像中の水分を吸収する。
【0009】また非吸水層に遮光性を持たせることによ
り、記録シートそのものを厚くすることなく反対側の印
刷像の隠蔽性を向上させることができる。このため、い
ずれの面から見ても美しい両面印刷を得ることができ
る。また裏面に印刷像が透けにくいので、現行の厚い両
面印刷用インクジェット記録シートに比べ軽量化が可能
であり、製本したとき等に重くなるという問題を解消で
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】[1] 両面印刷用インクジェット記
録シート 図1に示すように、本発明の両面印刷用インクジェット
記録シート1は、最外層をなす一対のインク受容層11,
11、その内側の一対の吸水性基材シート層12,12、及び
最内層をなす遮光性非吸水層13からなる。各インク受容
層11,11はそれぞれ同一材質でも異材質でもよい。また
各吸水性基材シート層12,12も同一材質でも異材質でも
よい。以下各層について詳細に説明する。
【0011】(1) 非吸水層 非吸水層13は、インク及びその水性媒体に対するバリア
層としての役割を果たし、反対側の面へインクや水性媒
体が滲むのを防止するとともに、水分の浸透による基材
シート層の変形を防止する。それにより、両面に形成し
た印刷像の鮮明度が維持されるとともに、印刷時に記録
シートが撓んだり変形したりするのを防止することがで
きる。
【0012】このような作用を有する非吸水層13として
は、具体的には、押し出しラミネーション法により基
材シート12,12に接着された熱可塑性樹脂フィルムから
なるもの、接着剤14を介して基材シート12,12に接着
された熱可塑性樹脂フィルムからなるもの等が挙げられ
る。
【0013】の場合、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹
脂,ウレタン系樹脂等を使用することができる。なかで
もポリエチレン、特に低密度ポリエチレンのフィルムが
好ましい。またの場合、と同じ熱可塑性樹脂を使用
することができるが、フィルムの強度及びハンドリング
性の観点からポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル系樹脂が好ましい。いずれの場合も、非吸水層13の
厚さは3〜50μm程度であれば良い。より好ましい非吸
水層13の厚さは5〜25μmである。
【0014】非吸水層13のもう一つの役割は、記録シー
ト全体を厚くすることなく反対側の印刷像が透けて見え
るのを防止する作用(印刷像隠蔽性)である。もちろ
ん、非吸水層13が印刷像隠蔽性を有しなくても上述のバ
リア層としての役割は有する。しかし、非吸水層13に遮
光性を持たせることで記録シートの軽量化が図れるの
で、非吸水層は不透明であるのが好ましい。
【0015】非吸水層13に遮光性を付与するには、押
し出しラミネーション法による熱可塑性樹脂フィルムの
場合、熱可塑性樹脂に予め遮光剤を添加することによ
り、遮光性樹脂としておき、それを押し出しラミネーシ
ョン法によりフィルム化するのが好ましい。遮光剤の色
は記録シートの用途に応じて白色でもカラーでも良い
が、汎用性を有する記録シートとするには白色が好まし
い。白色遮光剤としては白色顔料が好ましく、具体的に
は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
中でも少量の添加で十分な遮光性が得られる点で、酸化
チタン、酸化亜鉛及び炭酸カルシウムが特に好ましい。
これらの顔料は単独で用いても2種以上を混合して用い
てもよい。また市販のポリマー着色剤を用いてもよい。
好ましい遮光剤の配合割合は遮光剤の種類により異なる
が、一般には5〜60重量%が好ましい。5重量%未満で
は遮光性の付与が不十分であり、また60重量%超の割合
で添加するのは困難である。より好ましい遮光剤の配合
割合は15〜30重量%である。
【0016】また接着剤を塗布する熱可塑性樹脂フィ
ルムを使用する場合、(イ) 熱可塑性樹脂の発泡フィルム
を使用するとか、(ロ) 図2に示すように金属蒸着膜13b
を設けた熱可塑性樹脂フィルム13aを使用するのが好ま
しい。
【0017】(イ) の場合、熱可塑性樹脂の発泡フィルム
としては、強度、遮光性等の観点からポリエチレンテレ
フタレートの発泡フィルムが好ましい。
【0018】(ロ) の場合、真空蒸着法等により蒸着する
金属としてはアルミニウム、銀等が挙げられるが、特に
アルミニウムが好ましい。好ましい蒸着膜厚は20〜100n
m であり、より好ましくは30〜60nmである。蒸着膜厚が
20nm未満だと印刷像隠蔽性が不充分であり、また100nm
を超えてもそれに応じた印刷像隠蔽性の向上は期待でき
ず、不必要にコスト高になるので好ましくない。図2に
示すように、金属蒸着層13bは非吸水性樹脂フィルム13
aの片面に設けるだけで良いが、必要に応じて両面に設
けてもよい。金属蒸着層13bが透過光を遮蔽するので、
印刷像が裏面へ透けるのを防止できる。金属蒸着を施す
非吸水性樹脂フィルム13aとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン等の
高強度非吸水性樹脂からなるものが好ましい。
【0019】(2) 吸水性基材シート層 吸水性基材シート層12はインク受容層11上のインクから
水分を吸収する作用を有するとともに、記録シートに強
度を付与する。そのため、吸水性基材シート層12の材料
としては、紙、織布又は不織布等が使用可能であるが、
水分吸収性、強度、コスト、質感等の点で紙が好まし
い。吸水性基材シート層12は白色又はカラーのいずれで
も良い。吸水性基材シート層12の厚さは10〜80μmであ
るのが好ましい。10μm未満ではインクの吸収能力が十
分ではなく記録シートの表面でのインクの乾燥が遅くな
る。また80μmを超えると、記録シートが厚くなり過ぎ
る。特に好ましい吸水性基材シート層12の厚さは30〜60
μmである。
【0020】記録シートの遮光性を向上させるために、
吸水性基材シート層12自体に遮光性を付与しても良い。
そのためには、白土、タルク等の填料を、吸水性基材シ
ート層12を100 重量部として、15〜30重量部の割合で添
加するのが好ましい。
【0021】(3) インク受容層 インク受容層11は高吸水性樹脂からなり、高吸水性樹脂
の具体例としては、ポリビニルアルコール、及び高吸水
性を有するアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂、ポ
リアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、あるい
はこれらの変性物等、またはアルブミン、ゼラチン、カ
ゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷん、アラビアゴ
ム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂が挙げられる。高吸
水性樹脂の他に、インク吸着剤等の公知の添加剤を含有
しても良い。
【0022】インク受容層11の厚さは1〜50μmである
のが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。イン
ク受容層が1μm未満だと鮮明なインクジェット印刷像
が形成されず、また50μm超だと不必要に記録用紙が厚
膜化するので好ましくない。
【0023】(4) 全体の厚さ 上記構成を有する本発明の両面印刷用インクジェット記
録シートの厚さは、一般に200 μm以下であり、好まし
くは150 μm以下、特に100 μm以下である。
【0024】[2] 両面印刷用インクジェット記録シート
の製造方法 本発明の両面印刷用インクジェット記録シートは種々の
方法により製造することができるが、下記の2通りの方
法で製造するのが好ましい。
【0025】(1) 第1の方法 (a) インク受容層の塗布 まず吸水性基材シート層12の表面にインク受容層11を形
成する。インク受容層11の形成には塗布法及び押出しラ
ミネート法を利用でき、インク受容層の組成により適宜
選択する。
【0026】(イ) 塗布法 高吸水性樹脂に必要に応じて添加物及び溶剤を混合し、
インク受容層11用の塗布液を調製する。溶剤としては
水、アルコール等を使用することができる。得られた塗
布液を、乾燥膜厚が1〜50μmの範囲となるように、ア
プリケータ法、バーコーター法、ロールコーティング
法、スプレーコーティング法、ダイコーティング法、リ
ップコーティング法、エアナイフコーティング法等を用
いて、吸水性基材シート層12の片面に塗布する。
【0027】インク受容層11と吸水性基材シート層12と
の接着性の向上のために、吸水性基材シート層12の表面
にプライマー層を設けておいても良い。このようなプラ
イマー層としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、
ならびにポリアクリル系グループから選択された1種又
は2種以上のプライマーが使用可能である。
【0028】(ロ) 押出しラミネート法 図3に示すようなTダイ20及び一対のロール22、24を有
する押出しラミネート装置を使用し、一対のロール22、
24のギャップに吸水性基材シート12を通過させる。この
状態で、Tダイ20から溶融した高吸水性樹脂のフィルム
11を押し出す。溶融した高吸水性樹脂のフィルム11は、
ロール24と基材シート12とのギャップを通る。ギャップ
は基材シート12に溶融高吸水性樹脂フィルム11を密着さ
せるのに十分狭いので、溶融高吸水性樹脂フィルム11は
吸水性基材シート層12の表面に強固に接着し、吸水性基
材シート層12の片面にインク受容層11が形成されたコー
ト紙30が得られる。
【0029】インク受容層11となる高吸水性樹脂の溶融
物は粘着性を有するので、ロール24が鏡面ロールでは剥
離性が不十分であり、ロール24から剥離するためにブレ
ード等を使用しなければならない。するとロール24を傷
つけたり、インク受容層11に歪みや傷を付けたりするお
それがあるので、剥離し易いようにつや消し(マット)
ロールを用いるのが好ましい。つや消しロールの凹凸の
深さは0.5 〜5μm程度であれば良い。
【0030】上記の方法により形成されたインク受容層
11の表面はマット状であるが、鏡面状とする必要がある
場合、インク受容層11の表面を加熱し、マット状の凹凸
を溶融することにより平坦化すれば良い。加熱温度は40
〜200 ℃程度が好ましく、また加熱時間は2〜60秒で良
い。また溶融高吸水性樹脂フィルム11とロール24との間
にポリプロピレンやポリエステル等の鏡面フィルムを介
在させることにより、インク受容層11の表面を鏡面化す
ることもできる。
【0031】(b) 2枚のコート紙の貼り合わせ 工程(a) によって得られた2枚のコート紙30の吸水性基
材シート層面12同士を非吸水層13を介して貼り合わせる
ことにより、本発明の両面印刷用インクジェット記録シ
ート1を得る。非吸水層13を介して貼り合わせる方法と
して、押出しラミネート法、ウェットラミネート法また
はドライラミネート法等がある。但し、非吸水層13が熱
可塑性樹脂フィルム13a+金属蒸着層13bからなる場合
は、ドライラミネート法を使用する。
【0032】(イ) 押出しラミネート法 一対のコート紙30,30を非吸水層13を介して押出しラミ
ネート法により貼り合わせる場合、図4に示すようなT
ダイ20及び一対のロール22、24を有する押し出しラミネ
ート装置を使用する。一対のロール22、24にそれぞれコ
ート紙30を吸水性基材シート層12をロール側に向けて装
着し、ロール22、24のギャップを通過させる。この状態
で、Tダイ20から溶融した非吸水性樹脂フィルム13を押
し出す。溶融した非吸水性樹脂のフィルム13は一対のコ
ート紙30,30の間のギャップを通る。ギャップは一対の
コート紙30,30の間に溶融非吸水性樹脂フィルム13を密
着させるのに十分狭いので、これらは強固に密着し両面
印刷用インクジェット記録シート1を形成する。
【0033】(ロ) ウェットラミネート法 ウェットラミネート法により貼り合わせる場合、図5に
示すように、非吸水層13用の非吸水性樹脂溶液を一方の
コート紙30の吸水性基材シート層面12に塗布した後、も
う一方のコート紙30の吸水性基材シート層12に密着さ
せ、トンネル式乾燥装置40を通過させて乾燥させる。
【0034】(ハ) ドライラミネート法 ドライラミネート法により貼り合わせる場合、図6に示
すように、非吸水層13の両面に接着剤14を塗布し、トン
ネル式乾燥装置40を通過させて接着剤14を乾燥させた
後、一対の加熱ロール26、28のギャップを通る一対のコ
ート紙30,30(インク受容層11,11がロール側)の間に
通す。加熱ロール26、28の温度は接着剤14及びインク受
容層11,11の組成に応じて適宜設定する。
【0035】(2) 第2の方法 まず押出しラミネート法、ドライラミネート法等の方法
により非吸水層13の両面を吸水性基材シート層12で挟ん
だいわゆるポリサンド紙を作成し、次いでポリサンド紙
の両面に塗布法、押出しラミネート法、ディッピング法
等によりインク受容層11を形成する。塗布法、押出しラ
ミネート法、浸漬法等は第一の方法と同じで良い。
【0036】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0037】実施例1 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム
(商品名「E-5100」、東洋紡績(株)製)の両面にアク
リル系接着剤(商品名「A-385H」、武田薬品工業(株)
製)を塗布し、次いで接着剤層の両面にそれぞれ厚さ50
μmの紙を貼付し、ポリサンド紙を作成した。このポリ
サンド紙を押出しラミネート装置に装着した。なお押出
しラミネート装置のロールの表面は、高吸水性樹脂の粘
着を防止するためにマット状(表面粗さ2μm)とし
た。
【0038】高吸水性樹脂として、ポリアルキレンオキ
シド及びイソシアネート化合物の組成を有するアクアコ
ーク(住友精化(株)製)を使用し、押出し機のTダイ
(スリット幅:200 μm)から180 ℃の高吸水性樹脂を
30m/分の速度でフィルム状に押し出した。押し出され
た溶融高吸水性樹脂フィルムはポリサンド紙の両面に積
層し、インク受容層11を形成した。このようにして得ら
れた両面印刷用インクジェット記録シートの厚さは140
μmであった。
【0039】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用し、インクジェットプリンター(マスタージェッ
ト、グラフテック(株)製)により、両面カラー印刷し
たところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られた。また印
刷した記録シートに凹凸は生じなかった。
【0040】実施例2 厚さ30μmの紙の片面に下記の組成の塗布液を、乾燥膜
厚が10μmとなるようにアプリケーターによって塗布し
た後、120 ℃及び10分間の条件で乾燥して、インク受容
層11と吸水性基材シート層12からなるコート紙を作成し
た。
【0041】 表1 塗布液組成 ポリビニルアルコール(PVA-217 ,クラレ(株)製) 20g ポリビニルアルコール(PVA-405 ,クラレ(株)製) 3g 水 60g イソプロピルアルコール 20g
【0042】得られた一対のコート紙を、インク受容層
11をロール側にして、図4の押出しラミネート装置に装
着した。非吸水性樹脂として、あらかじめポリエチレン
(商品名「L-2340」、旭化成工業(株)製)に40重量%
の酸化チタンを入れたマスターバッチを使用し、280 ℃
でTダイ20(スリット幅:200 μm)から溶融押出しを
した。押し出された酸化チタン含有ポリエチレンフィル
ムは厚さ15μmであった。このようにして得られた両面
印刷用インクジェット記録シートの厚さは95μmであっ
た。
【0043】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用して、実施例1と同じように両面カラー印刷した
ところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られ、凹凸は生じ
なかった。また印刷された印刷像が裏側から透けて見え
ることもなかった。
【0044】実施例3 厚さ40μm の紙の片面に実施例2の塗布液と同じものを
乾燥膜厚が10μm となるように塗布して作成した一対の
コート紙を、図6に示すようにドライラミネート装置に
装着した。非吸水層13には厚さ25μmの不透明な発泡ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(商品名「クリスパ
ー」、東洋紡(株)製)を使用し、アクリル系接着剤
(商品名「A-385 H 」、武田薬品工業(株)製)を使用
した。このようにして得られた両面印刷用インクジェッ
ト記録シートの厚さは130 μmであった。
【0045】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用して、実施例1と同じように両面カラー印刷した
ところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られ、凹凸も生じ
なかった。また印刷された印刷像が裏側から透けて見え
ることもなかった。
【0046】実施例4 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商
品名「E-5100」、東洋紡績(株)製)の片面に真空蒸着
法により40nmのAl蒸着膜を形成したものを非吸水層13と
して使用した以外は、実施例3と同様にして両面印刷用
インクジェット記録シートを作成した。得られた両面印
刷用インクジェット記録シートの厚さは117 μmであっ
た。
【0047】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用して、実施例1と同じように両面カラー印刷した
ところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られ、凹凸も生じ
なかった。また、印刷された印刷像が裏側から透けて見
えることもなかった。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のインクジェ
ット記録シートは非吸水層の両面に内側から順に吸水性
基材シート層及びインク受容層を設けた構造からなるた
め反対側へインクが滲んだりすることがなく、鮮明な印
刷像を提供できる。また本発明の両面印刷用インクジェ
ット記録シートは非吸水層を不透明にすることにより、
記録シートそのものを厚くすることなく印刷像隠蔽性を
向上させることができ、これにより記録シートの厚さを
200 μm以下、好ましくは150 μm 以下、より好ましく
は100 μm 以下にすることが可能であり、さらに記録シ
ートの軽量化が図れるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トの一例を示す概略断面図である。
【図2】 非吸水層に金属蒸着膜を有する本発明の両面
印刷用インクジェット記録シートを示す概略断面図であ
る。
【図3】 押出しラミネート法によりインク受容層と吸
水性基材シート層からなるコート紙を製造する装置の一
例を示す概略図である。
【図4】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トを押出しラミネート法により製造する装置の一例を示
す概略図である。
【図5】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トをウェットラミネート法により製造する装置の一例を
示す概略図である。
【図6】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トをドライラミネート法により製造する装置の一例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1・・・両面印刷用インクジェット記録シート 11・・・インク受容層 12・・・吸水性基材シート層 13・・・非吸水層 13a・・・非吸水性樹脂 13b・・・金属蒸着膜 14・・・接着剤 20・・・Tダイ 21・・・浸漬ロール 22、24、26、28・・・ロール 30・・・コート紙 40・・・トンネル乾燥機
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月12日(1999.10.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 両面印刷用インクジェット記録シート
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面にインクジェ
ット印刷を施しても裏面に印刷像が透けたり、変形した
りすることがない両面印刷用インクジェット記録シート
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パソコ
ン等の出力装置としてのみならず、種々の材質の媒体上
に印刷を施す手段として、インクジェットプリンターが
広く使用されている。インクジェットプリンター用イン
クとして現在広く使用されているのは、水その他の溶剤
に有機染料を溶解してなるもので、有機染料としては、
アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、フタロ
シアニン染料、カルボニウムイオン染料、ニトロ染料、
キノリン染料、ナフトキノン染料等が挙げられる。
【0003】上記組成のインクジェットプリンター用イ
ンクにより鮮明で深みのある印刷像を形成するために、
普通紙の代わりにいわゆるコート紙を使用している。こ
のコート紙はインクジェット記録シートの表面に高吸水
性樹脂からなるインク受容層を形成したもので、高吸水
性樹脂層の作用によりインクの滲みが防止され、インク
媒体である水分はインク受容層を支持する紙層に吸収さ
れる。
【0004】インクジェットプリンターによる片面印刷
の場合、インク受容層を有するコート紙で満足な印刷像
を形成することができるが、両面印刷しようとすると、
紙の裏面に印刷像が透けるために、表裏の印刷像が混じ
ってしまうという問題がある。その上、紙層に両面から
水分が吸収されるので、両面印刷すると紙の変形は著し
い。このような問題を解消するために、インクジェット
プリンターにより両面印刷をする場合、100 〜200g/m2
以上の厚い両面コート紙を使用しなければならなかっ
た。しかしながら、このように厚い紙を使用すると、コ
スト高であるのみならず、製本時に重くなる等、嵩張っ
てハンドリング性が悪いという問題がある。
【0005】従って本発明の目的は、両面印刷を施して
も裏面に印刷像が透けることがなく、かつ変形すること
もない比較的薄い両面印刷用インクジェット記録シート
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、両面にインク受容層を形成した基
材シートの内部に非吸水層を設けることにより、いずれ
のインク受容層に形成したインクジェット印刷像の水性
媒体も反対側の面に到達することはないので、反対側の
インクジェット印刷像が滲じむことがないだけでなく、
基材シートが比較的薄くても反対側の印刷像が透けなく
なるので、綺麗な両面印刷をすることができる両面印刷
用インクジェット記録シートが得られることを発見し、
本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明第一の両面印刷用インク
ジェット記録シートは、非吸水層の両面に内側から順に
吸水性基材シート層及びインク受容層を有し、前記非吸
水層が非吸水性樹脂の発泡フィルムからなることを特徴
とする。
【0008】また本発明の第二の両面印刷用インクジェ
ット記録シートは、非吸水層の両面に内側から順に吸水
性基材シート層及びインク受容層を有し、前記非吸水層
が少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有する非吸水性樹
脂フィルムからなることを特徴とする。
【0009】非吸水層は、反対側の面へインクや水性媒
体が滲むのを防止するとともに、記録シートに耐変形性
を付与する役割を果たす。吸水性基材シート層はインク
受容層に形成された印刷像中の水分を吸収する。
【0010】また非吸水層に遮光性を持たせることによ
り、記録シートそのものを厚くすることなく反対側の印
刷像の隠蔽性を向上させることができる。このため、い
ずれの面から見ても美しい両面印刷を得ることができ
る。また裏面に印刷像が透けにくいので、現行の厚い両
面印刷用インクジェット記録シートに比べ軽量化が可能
であり、製本したとき等に重くなるという問題を解消で
きる。
【0011】
【発明の実施の形態】[1] 両面印刷用インクジェット記
録シート 図1に示すように、本発明の両面印刷用インクジェット
記録シート1は、最外層をなす一対のインク受容層11,
11、その内側の一対の吸水性基材シート層12,12、及び
最内層をなす遮光性非吸水層13からなる。各インク受容
層11,11はそれぞれ同一材質でも異材質でもよい。また
各吸水性基材シート層12,12も同一材質でも異材質でも
よい。以下各層について詳細に説明する。
【0012】(1) 非吸水層 非吸水層13は、インク及びその水性媒体に対するバリア
層としての役割を果たし、反対側の面へインクや水性媒
体が滲むのを防止するとともに、水分の浸透による基材
シート層の変形を防止する。それにより、両面に形成し
た印刷像の鮮明度が維持されるとともに、印刷時に記録
シートが撓んだり変形したりするのを防止することがで
きる。
【0013】このような作用を有する非吸水層13として
は、具体的には、押し出しラミネーション法により基
材シート12,12に接着された熱可塑性樹脂フィルムから
なるもの、接着剤14を介して基材シート12,12に接着
された熱可塑性樹脂フィルムからなるもの等が挙げられ
る。
【0014】の場合、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹
脂,ウレタン系樹脂等を使用することができる。なかで
もポリエチレン、特に低密度ポリエチレンのフィルムが
好ましい。またの場合、と同じ熱可塑性樹脂を使用
することができるが、フィルムの強度及びハンドリング
性の観点からポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル系樹脂が好ましい。いずれの場合も、非吸水層13の
厚さは3〜50μm程度であれば良い。より好ましい非吸
水層13の厚さは5〜25μmである。
【0015】非吸水層13のもう一つの役割は、記録シー
ト全体を厚くすることなく反対側の印刷像が透けて見え
るのを防止する作用(印刷像隠蔽性)である。もちろ
ん、非吸水層13が印刷像隠蔽性を有しなくても上述のバ
リア層としての役割は有する。しかし、非吸水層13に遮
光性を持たせることで記録シートの軽量化が図れるの
で、非吸水層は不透明であるのが好ましい。
【0016】非吸水層13に遮光性を付与するには、押
し出しラミネーション法による熱可塑性樹脂フィルムの
場合、熱可塑性樹脂に予め遮光剤を添加することによ
り、遮光性樹脂としておき、それを押し出しラミネーシ
ョン法によりフィルム化するのが好ましい。遮光剤の色
は記録シートの用途に応じて白色でもカラーでも良い
が、汎用性を有する記録シートとするには白色が好まし
い。白色遮光剤としては白色顔料が好ましく、具体的に
は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
中でも少量の添加で十分な遮光性が得られる点で、酸化
チタン、酸化亜鉛及び炭酸カルシウムが特に好ましい。
これらの顔料は単独で用いても2種以上を混合して用い
てもよい。また市販のポリマー着色剤を用いてもよい。
好ましい遮光剤の配合割合は遮光剤の種類により異なる
が、一般には5〜60重量%が好ましい。5重量%未満で
は遮光性の付与が不十分であり、また60重量%超の割合
で添加するのは困難である。より好ましい遮光剤の配合
割合は15〜30重量%である。
【0017】また接着剤を塗布する熱可塑性樹脂フィ
ルムを使用する場合、(イ) 熱可塑性樹脂の発泡フィルム
を使用するとか、(ロ) 図2に示すように金属蒸着膜13b
を設けた熱可塑性樹脂フィルム13aを使用する。
【0018】(イ) の場合、熱可塑性樹脂の発泡フィルム
としては、強度、遮光性等の観点からポリエチレンテレ
フタレートの発泡フィルムが好ましい。
【0019】(ロ) の場合、真空蒸着法等により蒸着する
金属としてはアルミニウム、銀等が挙げられるが、特に
アルミニウムが好ましい。好ましい蒸着膜厚は20〜100n
m であり、より好ましくは30〜60nmである。蒸着膜厚が
20nm未満だと印刷像隠蔽性が不充分であり、また100nm
を超えてもそれに応じた印刷像隠蔽性の向上は期待でき
ず、不必要にコスト高になるので好ましくない。図2に
示すように、金属蒸着層13bは非吸水性樹脂フィルム13
aの片面に設けるだけで良いが、必要に応じて両面に設
けてもよい。金属蒸着層13bが透過光を遮蔽するので、
印刷像が裏面へ透けるのを防止できる。金属蒸着を施す
非吸水性樹脂フィルム13aとしては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン等の
高強度非吸水性樹脂からなるものが好ましい。
【0020】(2) 吸水性基材シート層 吸水性基材シート層12はインク受容層11上のインクから
水分を吸収する作用を有するとともに、記録シートに強
度を付与する。そのため、吸水性基材シート層12の材料
としては、紙、織布又は不織布等が使用可能であるが、
水分吸収性、強度、コスト、質感等の点で紙が好まし
い。吸水性基材シート層12は白色又はカラーのいずれで
も良い。吸水性基材シート層12の厚さは10〜80μmであ
るのが好ましい。10μm未満ではインクの吸収能力が十
分ではなく記録シートの表面でのインクの乾燥が遅くな
る。また80μmを超えると、記録シートが厚くなり過ぎ
る。特に好ましい吸水性基材シート層12の厚さは30〜60
μmである。
【0021】記録シートの遮光性を向上させるために、
吸水性基材シート層12自体に遮光性を付与しても良い。
そのためには、白土、タルク等の填料を、吸水性基材シ
ート層12を100 重量部として、15〜30重量部の割合で添
加するのが好ましい。
【0022】(3) インク受容層 インク受容層11は高吸水性樹脂からなり、高吸水性樹脂
の具体例としては、ポリビニルアルコール、及び高吸水
性を有するアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂、ポ
リアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、あるい
はこれらの変性物等、またはアルブミン、ゼラチン、カ
ゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷん、アラビアゴ
ム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂が挙げられる。高吸
水性樹脂の他に、インク吸着剤等の公知の添加剤を含有
しても良い。
【0023】インク受容層11の厚さは1〜50μmである
のが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。イン
ク受容層が1μm未満だと鮮明なインクジェット印刷像
が形成されず、また50μm超だと不必要に記録用紙が厚
膜化するので好ましくない。
【0024】(4) 全体の厚さ 上記構成を有する本発明の両面印刷用インクジェット記
録シートの厚さは、一般に200 μm以下であり、好まし
くは150 μm以下、特に100 μm以下である。
【0025】[2] 両面印刷用インクジェット記録シート
の製造方法 本発明の両面印刷用インクジェット記録シートは種々の
方法により製造することができるが、下記の2通りの方
法で製造するのが好ましい。
【0026】(1) 第1の方法 (a) インク受容層の塗布 まず吸水性基材シート層12の表面にインク受容層11を形
成する。インク受容層11の形成には塗布法及び押出しラ
ミネート法を利用でき、インク受容層の組成により適宜
選択する。
【0027】(イ) 塗布法 高吸水性樹脂に必要に応じて添加物及び溶剤を混合し、
インク受容層11用の塗布液を調製する。溶剤としては
水、アルコール等を使用することができる。得られた塗
布液を、乾燥膜厚が1〜50μmの範囲となるように、ア
プリケータ法、バーコーター法、ロールコーティング
法、スプレーコーティング法、ダイコーティング法、リ
ップコーティング法、エアナイフコーティング法等を用
いて、吸水性基材シート層12の片面に塗布する。
【0028】インク受容層11と吸水性基材シート層12と
の接着性の向上のために、吸水性基材シート層12の表面
にプライマー層を設けておいても良い。このようなプラ
イマー層としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、
ならびにポリアクリル系グループから選択された1種又
は2種以上のプライマーが使用可能である。
【0029】(ロ) 押出しラミネート法 図3に示すようなTダイ20及び一対のロール22、24を有
する押出しラミネート装置を使用し、一対のロール22、
24のギャップに吸水性基材シート12を通過させる。この
状態で、Tダイ20から溶融した高吸水性樹脂のフィルム
11を押し出す。溶融した高吸水性樹脂のフィルム11は、
ロール24と基材シート12とのギャップを通る。ギャップ
は基材シート12に溶融高吸水性樹脂フィルム11を密着さ
せるのに十分狭いので、溶融高吸水性樹脂フィルム11は
吸水性基材シート層12の表面に強固に接着し、吸水性基
材シート層12の片面にインク受容層11が形成されたコー
ト紙30が得られる。
【0030】インク受容層11となる高吸水性樹脂の溶融
物は粘着性を有するので、ロール24が鏡面ロールでは剥
離性が不十分であり、ロール24から剥離するためにブレ
ード等を使用しなければならない。するとロール24を傷
つけたり、インク受容層11に歪みや傷を付けたりするお
それがあるので、剥離し易いようにつや消し(マット)
ロールを用いるのが好ましい。つや消しロールの凹凸の
深さは0.5 〜5μm程度であれば良い。
【0031】上記の方法により形成されたインク受容層
11の表面はマット状であるが、鏡面状とする必要がある
場合、インク受容層11の表面を加熱し、マット状の凹凸
を溶融することにより平坦化すれば良い。加熱温度は40
〜200 ℃程度が好ましく、また加熱時間は2〜60秒で良
い。また溶融高吸水性樹脂フィルム11とロール24との間
にポリプロピレンやポリエステル等の鏡面フィルムを介
在させることにより、インク受容層11の表面を鏡面化す
ることもできる。
【0032】(b) 2枚のコート紙の貼り合わせ 工程(a) によって得られた2枚のコート紙30の吸水性基
材シート層面12同士を非吸水層13を介して貼り合わせる
ことにより、本発明の両面印刷用インクジェット記録シ
ート1を得る。非吸水層13を介して貼り合わせる方法と
して、押出しラミネート法、ウェットラミネート法また
はドライラミネート法等がある。但し、非吸水層13が熱
可塑性樹脂フィルム13a+金属蒸着層13bからなる場合
は、ドライラミネート法を使用する。
【0033】(イ) 押出しラミネート法 一対のコート紙30,30を非吸水層13を介して押出しラミ
ネート法により貼り合わせる場合、図4に示すようなT
ダイ20及び一対のロール22、24を有する押し出しラミネ
ート装置を使用する。一対のロール22、24にそれぞれコ
ート紙30を吸水性基材シート層12をロール側に向けて装
着し、ロール22、24のギャップを通過させる。この状態
で、Tダイ20から溶融した非吸水性樹脂フィルム13を押
し出す。溶融した非吸水性樹脂のフィルム13は一対のコ
ート紙30,30の間のギャップを通る。ギャップは一対の
コート紙30,30の間に溶融非吸水性樹脂フィルム13を密
着させるのに十分狭いので、これらは強固に密着し両面
印刷用インクジェット記録シート1を形成する。
【0034】(ロ) ウェットラミネート法 ウェットラミネート法により貼り合わせる場合、図5に
示すように、非吸水層13用の非吸水性樹脂溶液を一方の
コート紙30の吸水性基材シート層面12に塗布した後、も
う一方のコート紙30の吸水性基材シート層12に密着さ
せ、トンネル式乾燥装置40を通過させて乾燥させる。
【0035】(ハ) ドライラミネート法 ドライラミネート法により貼り合わせる場合、図6に示
すように、非吸水層13の両面に接着剤14を塗布し、トン
ネル式乾燥装置40を通過させて接着剤14を乾燥させた
後、一対の加熱ロール26、28のギャップを通る一対のコ
ート紙30,30(インク受容層11,11がロール側)の間に
通す。加熱ロール26、28の温度は接着剤14及びインク受
容層11,11の組成に応じて適宜設定する。
【0036】(2) 第2の方法 まず押出しラミネート法、ドライラミネート法等の方法
により非吸水層13の両面を吸水性基材シート層12で挟ん
だいわゆるポリサンド紙を作成し、次いでポリサンド紙
の両面に塗布法、押出しラミネート法、ディッピング法
等によりインク受容層11を形成する。塗布法、押出しラ
ミネート法、浸漬法等は第一の方法と同じで良い。
【0037】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0038】参考例1 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート製フィルム
(商品名「E-5100」、東洋紡績(株)製)の両面にアク
リル系接着剤(商品名「A-385H」、武田薬品工業(株)
製)を塗布し、次いで接着剤層の両面にそれぞれ厚さ50
μmの紙を貼付し、ポリサンド紙を作成した。このポリ
サンド紙を押出しラミネート装置に装着した。なお押出
しラミネート装置のロールの表面は、高吸水性樹脂の粘
着を防止するためにマット状(表面粗さ2μm)とし
た。
【0039】高吸水性樹脂として、ポリアルキレンオキ
シド及びイソシアネート化合物の組成を有するアクアコ
ーク(住友精化(株)製)を使用し、押出し機のTダイ
(スリット幅:200 μm)から180 ℃の高吸水性樹脂を
30m/分の速度でフィルム状に押し出した。押し出され
た溶融高吸水性樹脂フィルムはポリサンド紙の両面に積
層し、インク受容層11を形成した。このようにして得ら
れた両面印刷用インクジェット記録シートの厚さは140
μmであった。
【0040】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用し、インクジェットプリンター(マスタージェッ
ト、グラフテック(株)製)により、両面カラー印刷し
たところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られた。また印
刷した記録シートに凹凸は生じなかった。
【0041】参考例2 厚さ30μmの紙の片面に下記の組成の塗布液を、乾燥膜
厚が10μmとなるようにアプリケーターによって塗布し
た後、120 ℃及び10分間の条件で乾燥して、インク受容
層11と吸水性基材シート層12からなるコート紙を作成し
た。
【0042】 表1 塗布液組成 ポリビニルアルコール(PVA-217 ,クラレ(株)製) 20g ポリビニルアルコール(PVA-405 ,クラレ(株)製) 3g 水 60g イソプロピルアルコール 20g
【0043】得られた一対のコート紙を、インク受容層
11をロール側にして、図4の押出しラミネート装置に装
着した。非吸水性樹脂として、あらかじめポリエチレン
(商品名「L-2340」、旭化成工業(株)製)に40重量%
の酸化チタンを入れたマスターバッチを使用し、280 ℃
でTダイ20(スリット幅:200 μm)から溶融押出しを
した。押し出された酸化チタン含有ポリエチレンフィル
ムは厚さ15μmであった。このようにして得られた両面
印刷用インクジェット記録シートの厚さは95μmであっ
た。
【0044】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用して、実施例1と同じように両面カラー印刷した
ところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られ、凹凸は生じ
なかった。また印刷された印刷像が裏側から透けて見え
ることもなかった。
【0045】実施例1 厚さ40μm の紙の片面に参考例2の塗布液と同じものを
乾燥膜厚が10μm となるように塗布して作成した一対の
コート紙を、図6に示すようにドライラミネート装置に
装着した。非吸水層13には厚さ25μmの不透明な発泡ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(商品名「クリスパ
ー」、東洋紡(株)製)を使用し、アクリル系接着剤
(商品名「A-385 H 」、武田薬品工業(株)製)を使用
した。このようにして得られた両面印刷用インクジェッ
ト記録シートの厚さは130 μmであった。
【0046】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用して、参考例1と同じように両面カラー印刷した
ところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られ、凹凸も生じ
なかった。また印刷された印刷像が裏側から透けて見え
ることもなかった。
【0047】実施例2 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商
品名「E-5100」、東洋紡績(株)製)の片面に真空蒸着
法により40nmのAl蒸着膜を形成したものを非吸水層13と
して使用した以外は、実施例3と同様にして両面印刷用
インクジェット記録シートを作成した。得られた両面印
刷用インクジェット記録シートの厚さは117 μmであっ
た。
【0048】この両面印刷用インクジェット記録シート
を使用して、参考例1と同じように両面カラー印刷した
ところ、滲みがない鮮明な印刷像が得られ、凹凸も生じ
なかった。また、印刷された印刷像が裏側から透けて見
えることもなかった。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のインクジェ
ット記録シートは非吸水層の両面に内側から順に吸水性
基材シート層及びインク受容層を設けた構造からなるた
め反対側へインクが滲んだりすることがなく、鮮明な印
刷像を提供できる。また本発明の両面印刷用インクジェ
ット記録シートは非吸水層を不透明にすることにより、
記録シートそのものを厚くすることなく印刷像隠蔽性を
向上させることができ、これにより記録シートの厚さを
200 μm以下、好ましくは150 μm 以下、より好ましく
は100 μm 以下にすることが可能であり、さらに記録シ
ートの軽量化が図れるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トの一例を示す概略断面図である。
【図2】 非吸水層に金属蒸着膜を有する本発明の両面
印刷用インクジェット記録シートを示す概略断面図であ
る。
【図3】 押出しラミネート法によりインク受容層と吸
水性基材シート層からなるコート紙を製造する装置の一
例を示す概略図である。
【図4】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トを押出しラミネート法により製造する装置の一例を示
す概略図である。
【図5】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トをウェットラミネート法により製造する装置の一例を
示す概略図である。
【図6】 本発明の両面印刷用インクジェット記録シー
トをドライラミネート法により製造する装置の一例を示
す概略図である。
【符号の説明】 1・・・両面印刷用インクジェット記録シート 11・・・インク受容層 12・・・吸水性基材シート層 13・・・非吸水層 13a・・・非吸水性樹脂 13b・・・金属蒸着膜 14・・・接着剤 20・・・Tダイ 21・・・浸漬ロール 22、24、26、28・・・ロール 30・・・コート紙 40・・・トンネル乾燥機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA19 BA21 BA36 4F100 AB01E AK01A AK25G AK42 AR00A AR00B AR00C AR00D AR00E BA05 BA06 BA07 BA10D BA10E BA13 CA30A CB00 DG10B DG10C EH66E GB90 HB31 JA20A JA20B JA20C JA20D JA20E JD14 JD14D JD14E JD15A JD15B JD15C JL03 JM02A JM02E YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非吸水層の両面に内側から順に吸水性基
    材シート層及びインク受容層を有することを特徴とする
    両面印刷用インクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の両面印刷用インクジェ
    ット記録シートにおいて、前記非吸水層は非吸水性樹脂
    の薄膜であり、前記吸水性基材シート層は紙であること
    を特徴とする両面印刷用インクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の両面印刷用イン
    クジェット記録シートにおいて、前記非吸水層は厚さ5
    〜25μm であり、前記各吸水性基材シート層は厚さ30〜
    60μm であり、前記各インク受容層は厚さ5〜20μm で
    あり、全体の厚さは150 μm以下であることを特徴とす
    る両面印刷用インクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の両面印
    刷用インクジェット記録シートにおいて、前記非吸水層
    が5〜60重量%の遮光剤を含有する非吸水性樹脂からな
    ることを特徴とする両面印刷用インクジェット記録シー
    ト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の両面印
    刷用インクジェット記録シートにおいて、前記非吸水層
    が非吸水性樹脂の発泡フィルムからなることを特徴とす
    る両面印刷用インクジェット記録シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の両面印
    刷用インクジェット記録シートにおいて、前記非吸水層
    が少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有する非吸水性樹
    脂フィルムからなることを特徴とする両面印刷用インク
    ジェット記録シート。
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