JP2000218931A - 被記録媒体および画像形成方法 - Google Patents

被記録媒体および画像形成方法

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JP2000218931A
JP2000218931A JP11024031A JP2403199A JP2000218931A JP 2000218931 A JP2000218931 A JP 2000218931A JP 11024031 A JP11024031 A JP 11024031A JP 2403199 A JP2403199 A JP 2403199A JP 2000218931 A JP2000218931 A JP 2000218931A
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Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
Masako Ichioka
正子 市岡
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明器具などによる参照に適し、製造時、及
び取り扱い時に剥離や損傷などが少ない画像形成ができ
る被記録媒体を得る。 【解決手段】 透明または白色半透明の基材シートの一
方の面に少なくとも一層以上の透明なインク受容層を有
し、他方の面にサンドブラスト処理により凹凸が形成さ
れている被記録媒体において、該凹凸が、JIS B0
601における表面の算術平均粗さRaで0.5μm〜2
0μmの深さの穴の分布により形成されており、前記穴
の分布の占有率が凹凸形成面全体における50%以上で
あることを特徴とする被記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録媒体、特に
インクジェット記録方式に適した被記録媒体および画像
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうもので
あり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が高い、現像及び定着が不要などの特徴があり、様
々な用途において急速に普及している。
【0003】更に、多色インクジェット方式により形成
される画像は、製版方式による多色印刷や、カラー写真
方式による印画と比較して遜色のない記録を得ることも
可能であり、作成部数が少ない場合には通常の多色印刷
や印画によるよりも安価に製造できることから、フルカ
ラー画像記録分野まで広く応用されつつある。
【0004】記録の高速化、高精細化、フルカラー化等
の記録特性の向上要求に伴って記録装置、記録方法の改
良が行われてきたが、記録用媒体に対しても高度な特性
が要求されている。
【0005】また、目的、用途、インク等への対応が可
能な多種多様な記録媒体の改良が行われている。種々の
目的の中に、画像を背後の照明によって参照する装飾や
看板などへの利用がある。
【0006】従来これらの目的のために、透明もしくは
半透明のフィルムシートに鏡像印刷を施し、印刷面を裏
側から見る、いわゆるバックプリントが知られている。
このバックプリントによれば、光沢のある極めて高画質
な画像を観察することが出来る。
【0007】しかしながら、このバックプリントされた
フィルムシートは透明または半透明であるため、そのま
までは画像が観察されにくく、観察面の裏側、つまり印
刷面側に白色地等の裏面基材を接着材などで接着して画
像を明瞭に観察できるようにする必要があった。しか
も、背後の照明によって参照する場合には隠蔽の度合い
を調節するために厚みの厚い裏面基材を用いる必要があ
り、曲線や凹凸のある部分に配置する場合などには特殊
な加工が必要であった。
【0008】上記の問題を解決するために、特開昭62
-222876号公報、特開昭62-242576号公
報、特開昭63-34176号公報に基材上にインク輸
送層とインク保持層が積層されている、被記録媒体が提
案されている。これらは、インク輸送層に非染着性の粒
子と結着剤により構成され、インクを透過させる空隙を
もち、また、インク輸送層は光散乱性を有する。さら
に、下層のインク保持層によりインクを定着するもので
ある。これらの方法により、インクの定着性は向上し、
裏面からの観察により鮮明な画像が得られ、裏面基材な
どの配慮も必要なくなった。
【0009】しかしながら、インク輸送層に光散乱性を
もたせて隠蔽力をもたせることは可能となったが、その
度合いを調整することは難しく、さらに、インク輸送層
は十分な通液性と膜強度の調整が必要となってくる。す
なわち、被記録媒体の製造時や、使用時の所望のサイズ
への、裁断や記録時のローラーや拍車によるインク輸送
層の欠損が生じないように充分配慮する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明はかか
る従来の難点を解決する被記録媒体および画像形成方法
を提供することを目的とする。すなわち、裏面基材の接
着や特殊な後加工などの処理をせずに、背後からの照明
による参照においても、凹凸粗さ及び分布率を調整する
ことにより鮮明な画像が得られるようにしたものであ
る。さらに、被記録媒体の製造時や、使用時の所望のサ
イズへの裁断や、ハンドリング、記録時のトラブル等が
生じないように十分配慮されているため、隠蔽力の低下
が生じないように十分に改善されたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の被記録媒体は透
明または白色半透明の基材シートの一方の面に少なくと
も一層以上の透明なインク受容層を有し、他方の面にサ
ンドブラスト処理により凹凸が形成され、該凹凸が、JI
S B0601における表面の算術平均粗さRaで0.5
μm〜20μmの深さの穴の分布により形成されてお
り、前記穴の分布の占有率が凹凸形成面全体における5
0%以上であり、前記透明なインク受容層が多孔質イン
ク受容層であることを特徴とする。
【0012】また、本発明の画像形成方法は被記録媒体
にインクを付与して画像を形成する画像形成方法におい
て、用いる被記録媒体の基材シートの一方の面に少なく
とも一層以上の透明なインク受容層を有し、他方の面に
サンドブラスト処理により凹凸が形成され、前記インク
を付与する方式にインクジェット記録方法を用い、前記
被記録媒体にインクを付与した後に、少なくとも1層以
上のラミネート層を画像面側に形成することを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を好適な実施形態を
挙げて図を用いて説明する。
【0014】図1に本発明の被記録媒体の一例を示す。
図中の101は基材、102はサンドブラスト処理によ
り形成された凹凸面、103はインク受容層を示す。
【0015】本発明において、基材101は特に限定さ
れず種々のものが用いられる。具体的には、ポリエステ
ル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ジアセ
テート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、セロハン等のプラスチックフィ
ルムが挙げられる。
【0016】これらの基材は透明もしくは、白色の顔料
を含有させて半透明にして用いてもよい。半透明にする
ことによりサンドブラスト処理による凹凸102により
得られる隠蔽性との微調整が可能となり、背後からの照
明により画像を参照する場合、照明の様々な明るさにも
対応が可能となる。
【0017】また、これらの基材101とインク受容層
103との接着性を向上させるために、少なくとも基材
のインク受容層形成側にコロナ放電処理や一般的な易接
着処理、アンダーコート層形成を施してもよい。
【0018】基材101の厚さは後述するサンドブラス
ト処理時に破けるなどの問題が生じない程度の厚みが必
要となり、ロール搬送に適応できる程度の厚み以下であ
ることが必要である。一般的には5μm〜1000μm
の範囲であり、好ましくは10μm〜300μmの範囲
のものを用いる。
【0019】基材101にはサンドブラスト処理により
凹凸102を形成する。本発明でいうサンドブラスト処
理とは基材101を搬送しながら、不図示の噴射装置を
用いて圧搾空気とともに砂(サンド)を一定の速度と角度
で基材表面に打ちつける(ブラスト)処理をいう。この
時、サンドブラスト処理に用いる砂(サンド)は珪土など
を細かく砕いたものを用いる。
【0020】サンドブラスト処理による凹凸は基材の片
方の一面を砂で引掻き傷をつけるようにして形成する。
そのためにフィルム搬送を等速度で行い、砂を均等に基
材表面に打ちつけて凹凸を形成する。その後、洗浄、乾
燥処理を施す。
【0021】このようにしてサンドブラスト処理を施し
た基材の一例の表面を電顕観察した写真を図5に示す。
観察時の倍率は500倍であり、10の目盛りが60μ
m(1目盛り6μm)になっている。
【0022】使用した装置は走査型電子顕微鏡 S-5
70(日立製作所)で、撮影には該電子顕微鏡に付属のカ
メラ(ポラロイド社製)を用いた。
【0023】図5の写真では、サンドブラスト処理によ
って形成された凹凸102の様子が示されている。削り
取られている部分が穴に相当し、基材の一面に均一に形
成されている。凹凸の深さはJIS B0601に従い測
定され、表面の算術平均粗さRaで0.5μm〜20μm
となるのが好ましく、より好ましくは0.8μm〜8μ
mの範囲である。
【0024】0.5μmに満たないと光散乱の効果が得
られなくなり、20μmより大きいと、光散乱の度合い
にばらつきが生じやすく、画像形成した後に鮮明な画像
が得られにくい。また、穴の形状が同時に参照されてし
まい美観を損ねる。
【0025】更に、前記穴の分布の占有率は凹凸形成面
全体における50%以上とする。好ましくは70%以上
とする。一方、サンドブラスト処理を多段階で施すこと
で、ほぼ全表面が穴の状態、すなわち占有率100%の
状態を実現でき、より好ましい。占有率が50%より少
ないと十分な光散乱の効果が得られない。
【0026】これらのサンドマット加工による、凹凸の
深さと基材全体に対する占有率の調整により、透明基材
に光拡散性の高いマット加工された面が形成され、基材
自体に隠蔽性が発現される。
【0027】ここにおけるマット加工は適度な光拡散性
を得るためにはケミカルマットやプレス処理、レーザー
処理では得られ難いものである。すなわち、凹凸の形成
において、サンドブラスト処理により凹凸の深さ及び、
その占有率を調整するため、照明光による参照に適した
微細マット加工が施されることになる。
【0028】透明なインク受容層103はサンドブラス
ト処理により形成された凹凸102の他方の面に形成す
る。透明なインク受容層は主としてエマルジョン等の樹
脂粒子、有機バインダー、無機粒子の組み合わせにより
形成される。具体的には無機粒子を有機バインダーで結
合して多孔質構造を形成したものや膨潤性の樹脂粒子を
塗布形成したものが好適であり、インクの種類やインク
吐出量などにより適宜選択する。
【0029】膨潤性の樹脂粒子を塗布形成する場合、ポ
リウレタン樹脂などの水分散性のエマルジョン塗工液等
を塗布、乾燥してインク受容層を形成する。
【0030】色濃度の高い鮮明な画像を得るためには特
にインク量は多くなり、その場合、無機粒子を含む多孔
質層が好適である。含まれる無機粒子としては、多孔質
粒子状のものが望ましく、具体的にはシリカやアルミ
ナ、アルミナ水和物などを単独または混合して用いる。
これらの無機粒子を含有することにより、良好なインク
吸収性と色素定着性が得られる。特にアルミナ水和物は
低ヘイズで透明性が高くなり、インクが吸収された時に
色素の発色が良好となり好適である。
【0031】多孔質層は細孔構造が実質的に半径が1〜
20nm、より好ましくは2〜10nmの細孔からなり、
細孔容積が0.1〜1.0cc/g、より好ましくは0.4〜0.
6cc/gであることにより十分なインク吸収性と透明性が
得られる。細孔半径分布の測定は窒素吸着脱離法によ
る。
【0032】また、上記無機粒子と組み合わせて用いる
有機バインダーとしては、水溶性、水分散性高分子物質
が望ましい。例えば、ポリビニルアルコールまたはその
変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変
性)、澱粉またはその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラ
チンまたはその変性体、SBRラテックス、NBRラテ
ックス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン等を単独または組み合わせにより
用いる。
【0033】無機粒子と有機バインダーの混合比は重量
比で1:1〜30:1の範囲とする。有機バインダーの量が
上記範囲よりも少ない場合は多孔質層の機械的強度が不
足してクラックや粉落ちが発生し、上記範囲より多い場
合はインク吸収性が悪くなる。特に5:1〜20:1の範囲
が好適である。
【0034】基材101の一方の表面に透明なインク受
容層103を設ける手段としては、例えばアルミナゾル
にバインダーを加えてスラリー状とした塗工液や、膨潤
性樹脂粒子のエマルジョン塗工液等をロールコーター、
エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコータ
ー、バーコーター、ダイコーター、グラビアコーター等
を用いて塗布後、一般的に用いられる熱風乾燥炉、赤外
線乾燥炉等を単独または組み合わせて乾燥して形成す
る。
【0035】透明なインク受容層103の厚さは1〜1
00μmの範囲にあることが好ましく、より好ましい厚
さは5〜50μmである。
【0036】インク受容層の厚さが1μmに満たない場
合は、色素の定着性、吸収性が不十分になり画像が滲む
などの問題が生じるので好ましくない。インク受容層の
厚さが100μmを超える場合、インク受容層の機械的
強度の低下、透明性の低下、塗工時に塗膜欠陥を生じる
ために、部分的な十分なインク吸収性が確保できない部
分が生じる等の問題が生じて好ましくない。
【0037】本発明の画像形成手段としてはフェルトペ
ン、ペンプロッター、インクミスト、インクジェット、
各種の印刷等、記録剤を含有するインクを用いた記録器
具及び記録装置が挙げられる。画像記録の高速性の観点
からインクジェット記録装置やペンプロッターが好適で
あり、更に高解像の画像を得るためにはインクジェット
記録装置が望ましい。
【0038】また、本発明に用いるインクは従来公知の
水系および/または油系のインクを用いることが出来
る。インクに含有させる色材としては従来公知の染料、
顔料等の着色剤および/発色性を有する材料を用いるこ
とが出来る。
【0039】例えば、インクジェット記録に用いられる
染料としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性
染料、食用色素等に代表される水溶性染料が好ましい。
また、顔料としては各種のカーボンブラック、ピグメン
トイエロー、ピグメントレッド、ピグメントブルー等が
用いられる。特に高い画像濃度を得られることや、耐退
色の点から顔料を含むインクが用途によっては好適に用
いられる。
【0040】本発明において画像形成面にラミネート加
工をしてもよい。ここで、光拡散性を得るための加工が
基材に直接サンドブラスト加工を施したものであるため
に取り扱いや裁断時における剥離等の問題もなく後加工
が可能となる。すなわち、画像形成層と光拡散性の隠蔽
層が分離され、複雑な層構成でないために、種々の後加
工が可能となる。
【0041】ラミネート加工に用いるラミネート材は透
明のものを用いる。ラミネート加工はポリエステル樹脂
等の透明基材をインク受容層を阻害しない接着剤やホッ
トメルト接着材を介して接着させてもよく、また、ホッ
トメルト接着材を剥離可能な基材とともに接着させた後
に基材のみを剥離させて転写させてもよい。
【0042】本発明で用いるホットメルト接着材は画像
形成されたインク受容層の表面を保護するとともに、熱
圧着時に容易に基材から剥離して、インク受容層の上に
転写するように、基材と非相溶性または低相溶性であっ
て、インク受容層および画像形成面との接着性の高い樹
脂から選択することが望ましい。
【0043】具体的には、塩化ビニル-酢酸ビニル共重
合体樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、アク
リル-スチレン共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
クリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができ
る。また、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒ
ンドードアミン光安定剤、帯電防止剤等を含有してもよ
い。
【0044】尚、ラミネート材の厚みは、インク受容層
に接着させるときにエアの巻き込みを防止し、また、イ
ンク受容層に対する接着力を高めるために、通常は5μ
m〜50μm、より好ましくは7μm〜30μmとする
ことが望ましい。このときのラミネート材は種々の方法
で製造することができるが、ポリエステル樹脂等の基材
に上記の接着材をコーティングまたは押し出しにより積
層する。
【0045】また、基材を剥離して接着材を転写させる
方式の場合には予め基材表面にシリコーン等の剥離処理
を施す。これらの画像形成後のラミネート加工により、
画像参照面の表面および、サンドブラスト加工された裏
面ともに剥離や層の欠損などの心配のない、取り扱いの
簡便な画像形成物が得られる。
【0046】
【実施例】本発明を以下の実施例を用いて更に詳しく説
明する。
【0047】(実施例1)基材101に透明性で厚み12
5μmのPETフィルム(ICIジャパン(株)製、Meline
x505)を使用した。基材101を1320mm幅のロ
ール状で不図示のサンドマット加工装置にセットして凹
凸形成加工を基材101の片面に行った。この時、ロー
ル基材の搬送速度は10m/minとし、長辺長さ50μm
の不定形のシリカ粉を用いた。加工後、水洗浄により表
面への残留シリカ粉を除去し、温風乾燥で十分に乾燥
後、再びロール状に巻き取った。
【0048】凹凸加工された面の表面粗さを測定したと
ころ、算術平均粗さRa=4.2μm、凹凸の占有率が7
8%であった。
【0049】次に、サンドブラスト加工による凹凸面1
02形成された基材の反対側の面にインク受容層103
を形成するために、下記の方法で塗工分散液を調整し
た。
【0050】まず、アルミニウムドデキシドを加水分解
してアルミナスラリーを作り、このアルミナスラリーを
アルミナ水和物固形分が7.9%になるまで水を加え
た。次に3.9%の硝酸水溶液を加えてpH調整した後、
熟成工程を経て、コロイダルゾルを得た。このコロイダ
ルゾルを75℃でスプレー乾燥してアルミナ水和物を得
た。アルミナ水和物はイオン交換水に分散して15%分
散液とした。
【0051】次にポリビニルアルコール(日本合成化学
工業(株)社製、ゴーセノールNH18)をイオン交換水に
溶解・分散して10%の溶液を得た。
【0052】上記アルミナ水和物とポリビニールアルコ
ール溶液を重量混合比で10:1になるようにして混ぜ合
わして攪拌して塗工分散液を作製した。この塗工分散液
を不図示のコート機および熱風乾燥炉を用いてダイコー
ト後、乾燥し(乾燥温度140℃)、厚さ35μmの多孔
質無機粒子層であるインク受容層103を形成した。こ
のとき、塗工層の平均細孔半径は8nmであった。
【0053】上記のようにして得られた被記録媒体10
0を所望のサイズに断裁した。この時、断裁によるイン
ク受容層の欠損などは生じなかった。次に、インクジェ
ット記録装置を用いて画像形成した(キヤノン製 BJC
-430J)。
【0054】画像形成時にも搬送ローラーや拍車による
被記録媒体への損傷などは生じなかった。また、裏面の
凹凸形成の効果のために連続印刷時の搬送性は良好であ
った。また、画像形成後、画像の反対側の凹凸による十
分な光散乱性が得られ、画像部分が透けて不鮮明になる
こともなく、鮮明な画像が得られた。
【0055】尚、図6に示すようにインク受容層103
側を外側にして配置して照明器具のフードとして取り付
けたところ、曲げることによる、画像の破損もなく、鮮
明な画像観察が可能であった。
【0056】(比較例1)サンドブラスト加工を施さない
こと以外は実施例1と同様にして図3に示すように基材
301上にインク受容層303を形成した。以上のよう
に、基材の一方の側302は算術平均粗さRa=0.01
μmで平滑な被記録媒体300が得られた。
【0057】上記のようにして得られた被記録媒体30
0にインクジェット記録装置を用いて画像形成した(キ
ヤノン製BJC-430J)ところ、非画像形成部のみなら
ず画像形成部も透光性の高いものとなった。そのため実
施例1と同様にインク受容層103側を外側にして照明
器具のフードとして配置して取り付けたところ、画像部
形成部が照明光をそのまま透過してしまい、鮮明な画像
が観察できなかった。
【0058】(比較例2)サンドブラスト加工を施さない
ことと、厚み125μmの白色のPET基材PETフィ
ルム(ICIジャパン(株)製、Melinex339)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして図3に示すように基材3
01上にインク受容層303を形成した。以上のよう
に、基材の一方の側302は算術平均粗さRa=0.1μ
mで、平滑な被記録媒体300が得られた。
【0059】上記のようにして得られた被記録媒体30
0にインクジェット記録装置を用いて画像形成した(キ
ヤノン製BJC-430J)ところ、鮮明な画像が形成され
たが、実施例1と同様にしてインク受容層103側を外
側にして照明器具のフードとして配置して取り付けたと
ころ、照明光の透過が殆どなく十分な画像観察ができな
かった。
【0060】(比較例3)実施例1に用いた基材と同様な
125μmの透明な基材401にインク保持層402、
光散乱性を有するインク輸送層403を順次形成して被
記録媒体400を得た。
【0061】インク保持層はポリビニルピロリドン(P
VPK-90、GFA製)とノボラック型フェノール樹脂
(レジトップPSK-2330、群栄化学製)の混合組成
物をバーコーター塗工し、120℃で5分間乾燥して形
成した。膜厚は8μmであった。
【0062】インク輸送層は非染着性の粒子としてアク
リル樹脂(MD-4000 SD、綜研化学製)と結着剤
として、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(ケミパールV-
100、三井化学製)、添加剤としてパーフルオロアル
キルカルボン酸塩(S-111、旭硝子製)の混合組成物を
バーコーター塗工し、80℃で10分間乾燥して形成し
た。膜厚は15μmであった。
【0063】得られた被記録媒体400はインク輸送層
403が白色で隠蔽性の高いものであった。被記録媒体
400を所望のサイズに断裁したところ端部にかけなど
の欠損が見られるものがあった。
【0064】また、ハンドリング時にインク輸送層40
3側に引っ掻き傷が生じた場合には、その部分で画像に
滲みが発生したり、実施例1と同様の照明器具のフード
としてインク輸送層403側を内側にして配置して取り
付けたところ、照明光の透過がしてしまい画像不鮮明の
部分が生じるものがあった。
【0065】(実施例2)透明基材およびサンドマット加
工は実施例1と同様にして行い、膨潤性樹脂粒子のポリ
ウレタン樹脂エマルジョン(一方社油脂工業製 UPM-
212HN、NV.30%重量)の塗工液を不図示のコー
ト機および熱風乾燥炉を用いてダイコート後、乾燥した
(乾燥温度100℃)。インク受容層の厚さは40μmで
あった。
【0066】その後、実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録装置により画像形成後、画像の観察、照明器具
による参照を行ったところ、鮮明な画像であった。
【0067】(実施例3)基材101に白色半透明の厚み
125μmのPETフィルム(東レ(株)製、ルミラーX-
20 #125)を用いた以外は実施例1と同様にして
サンドマット加工、インク受容層形成を行った。
【0068】その後、実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録装置により画像形成後、画像の観察、照明器具
による参照を行ったところ、鮮明な画像であった。尚、
更に、照度の高い照明器具が使用可能となった。
【0069】(実施例4)透明基材およびサンドマット加
工は実施例1と同様にして行い、インク受容層103を
2層構成とした。このとき実施例1のアルミナ水和物
を、上下2層でコロイド粒子の大きさを調整して用い
た。
【0070】まず、2次凝集粒子直径平均145nmの
アルミナ水和物100重量%および、実施例1で用いた
ポリビニルアルコール11重量%とイオン交換水を混合
して固形分15重量%の塗工液を調整した。この塗工液
を図示のコート機および熱風乾燥炉を用いてダイコート
後、乾燥し(乾燥温度140℃)、厚さ25μmの多孔質
無機粒子層を形成した。このとき、塗工層の平均細孔半
径は5nmであった。
【0071】さらに、2次凝集粒子直径平均400nm
のアルミナ水和物100重量%および、実施例1で用い
たポリビニルアルコール11重量%とイオン交換水を混
合して固形分15重量%の塗工液を調整した。この塗工
液を図示のコート機および熱風乾燥炉を用いてダイコー
ト後、乾燥し(乾燥温度120℃)、厚さ10μmの多孔
質無機粒子層を形成した。このとき、塗工層の平均細孔
半径は6nmであった。
【0072】以上のようにして多孔質のインク受容層を
形成した。その後、実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録装置により画像形成後、画像の観察、照明器具に
よる参照を行ったところ、鮮明な画像であった。
【0073】(実施例5)実施例1と同様にして透明基材
を用い、サンドブラスト加工、インク受容層形成した被
記録媒体に同様にしてインクジェット記録して後にラミ
ネート加工した以外は実施例1と同様にして画像形成を
行った。この時、50μmのPET基材にシリコーン離
型処理を施し、その上にホットメルト樹脂(ヒロダイン
製 7573T)を押し出し形成した転写剥離型のラミ
ネート材を用いた。ホットメルト樹脂による接着層の膜
厚は20μmであった。
【0074】インクジェット記録後、このラミネート材
を不図示のロール圧着式のラミネーターによりラミネー
トした。その後、実施例1と同様にして、画像の観察、
照明器具による参照を行ったところ、鮮明な画像であっ
た。
【0075】(実施例6、比較例4)本実施例ではサンド
ブラスト加工による凹凸の算術平均粗さRaをそれぞれ
0.2μmから30μmまで変化させて表面粗さの異な
る凹凸面を設けた。その後、実施例1と同様にしてイン
クジェット記録装置により画像形成後、画像の観察、照
明器具による参照を行った。
【0076】表1に断裁時における欠損の有無、画
像形成時における損傷、画像の観察、照明器具によ
る参照による評価結果を示した。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明により透明または
白色半透明の基材シートの一方の面に少なくとも一層以
上の透明なインク受容層を有し、他方の面にサンドブラ
スト処理により凹凸を形成し、該凹凸をJIS B060
1における表面の算術平均粗さRaで0.5μm〜20μ
mの深さの穴の分布により形成し、更に、穴の分布の占
有率が凹凸形成面全体における50%以上とすることに
より、照明器具などによる参照に適した画像形成ができ
る被記録媒体が得られる。
【0079】また、この記録媒体を用いた画像形成方法
によると取り扱い時に膜剥離や損傷などが少なく、良好
な参照画像が得られる。さらに、この被記録媒体は裏面
に適度な凹凸を有しているために連続印刷の際にもブロ
ッキングの少ない搬送が良好に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の被記録媒体の別の例を示す断面図であ
る。
【図3】従来の被記録媒体の一例を示す断面図である。
【図4】従来の被記録媒体の一例を示す断面図である。
【図5】本発明によるサンドブラスト加工した基材表面
を観察した電顕写真である。
【図6】本発明で用いた照明による参照器具を示した図
である。
【符号の説明】
101、201、301、401 基材本体 102、201 サンドブラストによる凹凸 103、203、303、403 インク受容層 204 ラミネート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 FB02 FC06 2H086 BA02 BA05 BA16 BA17 4F100 AA19B AA19H AK21B AK42A AT00A AT00C BA02 BA03 BA07 CC00B DD01A DJ00B GB90 HB00A JD14B JL00 JL01 JL10A JN01A JN01B YY00A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明または白色半透明の基材シートの一
    方の面に少なくとも一層以上の透明なインク受容層を有
    し、他方の面にサンドブラスト処理により凹凸が形成さ
    れている被記録媒体において、該凹凸が、JIS B06
    01における表面の算術平均粗さRaで0.5μm〜20
    μmの深さの穴の分布により形成されており、前記穴の
    分布の占有率が凹凸形成面全体における50%以上であ
    ることを特徴とする被記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記透明なインク受容層が多孔質インク
    受容層である、請求項1に記載の被記録媒体。
  3. 【請求項3】 被記録媒体にインクを付与して画像を形
    成する画像形成方法において、被記録媒体が請求項1ま
    たは2に記載の被記録媒体であることを特徴とする画像
    形成方法。
  4. 【請求項4】 前記インクを付与する方式にインクジェ
    ット記録方法を用いる、請求項3に記載の画像形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記被記録媒体にインクを付与した後
    に、少なくとも1層以上のラミネート層を画像面側に形
    成する、請求項3または4に記載の画像形成方法。
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