JP2000139753A - 浴室カウンター構造およびその施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水栓やその配管系統などの保守点検を簡単に
行う。 【解決手段】 浴室の一の壁パネルにカウンター架台１
１を固定した後、カウンター架台１１の前面に水栓カバ
ー１５を水栓持出金具６１を介して固定するとともに、
カウンター架台１１の上面にカウンター天板１６を固定
し、次いで、水栓カバー１５に設けた水栓持出金具６１
に水栓６を固定した後、水栓カバー１５および一の壁パ
ネル４に設けた受金具にカウンターカバー１７に設けた
固定金具を嵌め込んでカウンターカバー１７を保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室カウンター構
造およびその施工方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、住宅などにおいて、浴室ユニッ
トを設置することが行われている。この浴室ユニット１
は、図６に示すように、洗い場２１を形成した防水パン
２と、この防水パン２と一体の、もしくは、別体の浴槽
３と、防水パン２の周縁部に立設され、これらの防水パ
ン２および浴槽３の周囲を包囲して立設された壁パネル
４と、これらの壁パネル４によって形成された上方開口
部を覆う天井パネル（図示せず）から構成されている。
そして、一の壁パネル４には、洗い場２１から浴槽３に
かけて、洗い場２１および浴槽３に給湯給水できるよう
に水栓６を設けた浴室カウンター５が取り付けられてい
る。この浴室カウンター５は、壁パネル４に固定された
図示しない支持部材と、水栓６が接続される給湯給水配
管を覆って洗い場２１の床面まで垂設されたエプロン５
１と、このエプロン５１の上方に位置して支持部材に取
り付けられ、シャンプーなどの浴用品を置くことができ
るカウンター天板５２とから構成されている（例えば、
実開平６−１９６８４号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た浴室カウンター５のエプロン５１は、支持部材と水栓
６との間に挾み込まれることによって固定されている。
したがって、水栓や配管系統などを保守点検するために
は、エプロン５１を取り外す必要があるが、エプロン５
１には水栓６が取り付けられているため、まず、水栓６
を取り外さなければならず、作業が煩雑になるという問
題がある。また、エプロン５１を取り付ける場合は、支
持部材への取付位置に合わせてエプロン５１を支持しつ
つ水栓６とともに固定しなければならず、１人でエプロ
ン５１を取り付けることは困難であるという欠点があっ
た。

【０００４】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、水栓や配管系統などの保守点検に際して、
簡単に作業することのできる浴室カウンター構造を提供
するものである。

【０００５】また、本発明は、１人で簡単に組み立てる
ことのできる浴室カウンターの施工方法を提供するもの
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項１記
載の発明は、浴室の一の壁パネルに固定されたカウンタ
ー架台と、該カウンター架台の前面および上面にそれぞ
れ固定された水栓カバーおよびカウンター天板と、水栓
カバーを除くカウンター天板の下方空間を覆うカウンタ
ーカバーと、から構成され、前記水栓カバーおよび一の
壁パネルにそれぞれ受金具が設けられるとともに、これ
らの受金具に対応してカウンターカバーに固定金具が設
けられ、カウンターカバーの固定金具を受金具に嵌め込
んでカウンターカバーを着脱自在に保持することを特徴
とするものである。

【０００７】この発明によれば、浴室の一の壁パネルに
カウンター架台が固定され、このカウンター架台に対し
て水栓カバーおよびカウンター天板が固定されるととも
に、水栓カバーおよび一の壁パネルに対してカウンター
カバーが着脱自在に保持されていることから、カウンタ
ーカバーを取り外せば水栓やその配管系統などを保守点
検することができ、その後、カウンターカバーを取り付
けることができる。この場合、カウンターカバーに水栓
が取り付けられていないことから、１人の作業者によっ
てカウンターカバーの着脱作業を簡単に行うことができ
る。

【０００８】請求項１記載の発明において、カウンター
カバーの一方の側面部が浴槽の化粧エプロンの前面に当
接していると、カウンターカバーによって化粧エプロン
を脱落することなく支持することができ、また、カウン
ターカバーを取り外せば、化粧エプロンの支持状態を解
除して化粧エプロンを取り外すことが可能となり、浴槽
の下部を清掃することができる。

【０００９】請求項１記載の発明において、カウンター
カバーに１個もしくは複数個の収納凹部を形成すると、
石けんなどの浴用小物を収納することができ、より大き
な収納空間を確保することができる。

【００１０】また、請求項４記載の発明は、浴室の一の
壁パネルにカウンター架台を固定した後、該カウンター
架台の前面に水栓カバーを水栓持出金具を介して固定す
るとともに、カウンター架台の上面にカウンター天板を
固定し、次いで、水栓カバーに設けた水栓持出金具に水
栓を取り付けた後、水栓カバーおよび一の壁パネルに設
けられた受金具に、カウンターカバーに設けられた固定
金具を嵌め込んでカウンターカバーを保持することを特
徴とするものである。

【００１１】この発明によれば、１人の作業者によって
浴室カウンターを簡単に組み立てることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【００１３】なお、説明の便宜上、図６に示した従来例
の部材と同一の部材には、同一の符号を用いる他、それ
らの詳細な説明は重複するため、省略する。

【００１４】図１乃至図３には、本発明の浴室カウンタ
ー１０の一実施形態が示されている。

【００１５】この浴室カウンタ１０は、浴室１の一の壁
パネル４に固定されたカウンター架台１１と、該カウン
ター架台１１の前面および上面にそれぞれ固定された水
栓カバー１５およびカウンター天板１６と、水栓カバー
１５を除くカウンター天板１６の下方空間を覆うカウン
ターカバー１７と、から構成されている。

【００１６】カウンター架台１１は、カウンター天板１
６の載置部１２１と、水栓カバー１５の取付部１２２お
よびその支持部１２３と、壁パネル４への固定部１２４
とを折曲形成した２本の支持材１２を、その載置部１２
１の基端側において断面Ｌ字状のチャンネル材１３の水
平片１３１に間隔をおいて連結して形成され、２本の支
持材１２には、その上部および下部において補強材１４
が架設されて一体に連結されている。そして、カウンタ
ー架台１１における支持材１２の載置部１２１には、後
述するカウンター天板１６に設けられたインサートボル
ト１６ｂを挿通させるための挿通穴１２１ａが形成され
ている他、その取付部１２２には、後述する水栓６の水
栓持出金具６１を取り付けるための取付穴１２２ａが形
成されている。

【００１７】このカウンター架台１１は、支持材１２の
固定部１２４およびチャンネル材１３の垂下片１３２を
一の壁パネル４に沿わせてビスｂ（図１参照）を打ち込
むことにより、壁パネル４に固定することができる。

【００１８】水栓カバー１５は、略半円形状の取付部１
５１と、該取付部１５１の円弧状周縁に延設された周壁
部１５２と、該周壁部１５２の下端縁に延設された鍔部
１５３と、取付部１５１の直径方向端縁に延設された載
置部１５４とを有して一体に成形されている。そして、
水栓カバー１５の取付部１５１には、前述したカウンタ
ー架台１１における支持材１２の取付部１２２に形成さ
れた取付穴１２２ａに対応して取付穴１５１ａが形成さ
れており、この取付穴１５１ａおよび支持材１２の取付
部１２２の取付穴１２２ａを通して水栓６の水栓持出金
具６１を挿入し、支持材１２の取付部１２２に取り付け
ることにより、水栓カバー１５を固定することができ
る。この際、水栓カバー１５の載置部１５４をカウンタ
ー架台１１における支持材１２の支持部１２３に支持す
ることができる。

【００１９】なお、水栓カバー１５の鍔部１５３には、
後述するカウンターカバー１７を取り付けるための受金
具１８がその裏面側に配置された樹脂製取付部材１８１
にビス止めされている（図２参照）。

【００２０】カウンター天板１６は、平坦な表面の板状
体１６１の先端に鉤状部１６２を一体に成形して形成さ
れ、板状体１６１の裏面には、幅方向に間隔をおいて２
個の肉厚部１６１ａ，１６１ｂが長手方向にわたって形
成されている。このカウンター天板１６の肉厚部１６１
ａ，１６１ｂは、前述したカウンター架台１１における
支持材１２の載置部１２１およびチャンネル材１３の水
平片１３１にそれぞれ載置されるように設定されてい
る。そして、カウンター天板１６の肉厚部１６１ａに
は、前述した支持材１２の載置部１２１の挿通穴１２１
ａに臨んでインサートボルト１６ｂ（図１参照）が設け
られている。

【００２１】このため、カウンター天板１６をカウンタ
ー架台１１に固定することができる。すなわち、カウン
ター天板１６に設けられたインサートボルト１６ｂを、
カウンター架台１１における支持材１２の載置部１２１
に形成された挿通穴１２１ａに挿通させて、その肉厚部
１６１ａ，１６１ｂをカウンター架台１１における支持
材１２の載置部１２１およびチャンネル材１３にそれぞ
れ載置した後、該挿通穴１２１ａから突出したインサー
トボルト１６ｂに蝶ナットＮ（図１参照）を螺合させる
ことにより、カウンター架台１１にカウンター天板１６
を固定することができる。

【００２２】カウンターカバー１７は、前述した水栓カ
バー１５の周壁部１５２に対応する略半円形状の切欠部
１７１ａが形成された前面部１７１と、該前面部１７１
の下端縁に延設された下面部１７２と、該下面部１７２
の端縁に延設された固定部１７３と、これらの前面部１
７１、下面部１７２および固定部１７３の左右端縁に延
設された側面部１７４と、切欠部１７１ａを含む前面部
１７１の上端縁に延設された支持部１７５とを有して一
体に成形され、水栓カバー１５を除くカウンター天板１
６の下方空間を覆うように形成されている。

【００２３】カウンターカバー１７の前面部１７１は、
前述したカウンター天板１６の長さと略同じ横幅を有
し、その下端縁が下方に向けて緩やかに膨出する円弧形
状に形成されているとともに、下方に向かうにしたがっ
て壁パネル４側に接近する傾斜面に形成されている。こ
の前面部１７１の裏面には、前述した水栓カバー１５に
設けた受金具１８に対応して、樹脂製取付部材１９１を
介して固定金具１９がビス止めされている。

【００２４】また、下面部１７２は、前面部１７１の円
弧状下端縁に対応してその左右両端から中央に向けて緩
やかな湾曲面形状に形成されており、その下方に防水パ
ン２の洗い場２１の床面との間に足先を入れることので
きる空間が形成されている（図３参照）。

【００２５】さらに、固定部１７３は、下面部１７２の
緩やかな湾曲面形状の端縁に沿って一定幅の鍔状に形成
され、その裏面側には、壁パネル４にビス止めされた複
数個の受金具１８に対応して、樹脂製取付部材１９１を
介して複数個の固定金具１９が固定されている（図２参
照）。

【００２６】また、左右の側壁部１７４は、図３に示す
ように、壁パネル４の表面に接するとともに浴槽３の側
方を覆って嵌め込まれた化粧エプロン３１の表面に接す
るように設定されている。このため、水栓カバー１５に
設けた受金具１８および壁パネル４に設けた受金具１８
に、カウンターカバー１７の裏面に設けた固定金具１９
を嵌め込んでカウンター天板１６の下方空間を覆うよう
にカウンターカバー１７を取り付けた場合、その側壁部
１７４によって化粧エプロン３１を脱落しないように支
持することができ、一方、カウンターカバー１７を取り
外せば、化粧エプロン３１の支持が解除されて化粧エプ
ロン３１を取り外すことができることから、浴槽３の下
方を清掃することができる。

【００２７】次に、このように構成した浴室カウンター
１０を組み立てる場合について説明する。

【００２８】まず、防水パン２を設置した後、その浴槽
設置部側に浴槽３を設置するとともに、防水パン２の周
縁部に壁パネル４を建て込む。そして、壁パネル４によ
って形成された上方開口部を覆って図示しない天井パネ
ルを載置し、浴室ユニット１を形成する。この際、浴槽
３の側方を覆って化粧エプロン３１を取り付けておく。

【００２９】そして、一の壁パネル４にカウンター架台
１１のチャンネル材１３および支持材１２の固定部１２
４を沿わせて設定位置にビス止めする。合わせて、壁パ
ネル４の設定位置に受金具１８をビス止めする。次い
で、水栓カバー１５を把持し、その載置部１５４をカウ
ンター架台１１における支持材１２の支持部１２３に載
置した後、水栓持出金具６１を水栓カバー１５の取付穴
１５１ａおよびカウンター架台１１の取付穴１２２ａに
挿入し、支持材１２の裏面側において固定する。この結
果、水栓カバー１５を水栓持出金具６１を介してカウン
ター架台１１に固定することができる。

【００３０】水栓カバー１５の取り付けが終了したなら
ば、カウンター天板１６をカウンター架台１１上に載置
する。この際、カウンター天板１６に設けたインサート
ボルト１６ｂを、カウンター架台１１の挿通穴１２１ａ
に挿通させる。そして、カウンター架台１１の挿通穴１
２１ａから突出したインサートボルト１６ｂに蝶ナット
Ｎを螺合して締め付けることにより、カウンター天板１
６をカウンター架台１１に固定する。

【００３１】この後、水栓カバー１５に設けた水栓持出
金具６１の一端に水栓６を接続するとともに、その他端
に図示しない給湯給水配管を接続する。そして、カウン
ターカバー１７を把持し、その左右の側壁部１７４を化
粧エプロン３１および壁パネル４に沿わせつつ、その前
面部１７１および固定部１７３に設けた固定金具１９を
水栓カバー１５に設けた受金具１８および壁パネル４に
設けた受金具１８にそれぞれ対向させて押し込むことに
より、固定金具１９が受金具１８に嵌め込まれてカウン
ターカバー１７を保持することができ、浴室カウンター
１０を形成することができる。

【００３２】このようにして組み立てられた浴室カウン
ター１０を備えた浴室ユニット１を図４に示す。ただ
し、図４の浴室カウンター１０は、壁パネル４として収
納壁パネル４Ａに配設されている。

【００３３】このように、壁パネル４に固定されたカウ
ンター架台１１およびカウンター架台１１に固定された
カウンター天板１６および水栓６を備えた水栓カバー１
５とは別個にカウンターカバー１７を着脱自在に取り付
けることができることから、１人の作業者によって簡単
に施工することができる。また、カウンターカバー１７
を把持して引き出すことにより、カウンターカバー１７
を取り外すことができ、水栓６やその配管系統などを保
守点検するに際しても、１人で簡単に作業することがで
きる。

【００３４】この際、浴槽３の化粧エプロン３１は、カ
ウンターカバー１７の側壁部１７４によって支持されて
おり、化粧エプロン３１は脱落することがない。また、
カウンターカバー１７を取り外すことによって化粧エプ
ロン３１の前方への引き出しが可能となることから、カ
ウンターカバー１７を取り外した際、化粧エプロン３１
を取り外して浴槽３の下方を清掃することもできる。

【００３５】なお、図５に示すように、浴室カウンター
１０を構成するカウンターカバー１７の前面部１７１に
任意の個数の収納凹部１７１ｘを形成することもでき
る。このように、カウンターカバー１７に収納凹部１７
１ｘを形成することにより、石けんなどの浴用小物を収
納凹部１７１ｘに収納することができ、より大きな収納
空間を確保することができる。

【００３６】

【発明の効果】以上のように請求項１記載の発明によれ
ば、カウンター架台が浴室の一の壁パネルに固定される
とともに、水栓を設けた水栓カバーおよびカウンター天
板がカウンター架台に固定されているのに対し、カウン
ターカバーが着脱自在に保持されていることから、カウ
ンターカバーを取り外せば水栓やその配管系統などを保
守点検することができ、その後、カウンターカバーを取
り付けることができる。この結果、１人の作業者によっ
てカウンターカバーの着脱作業を簡単に行うことができ
る。

【００３７】また、請求項４記載の発明によれば、カウ
ンター架台を浴室の一の壁パネルに固定した後、カウン
ター架台に水栓カバーおよびカウンター天板をそれぞれ
固定し、次いで、カウンターカバーを嵌め込むことによ
って浴室カウンターを組み立てることができることか
ら、浴室カウンターを１人の作業者によって簡単に施工
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浴室カウンターの一実施形態を示す分
解斜視図である。

【図２】図１の浴室カウンターを一部省略して示す縦断
面図である。

【図３】図１の浴室カウンターの正面図である。

【図４】本発明の浴室カウンターを備えた浴室ユニット
の斜視図である。

【図５】本発明の浴室カウンターの他の実施形態を示す
斜視図である。

【図６】従来の浴室ユニットを一部省略して示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ 浴室ユニット ３ 浴槽 ３１ 化粧エプロン ４ 壁パネル ４Ａ 収納壁パネル ６ 水栓 ６１ 水栓持出金具 １０ 浴室カウンター １１ カウンター架台 １２ 支持材 １３ チャンネル材 １５ 水栓カバー １６ カウンター天板 １７ カウンターカバー １８ 受金具 １９ 固定金具

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴室の一の壁パネルに固定されたカウン
   ター架台と、該カウンター架台の前面および上面にそれ
   ぞれ固定された水栓カバーおよびカウンター天板と、水
   栓カバーを除くカウンター天板の下方空間を覆うカウン
   ターカバーと、から構成され、前記水栓カバーおよび一
   の壁パネルにそれぞれ受金具が設けられるとともに、こ
   れらの受金具に対応してカウンターカバーに固定金具が
   設けられ、カウンターカバーの固定金具を受金具に嵌め
   込んでカウンターカバーを着脱自在に保持することを特
   徴とする浴室カウンター構造。
2. 【請求項２】 前記カウンターカバーは、その一方の側
   面部が浴槽の化粧エプロンの前面に当接することを特徴
   とする請求項１記載の浴室カウンター構造。
3. 【請求項３】 前記カウンターカバーには、１個もしく
   は複数個の収納凹部が形成されたことを特徴とする請求
   項１記載の浴室カウンター構造。
4. 【請求項４】 浴室の一の壁パネルにカウンター架台を
   固定した後、該カウンター架台の前面に水栓カバーを水
   栓持出金具を介して固定するとともに、カウンター架台
   の上面にカウンター天板を固定し、次いで、水栓カバー
   に設けた水栓持出金具に水栓を取り付けた後、水栓カバ
   ーおよび一の壁パネルに設けられた受金具に、カウンタ
   ーカバーに設けられた固定金具を嵌め込んでカウンター
   カバーを保持することを特徴とする浴室カウンターの施
   工方法。