JP2000139494A - 複数の酵素を反応させる物質の定量方法及び酵素組成物 - Google Patents

複数の酵素を反応させる物質の定量方法及び酵素組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体液中に存在する一つの物質に対して作用
する複数の酵素を作用させることにより、高濃度の物質
を簡便かつ精度良く測定可能とする。 【解決手段】 目的とする測定対象物質又は目的とする
測定対象物質より転換された物質に作用する複数の酵素
を反応させる。この際に、作用させる複数の酵素反応系
のうちの一つを指示反応に導くことにより、物質の定量
を行う。そして、他の酵素反応は指示反応に導かせるこ
となく、反応等における測定対象物質あるいはそれから
転換された物質が作用することはない。用いる複数の酵
素の添加量比を調整することにより、任意の測定感度及
び任意の測定範囲の設定が可能なため、試料中に存在す
る測定対象物質の濃度域に見合った範囲における定量が
簡便かつ精度良く行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体液 (血液及び
尿) 中に存在する物質の定量方法及びその定量に使用す
る酵素組成物に関する。さらに詳しくは、測定対象物質
あるいはその反応中間体に対して作用する複数の酵素を
用いて、生体液中に存在する物質を簡便かつ精度良く定
量する方法及びその方法に使用する酵素組成物に関す
る。本発明は生体液中に比較的高濃度で存在する物質の
定量に好適である。
【0002】
【従来の技術】物質の定量は、次の式(1) に示すように
測定対象物質を信号を発する物質である反応指示物質へ
と導き、信号を検出して得られた信号の大きさと物質の
量とを関係させることによって行われる。 測定対象物質→A→B→・・・→反応指示物質 (1) 測定対象物質:定量する対象となる目的物質 反応指示物質:吸光度などの信号を有し、測定対象物質
の量を代弁する物質 反応中間体(A, B,・・・) :測定対象物質自体が反応指
示物質となり得ない場合に、測定対象物質を反応指示物
質へと導く過程で生じる物質
【0003】測定対象物質を完全に反応指示物質へと変
換させる方法は終点法(エンドポイント法)と呼ばれる
のに対し、測定対象物質から反応指示物質への反応を徐
々に進行させて、その反応速度から物質を定量する方法
は反応速度論的方法(レート法、カイネティック法)と
呼ばれている。終点法は測定対象物質を完全に反応指示
物質へと変換させるのであるから、測定対象物質を完全
には反応指示物質へと変換しない反応速度論的方法に比
べると、得られる信号が大きい、すなわち感度が高いの
で精度よく測定対象物質を定量することができる。しか
しながら、得られる信号が大きすぎると信号を検出する
測定機械の測定上限を上回るために、測定対象物質の測
定上限値が限定される。従って、生体液中に比較的高濃
度で存在するブドウ糖や尿素といった生体成分を測定す
る場合には、測定可能な上限値が生体液中に存在する濃
度よりも低いため、生体液を希釈して測定しなければな
らなかった。生体液を希釈することは希釈操作が煩雑で
あるばかりでなく、希釈操作による誤差を生じる原因と
なる。
【0004】これに対して反応速度論的方法は、測定対
象物質を完全には反応指示物質に変換させずに、一定の
速度で変換反応を進行させるために、得られる信号の大
きさは終点法よりも小さく、従って生体液中に比較的高
濃度で存在する物質であっても測定することが可能であ
る。しかしながら、反応速度論的方法はその反応の進行
速度が基質の濃度以外にも測定温度よって影響を受ける
ことから、反応時の温度管理を厳密にしなければならな
いとか、反応の進行速度を経時的に観測しなければなら
ないという煩雑さを有している。
【0005】酵素反応を用いて反応速度論的方法を実施
する場合には、酵素が反応する物質、すなわち基質に対
するミハエリス定数(Km値) が反応液中での基質の濃度
に比べて充分大きいことが必須条件である。酵素の本来
有しているKm値が反応速度論的方法の実施にとって充分
大きな値でない場合には、見かけ上Km値を大きくする物
質、すなわち拮抗阻害剤を用いることによって、目的が
達せられる。拮抗阻害剤を用いる測定法としては、尿素
測定時にヒドロキシウレア (クリニカルケミストリー、
25巻、1721頁、1979年) 、ホウ酸又はその塩 (特開昭39
-131900 号公報) あるいはアセロヒドロキサム酸 (特開
平 2-25099号公報) などの拮抗阻害剤を用いる方法が知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】生体液中の濃度が非常
に高い場合には、その物質の濃度が高いことを根拠とし
て疾病の診断や病態の把握が行われる他、その物質の濃
度が高いことによって重篤な疾患を引き起す可能性があ
ることから、高濃度に存在する物質を簡便、迅速かつ正
確に定量する必要がある。しかしながら、終点法による
定量方法は、正確に測定できる測定上限値が低く、物質
が高濃度で存在する場合には希釈操作を必要とするとい
う問題点を有している。また、反応速度論的方法による
定量法は測定可能範囲は広いが、測定時の条件を厳密に
しなければ正確な測定値が得られないといった問題点を
有している。そこで、生体液中に高濃度で存在する物質
の場合には、終点法と反応速度論的方法の利点を併せ持
つような定量方法が望まれていた。本発明の目的は、生
体液中に存在する物質を生体液を希釈することなく、複
数の酵素を用いて簡便、迅速かつ正確に定量する方法及
びそれに用いる酵素組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、採取した生体
液中のある物質に対して作用する複数の酵素を反応さ
せ、かつこれらの酵素のうちの一つの酵素によって生じ
る反応指示物質を検出することにより、測定対象物質を
定量するものである。このことによって、物質は完全に
他の物質へと変換されるにもかかわらず、得られる信号
の大きさは信号を検出する測定機械の測定上限値以下に
納めることができる。また、本発明は、複数の酵素より
なり、それを用いて採取した生体液中のひとつの物質に
対して該複数の酵素を作用させ、該物質を定量すること
ができるようにした生体液中の物質測定用酵素組成物に
関する。
【0008】すなわち、本発明は、採取した生体液中の
ある物質(基質)に複数の酵素を作用させて該物質(基
質)の反応指示物質あるいは反応中間体に変換するとと
もに該物質(基質)あるいはその酵素反応により生成す
る中間体に他の酵素を作用させて反応指示物質以外の物
質に変換させ過剰の反応指示物質の生成を防止し、生成
した反応指示物質を定量することよりなる生体液中の物
質の定量方法に関する。本発明においては複数の酵素を
同時に生体液中の物質に作用させてもよく、また逐次的
に作用させてもよい。また、本発明は、生体液中の物質
の定量に用いられる複数の酵素よりなり、その一酵素が
生体液中のある物質を反応指示物質あるいは反応中間体
に変換する酵素であり、他の酵素は該物質あるいは前記
酵素反応によって生ずる中間体に作用して反応指示物質
以外の物質に変換させて過剰の反応指示物質の生成を防
止する酵素である生体液中の物質の定量に用いられる酵
素組成物に関する。
【0009】本発明の酵素は、測定対象物質そのもの、
あるいは測定対象物質を適当な反応系を用いて変換した
結果生じる物質のいずれにも適用することができる。本
発明ではこれらを生体液中のある物質 (基質) という。
しかしながら、ある物質に対して作用する2つ以上の酵
素を単に用いただけでは目的は達成できない。本発明の
理論的な背景を測定対象物質に作用する複数の酵素とし
て2つの酵素を用いた場合で具体的に以下で説明する。
測定対象物質をSとし、Sに作用する2つの酵素をそれ
ぞれE1、E2とする。酵素E1、E2の基質Sに対するミハエ
リス定数(Km値) をそれぞれKm1 、Km2 とする。基質S
に酵素E1及びE2が作用して生じる生成物をそれぞれP1、
P2とする。ここでP1は反応指示物質であるが、P2は信号
を有さず、反応指示物質ではない。酵素の反応速度vは
ミハエリス−メンデンの式により、 v= [S] ×V/( [S] +Km) [S] :酵素の基質の反応時の濃度 V :酵素の最大反応速度 で表されるので、2つの酵素のKm値が同じであれば、そ
の反応速度はそれぞれの酵素の最大反応速度の比によっ
て決まることになる。
【0010】すなわち、E1とE2の酵素量の添加比が1:1
であれば、それぞれの生成物P1とP2の比も1:1 となる
し、酵素量の添加比が1:4 であれば、それぞれの生成物
の量比は1:4 となる。従って、基質定量の際に酵素E1だ
けを用いる場合に比べて、E1とE2を1:1 の比で添加する
と1/2 、E1とE2を1:4 の比で添加すると1/5 の感度とな
る。このようにE1とE2の添加量を変えることにより、得
られる感度が任意に調整できるので、測定対象物質を高
濃度まで測定することが可能となる。この場合、Km1 と
Km2 の比は0.5 〜1.5 、最も好ましくは1.0 である。ま
た、Km1 とKm2 が大きく異なる場合、例えばKm2 がKm1
に比べて遙かに大きい場合には、基質Sに予め酵素E2を
作用させ、基質濃度に関係なく一定の割合で基質Sを消
費させてから、酵素E1を作用させる。Km値が大きく異な
る場合に、酵素E1とE2が共存すると、Km値が大きい方の
酵素反応はKm値が小さい方の酵素に比べて著しく遅いた
め、系としての反応速度はKm値の小さい方の酵素のみに
よって規定されることとなる。
【0011】従って、反応の終了時に存在する反応指示
物質であるP1の量は基質Sに予めE2を作用させることに
よって消費されずに残ったSの量となる。この場合に
も、基質Sを1つの酵素E1だけを用いて定量する場合に
比べて、生成する反応指示物質であるP1の量は少なく、
従って基質Sを高濃度まで測定することができる。この
場合、Km1 とKm2 の比は0.2 以下、最も好ましくは0.02
以下である。予めE2を作用させてからE1を添加する場
合、E1を添加する時には可逆的あるいは不可逆的阻害剤
の添加、活性化成分の捕捉、pH変化等の処理によってE2
の反応を完全に停止させても、させなくてもどちらでも
構わないし、これらの処理によって本発明が限定される
ものではない。
【0012】同様にして、基質Sが測定対象物質でなく
とも、測定対象物質を適当な反応系によって複数の酵素
の基質Sに変換すれば、測定対象物質を高濃度まで測定
することが可能となる。なお、複数の酵素によって一つ
の指示反応のみへ導くのではなく、複数の指示反応に導
き、それぞれで生成する反応指示物質の濃度と反応指示
物質自体の信号の大きさとから、測定対象物質の濃度域
に合わせて、検出する反応指示物質を選択することもで
きる。すなわち、P1とP2のいずれもが反応指示物質であ
っても、それぞれを検出する条件、例えば測定波長が異
なれば、測定対象物質の濃度によってどちらかの反応指
示物質を検出するかを選択することで、異なる測定上限
値を設定することが可能である。
【0013】同じ物質に作用する複数の酵素のKm値が本
発明の条件下に合わない場合には、反応のpH、イオン強
度、緩衝剤の種類と濃度、阻害剤の種類と濃度、活性化
剤の種類と濃度などを選択することよって定量可能な条
件とすることが可能であるが、本発明ではこれらの方法
について限定するものではない。また、本発明では特に
測定対象物質を限定するものではなく、定量方法と組成
物を限定するものである。
【0014】本発明の生体液中の物質の定量法は、生体
液中に比較的多量に存在する物質の定量に用いられる。
このような物質としては尿素、グルコース、ピルビン
酸、無機リン、コレステロール等がある。
【0015】例えば尿素定量は、ウレアーゼと尿素アミ
ドリアーゼを作用させて実施例に記載した方法により行
なうことができる。また、グルコースの定量は、グルコ
ースにヘキソキナーゼとグルコース酸化酵素とを作用さ
せて次の反応を行なう。 そして、生成したグルコース 6−リン酸にニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型(NADP)の存在
下でグルコース 6−リン酸脱水素酵素を作用させて生
ずるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元
型(NADPH)を測定するか、あるいはグルコース酸化酵素
を反応させて生ずるH2O2に4−アミノアンチピリン、N
−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−3−メチルアニリンの存在下でベルオキシダーゼ
を作用させて生じるキノリン色素を測定する。
【0016】さらにまた、酸化酵素の基質となるものは
酸化酵素によって生ずる過酸化水素にカタラーゼとペル
オキシダーゼを作用させて定量することができる。この
ような基質としては、コレステロール、クレアチニンに
クレアチニナーゼ及びクレアチナーゼを作用させて生じ
るサルコシン、グルコース、ピルビン酸、無機リンにイ
ノシンの存在下でプリンヌクレオシドフォスフォリラー
ゼを作用させて生じるキサンチン等を例示することがで
きる。それぞれの場合に用いられる酸化酵素はコレステ
ロール酸化酵素、サルコシン酸化酵素、グルコース酸化
酵素、キサンチン酸化酵素である。 4-AA: 4-アミノアンチピリン TOOS: N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3- スルホプロピル)-
3-メチルアニリンそして、生ずるキノン色素を定量して
基質を定量することができる。
【0017】本発明の酵素組成物は、これらの酵素を組
み合わせればよく、またさらにこれらの酵素に酵素活性
化剤、酵素安定剤、界面活性剤、反応指示薬等を組み合
わせてもよい。酵素活性化剤としては、マグネシウムイ
オン、カルシウムイオン等が、酵素安定剤としては、ウ
シ血清アルブミン、ショ糖、エチレンジアミン四酢酸、
アミノ酸等が、界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ソルビタンモノアシルエステル等
が、さらに反応指示薬等としては、フェノールレッド、
フェノールフタレイン、パラニトフェノールが例示され
る。
【0018】
【発明の実施の形態】
【実施例1】本発明を実施例により詳細に説明する。 (1) 測定試薬 実験例 (本発明による測定用試薬) 尿素窒素に対して作用するウレアーゼ (酵素番号3,5,1,
5)と尿素アミドリアーゼ (酵素番号3.5.1.43) を用い、
尿素窒素を測定した実施例を示す。ここではウレアーゼ
のKm値を尿素アミドリアーゼのKm値よりも著しく大きく
(50倍) し、反応液1に添加されているウレアーゼを検
体中の尿素と反応させた後に、反応液2に添加されてい
る尿素アミドリアーゼを尿素と反応させた。すなわち、
試料中の尿素は反応液1中で分解され、反応液2が添加
された後に尿素はアデノシン−三−リン酸(ATP)、カリ
ウム及び重炭酸の存在下で尿素アミドリアーゼによって
分解されてアデノシン−二−リン酸(ADP)を生じる。AD
P はブドウ糖の存在下でヘキソキナーゼの作用を受けて
アデノシン−1−リン酸(AMP)となり、ブドウ糖はグル
コース6-リン酸となる。グルコース6-リン酸はニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型 (NADP) の
存在下でグルコース6-リン酸脱水素酵素の作用を受けて
6-ホスホグルコン酸となるが、NADPはニコチンアミドア
デニンジヌクレオチドリン酸還元型 (NADPH)へ還元され
る。従って、NADPH に由来する340nm での吸光度を測定
することにより、試料中に存在していた尿素濃度を求め
ることができた。
【0019】この反応の経路を図1に示した。 (反応液1) ヘキソキナーゼ 600単位 ATP 76mg 塩化カリウム 466mg 重炭酸水素カリウム 100mg 塩化マグネシウム 24mg グルコース6-リン酸脱水素酵素 600単位 トリエタノールアミン塩酸塩 8.0g ウレアーゼ 10,000単位 アセトヒドロキサム酸 0.5g 上記成分を精製水100mL に溶解した後、希塩酸を加えて
pHを8.0 とする。 (反応液2) 尿素アミドリアーゼ 1,000単位 トリエタノールアミン塩酸塩 8.0g NADP 420mg ブドウ糖 1.8g 上記成分を精製水100mL に溶解した後、希塩酸を加えて
pHを8.0 とする。
【0020】
【比較例1】(従来技術の終点法)上記の実験例の反応
液からウレアーゼとアセトヒドロキサム酸を除外し、尿
素に尿素アミドリアーゼのみを反応させて、終点法で定
量した。 (反応液1) ヘキソキナーゼ 600単位 ATP 76mg 塩化カリウム 466mg 重炭酸水素カリウム 100mg 塩化マグネシウム 24mg グルコース6-リン酸脱水素酵素 600単位 トリエタノールアミン塩酸塩 8.0g 上記成分を精製水100mL に溶解した後、希塩酸を加えて
pHを8.0 とする。 (反応液2) 尿素アミドリアーゼ 1000単位 トリエタノールアミン塩酸塩 8.0mg NADP 420mg ブドウ糖 1.8mg 上記成分を精製水100mL に溶解した後、希塩酸を加えて
pHを8.0 とする。
【0021】
【比較例2】(従来技術の反応速度論的方法)尿素に対
するウレアーゼのKm値を大きくした条件下で尿素にウレ
アーゼを作用させ、生じたアンモニアをグルタミン酸脱
水素酵素と反応させて、反応速度論的方法で定量した。 (反応液1) グルタミン酸脱水素酵素 400単位 NADPH 30mg α- ケトグルタル酸 150mg トリエタノールアミン塩酸塩 8.0g 上記成分を精製水100mL に溶解した後、希塩酸を加えて
pHを8.0 とする。 (反応液2) ウレアーゼ 500単位 アセトヒドロキサム酸 2.5g トリエタノールアミン塩酸塩 8.0g 上記成分を精製水100mL に溶解した後、希塩酸を加えて
pHを8.0 とする。
【0022】(2) 測定試料 500mg/dL濃度の尿素水溶液の10点希釈系列と2濃度 (血
清1及び血清2(表1及び2参照))のヒト血清。
【0023】(3) 測定操作 いずれの測定方法の場合にも、試料量は0.08mL、反応液
1は2.8mL 、反応液2は0.7mL を測定に使用した。実験
例及び比較例1では試料と反応液1を混和後、37℃で5
分間加温後に反応液2を加えた。反応液2を加えてから
37℃で5分間加温後に分光光度計で340nmでの吸光度を
盲検を対象として測定した。濃度は試料での吸光度と標
準液 (尿素窒素30mg/dL)での吸光度の比に標準液の濃度
を乗じて求めた。比較例2では試料と反応液1を混和
後、37℃で5分間加温後に反応液2を加えた。反応液2
を加えてから37℃で加温して1〜3分間、分光光度計で
340nm での吸光度を盲検を対象として測定し、1分間当
たりの吸光度変化量を計算した。濃度は試料での吸光度
変化量と標準液(尿素窒素30mg/dL)での吸光度変化量の
比に標準液の濃度を乗じて求めた。
【0024】(4) 測定結果 2濃度のヒト血清を検体として同時再現性能を比較した
結果を表1及び表2に、尿素水溶液の10点希釈系列を検
体として直線性能を比較した結果を図2に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】前記実施例の結果から、以下の点が確認
された。従来の技術である一つの物質に対して作用する
一つの酵素を用いる測定法のうち、終点法は同時再現性
能に優れるものの直線性能が低い。また、反応速度論的
方法では直線性能は高いものの同時再現性能が悪い。こ
れらの測定方法に対して本発明は再現性及び検量域の両
方に優れた結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の本発明方法の酵素反応経路を示す。
【図2】実施例1の本発明方法、従来の終点法及び反応
速度論的方法の測定結果を、500mg/dLの尿素水溶液の10
点希釈系列 (横軸) と測定値 (縦軸) との関係で示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採取した生体液中の物質 (基質) に複数
    の酵素を作用せしめ該物質の定量に適量の反応指示物質
    あるいはその中間体に変換すると共に該物質(基質) に
    他の酵素を反応させて反応指示物質以外の物質に変換さ
    せて過剰の反応指示物質への変換を防止し、変換された
    該適量の反応指示物質を定量することを特徴とする生体
    液中の物質の定量方法。
  2. 【請求項2】 複数の酵素よりなり、その一酵素が測定
    しようとする物質 (基質) の定量に適量の反応指示物質
    あるいはその中間体を産生せしめる酵素であり、また他
    の酵素が該物質を反応指示物質以外の物質に変換させ、
    過剰の反応指示物質への変換を防止するものである生体
    液中の物質の定量に用いる酵素組成物。
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CN114047145A (zh) * 2021-10-21 2022-02-15 深圳市锦瑞生物科技股份有限公司 一种血清葡萄糖测定试剂、试剂球的制备方法及测定芯片

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