JP2000136231A - 一液型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
一液型エポキシ樹脂組成物Info
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Abstract
く、フィルム化が可能であると共に、比較的低温で硬化
処理をすることができ、しかも高い接着性を有する一液
型エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の一液型エポキシ樹脂組成物は、
一分子中に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と
ポリグアニジンとからなることを特徴とする。
Description
樹脂組成物に関するものであり、更に詳しくは、保存安
定性が高く、フィルム化が可能であると共に、比較的低
温で硬化処理をすることができ、しかも高い接着性を有
する一液型エポキシ樹脂組成物に関するものである。
料として使用されるエポキシ樹脂組成物には、主剤であ
るエポキシ樹脂と、硬化剤とをそれぞれ別に調製し、使
用時に混合する二液型エポキシ樹脂組成物と、主剤であ
るエポキシ樹脂と硬化剤とをあらかじめ混合しておく一
液型エポキシ樹脂組成物がある。
キシ樹脂組成物には、使用時に主剤であるエポキシ樹脂
と硬化剤とを正確に計量して混合しなければならないた
め、計量に伴うミスが発生しやすく、又、エポキシ樹脂
と硬化剤との反応が早いために、一旦混合すると保存し
ておくことができず、ロスとなってしまうという問題が
ある。
であるエポキシ樹脂と硬化剤とをあらかじめ混合したも
のであるので、上記のような問題はないが、エポキシ樹
脂と硬化剤とが反応して硬化を開始し、即ち、保存安定
性が低下することが予想されるので、保存状態でのエポ
キシ樹脂と硬化剤との反応を抑制するために様々な提案
がなされている。
定性が高いものとして、硬化剤としてジシアンジアミド
を使用した一液型エポキシ樹脂組成物が一般的に知られ
ている他、イミダゾール類を使用した一液型エポキシ樹
脂組成物も知られている。
キシ樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂と官能
基の数が2以上のフェノールとよりなるもの(特開平8
−183835号公報参照)や、エポキシ樹脂とカルボ
ジイミドとよりなるもの(特開平5−320611号公
報参照)、更には、エポキシ樹脂と、ジシアンジアミ
ド、フェノールや酸無水物等の硬化剤とよりなり、更に
グアニジン類を硬化促進剤として添加したもの(特開昭
60−28424号公報参照)等が知られている。
シアンジアミドは200℃以上とその融点が高いため
に、エポキシ樹脂に対しては固体状で分散させることを
余儀なくされ、従って硬化が不均一となってしまうとい
う難点があり、溶剤に溶解して使用すると、硬化は均一
になるものの、保存安定性が悪化してしまうという難点
がある。
ため、低融点のものには保存安定性が極めて悪いという
難点があり、高融点のものにも、保存安定性は現れてく
るが十分ではなく、更に前記ジシアンジアミドと同様な
問題がある。
りなる一液型エポキシ樹脂組成物や、エポキシ樹脂とカ
ルボジイミドとよりなる一液型エポキシ樹脂組成物は、
公報記載の通りに保存安定性は良好であるが、硬化には
180℃という比較的高い温度が必要となる。
ド等の硬化剤とよりなり、更にグアニジン類を硬化促進
剤として添加した一液型エポキシ樹脂組成物について
も、上記フェノールやカルボジイミドを用いたものと同
様に、硬化には比較的高い温度が必要となり、又、この
一液型エポキシ樹脂組成物はフィルム形成能を有してお
らず、フィルム状のものとして取り扱うことができな
い。
難点を解消し、保存安定性が高く、フィルム化が可能で
あると共に、比較的低温で硬化処理をすることができ、
しかも高い接着性を有する一液型エポキシ樹脂組成物を
提供することにある。
に、本発明は、一分子中に2以上のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂とポリグアニジンとからなることを特徴と
する一液型エポキシ樹脂組成物を提供する。
する。
は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等に代
表されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂や、脂環式
エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、複
素環式エポキシ樹脂、液状ゴム変性エポキシ樹脂等の、
一分子中に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の
1種又はそれらの混合物を挙げることができ、好ましく
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を挙げること
ができるが、本発明で使用するエポキシ樹脂はこれらに
限定されるものではなく、一般に知られているエポキシ
樹脂であればよい。
とは、1分子中に
る。
ては、中でも、ポリカルボジイミドをアミンで変性する
ことにより得られるものが好ましい。
ることにより得られるポリグアニジンとしては、例え
ば、式
ジイミドを変性するために使用したアミンに由来するも
のであり、好ましくは炭素数4以上の直鎖或いは分岐鎖
のアルキル基を表していて、即ち、ポリカルボジイミド
を変性してポリグアニジンとするために使用するアミン
は、好ましくは、炭素数4以上の直鎖或いは分岐鎖のア
ルキル基を有するジアルキルアミンである。尚、R1及
びR2は同一である必要はなく、異なる前記ジアルキル
アミンを使用することによって、相互に異なるものとな
ることもある。
ルキル基を有するジアルキルアミンとしては、ジブチル
アミン、ジシクロヘキシルアミンやジオクチルアミン等
を例示することができる。
表していて、これはポリカルボジイミドの骨格に由来す
るものである。
カルボジイミドの分子量としては、5,000〜10
0,000が好ましく、従って、ポリグアニジンの分子
量は、ポリカルボジイミド基に対して付加したアミンに
相当する量だけ増加する。尚、この場合の上記式におけ
るnは、ポリカルボジイミドの骨格によっても変化する
が、好ましくは30以上である。
子量が5,000を極端に下回ると、フィルム状接着剤
として使用するためにフィルム化した際のハンドリング
が困難となるばかりか、溶液状態でのの安定性が低下し
てしまう。又、100,000を極端に上回ると、ポリ
グアニジンを製造するために使用するポリカルボジイミ
ドの合成が困難となるため、該ポリグアニジンを得るこ
とが困難となり、いずれの場合も好ましくない。
例えば溶液状態のポリカルボジイミドに対しジアルキル
アミンを、カルボジイミド基に対して当量となるように
添加し、常温又は加熱下に撹拌して反応させることによ
り、容易に合成をすることができる。
は、上記のような2以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂とポリグアニジンとからなるものであり、これらの
量比としては、エポキシ樹脂1当量に対して、ポリグア
ニジン0.8〜1.2当量という範囲を例示することが
できる。
が、エポキシ樹脂1当量に対して0.8当量を極端に下
回ると、架橋反応の数が少なくなるために硬化が不十分
となり、更にフィルム状にした際の強度が低下し、ハン
ドリングに影響が生じ、又、1.2当量を極端に上回る
と、やはり架橋反応の数が少なくなるために硬化が不十
分となり、いずれの場合も好ましくない。
得るには、上記ポリグアニジンを溶媒に溶解し、上記エ
ポキシ樹脂と混合、加熱すればよく、この混合、加熱手
段としては、特に制限を受けることはない。
とエポキシ樹脂を溶解させるものであれば特に制限はな
いが、トルエンやテトラヒドロフラン(THF)等を例
示することができ、得られた本発明の一液型エポキシ樹
脂組成物は、液状或いはペースト状のものとなる。
として得られた本発明の一液型エポキシ樹脂組成物を、
適宜の基体上にキャストして溶媒を除去すれば、フィル
ム状の接着剤として、又、基材上或いは不織布等に対し
て、塗布したり含浸させたりすれば、シート状接着剤と
して、それぞれ利用することができるのである。
は、必要に応じ、一般の接着剤に添加することのできる
無機充填剤、ゴム成分、着色料、可塑剤などの成分を、
性能を損なわない範囲で添加することができる。
明するが、これは本発明を限定するものではない。
シアネート(p−MDI)80.0g、テトラヒドロフ
ラン984.0ml、触媒(3−メチル−1−フェニル
−2−フォスフォレン−1−オキサイド)0.16gを
入れ、リフラックス下で12時間反応させることによ
り、赤外線吸収スペクトル(以下、IRという)による
測定で、イソシアネート基に起因する吸収の減少と、新
たな2120cm-1における吸収の生成を確認し、p−
MDI由来のポリカルボジイミドの溶液を得た。
ニルイソシアネート(PhI)0.76g、テトラヒド
ロフラン803.6ml、触媒(3−メチル−1−フェ
ニル−2−フォスフォレン−1−オキサイド)0.16
gを入れ、リフラックス下で16時間反応させることに
より、IRによる測定で、イソシアネート基に起因する
吸収の減少と、新たな2120cm-1における吸収の生
成を確認し、p−MDI由来で末端をPhIで封止され
たポリカルボジイミドの溶液を得た。
0gと、ジブチルアミン{(Bu)2NH}4.39g
を混合後、60℃で3時間反応させることにより、IR
でカルボジイミド基NCNの吸収が消失し、且つ、16
20cm-1に新たなグアニジン基に帰属される吸収が観
測されたことにより、ポリグアニジンの生成を確認し
た。
0gと、ジオクチルアミン{(Oc)2NH}8.30
gを混合後、60℃で1時間反応させることにより、I
Rでカルボジイミド基NCNの吸収が消失し、且つ、1
620cm-1に新たなグアニジン基に帰属される吸収が
観測されたことにより、ポリグアニジンの生成を確認し
た。
0gと、ジオクチルアミン{(Oc)2NH}2.90
g、ジブチルアミン{(Bu)2NH}1.60gを混
合後、70℃で3時間反応させることにより、赤外線吸
収スペクトル(IR)でカルボジイミド基NCNの吸収
が消失し、且つ、1620cm-1に新たなグアニジン基
に帰属される吸収が観測されたことにより、ポリグアニ
ジンの生成を確認した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂6.00gを加え、実
施例1の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂5.80gを加え、実
施例2の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂6.00gを加え、実
施例3の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂5.90gを加
え、実施例4の一液型エポキシ樹脂組成物を得た。
シアンジアミド0.8g,変性脂肪酸ポリアミン0.8
g、トルエン15.0gを入れ、比較例1の溶液を得
た。
に対し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂5.0gを混
合し、比較例2の溶液を得た。
エポキシ樹脂組成物、及び、比較例の溶液に関し、以下
のような試験を行い、結果を表1に示した。
ム上にキャストし、減圧下で乾燥を行い、樹脂分を取り
出した。フィルムとして扱えるものを○、否を×で判定
した。
物の得られるものを○、そうでないものを×とした。
又、同時に硬化物の着色について観察した。
週間放置する前と後との接着力を比較し、変化のないも
のを○、10%以下の低下のみられるものを×をして判
定した。
用し、各々の一液型エポキシ樹脂組成物及び溶液を被着
体上に塗布し、被着体で樹脂組成物或いは溶液を挟み込
むようにして張り合わせ、それらを以下に示す所定の加
熱硬化条件下で接着し、試験片を作成した。作成した試
験片につき、JIS K-6854に準拠した方法によりT型剥離
接着強度をオートグラフ測定により求めた。結果を表2
に示した。 硬化条件a 温度:130℃ 時間: 5分間 加圧圧力:5Kg/cm2 硬化条件b 温度: 80℃ 時間: 6時間 加圧圧力:5Kg/cm2 硬化条件c 温度:180℃ 時間:20分間 加圧圧力:5Kg/cm2
うに、本発明の一液型エポキシ樹脂組成物は、保存安定
性が高く、フィルム化が可能であると共に、100℃と
いう比較的低温で硬化処理をすることができ、しかも高
い接着性を有する優れたものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 一分子中に2以上のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂とポリグアニジンとからなることを特徴と
する一液型エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリグアニジンが、ポリカルボジイミド
をアミンで変性することにより得られるものである請求
項1に記載の一液型エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 ポリグアニジンが、式 【化1】 (式中、R1及びR2はポリカルボジイミドを変性するた
めに使用したアミンの同一又は異なる残基を、Rは2価
の有機基を、nは1以上の整数をそれぞれ表す。)で表
されるものである請求項2に記載の一液型エポキシ樹脂
組成物。 - 【請求項4】 ポリグアニジン1当量に対して、エポキ
シ樹脂を0.8〜1.2当量含有する請求項1に記載の
一液型エポキシ樹脂組成物。
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