JP2000135472A - 圧電バイブレータ - Google Patents

圧電バイブレータ

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JP2000135472A
JP2000135472A JP10309673A JP30967398A JP2000135472A JP 2000135472 A JP2000135472 A JP 2000135472A JP 10309673 A JP10309673 A JP 10309673A JP 30967398 A JP30967398 A JP 30967398A JP 2000135472 A JP2000135472 A JP 2000135472A
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piezoelectric
vibration
leaf spring
piezoelectric vibrator
vibrator
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English (en)
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Toshifumi Kiyohara
敏史 清原
Shinichiro Kitanishi
真一路 北西
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の圧電バイブレータでは、体感振動を発
生できても呼び出し音を発生できず、ブザーを併設する
などの必要があり、小型化が困難であった。 【解決手段】 板ばね11の少なくとも一方の主面の中央
部を含む位置に板ばね11と略同じ幅の圧電体12を設置す
るとともに、板ばね11の中央部の幅方向の両側に圧電体
12と一体的に切欠部13を設けた圧電バイブレータであ
る。板ばね11の中央部の剛性を低下させて高次の共振振
動の周波数を下げることができ、呼び出し振動用の共振
周波数とブザー用の共振周波数を兼ね備え、印加する電
圧の周波数により簡単な構成で充分な強さの体感振動と
呼び出し音が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機やポケ
ットベルなどの移動体通信装置における振動呼び出し装
置に用いられる圧電バイブレータであって、印加する電
圧の周波数の切り替えにより、体感振動と音を切り替え
て発する圧電バイブレータに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話やポケットベル等の移動体通信
装置の呼び出し装置としては、一般的には呼び出し音が
用いられている。
【0003】しかし、近時、携帯者や周囲の人が呼び出
し音を不快に感じる場合が多いことから、呼び出し音に
代えて呼び出し振動を使用する場合が増加しておる。こ
のため、呼び出しブザーに加え、呼び出し振動用のバイ
ブレータを用いる場合が増えている。
【0004】従来の呼び出し振動用のバイブレータに
は、電磁式のものと圧電式のものがある。このうち従来
の電磁式のバイブレータは、電磁モータのシャフトに偏
心おもりを接合して構成されている。呼び出し時には、
電磁モータのシャフトに設けた偏心おもりが回転して振
動を発生し、その振動により使用者に呼び出しを知らせ
るものである。
【0005】しかしながら、従来の電磁式のバイブレー
タは、電磁モータを使用しているために電磁ノイズが発
生して近辺の電磁環境を悪化させるという問題点があっ
た。
【0006】また、電磁モータのコイルに流れる電流が
大きいため消費電力が大きく、移動体通信装置に使用し
た場合には連続通話時間や待ち受け時間が短くなってし
まうという問題点があった。また、電磁モータにはブラ
シが使用されており、回転による摩擦により寿命が短い
ため、長期間安定して作動させることができないという
問題点もあった。
【0007】そこで、これらの問題を回避するために、
圧電式のバイブレータも考案されている。
【0008】例えば、特開平3−270771号公報には、積
層型圧電アクチュエータの少なくとも一方の端部に変位
方向と直角方向に板ばねを接合し、この板ばねの端部に
おもりを付加して板ばねとおもりからなる共振系を構成
し、積層型アクチュエータを共振系の共振周波数付近で
駆動する圧電バイブレータが開示されている。これによ
れば、板ばねとおもりで構成する共振系の共振周波数に
近い周波数の電気入力により伸縮変位による振動を発生
し、板ばねを介して変位方向と直角方向に設けたおもり
に振動を伝え、おもりは板ばねとの共振系の共振周波数
に近い周波数で増巾して振動する。これらの部品には磨
耗する部品を含まず寿命が極めて長く、また接点も含ま
ず電磁ノイズを発生しないので近辺の電磁環境を悪化さ
せず、積層型アクチュエータは消費電力が少ないので消
費電力の少ない優れた圧電バイブレータとなるというも
のである。
【0009】また、特開平8-314467 号公報には、圧電
振動板を用いて体感振動および音響を発する装置におい
て、圧電振動板の一端をフレームに支持し、この圧電振
動板の他端を自由端とすると共に、この自由端に錘を取
り付けた圧電振動発音装置が開示されている。
【0010】これは、図4に模式的に外観斜視図で示す
ように、矩形の板ばね1とその表面に貼り付けられた圧
電体2とからなるバイモルフ素子またはユニモルフ素子
で圧電振動子を構成し、板ばね1の一方に設けた支持部
3を固定し、他方に錘4を設けてこの錘4を自由端と
し、圧電体2に交流電圧を印加して最低次の共振周波数
付近で使用することにより振動を発生させるというもの
である。
【0011】このような圧電振動子を用いた特開平8-3
14467 号公報に開示された圧電振動発音装置によれば、
印加電圧の周波数を変えることにより、低い周波数の電
圧を印加したときは振動を、高い周波数の電圧を印加し
たときは呼び出し音を発生する。すなわち、周波数が低
い体感振動を発するときは、圧電振動板の自由端側の錘
が共振し、これが揺動して大きな振動を発生する。他
方、高い周波数の音響を発するときは、圧電振動板の自
由端側の錘がほとんど振れないため、あたかも圧電振動
板の両端が支持されたようになって圧電振動板が共振す
ることにより、良好な音圧レベルが得られるというもの
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8-314467 号公報に開示されたような従来の圧電バイブ
レータにおいても次のような問題点があった。
【0013】圧電バイブレータでは、充分な体感振動ま
たは体感音を発生させるためには、共振状態で使用する
必要がある。これは、共振状態で使用しなければ充分な
強さの体感振動または体感音が得られないからである。
ここで、体感振動としては通常は80〜130 Hz近辺に共
振周波数を設ける必要があり、体感音としては通常は2
〜3kHzに共振周波数を設ける必要がある。すなわ
ち、同一の圧電バイブレータによって体感振動と体感音
とを発生させるためには、共振周波数を80〜130Hz近
辺と2〜3kHzとの2つの共振周波数を持たせる必要
がある。
【0014】しかし、従来の圧電バイブレータでは、バ
イブレータとして有効な体感振動を得るために最低次の
共振周波数を80〜130 Hzに設定すると、その圧電振動
板の高次の共振周波数は4kHz以上となってしまい、
体感音を発生するブザーとして有効な2〜3kHzの範
囲には共振周波数が得られなかった。そのため、同一の
圧電振動板のみによっては、同時にブザーとしても充分
に機能させることができないという問題点があった。
【0015】従って、体感振動と呼び出し音のいずれを
も発生させるには、バイブレータとは別にブザーを設置
したり、圧電振動板の他にフレーム等の部材を用いたり
する必要があるため、圧電バイブレータを小型化できな
いという問題点があり、その結果、これらを用いる携帯
電話機やポケットベル等の移動体通信装置を小型化する
ことが困難であるという問題点があった。
【0016】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みて案
出されたものであり、その目的は、簡単な構成で圧電振
動板のみで音と振動を切り替えることができ、強い体感
振動および強い体感音が得られ、しかも軽量化・薄型化
が容易な圧電バイブレータを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく圧電振動板の構成について鋭意検討した結
果、板ばねの少なくとも1つの面に圧電体を取着し、
この圧電体に交流電圧を印加して共振点付近で駆動する
圧電バイブレータにおいて、板ばねの中央部およびこの
位置に取着された圧電体に一体的に切り欠きを設けるこ
と、または、板ばねの少なくとも1つの面に圧電体を
取着し、この圧電体に交流電圧を印加して共振点付近で
駆動する圧電バイブレータにおいて、圧電体を板ばねの
中央部で分割することにより、それぞれ同一の圧電振動
板で呼び出し振動用の共振周波数とブザー用の共振周波
数を兼ね備えることができ、簡単な構成で音と振動とを
切り替えて強い体感振動または強い音が得られ、軽量化
・薄型化が容易な圧電バイブレータが得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0018】本発明の第1の圧電バイブレータは、板ば
ねの少なくとも一方の主面の中央部を含む位置に前記板
ばねと略同じ幅の圧電体を設置するとともに、前記板ば
ねの中央部の幅方向の両側に前記圧電体と一体的に切欠
部を設けたことを特徴とするものである。
【0019】また、本発明の第1の圧電バイブレータ
は、上記構成において、前記切欠部は、幅を0.1 mm以
上3mm以下とし、切り込み深さを前記板ばねの幅の10
%以上40%以下としたことを特徴とするものである。
【0020】本発明の第2の圧電バイブレータは、板ば
ねの少なくとも一方の主面の中央部を挟む位置にそれぞ
れ前記板ばねと略同じ幅の圧電体を設置したことを特徴
とするものである。
【0021】また、本発明の第2の圧電バイブレータ
は、上記構成において、前記圧電体間の間隔を0.1 mm
以上3mm以下としたことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の圧電バイブレータ
について、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の第1の圧電バイブレータの
実施の形態の一例を示す外観斜視図である。図1におい
て、11は例えばリン青銅から成る板ばね、12は例えばチ
タン酸ジルコン酸鉛(PZT)から成る圧電体である。
圧電体12は板ばね11とほぼ同じ幅を有しており、板ばね
11の少なくとも一方の主面に対してその主面の中央部を
含む位置に導電性接着剤を介して設置されている。ここ
では、板ばね11の両主面に圧電体12をそれぞれ設置した
例を示している。なお、圧電体12の表面には図示してい
ない電極が設けられ、各電極には図示しない端子が設け
られていて、これらにより両主面の圧電体12・12には各
々の変位が逆になるように交流電圧を印加する。
【0024】そして、13は板ばね11の中央部の両側に圧
電体12と一体的に設けた切欠部である。14は板ばね11の
固定端側に設けた支持部であり、この支持部13を例えば
携帯用の移動体通信装置のハウジング等にネジ止めなど
することによって、この圧電バイブレータが取り付けら
れる。15は板ばね11の自由端側に設けたおもりであり、
これらは圧電バイブレータの仕様等に基づき必要に応じ
て設けられる。
【0025】このように、本発明の第1の圧電バイブレ
ータは、切欠部13を有する板ばね11の主面に圧電体12が
設置され、この板ばね11の中央部に圧電体12と一体的に
切欠部13を設けただけの非常に単純な構造をしており、
この切欠部13により板ばね11は中央部で他の部分より細
くなって変形部の剛性を大きく低下させている。その結
果、高次振動の共振周波数を下げて2〜3kHzにする
ことができるため、圧電体12・12に各々の変位が逆にな
るように2〜3kHzの共振点付近の周波数の交流電圧
を印加することで、板ばね11には固定端の支持部14と自
由端のおもり15を節とし、板ばね11の中央部に設けた切
欠部13を腹とした定在波を生じさせることができ、この
振動により充分な強さの体感音を発生するブザーとして
機能させることができる。このとき、板ばね11の自由端
は定在波の節となって振動しないため、呼び出し音の発
生時に不快な体感振動が発生することはない。
【0026】一方、バイブレータとして使用する場合に
は、両主面の圧電体12に各々の変位が逆になるように、
通常は80〜130 Hzの共振点付近の周波数の交流電圧を
印加する。これにより、板ばね11が支持部14を固定端と
し、おもり15を自由端として大きく振動し、バイブレー
タとして機能する。このとき、切欠部13はおもり15の変
位を増大させる効果を有し、板ばね11の剛性を高めるこ
となく振動の励振力を強くして充分大きな振動を得るこ
とができるものとなる。
【0027】しかも、構造が非常に単純であることか
ら、軽量化・薄型化も容易である。
【0028】本発明の第1の圧電バイブレータにおい
て、切欠部13の板ばね11の長辺方向の幅は、0.1 mm以
上3mm以下の範囲とすることが好ましい。切欠部13の
幅が0.1 mm未満になると製造が困難になるとともに、
振動時に切欠部13の幅方向の両側が接触をおこして信頼
性が低下する傾向がある。他方、幅が3mm以上となる
と、圧電体12の面積が減少することにより励振力が低下
する傾向がある。
【0029】また、切欠部13の切り込み深さは、板ばね
11の幅の10%以上40%以下の範囲とすることが好まし
い。切欠部13の切り込み深さが板ばね11の幅の10%未満
となると切欠部13による板ばね11の剛性の低減効果が減
少して呼び出し音として使用する高次振動の共振周波数
が3kHz以上となって、通常のブザーとしてふさわし
い2〜3kHzの音を出せなくなる傾向がある。他方、
切り込み深さが板ばね11の幅の40%を超えると、通常の
バイブレータとして好適な80〜130 Hzの基本共振の振
動を固定端の支持部14に伝える力が減少してしまい、充
分な体感振動が得られなくなる傾向がある。
【0030】次に、図2は本発明の第2の圧電バイブレ
ータの実施の形態の一例を示す外観斜視図である。図2
において、21は例えばリン青銅から成る板ばね、22a・
22bは例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から成る
圧電体である。圧電体22a・22bは板ばね21とほぼ同じ
幅を有しており、板ばね21の少なくとも一方の主面に対
してその主面の中央部を挟む位置に、間隔23を設けて導
電性接着剤を介して設置されている。ここでは、板ばね
21の両主面に圧電体22a・22bをそれぞれ設置した例を
示している。これら、圧電体22a・22bの表面にも図示
していない電極が設けられ、各電極には図示しない端子
が設けられていて、これらにより両主面の圧電体22a同
士および22b同士に各々の変位が逆になるように交流電
圧を印加する。
【0031】23は板ばね21の中央部を挟んで設置された
圧電体22a・22b間の間隔を示している。24は板ばね21
の固定端側に設けた支持部であり、25は板ばね21の自由
端側に設けたおもりであり、これらは圧電バイブレータ
の仕様等に基づき必要に応じて設けられる。
【0032】このように、本発明の第2の圧電バイブレ
ータは、板ばね21の主面に板ばね21の中央部を挟んで所
定の間隔23を設けてそれぞれ板ばね21とほぼ同じ幅の圧
電体22a・22bが設置されただけの非常に単純な構造を
しており、板ばね21の主面に設置される圧電体22を板ば
ね21の中央部で間隔23をもって圧電体22aと圧電体22b
とに分割したことにより、板ばね21の中央部で変形部の
剛性を大きく低下させることができる。その結果、第1
の圧電バイブレータと同様に、励振周波数を変化させる
ことで充分な強さの体感振動および体感音を得ることが
できる。
【0033】しかも、構造が非常に単純であることか
ら、軽量化・薄型化も容易である。
【0034】この場合、板ばね21の主面上で隣接する圧
電体22a・22bの間隔23は、0.1 mm以上3mm以下の
範囲とすることが好ましい。この間隔23が0.1 mm未満
では板ばね21の剛性を低下させる効果が少なくなり、呼
び出し音として使用する高次振動の共振が3kHz以上
となって、通常のブザーとしてふさわしい2〜3kHz
の音が出せなくなる傾向がある。他方、間隔23が3mm
を超えると、板ばね21に対する励振部の面積が減少する
ことにより励振力が減少してしまい、バイブレータとし
て好適な80〜130 Hzの基本共振の振動を充分な強さの
体感振動として発生することができなくなる傾向があ
る。
【0035】次に、これら本発明の第1および第2の圧
電バイブレータの振動時の状態を図3により説明する。
なお、図3において図1および図2と同様の箇所には同
じ符号を付してあり、圧電体の図示は省略してある。本
発明のバイブレータは圧電体に交流電圧を印加すること
で圧電体が振動し、印加した電圧の周波数でバイブレー
タが振動して、印加電圧の周波数がバイブレータの固有
周波数と一致したときに大きな振動が得られる。
【0036】図3(a)は本発明の圧電バイブレータの
最低次の共振時の振動状態を示す側面図である。同図に
示すように、おもり15を設置した自由端が大きく振動す
ることで、バイブレータ(振動呼び出し装置)として機
能する。なお、バイブレータとしての共振周波数は、有
効な体感振動を得るために通常は80〜130 Hzに設定さ
れている。
【0037】一方、図3(b)は本発明の圧電バイブレ
ータの高次の共振時の振動状態を示す側面図である。同
図に示すように、支持部14(24)の固定端とおもり15
(25)を設置した自由端とが静止し、板ばね11(21)の
中央部が振動することで、ブザー(発音装置)として機
能する。このとき、最低次の共振周波数が80〜130 Hz
に設定されているため、従来の圧電バイブレータでは、
図3(b)に示す高次の共振周波数振動は4kHz以上
になってしまい、ブザーとしては不適合であった。しか
し、本発明の圧電バイブレータでは、最も大きな変形を
示す板ばね11(21)の中央部(図3(b)中のA部)の
板ばねに切欠部13または圧電体22a・22b間の間隔23が
設けられており、その部分の剛性を低下させることで高
次のモードの共振周波数のみを大きく下げることがで
き、その結果、通常のブザーとして適した2〜3kHz
の間の周波数で充分な強さの呼び出し音が得られる。こ
のとき、おもり15(25)が設置された自由端は定在波の
振動の節となって重心が静止しているため、不快な体感
振動を発生させることなく体感音のみを発することがで
きる。
【0038】また、以上のような本発明の第1および第
2の圧電バイブレータの構造においては、幅または長さ
の大きな圧電体を用いても板ばねの変形部の剛性を部分
的に下げることができるので、板ばねの剛性が高くなる
ことによる振幅の減少を低減して、励振力が増大する効
果による大きな振幅を得ることができる。
【0039】なお、切欠部13または圧電体22a・22b間
の間隔23は、それぞれ板ばね11・22の中央部、つまり、
板ばね11・22の自由端(おもり15・25)と固定端(支持
部14・24)の中間点に設けることが好ましい。体感音と
して使用する高次の振動モードでは、振動の腹がちょう
ど板ばね11・21の自由端と固定端の中間点に存在するの
で、その部分の剛性を下げることにより、体感音として
の共振周波数のみを下げる作用効果があるからである。
【0040】本発明の圧電バイブレータにおいて、板ば
ね11・21は、高い弾性限界・靭性を持ち、ヤング率が50
00kgf/mm2 以上の材料が望ましい。具体的には、
例えばリン青銅・バネ鋼・ステンレス鋼等の金属や合金
が良い。
【0041】なお、ヤング率が5000kgf/mm2 未満
のプラスチックやゴム等の材料は、振動による繰り返し
疲労に対する耐久力がなく板ばねとして適さない。
【0042】また、板ばね11・21の厚みは1.0 mm以下
とするのが好ましい。厚みが1.0 mmを超えると振動部
の剛性が高くなり、そのため振動の周波数が高くなって
振幅が小さくなるため好ましくない。
【0043】板ばね11・21の形状は細長い長方形状が好
ましい。この場合は形状が単純なため、大きな振幅で単
一の共振周波数が得やすいものとなる。
【0044】一方、圧電体12・22a・22bの形状は、板
ばねとほぼ同じ幅を有する長方形状または方形状の平板
形のものが好ましく、この形状であれば振動のエネルギ
ーを効率良く板ばね11・21に伝達させることができる。
【0045】圧電体12・22a・22bの厚みは0.1 mm〜
0.5 mm程度が好適である。0.5 mmを超えると圧電体
12・22a・22bの剛性が高くなり、そのため振動の周波
数が高くなって振幅が小さくなる傾向がある。他方、0.
1 mm未満では圧電体12・22a・22bの強度が低下して不
十分となる傾向があり、製造も難しくなる。
【0046】なお、板ばね11・21の両主面に圧電体12・
22a・22bを設置する場合は、両主面の圧電体12・22a
・22bがそれぞれ互いに重なり合うように設置すること
が、板ばね11・21を変形しやすくする上から望ましい。
【0047】本発明の圧電バイブレータに用いる圧電体
12・22a・22bを得るには、例えば、まず所定の電気特
性が得られるように調合したPZT系セラミック原料を
湿式混合し、この混合物を脱水・乾燥した後、約800 〜
1200℃で1〜3時間仮焼し、この仮焼物を再びボールミ
ルで粉砕する。その後、この粉砕物に有機バインダを混
合し、ドクターブレード法あるいは押し出し成形法等で
所定厚みのシート状圧電成形体を形成する。次いで、こ
のシート状圧電成形体の両面に電極となるAg−Pd等
の導電性ペーストを印刷する。その後、大気中において
所定温度で脱バインダを行ない、大気中で1200〜1300℃
の温度にて2〜6時間焼成し、多数個取りが可能な基板
を作製する。そして、基板の両面にシリコーンオイル中
で3kV/mm程度の電界を印加して分極処理を行な
い、その後、所定の形状になるようにワイヤーソーやダ
イシングソーにより個々の圧電体に切断して、本発明に
用いる圧電体12・22a・22bを得る。なお、圧電体の分
極を安定化させるために、分極処理後に150 〜250 ℃で
1時間程度の熱エージングを行なっても良い。
【0048】このようにして得られた圧電体12・22a・
22bを、リン青銅からなる板ばねの少なくとも一方の主
面、例えば両面に、銀ペースト等の導電性接着剤を用い
て接合することにより設置する。このとき、板ばね11の
中央部を含む位置に圧電体12を設置して、この圧電体12
とともに板ばね11の中央部の幅方向の両側に切欠部13を
設ければ、本発明の第1の圧電バイブレータとなる。ま
た、板ばね21の中央部を挟む位置にそれぞれ圧電体22a
・22bを設置すれば、本発明の第2の圧電バイブレータ
となる。そして、必要に応じて自由端側の板ばね11・21
の先端部におもり15・25を付加する。
【0049】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。
【0050】例えば、上記の実施の形態の例では圧電体
を板ばねの両主面に設置したバイモルフ型の圧電バイブ
レータについて説明したが、圧電体を板ばねの一方の主
面のみに設置したユニモルフ型であってもよい。
【0051】また、図1および図2に示した本発明の第
1および第2の圧電バイブレータの構成を組み合わせて
使用しても構わない。
【0052】さらに、必要に応じて、おもりの部分で板
ばねの質量を大きくし、板ばね自体におもりとしての機
能を持たせた構造にしても良い。
【0053】
【発明の効果】本発明の第1の圧電バイブレータによれ
ば、板ばねの中央部の幅方向の両側に圧電体と一体的に
切欠部を形成したことから、板ばねの中央部の剛性を下
げ、高次振動の共振周波数を下げることができる。これ
により、印加電圧の周波数を変化させることで充分な強
さの体感振動と呼び出し音とを容易に切り替えて発する
ことが可能な圧電バイブレータを得ることができる。
【0054】本発明の第2の圧電バイブレータによれ
ば、板ばねの中央部を挟んで圧電体を設置して圧電体間
に間隔を設けたことから、同様に板ばねの中央部の剛性
を下げ、高次振動の共振周波数を下げることができて、
印加電圧の周波数を変化させることで充分な強さの体感
振動と呼び出し音とを容易に切り替えて発することが可
能な圧電バイブレータを得ることができる。
【0055】以上のように、本発明によれば、簡単な構
成で圧電振動板のみで音と振動を切り替えることがで
き、強い体感振動および強い体感音が得られ、しかも軽
量化・薄型化が容易な圧電バイブレータを提供すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の圧電バイブレータの実施の形態
の一例を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の第2の圧電バイブレータの実施の形態
の一例を示す外観斜視図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ本発明の圧電
バイブレータの振動時の状態を示す側面図である。
【図4】従来の圧電バイブレータの例を示す外観斜視図
である。
【符号の説明】
11、21・・・・・・・板ばね 12、22a、22b・・・圧電体 13・・・・・・・・・切欠部 23・・・・・・・・・圧電体22aと22bとの間隔 14、24・・・・・・・支持部 15、25・・・・・・・おもり
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04R 17/10 G10K 9/12 101A 101C Fターム(参考) 5D004 AA01 AA03 AA09 CC04 CC06 CC08 DD02 DD05 EE01 FF08 5D017 AA11 5D107 AA02 AA13 AA16 BB08 CC03 CC12 FF06 5K027 AA11 FF03 FF21 FF25 MM00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板ばねの少なくとも一方の主面の中央部
    を含む位置に前記板ばねと略同じ幅の圧電体を設置する
    とともに、前記板ばねの中央部の幅方向の両側に前記圧
    電体と一体的に切欠部を設けたことを特徴とする圧電バ
    イブレータ。
  2. 【請求項2】 前記切欠部は、幅を0.1mm以上3m
    m以下とし、切り込み深さを前記板ばねの幅の10%以
    上40%以下としたことを特徴とする請求項1記載の圧
    電バイブレータ。
  3. 【請求項3】 板ばねの少なくとも一方の主面の中央部
    を挟む位置にそれぞれ前記板ばねと略同じ幅の圧電体を
    設置したことを特徴とする圧電バイブレータ。
  4. 【請求項4】 前記圧電体間の間隔を0.1mm以上3
    mm以下としたことを特徴とする請求項3記載の圧電バ
    イブレータ。
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