JP2000130065A - 立坑の築造工法 - Google Patents
立坑の築造工法Info
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Abstract
さを短くし、特に、透水係数の高い地盤においても根入
れ長さを合理的に短くしながら、地盤中の地下水位の低
下を小さく抑えるとともに、工期短縮と工費軽減が図れ
るようにする。 【解決手段】 土留め壁11の構築工程と、土留め壁1
1により囲まれた立坑12内部に水13を導入して立坑
12内部を水中掘削する水中掘削工程と、立坑12内部
の掘削底面に固化剤を投入して掘削底面14上に限定的
に泥水固化層15を形成する限定的泥水固化工程と、泥
水固化層15上に水中コンクリートを打設する仮設コン
クリート打設工程と、立坑12内部の水13を排水する
排水工程と、仮設コンクリート打設により形成される仮
設の底版コンクリート21上及び立坑12内面に本設の
コンクリートを打設する本設コンクリート打設工程と、
からなる立坑の築造工法。限定的泥水固化工程におい
て、泥水固化すべき上端位置まで沈設する鋼製枠付きの
シートを用いる。
Description
る立坑の築造工法に関するものである。
SMW工法、地中連続壁工法、ケーソン工法などが挙げ
られる。ところで、立坑において、大深度で地盤中の地
下水が高い砂質土、粘性土の互層地盤の場合は、掘削底
面にヒービング、ボイリング、被圧水による盤膨れの現
象が起きる。このため、根入れを必要としないケーソン
工法以外は、土留め壁の根入れ長さが長くなる場合が多
い。その根入れ長を低減する方法としては、地下水位低
下工法や底盤の地盤改良工法がある。
工法は、周辺地盤の沈下を伴うため、都市部における採
用が困難であり、また、底盤の地盤改良工法は、大深度
における工費が極めて高いなどの問題があった。なお、
ケーソン工法は、合理的に根入れ長を短くできるが、鋼
矢板工法、SMW工法、地中連続壁工法などよりも一般
に工費が高い他、周辺地盤を乱す、工期が長い、圧気作
業となる場合は、作業員の健康を害する恐れがあるなど
の問題があった。
おいて、土留め壁の根入れ長さを短くし、特に、透水係
数の高い地盤においても根入れ長さを合理的に短くしな
がら、地盤中の地下水位の低下を小さく抑えるととも
に、工期短縮と工費軽減が図れるようにした立坑の築造
工法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、土中に土留め壁を構築してから
立坑を築造する工法であって、土留め壁構築工程と、土
留め壁により囲まれた立坑内部に水を導入して立坑内部
を水中掘削する水中掘削工程と、立坑内部の掘削底面に
固化剤を投入して掘削底面上に限定的に泥水固化層を形
成する限定的泥水固化工程と、泥水固化層上に水中コン
クリートを打設する仮設コンクリート打設工程と、立坑
内部の水を排水する排水工程と、仮設コンクリート打設
により形成される仮設の底版コンクリート上及び立坑内
面に本設のコンクリートを打設する本設コンクリート打
設工程と、からなること、を特徴としている。
工法、地中連続壁工法などの一般工法により構築する。
泥水固化工法としては、原位置混合方式または固化液置
換方式を用いると良い。仮設の底版コンクリートは、無
筋コンクリート構造でも良いし、鉄筋篭を事前に沈設し
て行う鉄筋コンクリート構造としても良い。立坑内部の
排水は、立坑内部に設置した水中ポンプにより行う。本
設コンクリートは、立坑内面に逆巻きまたは順巻きの何
れかによりコンクリートを打設してから、底版コンクリ
ートを打設するのが望ましい。
ば、立坑の築造に際して、土留め壁により囲まれた立坑
内部に水を導入して立坑内部を水中掘削した後、立坑内
部の掘削底面上に限定的に泥水固化層を形成し、その泥
水固化層上に水中コンクリートを打設して仮設の底版コ
ンクリートを構築するので、地盤改良工ほどの工期と工
費を必要としない。そして、地盤改良工に比べ、土留め
壁と仮設底版コンクリートとの密実な連結状態が得られ
て、地盤中の地下水位の低下を抑えられる。さらに、こ
のような仮設底版コンクリート構築後、立坑内部の排水
を伴って、仮設の底版コンクリート上及び立坑内面に本
設のコンクリートを打設することで、土留め壁構築によ
る立坑の築造が完了する。しかも、底版下の泥水固化層
が不透水層となるので、透水係数の高い地盤においても
立坑の根入れ長さを合理的に短くできる。
坑の築造工法であって、限定的泥水固化工程において、
鋼製枠付きのシートを泥水固化すべき上端位置まで沈設
し、このシート下に固化剤を注入して泥水固化層を形成
した後、シートを撤去すること、を特徴としている。
ば、請求項1記載の限定的泥水固化工程において、泥水
固化すべき上端位置まで沈設する鋼製枠付きシートを用
いるので、泥水固化面と掘削水との境界面を明確にし
て、泥水固化層の品質向上が図れる。
工法の実施の形態例を図1から図8に基づいて説明す
る。先ず、図1は本発明を適用した一例としての土留め
壁構築による立坑の築造工法を示すもので、従来工法と
対比して示した概略縦断面図、図2は最初の土留め壁構
築工程を示した概略縦断面図、図3は続く水中掘削工程
を示した概略縦断面図、図4は続く限定的泥水固化工程
を示した概略縦断面図である。なお、図5は限定的泥水
固化工程の詳細を拡大して示した要部縦断面図である。
そして、図6は続く仮設コンクリート打設工程を示した
概略縦断面図、図7は続く排水工程と本設コンクリート
打設工程(壁面施工)を示した概略縦断面図、図8は続
く本設コンクリート打設(底版施工)を示した概略縦断
面図である。
の形態例では、土留め壁構築工程、水中掘削工程、
限定的泥水固化工程、仮設コンクリート打設工程、
排水工程、本設コンクリート打設工程の施工手順で
行うものである。なお、図1において、1は土中、2は
任意の地層、3は不透水層であり、また、従来工法によ
り不透水層3まで必要であった根入れ長を点線で示して
いる。
すように、土中1において、土留め壁11を、設計上許
容される最小根入れ長さを確保する深さまで、例えば、
鋼矢板工法、SMW工法、地中連続壁工法などの一般工
法で構築する。この土留め壁11が立坑12の周壁とな
る。
ように、土留め壁11により囲まれた土中に水13を導
入して、その水中にて立坑12内部の掘削を行う。この
ような水中掘削は、土留め壁11の安全性を確保できる
根入れ長さを残す位置まで行う。ここで、水13の導入
は図示しない適宜の給水設備を用いて行う。また、水中
掘削についても、図示しない適宜の掘削機械を用いて行
う。なお、図中、14は掘削底面である。
に示すように、掘削底面14上に泥水固化層15を形成
する。即ち、その詳細を拡大して示した図5のように、
鋼製枠16付きのシート17を、その鋼製枠16に繋げ
たワイヤ18,18で吊り降ろして泥水固化すべき上端
位置まで水中に沈設する。このシート17は、鋼製枠1
6が土留め壁11の内方寸法よりも若干小さいもので、
全周囲にフレキシブルなゴムパッキン19を有してお
り、シート17には上方に延びる注入ホース20,20
が接続して備えられている。
用いて、原位置混合方式または固化液置換方式により、
シート17の下方に限定的な泥水固化層15を形成す
る。即ち、図示しない固化剤を注入ホース20,20か
らシート17下の泥水中に注入する原位置混合方式を用
いるか、地上で図示しない固化剤を混合した泥水で注入
ホース20,20を介しシート17下の泥水と置換する
固化液置換方式を用いる。以上により、シート17と掘
削底面14との間に泥水固化層15を形成する。その
後、次の仮設コンクリート打設工程に先立って、シー
ト17を鋼製枠16に繋げたワイヤ18,18で吊り上
げて撤去する。
は、図6に示すように、立坑12内部の水13中に水中
コンクリートを打設して、泥水固化層15上に仮設の底
版コンクリート21を形成する。この仮設底版コンクリ
ート21は、切梁機能を兼ねた押えコンクリートであ
り、無筋コンクリート構造であっても、図示しない鉄筋
篭を事前に沈設した鉄筋コンクリート構造であっても良
い。
すように、立坑12内部に設けた水中ポンプ22,22
を稼働して立坑12内の水13を排水管23,23から
排水することにより、立坑12内の水13を必要深さ、
図示例では、半分程度まで減じる。このように、立坑1
2内を半分程度までドライアップしてから、壁面を清掃
する。
は、先ず、図7に示すように、土留め壁11の上半部内
面に沿って逆巻きにより本設の内壁コンクリート24を
打設する。その後、水中ポンプ22,22により立坑1
2内の残り水13全部をドライアップしてから、図8に
示すように、仮設底版コンクリート21上に本設の底版
コンクリート25を打設する。このように、立坑12内
を全てドライアップして壁面を清掃してから、図1に示
したように、下半部内面に沿って順巻きにより本設の内
壁コンクリート26を打設する。以上によって、立坑1
2が完成する。
は、以下に挙げる特徴を有するものである。 (1)土留め壁11は、鋼矢板工法、SMW工法、地中
連続壁工法などの一般工法の適用が可能である。 (2)立坑12の内部掘削は、根入れ長さを短くするた
め、水中掘削としている。 (3)地盤改良工の代わりとして、内部構造物の底版下
に限定的に泥水固化層15を構築して不透水層を形成し
ている。 (4)シート17を用いた限定的な泥水固化工法を用い
ている。 (5)泥水固化層15上に水中コンクリートを打設して
切梁兼用の仮設底版コンクリート21を構築している。 (6)必要深さに応じた立坑12内部のドライアップを
行い、逆巻きまたは順巻きの本設内壁コンクリート2
4,26を打設している。
り得られる主な効果は、以下の通りである。 (1)土留め壁11の根入れ長さが短くできるため、工
期短縮・工費軽減できる。 (2)地下水位低下工法を用いないため、地盤沈下など
の影響が懸念される都市部においても採用できる。 (3)底版下の泥水固化層15が不透水層となるので、
透水性の高い砂地盤においても、立坑の根入れ長を合理
的に短くできる。 (4)シート17を用いることで、泥水固化層15上面
と掘削水13との境界面を明確にすることができ、泥水
固化層15の品質向上が図れる。 (5)泥水固化層15上に水中コンクリートを打設して
切梁兼用の仮設底版コンクリート21を構築するため、
地盤改良工ほどの工期と工費を必要とせず、内部構造物
の側壁と底版を気中で施工ならしめるため、当該部分の
品質向上が図れる。 (6)内部構造物の築造にダイバー作業を伴わない。
坑の半分程度までをドライアップして内部構造物の構築
を分割して行ったが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、土留め壁の安定性に問題がなければ、立坑の全
部をドライアップして内部構造物を分割しないで構築し
ても良い。また、排水の手法も任意であり、その他、具
体的な細部構造等についても適宜に変更可能であること
は勿論である。
る立坑の築造工法によれば、大深度の立坑において、土
留め壁の根入れ長さを短くしながら、立坑内部の水中掘
削、その掘削底面上への限定的泥水固化層の形成及び水
中コンクリート打設により、工期短縮と工費軽減を達成
することができ、また、限定的泥水固化層は地盤改良工
に比べ、土留め壁と密実な連結状態が得られ、かつ、仮
設底版コンクリートが切梁として機能する。その上、底
版下の泥水固化層が不透水層となるため、透水係数の高
い地盤においても立坑の根入れ長さを合理的に短くする
ことができる。
によれば、限定的泥水固化工程において、泥水固化すべ
き上端位置まで沈設する鋼製枠付きシートを用いること
により、請求項1記載の発明により得られる効果に加え
て、泥水固化面と掘削水との境界面を明確にすることが
でき、従って、泥水固化層の品質向上を図ることができ
るといった利点が得られる。
よる立坑の築造工法を示すもので、従来工法と対比して
示した概略縦断面図である。
を示した概略縦断面図である。
示した概略縦断面図である。
を示した概略縦断面図である。
した要部縦断面図である。
コンクリート打設工程を示した概略縦断面図である。
程と本設コンクリート打設工程(壁面施工)を示した概
略縦断面図である。
を示した概略縦断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】土中に土留め壁を構築してから立坑を築造
する工法であって、 土留め壁構築工程と、 土留め壁により囲まれた立坑内部に水を導入して立坑内
部を水中掘削する水中掘削工程と、 立坑内部の掘削底面に固化剤を投入して掘削底面上に限
定的に泥水固化層を形成する限定的泥水固化工程と、 泥水固化層上に水中コンクリートを打設する仮設コンク
リート打設工程と、 立坑内部の水を排水する排水工程と、 仮設コンクリート打設により形成される仮設の底版コン
クリート上及び立坑内面に本設のコンクリートを打設す
る本設コンクリート打設工程と、 からなること、を特徴とする立坑の築造工法。 - 【請求項2】限定的泥水固化工程において、鋼製枠付き
のシートを泥水固化すべき上端位置まで沈設し、このシ
ート下に固化剤を注入して泥水固化層を形成した後、シ
ートを撤去すること、を特徴とする請求項1記載の立坑
の築造工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30257298A JP4011212B2 (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 立坑の築造工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30257298A JP4011212B2 (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 立坑の築造工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000130065A true JP2000130065A (ja) | 2000-05-09 |
JP4011212B2 JP4011212B2 (ja) | 2007-11-21 |
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ID=17910598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30257298A Expired - Fee Related JP4011212B2 (ja) | 1998-10-23 | 1998-10-23 | 立坑の築造工法 |
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---|---|
JP (1) | JP4011212B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-10-23 JP JP30257298A patent/JP4011212B2/ja not_active Expired - Fee Related
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