JP2000129488A - リードフレームのめっき前処理方法 - Google Patents

リードフレームのめっき前処理方法

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JP2000129488A
JP2000129488A JP10308729A JP30872998A JP2000129488A JP 2000129488 A JP2000129488 A JP 2000129488A JP 10308729 A JP10308729 A JP 10308729A JP 30872998 A JP30872998 A JP 30872998A JP 2000129488 A JP2000129488 A JP 2000129488A
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plating
liquid
immersed
acid cleaning
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Muneo Kodaira
宗男 小平
Toshinori Ozaki
敏範 尾崎
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、リード部を変形させずに、リ
ードフレームの表面に発生しているスマットを酸洗によ
り完全に且つ均一に除去でき、それによりめっき不良の
発生を完全に防止することができるリードフレームのめ
っき前処理方法を提供することにある。 【解決手段】(1)銅合金製リードフレームを酸洗浄し
た後、めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温
の液体に浸すことを特徴とするリードフレームのめっき
前処理方法。 (2)銅合金製リードフレームを酸洗浄した後、めっき
を施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温の液体に浸
し、次に、この液体より20℃以上高温の液体に浸すこ
とを特徴とするリードフレームのめっき前処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リードフレームの
めっき前処理方法に関するものである。更に詳述すれ
ば、本発明は、析出硬化型銅合金製リードフレームのめ
っき前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ICのパッケージは、年々薄く且つ小型
化の傾向を強めてきている。
【0003】これに伴い、ICのパッケージのフレーム
材として用いられるリードフレームも年々薄板化し且つ
そのピン間隔も年々狭くなってきている。このため、リ
ードフレームの材料としては、より薄くなっても十分な
強度を有する高強度材料が求められるようになってきて
いる。
【0004】また、処理速度の高速化等によりチップで
の発熱量が増加する傾向にあるため、放熱性を高める観
点から熱伝導性の良い材料が要求されている。
【0005】一般に、このような高い熱伝導性と高強度
を合わせ保つリードフレームの材料としては、析出強化
型の銅合金が用いられている。この理由は、次の通りで
ある。
【0006】即ち、高強度銅合金としては、その強化機
構から固溶強化型と析出強化型に大別される。これらの
うち固溶強化型高強度銅合金は、合金成分がマトリクス
中に固溶した状態で存在しており、そのため、導電率の
大幅な低下が避けられない。
【0007】これに対して析出強化型高強度銅合金は、
合金成分が熱処理によって単独金属や化合物の析出物の
形で形成されるようになっている。このため、マトリク
ス中の合金成分の固溶量が少なく、その結果高い導電率
を維持できる。このように高強度で且つ高導電率の特性
を得るためには、析出物の存在が必要不可欠である。
【0008】ところで、リードフレームの製造工程は、
次のようになっている。
【0009】 まず、リードフレーム用銅合金条をプ
レスするか或いはエッチングすることにより、ICを載
せるダイ部とワイヤーボンディングによりICと電気的
に接続するインナーリード部と基板とはんだ付けするア
ウターリード部とを有する微細なリードフレームの形状
に加工する。
【0010】 次に、このように加工されたリードフ
レームは、表面に付着している圧延油やプレス油を除去
するために溶剤脱脂及び電解脱脂を行い、清浄化する。
【0011】 次に、表面の圧延油やプレス油を除去
したリードフレームは、酸洗浄液にて洗浄処理すること
により変色等の原因となっている表面酸化物層を溶解除
去する。ここにおいて、酸洗浄液としては、希硫酸に酸
化剤、例えば、過酸化水素を加えて成るものが使用され
ている。
【0012】 次に、このように酸洗いしたリードフ
レームは、水洗する。
【0013】ここにおいて、水洗の水は、適度に温めた
お湯であることが多い。
【0014】 次に、水洗されたリードフレームは、
その全体或いはそのリード部等に電気めっきが施され
る。
【0015】 次に、電気めっきされたリードフレー
ムは、超純水で洗浄し、それから乾燥することによりリ
ードフレームの製品となる。
【0016】ここにおいて、リードフレームへのめっき
は、耐食性及びワイヤボンディング性の向上のために施
されるものであるが、時折めっき不良、例えば、表面の
ざらつき、めっきの異常析出、加熱時のめっき膜の膨れ
等が発生することがある。これらのめっき不良は、めっ
きする前の前処理が不適切であったために発生すること
が多く、そのため、めっき前処理工程は、その後のリー
ドフレームの健全性を大きく左右する重要な工程となっ
ている。
【0017】一般に、純銅は、めっき前処理工程の酸洗
作業におけるトラブル発生が少ない。
【0018】これに対してリードフレームの材料である
不溶解性の析出物をもつ合金析出強化型銅合金では、め
っき前処理工程の酸洗作業においてその析出物が溶解せ
ずにリードフレーム表面に残存するトラブルが発生する
ことがある。これら不溶性析出物は、例えば、Cu−N
i−Si系銅合金ではNi2 Siである。また、Cu−
Fe−P系銅合金ではFe3 Pである。このような不溶
性析出物残査は、スマットと呼ばれ、後工程であるめっ
き工程においてめっき不良の原因となることが知られて
いる。
【0019】従来、銅合金におけるスマット発生を抑止
する対策としては、次のような方法が行われている。
【0020】(1)酸洗工程を完全に省略する。
【0021】(2)酸洗は実施するが、溶解量を最小限
に留める。
【0022】(3)通常の酸洗を実施した後、超音波を
付加してスマットを除去する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のスマット発生抑止対策では、次のような難点があっ
た。
【0024】まず、(1)の酸洗工程を完全に省略した
場合には、リードフレームの表面に発生した変色部分や
酸化物層がそのまま残ることになり、その結果めっき
は、これら変色部分や酸化物層の上に施せざるを得なく
なり、めっき不良が多発する。
【0025】また、(2)の酸洗の溶解量を最小限に留
める方法では、スマットの発生量がゼロではない上に酸
洗速度が酸洗液中の酸化剤の濃度に支配されるため酸化
剤の消費減少及び補充による酸化速度の変化が大きく、
その結果酸洗量の制御が非常に難しくなるという問題が
ある。
【0026】この(3)の酸洗後に超音波を付加する方
法は、最も普及した方法として行われているが、位置的
に超音波の効果が低い部分が生じ、その結果除去しきれ
なかったスマットが残る懸念がある。更に、微細化した
リードフレームでは、超音波を付加した時に超音波の圧
力に耐えられずにリード部が変形するというトラブルも
発生する。このようにリード部が変形するとICチップ
とのボンディングや基板との接合ができなくなり、その
結果商品価値を失うことになる。
【0027】本発明は、かかる点に立って為されたもの
であって、その目的とするところは、前記した従来技術
の欠点を解消し、リード部を変形させずに、リードフレ
ームの表面に発生しているスマットを酸洗により完全に
且つ均一に除去でき、それによりめっき不良の発生を完
全に防止することができるリードフレームのめっき前処
理方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、次の3点にある。
【0029】(1)銅合金製リードフレームを酸洗浄し
た後、めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温
の液体に浸すことを特徴とするリードフレームのめっき
前処理方法。
【0030】(2)銅合金製リードフレームを酸洗浄し
た後、めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温
の液体に浸し、次に、この液体より20℃以上高温の液
体に浸すことを特徴とするリードフレームのめっき前処
理方法。
【0031】(3)銅合金製リードフレームを酸洗浄し
た後、めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温
の液体に浸し、次に、この液体より20℃以上高温の液
体に浸すことを2回以上繰返すことを特徴とするリード
フレームのめっき前処理方法。
【0032】本発明において、低温液体及び高温液体と
しては、リードフレームを浸蝕しなく且つめっきの形成
を妨げない液体ならよく、例えば、水等である。
【0033】本発明では、銅合金から成るリードフレー
ムは、酸洗浄液にて酸洗浄してからめっきを施す前に前
記酸洗浄液の温度より20℃以上低い温度の液体に浸漬
処理するため、銅合金と析出物との間に生じる熱膨張差
により酸洗スマットを除去することができ、その結果リ
ードフレームには、部分的なスマットの残りやリード部
の変形を生じることがない。
【0034】また、銅合金から成るリードフレームは、
酸洗浄液にて酸洗浄してからめっきを施す前に前記酸洗
浄液の温度より20℃以上低い温度の低温液体に浸漬処
理し、それから、その低温液体より20℃以上高い高温
の高温液体に浸漬することで、スマットの除去残りをよ
り低減することができる。更に、その低温液体への浸漬
処理と高温液体への浸漬処理とを2回以上繰り返すこと
によりスマットの除去残りを一段と低減することができ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明のリードフレームの
めっき前処理方法の実施例を比較例と共に説明する。
【0036】実施例及び比較例に用いた材料等について
説明する。
【0037】a.リードフレーム リードフレームは、Cu−Ni−Si系銅合金から成る
リードフレームを用いた。また、実施例及び比較例で
は、その条長が短い短尺品と長い長尺品とに分けて行っ
た。
【0038】これらのうち実施例1〜3及び比較例1〜
4では、短尺品の50枚についてそれぞれ行った。
【0039】これらのうち実施例4及び比較例5では、
長尺品の100枚についてそれぞれ行った。
【0040】b.脱脂液 脱脂液としては、NaOHが10g/L水溶液、NaC
3 が10g/L水溶液、界面活性剤が適量を加えて成
る電解脱脂液を用いた。
【0041】また、リードフレームの短尺品の脱脂は、
電解脱脂液中にリードフレームを陰極、SUS板を陽極
とし、陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂し
た。
【0042】c.酸洗浄液 酸洗浄液としては、硫酸の1%水溶液、過酸化水素の1
%水溶液を加えて成る酸洗浄液を用いた。
【0043】d.低温の液体への浸漬処理 酸洗浄液の温度より低い温度の低温液体への浸漬処理を
行う実施例及び比較例については、めっきする前に低温
の水へ浸漬処理した。
【0044】e.高温の液体への浸漬処理 酸洗浄液の温度より高い温度の液体への浸漬処理を行う
実施例及び比較例については、めっきする前にお湯に浸
漬処理した。
【0045】f.めっき めっき液としては、Niワット浴を用いた。
【0046】また、めっき条件は、温度50℃、電流密
度2A/dm2 、時間10秒で行った。
【0047】(実施例1)まず、短尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0048】次に、電解脱脂液中にこの短尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0049】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0050】次に、酸洗浄したリードフレームは、30
℃の水で水洗した。
【0051】次に、水洗したリードフレームは、Niめ
っきを施した。
【0052】(実施例2)まず、短尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0053】次に、電解脱脂液中にこの短尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0054】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0055】次に、酸洗浄したリードフレームは、30
℃の水で水洗した。
【0056】次に、水洗したリードフレームは、酸洗浄
液より20℃高い50℃のお湯の中に浸漬処理した。
【0057】次に、50℃のお湯の中に浸漬処理したリ
ードフレームは、Niめっきを施した。
【0058】(実施例3)まず、短尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0059】次に、電解脱脂液中にこの短尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0060】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0061】次に、酸洗浄したリードフレームは、15
℃の水で水洗した。
【0062】次に、水洗したリードフレームは、酸洗浄
液より20℃高い50℃のお湯の中に浸漬処理した。
【0063】次に、50℃のお湯の中に浸漬処理したリ
ードフレームは、Niめっきを施した。
【0064】(実施例4)まず、長尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0065】次に、電解脱脂液中にこの長尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0066】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0067】次に、酸洗浄したリードフレームは、15
℃の水で水洗した。
【0068】次に、水洗したリードフレームは、酸洗浄
液より20℃高い50℃のお湯の中に浸漬処理した。
【0069】次に、50℃のお湯の中に浸漬処理したリ
ードフレームは、15℃の水で水洗した。
【0070】次に、水洗したリードフレームは、酸洗浄
液より20℃高い50℃のお湯の中に浸漬処理した。
【0071】次に、50℃のお湯の中に浸漬処理したリ
ードフレームは、Niめっきを施した。
【0072】(比較例1)まず、短尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0073】次に、電解脱脂液中にこの短尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0074】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0075】次に、酸洗浄したままのリードフレームを
酸洗浄液より20℃高い50℃のお湯の中に浸漬処理し
た。
【0076】次に、50℃のお湯の中に浸漬処理したリ
ードフレームは、Niめっきを施した。
【0077】(比較例2)まず、短尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0078】次に、電解脱脂液中にこの短尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0079】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0080】次に、酸洗浄したリードフレームは、35
℃の水で水洗した。
【0081】次に、水洗したリードフレームは、Niめ
っきを施した。
【0082】(比較例3)まず、短尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0083】次に、電解脱脂液中にこの短尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0084】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0085】次に、脱脂したリードフレームは、Niめ
っきを施した。
【0086】(比較例4)まず、短尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0087】次に、電解脱脂液中にこの短尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0088】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に短時間の1秒間浸漬処理することにより酸洗浄し
た。
【0089】次に、酸洗浄したままのリードフレームを
酸洗浄液より20℃高い50℃のお湯の中に浸漬処理し
た。
【0090】次に、50℃のお湯の中に浸漬処理したリ
ードフレームは、Niめっきを施した。
【0091】(比較例5)まず、長尺品のリードフレー
ムを用意した。
【0092】次に、電解脱脂液中にこの長尺品のリード
フレームを陰極、SUS板を陽極として浸漬し、それか
ら陰極電流密度5A/dm2 で30秒間電解脱脂した。
【0093】次に、脱脂したリードフレームは、酸洗浄
液に10秒間浸漬処理することにより酸洗浄した。
【0094】次に、酸洗浄したリードフレームは、酸洗
浄液より20℃高い50℃のお湯の中に超音波をかけな
がら10秒間浸漬処理した。
【0095】次に、50℃のお湯の中に浸漬処理したリ
ードフレームは、Niめっきを施した。
【0096】(評価試験方法)評価試験は、スマットの
除去残りの調査、めっき健全性、めっき膜のふくれの有
無の調査、リード部の変形の有無の調査について行っ
た。
【0097】a.スマットの除去残りの調査 スマットの除去残りの調査は、酸洗浄してから水洗した
リードフレームについて行った。
【0098】1枚のリードフレームに1個所でもスマッ
トが残っていたら“スマットの除去残りあり”と判定し
た。
【0099】b.めっき健全性の調査 めっきの健全性の調査は、Niめっきしたリードフレー
ムについて行った。
【0100】c.めっき膜のふくれの有無の調査 めっきのふくれの調査は、Niめっきしたリードフレー
ムの10mのうちの中間部の連続した100ピースを選
び、350℃×1分の大気加熱を行い、それからめっき
膜のふくれの有無を調べた。
【0101】d.リード部の変形の有無の調査 めっきのリード部の変形の有無の調査は、Niめっきし
たリードフレームについて行った。
【0102】表1は、これらの評価試験結果を示したも
のである。
【0103】
【表1】
【0104】表1から分かるように、比較例1では、酸
洗浄液と同じ50℃で湯洗したため、スマットが除去さ
れず50枚のリードフレームの全てにスマット除去残り
が認められた。また、めっき膜にはざらつきが認めら
れ、健全ではなかった。
【0105】比較例2では、十分低温でない35℃で水
冷したため、スマットが除去されず50枚のリードフレ
ームの40枚にスマット除去残りが認められた。また、
めっき膜にはざらつきが認められ、健全ではなかった。
【0106】比較例3では、酸洗を実施しなかったため
スマットは発生しないものの、めっき膜の密着性が不十
分で容易にめっき膜が剥離した。これは、リードフレー
ム表面に酸化膜が存在したためである。
【0107】比較例4では、酸洗時間を1秒と短くした
のでスマットの発生が少なかったが、スマットの発生が
皆無ではなく、その結果めっきの健全性が阻害された。
【0108】比較例5では、リードフレームの一部に超
音波の届きにくい部分が生じ、その部分でスマットの除
去残りが生じた。また、リード部の変形は、100枚の
内の32枚に発生した。
【0109】これらに対して実施例1では、50枚のリ
ードフレームのうち、スマットが一部にでも残っていた
リードフレームは、3枚と極めて少なく、その量も微少
量であった。そのため、めっきの健全性も極めて良好で
あった。
【0110】実施例2では、50枚のリードフレームの
うち、スマットが一部にでも残っていたリードフレーム
は、2枚とこれまた極めて少なく、その量も微少量であ
った。そのため、めっきの健全性も極めて良好であっ
た。
【0111】実施例3では、50枚のリードフレームの
うち、スマットが一部にでも残っていたリードフレーム
は、皆無であった。めっきの健全性も極めて良好であっ
た。
【0112】実施例4では、スマットが十分に除去さ
れ、そのため、めっき膜のふくれが全くなかった。ま
た、超音波を使用しなかったため、リード部の変形も皆
無であった。
【0113】
【発明の効果】本発明のリードフレームのめっき前処理
方法によれば、銅合金製リードフレームを酸洗浄した
後、めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上高い温
度の液体に浸漬処理することによりリード部を変形させ
ることなく、スマットを効果的に除去でき、その結果め
っき不良の発生を効果的に防止できるものであり、工業
上有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅合金製リードフレームを酸洗浄した後、
    めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温の液体
    に浸すことを特徴とするリードフレームのめっき前処理
    方法。
  2. 【請求項2】銅合金製リードフレームを酸洗浄した後、
    めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温の液体
    に浸し、次に、この液体より20℃以上高温の液体に浸
    すことを特徴とするリードフレームのめっき前処理方
    法。
  3. 【請求項3】銅合金製リードフレームを酸洗浄した後、
    めっきを施す前に、酸洗浄液より20℃以上低温の液体
    に浸し、次に、この液体より20℃以上高温の液体に浸
    すことを2回以上繰返すことを特徴とするリードフレー
    ムのめっき前処理方法。
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