JP2000129467A - 2層めっき鋼材 - Google Patents

2層めっき鋼材

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JP2000129467A
JP2000129467A JP10308758A JP30875898A JP2000129467A JP 2000129467 A JP2000129467 A JP 2000129467A JP 10308758 A JP10308758 A JP 10308758A JP 30875898 A JP30875898 A JP 30875898A JP 2000129467 A JP2000129467 A JP 2000129467A
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plated steel
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JP10308758A
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English (en)
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Katsuro Hirayama
克郎 平山
Kunihiro Fukui
国博 福井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装後のシヤー切断に際してめっき皮膜の剥
離が発生せず、塗装後端部耐食性に優れた2層めっき鋼
板を提供する。 【解決手段】 Siを0.015〜0.20%含有する
母材表面に、Feを7〜15%含有し、残部が実質的に
Znからなる付着量が20〜70g/m2 の合金化溶融
Znめっき皮膜の上に、Alを50重量%以上含有し付
着量が0.5〜15g/m2 であるAl系めっき皮膜を
備えた2層めっき鋼材。Al系めっき皮膜としてはM
n、Ti、MgおよびCrからなる群の内の1種以上を
合計で1〜50重量%含有するものが好ましく、Al−
Mn合金めっき皮膜であればさらに好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、建材、 家
電などの分野に好適なめっき皮膜の密着性に優れた2層
めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】Zn系めっき鋼材は自動車、家電、建材
の分野において幅広く使用されている。このZn系めっ
き鋼材は製造が簡単で耐食性に優れるだけでなく、その
犠牲防食能により端部や傷部等の鋼材露出部を保護し得
る機能を有しているが、さらなる耐食性の改善が求めら
れている。
【0003】この対応方法として、特開昭61−119
693号公報には、亜鉛系合金めっきの上にAlめっき
を備えた積層めっき鋼板が開示されている。
【0004】また、本発明者らは、特開平5−1714
91号公報において、Zn系めっき皮膜とAl系めっき
皮膜とを備えた2層めっき鋼材の塗装品に発生するおそ
れがある塗膜ふくれを防止できる塗装後耐食性に優れた
2層めっき鋼材を開示した。これは、上層のAlまたは
Al合金めっき層を多孔性のめっき皮膜とし、さらにそ
のめっき厚さを10g/m2 以下に制限することによ
り、下層のZn系めっき皮膜と上層のAl系めっき皮膜
との界面で発生するおそれがあった塗膜ふくれを防止す
るものであった。しかしながら、本発明者らがさらに詳
細に検討した結果、この種の2層めっき鋼板の内の一部
のもの、特に基材として特に合金化溶融Znめっきを用
いた2層めっき鋼材では、塗装後に鋼材をシャー等で切
断加工した際に生じる端部(以下、単に「切断端部」と
記す)において、めっき皮膜が剥離しやすいことが明ら
かになった。
【0005】この場合のめっき皮膜の剥離は、下層めっ
きが施される前の鋼材(以下、 単に「母材」と記す)と
の界面から下層のめっき皮膜が剥離する現象であり、こ
の部分では耐食性が著しく劣化する。めっき鋼材は塗装
後にシヤー切断されて使用されることがあるが、その際
にこのような剥離が発生するのは好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗装
後のシヤー切断に際して切断端部でめっき皮膜の剥離が
発生せず、塗装後の端部耐食性に優れた2層めっき鋼板
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは2層めっき
におけるシヤー切断時に下層のめっき皮膜が母材界面か
ら剥離する原因について種々調査した。その結果、母材
表面と下層のめっき皮膜との間の密着性を改善するに
は、母材に適量のSiを含有させるのが有効であること
を見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成され
たものであり、その要旨は下記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の2層めっき鋼材にある。
【0008】(1)Siを0.015〜0.30重量%
含有する母材の少なくとも片面に、Feを7〜15重量
%含有し、残部が実質的にZnからなる付着量が20〜
70g/m2 の合金化溶融Znめっき皮膜と、その上
の、Alを50重量%以上含有し、付着量が0.5〜1
5g/m2 であるAl系めっき皮膜とを備えたことを特
徴とする2層めっき鋼材。
【0009】(2)Siを0.015〜0.30重量%
含有する母材の少なくとも片面に、Feを7〜15重量
%含有し、残部が実質的にZnからなる付着量が20〜
70g/m2 の合金化溶融Znめっき皮膜と、その上
の、Mn、Ti、MgおよびCrからなる群の内の1種
以上を合計で1〜50重量%含有し、残部が実質的にA
lからなる付着量が0.5〜15g/m2 のAl系合金
めっき皮膜とを備えたことを特徴とする2層めっき鋼
材。
【0010】(3)Siを0.015〜0.30重量%
含有する母材の少なくとも片面に、Feを7〜15重量
%含有し、残部が実質的にZnからなる付着量が20〜
70g/m2 の合金化溶融Znめっき皮膜と、その上
の、Mnを1〜50重量%含有し、残部が実質的にAl
からなる付着量が0.5〜15g/m2 のAl−Mn合
金めっき皮膜を備えたことを特徴とする2層めっき鋼
材。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。なお、以下に述べる金属の含有量を表す%
表示は重量%を意味する。
【0012】母材にSiを0.015%以上含有させて
下層めっきすると、母材との密着性が向上し、切断端部
でのめっき剥離が著しく軽減される。この理由は定かで
はないが、母材中にSiが添加されることにより、母材
表面の結晶粒界などへのZnの拡散が促進され、これに
より生じる母材の結晶粒界などでのZn濃化部分が母材
とめっきとの界面においてめっき皮膜と母材の結合を強
化するくさびのような働きをするためではないかと推察
される。母材のSi含有量は、好ましくは0.03%以
上である。
【0013】他方、Siは鋼を硬くし、加工性を損なう
作用があるうえ、溶融めっき後に施される合金化速度を
遅くする作用があり、全体としてのめっき時の生産性が
悪化する。これを避けるために、母材へのSi含有量は
0.30%以下とする。好ましくは0.20%以下であ
る。
【0014】母材の鋼種は、Si含有量を上記の範囲と
する以外は特に限定するものではなく、炭素鋼、各種合
金鋼などを含む公知の鋼を使用することができる。特
に、プレス加工用途などであって厳しい加工が施される
場合は、C含有量が増すと鋼が硬くなり加工性が損なわ
れることがあるため、母材のC含有量は0.01%以下
にすることが好ましい。また、Mnも過度に含有させる
と鋼の加工性が阻害されるので0.8%以下とするのが
よい。母材の加工性を向上させるためにTiまたはNb
を0.1%以下含有させるのも好ましい。また、Bを
0.0050%以下含有させるのも好ましい。
【0015】本発明の2層めっき鋼材の母材の形状は、
鋼板、特に冷間圧延鋼板が好適であるが、この他、熱間
圧延鋼板や棒材、線材、管材、型材など任意の形状のも
のを用いることができる。
【0016】母材に対する適度の犠牲防食能を発揮させ
るために、母材表面には下層のめっき皮膜として、Zn
−Fe合金めっき皮膜を備える。下層めっき皮膜のFe
含有量が7%に満たない場合には、表面に未合金化層が
残存するため、十分な塗装後耐食性が得られない。この
ため、下層のめっき皮膜のFe含有量は7%以上とす
る。好ましくは、9%以上である。
【0017】下層のめっき皮膜のFe含有量が15%を
超えると合金層が著しく発達し、めっき鋼板としてのプ
レス成形性が損なわれることがある。このため、下層の
めっき皮膜のFe含有量は15%以下とする。より好ま
しくは11%以下である。
【0018】残部が実質的にZnであるとの意味は、A
l、Mgなどを、それぞれ0.3%以下含有させてもよ
いことを意味する。
【0019】下層のめっき皮膜である合金化溶融Znめ
っき皮膜の付着量が20g/m2 に満たない場合には十
分な耐食性が得られない。このため、下層のめっき皮膜
の付着量は20g/m2 以上とする。好ましくは30g
/m2 以上である。めっき付着量が70g/m2 を超え
ると合金化に時間を要し生産性が悪化するので付着量は
70g/m2 以下とする。このましくは60g/m2
下である。
【0020】上層のAl系めっきとは、Alを50%以
上含有するめっき皮膜であり、Alめっき、または、M
n、Ti、MgおよびCrからなる群の内の1種以上を
1〜50%含有し、残部が実質的にAlからなるAl系
合金めっきを意味する。耐食性向上効果を効果的に発揮
させるには、Al系合金めっき皮膜とするのがよく、中
でもAl−Mn合金とするのが好ましい。
【0021】Al系合金めっき皮膜としての合金元素の
含有量が1%に満たない場合には、塗装後耐食性がよく
ない。好ましくは10%以上である。合金元素の含有量
が50%を超えるとめっき鋼板としてのプレス加工性が
損なわれることがあるので、その含有量は50%以下と
する。好ましくは40%以下である。なお、ここでの含
有量は、合金元素として複数の元素を使用する場合に
は、それらの元素の合計量を意味する。
【0022】残部が実質的にAlである、との意味は、
上記に対する追加の元素としてZn、In、Snなどの
1種以上を合計で5%以下含有させてもよいことを意味
する。
【0023】上層のめっき皮膜の付着量が0.5g/m
2 に満たない場合には塗装後耐食性がよくない。このた
め、上層めっきの付着量は0.5g/m2 以上とする。
好ましくは1g/m2 以上である。
【0024】上層のめっき皮膜の付着量が15g/m2
を超えるとめっき皮膜の上に塗装した場合の塗膜の密着
性が損なわれることがある。このため、その上限は15
g/m2 以下とする。好ましくは10g/m2 以下であ
る。
【0025】本発明の2層めっき鋼材の下層めっきは、
常法により、母材を還元性雰囲気下で加熱した後、めっ
き浴近傍の温度まで冷却し、合金化処理温度に加熱して
合金化処理することで施すことができる。その上層めっ
きのめっき方法は公知の方法で良く、例えば溶融塩ある
いは有機溶媒を用いた電気めっき法、真空蒸着法等の方
法を用いればよい。
【0026】本発明の2層めっき鋼材は、上述の2層め
っきを鋼材の少なくとも1面に備えていればよい。本発
明の2層めっき鋼板に塗装する場合には、塗装下地処理
として、クロメート処理またはリン酸塩処理などの化成
処理を常法により施してもよく、それにより、耐食性お
よび/または塗装密着性をさらに向上させることができ
る。
【0027】
【実施例】表1に示す、本発明の条件を満たす9種類の
鋼と、本発明の条件を外れる6種類の鋼からなるスラブ
を熱間圧延し、冷間圧延してめっき母材として、厚さ
0.8mmの冷間圧延鋼板を得た。
【0028】
【表1】
【0029】これらの鋼板から、幅80mm、長さ20
0mmの大きさの試験片を採取し、溶融めっきシミュレ
ータを使用し、以下に記す条件で溶融亜鉛めっきをおこ
なった。
【0030】試験片を酸素濃度50ppm以下の窒素雰
囲気中で、15℃/秒で550℃まで加熱し、2〜30
秒間保持する予備加熱をおこない、次いで、10体積%
水素−残部窒素(露点−30℃以下)からなる雰囲気中
で、15℃/秒で600〜850℃の範囲の種々の温度
に加熱し、20秒〜60秒保持する還元焼鈍をおこなっ
た。その後440〜520℃まで放冷して溶融亜鉛めっ
きをおこなった。亜鉛めっき浴のAl濃度は0.08〜
0.16%、めっき浴の温度は460℃であり、保持時
間は2秒〜6秒とした。めっき後一旦常温まで冷却し、
誘導加熱装置により、到達温度480〜600℃の範囲
の種々の温度に加熱し、3〜90秒保持して種々の合金
化度での合金化処理を施した。合金化処理後は、放冷、
または、20〜30℃の窒素ガスを合金化処理した鋼板
表面に吹き付けることにより冷却した。その冷却速度は
2〜30℃/秒であった。
【0031】上記の合金化溶融Znめっき鋼板を基材と
して、この上に、AlCl3 −NaCl−KCl(6
1:26:13モル%)からなる混合溶融塩に、各種合
金元素の塩化物を合金元素の量として0〜5000pp
m含有させた200℃のめっき浴を用いて、電流密度を
40A/dm2 として溶融塩電解法によりAlめっきま
たはAl系合金めっきを施した。
【0032】得られた2層めっき鋼板に塗装を施し、シ
ヤー切断して切断端部でのめっき皮膜の密着性を以下の
方法で評価した。
【0033】2層めっき鋼板の試験片に、市販のカチオ
ン型電着塗料を使用して、下塗り(乾燥膜厚20μm)
→中塗り(乾燥膜厚35〜40μm)→上塗り(乾燥膜
厚35〜40μm)を施し、合計膜厚:100μm程度
の3コート塗装を施した。得られた塗装鋼板をシャーに
より切断し、切断端部からのめっき剥離幅を測定し、下
記の基準で評価した。
【0034】 ◎:剥離なし(特に良好)、 ○:0.1mm未満(良好)、 △:0.1mm以上、0.2mm未満(やや不良)、 ×:0.2mm以上(不良)。
【0035】また、上述した切断端部を含む塗装鋼板試
験片を、JIS Z2371に規定される方法にしたが
って塩水噴霧試験に供し、60日間試験した後、試験片
端部での膨れ幅の最大値を測定し、切断端部の耐食性を
以下の基準で評価した。
【0036】 ◎:最大膨れ幅0.5mm未満(特に良好)、 ○:0.5mm以上、1mm未満(良好)、 △:1mm以上、2mm未満(やや不良)、 ×:2mm以上(不良)。 めっき皮膜の構成および性能評価結果をまとめて表2に
示した。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示されている結果からわかるよう
に、本発明の規定する範囲内である試験番号1〜15に
ついては、塗装後の切断端部でのめっき皮膜の剥離幅が
0.1mm未満、さらに、切断端部での塩水噴霧試験後
のふくれ幅が1mm未満と、いずれも良好であった。め
っき母材のSi含有量が0.03%以上である場合には
切断端部でのめっき皮膜の密着性が特に良好であった。
また、上層のめっき付着量が1〜10g/m2 である場
合には塩水噴霧試験後のふくれ幅が0.5mm未満で特
に良好であった。
【0039】これに反し、いずれかの条件が本発明の規
定する範囲外であった試験番号16〜31は、塗装後の
切断端部でのめっき皮膜の剥離や、さらに塩水噴霧試験
での耐食性がよくなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の2層めっき鋼材は塗装後のシヤ
ー切断に際してめっき皮膜の剥離が発生せず、塗装後の
端部耐食性に優れている。このため、塗装後に切断加工
して使用される場合に優れた耐食性が発揮される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/16 C23C 14/16 A 28/02 28/02 C25D 3/56 C25D 3/56 Z 3/66 3/66 Fターム(参考) 4K023 AB50 BA08 DA07 DA08 4K027 AA02 AA23 AB07 AB26 AB28 AB42 AC73 AE23 AE27 4K029 AA02 AA24 BA23 BC01 CA01 4K044 AA02 AB02 BA02 BA04 BA10 BB03 BC05 CA11 CA13 CA18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siを0.015〜0.30重量%含有
    する母材の少なくとも片面に、Feを7〜15重量%含
    有し、残部が実質的にZnからなる付着量が20〜70
    g/m2 の合金化溶融Znめっき皮膜と、その上の、A
    lを50重量%以上含有し、付着量が0.5〜15g/
    2 であるAl系めっき皮膜とを備えたことを特徴とす
    る2層めっき鋼材。
  2. 【請求項2】 Siを0.015〜0.30重量%含有
    する母材の少なくとも片面に、Feを7〜15重量%含
    有し、残部が実質的にZnからなる付着量が20〜70
    g/m2 の合金化溶融Znめっき皮膜と、その上の、M
    n、Ti、MgおよびCrからなる群の内の1種以上を
    合計で1〜50重量%含有し、残部が実質的にAlから
    なる付着量が0.5〜15g/m2 のAl系合金めっき
    皮膜とを備えたことを特徴とする2層めっき鋼材。
  3. 【請求項3】 Siを0.015〜0.30重量%含有
    する母材の少なくとも片面に、Feを7〜15重量%含
    有し、残部が実質的にZnからなる付着量が20〜70
    g/m2 の合金化溶融Znめっき皮膜と、その上の、M
    nを1〜50重量%含有し、残部が実質的にAlからな
    る付着量が0.5〜15g/m2 のAl−Mn合金めっ
    き皮膜を備えたことを特徴とする2層めっき鋼材。
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Cited By (3)

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