JP2004091879A - 端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材 - Google Patents
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Abstract
【課題】端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材を提供する。
【解決手段】質量%で、Cr;35%以下、Al;10%以下、かつ、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材表面に、質量%で、Znを40%以上含む亜鉛系金属被覆を有することを特徴とする端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材である。
【効果】端面および傷部等の鋼材露出部の耐食性を大幅に改善でき、土木建材、自動車、船舶をはじめとするあらゆる用途での使用を可能とする。
【選択図】 なし
【解決手段】質量%で、Cr;35%以下、Al;10%以下、かつ、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材表面に、質量%で、Znを40%以上含む亜鉛系金属被覆を有することを特徴とする端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材である。
【効果】端面および傷部等の鋼材露出部の耐食性を大幅に改善でき、土木建材、自動車、船舶をはじめとするあらゆる用途での使用を可能とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛めっき鋼材などの亜鉛被覆鋼材は、亜鉛の犠牲防食作用および亜鉛腐食生成物自体の保護性によって鋼材の腐食を抑制できるため、建材、家電、自動車等の種々の用途に使用されている。これらの亜鉛被覆鋼材は、その端面においても赤錆発生を抑制できるが、鋼材の板厚が比較的大きい場合は、その犠牲防食作用は最早及ばず、端面において短期間で赤錆が発生し、景観を損ねる等の問題を生じる。従来においては、端面を塗装するなどして赤錆発生を抑制しているが、コスト、手間、時間を要すといった問題がある。
【0003】
そのため、これまでに種々の端面の耐食性向上策が検討されてきている。例えば、特開2002−28249号公報にあるように、溶融亜鉛めっき中にアルミニウムおよびマグネシウムを含ませて、その腐食生成物が端面部を覆うことで端面部の腐食を抑制できることが記されている。また、特開平2001−158938号公報には、溶融亜鉛めっき鋼板の鋼材中にCuを添加することで切断面の耐食性が向上できると記されている。しかし、これらの方法では、海浜地区等腐食環境が厳しい環境において、長期間に渡って赤錆発生を抑制させることはできない。一方、特開平10−280116号公報には、亜鉛めっき鋼板のせん断面比率(切断面厚み/板厚)を、板厚とめっき付着量で規定される範囲内になるように切断することで端面部の腐食を抑制できることが記されている。しかし、板厚とめっき付着量に応じて、せん断面比率を所定の範囲内にすることは、実用上非常に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決し、端面の耐食性に優れる亜鉛被覆鋼材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決手段を、種々の観点から検討してきた。その結果、亜鉛被覆鋼材を以下の通り規定することで、端面および傷部の耐食性を大幅に向上できることを見出した。その詳細は下記の通りである。
(1)質量%で、Cr;35%以下、Al;10%以下、かつ、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材表面に、質量%で、Znを40%以上含む亜鉛系金属被覆を有することを特徴とする端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
(2)前記鋼材中のCrおよびAlが、質量%で、Cr:3%以上10%以下、かつ、Al;0.1%以上1.5%以下を満足することを特徴とする前記(1)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
【0006】
(3)前記鋼材が、質量%で、C;0.05%以下、Si;5.0%以下、Mn;4%以下、P;0.08%以下、S;0.03%以下、又はN;0.02%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
(4)前記鋼材が、さらに、質量%で、Ni;0.05%以上5%以下、Cu;0.1%以上3%以下、Ti;1.0%以下、Mo;3%以下、W;3%以下、又はMg;0.03%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
【0007】
(5)前記亜鉛系金属被覆が、質量%で、Al;0.1%以上56%以下、および/または、Mg;0.1%以上15%以下、を含むことを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
(6)前記亜鉛系金属被覆が、さらに、質量%で、Si%;0.01%以上5%以下を含むことを特徴とする前記(1)〜(5)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に記載する。まず、本発明のポイントについて説明する。
本発明者らは、亜鉛系金属被覆鋼材の端面や傷部の耐食性を向上させる方法を、種々の観点から検討してきた。その結果、鋼材中に少なくともCr、Alを複合添加し、さらにその鋼材表面にZnを40%以上含有する亜鉛系金属を施すことで、端面や傷部等の耐食性を大幅に向上できることを見出した。これは、大気環境で生成する亜鉛系金属の腐食生成物が塩基性環境を形成すること、および、鋼材中にCr、Alを添加することで鋼材が不動態化しやすくなることに着目し、これらを組み合わせるとその相乗効果によって新たな機能を発現すること、つまり、端面および傷部の耐食性が向上することを見出し、発明を完成したものである。
【0009】
すなわち、本亜鉛系金属被覆鋼材における亜鉛系金属が大気環境に曝されると亜鉛系金属の腐食生成物が生成する。その腐食生成物が風雨等で流され、亜鉛系金属被覆鋼材の端面や傷部を覆うと、Cr、Alを含有している鋼材の端面および傷部は、その亜鉛系金属の腐食生成物が形成する塩基性環境によって容易に不動態化し、耐食性が大幅に向上するということである。鋼材が本発明で規定するCr、Alを含まない普通鋼である場合、端面や傷部が亜鉛系金属の腐食生成物で覆われたとしても、不動態化せずに赤錆が発生する。
【0010】
また、鋼材が本発明で規定する範囲内のCr、Alを含有していたとしても、本発明で規定する亜鉛系金属被覆以外で覆われている場合は、端面および傷部は不動態化せずに発錆する。また、亜鉛系金属被覆で覆われていたとしても、亜鉛系金属被覆中の亜鉛含有量が少なすぎる場合は、端面や傷部を不動態化させるに十分な塩基性環境を形成できず、また、亜鉛の犠牲防食作用も不十分となる。このため、本発明の亜鉛系金属被覆鋼材における亜鉛系金属中の亜鉛含有量を40%以上と規定した。なお、前記亜鉛系金属には純亜鉛も含むものとする。
【0011】
また、鋼材中のCr、Alについては、Cr;35%以下、Al;10%以下、かつ、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満たすように添加すると、本発明で規定する亜鉛系金属被覆を施した際に、端面や傷部が容易に不動態化し、その耐食性が大幅に向上させることができる。 [Cr%]/3+[Al%]/6を1以上とした理由は、それ以下では、端部や傷部が容易に不動態化しないためである。
【0012】
また、Cr単独の含有量は質量%で35%以下、Al単独の含有量は質量%で10%以下とすることが望ましく、より好ましくは、Cr;2%以上10%以下、Al;0.1%以上1.5%以下、さらに好ましくは、Cr;3%以上8%以下、Al;0.3%以上1%以下である。その理由は、Crを35%を越えて添加しても、耐食性の改善効果は飽和し、徒にコストを上昇させるだけだからである。また、Al単独の含有量は質量%で10%以下とすることが望ましい。その理由は、CrおよびAlを、上記上限を越えて添加しても、耐食性の改善効果は飽和し不経済であるばかりか、逆に材質が劣化する傾向にあるからである。
【0013】
本発明の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材は、実用上重要となる、材質、加工性といった観点から、さらに下記の条件を満足することが好ましい。
C;鋼の強度を増加させる効果がある。しかし、過剰に添加すると炭化物を生成して耐食性を劣化させるため、本発明の鋼におけるCの含有量を0.05%以下が好ましい。
【0014】
Si;鋼の強度を増加させる効果がある。しかし、過剰に添加すると加熱時に鋼表面に濃化し、溶融めっきをする際に不めっきの原因となる。そのため、本発明の鋼におけるSiの含有量を5.0%以下が好ましい。
Mn;鋼の強度および靭性を向上させる効果がある。また、Sによる熱間脆性を抑制させる効果がある。しかし、過剰に添加すると鋼の延性を低下させ、また非常に硬くなる。そのため、本発明の鋼におけるMnの含有量を4%以下が好ましい。
【0015】
P;鋼を脆化させる。そのため本発明の鋼におけるPの含有量を0.08%以下が好ましい。
S;鋼を脆化させる。そのため本発明の鋼におけるSの含有量を0.25%以下が好ましい。
N;窒化物、炭窒化物を形成し材質を劣化させる。そのため本発明の鋼におけるNの含有量を0.02%以下が好ましい。
鋼材中に、さらにNi,Cu、Ti、Mo、W、Mgを含有させることもできる。
【0016】
Ni;NiはCr、Alと複合添加させることで、その不動態化特性を向上させる。また、鋼の材質を改善する効果がある。少なすぎると添加効果が得られず、多すぎるとその効果は飽和し、不経済となる。そのため、本発明の鋼におけるNiの含有量を0.05%以上5%以下とすることが望ましい。
Cu;CuはCr、Al、Ni等と複合添加させることで、その不動態化性を向上させる。少なすぎると添加効果が得られず、多すぎると最早その効果は飽和し、不経済となる。そのため、本発明の鋼におけるCuの含有量を0.1%以上3%以下とすることが望ましい。
【0017】
Ti;TiはCと炭化物を形成し、Cr炭化物の生成を抑制し耐食性の低下を防ぐ。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和し、徒にコストを上昇させるだけである。そのため、本発明の鋼におけるTiの含有量を0.2%以下とすることが望ましい。
Mo;Moは鋼の耐食性を向上させる。しかし、過剰に添加すると、鋼の加工性を低下させる恐れがある。そのため、本発明の鋼におけるMoの含有量を3%以下とすることが望ましい。
【0018】
W;Wは鋼の耐食性を向上させる。しかし、過剰に添加すると鋼の加工性を低下させる恐れがある。そのため、本発明の鋼におけるWの含有量を3%以下とすることが望ましい。
Mg;Mgは鋼の材質を向上させる効果がある。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和するだけである。しかし、過剰に添加すると鋼の加工性を低下させる恐れがある。そのため、本発明の鋼におけるMgの含有量を0.03%以下とすることが望ましい。
【0019】
本発明の端面の耐食性に優れる溶融亜鉛被覆鋼材の基材となる鋼材は、上記成分組成を満足していれば、熱延鋼板、冷延鋼板、鋼管、棒鋼、型鋼、線材、条鋼、鋳物、鍛造品等のいかなるものでも良く、その製造方法も限定されるものではない。
本発明における上記鋼材表面を被覆する亜鉛系金属は、AlおよびMgを含むこともでき、それぞれ下記の効果がある。
【0020】
Al;Alは亜鉛系金属被覆自体の消耗速度を遅くし、亜鉛被覆鋼材の寿命を延ばす効果がある。しかし、過剰に添加すると亜鉛の消耗速度が著しく小さくなり、塩基性環境を形成する亜鉛腐食生成物による端面や傷部の耐食性を向上できなくなる可能性が高くなる。そのため、本発明における亜鉛系金属被覆中のAlの含有量を0.1%以上56%以下が好ましく、より好ましくは0.2%以上15%以下である。
【0021】
Mg;Mgは、亜鉛腐食生成物を緻密化させ、端面および傷部の耐食性を大幅に向上させる効果がある。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和する。そのため、本発明における亜鉛系金属被覆中のMgの含有量を0.1%以上15%以下が好ましく、より好ましくは0.3%以上5%以下である。
これらのAlとMgは、それぞれ単独で亜鉛系金属被覆中に加えてもその効果は発揮されるが、両方を複合添加するとその効果は一層高まる。
【0022】
また、本発明の亜鉛系金属被覆中には、さらにSiを含ませることもできる。Siは、亜鉛被覆の加工性を向上させる効果がある。また、Al、Mgとともに添加すると、耐食性を向上させる効果がある。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和するため、本発明における亜鉛系金属被覆中のSiの含有量は、Si%;0.01%以上5%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.05%以上0.5%である。
また、亜鉛系金属被覆の厚みは特に規定しないが、薄すぎるとその効果は十分でなく、厚すぎると加工性が低下する。そのため、亜鉛系金属被覆の厚みは1〜100μmとすることが好ましく、より好ましくは5〜80μmである。
【0023】
本発明の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材に用いられる亜鉛系金属被覆層としては、溶融めっき、電気めっき、溶融塩電解めっき、どぶづけめっき、溶射、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等、何でも良く、特に規定はしない。また、溶融亜鉛めっきあるいはどぶづけめっき等をする際には、亜鉛の層と鋼材の密着性を向上させるために、その間に中間層を形成させても良い。例えば、NiやCu、またNi−Cu合金等の中間層を挙げることができ、これらを形成させる方法も問わない。
【0024】
また、本発明の亜鉛被覆鋼材の上には、さらに化成処理層、樹脂層などを有することができる。化成処理層を有することで、鋼の寿命を延ばす効果が期待できる。化成処理層としては、一般に公知のクロメート層、リン酸塩処理層等が挙げられる。また、樹脂層としても一般に公知のものが使用でき、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等を主体としたものが挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて、数種のものを混ぜて使用しても良い。
【0025】
また、この樹脂の層は、りん酸亜鉛、りん酸鉄、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニウム、酸化バナジウム、ストロンチウムクロメート、ジンクロメート、シリカ等の防錆顔料を含んでも良い。樹脂の層の形成方法としては、鋼材に充分に密着させることができるものであれば何でも良い。例えば、刷毛塗り、浸漬塗装、バーコート塗装、スプレー塗装、電着塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、ダイコーター、カーテンフロー塗装、ローラーカーテン塗装等が挙げられる。
以上述べてきた本発明の端面の耐食性に優れる溶融亜鉛被覆鋼材は、土木建材、自動車、船舶等に用いる鋼材として使用できる。
【0026】
【実施例】
表1に示す鋼成分と残部がFeおよび不可避不純物からなる熱延鋼板(厚さ3.2mm)に、表1に示す組成(残部はFeおよび不可避的不純物)の溶融亜鉛めっきを施し、50×30mmのサイズに切り出した後、端面の耐食性を調べた。めっき条件は、次の通りである。
・原板昇温速度;30℃/秒
・最高加熱温度;500℃
・めっき浴温度;430℃
・浸漬時間;3秒
【0027】
端面耐食性については、SST(JIS Z 2371に従う塩水噴霧試験)を行い、500時間後の端面の赤錆発生率を、下記基準で評価した。
◎;赤錆発生率0〜10%未満
○;赤錆発生率10〜30%未満
△;赤錆発生率30〜50%未満
×;赤錆発生率50%以上
【0028】
めっき密着性については、めっき鋼板を60°折り曲げ後、テープ試験を行い、下記基準で評価した。
◎;剥離なし
○;剥離小
△;剥離大
×;全面剥離
【0029】
【表1】
【0030】
表1から明らかなように、本発明の範囲内の亜鉛被覆鋼材(実施例No.1〜27)は、端面の耐食性に優れる。
図1は、表1において亜鉛系金属被覆中の亜鉛含有率が質量%で40%以上の試験片のみの結果をプロットしたものであり、この図から、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満たす成分系であれば、端面の耐食性に優れることが明らかである。また、図2は、表1において1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満たす成分系の試験片のみの結果をプロットしたものであり、この図から、亜鉛系金属被覆中の亜鉛含有量が、質量%で40%以上であれば、端面の耐食性に優れることが分かる。
【0031】
さらに詳細に見ると、No.6とNo.8〜12の比較、およびNo.5とNo.13の比較から、鋼材中にNi、Cu、Ti、Mo、Wが含まれると耐食性が向上することが分かる。また、No.6とNo.18の比較、およびNo.7とNo.19の比較から、亜鉛系金属被覆中にAl、Mg、Siが含まれると、耐食性が向上することが分かる。ところで、[Cr%]>35%、[Al%]>10%を満たす成分系については、前記の鋼と同様に端面の耐食性に優れるが、その耐食性の改善効果はもはや飽和し、コストを上昇させるのみであるため、本実施例からは除外した。
【0032】
一方、本発明の範囲外の亜鉛被覆鋼材(比較例No.28〜38)は、端面の耐食性に劣るかあるいは加工性に劣り、実用に適さない。例えば、比較例No.37では、亜鉛系金属被覆中のZn含有量が本発明の範囲外であり、なおかつ、亜鉛系金属被覆層の厚みが薄いため、端面の耐食性に劣る。また、比較例No.38では、亜鉛系金属被覆中のZn含有量が本発明の範囲外であり、なおかつ、亜鉛系金属被覆層の厚みが厚いため、端面の耐食性および加工性に劣る。
【0033】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によって亜鉛被覆鋼材の従来からの課題であった端面および傷部等の鋼材露出部の耐食性を大幅に改善でき、土木建材、自動車、船舶をはじめとするあらゆる用途での使用を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼成分と端面耐食性の関係を示す図、
【図2】亜鉛系金属被覆層中のZn含有率と端面耐食性の関係を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛めっき鋼材などの亜鉛被覆鋼材は、亜鉛の犠牲防食作用および亜鉛腐食生成物自体の保護性によって鋼材の腐食を抑制できるため、建材、家電、自動車等の種々の用途に使用されている。これらの亜鉛被覆鋼材は、その端面においても赤錆発生を抑制できるが、鋼材の板厚が比較的大きい場合は、その犠牲防食作用は最早及ばず、端面において短期間で赤錆が発生し、景観を損ねる等の問題を生じる。従来においては、端面を塗装するなどして赤錆発生を抑制しているが、コスト、手間、時間を要すといった問題がある。
【0003】
そのため、これまでに種々の端面の耐食性向上策が検討されてきている。例えば、特開2002−28249号公報にあるように、溶融亜鉛めっき中にアルミニウムおよびマグネシウムを含ませて、その腐食生成物が端面部を覆うことで端面部の腐食を抑制できることが記されている。また、特開平2001−158938号公報には、溶融亜鉛めっき鋼板の鋼材中にCuを添加することで切断面の耐食性が向上できると記されている。しかし、これらの方法では、海浜地区等腐食環境が厳しい環境において、長期間に渡って赤錆発生を抑制させることはできない。一方、特開平10−280116号公報には、亜鉛めっき鋼板のせん断面比率(切断面厚み/板厚)を、板厚とめっき付着量で規定される範囲内になるように切断することで端面部の腐食を抑制できることが記されている。しかし、板厚とめっき付着量に応じて、せん断面比率を所定の範囲内にすることは、実用上非常に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決し、端面の耐食性に優れる亜鉛被覆鋼材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決手段を、種々の観点から検討してきた。その結果、亜鉛被覆鋼材を以下の通り規定することで、端面および傷部の耐食性を大幅に向上できることを見出した。その詳細は下記の通りである。
(1)質量%で、Cr;35%以下、Al;10%以下、かつ、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材表面に、質量%で、Znを40%以上含む亜鉛系金属被覆を有することを特徴とする端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
(2)前記鋼材中のCrおよびAlが、質量%で、Cr:3%以上10%以下、かつ、Al;0.1%以上1.5%以下を満足することを特徴とする前記(1)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
【0006】
(3)前記鋼材が、質量%で、C;0.05%以下、Si;5.0%以下、Mn;4%以下、P;0.08%以下、S;0.03%以下、又はN;0.02%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
(4)前記鋼材が、さらに、質量%で、Ni;0.05%以上5%以下、Cu;0.1%以上3%以下、Ti;1.0%以下、Mo;3%以下、W;3%以下、又はMg;0.03%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
【0007】
(5)前記亜鉛系金属被覆が、質量%で、Al;0.1%以上56%以下、および/または、Mg;0.1%以上15%以下、を含むことを特徴とする前記(1)〜(4)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
(6)前記亜鉛系金属被覆が、さらに、質量%で、Si%;0.01%以上5%以下を含むことを特徴とする前記(1)〜(5)に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に記載する。まず、本発明のポイントについて説明する。
本発明者らは、亜鉛系金属被覆鋼材の端面や傷部の耐食性を向上させる方法を、種々の観点から検討してきた。その結果、鋼材中に少なくともCr、Alを複合添加し、さらにその鋼材表面にZnを40%以上含有する亜鉛系金属を施すことで、端面や傷部等の耐食性を大幅に向上できることを見出した。これは、大気環境で生成する亜鉛系金属の腐食生成物が塩基性環境を形成すること、および、鋼材中にCr、Alを添加することで鋼材が不動態化しやすくなることに着目し、これらを組み合わせるとその相乗効果によって新たな機能を発現すること、つまり、端面および傷部の耐食性が向上することを見出し、発明を完成したものである。
【0009】
すなわち、本亜鉛系金属被覆鋼材における亜鉛系金属が大気環境に曝されると亜鉛系金属の腐食生成物が生成する。その腐食生成物が風雨等で流され、亜鉛系金属被覆鋼材の端面や傷部を覆うと、Cr、Alを含有している鋼材の端面および傷部は、その亜鉛系金属の腐食生成物が形成する塩基性環境によって容易に不動態化し、耐食性が大幅に向上するということである。鋼材が本発明で規定するCr、Alを含まない普通鋼である場合、端面や傷部が亜鉛系金属の腐食生成物で覆われたとしても、不動態化せずに赤錆が発生する。
【0010】
また、鋼材が本発明で規定する範囲内のCr、Alを含有していたとしても、本発明で規定する亜鉛系金属被覆以外で覆われている場合は、端面および傷部は不動態化せずに発錆する。また、亜鉛系金属被覆で覆われていたとしても、亜鉛系金属被覆中の亜鉛含有量が少なすぎる場合は、端面や傷部を不動態化させるに十分な塩基性環境を形成できず、また、亜鉛の犠牲防食作用も不十分となる。このため、本発明の亜鉛系金属被覆鋼材における亜鉛系金属中の亜鉛含有量を40%以上と規定した。なお、前記亜鉛系金属には純亜鉛も含むものとする。
【0011】
また、鋼材中のCr、Alについては、Cr;35%以下、Al;10%以下、かつ、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満たすように添加すると、本発明で規定する亜鉛系金属被覆を施した際に、端面や傷部が容易に不動態化し、その耐食性が大幅に向上させることができる。 [Cr%]/3+[Al%]/6を1以上とした理由は、それ以下では、端部や傷部が容易に不動態化しないためである。
【0012】
また、Cr単独の含有量は質量%で35%以下、Al単独の含有量は質量%で10%以下とすることが望ましく、より好ましくは、Cr;2%以上10%以下、Al;0.1%以上1.5%以下、さらに好ましくは、Cr;3%以上8%以下、Al;0.3%以上1%以下である。その理由は、Crを35%を越えて添加しても、耐食性の改善効果は飽和し、徒にコストを上昇させるだけだからである。また、Al単独の含有量は質量%で10%以下とすることが望ましい。その理由は、CrおよびAlを、上記上限を越えて添加しても、耐食性の改善効果は飽和し不経済であるばかりか、逆に材質が劣化する傾向にあるからである。
【0013】
本発明の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材は、実用上重要となる、材質、加工性といった観点から、さらに下記の条件を満足することが好ましい。
C;鋼の強度を増加させる効果がある。しかし、過剰に添加すると炭化物を生成して耐食性を劣化させるため、本発明の鋼におけるCの含有量を0.05%以下が好ましい。
【0014】
Si;鋼の強度を増加させる効果がある。しかし、過剰に添加すると加熱時に鋼表面に濃化し、溶融めっきをする際に不めっきの原因となる。そのため、本発明の鋼におけるSiの含有量を5.0%以下が好ましい。
Mn;鋼の強度および靭性を向上させる効果がある。また、Sによる熱間脆性を抑制させる効果がある。しかし、過剰に添加すると鋼の延性を低下させ、また非常に硬くなる。そのため、本発明の鋼におけるMnの含有量を4%以下が好ましい。
【0015】
P;鋼を脆化させる。そのため本発明の鋼におけるPの含有量を0.08%以下が好ましい。
S;鋼を脆化させる。そのため本発明の鋼におけるSの含有量を0.25%以下が好ましい。
N;窒化物、炭窒化物を形成し材質を劣化させる。そのため本発明の鋼におけるNの含有量を0.02%以下が好ましい。
鋼材中に、さらにNi,Cu、Ti、Mo、W、Mgを含有させることもできる。
【0016】
Ni;NiはCr、Alと複合添加させることで、その不動態化特性を向上させる。また、鋼の材質を改善する効果がある。少なすぎると添加効果が得られず、多すぎるとその効果は飽和し、不経済となる。そのため、本発明の鋼におけるNiの含有量を0.05%以上5%以下とすることが望ましい。
Cu;CuはCr、Al、Ni等と複合添加させることで、その不動態化性を向上させる。少なすぎると添加効果が得られず、多すぎると最早その効果は飽和し、不経済となる。そのため、本発明の鋼におけるCuの含有量を0.1%以上3%以下とすることが望ましい。
【0017】
Ti;TiはCと炭化物を形成し、Cr炭化物の生成を抑制し耐食性の低下を防ぐ。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和し、徒にコストを上昇させるだけである。そのため、本発明の鋼におけるTiの含有量を0.2%以下とすることが望ましい。
Mo;Moは鋼の耐食性を向上させる。しかし、過剰に添加すると、鋼の加工性を低下させる恐れがある。そのため、本発明の鋼におけるMoの含有量を3%以下とすることが望ましい。
【0018】
W;Wは鋼の耐食性を向上させる。しかし、過剰に添加すると鋼の加工性を低下させる恐れがある。そのため、本発明の鋼におけるWの含有量を3%以下とすることが望ましい。
Mg;Mgは鋼の材質を向上させる効果がある。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和するだけである。しかし、過剰に添加すると鋼の加工性を低下させる恐れがある。そのため、本発明の鋼におけるMgの含有量を0.03%以下とすることが望ましい。
【0019】
本発明の端面の耐食性に優れる溶融亜鉛被覆鋼材の基材となる鋼材は、上記成分組成を満足していれば、熱延鋼板、冷延鋼板、鋼管、棒鋼、型鋼、線材、条鋼、鋳物、鍛造品等のいかなるものでも良く、その製造方法も限定されるものではない。
本発明における上記鋼材表面を被覆する亜鉛系金属は、AlおよびMgを含むこともでき、それぞれ下記の効果がある。
【0020】
Al;Alは亜鉛系金属被覆自体の消耗速度を遅くし、亜鉛被覆鋼材の寿命を延ばす効果がある。しかし、過剰に添加すると亜鉛の消耗速度が著しく小さくなり、塩基性環境を形成する亜鉛腐食生成物による端面や傷部の耐食性を向上できなくなる可能性が高くなる。そのため、本発明における亜鉛系金属被覆中のAlの含有量を0.1%以上56%以下が好ましく、より好ましくは0.2%以上15%以下である。
【0021】
Mg;Mgは、亜鉛腐食生成物を緻密化させ、端面および傷部の耐食性を大幅に向上させる効果がある。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和する。そのため、本発明における亜鉛系金属被覆中のMgの含有量を0.1%以上15%以下が好ましく、より好ましくは0.3%以上5%以下である。
これらのAlとMgは、それぞれ単独で亜鉛系金属被覆中に加えてもその効果は発揮されるが、両方を複合添加するとその効果は一層高まる。
【0022】
また、本発明の亜鉛系金属被覆中には、さらにSiを含ませることもできる。Siは、亜鉛被覆の加工性を向上させる効果がある。また、Al、Mgとともに添加すると、耐食性を向上させる効果がある。しかし、過剰に添加してもその効果は飽和するため、本発明における亜鉛系金属被覆中のSiの含有量は、Si%;0.01%以上5%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.05%以上0.5%である。
また、亜鉛系金属被覆の厚みは特に規定しないが、薄すぎるとその効果は十分でなく、厚すぎると加工性が低下する。そのため、亜鉛系金属被覆の厚みは1〜100μmとすることが好ましく、より好ましくは5〜80μmである。
【0023】
本発明の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材に用いられる亜鉛系金属被覆層としては、溶融めっき、電気めっき、溶融塩電解めっき、どぶづけめっき、溶射、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等、何でも良く、特に規定はしない。また、溶融亜鉛めっきあるいはどぶづけめっき等をする際には、亜鉛の層と鋼材の密着性を向上させるために、その間に中間層を形成させても良い。例えば、NiやCu、またNi−Cu合金等の中間層を挙げることができ、これらを形成させる方法も問わない。
【0024】
また、本発明の亜鉛被覆鋼材の上には、さらに化成処理層、樹脂層などを有することができる。化成処理層を有することで、鋼の寿命を延ばす効果が期待できる。化成処理層としては、一般に公知のクロメート層、リン酸塩処理層等が挙げられる。また、樹脂層としても一般に公知のものが使用でき、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等を主体としたものが挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて、数種のものを混ぜて使用しても良い。
【0025】
また、この樹脂の層は、りん酸亜鉛、りん酸鉄、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニウム、酸化バナジウム、ストロンチウムクロメート、ジンクロメート、シリカ等の防錆顔料を含んでも良い。樹脂の層の形成方法としては、鋼材に充分に密着させることができるものであれば何でも良い。例えば、刷毛塗り、浸漬塗装、バーコート塗装、スプレー塗装、電着塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、ダイコーター、カーテンフロー塗装、ローラーカーテン塗装等が挙げられる。
以上述べてきた本発明の端面の耐食性に優れる溶融亜鉛被覆鋼材は、土木建材、自動車、船舶等に用いる鋼材として使用できる。
【0026】
【実施例】
表1に示す鋼成分と残部がFeおよび不可避不純物からなる熱延鋼板(厚さ3.2mm)に、表1に示す組成(残部はFeおよび不可避的不純物)の溶融亜鉛めっきを施し、50×30mmのサイズに切り出した後、端面の耐食性を調べた。めっき条件は、次の通りである。
・原板昇温速度;30℃/秒
・最高加熱温度;500℃
・めっき浴温度;430℃
・浸漬時間;3秒
【0027】
端面耐食性については、SST(JIS Z 2371に従う塩水噴霧試験)を行い、500時間後の端面の赤錆発生率を、下記基準で評価した。
◎;赤錆発生率0〜10%未満
○;赤錆発生率10〜30%未満
△;赤錆発生率30〜50%未満
×;赤錆発生率50%以上
【0028】
めっき密着性については、めっき鋼板を60°折り曲げ後、テープ試験を行い、下記基準で評価した。
◎;剥離なし
○;剥離小
△;剥離大
×;全面剥離
【0029】
【表1】
【0030】
表1から明らかなように、本発明の範囲内の亜鉛被覆鋼材(実施例No.1〜27)は、端面の耐食性に優れる。
図1は、表1において亜鉛系金属被覆中の亜鉛含有率が質量%で40%以上の試験片のみの結果をプロットしたものであり、この図から、1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満たす成分系であれば、端面の耐食性に優れることが明らかである。また、図2は、表1において1≦[Cr%]/3+[Al%]/6を満たす成分系の試験片のみの結果をプロットしたものであり、この図から、亜鉛系金属被覆中の亜鉛含有量が、質量%で40%以上であれば、端面の耐食性に優れることが分かる。
【0031】
さらに詳細に見ると、No.6とNo.8〜12の比較、およびNo.5とNo.13の比較から、鋼材中にNi、Cu、Ti、Mo、Wが含まれると耐食性が向上することが分かる。また、No.6とNo.18の比較、およびNo.7とNo.19の比較から、亜鉛系金属被覆中にAl、Mg、Siが含まれると、耐食性が向上することが分かる。ところで、[Cr%]>35%、[Al%]>10%を満たす成分系については、前記の鋼と同様に端面の耐食性に優れるが、その耐食性の改善効果はもはや飽和し、コストを上昇させるのみであるため、本実施例からは除外した。
【0032】
一方、本発明の範囲外の亜鉛被覆鋼材(比較例No.28〜38)は、端面の耐食性に劣るかあるいは加工性に劣り、実用に適さない。例えば、比較例No.37では、亜鉛系金属被覆中のZn含有量が本発明の範囲外であり、なおかつ、亜鉛系金属被覆層の厚みが薄いため、端面の耐食性に劣る。また、比較例No.38では、亜鉛系金属被覆中のZn含有量が本発明の範囲外であり、なおかつ、亜鉛系金属被覆層の厚みが厚いため、端面の耐食性および加工性に劣る。
【0033】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によって亜鉛被覆鋼材の従来からの課題であった端面および傷部等の鋼材露出部の耐食性を大幅に改善でき、土木建材、自動車、船舶をはじめとするあらゆる用途での使用を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼成分と端面耐食性の関係を示す図、
【図2】亜鉛系金属被覆層中のZn含有率と端面耐食性の関係を示す図である。
Claims (6)
- 質量%で、
Cr;35%以下、
Al;10%以下、かつ
1≦[Cr%]/3+[Al%]/6
を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼材表面に、質量%で、Znを40%以上含む亜鉛系金属被覆を有することを特徴とする端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。 - 前記鋼材中のCrおよびAlが、質量%で、
Cr:3%以上10%以下かつAl;0.1%以上1.5%以下を満足することを特徴とする請求項1に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。 - 前記鋼材が、質量%で、
C;0.05%以下、
Si;5.0%以下、
Mn;4%以下、
P;0.08%以下、
S;0.03%以下、
又はN;0.02%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。 - 前記鋼材が、さらに、質量%で、
Ni;0.05%以上5%以下、
Cu;0.1%以上3%以下、
Ti;1.0%以下、
Mo;3%以下、
W;3%以下、
又はMg;0.03%以下の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。 - 前記亜鉛系金属被覆が、質量%で、Al;0.1%以上56%以下、および/または、Mg;0.1%以上15%以下を含むことを特徴とする請求項1〜4に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
- 前記亜鉛系金属被覆が、さらに、質量%で、Si%;0.01%以上5%以下を含むことを特徴とする請求項1〜5に記載の端面および傷部の耐食性に優れる亜鉛系金属被覆鋼材。
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JP2006037201A (ja) * | 2004-07-29 | 2006-02-09 | Kobe Steel Ltd | 耐食性に優れた船舶用鋼材 |
JP2012135817A (ja) * | 2005-08-08 | 2012-07-19 | Kobe Steel Ltd | 耐食性に優れた溶接継手および溶接構造体 |
JP2017057499A (ja) * | 2015-09-14 | 2017-03-23 | Jfeスチール株式会社 | 亜鉛めっき鋼管 |
WO2020083722A1 (en) * | 2018-10-25 | 2020-04-30 | Tata Steel Nederland Tubes Bv | Method of providing a zinc alloy coating on a steel tube in a continuous processing line |
-
2002
- 2002-09-02 JP JP2002256417A patent/JP2004091879A/ja active Pending
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