JP2017057499A - 亜鉛めっき鋼管 - Google Patents
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前記素管は、質量%で、C:0.02〜0.05%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.30〜0.55%、Cu:0.01〜0.17%、Cr:0.001〜0.07%、Al:0.005〜0.05%、P:0.024%以下、S:0.005%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
前記亜鉛めっき層は、ζ層が柱状組織であり、かつΓ層が形成されていない鉄亜鉛合金層を含み、平均厚さが27〜56μmの範囲であることを特徴とする亜鉛めっき鋼管。
以下に、本発明の溶融亜鉛めっき鋼管における素管の成分を限定する理由について述べる。なお、以下において成分量の%表示は、特にことわらない限り質量%を意味する。
Cは鋼管の強度を増加させる元素であり、本発明では所定の強度を得るためにC含有量は0.02%以上とする。一方、C含有量は、0.05%を超えると加工性が低下するため、0.05%以下とする。
Siは、亜鉛めっき層中の鉄亜鉛合金層のζ層を柱状組織にするために含有する。また、Siを含有することで合金層の発達が促進されるために、亜鉛めっき厚を規定の厚みにコントロールする必要から範囲は、Si含有量は0.15〜0.25%にする。この範囲を超えるとめっき厚をコントロール出来なくなるばかりか、めっきヤケを生じ製品外観が損なわれる。
Mnは、鋼管を所望の強度とするために、本発明でMn含有量は0.30%以上とする。Mn含有量は0.55%を超えると加工性が低下し、切削ねじ加工時にムシレが発生しやすくなるため、0.55%以下とする。好ましくは、Mn含有量は0.30〜0.45%とする。
Cuは亜鉛めっき前の前処理時の鋼管の過溶解を抑制し、フラックスによる鋼管表面の清浄化作用を維持させるために含有する。この作用は、Cu含有量を0.01%以上とすることで得られるため、Cu含有量は0.01%以上とする。一方、Cu含有量は0.17%を超えると鋼管製造時、特に、熱間加工の際、加工きずが生じる。そのため、Cu含有量は0.17%以下とする。好ましくは、Cu含有量は0.06%以下である。より具体的には、素管を電縫鋼管とする場合には、Cu含有量は0.17%以下とし、素管を鍛接鋼管とする場合には、Cu含有量は0.06%以下とすることが好ましい。
Crは、強度向上及び耐食性を目的として含有する元素であるが、Cr含有量が0.001%未満では顕著な効果が得られない。また、Cr含有量が0.07%を超えると優れた溶接性が得られない。そのため、Cr含有量は、0.001%以上0.07%以下とする。好ましくは、Cr含有量は0.06%以下とする。
Alは脱酸剤として有効かつ重要な元素である。Al含有量は、0.005%未満では、脱酸が不十分であるため、0.005%以上とする。一方、Al含有量は、0.050%を超えると鋼の靭性が低下するため、0.05%以下とする。
Pは鋼中に不純物として存在し、P含有量は0.024%を超えると靭性が低下して加工時の鋼管割れの原因なるため、0.024%以下にする。
Sは鋼中に不純物として存在し、S含有量は0.005%を超えると加工性が低下して鋼管割れの原因なるため、0.005%以下にする。
以上の成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
Caは、介在物の形態制御によって延性および靭性を向上させる作用がある。しかし、Ca含有量が0.0002%未満ではその効果がなく、0.0050%を超えると靭性が劣化する場合がある。そのため、Caを含有する場合は、Ca含有量は0.0002〜0.0050%とすることが好ましい。耐食性向上の観点からは、Ca含有量は0.001〜0.0050%とすることがより好ましい。
Niは、Cuと複合添加することにより、熱間加工性の劣化を抑制する働きがある。しかし、Ni含有量が0.01%未満では効果がなく、0.50%を超えるとコストの上昇を招く。そのため、Niを含有する場合は、Ni含有量は0.01〜0.50%とすることが好ましい。
次に、前述した素管表面に形成される亜鉛めっき層について説明する。本発明の亜鉛めっき鋼管の素管表面に形成される亜鉛めっき層は、ζ層が柱状組織であり、かつΓ層が形成されていない鉄亜鉛合金層を含み、平均厚さが27〜56μmの範囲である。従来の亜鉛めっき層における鉄亜鉛合金層は、Γ層、δ層、ζ層、η層が素管表面側から順に形成されるが、本発明では、Γ層が形成されず、ζ層が柱状組織であることを特徴とする。
ζ層が柱状組織であることで、鉄地が延伸した場合、ζ層の柱状組織にそって合金層断面に対して垂直方向の微細クラックが入り、亜鉛めっき層全体の剥離、破壊を抑制しつつ亜鉛めっき層を延伸することができ、鋼管は加工性に優れる。そのため、本発明では、亜鉛めっき層中のζ層は柱状組織とする。
Γ層は鉄の割合が多い鉄亜鉛合金層であるため、鉄地界面にΓ層が形成されると、加工時、Γ層を起点に亜鉛めっき層が剥離し、良好な加工特性が得られない。そのため、本発明では、亜鉛めっき層にΓ層を形成させない。ここで、Γ層の形成状態は、走査型電子顕微鏡を用い、倍率800倍で観察することにより確認することができる。また、Γ層は、めっき温度465℃以下、時間140秒未満にすることによって形成しないように調整することができる。
本発明では、亜鉛めっき層の平均厚さ(めっき厚さ)が56μmを超えるとフレア加工等の高加工時に亜鉛めっき層と鉄地界面に加わる応力によりめっきが剥離する。また、めっき厚さが27μm未満では、JIS G3452で規定されるめっき試験をクリアできない。そのため、亜鉛めっき層の平均厚さは、27〜56μmにする。ここで、亜鉛めっき層の平均厚さは、JISH0401の5.2(間接法)、または直接法磁力式厚さ試験方法に基づいて、管周方向8点の平均値にて測定することができる。また、この平均厚さは亜鉛めっき時のめっき浴温度及び浸漬時間によって調整することができる。
次に、本発明における亜鉛めっき鋼管の製造方法について説明する。以下では、素管に溶融亜鉛めっきを施す場合を例に挙げるが、本発明の亜鉛めっき鋼管は、溶融亜鉛めっき鋼管に限定されない。また、以下では、素管として鍛接鋼管および電縫鋼管を例に挙げて説明する。
Claims (5)
- 素管表面に亜鉛めっき層が形成された亜鉛めっき鋼管であり、
前記素管は、質量%で、C:0.02〜0.05%、Si:0.15〜0.25%、Mn:0.30〜0.55%、Cu:0.01〜0.17%、Cr:0.001〜0.07%、Al:0.005〜0.05%、P:0.024%以下、S:0.005%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
前記亜鉛めっき層は、ζ層が柱状組織であり、かつΓ層が形成されていない鉄亜鉛合金層を含み、平均厚さが27〜56μmの範囲であることを特徴とする亜鉛めっき鋼管。 - 前記素管は、質量%で、さらにCa:0.0002〜0.0050%、Ni:0.01〜0.50%の両方もしくはいずれか一方を含有することを特徴とする請求項1に記載の亜鉛めっき鋼管。
- 前記素管が電縫鋼管であることを特徴とする請求項1または2に記載の亜鉛めっき鋼管。
- 前記素管は、質量%で、Cu:0.01〜0.06%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の亜鉛めっき鋼管。
- 前記素管が鍛接鋼管であることを特徴とする請求項4に記載の亜鉛めっき鋼管。
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