JP2000129121A - 振動溶着用樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

振動溶着用樹脂組成物及び成形品

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JP2000129121A
JP2000129121A JP30650798A JP30650798A JP2000129121A JP 2000129121 A JP2000129121 A JP 2000129121A JP 30650798 A JP30650798 A JP 30650798A JP 30650798 A JP30650798 A JP 30650798A JP 2000129121 A JP2000129121 A JP 2000129121A
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nylon
vibration welding
resin composition
weight
parts
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JP30650798A
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English (en)
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Hideo Matsuoka
英夫 松岡
Shigeru Okita
茂 沖田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリ
ン性、耐摩耗性、などナイロン樹脂本来の特性にも均衡
して優れた振動溶着に適したナイロン樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 (A)ナイロン樹脂100重量部に対し
て、(B)下記一般式(1)又は(2)で表されるプロ
ピレングリコール変性シリコーンオイル0.1〜50重
量部、及び(C)平均繊維径5〜15μmのガラス繊維
10〜150重量部、好ましくは、さらに(D)銅化合
物0.01〜3重量部を溶融混練することにより振動溶
着用樹脂組成物を製造する。 【化1】 【化2】 (R1 は炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、
アリール基又はアラルキル基。R2 は炭素数1〜30の
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基又はアラ
ルキレン基。R3 は水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基又
はアリール基。nは1〜10000の自然数。mは1〜
1000の自然数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、成形品表
面外観、寸法安定性、振動溶着性が均衡して優れた溶着
用樹脂組成物に関し、更には2つ以上の溶融成形品を振
動溶着して得られる中空成形体などに適したナイロン樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン樹脂は、その優れた成形性、耐
熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐摩耗性などを
利用して、自動車、機械部品の分野で広範に利用されて
いる。この分野でのナイロン樹脂の開発経緯は基本的に
は金属材料からの代替が主体であり、軽量化、防錆化な
どの利点の多い部品から実用化が進んできた。更に最近
はナイロン樹脂材料の高性能化および成形加工技術の進
展に伴って、大型且つ複雑形状で、従来技術では樹脂化
が困難とされてきた部品へのナイロン樹脂の適用が検討
されるようになっている。このような難度の高い部品を
樹脂化するためには射出成形や押し出し成形、ブロー成
形などの単独成形技術だけでは不十分であり、切削、接
着、溶着などの後加工技術を組み合わせることが必要と
なる。しかし、従来のナイロン樹脂材料の設計はかかる
後加工への適用性まで考慮したものとは言えず、たとえ
ば2つ以上のパーツからなるガラス繊維強化ナイロン樹
脂成形品を振動溶着法などによって溶着して用いる場
合、特に部品が大型の場合には溶着部分の強度が不十分
であるために使用が制限されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
のナイロン樹脂における問題点であった振動溶着性の改
良を課題とする。特に振動溶着時の溶着条件が変化して
も安定的に高い溶着部強度が発現でき、製造安定性の向
上を具現せしめることを課題とする。更に成形性、耐熱
性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐摩耗性、成形品
表面平滑性などナイロン樹脂本来の特性に優れ、かつ振
動溶着に適したナイロン樹脂組成物を得ることを課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の課題を解決すべく検討した結果、ガラス繊維強化ナイ
ロン樹脂組成物において特定の構造を有する変性シリコ
ーンオイルを添加し、必要に応じて、銅化合物の添加す
ることにより上記した課題が達成できることを見出し本
発明に到達した。
【0005】即ち本発明は、(1) (A)ナイロン樹
脂100重量部に対して、(B)下記一般式(1)又は
(2)で表されるプロピレングリコール変性シリコーン
オイル0.1〜50重量部、及び(C)平均繊維径5〜
15μmのガラス繊維10〜150重量部からなる振動
溶着用樹脂組成物、
【化3】
【化4】 (ここで、上記式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル
基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表
す。R2 は炭素数1〜30のアルキレン基、アルケニレ
ン基、アリーレン基又はアラルキレン基を、R3 は水素
原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルカルボニル
基、アルケニルカルボニル基又はアリール基を表す。n
は1〜10000の自然数、mは1〜1000の自然数
を表す。)(2) (B)成分のプロピレングリコール
変性シリコーンオイルの添加量が0.1〜30重量部で
ある前記(1)記載の振動溶着用樹脂組成物、(3)
(B)成分であるプロピレングリコール変性シリコーン
オイルが、一般式(2)で表される構造である前記
(1)又は(2)記載の振動溶着用樹脂組成物、(4)
ナイロン樹脂100重量部に対して、(D)銅化合物
0.01〜3重量部をさらに含有してなる前記(1)〜
(3)のいずれかに記載の振動溶着用樹脂組成物、
(5) 銅化合物が1価の銅化合物である前記(4)記
載の溶着用樹脂組成物、(6) 1価の銅化合物がハロ
ゲン化第1銅である前記(5)記載の振動溶着用樹脂組
成物、(7) ナイロン樹脂がナイロン66、ナイロン
6およびそれらを主成分とする共重合ナイロンの中から
選ばれた少なくとも1種である前記(1)〜(6)のい
ずれかに記載の振動溶着用樹脂組成物、(8) (A)
成分のナイロン樹脂が、(a)ナイロン66、ナイロン
6およびそれらを主成分とする共重合ナイロンの中から
選ばれた少なくとも1種のナイロン樹脂99〜50重量
%、および、(b)前記(a)以外の高級ナイロンおよ
び半芳香族ナイロンの中から選ばれた少なくとも1種の
ナイロン樹脂1〜50重量%からなる前記(1)〜
(6)のいずれかに記載の振動溶着用樹脂組成物、
(9) 振動溶着時の加圧力の3倍増加時の溶着強度変
化率が10%以下である前記(1)〜(8)のいずれか
に記載の振動溶着用樹脂組成物、(10) (A)ナイ
ロン樹脂100重量部に対して、(B)一般式(1)及
び/又は(2)で表されるプロピレングリコール変性シ
リコーンオイル0.1〜50重量部、(C)平均繊維径
5〜15μmのガラス繊維10〜150重量部、及び必
要に応じて(D)銅化合物0.01〜3重量部を溶融混
練することにより、又は、(B)成分のみを外添し他成
分は溶融混練することにより振動溶着用樹脂組成物を製
造する振動溶着用樹脂組成物の製造方法、(11) 前
記(1)〜(9)のいずれかに記載の振動溶着用樹脂組
成物からなる振動溶着用樹脂成形品、(12) 前記
(1)〜(9)のいずれかに記載の振動溶着用樹脂組成
物からなる振動溶着用樹脂成形品を振動溶着してなる樹
脂成形体、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0007】本発明で用いられる(A)ナイロン樹脂
は、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン
酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要
構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、1
1−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パ
ラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラ
クタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル
ペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウン
デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,
2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメ
チル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチ
ル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノ
プロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの
脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフ
タル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明
においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモ
ポリマー又はコポリマーを各々単独又は混合物の形で用
いることができる。
【0008】本発明において、とくに有用なナイロン樹
脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチ
レンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキ
サメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサ
メチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメ
チレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー
(ナイロン6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナ
イロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/
ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイ
ロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポ
リヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレ
ンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/
6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘ
キサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6
T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポ
リ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミドコポ
リマー(ナイロン6T/M5T)、ポリキシリレンアジ
パミド(ナイロンXD6)、ポリノナメチレンテレフタ
ルアミド(ナイロン9T)およびこれらの混合物ないし
共重合体などが挙げられる。
【0009】とりわけ好ましいものとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6/66コポリマー、ナイ
ロン610、またナイロン6T/66コポリマー、ナイ
ロン6T/6Iコポリマー、ナイロン6T/6コポリマ
ーなどのヘキサメチレテレフタラミド単位を有する共重
合体を挙げることができ、更にこれらのナイロン樹脂を
成形性、耐熱性、振動溶着性などの必要特性に応じて混
合物として用いることも実用上好適である。
【0010】また、混合物として用いる場合、(a)ナ
イロン66、ナイロン6およびそれらを主成分とする共
重合ナイロンの中から選ばれた少なくとも1種のナイロ
ン樹脂99〜50重量%、および、(b)前記(a)以
外のナイロン610、ナイロン612などの高級ナイロ
ンおよびナイロン6T/6、ナイロン6T/66、ナイ
ロン66/6I、ナイロン66/6T/6I、ナイロン
6T/6I、ナイロン6T/M5Tなどの半芳香族ナイ
ロンの中から選ばれた少なくとも1種のナイロン樹脂1
〜50重量%からなるような形で用いることが振動溶着
性の点で好ましい。
【0011】これらナイロン樹脂の重合度にはとくに制
限がないが、通常は1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定
した相対粘度が、1.5〜5.0の範囲のものが好まし
く、特に2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
【0012】本発明においてプロピレングリコール変性
シリコーンオイルとして使用される化合物は、下記一般
式(1)又は(2)で表される。
【化5】
【化6】
【0013】上記式中、R1 は炭素数1〜30のアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表
す。R2 は炭素数1〜30のアルキレン基、アルケニレ
ン基、アリーレン基又はアラルキレン基を、R3 は水素
原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルカルボニル
基、アルケニルカルボニル基又はアリール基を表す。R
3 のアルキル基、アルケニル基の炭素数は、通常1〜6
0、好ましくは5〜30である。また、アルキルカルボ
ニル基、アルケニルカルボニル基の炭素数は、通常2〜
60、好ましくは5〜30である。アリール基の炭素数
は、通常6〜60、好ましくは6〜30であり、特に好
ましくはフェニル基である。また、nは1〜10000
の自然数を表し、好ましくは1〜1000、より好まし
くは1〜200、特に好ましくは1〜100である。m
は1〜1000の自然数を表し、好ましくは1〜20
0、より好ましくは1〜100、特に好ましくは5〜1
00である。
【0014】これら一般式(1)又は(2)で表される
プロピレングリコール変性シリコーンオイルは2種類以
上併用することも可能である。
【0015】かかる(B)プロピレングリコール変性シ
リコーンオイルの配合量は、(A)ポリアミド樹脂10
0重量部に対し、(B)プロピレングリコール変性シリ
コーンオイル0.1〜50重量部の範囲が選択され、特
に0.1〜30重量部の範囲が好ましい。添加量が0.
1重量部未満では、得られる樹脂組成物の振動溶着性が
不十分であり、また50重量部を越えると溶融成形時の
揮散や耐熱性の低下などの悪影響が顕在化するので、所
期の目的が達成困難である。
【0016】本発明の(C)成分として用いられるガラ
ス繊維は、一般の樹脂強化用に用いるものなら特に制限
はなく、例えば長繊維タイプや単繊維タイプのチョップ
ドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用い
ることができる。繊維径についても制限はないが5〜1
5μmの範囲のものが好適に用いられる。これらのガラ
ス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などや熱硬化性
樹脂で被覆あるいは収束されていてもよく、シラン系、
チタネート系カップリング剤、その他の表面処理剤で処
理されているものが特に好適に用いられる。本発明の樹
脂組成物中の全ガラス繊維含有量はナイロン樹脂100
重量部に対して10〜150重量部の範囲であり、20
〜80重量部の範囲が更に好ましい。
【0017】本発明で用いられる(D)成分の銅化合物
の具体的な例としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化
第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫
酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第
二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香
酸第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジア
ミン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミ
ダゾールなどとの錯化合物などが挙げられる。なかでも
1価の銅化合物とりわけ1価のハロゲン化銅化合物が好
ましく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などを特に好適な銅
化合物として例示できる。
【0018】銅化合物の添加量は生成する樹脂組成物の
成形品を振動溶着法で溶着した後アニーリングした際の
溶着部強度保持率を向上せしめるに足る量であればよ
く、通常ナイロン樹脂100重量部に対して0.01〜
3重量部が配合され、好ましくは0.015〜2重量
部、特に好ましくは0.02〜2重量部の範囲である。
銅化合物の添加量が0.01重量部に満たないと溶着し
た後アニーリングした際の溶着部強度保持率が不足とな
る傾向があり、逆に3重量部を越えると溶融成形時に金
属銅の遊離が起こり、着色により製品の価値を減ずるこ
とになる。
【0019】本発明では銅化合物と併用する形でハロゲ
ン化アルカリを添加することも可能である。このハロゲ
ン化アルカリ化合物の例としては、塩化リチウム、臭化
リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウ
ム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナト
リウムなどを挙げることができ、ヨウ化カリウム、ヨウ
化ナトリウムが特に好ましい。これには通常ナイロン樹
脂100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲であ
ることが好ましく、さらに0.05〜3重量部の範囲で
あることが特に好ましい。
【0020】本発明においては上記の特定のガラス繊維
以外にも繊維状/非繊維状無機強化材を添加することも
可能であり、それら強化剤の具体例としては、炭素繊
維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸ア
ルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素
繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、
金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオラ
イト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロ
フィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アル
ミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化
鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビ
ーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素および
シリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空
であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併
用することも可能である。また、これら繊維状/非繊維
状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合
物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エ
ポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用
することは、より優れた機械的強度を得る意味において
好ましい。
【0021】さらに、本発明のナイロン樹脂組成物に
は、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテル
エーテルケトンなどの結晶核剤、次亜リン酸塩などの着
色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンな
どの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線防止剤、着色剤、な
どの添加剤を添加することができる。
【0022】本発明のナイロン樹脂組成物の調製方法は
特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例と
して原料のナイロン樹脂、変性シリコーンオイル、ガラ
ス繊維、及び必要に応じて銅化合物を混合し、単軸ある
いは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよ
びミキシングロールなどの通常の溶融混練機に供給し
て、用いるナイロン樹脂の融点に応じて220〜330
℃の温度で溶融混練する方法などを挙げることができ
る。なお、変性シリコーンオイルは溶融混練の後に添加
することもできる。
【0023】このようにして得られた本発明のナイロン
樹脂組成物は、耐熱性、成形製品表面外観、寸法安定
性、振動溶着性が均衡して優れたものであり、射出成形
や押し出し成形、ブロー成形で得られた成形品を振動溶
着法などによって溶着して用いる場合に特に有用であ
る。特に振動溶着時の加圧力のような溶着条件が変化し
ても安定的に高い溶着部強度が発現できるので、製造安
定性を向上させることができる。そのためには、振動溶
着時の加圧力の3倍増加時の溶着強度変化率が10%以
下、さらに8%以下、特に5%以下が好ましい。
【0024】以上のような利点を生かした本発明のナイ
ロン樹脂組成物は、たとえば自動車のインテークマニホ
ールドなどの吸気系部品、ウォーターインレット、ウォ
ーターアウトレットなどの冷却系部品、フューエルイン
ジェクション、フューエルデリバリーパイプなどの燃料
系部品、オイルタンクなどの容器類といった中空形状部
品用などに好適に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。また、実施例及び比較例中に示された配
合割合は全て重量部である。
【0026】また、以下の実施例において材料強度、流
動性、振動溶着強度の評価は、次の方法により行った。 (1)材料強度 以下の標準方法に従って測定した。 引張強度 :ASTM D638 曲げ弾性率 :ASTM D790 (2)流動性 幅10mm、厚さ2mm、全長600mmの渦巻き形状
を有するスパイラルフロー測定金型を用い、射出成形温
度をナイロン樹脂(配合量の多い種類)の融点+20
℃、射出成形圧力30kgf/cm2 G、金型温度80
℃の条件下で材料を射出成形した際に金型内を流れた距
離を測定して流動性の指標とした。流動長が長いほど流
動性が良好であることを示す。
【0027】(3)振動溶着性 溶着強度評価に用いた試験片の形状は図1、図2に示す
とおりである。また、図1に示す試験片の溶着面には、
幅1.5mm、高さ2.5mmのリブを設けてあり、溶着の
際には摩擦によりリブが溶融して接合される。図1、図
2に示す形状の試験片を成形し、ブランソン社製285
0型振動溶着装置を用いて以下の条件で溶着した。 振動数: 240Hz 加圧力: 100kgf(10kg/cm2 )、又は300
kgf(30kg/cm2 ) 振幅 : 1.5mm 溶着代: 1.5mm 溶着によって得られた中空成形品の形状を図3に示す。
加圧力100kgfで振動溶着して得られた中空成形
品、及び、加圧力300kgfで振動溶着して得られた
中空成形品のそれぞれについて、次の方法で溶着強度を
測定した。中空成形品の中に水を充填し、水槽中にて中
空成形品に内圧をかけ、破裂時の圧力を溶着強度とす
る。得られた溶着強度から、振動溶着時の加圧力の3倍
増加時の溶着強度変化率(加圧力依存性の変化率)を下
記式により求める。 [加圧力依存性の変化率]=[|加圧力100kgf溶
着品の溶着強度−加圧力300kgf溶着品の溶着強度
|÷加圧力100kgf溶着品の溶着強度]×100
(%) 更に、加圧力100kgfで溶着した試験片を加熱オー
ブン中で150℃/10時間処理した後の溶着部強度を
上記と同様に測定し、その強度保持率を算出した。
【0028】なお、実施例中で使用されるプロピレング
リコール変性シリコーンオイル化合物の構造と略記号を
以下に示す。
【化7】 (a−1):上記一般式(3)において、xの平均値が
30で、yの平均値が10であるプロピレングリコール
変性シリコーンオイル化合物。 (a−2):上記一般式(3)において、xの平均値が
20で、yの平均値が20であるプロピレングリコール
変性シリコーンオイル化合物。
【0029】[実施例1〜8、比較例1〜4]ナイロン
樹脂、変性シリコーンオイル、ガラス繊維(繊維径13
μm)および銅化合物を表1に示すように混合し、日本
製鋼所製TEX30型2軸押し出し機を用いてシリンダ
ー温度250〜300℃、スクリュー回転数150rp
mで溶融混練を行った。得られたペレットを乾燥後、射
出成形(金型温度80℃)により各種試験片を調製し
た。各サンプルの流動性、材料強度、溶着強度などを測
定した結果は表1に示すとおりであった。なおここで表
中のナイロン樹脂の種類は、N6は融点225℃、相対
粘度2.70のナイロン6、N6/66は融点217
℃、相対粘度2.65のナイロン6/66共重合体、N
66は融点265℃、相対粘度2.90のナイロン6
6、N610は融点225℃、相対粘度2.70のナイ
ロン610、6T/12は融点320℃相対粘度2.5
0のナイロン6T/12共重合体を表す。耐熱材として
用いた銅化合物のCuIはヨウ化第1銅、KIはヨウ化
カリウムをそれぞれ表す。
【0030】また、比較例で用いたシリコーンオイルの
種類は、(b−1)ジメチルシリコーンオイル(東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製、SH200)、
(b−2)アミノ変性シリコーンオイル(東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン(株)製、SF8417)を表
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】実施例1〜7と比較例1〜4との対比よ
り、本発明の組成物は、流動性と材料強度のバランスに
優れ、特に溶着強度が高く、且つ振動溶着時の加圧力の
変化に対して安定した高い溶着強度を有し、アニーリン
グ後の溶着部強度も優れた実用価値の高いものであっ
た。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナイロン
樹脂組成物は、耐熱性、流動性、寸法安定性、振動溶着
性が均衡して優れたものであり、射出成形や押し出し成
形、ブロー成形で得られた成形品を振動溶着法などによ
って溶着して用いる場合に特に有用であり、この利点を
生かしてたとえば自動車のインテークマニホールドなど
の吸気系部品、ウォーターインレット、ウォーターアウ
トレットなどの冷却系部品、フューエルインジェクショ
ン、フューエルデリバリーパイプなどの燃料系部品、オ
イルタンクなどの容器類といった中空形状部品用などに
好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の溶着強度評価で用いた試験片の1つ
の形状を示す図であって、Aは平面図、Bは正面図、C
は右側面図、Dは底面図である。
【図2】 実施例の溶着強度評価で用いた試験片の他の
1つの形状を示す図であって、Aは平面図、Bは正面
図、Cは右側面図である。
【図3】 実施例の溶着強度評価で用いた2つの試験片
(図1、図2)を溶着することにより得られた中空成形
品の形状を示す図であって、Aは平面図、Bは正面図、
Cは右側面図である。
【符号の説明】
1:リブ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ナイロン樹脂100重量部に対し
    て、(B)下記一般式(1)又は(2)で表されるプロ
    ピレングリコール変性シリコーンオイル0.1〜50重
    量部、及び(C)平均繊維径5〜15μmのガラス繊維
    10〜150重量部からなることを特徴とする振動溶着
    用樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (ここで、上記式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル
    基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表
    す。R2 は炭素数1〜30のアルキレン基、アルケニレ
    ン基、アリーレン基又はアラルキレン基を、R3 は水素
    原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルカルボニル
    基、アルケニルカルボニル基又はアリール基を表す。n
    は1〜10000の自然数、mは1〜1000の自然数
    を表す。)
  2. 【請求項2】 (B)成分のプロピレングリコール変性
    シリコーンオイルの添加量が0.1〜30重量部である
    ことを特徴とする請求項1記載の振動溶着用樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (B)成分のプロピレングリコール変性
    シリコーンオイルが、一般式(2)で表される構造を有
    することを特徴とする請求項1又は2記載の振動溶着用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ナイロン樹脂100重量部に対して、
    (D)銅化合物0.01〜3重量部をさらに含有してな
    る請求項1〜3のいずれかに記載の振動溶着用樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 銅化合物が1価の銅化合物である請求項
    4記載の溶着用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 1価の銅化合物がハロゲン化第1銅であ
    る請求項5記載の振動溶着用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ナイロン樹脂がナイロン66、ナイロン
    6およびそれらを主成分とする共重合ナイロンの中から
    選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の振動溶着用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (A)成分のナイロン樹脂が、(a)ナ
    イロン66、ナイロン6およびそれらを主成分とする共
    重合ナイロンの中から選ばれた少なくとも1種のナイロ
    ン樹脂99〜50重量%、及び、(b)前記(a)以外
    の高級ナイロンおよび半芳香族ナイロンの中から選ばれ
    た少なくとも1種のナイロン樹脂1〜50重量%からな
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の振
    動溶着用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 振動溶着時の加圧力の3倍増加時の溶着
    強度変化率が10%以下である請求項1〜8のいずれか
    に記載の振動溶着用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 (A)ナイロン樹脂100重量部に対
    して、(B)一般式(1)又は(2)で表されるプロピ
    レングリコール変性シリコーンオイル0.1〜50重量
    部、(C)平均繊維径5〜15μmのガラス繊維10〜
    150重量部、及び必要に応じて(D)銅化合物0.0
    1〜3重量部を溶融混練することにより、又は、(B)
    成分のみを外添し他成分は溶融混練することにより振動
    溶着用樹脂組成物を製造することを特徴とする振動溶着
    用樹脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の振動
    溶着用樹脂組成物からなる振動溶着用樹脂成形品。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれかに記載の振動
    溶着用樹脂組成物からなる振動溶着用樹脂成形品を振動
    溶着してなる樹脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522259A (ja) * 2007-03-19 2010-07-01 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリアミド樹脂組成物

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