JP2000127588A - スタンプ台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 朱肉台またはスタンプ台（以下、スタンプ台
という）の蓋の上に、判子または日付印または各種印鑑
類（以下、スタンプ本体という）を載置したとき、スタ
ンプ本体が容易に蓋から落下しない、簡便な構造のスタ
ンプ台を提供することを目的とする。 【解決手段】 スタンプ台の蓋の蓋面部が、凹部または
凸条を有す構造とする。従って、スタンプ本体の全部ま
たは一部を、該凹部または該凸条間に載置することがで
きるから、スタンプ本体が蓋面部から容易に落下するこ
とがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、朱肉台またはスタ
ンプ台またはスタンプパッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】朱肉台またはスタンプ台またはスタンプ
パッド（以下、スタンプ台という）は、インク函と蓋を
有し、インク函は朱肉またはスタンプ用インクを吸蔵す
るインク吸臓体を収納し、朱肉またはインク吸蔵体（以
下、インク吸蔵体という）の一部表面あるいはこれらの
表布（以下、パッド面という）が露出していた。蓋はパ
ッド面を覆うことができ、インク函に着脱自在なもの
と、インク函に開閉自在に枢支されるものがあった。そ
して、スタンプ台は、判子または日付印またはゴム印ま
たは各種印鑑類（以下、判子という）と対になって使用
されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術においては、図７に示すように、スタンプ台９１の蓋
の蓋面部９２がなだらかな曲面または滑らかな平面に形
成されていた為、スタンプ台の蓋を閉じたままで、蓋面
部９２に判子９９を横にして乗せた場合、判子９９が滑
動または回動すると、蓋面部９２から容易に落下してい
た。従って、判子を横にして、スタンプ台の閉じた蓋面
部の上に乗せて一緒にした場合、 １）事務机の上で、使う段になって両者が離れ離れにな
っていたり、 ２）収納した机の引出の中で、片方が行方不明になった
り、 ３）スタンプ台ごと書類の上に載置して持ち運ぶ際、判
子のみ床に落下する、 という問題点があった。

【０００４】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、判子を横向きまたは斜めにして、蓋
を閉じてまま蓋面部に載置したとき、判子が滑動または
回動した場合でも、容易に落下しない簡便な構造のスタ
ンプ台を提案するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる第一のス
タンプ台は、インク吸蔵体を収納するインク函と、該イ
ンク吸蔵体の露出面を覆う蓋を具備するスタンプ台であ
って、該蓋が凹部を有すことを特徴とするものである。

【０００６】本発明に係わる第二のスタンプ台は、前記
第一のスタンプ台において、蓋が蓋面部とその周囲を縁
取る蓋縁部を有す函状であって、蓋面部に凹部が一体成
形され、かつ、該凹部の深さが蓋縁部の高さより小さい
ことを特徴とするものである。

【０００７】本発明に係わる第三のスタンプ台は、イン
ク吸蔵体を収納するインク函と、該インク吸蔵体の露出
面を覆う蓋を具備するスタンプ台であって、該蓋が凸条
を有すことを特徴とするものである。

【０００８】本発明に係わる第四のスタンプ台は、前記
第三のスタンプ台において、蓋が蓋面部とその周囲を縁
取る蓋縁部を有す函状であって、蓋面部に凸条が一体成
形され、かつ、該凸条の高さが蓋縁部の高さより小さい
ことを特徴とするものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 （第一の実施の形態）図１および図２は、それぞれ本発
明に係わるスタンプ台の一実施の形態を示す斜視図およ
び断面図である。スタンプ台１１は、パッド面１２を有
すインク函１３と、パッド面１２を覆う蓋１４を具備し
ている。蓋１４は、パッド面１２に対峙する蓋面部１４
ａとその周囲を縁取る蓋縁部１４ｂを有す函状である。
蓋１４は、蓋縁部１４ｂに設置されている蝶番機構１５
を介してインク函１３に回動自在に枢支されている。

【００１０】さらに、蓋面部１４ａには凹部１６が設け
られている。従って、判子を横または斜めに寝せた状態
で、判子の全部または一部を凹部１６に載置自在または
判子の一部を係止自在である。よって、このように載置
または係止された判子は、滑動あるいは回動しても、凹
面１６の周囲に拘束されて、蓋面部１４ａから容易に落
下または離れることがない。

【００１１】また、判子を横にして凹部に載置したと
き、判子の上部の高さが低く押さられるから、この姿勢
のままで机の引出に収納することが容易になり、さらに
背の低い引出でも収納可能になる。なお、蓋面部に判子
を載置しないときは、一のスタンプ台の上に他のスタン
プ台を重ねることができる。

【００１２】図において蓋１４および凹部１６の平面形
状が共に略矩形であるが、本発明はこれに限定するもの
ではなく、それぞれが異なる形状であって、楕円形や略
三角形等その形状は何れでも、また、凹部の一部が蓋縁
部に到達しても良い。さらに、深さの異なる複数の凹部
を、相互に離して、または連結して設けても良い。

【００１３】凹部１６の断面形状についても平坦面に限
定するものではなく、単一曲面や波状曲面であっても、
階段や一部陥没部や一部隆起部を具備する面であっても
良い。さらに、蓋１４は、機械加工品や塑性加工品に限
定するものではなく、金属の鋳造品でも樹脂類の射出成
形品でも、これらの複合接合品であっても良い。

【００１４】（第二の実施の形態）図３は、本発明に係
わるスタンプ台の一実施の形態を示す断面図である。ス
タンプ台２１は、パッド面２２を有すインク函２３と、
該パッド面２２を覆う蓋２４を具備している。蓋２４は
板金のプレス成形品であって、蓋面部２４ａとその周囲
を縁取る蓋縁部２４ｂを有す函状で、蓋面部２４ａに凹
部２６が一体成形され、さらに、該凹部２６の深さが蓋
縁部２４ｂの高さより小さくなっている。

【００１５】従って、従来の板金をプレス成形した蓋
に、本実施の形態の凹部を追設することが容易になる。
即ち、従来の蓋材質が蓋縁部をプレス成形可能な程度の
加工性（例えば、深絞り性等）を具備しているから、該
蓋縁部より張り出し量の小さい凹部は成形自在なため、
該追設に際し、蓋材質を高級化する必要がない。また、
成形用金型については、当該凹部を追加するだけの補修
で済み、また、プレス機については、成形ストロークが
増加しないから従来のプレス機が使用できる。

【００１６】さらに、凹部を設けたため、蓋面部の剛性
が増すから、蓋の板厚を減少されることができる。従っ
て、蓋の軽量化により、スタンプ台の軽量化、その運搬
の容易化、蓋を閉めた時の衝撃音の低下、素材費の低廉
化が期待できる。さらに、成形荷重の減少により、成形
プレスの高能率化即ち成形費用の低廉化が期待できる。
なお、上記第一の実施の形態と同様の作用・効果を具備
することは自明であり、凹部の形状においても同様の変
更や選択が自在であることは自明である。また、蓋自体
の厚さが増加しないから、スタンプ台の厚さを従来品と
同じままにすることができ、出荷や販売時に収納する箱
を、大きくする必要がない。

【００１７】（第三の実施の形態）図４および図５は、
それぞれ本発明に係わるスタンプ台の一実施の形態を示
す斜視図および断面図である。スタンプ台３１は、パッ
ド面３２を有すインク函３３と、該パッド面３２を覆う
蓋３４を具備している。蓋３４の蓋面部３４ａには、直
線状の凸条３７ａと、溝底部３８を有すＵ字状の凸条３
７ｂが設置されている。

【００１８】従って、溝底部３８上および、凸条３７ａ
と凸条３７ｂの間にある蓋面部３４ａ上に、判子の全部
または一部を載置自在または判子の一部を係止自在であ
る。従って、判子を横または斜めに寝せた状態で、該載
置または該係止された判子は、滑動あるいは回動して
も、凸条に拘束され、蓋面部３４ａから容易に落下また
は離れることがない。また、凸条の頂上が略平面を形成
すようにすれば、スタンプ台同志を重ねることが容易に
なる。

【００１９】凸条は図示するものに限定するものではな
く、略矩形や略円形や略楕円形や略三角形や自由曲線等
の開ループあるいは閉ループに配置しても良い。また、
凸条の数および断面形状、大きさおよび高さ等はそれぞ
れ任意に選択することができる。また、ループ内の溝底
部は傾斜しても波状でも、あるいは省略して蓋面部を露
出させても良い。

【００２０】さらに、凸条はそれ自体を切り出し、打ち
抜き、射出成形等により別個に製作した後、蓋面部に接
合しても、あるいは凸条と蓋を一体的に成形しても良
い。さらに、一部の凸条を形成した後に、追加の凸条を
接着しても良い。これらの材質、製造方法は限定するも
のではなく、凸条と蓋面部が異なる材質であっても良
い。特に凸条を軟質の樹脂類で製作すると、判子を疵付
けることが無くなる。

【００２１】（第四の実施の形態）図６は、本発明に係
わるスタンプ台の一実施の形態を示す断面図である。ス
タンプ台４１は、パッド面４２を有すインク函４３と、
該パッド面４２を覆う蓋４４を具備している。蓋４４は
板金のプレス成形品であって、蓋面部４４ａとその周囲
を縁取る蓋縁部４４ｂを有す函状で、蓋面部４４ａに
は、直線状の凸条４７ａとリング状の凸条４７ｂが一体
成形され、凸条４７ａおよび凸条４７ｂのそれぞれの高
さが何れも蓋縁部４４ｂの高さより小さくなっている。
さらに、凸条４７ｂに囲まれた溝底部４８の深さが凸条
４７ｂの高さよりやや大きくなっている。

【００２２】従って、従来の板金をプレス成形した蓋
に、本実施の形態の凸条を追設することが容易になる。
即ち、蓋材質が蓋縁部をプレス成形可能な程度の加工性
（例えば、深絞り性等）を具備しているから、該蓋縁部
より張り出し量の小さい凸条は成形自在なため、該追設
に際し、蓋材質を高級化する必要がない。また、成形用
金型についても、当該凸条を追加するだけの補修で済
む。

【００２３】さらに、凸条を設けたため、蓋面部の剛性
が増すから、蓋の板厚を減少させることによる上記第二
の実施の形態と同様の作用・効果が期待できる。さら
に、凸条による標章の表現、意匠性の向上が可能にな
る。なお、本実施の形態が上記第三の実施の形態と同じ
作用・効果を具備することは自明である。

【００２４】なお、第一から第四の実施の形態を、選択
的に具備することにより、それぞれの特徴を発揮するこ
とができる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるス
タンプ台は、蓋面部が凹部または凸条を有すから、蓋を
閉じて、蓋面部の上に判子を載置または係止した際、判
子が滑動ないし回動した場合でも、蓋面部から容易に落
下することがなくなる。従って、

【００２６】１）作業する事務机の上や収納した引出の
中で、スタンプ台と判子をいつも一緒にしておくことが
可能になり、備品の整理整頓が進む、と共に、 ２）これらの一方を探す余計な時間を節約することがで
きる、さらに、 ３）書類等の上に載置して持ち運ぶ際に、判子が床に落
下することがないから、該持ち運び作業が迅速、容易に
なる、と共に、 ４）スタンプ本体の落下によりスタンプ本体が損傷する
ことがなくなる。

【００２７】さらに、蓋面部の剛性が増すため、 ５）蓋または蓋面部の材料の厚さを薄くすることが可能
になる。さらに、板金の蓋に、凹部または凸部をプレス
成形自在であるから、 ６）製作が、安価かつ容易であって、従来品からの置き
換えが容易である。さらに、凹部を設ける場合には、従
来の蓋に凹部を加工するだけ良いから、 ７）スタンプ台を出荷・販売する時の収納箱を大きくす
る必要がなく、 ８）判子を横にして凹部に載置したまま、より背の低い
引出でも収納できる。 という顕著な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施の形態を示す斜視図であ
る。

【図２】本発明の第一の実施の形態を示す断面図であ
る。

【図３】本発明の第二の実施の形態を示す断面図であ
る。

【図４】本発明の第三の実施の形態を示す斜視図であ
る。

【図５】本発明の第三の実施の形態を示す断面図であ
る。

【図６】本発明の第四の実施の形態を示す断面図であ
る。

【図７】従来品を示す斜視図である。

【符号の説明】

１３、２３、３３、４３ インク函 １４ａ、２４ａ、３４ａ、４４ａ 蓋面部 １６、２６ 凹部 ３７ａ，３７ｂ，４７ａ，４７ｂ 凸条

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インク吸蔵体を収納するインク函と、該イ
   ンク吸蔵体の露出面を覆う蓋を具備するスタンプ台であ
   って、該蓋が凹部を有すことを特徴とするスタンプ台。
2. 【請求項２】蓋が蓋面部とその周囲を縁取る蓋縁部を有
   す函状であって、蓋面部に凹部が一体成形され、かつ、
   該凹部の深さが蓋縁部の高さより小さいことを特徴とす
   る請求項１記載のスタンプ台。
3. 【請求項３】インク吸蔵体を収納するインク函と、該イ
   ンク吸蔵体の露出面を覆う蓋を具備するスタンプ台であ
   って、該蓋が凸条を有すことを特徴とするスタンプ台。
4. 【請求項４】蓋が蓋面部とその周囲を縁取る蓋縁部を有
   す函状であって、蓋面部に凸条が一体成形され、かつ、
   該凸条の高さが蓋縁部の高さより小さいことを特徴とす
   る請求項３記載のスタンプ台。