JP2000127369A - プリント位置合わせ方法およびプリント装置 - Google Patents

プリント位置合わせ方法およびプリント装置

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JP2000127369A JP10306190A JP30619098A JP2000127369A JP 2000127369 A JP2000127369 A JP 2000127369A JP 10306190 A JP10306190 A JP 10306190A JP 30619098 A JP30619098 A JP 30619098A JP 2000127369 A JP2000127369 A JP 2000127369A
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稔 勅使川原
Naoji Otsuka
尚次 大塚
Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
Hitoshi Nishigori
均 錦織
Osamu Iwasaki
督 岩崎
Satoyuki Chikuma
聡行 筑間
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2132Print quality control characterised by dot disposition, e.g. for reducing white stripes or banding
    • B41J2/2135Alignment of dots

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドを走査せつつインクを例えば滴(ドロ
ップ)として吐出してプリントを行うインクジェットプ
リント装置により、大小ドロップを混在させて用い、さ
らに双方向プリントにて画像形成を行う場合において、
大ドロップおよび小ドロップの吐出速度差等に基づくレ
ジストレーションずれを防止する。 【解決手段】 大小ドロップを用いた基準ドットを往走
査プリントで形成し、位置合わせ条件を変えてプリント
を行うずらしドットを復走査プリントで形成し、往復走
査間の相対的なプリント位置の複数のずれ量に対応した
光学特性に基づいドット形成位置条件の調整値を得、さ
らに往走査と復走査とで大小ドットの形成順序を制御す
るとともに、吐出速度差等に基づく小ドットの形成位置
のずれ量に対応して調整値を補正する(g)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドットマトリック
ス記録におけるドット形成位置の調整方法および該方法
を用いたプリント装置に関し、例えば往走査と副走査と
双方向でプリントを行う場合のドット位置合わせや、複
数のプリントヘッドを用いてプリントを行う場合のヘッ
ド間のプリント位置合せに適用できるドット形成位置の
調整方法および該方法を用いたプリント装置に関する。
【0002】
【背景技術】近年、比較的低廉なパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサ等のOA機器が広く普及してお
り、これら機器で入力した情報をプリントアウトする様
々な記録装置や該装置の高速化技術、高画質化技術が急
速に開発されてきている。記録装置の中でも、ドットマ
トリクス記録(プリント)方法を用いたシリアルプリン
タは、低コストで高速ないしは高画質のプリントを実現
する記録装置(プリント装置)として着目されている。
かかるプリンタに対して、高速度のプリントを行う技術
としては例えば双方向プリント方法があり、また高画質
のプリントを行う技術としては例えばマルチパスなどが
ある。
【0003】(双方向プリント方法)高速化技術として
は、複数のプリント素子を有するプリントヘッドにおい
てプリント素子数の増加やプリントヘッドの走査速度の
向上等を図ることも考えられているが、プリントヘッド
の往復双方向のプリント走査を行うことも1つの有効な
方法である。
【0004】プリント装置では通常、給紙・排紙等の時
間があるため単純な比例関係にはならないが、双方向プ
リントは片方向プリントに比べて約2倍のプリント速度
を得ることができる。
【0005】例えば、プリント密度が360dpiでプ
リント走査(主走査)方向とは異なる方向(例えばプリ
ント媒体の送り方向である副走査方向)に64個の吐出
口を配列したプリントヘッドを用い、A4サイズのプリ
ント媒体を縦向きにしてプリントを行う場合、約60回
のプリント走査でプリントを完了することができるが、
片方向プリントでは当該プリント走査がすべて所定の走
査開始位置から一方向への移動時にのみ行われ、かつ走
査終了位置から走査開始位置へ復帰するための逆方向へ
の非プリント走査を伴うので、約60回の往復が行われ
るものとなる。これに対し双方向プリントでは約30回
の往復プリント走査でプリントが完成し、約2倍に近い
速度でプリントを行うことが可能となるので、プリント
速度の向上には有効な方法であるといえる。
【0006】かかる双方向プリントを行うためには、往
路と復路とのドット形成位置(例えばインクジェットプ
リント装置にあってはインクドットの着弾位置)を合わ
せるために、エンコーダ等の位置検出手段を用い、当該
検出位置に基づいてプリントタイミングを制御すること
が多い。しかしこのようなフィードバック制御系を構成
することはプリント装置のコスト増の要因ともなるの
で、比較的低廉なプリント装置でこれを実現するのは困
難であると考えられていた。
【0007】(マルチ走査プリント方法)次に、高画質
化技術の一例として、マルチ走査プリント方法について
説明する。
【0008】複数のプリント素子を有するプリントヘッ
ドを用いてプリントを行う場合、プリントされる画像の
品位はプリントヘッド単体の性能に依存するところが大
きい。例えばインクジェットプリントヘッドの場合、イ
ンク吐出口の形状や、電気熱変換体(吐出ヒータ)など
インク吐出に利用されるエネルギを発生するための素子
のバラツキ等、プリントヘッド製造工程で生じる僅かな
違いが、それぞれ吐出されるインクの吐出量や吐出方向
の向きに影響を及ぼし、最終的に形成される画像の濃度
ムラとして画像品位を低下させる原因となりうる。
【0009】図1および図2を用いてその具体例を説明
する。図1の(A)において、201はプリントヘッド
であり、簡単のため8個のノズル(本明細書では、特に
ことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およ
びインク吐出に利用されるエネルギを発生する素子を総
括して言うものとする)202によって構成されている
ものとする。203はノズル202よって例えば滴とし
て吐出されたインクであり、通常はこの図のように各吐
出口からほぼ均一な吐出量で、かつ揃った方向にインク
が吐出されるのが理想である。もし、このような吐出が
行われれば、図1の(B)に示したようにプリント媒体
上に揃った大きさのインクドットが着弾し、図1の
(C)に示すように全体的にも濃度ムラの無い一様な画
像が得られるのである。
【0010】しかし、実際にはプリントヘッド201は
先にも述べたように1つ1つのノズルにはそれぞれバラ
ツキがあり、そのまま上記と同じようにプリントを行っ
てしまうと、図2の(A)に示したようにそれぞれのノ
ズルより吐出されるインク滴の大きさおよび向きにバラ
ツキが生じ、プリント媒体上に図の2(B)に示すよう
に着弾する。この図によれば、ヘッド主走査方向に対
し、周期的にエリアファクタが100%に満たない白紙
の部分が存在したり、また逆に必要以上にドットが重な
り合ったり、あるいはこの図中央に見られるような白筋
が発生したりしている。この様な状態で着弾されたドッ
トの集まりはノズル並び方向に対し、図2の(C)に示
した濃度分布となり、結果的には、通常人間の目でみた
限りでこれらの現象が濃度ムラとして感知される。
【0011】そこでこの濃度ムラ対策として次のような
方法が考案されている。図3および図4によりその方法
を説明する。
【0012】この方法では、図1および図2で示したの
と同様の領域についてのプリントを完成させるのにプリ
ントヘッド201を図3の(A)および図4(A)〜
(C)に示すように3回スキャンしているが、図中縦方
向8画素の半分である4画素を単位とする領域は2パス
で完成している。この場合プリントヘッドの8ノズル
は、図中上半分の4ノズルと、下半分の4ノズルとのグ
ループに分けられ、1ノズルが1回のスキャンで形成す
るドットは、画像データをある所定の画像データ配列に
従って約半分に間引いたものである。そして2回目のス
キャン時に残りの半分の画像データへドットを埋め込
み、4画素単位の領域を完成させて行く。以上のような
プリント方法を以下マルチ走査プリント方法と称す。
【0013】このようなプリント方法を用いると、図2
で示したプリントヘッド201と等しいヘッド201を
使用しても、各ノズルのばらつきによるプリント画像へ
の影響が半減されるので、プリントされた画像は図3の
(B)のようになり、図2の(B)に見るような黒スジ
や白スジが余り目立たなくなる。従って濃度ムラも図3
の(C)に示すように図2の場合と比べ、かなり緩和さ
れる。
【0014】このようなプリントを行う際、1スキャン
目と2スキャン目とでは、画像データをある決まった配
列(マスク)に従い、互いに埋め合わせる形で分割する
が、通常この画像データ配列(間引きパターン)とは、
図4に示すように、縦横1画素毎に、丁度千鳥格子にな
るようなものを用いるのが最も一般的である。単位プリ
ント領域(ここでは4画素単位)においては千鳥状にド
ットを形成する1スキャン目と、逆千鳥状にドットを形
成する2スキャン目とによってプリントが完成されるも
のである。また、通常各走査間のプリント媒体の移動量
(副走査量)は一定に設定されており、図3および図4
の場合には、4ノズル分ずつ均等に移動させている。
【0015】(ドットアライメント)ドットマトリクス
プリント方法における高画質化技術の他の例として、ド
ット着弾位置を調整するドットアライメント技術があ
る。ドットアライメントとは、プリント媒体上のドット
が形成される位置を何らかの手段で調整する調整方法で
あり、従来のドットアライメントは、一般的には以下の
ように行われていた。
【0016】例えば往復印字における、往走査と副走査
の着弾位置合わせにおいては、往走査と副走査とでそれ
ぞれプリントタイミングを調整することにより、往復走
査での相対的なプリント位置条件を変えながら罫線等を
プリント媒体上にプリントする。それをユーザが自ら目
視し、最も位置の合っていると思われる条件、つまり罫
線等がずれることなくプリントされている条件を選び出
して、直接プリント装置にキー操作等で入力して設定す
るか、もしくはホストコンピュータを操作することによ
りアプリケーションを介して着弾位置条件をプリント装
置に設定していた。
【0017】また、複数ヘッドを有するプリント装置に
おいて、複数のヘッド間でプリントを行う場合は、複数
のヘッド間での相対的なプリント位置条件を変えなが
ら、それぞれのヘッドで罫線等を被プリント媒体上にプ
リントする。それを前述同ようにユーザがプリント位置
の合っている最適な条件を選び、相対的なプリント位置
条件を変え、それぞれのヘッド毎に、前述と同様の手段
でプリント装置にプリント位置の条件を設定していた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ドットの着弾
位置のズレを生じてしまった場合について説明する。
【0019】(双方向プリントにより画像形成を行う上
での問題点)双方向プリントに対しては以下のような問
題を引き起こしてしまう。
【0020】まず、プリントヘッドの主走査方向に垂直
な方向の罫線(縦罫線)をプリントする場合、往路でプ
リントする罫線と復路でプリントする罫線との間で位置
が合わずに、罫線が直線にならずに段差が生じてしま
う。これは所謂「罫線ズレ」と称されているものである
が、一般的なユーザが認識する最も一般的な画像の乱れ
であると言える。罫線は黒色で形成される場合が多いの
で、一般的にモノクローム画像を形成する際の問題とし
て認識されていたが、カラー画像でも同様の現象は起こ
るのである。
【0021】(インク吐出量変調を伴う双方向プリント
による画像形成を行う上での問題点)インクジェットプ
リント装置の場合、プリントドットの大きさは主にプリ
ントヘッドから吐出されるインク量で決定される。そこ
で、吐出量を比較的小としたインクドットを適宜用いて
プリントを行えば高解像度を実現することができ、一方
いわゆる「ベタ」プリントを行うような場合には、吐出
量を比較的大としたインクドットでプリントを行えばプ
リント効率を向上することができる。
【0022】一般に、プリントヘッドを走査せつつイン
クを例えば滴(ドロップ)として吐出してプリントを行
うインクジェットプリント装置の場合、ドロップの着弾
位置は走査速度成分の影響を受ける。また、吐出される
インク量が異なる場合には一般に吐出速度が異なり、例
えば大小ドロップを混在させて用い、さらに双方向プリ
ントにて画像形成を行うような場合には、大ドロップの
双方向プリントについて最適なプリント位置条件を定め
ても、大ドロップに対する小ドロップのレジストレーシ
ョンがずれてしまう。
【0023】このようなずれが生じると、一様な中間調
パターンをプリントした場合に全体的にざらついた印象
を与えうる画像が形成され、ユーザによっては不快な模
様として認識してしまうこともある。
【0024】(複数ヘッドを用いて画像形成を行う上で
の問題点)複数ヘッドを有するプリント装置において、
複数のヘッド間でドットの着弾位置のズレを生じてしま
った場合の問題について考える。
【0025】画像プリントを行う場合、何種類かの色を
組み合わせて画像形成を行うことが多く、最も多いの
は、イエロー、マゼンタ、シアンの3原色にさらにブラ
ックを加えた4色を用いるのが一般的である。これらの
色をプリントするための複数のプリントヘッドを用いる
場合において、プリントヘッド間で着弾位置のズレがあ
ると、ずれ量にもよるが異なる色同士が同じ画素にプリ
ントされると色ズレを起こしてしまう。例えば、青の画
像を形成するのにマゼンタおよびシアンを用いるが、両
色のドットが重なっている部分では青になるものの、重
なっていない部分では青にはならずそれぞれの単独の色
味が現れるという色ズレを生じてしまう。これが一部分
で起きても目立つことはないが、この現象が走査方向に
連続して発生してしまうと、ある特定の幅のバンド状の
色ズレとなり、不均一な画像になってしまう。さらに、
同じ色の画像でそれに隣接する領域において、ドットの
着弾位置のズレがないと、隣接する画像領域間で均一感
や発色が異なり、画像として違和感のあるものになって
しまう。また、この色のズレは、普通紙ではさほど目立
つことはないが、コート紙等の発色の良いプリント媒体
を用いる場合に目立ってしまうことがある。
【0026】また、異なる色を隣接する画素にプリント
する場合、ドットの着弾位置のズレがあると、その部分
に隙間すなわちインクにより覆われない領域が生じてし
まい、プリント媒体の地が直接見えてしまうことがあ
る。プリント媒体は一般的に白地のものが多いので、こ
の現象は「白抜け」と呼ばれることが多い。この現象は
コントラストの強い画像で目立ちやすく、有彩色をバッ
クグラウンドとして黒画像を形成する場合等では、黒色
と有彩色との間にインクのない白い隙間が存在すること
になり、白と黒との間のコントラストが強いため、より
はっきりと目立ってしまうことがある。
【0027】(課題)以上のような問題の発生を抑制す
るためには、前述のドットアライメントを行うのが有効
である。しかしユーザが着弾位置合わせ条件を変化させ
たプリント結果を目視して、最適な着弾位置合わせ条件
を選択し、入力作業を行わなければならないという煩雑
さを伴い、また基本的に目視により最適なプリント位置
を得るための判断をユーザに強いるために、最適ではな
い設定がなされてしてしまう場合もある。従って、操作
に不慣れなユーザには特に不利である。
【0028】また、ユーザは着弾位置合わせを行うため
の画像のプリントを行い、さらにこれを見て所要の判断
を行った後に条件設定を行わなくてはならないため、ユ
ーザに少なくとも2度の手間を掛けさせることになり、
操作性のよい装置ないしシステムを実現する上で好まし
くないばかりか、時間的にも不利なものとなる。
【0029】すなわち、上述のような画像形成上の問題
や操作性上の問題を発生させずに、高速で且つ高画質の
画像のプリントを行いうる装置ないしシステムを、エン
コーダ等のフィードバック制御手段を用いずオープンル
ープで着弾位置を合わせることができるようにして低コ
ストで実現することが強く望ましい。
【0030】そこで、本発明は操作性に優れた低コスト
のドットアライメント方法を実現せんとするものであ
る。また、本発明は、基本的にユーザに判断や調整を強
いることなく、プリントした画像の光学的特性を検出し
て、当該検出結果より最適なドットアライメントの調整
条件を算出して、調整条件の設定を自動的に行うことが
できるようになし、その調整精度を向上させることを目
的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
ドットを少なくとも大小2段階に変調可能なプリントヘ
ッドを用い、プリント媒体にドット形成位置条件を異な
らせた第1および第2プリントにより画像のプリントを
行うプリント装置に対し、前記第1および第2プリント
でのプリント位置合わせを行うための処理を行うプリン
ト位置合わせ方法であって、前記大小ドットの少なくと
も一方を用いて前記第1プリントおよび第2プリントに
より形成されるパターンであって、該第1プリントと該
第2プリントとの相対的なプリント位置の複数のずれ量
に対応した複数のパターンを前記プリントヘッドに形成
させるパターン形成工程と、当該形成された複数のパタ
ーンのそれぞれの前記相対的なプリント位置のずれ量に
基づき、前記第1プリントと前記第2プリントとの間の
ドット形成位置条件の調整値を得る調整値取得工程と、
前記大小ドットのうち少なくとも他方の前記第1および
第2プリント間のプリント動作に起因した形成位置のず
れ量に対応して、前記調整値を補正する補正工程と、を
具えたことを特徴とする。
【0032】また、本発明は、ドットを少なくとも大小
2段階に変調可能なプリントヘッドを用い、プリント媒
体にドット形成位置条件を異ならせた第1および第2プ
リントにより画像のプリントを行うプリント装置であっ
て、前記大小ドットの少なくとも一方を用いて前記第1
プリントおよび第2プリントにより形成されるパターン
であって、該第1プリントと該第2プリントとの相対的
なプリント位置の複数のずれ量に対応した複数のパター
ンを前記プリントヘッドに形成させるパターン形成手段
と、当該形成された複数のパターンのそれぞれの前記相
対的なプリント位置のずれ量に基づき、前記第1プリン
トと前記第2プリントとの間のドット形成位置条件の調
整値を得る調整値取得手段と、前記大小ドットのうち少
なくとも他方の前記第1および第2プリント間のプリン
ト動作に起因した形成位置のずれ量に対応して、前記調
整値を補正する補正手段と、を具えたことを特徴とす
る。
【0033】さらに、本発明は、ドットを少なくとも大
小2段階に変調可能なプリントヘッドを用い、プリント
媒体にドット形成位置条件を異ならせた第1および第2
プリントにより画像のプリントを行うプリント装置と、
該プリント装置に対して前記画像のデータを供給するホ
スト装置とを具備したプリントシステムであって、前記
大小ドットの少なくとも一方を用いて前記第1プリント
および第2プリントにより形成されるパターンであっ
て、該第1プリントと該第2プリントとの相対的なプリ
ント位置の複数のずれ量に対応した複数のパターンを前
記プリントヘッドに形成させるパターン形成手段と、当
該形成された複数のパターンのそれぞれの前記相対的な
プリント位置のずれ量に基づき、前記第1プリントと前
記第2プリントとの間のドット形成位置条件の調整値を
得る調整値取得手段と、前記大小ドットのうち少なくと
も他方の前記第1および第2プリント間のプリント動作
に起因した形成位置のずれ量に対応して、前記調整値を
補正する補正手段と、を具えたことを特徴とする。
【0034】以上において、前記調整値取得工程または
手段は、前記パターン形成工程または手段により形成さ
れた前記複数のパターンのそれぞれの光学特性を測定す
る工程または手段と、当該測定された複数のパターンそ
れぞれの光学特性に基づいて前記調整値を取得する工程
または手段とを有するものとすることができる。
【0035】また、前記パターン形成工程または手段お
よび前記調整値取得工程または手段を複数回、異なるド
ット位置合わせ精度毎に実行させる工程または手段を具
えることができる。
【0036】ここで、前記パターン形成工程または手段
および前記調整値取得工程または手段を複数回、異なる
ドット位置合わせ精度毎に実行させる工程または手段
は、前記位置合わせ精度をドット単位の精度で行うため
の粗調整工程または手段と、1ドット以内の精度で行う
微調整工程または手段とを含み、前記粗調整後に前記微
調整を行うか、または前記微調整後に前記粗調整を行う
ことができる。
【0037】前記パターン形成工程または手段は、前記
第1プリントおよび第2プリントにより形成されるパタ
ーンであって、該第1プリントに対する前記第2プリン
トの相対的なプリント位置のずれの方向が異なる第1パ
ターンおよび第2パターンを複数のずれ量に対応してそ
れぞれ形成し、前記調整値取得工程または手段は、当該
形成された前記複数の第1パターンのそれぞれの光学特
性および前記複数の第2パターンのそれぞれの光学特性
を測定し、当該測定された前記複数の第1パターンの光
学特性の変化特性および前記複数の第2パターンの光学
特性の変化特性の交点から、前記第1プリントと前記第
2プリントとの間のドット形成位置条件の調整値を得る
ことができる。
【0038】前記調整値取得工程または手段は、前記測
定により得られた光学特性データより、直線近似または
多項式近似を用いて、連続値を用いた計算により、前記
調整値を算出することができる。
【0039】また、前記パターン形成工程または手段で
は、前記第1プリントによるドットと前記第2プリント
によるドットを配し、前記複数のずれ量に対応して前記
ドット相互の位置関係を変化させて当該ドットのプリン
ト媒体を覆う比率を変化させることにより、前記ずれ量
に応じた光学特性を示す複数のパターンを形成させるこ
とができる。
【0040】前記第1プリントおよび前記第2プリント
は、前記プリントヘッドを前記プリント媒体に対して往
復走査させて前記大小ドットをプリントを行う場合のそ
れぞれ往走査および復走査でのプリントを含む。
【0041】ここで、所定量の前記ずれ量を境として、
前記往走査と復走査とで前記大小ドットの形成順序を制
御するとともに、前記補正工程または手段は前記他方の
ドットの復走査での形成に際して前記ずれ量を反転させ
た値を前記補正に用いることができる。
【0042】また、以上において、前記ずれ量を算出す
るための算出工程または手段を具えることができる。
【0043】前記プリントヘッドは吐出口からインクを
吐出することによりプリントを行うヘッドであり、前記
算出工程または手段は前記大小ドットを形成するための
それぞれのインク吐出速度、前記プリントヘッドをプリ
ント媒体に対して相対的に走査する走査速度、および前
記吐出口から前記プリント媒体までの距離から前記算出
を行うことができる。
【0044】前記ヘッドは、インクを吐出するために利
用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせる熱
エネルギを発生する発熱素子を有するものとすることが
できる。
【0045】なお、本明細書において、「プリント」
(以下においては「プリント」という場合もある)と
は、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみなら
ず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るよ
うに顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリン
ト媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または
媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0046】ここで、「プリント媒体」とは、一般的な
プリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プ
ラスチック・フィルム、金属板等、インクを受容可能な
物も言うものとする。
【0047】さらに、「インク」とは、上記「プリン
ト」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント
媒体上に付与されることによって、画像、模様、パター
ン等の形成またはプリント媒体の加工に供され得る液体
を言うものとする。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。なお、以下では本発明を主としてインク
ジェットプリント装置およびこれを用いるプリントシス
テムに適用した場合について説明する。
【0049】1.概要 (1.1)ドットアライメント処理の概要 本発明の実施形態に係るドット形成位置(インク着弾位
置)の調整(プリント位置合わせ)方法およびプリント
装置では、相互にドット形成位置調整が行われるべき双
方向プリントにおける往路のプリントおよび復路のプリ
ント(それぞれ第1のプリントおよび第2のプリントに
相当する)、もしくは複数(2個)のプリントヘッドに
よるそれぞれのプリント(第1 のプリント、第2のプリ
ント)をプリント媒体上の同一の位置に行う。さらに、
それを第1 のプリントと第2 のプリントとで相対的なド
ット形成位置の位置合わせ条件を変えて、複数条件下で
プリントを行う。すなわち後述のプリントパターン(パ
ッチ)を第1および第2プリントの相対的な位置条件を
変え、複数個形成する。
【0050】そして、キャリッジ等主走査部材に搭載さ
れた光学センサを用い、それらの濃度を読み取る。すな
わちキャリッジ上の光学センサをパッチに対応した位置
に移動し、その反射光学濃度(あるいは反射光の強度や
反射率)を測定する。そしてそれらの値の相対関係から
最も第1および第2プリントの位置があっている条件を
判定する。すなわち着弾位置条件とその濃度の相対的な
関係より着弾位置条件に対する濃度の近似特性を計算す
る。その近似特性より最適な着弾位置条件を求める。こ
の際にプリントする画像パターンは、プリント装置およ
びプリントヘッドの持っている精度を考慮して設定す
る。第1のプリントにおいては、精度上から予測される
着弾位置精度の最大ずれ量と同等もしくはそれ以上の幅
を持っているパターンをプリント媒体にプリントする。
第2のプリントは、同じ幅のパターンをそれぞれの着弾
位置の位置合わせ条件でプリントする。これにより、着
弾位置の位置合わせ条件の精度と同等もしくはそれ以上
の精度で着弾位置条件を調整することができる。
【0051】さらに、一旦設定した着弾位置条件を用
い、相対的な着弾位置の位置合わせ条件を変えて、複数
条件下で同ように第1のプリントおよび第2のプリント
を行う。この場合の位置合わせ条件は、前回より高い精
度で設定する。すなわち、1回目のドットアライメント
(粗調整)により位置合わせを行った結果を踏まえ、当
該合わせ込んだ精度を最大のずれと見込み、合わせ込ん
だ精度から予測される着弾位置精度の最大ずれ量と同等
の幅を持っているパターンを用いて、第1のプリントと
第2のプリントを行う。これにより、より高い精度での
ドットアライメント(微調整)が可能となる。
【0052】(1.2)全体のアルゴリズムの概要 光学センサのキャリブレーションを行ってから、粗調整
を実施する。粗調整の調整範囲はプリント装置およびプ
リントヘッドの精度から決定する。粗調整で決定した着
弾位置の位置合わせ条件を用いて、さらに微調整を行
い、より高い精度でドットアライメントを実施する。微
調整は粗調整で合わせた精度内で調整する。そのため、
調整範囲は狭くできる分、調整間隔をより細かく設定す
ることもできる。さらに、調整を終了した後にドットア
ライメントが正確に行われたか確認するべく確認パター
ンのプリントを行い、着弾位置が正確に制御されている
かをユーザが確認できるようにしている。
【0053】なお、ドットアライメントの実施範囲は、
装置構成や装置の持つプリントのモード等に応じて適宜
定めることができる。例えば、複数のプリントヘッドを
用いるプリント装置では双方向プリントおよび複数ヘッ
ド間プリントのドットアライメントを実施し、1つのヘ
ッドのみを用いるプリント装置では双方向プリントのド
ットアライメントを実施すればよい。また、1つのヘッ
ドでも、異なった色調(色、濃度)のインクを吐出可能
な場合や、異なった吐出量を得ることができる場合は、
それぞれの色調もしくはそれぞれの吐出量毎にドットア
ライメントを実施しても良い。
【0054】さらに、後述するように、粗調整と微調整
とは必ずしも上述の順序で行われなくてもよい。
【0055】(1.3)確認パターンについて ドットアライメントを行った後に、その制御が確実に行
われたかを確認するために、もしくはドットアライメン
トの結果をユーザが認識できるようにするために、設定
した着弾位置条件を用いて、確認パターンをプリントす
る。通常、罫線パターンが認識しやすいので、双方向プ
リント、複数ヘッド間等のそれぞれのモードにおいて、
またそれぞれのプリント速度毎に、罫線のプリントを行
う。これにより、ユーザは実施したドットアライメント
の結果を一目瞭然に認識することができる。
【0056】(1.4)光学センサについて 実施形態で使用する光学センサは、プリント装置で用い
るインク色調やヘッド構成等に応じて適切に選択された
発色のものを用いることができる。換言すれば、例えば
赤色LEDもしくは赤外線LEDの発色に対して光の吸
収特性に優れている色を用い、当該色インクに対応した
プリント手段をドットアライメントの対象とする。吸収
特性の点からは、ブラック(Bk)またはシアン(C)
が好ましく、マゼンタ(M)やイエロー(Y)では十分
な濃度特性,S/N比を得ることはできない。このよう
に、用いるLEDの特性に応じて使用する色を決めるこ
とにより、各色に対応させることができる。例えば、赤
色以外に青色LED、緑色LED等を搭載することで、
Bkに対して各色(C、M、Y)毎にドットアライメン
トを行うことができる。
【0057】(1.5)マニュアル調整について 実施形態では光学センサを用いて濃度の検出を行った上
で自動のドットアライメント処理を実施するようにして
いる。しかし、光学センサが好ましく動作しない場合等
にも備えて、その他のドットアライメント処理を可能と
する。すなわちこの場合は、通常のマニュアル調整を実
施する。かかるマニュアル調整に移行する条件について
説明する。
【0058】まず、光学センサを使用するにあたってキ
ャリブレーションを行うが、その際得られたデータが明
らかに使用可能範囲外のものである場合には、キャリブ
レーション・エラーとし、ドットアライメント動作を中
止する。その状態のステータスをホストコンピュータに
通信して、アプリケーションを介してエラーであること
を表示する。さらに、マニュアル調整を実施するように
表示して実行を促す。または、キャリブレーション・エ
ラーを検知した場合ドットアライメント動作を中止し
て、給紙されているプリント媒体上にマニュアル調整の
実施を促すプリントを行っても良い。
【0059】次に、外乱について説明する。
【0060】光学センサは、外部からの光の入射によっ
ては誤動作してしまう場合がある。従って、ドットアラ
イメントの最中に、極端に反射光が強くなった場合には
外乱光があるものとし、ドットアライメントを中止す
る。そして、キャリブレーションエラーと同ようにその
状態のステータスをホストコンピュータに通信して、ア
プリケーションを介してエラーであることを表示する。
さらに、マニュアル調整を実施するように表示して実行
を促す。または、キャリブレーションエラーを検知した
場合ドットアライメント動作を中止して、給紙されてい
るプリント媒体上にマニュアル調整の実施を促すプリン
トを行っても良い。
【0061】もっとも、センサエラーが偶然の外乱光の
入射のように一過性であるような場合には、時間を置い
たり、あるいは条件を整えるようユーザに報知する等し
た上で再度ドットアライメント処理を起動するようにす
ることもできる。また、後述するモードその他に対応し
た各種プリント位置合わせ処理の一つの実行中にエラー
が生じたような場合には、当該処理を中止して他のプリ
ント位置合わせ処理を行うこともできる。
【0062】(1.6)回復動作について 実施形態で採用している回復動作について説明する。こ
れは、自動ドットアライメントを実行する前に、吸引・
ワイピング・予備吐出など、プリントヘッドのインク吐
出状態を良好にする、または良好に保持するための一連
の回復動作を必ず行うようにしているものである。
【0063】動作タイミングとしては、自動ドットアラ
イメントの実行命令があった場合に、それを実行する前
に回復動作を行なう。これにより、プリントヘッドの吐
出状態が安定した状態でプリント位置合わせのためのパ
ターンをプリントすることができ、より信頼性の高いプ
リント位置合わせの補正条件の設定が可能となる。
【0064】回復動作としては吸引・ワイピング・予備
吐出という一連の動作にのみ限定されず、予備吐出また
は予備吐出とワイピングだけでも良い。この場合の予備
吐出はプリントの際の予備吐出よりも発数の多い予備吐
出を行うように設定するのが好ましい。また、吸引、ワ
イピング、予備吐出の回数や動作順序といった組み合わ
せについても特に限定させるものではない。
【0065】また、前回の吸引回復からの経過時間に応
じて自動ドットアライメント制御前の吸引回復の実行の
要否を判断しても良い。この場合、まず自動ドットアラ
イメントを行う直前に前回の吸引動作から所定時間が経
過したどうかを判定する。そして、所定時間以内に吸引
動作が実施されていたなら、自動ドットアライメントレ
ジを実施する。一方、所定時間以内に吸引回復動が実施
されていなければ、吸引回復を含んだ一連の回復動作を
実施した後に自動ドットアライメントを行うようにする
ことができる。
【0066】また、前回の吸引回復からプリントヘッド
が所定の吐出数以上のインク吐出を行ったか否かを判定
するようにし、所定の吐出数以上のインク吐出を行って
いる場合には回復動作を実行してから自動ドットアライ
メントを実施するようにしても良いし、さらには経過時
間とインク吐出数との双方を判断材料として、いずれか
が所定値に達していたら吸引回復を実施するように組み
合わせても良い。
【0067】このようにすることで、吸引回復を過剰に
実施することを防止することができるので、インクの消
費量の節約および廃インク処理部へのインク排出量の低
減に資することができるとともに、自動ドットアライメ
ント前の回復動作を効率的に行うことができる。
【0068】また、前回の吸引回復からの経過時間、も
しくはインク吐出数に応じて回復条件を可変にし、例え
ば経過時間が短い場合には吸引動作をさせずに予備吐出
とワイピングとのみを行い、経過時間が長い場合にはさ
らに吸引回復を介挿するというように回復条件を変更す
るようにしても良い。
【0069】2.プリント装置の構成例 (2.1)機械的構成 図5は、本発明が実施もしくは適用されて好適なカラー
インクジェットプリント装置の構成例を示す斜視図であ
り、図においてはそのフロントカバーを取り外して装置
内部を露出させた状態を示している。
【0070】図において、1000は交換式のヘッドカ
ートリッジ、2はそのインクジェットカートリッジを着
脱自在に保持するキャリッジユニットである。3はイン
クジェットカートリッジ1000をキャリッジユニット
2に固定するためのホルダであり、インクジェットカー
トリッジ1000をキャリッジユニット2内に装着して
からカートリッジ固定レバー4を操作すると、これに連
動してインクジェットカートリッジ1000をキャリッ
ジユニット2に圧接する。また、当該圧接によってイン
クジェットカートリッジ1000の位置決めが行われる
と同時に、キャリッジユニット2に設けられた所要の信
号伝達用の電気接点とインクジェットカートリッジ1側
の電気接点とのコンタクトが行われる。5は電気信号を
キャリッジユニット2に伝えるためのフレキシブルケー
ブルである。また、図5には示されていないが、反射型
光学センサ30がキャリッジに設けられている。
【0071】6はキャリッジユニット2を主走査方向に
往復移動させるための駆動源をなすキャリッジモータ、
7は当該駆動力をキャリッジユニット2に伝達するキャ
リッジベルトである。8′は主走査方向に延在してキャ
リッジユニット2の支持を行うとともにその移動を案内
するガイドシャフトである。9はキャリッジユニット2
に取り付けられた透過型のフォトカプラ、10はキャリ
ッジホームポジション付近に設けられた遮光板であり、
キャリッジユニット2がホームポジションに至ったとき
に遮光板10がフォトカプラ9の光軸を遮ることによ
り、キャリッジホームポジションの検出が行われる。1
2はインクジェットヘッドの前面をキャップするキャッ
プ部材やこのキャップ内を吸引する吸引手段、さらには
ヘッド前面のワイピングを行う部材などの回復系を含む
ホームポジションユニットである。
【0072】13はプリント媒体を排出するための排出
ローラであり、不図示の拍車状ローラと協動してプリン
ト媒体を挟み込み、これをプリント装置外へと排出す
る。14はラインフィードユニットであり、プリント媒
体を副操作方向へ所定量搬送する。
【0073】図6(A)は本例で用いたヘッドカートリ
ッジ1000の詳細を示す斜視図である。ここで、15
はブラックのインクを収納したインクタンク、16はシ
アン、マゼンタおよびイエローのインクを収納したイン
クタンクであり、これらはインクジェットカートリッジ
本体に対して着脱できるようになっている。17はイン
クタンク16が収納する各色インクのインクジェットカ
ートリッジ本体側のインク供給管20に対する連結口、
18は同じくインクタンク15が収納するブラックイン
クの連結口であり、当該連結によってインクジェットカ
ートリッジ本体に保持されているプリントヘッド1に対
してインクの供給が可能となる。19は電気接点部であ
り、キャリッジユニット2に設けられた電気接点部との
コンタクトに伴ってフレキシブルケーブルを介しプリン
ト装置本体制御部から電気信号の受容が可能となる。
【0074】本例にあっては、Bkのインクを吐出する
ノズルを配列したBkインク吐出部と、それぞれY、M
およびCのインクを吐出するノズル群を一体かつインラ
インにBkの吐出口配列範囲に対応して配列してなるカ
ラーインク吐出部とが並置されたヘッドを用いている。
【0075】図6(B)は、ヘッドカートリッジ100
0のプリントヘッド部1の主要部構造を部分的に示す模
式的斜視図である。
【0076】図6(B)において、プリント媒体8と所
定の隙間(例えば約0.5〜2.0mm程度)をおいて
対面する吐出口面21には、所定のピッチで複数の吐出
口22が形成され、共通液室23と各吐出口22とを連
通する各液路24の壁面に沿ってインク吐出の利用され
るエネルギを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体
など)25が配設されている。本例においては、ヘッド
カートリッジ1000は、吐出口22がキャリッジ2の
走査方向と交差する方向に並ぶような位置関係でキャリ
ッジ2に搭載されている。こうして、画像信号または吐
出信号に基づいて対応する電気熱変換体(以下において
は、「吐出ヒータ」ともいう)25を駆動(通電)し
て、液路24内のインクを膜沸騰させ、そのときに発生
する気泡の圧力によって吐出口22からインクを吐出さ
せるプリントヘッド1が構成される。
【0077】本例では1つのプリントヘッド内にBkイ
ンクを吐出するノズル群とY、M、Cのインクを吐出す
るノズル群が並置されている構成について述べたが、こ
の形態に限定されるものではなく、Bkインクを吐出す
るノズル群のあるプリントヘッドとY、M、Cのインク
を吐出するノズル群のあるプリントヘッドとが独立して
いても良いし、さらにはヘッドカートリッジが独立して
いても良い。また、各色のノズル群が独立している構成
のヘッドカートリッジでも良いのである。プリントヘッ
ド、ヘッドカートリッジの組み合わせに特に限定される
ものではない。
【0078】図7は本例で使用しているヘッドのヒータ
ボードHBの模式図を示している。ヘッドの温度を制御
するための温調用(サブ)ヒータ80d、インクを吐出
させるための吐出用(メイン)ヒータ80cが配された
吐出部列80g、駆動素子80hが同図で示されるよう
な位置関係で同一基板上に形成されている。ヒータボー
ド基体は通常Siウェハのチップであり、この上に同一
の半導体成膜プロセスにて各ヒータや所要の駆動部が形
成される。このように各素子を同一基板上に配すること
でヘッド温度の検出、制御が効率よく行え、さらにヘッ
ドのコンパクト化、製造工程の簡略化を図ることができ
る。
【0079】また同図には、特にBkインク用吐出部の
ヒータボードがインクで満たされる領域と、そうでない
領域とに分離する天板の外周壁断面80fの位置関係を
示している。この天板の外周壁断面80fの吐出用ヒー
タ80d側が共通液室として機能する。なお、天板の外
周壁断面80fの吐出部列80g上に形成された複数の
溝部によって複数の液路が形成される。Y,M,Cのカ
ラーインク吐出部についてもほぼ同様の構成であるが、
各インク用の供給液室ないし天板を適切に構成すること
により、異なる色のインクの混合が生じないよう分離も
しくは区画が行われる。
【0080】図8は、図5の装置に用いられる反射型光
学センサ30を説明するための模式図である。
【0081】図8に示すように、反射型光学センサ30
は上述したようにキャリッジ2に取り付けられ、発光部
31と受光部32を有するものである。発光部31から
発した光Iin35はプリント媒体8で反射し、その反
射光Iref37を受光部32で検出することができ
る。そしてその検出信号はフレキシブルケーブル(不図
示)を介してプリント装置の電気基板上に形成される制
御回路に伝えられ、そのA/D変換器によりディジタル
信号に変換される。光学センサ30がキャリッジ2に取
付けられる位置は、インク等の飛沫の付着を防ぐため、
プリント走査時にプリントヘッド1の吐出口部が通過す
る部分を通らない位置としてある。このセンサ30は比
較的低解像度のものを用いることができるため、低コス
トのもので済む。
【0082】(2.2)制御系の構成 次に、上述した装置のプリント制御を実行するための制
御系の構成について説明する。
【0083】図9は当該制御系の構成の一例を示すブロ
ック図である。同図において、コントローラ100は主
制御部であり、例えばマイクロコンピュータ形態のMP
U101、プログラムや所要のテーブルその他の固定デ
ータを格納したROM103、後述のドットアライメン
ト処理によって得られ、実際のプリント時においてプリ
ント位置合わせに用いられる調整データ(後述の各モー
ド毎に得られるものでもよい)を格納するためのEEP
ROMなどの不揮発性メモリ107、各種データ(上記
プリント信号やヘッドに供給されるプリントデータ等)
を保存しておくダイナミック型のRAM105等を有す
る。このRAM105にはプリントドット数や、インク
プリントヘッドの交換回数等も記憶させておくことがで
きる。104はプリントヘッド1に対するプリントデー
タの供給制御を行うゲートアレイであり、インタフェー
ス112、MPU101、RAM1105間のデータの
転送制御も行う。ホスト装置110は、画像データの供
給源(プリントに係る画像等のデータの作成、処理等を
行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部
等の形態であってもよい)である。画像データ、その他
のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I
/F)112を介してコントローラ100と送受信され
る。
【0084】操作部820は操作者による指示入力を受
容するスイッチ群であり、電源スイッチ122、プリン
ト開始を指示するためのスイッチ124、吸引回復の起
動を指示するための回復スイッチ126、レジストレー
ションを起動するためのレジストレーション調整起動ス
イッチ127、マニュアルで該調整値を入力するための
レジストレーション調整値設定入力部129等を有す
る。
【0085】センサ群130は装置の状態を検出するた
めのセンサ群であり、上述の反射型光学センサ30、ホ
ームポジションを検出するためのフォトカプラ132お
よび環境温度を検出するために適宜の部位に設けられた
温度センサ134等を有する。
【0086】ヘッドドライバ150は、プリントデータ
等に応じてプリントヘッド1の吐出ヒータ25を駆動す
るドライバであり、ドット形成位置合わせのために駆動
タイミング(吐出タイミング)を適切に設定するタイミ
ング設定部等を有する。151は主走査モータ4を駆動
するドライバ、162はプリント媒体8を搬送(副走
査)するために用いられるモータ、160はそのドライ
バである。
【0087】図10は、図9の各部の詳細を示す回路図
の一例である。ゲートアレイ104は、データラッチ1
41、セグメント(SEG)シフトレジスタ142、マ
ルチプレクサ(MPX)143、コモン(COM)タイ
ミング発生回路144、デコーダ145を有する。プリ
ントヘッド1は、ダイオードマトリックス構成を取って
おり、コモン信号COMとセグメント信号SEGが一致
したところの吐出用ヒータ(H1からH64)に駆動電
流が流れ、これによりインクが加熱され吐出する。
【0088】デコーダ145は、コモンタイミング発生
回路144が発生したタイミングをデコードして、コモ
ン信号COM1〜COM8のいずれか1つを選択する。
データラッチ141はRAM105から読み出されたプ
リントデータを8ビット単位でラッチし、このプリント
データをマルチプレクサ143はセグメントシフトレジ
スタ142に従い、セグメント信号SEG1〜SEG8
として出力する。マルチプレクサ143からの出力は、
後述するように1ビット単位、2ビット単位、または8
ビット全てなど、シフトレジスタ142の内容によって
種々変更することができる。
【0089】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
ーフェース112にプリント信号が入るとゲートアレイ
104とMPU101との間でプリント信号がプリント
用のプリントデータに変換される。そして、モータドラ
イバ151、160が駆動されるとともに、ヘッドドラ
イバ150に送られたプリントデータに従ってプリント
ヘッドが駆動されプリントが行われる。なお、ここでは
64ノズルのプリントヘッドを駆動する場合について説
明してきたが、他のノズル数でも同ような構成で駆動制
御できる。
【0090】次に、図11を用いてプリント装置内部で
のプリントデータの流れを説明する。ホストコンピュー
タ110から送られたプリントデータはインターフェー
ス112を介してプリント装置内部の受信バッファRB
に蓄えられる。受信バッファRBは数k〜数十kバイト
の容量を持っている。受信バッファRBに蓄えられたプ
リントデータに対してコマンド解析が行われてからテキ
ストバッファTBへ送られる。
【0091】テキストバッファTB中では一行分の中間
形式としてプリントデータが保持され、各文字等のプリ
ント位置、修飾の種類、大きさ、文字(コード)、フォ
ントのアドレス等が付加される処理が行われる。テキス
トバッファTBの容量は各機種毎により異なり、シリア
ルプリンタであれば数行分の容量、ページプリンタであ
れば1ページ分の容量を持っている。さらにテキストバ
ッファTBに蓄えられたプリントデータを展開してプリ
ントバッファPBに2値化された状態で蓄え、プリント
ヘッドにプリントデータとして信号を送り、プリントが
行われる。
【0092】本例ではプリントバッファPBに蓄えられ
ている2値化データに特定の割合の間引きマスクパター
ンを掛けてからプリントヘッドに信号を送るようにして
いる。そのため、プリントバッファPBに蓄えられてい
る状態のデータを見てからマスクパターンを設定するこ
ともできる。プリント装置の種類によってはテキストバ
ッファTBを有することなく、受信バッファRBに蓄積
したプリントデータをコマンド解析と同時に展開してプ
リントバッファPBに書き込むものもある。
【0093】図12はデータ転送回路の構成例を示すブ
ロック図でありかかる回路はコントローラ100の一部
として設けておくことができる。同図において171は
メモリデータバスに接続され、メモリ中のプリントバッ
ファに蓄えられているプリントデータを読み出して一時
的に格納するためのデータレジスタ、172はデータレ
ジスタ171に格納されたデータをシリアルデータに変
換するためのパラレル−シリアル変換器、173はシリ
アルデータにマスクをかけるためのANDゲート、17
4はデータ転送数を管理するためのカウンタである。
【0094】175はMPUデータバスに接続され、マ
スクパターンを格納するためのレジスタ、176はマス
クパターンの桁位置を選択するためのセレクタ、177
はマスクパターンの行位置を選択するためのセレクタで
ある。
【0095】図12に示すデータ転送回路はMPU10
1から送られるプリント信号により、プリントヘッド1
に128ビットのプリントデータをシリアル転送する。
メモリ中のプリントバッファPBに蓄えられていたプリ
ントデータはデータレジスタ171に一時的に格納さ
れ、パラレル−シリアル変換器172によってシリアル
データに変換される。変換されたシリアルデータはAN
Dゲート103によってマスクをかけられた後、プリン
トヘッド1に転送される。転送カウンタ174は転送ビ
ット数をカウントして128に達したらデータ転送を終
了させる。
【0096】マスクレジスタ175は4本のマスクレジ
スタA、B、C、Dより構成され、MPUによって書き
込まれたマスクパターンを格納する。各レジスタは縦4
ビット×横4ビットのマスクパターンを格納する。セレ
クタ176はカラムカウンタ181の値を選択信号とす
ることによって桁位置に対応したマスクパターンデータ
を選択する。またセレクタ177は転送カウンタ174
の値を選択信号とすることによって行位置に対応したマ
スクパターンデータを選択する。セレクタ176、17
7によって選択されたマスクパターンデータにより、A
NDゲート173を用いて転送データにマスクがかけら
れる。
【0097】なお、この例では4つのマスクレジスタ構
成で説明したが、これは他のマスクレジスタ数であって
もよい。また、この例ではマスクされた転送データは直
接プリントヘッド1に供給したが、一旦プリントバッフ
ァに格納するようにしてもよい。
【0098】3.ドットアライメント(プリント位置合
わせ)の態様 次に、本実施形態の基本となるプリント位置合わせの態
様について説明する。
【0099】(3.1)双方向プリントでのプリント位
置合わせ 図13(A)〜(C)は双方向プリントでのプリント位
置合わせにおけるプリントパターンの例を示す模式図で
ある。
【0100】図13(A)〜(C)において、白抜きの
ドット700は往走査(第1プリント)でプリント媒体
上に形成するドット、ハッチングを施したドット710
は復走査(第2プリント)で形成するドットを示す。図
13(A)〜(C)においては説明のためドットハッチ
ングの有無をつけているが、各ドットは本実施形態では
同一のプリントヘッドから吐出されるインクで形成した
ドットであり、ドットの色ないし濃さに対応したもので
ない。
【0101】図13(A)は往走査と復走査でプリント
位置が合っている状態でプリントした場合のドットを示
しており、(B)はプリント位置が少しずれた状態、
(C)はプリント位置がさらにずれた状態でプリントし
たときのドットを示している。なお、これらの図13
(A)〜(C)からも明らかなように、本実施の形態で
は往復走査それぞれで相補的なドット形成を行うもので
ある。すなわち、往走査では奇数番目の列のドットを形
成し、復走査では偶数番目の列のドットを形成する。従
って、往復それぞれのドットが互いに略1ドットの直径
分の距離を有する図13(A)の場合がプリント位置が
合った状態となる。
【0102】このプリントパターンは、プリント位置が
ずれるのに従ってプリント部全体の濃度が低下するよう
に設計されている。すなわち、図13(A)のプリント
パターンとしてのパッチの範囲内では、エリアファクタ
は略100%である。図13(B)、(C)に示すよう
にプリント位置がずれるに従い、往走査のドット(白抜
きドット)と復走査のドット(ハッチ付ドット)の重な
りが大きくなるとともに、プリントされていない領域、
すなわちドットによって覆われていない領域も広がる。
この結果、エリアファクタが低下するので、平均すれば
全体的な濃度は減少する。
【0103】本実施の形態ではプリントタイミングをず
らすことにより、プリント位置をずらしている。これは
プリントデータ上でずらしても可能である。
【0104】図13(A)〜(C)では走査方向に1ド
ット単位で示しているが、レジストレーション(プリン
ト位置合わせ)の精度またはレジストレーション検出の
精度等に応じて、適宜の単位を設定することができる。
図14(A)〜(C)は、4ドット単位の場合を示し、
(A)はプリント位置が合っている状態、(B)は少し
ずれた状態、(C)はさらにずれた状態でプリントされ
たときのドットの状態である。
【0105】これらのパターンの意図するところは、往
復のプリント位置が相互にずれるのに対してエリアファ
クタが減少するようにすることである。それはプリント
部の濃度はエリアファクタの変化に強く依存するからで
ある。すなわちドットが重なることにより濃度は上昇す
るが、プリントされていない領域の増加の方が、プリン
ト部全体の平均的濃度に与える影響が大きいからであ
る。
【0106】図15は、本実施の形態の図13(A)〜
(C)、図14(A)〜(C)に示すプリントパターン
においてプリント位置のずれる量と反射光学濃度の変化
の関係の概略を示す。
【0107】図15において、縦軸は反射光学濃度(O
D値)であり、横軸はプリント位置のずれの量(μm)
である。図7の入射光Iin35、反射光Iref37
を用いると、反射率R=Iref/Iinであり、透過
率T=1−Rである。光学濃度には、反射率Rを用いた
反射光学濃度と透過率Tを用いた透過光学濃度がある
が、本明細書においては反射光学濃度を用い、特に混乱
の無い限り、光学濃度または単に濃度と省略する。
【0108】反射光学濃度をdとすると、R=10-d
いう関係がある。プリント位置のずれの量が0であると
きにエリア・ファクタが100%となるから、反射率R
は最も小さくなる。すなわち反射光学濃度dが最大とな
る。プリント位置が+−のいずれの方向に相対的にずれ
ても、反射光学濃度dは減少していく。
【0109】図16は、プリント位置合わせの処理の概
略のフローチャートを示す。
【0110】図16に示すように、まず所定のプリント
パターンをプリントする(ステップS1)。次に、光学
センサ30でこのプリントパターンの光学特性を測定す
る(ステップS2)。測定したデータから得た光学的特
性に基づいて、適切なプリント位置条件を求める(ステ
ップS3)。例えば、図18(後述)のように、最も反
射光学濃度の高いポイントを求めて、最も反射光学濃度
の高いポイントの両隣りのデータを通る各直線を最小自
乗法等を用いて求め、これらの直線の交点Pを求める。
このような直線近似による他、図18(後述)に示すよ
うに、曲線近似により求めることもできる。いずれにし
ても、この点Pに対するプリント位置パラメータによ
り、駆動タイミングの変更を設定する(ステップS
4)。
【0111】図17は、図13(A)〜(C)または図
14(A)〜(C)に示すプリントパターンをプリント
媒体8にプリントした状態を示す。本実施の形態では、
往走査と復走査との間の相対的な位置ずれ量の異なる9
通りのパターン61〜69をプリントする。プリントさ
れた各パターンをパッチともいい、例えばパッチ61、
62等とも称する。パッチ61〜69に対応するプリン
ト位置パラメータを各々(a)〜(i)と表す。この9
通りのパターン61〜69は、例えば往走査と復走査の
プリント開始タイミングについて、往走査の方を固定と
する。一方、復走査の開始タイミングについては現在設
定されている開始タイミングと、それより早い4段階の
タイミング、それより遅い4段階のタイミングの計9通
りのタイミングそれぞれでプリントされる。このような
図16の処理手順およびそれに基づく9通りのパターン
61〜69のプリントは、後述する全体アルゴリズムに
おける処理の一部として位置づけることができる。
【0112】このようにプリントされたプリントパター
ンとしてのパッチ60等に対して、キャリッジ2に搭載
された光学センサ30が対応した位置にくるように、プ
リント媒体8およびキャリッジ2を移動させ、キャリッ
ジ2が静止した状態でそれぞれのパッチ60等について
光学特性を測定する。本例の場合、光学特性としては反
射光学濃度または透過光学濃度を用いる。しかし、光学
反射率や反射光強度等を用いても良い。このように、キ
ャリッジ2が静止した状態で測定することにより、キャ
リッジ2の駆動によるノイズの影響を避けることができ
る。また光学センサ30の測定スポットのサイズを、例
えばセンサ30とプリント媒体8との距離を大きくする
ことによって、ドット径に対し広くすることにより、プ
リントされたパターン上の局所的な光学特性(例えば反
射光学濃度)のばらつきを平均化して、精度の高いパッ
チ60等の反射光学濃度の測定を行うことができる。
【0113】光学センサ30の測定スポットを相対的に
広くする構成として、パターンのプリント解像度よりも
低い解像度のセンサ、すなわちドット径より大きい測定
スポット径を有するセンサを用いることが望ましい。し
かし、平均濃度を求めるという観点から比較的解像度の
高いセンサ、すなわち小さい測定スポット径を有するセ
ンサでパッチ上を複数ポイントにわたり走査し、そのよ
うにして得られた濃度の平均を測定濃度として用いても
よい。
【0114】すなわち、測定ばらつきの影響を避けるた
めに、複数回の同じパッチの反射光学濃度の測定を行い
平均を取った値を採用しても良い。
【0115】パッチ内の濃度ムラによる測定バラツキの
影響を避けるためにも、パッチ内の複数ポイント測定し
て平均化、もしくは何らかの演算処理を施してもよい。
時間削減のためキャリッジ2を移動させながら測定する
ことも可能である。この場合にはモーター駆動による電
気的なノイズによる測定バラツキを避けるためにもサン
プリング回数を増やして平均化、もしくは何らかの演算
処理を施すことが強く望ましい。
【0116】図18は、測定した反射光学濃度のデータ
の例を模式的に示す。
【0117】図18において、縦軸は反射光学濃度であ
り、横軸は往走査と復走査の相対的なプリント位置を変
えるための印字位置パラメーターである。この印字位置
パラメータは、上述したように往走査に対する復走査の
プリント開始タイミングを早くしたり遅くしたりするパ
ラメータとすることができる。
【0118】図18に示す測定結果を得た場合、本実施
の形態では、最も反射光学濃度が高いポイント(図18
中、プリント位置パラメータ(d)に対応するポイン
ト)の、両隣りのそれぞれ2つのポイント(図18中の
プリント位置パラメータ(b)、(c)と(e)、
(f)に各々対応するポイント)を通るそれぞれの直線
が交差した点Pを、最もプリント位置が合っているポイ
ントと判断する。そして、この点Pに対応するプリント
位置パラメータにより、本実施の形態の場合、対応する
復走査のプリント開始タイミングを設定する。しかし、
厳密なプリント位置合わせが望まれない場合またはそれ
が不要である場合には、プリント位置パラメータ(d)
を用いてもよい。
【0119】図18に示すように、この方法によれば、
プリントパターン61等をプリントするのに用いたプリ
ントピッチ等のプリント位置合わせ条件より細かい条件
のピッチ、あるいは高い解像度でプリント位置合わせ条
件を選択することができる。
【0120】図18において、プリント位置パラメータ
(c)、(d)、(e)に対応する濃度の高いポイント
の間は、プリント位置合わせ条件の違いに対して濃度は
大きく変わらない。それに対し、プリント位置パラメー
タ(a)、(b)、(c)に対応するポイントの間、プ
リント位置パラメータ(f)、(g)、(h)、(i)
に対応するポイントの間は、プリント位置合わせ条件の
変化に対し濃度は敏感に変化する。本実施の形態のよう
に左右対称に近い濃度の特性を示す場合には、これらプ
リント位置合わせ条件に対し敏感な濃度変化を示すポイ
ントを用いて、プリントに用いるプリント位置合わせ条
件を算出することにより、より高精度にプリント位置を
合わせることができる。
【0121】プリント位置合わせ条件の算出方法はこの
方法に限ったものではない。これらの複数の多値の濃度
データと、パターンプリントに用いたプリント位置合わ
せ条件の情報に基づいて連続値による数値計算を行い、
パターンプリントに用いたプリント位置合わせ条件の離
散的な値以上の精度で、プリント位置合わせ条件を算出
するのも本発明の意図するところの一つである。
【0122】例えば、図18に示すような直線近似以外
の例として、これらの濃度データをプリントに用いて、
複数のプリント位置合わせ条件に対する最小二乗法を用
いた多項式の近似式を得て、その式を用いて最もプリン
ト位置の合う条件を算出してもよい。また、多項式近似
に限らず、スプライン補間等を用いてもよい。
【0123】最終的なプリント位置合わせ条件を、パタ
ーンプリントに用いた複数のプリント位置合わせ条件か
ら選ぶ場合でも、上記のような複数の多値データを用い
た数値計算よりプリント位置合わせ条件を算出すること
により、各種データのばらつきに対しより高精度にプリ
ント位置合わせることができる。例えば、図11のデー
タより最も濃度の高いポイントを選ぶやり方をすると、
ばらつきにより、プリント位置パラメータ(d)に対応
するポイントより(e)に対応するポイントの方が濃度
が高い場合があり得る。そこで、最も濃度の高いポイン
トの両側の各3つのポイントにより近似直線を求めて交
点を算出するやり方をすると、3つ以上のポイントのデ
ータを使い計算することにより、ばらつきの影響を減少
することができる。
【0124】次に、図11で示した位置合わせ条件の算
出方法とは別の例を説明する。
【0125】図19は、測定した光学反射率のデータの
例を示す。
【0126】図19において、縦軸は光学反射率であ
り、横軸は往走査と復走査の相対的なプリント位置を変
えるためのプリント位置パラメータ(a)〜(i)であ
る。例えば復走査のプリントするタイミングを早くした
り、遅くしたりしてプリント位置を変えるものがこれに
相当する。本例では、測定したデータより各パッチにお
ける代表点を決めて、これらの代表点から全体の近似曲
線を求め、その近似曲線の最小点をプリント位置一致ポ
イントと判断する。
【0127】以上では、図17に示したような複数のプ
リント位置合わせ条件について、それぞれ離れた正方形
あるいは長方形のパターン(パッチ)をプリントした
が、その構成に限るものではない。それぞれのプリント
位置合わせ条件に対する濃度測定を行うことができるエ
リアがあればよいのであって、例えば図17の複数のプ
リントパターン(パッチ61等)が全て連結されていて
も良い。このようにすれば、プリント・パターンの面積
を小さくすることができる。
【0128】しかし、インクジェットプリント装置でこ
のパターンをプリント媒体8にプリントする場合には、
プリント媒体8の種類によっては、インクをあるエリア
に一定以上打ち込むと、プリント媒体8が膨張してプリ
ント・ヘッドから吐出されたインク滴の着弾精度が低下
してしまう場合がある。図17のようなプリントパター
ンにはその現象を極力避けることができるという利点が
ある。
【0129】図13(A)〜(C)に示したプリントパ
ターンにおいて、プリント位置のずれに対して反射光学
濃度が最も敏感に変化する条件は、往復走査間のプリン
ト位置があった状態で(図13(A))、エリアファク
タがほぼ100%となることである。すなわち、パター
ンをプリントした領域がドットによりほぼ覆われること
が望ましい。
【0130】しかしながら、プリント位置のずれにより
反射光学濃度が減少していくパターンであるためには、
必ずしもこのような条件である必要はない。しかし好ま
しくは、往復走査間のプリント位置があった状態で往復
走査それぞれでプリントしたドットのドット間距離が、
ドットが接する距離からそれぞれのドットの半径くらい
まで重なる距離範囲であれば良い。このようにすれば、
プリント位置があった状態からのずれに応じて反射光学
濃度は敏感に変化する。このようなドット間の距離関係
が実現されるのは、以下で示すように、ドットピッチお
よび形成されるドットの大きさによる場合と、形成され
るドットが比較的微少であるときのパターンプリントに
際して人為的に上記距離関係を形成する場合とがある。
【0131】往走査と復走査のプリントパターンは必ず
しも縦に1列ずつ並んでいる必要はない。
【0132】図20(A)〜(C)は、往走査でプリン
トされるドットと復走査でプリントされるドットが互い
に入り組んだプリントパターンを示し、(A)はプリン
ト位置が合っている状態、(B)は少しずれた状態、
(C)はさらにずれた状態でプリントされたときのドッ
トを示す模式図である。このようなパターンでも本発明
の適用は可能である。
【0133】図21(A)〜(C)は、ドットが斜めに
形成されるパターンを示し、(A)はプリント位置が合
っている状態、(B)は少しずれた状態、(C)はさら
にずれた状態でプリントされたときのドットを示す模式
図である。このようなパターンでも本発明の適用は可能
である。
【0134】図22(A)〜(C)は、プリント位置ず
らしの対象となる往復走査それぞれのドット列を複数列
とするパターンを示し、(A)はプリント位置が合って
いる状態、(B)は少しずれた状態、(C)はさらにず
れた状態でプリントされたときのドットを示す模式図で
ある。プリント開始タイミング等のプリント位置合わせ
条件を広い範囲で変化させてプリント位置合わせを行う
場合は、図22(A)〜(C)で示されるようなパター
ンが有効である。図13(A)〜(C)のプリントパタ
ーンでは、ずらしの対象となるドット列の組は往復1列
のドット列であるため、プリント位置のずれが大きくな
っていくと他の組のドット列と重なり、それ以上にプリ
ント位置ずれ量が大きくなっても反射光学濃度は小さく
ならないからである。これに対し、図22(A)〜
(C)のようなパターンであれば、往復走査それぞれド
ット列が他の組のドット列と重なるまでのプリント位置
ずれの距離を、図13(A)〜(C)のプリントパター
ンと比べて長くとることができ、これによりプリント位
置合わせ条件を広い範囲で変化させることができる。後
述する粗調整では実際にこれを利用し、4ドットまでの
位置ずれに対応するものである。
【0135】図23(A)〜(C)は、各ドット列につ
いて所定のドットの間引きを行なったプリントパターン
を示し、(A)はプリント位置が合っている状態、
(B)は少しずれた状態、(C)はさらにずれた状態で
プリントされたときのドットを示す模式図である。この
ようなパターンでも本発明の適用は可能である。このパ
ターンは、プリント媒体上8に形成したドット自身の濃
度が大きくて、図13(A)〜(C)に示すパターンを
プリントすると全体としての濃度も大きくなりすぎてし
まい、光学センサ30がドットずれに応じた濃度差を測
定できない場合などに有効である。すなわち、図23
(A)〜(C)のようにドットを間引いて少なくすれ
ば、プリント媒体8上のプリントされていない領域が増
して、プリントされたパッチ全体の濃度を下げることが
できる。
【0136】逆にプリント濃度が低すぎる場合には、同
位置について2回のプリントを行なってドットを形成す
るか、あるいは一部分だけ2回プリントするなどのプリ
ントを行っても良い。
【0137】プリントパターンについてプリント位置が
ずれるとともに反射光学濃度が減少する特性には、上述
のように往走査でプリントされるドットと復走査でプリ
ントされるドットがキャリッジ走査の方向において接し
ている等の条件が必要となる。しかし、必ずしもパター
ン全体においてそのような条件を満たしている必要はな
く、パターン全体として往走査と復走査のプリント位置
がずれるのに従い反射濃度が低下すればよい。
【0138】(3.2)複数ヘッド間のプリント位置合
わせ 異なるヘッド間のキャリッジ走査方向におけるプリント
位置合わせの態様について説明する。また、複数種類の
プリント媒体、インク、プリントヘッド等を用いる場合
にもこれらに対応可能なプリント位置合わせを行う例を
も示すものである。すなわち、用いるプリント媒体等の
種類により形成されるドットの大きさや濃度が異なるこ
とがある。このため、プリント位置合わせ条件の判定に
先立って、測定された反射光学濃度の値がプリント位置
合わせ条件判定に必要な所定値か否かを判定する。その
結果、プリント位置合わせ条件の判定を行うために不適
切な値と判定されれば、前述のように、プリントパター
ン中のドットを間引いたり、ドットの重ね打ちをしたり
して反射光学濃度のレベルを調節する。
【0139】プリント位置合わせ条件の判定に先立っ
て、プリント位置ずれに対し測定された反射光学濃度が
それに応じて十分に減少しているかどうかを判定する。
その結果、プリント位置合わせ条件の判定を行うために
不適切と判定されれば、プリントパターンにおいて本来
的に設定されるキャリッジ走査方向のドット間隔を変更
して、再びプリントパターンのプリントと反射光学濃度
の測定を行う。
【0140】ここでは、前述の双方向プリントでの位置
合わせで説明したプリントパターンについて、往走査で
プリントしていたドットをプリント位置合わせを行う2
つのプリントヘッドのうち第1のプリントヘッドでプリ
ントし、復走査でプリントしていたドットを第2のプリ
ントヘッドでプリントするものとしてプリント位置合わ
せを行う。
【0141】図24は、本例のプリント位置合わせの処
理手順を示すフローチャートであり、この手順も後述す
る全体アルゴリズムにおける処理の一部として位置づけ
ることができる。
【0142】図24に示すように、ステップS121で
プリントパターンとして図17に示されるのと同様の9
通りのパターン61〜69をプリントするとともに、こ
れらのパターン61等の反射光学濃度の測定を双方向プ
リントに対する処理の場合と同様に行う。
【0143】次にステップS122において測定された
反射光学濃度の値のうち最も反射光学濃度が大きいもの
が、OD値で0.7から1.0の範囲に入っているか否
かを判定する。その範囲に値が入っていれば次のステッ
プS123の処理に進む。
【0144】反射光学濃度が0.7〜1.0の範囲にな
いと判断したときはステップS125へ進み、ここでそ
の値が1.0より大きいときはプリント・パターンのド
ットを3分の2に間引いた図23(A)〜(C)に示さ
れるパターンに変更してステップS121の処理に戻
る。また、反射光学濃度が0.7より小さいときは図1
3(A)〜(C)に示されるプリント・パターンの上
に、図23(A)〜(C)に示されるプリントパターン
を重ね打ちする。パターンを変更して同ようにステップ
S121の処理に戻る。
【0145】プリントパターンを多く準備しておいて、
2回目の判定でも不適当と判定された場合は、さらにプ
リントパターンを変更してステップS121からS12
5のループを繰り返しても良いが、ここでは3種類のパ
ターンがあればほとんど全てのケースをカバーできると
想定し、2回目の判定で不適当と判断されても次の処理
に進む。
【0146】このステップS122の判定処理により、
プリント媒体8やプリントヘッドあるいはインクによっ
てプリントされるパターンの濃度が変化しても、これに
対処したプリント位置合わせが可能となる。
【0147】次にステップS123では、プリント位置
のずれに対し測定された反射光学濃度が十分に減少して
いるか否か、すなわち、反射光学濃度の値のダイナミッ
クレンジが十分あるか否かの判定を行う。例えば、図1
8に示される反射光学濃度の値が得られた場合におい
て、最大の濃度の値(図18中のプリント位置パラメー
タ(d)に対応するポイント)と、その2つとなりの値
との差(図18では、プリント位置パラメータ(d)に
対応するポイントと(b)に対応するポイントとの差、
(d)に対応するポイントと(f)に対応するポイント
との差)が0.02以上あるか否かを判断する。ここで
0.02未満であれば、プリントパターン全体のプリン
ト・ット間隔が短くすぎる、すなわちダイナミックレン
ジが十分ではないと判定し、ステップS126でプリン
トドット間の距離を長くして、再びステップS121以
降の処理を行う。
【0148】このステップS123および次のステップ
S124の処理を図25(A)〜(C)、図26(A)
〜(C)および図27を用いてさらに詳細に説明する。
【0149】図25(A)〜(C)は、図13(A)〜
(C)に示したプリントパターンでプリントドット径が
大きい場合のプリント部の様子を模式的に示す。
【0150】図25(A)〜(C)において、白抜きの
ドット72は第1のプリントヘッドでプリントしたドッ
ト、ハッチの付いたドット74は第2のプリントヘッド
でプリントしたドットである。図25(A)はプリント
位置が合った条件でプリントした場合、(B)はそれか
らプリント位置が相対的に少しずれた場合、(C)はプ
リント位置がさらにずれた場合を示している。図25
(A)および(B)の比較からもわかるように、ドット
径が大きい場合には、プリント位置が少しずれてもエリ
アファクタはほぼ100%のままであり、反射光学濃度
はほとんど変化することはない。つまり、上述したプリ
ント位置ずれに対し反射光学濃度が敏感に減少するとい
う条件を満たさなくなっている。
【0151】一方、図26(A)〜(C)は、ドット径
はそのままでプリントパターン全体におけるキャリッジ
走査方向のドット間距離を長くした場合を示す。この場
合は、プリントずれが発生するとともにエリアファクタ
が減少し全体の反射光学濃度も低下する。
【0152】図27は、図25(A)〜(C)および図
26(A)〜(C)に示すプリントパターンを用いた場
合の濃度特性の振る舞いを模式的に示す。
【0153】図27において、縦軸は反射光学濃度、横
軸はプリント位置のずれの量を示す。実線Aは上述した
最もプリント位置ずれに対し反射光学濃度が敏感に減少
する条件でプリントした場合、破線Bはそれよりもドッ
ト間距離が短い場合の反射光学濃度の値の振る舞いを示
している。図27から明らかなように、ドット間距離が
短すぎると、上述の理由によりプリント位置合わせ条件
が理想的な条件から少しずれても反射光学濃度はそれ程
変化しない。このため本実施の形態では、図24のステ
ップS123で示した判断を行ない、この判断に応じて
ドット間距離を長くすることにより、プリント位置合わ
せ条件の判定を行うために適したプリント条件となるよ
うにする。
【0154】本実施の形態では初めのドット間距離を短
めに設定しておき、適正な反射光学濃度のダイナミック
レンジが得られるまで、ドット間距離を長くして行く。
しかし、4回ドット間距離を長くしても適正と判断され
ない場合は、次のプリント位置合わせ条件の判定の処理
に進む。本実施の形態では、キャリッジ2の走査速度は
そのままに保ちつつ、インクを吐出する間隔を制御する
プリント・ヘッドの駆動周波数を変えることにより、ド
ット間距離を調節する。これにより、プリントヘッドの
駆動周波数が小さくなるほど、ドット間の距離が長くな
ることになる。また、ドット間距離を調整する別の方法
として、キャリッジ2の走査速度を変えることも考えら
れる。
【0155】上記いずれの場合についても、プリントパ
ターンをプリントする駆動周波数や走査速度が、実際の
プリントで使用する駆動周波数や走査速度と異なること
になる。したがってプリント位置合わせ条件判定後、そ
の結果により駆動周波数や走査速度の違いを補正する必
要がある。その補正は数式によって行っても良いが、予
じめ図17に示された9通りのパターン61等毎に実際
の駆動周波数や走査速度に関するプリントタイミングの
データも準備しておき、プリント位置合わせ条件判定の
結果に従い、それらをそのまま用いることもできる。あ
るいは図18に示すような場合は、線形補完してプリン
トに用いるプリント・タイミングを求めることができ
る。
【0156】プリント位置合わせ条件判定の方法は双方
向プリントの場合と同様である。また、往復プリントに
おける往走査と復走査のプリント位置合わせに対して
も、ドット径の大きさに対しプリントパターンのドット
間の距離を変えることは有効である。ただし、この場合
には、使用する数通りのドット間距離のプリントパター
ンごとに往走査、復走査用のプリントパターンを準備し
ておく。そして、そのプリントパターンとドット間距離
ごとにプリントタイミングのデータを準備しておき、プ
リント位置判定の結果に従ってそれらを線形補完してプ
リントに用いるプリントタイミングを求めることができ
る。
【0157】なお、図24に示したフローチャート中の
パターン変更等の処理は、適宜の修正等を加えて双方向
プリントや、次に述べる縦方向のプリント位置合わせに
対しても適用できる。
【0158】(3.3)縦方向のプリント位置合わせ 次に、複数ヘッド間の、キャリッジ走査方向に垂直な方
向のプリント位置合わせに関して説明する。
【0159】本実施の形態のプリント装置では、キャリ
ッジ走査方向に垂直な方向(副走査方向)のプリント位
置の補正を行うために、プリントヘッドのインク吐出口
を1回のスキャンで形成される画像の副走査方向におけ
る幅(バンド幅)よりも広い範囲にわたって設けてお
き、使用する吐出口の範囲をずらして用いることによっ
て、吐出口間隔の単位でプリント位置を補正できる構成
をとっている。すなわち、出力するデータ(画像データ
等)とインク吐出口との対応をずらす結果、出力データ
自体をずらすことができる。
【0160】上述した双方向プリントに対するプリント
位置合わせおよび複数ヘッドの主走査方向のプリント位
置合わせでは、プリント位置が合っている場合に測定さ
れた反射光学濃度が最大になるプリントパターンを用い
たが、ここではプリント位置が合っている場合に反射光
学濃度が最低になり、プリント位置がずれるとともに反
射光学濃度が増加していくプリントパターンを用いる。
【0161】いわゆる紙送り方向(縦方向)の位置合わ
せの場合においても、上述と同様、プリント位置があっ
た状態で濃度が最大となりプリント位置がずれるととも
に濃度が低下するパターンを用いることもできる。例え
ば2つのヘッド間で紙送り方向において隣り合う位置関
係にある各吐出により形成されるドットに注目して位置
合わせを行うことができる。
【0162】図28(A)〜(C)は、縦方向のプリン
ト位置合わせ処理で使用するプリントパターンを模式的
に示している。
【0163】図28(A)〜(C)、白抜きのドット8
2は第1のプリントヘッドでプリントしたドット、ハッ
チの付いたドット84は第2のプリントヘッドでプリン
トしたドットをそれぞれ示している。図28(A)はプ
リント位置が合っている状態を示しているが、上述の2
種類のドットが重なっているため白抜きのドットは見え
ない。(B)はプリント位置が少しずれた場合にプリン
トされたドットを、(C)はさらにプリント位置がずれ
た場合のドットの状態を示している。これらの図からも
わかるように、プリント位置がずれるのに従い、エリア
ファクタが大きくなっていき、全体の平均的な反射光学
濃度は増加していく。
【0164】以上のプリントパターンを、プリント位置
調整に係る2つのプリントヘッドのうち一方のプリント
ヘッドについてプリントに使用する吐出口をずらすこと
により、このずらしについてのプリント位置合わせ条件
を変えながら複数のパターンをプリントする。そして、
そのプリントされたパッチの反射光学濃度を測定する。
【0165】図29は、測定された反射光学濃度の例を
模式的に示し、ここでは例示的に5パターンとしてい
る。
【0166】図29において、縦軸は反射光学濃度、横
軸はプリント吐出口のずれの量を示す。ここでは測定さ
れた反射光学濃度の値のうち、最も小さい反射光学濃度
を示すプリント条件(図29中の(c))をプリント位
置が最も合っている条件として選択する。
【0167】なお、以上の項目(3.1)〜(3.3)
で説明した各位置合わせ処理実施時に用いるパターン
は、各処理でのプリント位置合わせのみに限定されるも
のではなく、必要であれば適宜の変更を加えて他の実プ
リント位置合わせに対しても同様に用いることができる
ことは勿論である。
【0168】また、項目(3.2)および(3.3)
は、2つのプリントヘッド間の関係についての例を示し
たが、3つ以上のプリント・ヘッド間の関係についても
同様に適用できる。例えば、3つのヘッドに対しては、
第1のヘッドと第2のヘッドのプリント位置を合わせ、
その後第1のヘッドと第3のヘッドとの位置を合わせれ
ばよいのである。
【0169】4.ドットアライメント処理のアルゴリズ
ムの第1例 以上を基本として、自動で行われるドットアライメント
処理のアルゴリズムの一例について説明する。
【0170】図30は本例における自動ドットアライメ
ント処理手順の概要を示し、概ね回復処理ステップ(ス
テップS101)、センサキャリブレーション処理ステ
ップ(ステップS103)、双方向記録の粗・微調整ス
テップ(ステップS105,S107)および調整値確
認パターンプリント処理ステップ(ステップS111)
から成っており、主として同一のプリントヘッドを用い
て往走査および復走査のそれぞれのプリントでの着弾位
置を最適な条件で位置合わせするために実行される。
【0171】なお、本手順を起動するための手段として
は、プリント装置本体に設けた起動スイッチや、ホスト
コンピュータ側のアプリケーションからの指示とするほ
か、装置電源投入時やタイマ起動など、適宜のものとす
ることができる。また、それらの組み合わせであっても
よい。
【0172】また、例えばセンサキャリブレーション処
理において使用可能範囲外のデータを獲得するようなキ
ャリブレーションエラーが生じた場合や、あるいはドッ
トアライメント処理の過程で外乱光等の影響により極端
に反射光が強くなりその結果として粗調整エラーまたは
微調整エラーが生じたような場合は、通常のマニュアル
調整を実施する(ステップS119)。この処理につい
ては後述する。
【0173】かかるマニュアル調整に移行する条件や、
センサエラーが偶然の外乱光の入射のように一過性であ
るような場合に、時間を置いたりあるいは条件を整える
ようユーザに報知する等した上で再度ドットアライメン
ト処理を起動するようにすることができることについて
は、項目(1.5)において説明したとおりである。
【0174】以下、各ステップでの処理内容について詳
述する。
【0175】(4.1)回復処理 前述のように、回復処理は、自動ドットアライメントを
実行する前に、吸引・ワイピング・予備吐出など、プリ
ントヘッドのインク吐出状態を良好にする、または良好
に保持するための一連の動作であり、自動ドットアライ
メントの実行命令があった場合に、それを実行する前に
行なわれる。これにより、プリントヘッドの吐出状態が
安定した状態でプリント位置合わせのためのパターンを
プリントすることができ、より信頼性の高いプリント位
置合わせの補正条件の設定が可能となる。
【0176】回復動作としては吸引・ワイピング・予備
吐出という一連の動作にのみ限定されず、予備吐出また
は予備吐出とワイピングだけでも良い。この場合の予備
吐出はプリントの際の予備吐出よりも発数の多い予備吐
出を行うように設定するのが好ましい。また、吸引、ワ
イピング、予備吐出の回数や動作順序といった組み合わ
せについても特に限定させるものではない。
【0177】また、前回の吸引回復からの経過時間に応
じて自動ドットアライメント制御前の吸引回復の実行の
要否を判断しても良い。この場合、まず自動ドットアラ
イメントを行う直前に前回の吸引動作から所定時間が経
過したどうかを判定する。そして、所定時間以内に吸引
動作が実施されていたなら、自動ドットアライメントレ
ジを実施する。一方、所定時間以内に吸引回復動が実施
されていなければ、吸引回復を含んだ一連の回復動作を
実施した後に自動ドットアライメントを行うようにする
ことができる。
【0178】また、前回の吸引回復からプリントヘッド
が所定の吐出数以上のインク吐出を行ったか否かを判定
するようにし、所定の吐出数以上のインク吐出を行って
いる場合には回復動作を実行してから自動ドットアライ
メントを実施するようにしても良いし、さらには経過時
間とインク吐出数との双方を判断材料として、いずれか
が所定値に達していたら吸引回復を実施するように組み
合わせても良い。
【0179】このようにすることで、吸引回復を過剰に
実施することを防止することができるので、インクの消
費量の節約および廃インク処理部へのインク排出量の低
減に資することができるとともに、自動ドットアライメ
ント前の回復動作を効率的に行うことができる。
【0180】また、前回の吸引回復からの経過時間、も
しくはインク吐出数に応じて回復条件を可変にし、例え
ば経過時間が短い場合には吸引動作をさせずに予備吐出
とワイピングとのみを行い、経過時間が長い場合にはさ
らに吸引回復を介挿するというように回復条件を変更す
るようにしても良い。
【0181】以上述べてきたように必要に応じて回復動
作を実施しているが、必ずしも回復動作を実施する構成
を用いる必要はなく、もともと信頼性の高いプリント装
置であれば、自動ドットアライメント処理内で回復動作
を実施する必要はない。高い信頼性を確保した上で自動
ドットアライメント処理を実施した方がより好ましいの
である。
【0182】(4.2)センサキャリブレーション 次に、光学センサ30が有するLEDのキャリブレーシ
ョンの一例では、光学センサの出力特性として所定のレ
ンジが得られるように、望ましくは線形領域で使用する
ことができるようにキャリブレーションを行うべく、投
入電力をPWM制御している。具体的には投入する電流
をPWM制御して、例えば100%デューティのフル通
電から5%デューティの通電まで、5%間隔で通電する
電流量を制御し、これにより最適な電流デューティを得
て光学センサ30のLEDを駆動するようにするのも一
つの例である。
【0183】これは次のような理由による。
【0184】すなわち、プリント位置合わせの条件を変
化させたパターンに光センサ30の発光側から光を照射
し、その反射光出力の相対値から最適なプリント位置合
わせ条件を判定するためには、最適な光量を照射し、受
光側には最適な電気信号を印加しなければ良好な出力差
は得られない。十分な出力差(実際のプリント位置合わ
せパターンでプリント位置を最小限に変化させた時のパ
ターン間出力差)を得るためには、センサ(発光部側お
よび/または受光部側)自体のキャリブレーションを行
うのが強く望ましい。
【0185】そしてこれは、濃度センサ(光学センサ)
固有のバラツキ、プリント装置におけるセンサ取り付け
公差、使用環境の光や湿度、空気の状態(霧、煙)等の
雰囲気差、センサ自体の経時変化、畜熱による出力低下
の影響、センサに付着するミスト,紙粉等による出力低
下の影響などを補正する上で好ましいことである。この
観点から言えば、本発明のセンサキャリブレーション方
法は、自動ドットアライメントを実施する上で用いられ
る光学センサのみならず、プリント媒体の有無、紙幅の
検出を行うための光学センサやヘッドシェーディングに
用いられるセンサなど、広く測定対象物から何らかの情
報を得る際に用いられる光学センサに適用できるもので
ある。
【0186】ここで、発光部側のキャリブレーションに
ついて説明する。
【0187】図31は所定領域に対するインク打込み率
を変化させた場合の反射率の関係を表したものであり、
この図に示すように、ある打込み率以上では反射率が飽
和してくる特性(位置A以上)がある。センサ自体の出
力特性は発光側の照射光に対する反射光の変化を測定す
るものであり、所定領域のエリアファクタに強く依存し
ている。この例では位置Aにおける打込み率以上打込ん
でもエリアファクタは実質的に変化しないため、反射率
にも変化が見られなくなっている。実際のプリント位置
合わせにおいても、このエリアファクタの変化に大きく
依存している範囲、すなわち打込み率ではなく反射率の
不飽和・線形範囲に主眼を置く。
【0188】図32は、発光側に印加する電気信号の最
大定格値を100%とし、これを発光量が変化する最小
単位で順次0%から100%まで変化させ測定された出
力特性を、反射率を変化させたパターンに対応させて示
したものである。光量が弱すぎれば、反射率の異なるパ
ターンの出力間には反射光量が少なすぎて出力差は乏し
くなる。逆に発光量が強すぎれば、反射率が異なるパタ
ーンの出力は、白地に近いような反射率のパターンにお
いては反射光が大きく、受光側の検出能力を超えた時点
で白地の出力とほとんど差が見られなくなるので、実際
のプリント位置合わせのパターンでこのような反射率領
域のパターンが存在すれば出力差が良好に得られない。
ここではプリント位置合わせに用いられるパターンの反
射率領域で出力差が得られることが重要である。図32
で実際にプリント位置合わせのパターンの反射率領域を
A〜Bの範囲に限定した場合、〜までの出力特性が
線形であるが、実際のプリント位置合わせを行う場合に
はの特性が良好なS/N比を確保できていると言え
る。
【0189】発光側の駆動信号の変調はプリンタ内部の
MPU101の処理で行い、その変調単位量は発光量が
変化する最小単位で行うことができる。
【0190】受光側のキャリブレーションに関しても同
様であり、上記のような方法でプリント位置合わせパタ
ーンの反射率を測定する上で最適な電気信号印加条件を
決定することができる。そして受光側の駆動信号の変調
はプリンタ内部のMPU101の処理で行い、その変調
単位量は発光量が変化する最小単位で行うことができ
る。
【0191】また、プリンタ内部に出力値を格納するバ
ッファをもち、その出力値を予めプリンター部に設定さ
れた閾値と比較処理可能な手段を持つことができる。
【0192】ここで、上述のようなキャリブレーション
を行うためには基準となる測定対象物を要する。本実施
形態ではセンサキャリブレーションはドットアライメン
ト処理の前提として行われるものであり、ドットアライ
メントに際してはプリント媒体に所定のパッチをプリン
トする動作を伴うようにしているので、当該プリント媒
体に測定対象となるセンサキャリブレーション用パター
ンをプリントするようにする。センサキャリブレーショ
ンは各ドットアライメント処理(ドットアライメント処
理の第1例では双方向プリントに対する粗調整および微
調整、さらには後述する第2例においては複数ヘッド間
の粗調整および微調整、さらに縦方向調整)毎に行われ
るようにしてもよく、プリント媒体の先頭部分(頁頭)
にのみセンサキャリブレーション用パターンをプリント
を形成して一連のドットアライメント処理に先立ち1回
のセンサキャリブレーションが行われるようにしてもよ
い。
【0193】また、そのようにドットアライメント処理
用のパッチを形成するプリント媒体を利用するものとす
るほか、プリント装置本体に搭載されたものとしたり
(例えばプラテンにこのような構成を付加する)、測定
対象物のみが別体となったプリント媒体や金属板などを
利用することも可能である。
【0194】次に、センサキャリブレーションに用いら
れる測定対象物(キャリブレーションパターン)はセン
サ発光波長に敏感に反応する色で構成されている。単色
でもよいし、所定領域内の位置によって反射率が変わら
なければ複数色を組み合わせたものでもよい。
【0195】なお、反射率を変化させたセンサキャリブ
レーション用パターンを用いる場合は、それぞれが独立
のパッチになっているパターンとしてもよいし、反射率
を変化させた部分パターンが連続したものでもよい。
【0196】また、センサキャリブレーションにあたっ
ては、電気信号を大雑把に変化させて粗調整を行った後
に、微少に変化させて微調整を行ってもよいし、最初か
ら微少に変化させて行ってもよい。
【0197】また、センサキャリブレーションにあたっ
ては、印加する電気信号をキャリッジ主走査の過程で変
化させつつ測定を行っても良いし、キャリッジを停止し
た上で変化させて測定を行ってもよい。さらに、キャリ
ブレーションは1スキャン内で行ってもよいし、複数ス
キャンで行ってもよい。
【0198】次にセンサキャリブレーションのいくつか
の具体例について説明する。
【0199】(4.2.1)センサキャリブレーション
処理の第1例 反射率を変化させたパターンを、発光側および/または
受光側に印加する電気信号を変化させて測定し、予めプ
リンタ内部のROM等に設定された感度特性(出力特性
の傾き)に最も近い、もしくはそれ以上のものを用いて
以後のプリント位置合わせ測定を行うようにする。上記
の反射率を変化させたパターンは実際のレジ調パターン
で用いられる反射率領域でも良いし、反射率全域(0か
ら100%)でもよい。
【0200】図32は反射率が異なる測定対象(例えば
0〜100%間を10%刻みの反射率で形成したパター
ン)の反射濃度(出力)を、発光側の電気信号を変化さ
せて測定した結果を示す。図の横軸には反射率、縦軸に
は反射濃度(出力)をとった。
【0201】図33は理想的な感度(出力)特性を示し
ており、反射率を変化させたときに反射光濃度(出力)
が線形に変化する状態である。発光側に印加する電気信
号のデューティが小さすぎ所定パターンからの反射光の
変化量が受光側の分解能より低い場合、図32の特性
のように出力変化が乏しい。デューティが大きすぎれば
同じく特性のように反射光量が受光側の最大検出幅を
超えた時点で反射濃度(出力)自体には変化が見られな
くなる。ここでは全反射率領域(0から100%)で出
力変化があることを前提にしているが、実際に使用され
るプリント位置合わせの反射率領域にあわせて十分に出
力変化が得られる領域を用いてもよい。ここで十分に出
力変化が得られる条件としては実際のプリント位置合わ
せパターンで最小限にプリント位置をずらした場合に出
力変化が得られることを意味する。
【0202】そして、実際にプリント位置合わせに用い
る図33に示すような理想的な出力特性を装置本体に設
けておき、この特性に近似できる(図中破線で示す10
%下げた特性を用いるなど、ある程度の幅を持たせても
よい)、発光側および/または受光側の駆動デューティ
を選定する。
【0203】(4.2.2)センサキャリブレーション
処理の第2例 反射率を変化させたパターンを、発光側および/または
受光側に印加する電気信号を一定量として測定し、複数
個(最小2個)の出力データから感度特性(出力特性の
傾き)を算出し、感度特性算出に用いた測定値以外の測
定値がその特性曲線から推定された値から外れている場
合は、印加する電気信号を変化させて同様な判断を繰り
返し行う。この判断から複数の印加量が当てはまった場
合はその中で最も出力特性の傾きが大きなものを選択し
てもよいし、ある幅を予めプリンタ内部に設定してお
き、適宜選択してもよい。上記同様この出力特性は実際
のレジ調パターンで用いられる反射率の範囲でも良い
し、反射率全域(0から100%)でもよい。
【0204】すなわち、図34に示すように、発光側お
よび/または受光側に印加する電気信号のデューティを
一定量として複数個(最小2個)の測定パターンの反射
濃度(出力)を得、これから仮想感度特性(出力特性の
傾き)を算出し、仮想特性算出に用いたもの以外の測定
値がその特性曲線から外れている場合(例えば特性)
は、それ以外のデューティで繰り返し同様な操作を行
い、理想的な特性(線形な傾き)に最も近い特性(ま
たは)を示すときのデューティを選定する(ある程度
の幅を持たせてもよい)。
【0205】(4.2.3)センサキャリブレーション
処理の第3例 所定パターン(ドット打ち込み率0%の白パッチ、また
はそれ以外の打ち込み率でベタに形成したパッチ等)
を、発光側および/または受光側に印加する電気信号を
変化させて測定し、その出力値(反射濃度)が予めプリ
ンタ内部に設定された閾値に達しているものを用いて以
後のプリント位置合わせ測定を行うようにする。
【0206】すなわち、反射率を固定した測定対象(例
えば50%ベタパッチのみ)について反射光濃度(出
力)を測定すれば、その出力特性はおおよそ推定でき
る。この特徴を利用したのが本例である。
【0207】図35は例えばプリント媒体に打込み率5
0%のパターンをプリントし、これを用いて発光側キャ
リブレーションを行った場合の出力特性を示す。発光側
に印加する電気信号のパルス幅(デューティ)を可変さ
せていくと、あるデューティからは出力に変化が見られ
なくなる。この状態は受光側の検出幅以上の反射光が検
出された場合である。そこで、予めプリント装置本体に
用意した閾値Rthと比較し、その閾値に最も近い(あ
る程度の幅を持ってもよい)デューティを選択する。
【0208】(4.2.4)センサキャリブレーション
処理の第4例 上記処理を組み合わせて行う。すなわち例えば第3例の
処理で電気信号を変化させて測定を行い、閾値を超えた
時点で第1例または第2例の処理に切り替えるようにす
る。
【0209】図36は本例の処理手順の一例であり、上
記第3例の如くセンサキャリブレーション用の所定のパ
ターン(例えば打込み率0%の白パッチ)を発光側に印
加するデューティを変化させて測定し(ステップS20
1,S205)、予め設けられた閾値と比較し(ステッ
プS203)、その閾値を超えたデューティから上記第
1例の如く線形となる出力特性を選定する(ステップS
207,S209,S211)。そして、例えば閾値を
用いる調整手順では5%刻みでデューティを変化させて
行い、その後傾きが最大となる線形領域を1%刻みでデ
ューティを変化させて得るようにしている。これにより
センサキャリブレーションについての粗調整、微調整を
行い、より的確かつ迅速に最適のセンサ駆動デューティ
を決定し、以後のプリント位置合わせに移行することが
可能となる。
【0210】なお、図36の処理手順は、第4例を用い
る場合はほぼそのまま、第1ないし第3例を用いる場合
は適宜の変更等を加えて図30のステップS103とし
て位置づけることができる。
【0211】また、以上のようないずれかのセンサキャ
リブレーションを行い、最適または適切なデューティも
決定できなかった場合を考慮し、プリント装置本体にエ
ラー処理手段を設ける。この場合は、前述のように、再
び同じ処理(自動レジストレーション調整)を繰り返す
もの、または他の手段(マニュアルレジストレーション
調整)を促すメッセージをプリント装置本体もしくはホ
スト装置等からユーザーに告知するものとすることがで
きる。
【0212】(4.3)双方向プリントに対するプリン
ト位置合わせの粗調整 次に、双方向プリントにおけるプリント位置合わせの粗
調整(図30のステップS105)について説明する。
本実施形態ではプリント装置本体およびプリントヘッド
で双方向プリントを実施する上での相対的なプリントド
ットの着弾位置の公差精度は、±4ドット以下にあるも
のとする。従って、粗調整では4ドットの幅を持つパタ
ーンを用いる。
【0213】図37は粗調整に用いるパッチのパターン
の一例を示す。基準ドットを往走査プリントで形成し、
位置合わせ条件を変えてプリントを行うずらしドットを
復走査プリントで形成する。無調整でプリントを行った
場合をずらし量:0ドットとする。この状態でプリント
した場合(図中(c))のずれがプリント装置本体およ
びプリントヘッドでの着弾位置精度に起因するものであ
り、それぞれの製造上のバラツキ等により発生するもの
である。本例は、このずれを自動的に調整するものであ
る。
【0214】図37ではずらし量:±4ドットの範囲内
の各パターンのプリントを行っているが((a)〜
(c))、これらのパターンにおいてずらし量は最大で
4ドットで十分である。
【0215】図38中の実線はこの場合のずらし量に対
する光学センサの出力(反射してきた光を受光し、A/
D変換後の値)の特性を示す。また、ずらし量に対する
出力特性を多項式で近似した特性を破線で示す。この近
似特性から反射濃度が最大のポイントをずらしの調整
値、つまり双方向プリントを行う場合の調整値とするこ
とができる。
【0216】なお、この場合の調整値はずらし量の間隔
より細かく設定することができる。また、この時点では
近似を行わずに、反射濃度の最大値を示すずらし量を双
方向プリントの調整値としても良い。パターンのずらし
量の間隔は2ドット間隔でも良いが、当然1ドット間隔
でも良い。さらに、不均等間隔にしても良いし、1ドッ
ト間隔以下の精度でずらしても良く、着弾位置の公差精
度の範囲内で近似特性が得られる間隔であれば実施でき
る。
【0217】(4.4)双方向プリントに対するプリン
ト位置合わせの微調整 次に、双方向プリントにおけるプリント位置合わせの微
調整(図30のステップS17)について説明する。よ
り細かい調整精度で微調整を実施するに際しては、上述
した粗調整において1ドット間隔以内に調整が行われた
ことを前提として、±0.5ドット以内で微調整を行
う。微調整はより高い精度で調整を行うので、最小の幅
のパターンを用いる。
【0218】図39は微調整で用いるパターンの一例を
示す。粗調整と同様に、基準ドットを往走査プリントで
プリントし、位置合わせ条件を変えてプリントを行うず
らしドットを復走査プリントでプリントする。無調整で
プリントを行った場合(図中(c))をずらし量:0ド
ットとする。本例では0.25ドット間隔で位置合わせ
条件を設定している(図中(a)〜(c))。ここで、
粗調整と同様に、ずらし量に対する光学センサの出力特
性を多項式で近似した特性を求め、この近似特性から反
射濃度が最大となるポイントをずらしの調整値、つまり
双方向プリントを行う場合の調整値とすることができ
る。
【0219】なお、本例の場合の調整値はずらし量の間
隔、つまり0.25ドットより細かく設定することもで
きる。また、要求されている調整精度がずらし量の間隔
と同等であるならば、近似を行わずに反射濃度の最大値
を示すずらし量を双方向プリントの調整値としても良
い。
【0220】しかし本例では、さらに調整精度を高める
ために次のような方式を用いる。
【0221】図40〜図43を用いて本方式を説明す
る。
【0222】まず、往走査および復走査プリントにてプ
リントドットが主走査方向に関し相補的に1ドットおき
に形成される図40の(a)に示すような場合にあって
ドットアライメントを行うに際し、復走査プリントでの
ドット形成位置をずらしてパッチを形成しても、同図の
(b)に示すように濃度変化が乏しく好ましい濃度出力
を得られない場合があるので、本例では同図の(c)に
示すように往復主走査について2ドットおきのプリント
を行うものとする。
【0223】さて、隣接する基準ドットとずらしドット
との2ドットについて考えた場合、それらが接する状態
が最もドットで覆われる領域の面積が大きく、それ以上
ドットが離れていってもドットで覆われる面積の合計は
変化しない。つまり、濃度変化はない。逆に、接する状
態から近づいていくと、ドットで覆われている領域の面
積は、着弾位置の変化に従って減少していく。つまり、
濃度が着弾位置に従って変化する。
【0224】画素密度とドット直径の関係から、エリア
ファクタを100%にするために1画素の√2倍の大き
さのドット直径とした場合、着弾位置が合っている状態
では隣接するドットには重なる部分が必ず存在する。従
って、着弾位置が合っている状態はドットの着弾位置で
濃度が大きく変化する領域であると言える。
【0225】図41に示すように、往走査で形成する基
準となるドットに対して、復走査ドットの着弾位置の位
置合わせ条件(ドットずらし量)を変えて形成したパッ
チ群(パターン)の濃度変化(破線は多項式近似した
もの)と、当該各位置合わせ条件毎に、基準となるドッ
トに対して線対)となる位置に復走査ドットを形成する
ことによって得たパッチ群(パターン)の濃度変化
(破線は多項式近似したもの)とは同様の特性となり、
調整方向の方向性により、濃度変化の特性が反転してい
るだけである。この特性を利用して、2つの濃度変化の
特性の交点が丁度、ドットの着弾位置が合っている調整
位置として求めることができる。
【0226】この調整方法は微妙な着弾位置のズレが濃
度変化に敏感に現れるために、厳密な着弾位置の調整に
向いており、精度の良いドットアライメントを実現する
ことができる。
【0227】また本方法は、調整方向の方向性に応じた
特性曲線を測定値から求めた近似曲線としても良いし、
交点付近の複数点から近似直線を求めても良い。
【0228】以上述べてきたように、曲線近似または直
線近似を用いて特性曲線の交点から調整位置を求めてい
るが、調整間隔が必要な精度の間隔であれば、特性曲線
の近似式を求める必要はない。例えば、2つの特性の出
力AD値(濃度)の差が最も小さい点を調整位置として
求めてもよく、近似式を用いる構成に特に限定されるも
のではない。
【0229】パターンを得る際には、図42に示すよ
うに、ずらし量を0ドットとするパッチ(図中の
(c))に対して、正負各方向(図の左方向を正とす
る)に0.5ドット刻みで復走査プリントでの着弾位置
をずらしたパッチ(図では(a),(b),(c))を
形成すればよい。一方、基準ドットに対して復走査ドッ
トがパターンとは線対称となる位置に形成されるパタ
ーン(反転パターン)を得る際には、図43に示すよ
うに、まずパターンでのずらし量0の場合に対して2
ドット分だけ図の左方向に復走査ドットをシフトして形
成するパッチ(図中の(c))に対して、正方向には
0.5ドット刻みで復走査プリントでのずらし量を減じ
たパッチ(図では(a),(b))を、負方向には0.
5ドット刻みで復走査プリントでのずらし量を増したパ
ッチ(図では(c))を形成すればよい。
【0230】なお、この例では微調整について2パター
ンの特性の交点を求めてドットアライメント処理を行う
ものとしたが、粗調整について行うこともできるのは勿
論である。
【0231】(4.5)確認パターンのプリント 最後に、ドットアライメントが成功したことをユーザが
確認するために、確認パターンをプリントする。確認パ
ターンは、ユーザが認識しやすい罫線パターンなどを用
い、粗調整および微調整で求めた調整値を用いて双方向
プリントを行う。つまり、調整を行うための濃度を測定
する調整パターンと調整の確認をするための確認パター
ンの2つの種類(センサキャリブレーション時のものを
加えれば3種類)のプリントパターンがプリント媒体上
に形成されるのである。
【0232】なお、プリント媒体上に形成されるパター
ンの具体例についてはモードに応じたドットアライメン
ト処理において説明する。
【0233】(4.6)本例の効果等 ドットアライメント処理のアルゴリズムの第1例におい
ては、双方向プリントのプリント位置合わせについて粗
調整と微調整との2段階の調整方法を有することによ
り、プリント装置本体およびプリントヘッドの双方向プ
リントでの相対的なプリントドットの着弾位置の公差精
度の最大値から、高精度の調整までを一連の自動ドット
アライメントシーケンスで実施することができる。
【0234】また、予め粗調整を行っておくことで微調
整の範囲を小さくし、すなわち調整を迅速に行うことが
できる。これはシーケンス全体のスループットの向上に
有効である。また、ユーザにマニュアル調整のみを行わ
せる場合には、途中にユーザに判断を強いることにな
り、誤判断による調整ミスの発生も起こりうるが、本例
ではこれを抑制することができる。
【0235】以上説明してきたように、本例では同一の
プリントヘッドを用いて往走査と復走査によりそれぞれ
プリントを行い画像を形成するプリント方法において、
本ドットアライメント処理を用いて最適な調整値を求め
ることにより、プリントドットの往走査の着弾位置と復
走査の着弾位置を最適な位置条件に設定してプリントを
行うことが可能になる。これにより、着弾位置のずれな
い双方向プリントを行うことができるプリント方法を実
現できる。
【0236】なお、本例では粗調整を行った上で微調整
を行うようにしたが、この順序は逆でもよい。その理由
については後述する。
【0237】また、実施形態ではプリントしたドットの
着弾位置精度に起因して変化する面積の変動を反射濃度
として検出するものである。従って、センサキャリブレ
ーションやプリント位置合わせのために形成されるパタ
ーンは、入射光に対してプリントドットが十分な吸収特
性がある色でプリントを行うのが強く望ましい。赤色L
EDを用いる場合、吸収特性の点からはBkまたはCy
anが好ましく、十分な濃度特性、S/N比を得ること
ができる。そこで、本例では、最も吸収特性に優れたB
kドットを用た。
【0238】これは、図44に示すようにBkが赤色光
のスペクトル特性上、全領域に対して光吸収が可能であ
るからである。Cyanに関しては、赤色の補色に相当
し、高い吸収特性を有するが、赤色光そのものが理想的
な光ではなく、スペクトル特性上広がりを持っているた
め、Cyanドットでは吸収しきれないスペクトル成分
が存在する。従って、全領域について吸収可能なBkよ
りは吸収特性が若干落ちる。
【0239】もっとも、用いるLEDの特性に応じて、
ドットアライメントに使用する色を決めることにより、
各色に対応させることもできる。逆に、パターンを形成
する色に応じてLEDを選定することもできる。例え
ば、赤色以外に青色LED、緑色LED等を搭載するこ
とで、Bkに対して、各色(C、M、Y)毎にドットア
ライメントを行うことができる。また、各色吐出部(ヘ
ッド)が別体に構成されてプリント装置に並置されて用
いられるような場合にはすべての色についてプリント位
置合わせを行うことが好ましいので、それに応じたセン
サを用意し、それぞれについて所要のキャリブレーショ
ンを行えばよい。
【0240】5.ドットアライメント処理のアルゴリズ
ムの第2例 本例では複数ヘッド間のドットアライメント処理をも行
う場合について説明する。すなわち、本例では双方向プ
リントのドットアライメントに加え、2ヘッド間の縦方
向および横方向のドットアライメントを実施している。
【0241】図45は本例における自動ドットアライメ
ント処理手順の概要を示し、概ね回復処理ステップ(ス
テップS101)、センサキャリブレーション処理ステ
ップ(ステップS103)、2ヘッド間縦方向調整ステ
ップ(ステップS104)、双方向記録の粗・微調整ス
テップ(ステップS105,S107)、2ヘッド間主
走査方向の粗・微調整ステップ(ステップS108,S
109)、および調整値確認パターンプリント処理ステ
ップ(ステップS111)から成っている。
【0242】なお、本手順を起動するための手段として
も、プリント装置本体に設けた起動スイッチや、ホスト
コンピュータ側のアプリケーションからの指示とするほ
か、装置電源投入時やタイマ起動など、適宜のものとす
ることができる。また、それらの組み合わせであっても
よい。
【0243】回復処理(ステップS101)については
上例と同様である。また、例えばセンサキャリブレーシ
ョン処理において使用可能範囲外のデータを獲得するよ
うなキャリブレーションエラーが生じた場合や、あるい
はドットアライメント処理の過程で外乱光等の影響によ
り極端に反射光が強くなりその結果として粗調整エラー
または微調整エラーが生じたような場合は、通常のマニ
ュアル調整を実施すること(ステップS119)等につ
いても上例と同様である。
【0244】センサキャリブレーション処理(ステップ
S103)についても上例とほぼ同様であるが、本例で
は異色の複数ヘッド間のプリント位置合わせを伴うた
め、これを考慮して当該処理で用いるパターンの形成色
を上例と異ならせることもできる。
【0245】センサキャリブレーションが実施されたあ
との最初の調整として、本例では2ヘッド間の縦方向の
粗調整を行う(ステップS104)。
【0246】本実施の形態のプリント装置では、キャリ
ッジ走査方向に垂直な方向(副走査方向)のプリント位
置の補正を行うために、各プリントヘッド(吐出部)の
インク吐出口を1回のスキャンで形成され得る画像の副
走査方向における最大幅(バンド幅)よりも広い範囲に
わたって設けておき、使用する吐出口の範囲をずらして
用いることによって、吐出口間隔の単位でプリント位置
を補正できる構成をとっている。すなわち、出力するデ
ータ(画像データ等)とインク吐出口との対応をずらす
結果、出力データ自体をずらすことができる。
【0247】すなわち縦方向の調整は画像データの位置
で調整を行い、縦方向のプリント位置合わせ精度はプリ
ントヘッドの解像度およびプリント媒体の送り方向の制
御解像度に依存するので、ここでは、粗調整のみを行っ
ている。しかし必要に応じて他と同じように微調整も行
うことができる。
【0248】実施形態で用いた装置は、図6に示したよ
うにBkのインクを吐出するノズルを配列したBkイン
ク吐出部と、それぞれY、MおよびCのインクを吐出す
るノズル群を一体かつインラインにBkの吐出口配列範
囲に対応して配列してなるカラーインク吐出部とが並置
されたヘッドを用いるものである。従って、特に複数ヘ
ッド(吐出部)間の縦方向ドットアライメント処理にあ
たって、Bkと例えばCとの間のプリント位置合わせを
行えば、Cインクの吐出口群と同時工程で製造されて一
体かつインラインとなっているMおよびYインクのノズ
ル群のBk吐出部に対するプリント位置合わせも実質的
に行われ、すなわち複数ヘッド(吐出部)間のドットア
ライメント処理が完了する。従って特に複数ヘッド(吐
出部)間のドットアライメント処理にあたって赤色のL
EDを発光部として採用する一方、赤色光に対して十分
な吸収特性のあるBkおよびCインクを使用して測定パ
ッチを形成してプリント位置合わせを行えば足りるので
ある。
【0249】もっとも、用いるLEDの特性に応じて、
ドットアライメントに使用する色を決めることにより、
各色に対応させることもできる。逆に、パターンを形成
する色に応じてLEDを選定することもできる。例え
ば、赤色以外に青色LED、緑色LED等を搭載するこ
とで、Bkに対して、各色(C、M、Y)毎にドットア
ライメントを行うことができる。また、各色吐出部(ヘ
ッド)が別体に構成されてプリント装置に並置されて用
いられるような場合にはすべての色についてプリント位
置合わせを行うことが好ましいので、それに応じたセン
サを用意し、それぞれについて所要のキャリブレーショ
ンを行えばよい。以下に述べる横方向調整においても同
様である。
【0250】次に、上例と同様双方向プリントの粗調整
を行い(ステップS105)、さらに双方向プリントの
微調整を行って、最高精度での調整を実施する(ステッ
プS107)。双方向プリントの場合、往走査プリント
および復走査プリントの相対的な着弾位置精度の調整
は、各走査での駆動タイミングを調整することで行う。
【0251】ここで、当該調整はBkについてのみ行っ
てもよいし、他色について行ってもよく、双方向プリン
トに係る色に応じた処理を行えばよい。
【0252】次に、2ヘッド間の横方向(主走査方向)
の粗調整を行い(ステップS108)、さらに横方向の
微調整を行う(ステップS109)。横方向の調整は各
ヘッド間での駆動タイミングを調整することで行う。そ
して、これら粗・微調整についても、2ヘッドについて
上例の図37〜図43を用いて説明したと同様の処理が
行われる。
【0253】実施形態で用いた装置は、図6に示したよ
うにBkのインクを吐出するノズルを配列したBkイン
ク吐出部と、それぞれY、MおよびCのインクを吐出す
るノズル群を一体かつインラインにBkの吐出口配列範
囲に対応して配列してなるカラーインク吐出部とが並置
されたヘッドを用いるものである。従って、特に複数ヘ
ッド(吐出部)間の横方向ドットアライメント処理にあ
たって、Bkと例えばCとの間のプリント位置合わせを
行えば、Cインクの吐出口群と同時工程で製造されてイ
ンラインとなっているMおよびYインクのノズル群のB
k吐出部に対するプリント位置合わせも実質的に行わ
れ、すなわち複数ヘッド(吐出部)間の横方向ドットア
ライメント処理が完了する。従って特に複数ヘッド(吐
出部)間のドットアライメント処理にあたって赤色のL
EDを発光部として採用する一方、BkおよびCインク
を使用して測定パッチを形成して横方向プリント位置合
わせを行えば足りるのである。
【0254】最後に、上例と同様調整値の確認パターン
をプリントして本自動ドットアライメントシーケンスを
終了する(ステップS111)。
【0255】なお、本例において、横方向のドットアラ
イメントは、各ヘッド間での往走査プリントでの調整だ
けではなく、復走査プリントでの調整も行う。これは1
つのヘッドで双方向プリントのドットアライメントを調
整した場合、その他のプリントヘッドにおいてその調整
値を用いても着弾位置ずれを生じることがある。各プリ
ントヘッドにおいてインクの吐出方向が異なっていた
り、吐出速度が異なっていたりすると、プリントヘッド
毎に双方向プリントの状態が異なってしまうためであ
る。このような現象に対して、双方向プリントの調整値
が1つのみ設定できる場合、双方向プリントを基準とな
る1つのプリントヘッドでドットアライメントを実施す
る。次に、双方向プリントの基準になったプリントヘッ
ドを横方向においても基準として、横方向のドットアラ
イメントを各走査プリント毎に行う。これにより、プリ
ントヘッドの特性に起因する双方向もしくは横方向の着
弾位置のずれの発生を抑制することができる。
【0256】また、双方向プリントの調整値が複数設定
できる場合には、各プリントヘッド毎に双方向プリント
のドットアライメントを行い、横方向は1つの方向にの
みドットアライメントを行うことで、各プリントヘッド
の特性が異なる場合でも着弾位置の調整をすることがで
きる。
【0257】また、ドットアライメント処理時ないしは
その結果を用いる実際のプリント動作時において着弾位
置をずらすには、以下を適用することができる。
【0258】双方向プリントに対しては、例えばキャリ
ッジモータ6のトリガ信号の発生間隔に等しいインター
バルを用いた吐出開始位置制御により行う。この場合、
ゲートアレイ140に対し例えばソフトウェアにて80
nsec間隔を設定することができる。しかし必要な解
像度を持っていれば良く、2880dpi(8.8μ
m)程度で充分な精度となる。
【0259】複数ヘッドを用いるプリントの横方向につ
いては、画像データを720dpi間隔で制御すること
により行う。そして、1画素以内のずれについては、例
えば、ノズル群がいくつかのブロックに分けられて時分
割に駆動される形態にあっては、複数ヘッド間の720
dpi駆動用のブロック選択順序を変えることで、ま
た、1画素以上のずれについてはプリントする画像デー
タを複数ヘッド間でずらすことで制御する。
【0260】複数ヘッドを用いるプリントの縦方向につ
いては、画像データを360dpi間隔で制御し、プリ
ントする画像データを複数ヘッド間でずらすことで制御
する。
【0261】6.モード等に応じたドットアライメント
処理 次に、プリント装置が持つモード(例えばプリントドッ
トの大きさを変更して高解像度プリント等を行うモー
ド)等に応じて自動ドットアライメントの制御の変更
(例えばプリントドットの大きさに応じた変更)を行う
場合について説明する。
【0262】インクジェットプリント装置の場合、プリ
ントドットの大きさは主にプリントヘッドから吐出され
るインク量で決定される。
【0263】図46は吐出インク量を変化させることの
できる吐出ヒータ部の構成例を示す拡大図である。ここ
で、5000は図7について述べたヒータボードHBの
エッジであり、吐出用ヒータに対してこの側面がインク
吐出口側となる。図示の例においては吐出用ヒータ部5
013は2つの吐出用ヒータ5002および5004を
有している。ここでは、吐出口方向前側にある吐出用ヒ
ータ5002のサイズは、長さLf=131μm、幅W
f=22μmであり、後側にある吐出用ヒータ5003
のサイズは、長さLb=131μm、幅Wb=20μm
である。5001は各ヒータへの共通配線を示し、グラ
ンドラインに接続される。5003および5005は、
それぞれ、ヒータ5002および5004を選択的に駆
動するための個別配線であり、ヒータへの通電をオン/
オフするヒータドライバに接続される。
【0264】2つの吐出用ヒータ5002,5004を
1つの吐出口に対して設けることで、細密なプリントが
要求される場合にはいずれかの吐出用ヒータを駆動して
対応した部位にのみバブルを発生させることにより、吐
出量を比較的小としたインクドットでプリントを行って
高解像度を実現することができる。一方いわゆる「ベ
タ」プリントを行うような場合には、双方のヒータを駆
動してそれらの上方を覆う比較的大きなバブルを発生さ
せることにより、吐出量を比較的大としたインクドット
でプリントを行ってプリント効率を向上することができ
る。
【0265】このように吐出されるインク量が異なる場
合には、主走査速度、吐出速度、吐出角度の点から、ド
ットアライメントの調整値が異なる場合がある。従っ
て、1つの吐出量に対してのみ上述のようなドットアラ
イメントを行った場合、その他の吐出量ではその調整値
を使用しても着弾位置が異なってしまう場合がある。
【0266】これに対して、プリントドットの大きさ毎
にドットアライメントを実施する。すなわち、それぞれ
のプリントドットに最適な調整値を設定することで、そ
れぞれのプリントにおいて、プリントドットの着弾位置
の合っているプリントを実施することが可能になる。
【0267】さらに、キャリッジ速度(主走査速度)、
吐出速度、吐出角度などもプリントドットの着弾位置を
異ならせる要因である。
【0268】例えば、図47の(a)の場合の着弾位置
のずれ量Δaに対して、吐出速度が小さい(b)の場合
の着弾位置のずれ量Δbは大きくなり、主走査速度が大
きい(b)の場合の着弾位置のずれ量Δcも大きくな
る。従って、それら主走査速度、吐出速度や吐出角度毎
にドットアライメントを実施しても良く、そのようにす
ることが実際有効である。
【0269】図48はプリンタの持つモードないしはヘ
ッドの構成に応じたドットアライメント処理を説明する
ための説明図である。
【0270】ここで、「プリンタ1」は、図5に示した
ような構成を有するプリンタであり、「ヘッド1」また
は「ヘッド2」を用いることができることを示してい
る。「ヘッド1」および「ヘッド2」は図6に示した形
態のヘッドである。「ヘッド1」は同図示の構成を有
し、ドットアライメント処理に際しては、各モードに応
じてBkドットおよびCドットについてのレジストレー
ション処理(2ヘッド間の縦・横方向)またはBkドッ
トのレジストレーション処理(往復主走査方向)を行う
ものとする。「ヘッド2」はBk、LC(薄いシア
ン)、LM(薄いマゼンタ)のノズル群がインラインに
配列された吐出部を有する一方、LCおよびLMのノズ
ル群に対応して並置される形態でそれぞれCおよびMの
ノズル群等がインラインに配列された吐出部を持つよう
なヘッドであり、ドットアライメント処理に際しては、
各モードに応じてLCドットおよびCドットについての
レジストレーション処理(2ヘッド間の縦・横方向)ま
たはBkドットのレジストレーション処理(往復主走査
方向)を行うものとする。
【0271】「プリンタ2」はモノクロームプリントを
行うプリンタであり、Bkインクを吐出するノズル群が
配列された「ヘッド3」または「ヘッド4」を用いるこ
とができる。
【0272】また、各ヘッドはいずれも図46に示した
ような吐出ヒータ部を有し、解像度に応じて大小の吐出
量を得ることができる。解像度毎の主走査速度は、例え
ば、180 ×180 dpiの場合は30インチ/秒、360 ×36
0 dpiの場合は20インチ/秒、720 ×720 dpiの場
合は20インチ/秒、1440×720 dpiの場合は10インチ
/秒の如く定めることができる。さらに、ドロップサイ
ズ毎のインク吐出量は、「ヘッド1」および「ヘッド
4」については「大」が80pl(ピコリットル)、
「小」が40plとし、「ヘッド2」および「ヘッド3」
については「大」が40pl、「小」が15plとすること
ができる。
【0273】実施形態の調整は、双方向プリント、2ヘ
ッドの横方向および縦方向プリントに対応可能であり、
さらに粗調整と微調整との2段階調整を行うことが可能
であるが、図48に示すように、プリンタおよびヘッド
の構成や、ヘッドの組合わせその他に応じて適宜の調整
を実行することができ、さらにそれぞれの解像度、主走
査速度や吐出速度毎等に調整を行うことができる。ま
た、プリントヘッドによる取り付け精度や製造上の精度
により吐出角度は異なるので、必要なプリントヘッド毎
に調整を実施するのが好ましい。
【0274】そして、各モード毎に決定される調整値を
それぞれEEPROM等の不揮発性のメモリ(例えば図
9のコントローラ100の構成に付加することができ
る)に記憶しておく。このように、プリントモード毎に
1度だけのドットアライメントを実施し、これを保存し
ておくことにより、プリントモードに応じて使用する調
整値を読み出すことで、それぞれのモード毎に最適な着
弾位置の調整が行われたプリントが可能になる。
【0275】なお、図48の記載内容は数値も含めて例
示であって、本発明がこれに限定されないのは言うまで
もない。
【0276】次に、実際の調整パターンを例示する。
【0277】図49は調整パターンの一例を示し、図4
5の基本的処理手順を応用した処理の過程で形成・利用
されるものである。図示のパターンはB5版(182m
m(2580ドット)×257mm(3643ドッ
ト))のサイズに対応して形成され、 図45のステッ
プS103のようなセンサキャリブレーションで形成さ
れるパッチ、ステップS104のような2ヘッド間縦方
向粗調整処理で形成される360×360dpiのパッ
チ群、ステップS105のような双方向プリント粗調整
処理で形成される360×360dpiのパッチ群(−
4から+4まで1ドット刻みのずらしを行って形成した
9パッチ)、ステップS107のような双方向プリント
微調整処理で形成される360×360dpiのパッチ
群(−1から+1まで0.5ドット刻みのずらしを行っ
て形成した5パッチおよびその反転パターンの5パッ
チ)、および同じく180×180dpのiパッチ群、
ステップS105のような双方向プリント粗調整処理で
形成される720×720dpiのパッチ群(−4から
+4まで1ドット刻みのずらしを行って形成した9パッ
チ)、ステップS108のような2ヘッド間横方向粗調
整処理で形成される360×360dpiのパッチ群
(−4から+4まで1ドット刻みのずらしを行って形成
した9パッチ)、ステップS109のような2ヘッド間
横方向(特に往方向)微調整処理で形成される360×
360dpiのパッチ群(−1から+1まで0.5ドッ
ト刻みのずらしを行って形成した5パッチおよびその反
転パターンの5パッチ)、および同じく2ヘッド間横方
向(復方向)微調整処理で形成される360×360d
piのパッチ群、同じく2ヘッド間横方向(往復各方
向)の微調整処理で形成される180×180dpi、
720×720dpi、1440×720dpiの各パ
ッチ群(反転パターン共)、が頁頭から形成され、末尾
にステップS111のような処理で形成される確認パタ
ーンが付加されている。
【0278】ここで示した調整パターンは様々なプリン
トモードに対応したものが含まれているが、例えば、2
ヘッド間の調整の入らないシングルヘッドのプリント装
置においては2ヘッド間の調整は必要なく、双方向の調
整のみを行っても良い。そのプリント装置で使用するで
あろうプリントモードが含まれていればよいのである。
【0279】また、各処理で形成される複数のパターン
(パッチ)は図示の例では分散的に形成されているが、
前述のように、これらは連結または連続して形成されて
いてもよいものである。すなわち、各処理における各ド
ット形成位置条件とパターン形成位置との対応づけが確
実であれば、複数のパターンを連続した1つのものとし
てもよい。また、各処理とそれに応じたパターン形成位
置との対応づけが確実であれば、各処理間で連続させて
もよい。
【0280】また、使用するインクの色により、吐出速
度が異なる場合はその色毎にドットアライメントを実施
して、色毎に最適な着弾位置の調整値を持っていても良
いのである。
【0281】さらに、かかる調整は処理手順が起動され
たときにプリント装置の持つすべてのモードについて一
括して行われるものでもよく、ユーザ等の選択に応じて
指定されたモードについてのみ行われるようにしてもよ
い。
【0282】また、調整処理の起動についても、プリン
タ本体に設けた起動スイッチ等の操作や、ホスト装置の
アプリケーションを通じた指示によるものとするほか、
例えばプリント装置各部やヘッドの経時変化を考慮し、
タイマ等の管理手段を用いて、長期間調整が行われてい
なかった場合に調整処理を起動もしくはこれを促すもの
とすることもできる。また、ヘッドカートリッジ100
0が交換された場合にも調整処理を起動もしくはこれを
促すようにすることができる。
【0283】7.マニュアル調整等 (7.1)マニュアル調整 次に、自動ドットアライメントシーケンスが実施できな
い場合に行うマニュアル調整(図30または図45の処
理手順におけるステップS119)について述べる。
【0284】実施形態の装置では光学センサを用いて濃
度の検出を行っているので、光学センサが電気的に動作
しない場合、もしくは光学的に動作できない場合等には
その他のドットアライメント手段が必要になる。この場
合は、マニュアル調整を実施する。マニュアル調整に移
行する条件について説明する。
【0285】まず、光学センサを用いるためには、キャ
リブレーションを行うが、その際得られたデータが明ら
かに使用可能範囲外のものである場合には、キャリブレ
ーション・エラーとし、ドットアライメント動作を中止
する。例えば、光学センサのLEDの出力が小さすぎて
測定物を照射する光量が少なすぎる場合、フォトトラン
ジスタの寿命などにより検出能力が低下して十分な出力
が得られない場合、外光の進入などによりフォトトラン
ジスタが検知する反射光があまりに大きすぎる場合等
が、光学センサが正常に動作できない場合である。
【0286】この場合にはその状態のステータスをホス
トコンピュータに通信して、アプリケーションを介して
エラーであることを表示する。さらに、マニュアル調整
を実施するように表示して実行を促す。または、キャリ
ブレーション・エラーを検知した場合もドットアライメ
ント動作を中止して、給紙されているプリント媒体上に
マニュアル調整の実施を促すプリントを行っても良い。
【0287】マニュアル調整では、1ドットの罫線パタ
ーンを用いる。プリント媒体に第1のプリントで基準と
なる罫線パターンをプリントし、相対位置条件の異なる
複数の罫線(ずらし量の異なる罫線)を第2のプリント
でプリントする。このプリントされたものをユーザが見
て、どの条件が最も最適なのか判断するのである。従っ
て、判断しやすいように、1ドット罫線を用い、最も着
弾位置が合っている位置を実際のドットの位置で見るこ
とができるようにする。
【0288】マニュアル調整には粗調整と、その後に行
われる微調整が含まれる。
【0289】マニュアル調整の粗調整においては、プリ
ント装置およびプリントヘッドが持っている着弾位置の
公差範囲に応じた罫線パターンを用いる。例えば、公差
精度が±4ドットである場合の粗調整は図50(A)の
ようになる。
【0290】図50(A)では、基準線とずらし線とを
それぞれ調整対象となるプリント手段でプリントを行う
ものとする。また、ずらす量が丁度0のときに着弾位置
が合うものとして例示してある。
【0291】このようなパターンを見て、ユーザがどの
条件が最も着弾位置が合っている(レジストレーション
が合っている)かを判断して、その調整値をプリント装
置本体に入力するか、ホスト装置上(プリンタドライバ
のメニュー等)から入力するかして、本体に記憶させ
る。
【0292】さらに、より高い精度で調整を行うため
に、図50(B)のようなパターンをプリントして、微
調整を実施する。
【0293】図50(B)では、0.5ドット単位で調
整しているが、本体が有する調整能力(調整解像度、調
整精度)に応じて選択できる。そして、粗調整と同様
に、ユーザがどの条件が最も着弾位置が合っている(レ
ジストレーションが合っている)かを判断して調整を行
う。より高い精度で調整を行う微調整では、粗調整であ
る程度着弾位置が合っているという仮定で実施できるも
のである。粗調整の前提がなければ、基準線とずらし線
の位置は全く異なる点でプリントされてしまう場合があ
る。このような単純な1つの罫線でドットアライメント
を行う場合の原理的なものであり、1ポイントのみが調
整値となる。
【0294】(7.2)マニュアル調整と自動調整との
差異 これに対して、上述した自動ドットアライメントは、反
射濃度(もしくは光学センサの出力)を測定し、その値
から調整値を求めるため、マニュアル調整のように、粗
調整を実施しなければ、微調整が実施できないようなこ
とはない。
【0295】まず、自動ドットアライメントで用いる画
像パターンは、反射濃度を測定するためのものであり、
例えば図37のような第1のプリント、第2のプリント
でそれぞれ同じ幅のパターンがプリントされる。最終的
には、パッチ(100%のベタパターンあるいは、必要
に応じてある程度間引いたパターン)をプリントするこ
とになる。これを光学センサを用いて、プリントドット
の位置を見るのではなく、その反射濃度を見るのであ
る。そしてこの反射濃度の特性から着弾位置の最適な調
整点を割り出すのである。
【0296】図37および図39に示した調整用のパタ
ーンを用いた場合について考える。
【0297】まず、図37のような4ドットで構成され
るパターンを調整範囲以上にずらした場合の反射濃度は
図51(A)のようになる。
【0298】パッチはそれぞれ横方向に連続した4ドッ
トの2つのパターン(第1のプリントと第2のプリン
ト)で構成されるために、調整範囲以上に相互の位置を
ずらした場合には、+4から−4の幅(8ドット分)を
1つの周期として、その中で最大または最小値が存在
し、その周期で全く同じの濃度特性が繰り返されるので
ある。すなわち、特性は三角関数的挙動を示し、Aco
sθで表すことができる(Aは振幅の2倍すなわち最大
濃度と最小濃度の差であり、nはずらしドット量、mを
公差精度の幅、公差範囲とすると、θ=2πn/mで表
すことができる。)つまり、この自動ドットアライメン
ト処理では、単純に反射濃度を見るために、濃度から考
えられる調整点(例えば、反射濃度が最大となる点を調
整値とした場合には、上記の図で+8、0、−8の3つ
のポイントが調整値となる)は複数存在することにな
る。ただプリント装置およびプリントヘッドが有する着
弾位置の公差精度は有限である。例えば、上記のように
公差精度が±4ドットである場合はその範囲内には濃度
の最大値および最小値がそれぞれあり、1周期分が含ま
れる。逆に言えば、プリント装置およびプリントヘッド
が有する着弾位置の公差精度に応じて粗調整に用いるパ
ターンの幅を決定する(2つのパターンで公差範囲より
大きくする)ことにより、必ず上記の関係が成り立つ。
【0299】このようにして、調整精度にもよるが1ド
ット単位で調整していれば、この濃度特性から少なくと
も±1ドット以内の精度でドットアライメントを実施で
きる。
【0300】さらに、微調整において、図39のような
1ドットで構成されるパターンを調整範囲以上にずらし
た場合は図51(B)のようになる。
【0301】図37の場合と同様に、パッチはそれぞれ
1ドットの2つのパターン(第1のプリントと第2のプ
リント)で構成されるために、調整範囲以上に相互の位
置をずらした場合には、+1から−1の幅(2ドット
分)を1つの周期として、その中で最大または最小値が
存在し、その周期で全く同じの濃度特性が繰り返され
る。
【0302】ここで、ドットアライメントについて考え
ると、濃度から考えられる調整点(例えば、反射濃度が
最大となる点を調整値とした場合には、上記の図で+
2、0、−2の3つのポイントが調整値となる。実際に
は細かい刻みの解像度になる)は複数存在することにな
る。この時点では、着弾位置の調整点は3つのポイント
のどれでも良い。微調整は、レンジで1ドット以内の調
整を行うものであるからである。
【0303】粗調整で±1ドット以内に調整している結
果から、上記3つのポイントの中で最適なポイントがど
こであるかは判別することができる。
【0304】粗調整はプリント装置およびプリントヘッ
ドが有する着弾位置の公差精度の範囲内を粗く調整する
方法である一方、微調整はプリント装置が取り得る最高
精度で調整を行う方法であり、両者は調整範囲、調整単
位が異なるものである。
【0305】そして、その順番を問うものではなく、粗
調整、微調整の順番で行っても、微調整、粗調整の順番
で行っても構わない。調整単位が異なり、それぞれの特
性に相互に関与しないからである。また、上記のような
周期特性を有することに起因する。この点が通常のマニ
ュアル調整と最も異なる点である。そしてそのように調
整範囲、調整単位が異なる両者を組み合わせて用いるこ
とによって、プリント媒体の浪費を伴うことなく迅速か
つ正確に調整値を得ることができる。
【0306】以上のように、マニュアル調整と自動ドッ
トアライメントで用いる調整パターンは全く異質のもの
である。
【0307】本発明が適用されるプリント方法もしくは
プリント装置は、この特性の異なる2つの調整パターン
を有することを特徴として、必要に応じてその調整パタ
ーンを使い分けることが可能である。前述のように、光
学センサが電気的に動作しなかったり、外光などの影響
で光学的に使用できなかったりする場合に、マニュアル
調整を用いることで、着弾位置の調整が可能になるので
ある。
【0308】8.吐出量変調を伴う双方向プリントによ
る画像形成を行う場合の調整 ところで、吐出されるインク量が異なる場合には一般に
吐出速度が異なる。例えば、走査速度およびプリント媒
体への距離を一定とし、図46のような吐出ヒータ部を
もつプリントヘッドにて大小ドロップを吐出するような
場合には小ドロップの吐出速度は大ドロップの吐出速度
より小さい。従って大小ドロップを混在させて用い、さ
らに双方向プリントにて画像形成を行うような場合に
は、大ドロップの双方向プリントについて定めたプリン
ト位置条件を単純に採用しても、大ドロップによる形成
ドットに対する小ドロップによる形成ドットのレジスト
レーションがずれてしまう。
【0309】図52を用いて大小ドロップによる形成ド
ットのレジストレーションのずれ等について説明する。
【0310】(a)および(b)は、それぞれ、大ドロ
ップにより大ドットを主走査方向に360dpiで形成
するときの理想着弾位置、および小ドロップにより小ド
ット主走査方向にを720dpiで形成するときの理想
着弾位置を示している。また、(c)は、大小ドットを
混在させて主走査方向に720dpi(大ドット相互間
および小ドット相互間では360dpi)で形成すると
きの理想着弾位置である。
【0311】(d)は、プリント媒体の被プリント面に
直交する方向(被プリント面が水平方向であれば鉛直方
向)からインクを吐出可能なヘッドを用いるプリント装
置において、大ドロップの吐出速度が20m/s、小ド
ロップの吐出速度が18m/s、キャリッジ速度(主走
査速度)が20inch/s、吐出口から被プリント面
までの距離が1.4mmであるときに、(c)と同様の
ドット形成を行った結果を示している。この場合、小ド
ロップによる形成ドットは、理想的な着弾位置ないしは
隣り合うべき大ドロップによる形成ドットに対し、主走
査方向に約5μmずれた状態となる。そして、大ドロッ
プについて最適なプリント位置条件を定める一方、往方
向では小ドロップを大ドロップに先行させて吐出させ、
復方向では大ドロップを小ドロップに先行させて吐出さ
せるようにすると、往方向では右、復方向では左にそれ
ぞれ約5μmのずれが生じるので、往復双方向の小ドロ
ップ間でのプリント位置ずれ量は10μm程度となる。
【0312】(e)は、小ドロップの吐出速度が10m
/sであること以外は(d)と同じ条件でドット形成を
行った結果を示している。この場合はプリント装置とし
ての動作上、小ドロップによる形成ドットは、大ドロッ
プによる形成ドットに対し、主走査方向に約35μmず
れて重なりあった状態となる。そして、大ドロップにつ
いて最適なプリント位置条件を定める一方、往方向では
小ドロップを大ドロップに先行させて吐出させ、復方向
では大ドロップを小ドロップに先行させて吐出させるよ
うにすると、往復双方向で形成された小ドット間の着弾
位置ずれ量は70μmとなる。
【0313】(f)は、往復両方向について小ドロップ
を大ドロップに先行させて吐出させるようにしたこと以
外は(e)と同じ条件でドット形成を行った結果を示し
ている。この場合、往復双方向の小ドロップ間でのプリ
ント位置ずれ量は約35μm程度となる。また、往復双
方向の大ドロップ間でもプリント位置ずれが生じ、その
量は約35μmとなる。
【0314】(g)は、(f)において復方向のプリン
ト位置を復路主走査方向とは反対に35μm補正したも
のである。この場合、大小ドロップともに往復双方向の
プリント位置ずれ量はほぼ0μmである。
【0315】吐出角度、大小ドロップの速度比、主走査
速度、吐出口から被プリント面までの距離などの要因に
よる双方向プリントでの大小ドロップ間の理想着弾点の
ずれ量が10μm程度以下であれば、人間の目に感じら
れる「ざらつき感」はさほどなく、従って良好な品位の
プリント物が得られると考えられる。
【0316】従って、双方向プリントでの着弾点のずれ
量が10μm以下の場合には、往方向では小ドロップを
大ドロップに先行させて吐出させ、復方向では大ドロッ
プを小ドロップに先行させて吐出させるようにするとと
もに、その際のプリント位置条件は一方(例えば大ドロ
ップ)を用いる双方向プリントについて上述のようにし
て得た最適なプリント位置条件を採用することができ
る。
【0317】しかし位置合わせ条件は、大小ドットを併
用する実際のプリントに近いパターンから決定すること
もできる。
【0318】図53および図54は大小ドットによるプ
リントパターンから位置合わせ条件を決定する態様の一
例の説明図であり、上述と同様の粗調整(図53)と微
調整(図54)とを含んでいる。
【0319】粗調整にて図53(A)のようなレジスト
レーション一致パターンを得るために、図37とほぼ同
様の手順にて大小ドロップを用いた基準ドットを往走査
プリントで形成し、位置合わせ条件を変えてプリントを
行うずらしドットを復走査プリントで形成する。すなわ
ち、無調整でプリントを行った場合をずらし量:0ドッ
トとし、復走査における+方向および−方向の所定ドッ
ト数の範囲内のずらしを行って各パターンを形成する
(図53(B)および(C))。
【0320】そして図38について説明したと同様に、
双方向プリントを行う場合の調整値(粗調整値)を得る
ことができる。
【0321】次に、双方向プリントにおけるプリント位
置合わせのより細かい調整精度で微調整を実施するに際
しては、図39と同様の処理を行うこともできるが、図
40〜図43で説明したのと同様の処理を行って調整精
度を高めることができる。
【0322】すなわち、図54に示すように、粗調整で
求められた位置条件を採用して双方向プリントで得たパ
ターン(Ai)に対し、それぞれ+方向および−方向に、
復走査ドットの着弾位置の位置合わせ条件(ドットずら
し量)を変えて形成したパッチ群(パターン(Aii )お
よび(Aiii))の濃度変化の特性と、当該各位置合わせ
条件毎に、基準となるドットに対して線対称となる位置
に復走査ドットを形成することによって得たパッチ群
(パターン(Bi)〜(Biii))の濃度変化の特性との交
点を、ドットの着弾位置が合っている調整位置として求
めることができる。
【0323】このように、双方向プリントでの着弾点の
ずれ量が10μm以下の場合に、往方向では小ドロップ
を大ドロップに先行させて吐出させ、復方向では大ドロ
ップを小ドロップに先行させて吐出させるようにすると
ともに、大小ドットを併用する実際のプリントに近いパ
ターンから位置合わせ条件を決定することもできる。
【0324】また、双方向プリントでの理想着弾点のず
れ量が10μmより大きい場合には、往復双方向ともに
同じ順序(大ドロップを小ドロップに先行させる)で吐
出を行わせるように定めるとともに、図53(A)〜
(C)および図54とそれぞれ同様の図55(A)〜
(C)および図56の処理によりプリント位置条件を求
め、復方向については当初の大小ドロップの双方向着弾
点ずれ量に対応した分だけ当該復方向とは逆の方向に補
正を行えばよい。
【0325】なお、双方向着弾点ずれ量が図52の
(e)のような条件では、大ドロップと小ドロップとは
同位置に着弾し、小ドットが大ドットに完全に重なるこ
とになる。これによって調整用パターンの濃度変化に影
響がないような場合には小ドロップの吐出は必ずしも必
要ないが、当該重畳によってドット面積ないし濃度に変
化が生じるような場合には両ドロップを用いてパターン
を形成することが好ましい。
【0326】また、双方向着弾点ずれ量はヘッドや装置
の仕様(少なくとも大小2種類のドロップの吐出速度や
主走査速度、吐出口から被プリント面までの距離など)
によって実質的に定まる。従って、プリントヘッド側に
電気もしくは電子的、機械的、磁気的、あるいは光学的
に自らの情報を提示する手段を設け、一方装置のヘッド
取付部分等には当該提示情報を受容する対応手段を設け
るとともに、提示情報と自らの仕様とから所要の演算を
行って双方向着弾点ずれ量に係るデータを得、大小ドッ
トを混在させるプリント時における位置合わせ処理の要
否や補正値などを決定することができる。かかる処理は
上述したドットアライメントシーケンスの過程に位置づ
けてコントローラ100により実施することができ、ま
た双方向着弾点ずれ量を求めるための所要の演算に際し
ては、図47について説明したような速度ベクトルの合
成を勘案すればよい。
【0327】さらに、本例では複数段階の調整(粗調整
と微調整)を行うようにしたが、所望の範囲で単一段階
の調整とすることもできる。また、本例では形成パター
ンから自動的に位置合わせ条件を定める態様について述
べたが、手動によってこれを行ってもよい。
【0328】9.その他 以上の各実施の形態では、プリントヘッドからインクを
プリント媒体に吐出して画像を形成するインクジェット
方式のプリント装置における例を示したが、本発明はそ
の構成に限定されるものではない。プリントヘッドとプ
リント媒体とを相対的に移動させて、ドットを形成して
プリントを行うものであれば、方式を問わずいずれのプ
リント装置についても有効である。
【0329】しかし特にインクジェットプリント方式を
用いる場合には、その中でも、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手
段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式のプ
リントヘッド、プリント装置において優れた効果をもた
らすものである。かかる方式によればプリントの高密度
化,高精細化が達成できるからである。
【0330】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0331】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変
換体の組合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)
の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成
を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構
成としても本発明の効果は有効である。すなわち、プリ
ント・ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発
明によればプリントを確実に効率よく行うことができる
ようになるからである。
【0332】さらに、プリント装置がプリントできるプ
リント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライン
タイプのプリントヘッドに対しても本発明は有効に適用
できる。そのようなプリント・ヘッドとしては、複数プ
リントヘッドの組合わせによってその長さを満たす構成
や、一体的に形成された1個のプリント・ッドとしての
構成のいずれでもよい。
【0333】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定されたプリントヘッド、あるい
は装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接
続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在
のチップタイプのプリントヘッド、あるいはプリントヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプのプリントヘッドを用いた場合にも本発明は
有効である。
【0334】また、本発明のプリント装置の構成とし
て、プリントヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段
等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
プリントヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を
行う予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備
吐出手段を挙げることができる。
【0335】また、搭載されるプリントヘッドの種類な
いし個数についても、例えば単色のインクに対応して1
個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異に
する複数のインクに対応して複数個数設けられるもので
あってもよい。すなわち、例えばプリント装置のプリン
トモードとしては黒色等の主流色のみのプリントモード
だけではなく、プリントヘッドを一体的に構成するか複
数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色
の複色カラー、または混色によるフルカラーの各プリン
トモードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0336】さらに加えて、以上説明した本発明実施の
形態においては、インクを液体として説明しているが、
室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化
もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインク
ジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の
範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲
にあるように温度制御するものが一般的であるから、使
用プリント信号付与時にインクが液状をなすものを用い
てもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの
固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使
用せしめることで積極的に防止するため、またはインク
の蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって
液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネ
ルギのプリント信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、プリント媒体に到
達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱
エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを
使用する場合も本発明は適用可能である。このような場
合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは
特開昭60−71260号公報に記載されるような、多
孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保
持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような
形態としてもよい。本発明においては、上述した各イン
クに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実
行するものである。
【0337】さらに加えて、本発明インク・ジェットプ
リント装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組合わせた複写装置、さらには送受信機能を有する
ファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0338】
【発明の効果】本発明によれば、相互のドット形成位置
調整が行われるべき往路、復路のそれぞれの第1のプリ
ントおよび第2のプリント、もしくは複数のプリントヘ
ッドそれぞれのプリントの第1 のプリント、第2のプリ
ントにおいて、プリントドットの着弾位置の最適な調整
値を求めることが可能になる。これにより、大小少なく
とも2種類のドットを混在させた場合を含めて着弾位置
のずれない双方向プリント、もしくは複数のプリントヘ
ッドを用いたプリントを行うことができるプリント方法
およびプリント装置を提供することができる。
【0339】また、画像形成上の問題や操作性上の問題
を発生させずに、高速で且つ高画質の画像のプリントを
行いうる装置ないしシステムを低コストで実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドットマトリクスプリントの原理を説明するた
めの説明図である。
【図2】ドットマトリクスプリントにおいて生じうる濃
度ムラ発生の問題点を説明するための説明図である。
【図3】図2において説明した濃度ムラの発生を防止す
るためのマルチ走査プリントの原理を説明するための説
明図である。
【図4】(A)〜(C)はマルチ走査プリントにおいて
採用される千鳥・逆千鳥プリントを説明するための説明
図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリ
ント装置の概略構成例を示す斜視図である。
【図6】(A)および(B)は、それぞれ、図5に示す
ヘッドカートリッジの構成例およびその吐出部の構成例
を示す斜視図である。
【図7】図6の吐出部において採用されるヒータボード
の構成例を示す斜視図である。
【図8】図5の装置において採用される光学センサを説
明するための模式図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るインクジェットプ
リント装置における制御回路の概略構成を示すブロック
図である。
【図10】図9におけるゲートアレイないしヒータボー
ドの電気的構成例を示すブロック図である。
【図11】ホスト装置からプリント装置内部でのプリン
トデータの流れを説明するための模式図である。
【図12】データ転送回路の構成例を示すブロック図で
ある。
【図13】本発明のドットアライメント処理を説明する
ために、当該処理に使用可能なプリントパターンを示す
模式図であり、(A)はプリント位置が合っている状
態、(B)は少しずれた状態、(C)はさらにずれた状
態でプリントされたときのドットを示す模式図である。
【図14】本発明のドットアライメント処理を説明する
ために、当該処理で用いることのできるプリント位置合
わせのためのパターンを説明する図である模式図であ
り、(A)はプリント位置が合っている状態、(B)は
少しずれた状態、(C)はさらにずれた状態でプリント
されたときのドットを示す模式図である。
【図15】プリントパターンにおいてプリント位置がず
れた量と反射光学濃度との関係を示す線図である。
【図16】図15の関係を用いてドットアライメント処
理を実行するための制御手順の一例を示すフローチャー
トである。
【図17】本発明のドットアライメント処理を説明する
ために、当該処理において形成可能なプリントパターン
をプリント媒体にプリントした状態を示す模式図であ
る。
【図18】図17のプリントパターンに対するプリント
位置合わせ条件の決定の方法を説明するための図であ
る。
【図19】測定された光学反射率とプリント位置パラメ
ータとの関係を示す図である。
【図20】本発明のドットアライメント処理で用いるこ
とのできるプリント位置合わせのためのパターンの他の
例を説明する図である模式図であり、(A)はプリント
位置が合っている状態、(B)は少しずれた状態、
(C)はさらにずれた状態でプリントされたときのドッ
トを示す模式図である。
【図21】本発明のドットアライメント処理で用いるこ
とのできるプリント位置合わせのためのパターンのさら
に他の例を説明する図である模式図であり、(A)はプ
リント位置が合っている状態、(B)は少しずれた状
態、(C)はさらにずれた状態でプリントされたときの
ドットを示す模式図である。
【図22】本発明のドットアライメント処理で用いるこ
とのできるプリント位置合わせのためのパターンのさら
に他の例を説明する図である模式図であり、(A)はプ
リント位置が合っている状態、(B)は少しずれた状
態、(C)はさらにずれた状態でプリントされたときの
ドットを示す模式図である。
【図23】本発明のドットアライメント処理で用いるこ
とのできるプリント位置合わせのためのパターンのさら
に他の例を説明する図である模式図であり、(A)はプ
リント位置が合っている状態、(B)は少しずれた状
態、(C)はさらにずれた状態でプリントされたときの
ドットを示す模式図である。
【図24】ドットアライメント処理を実行するための制
御手順の他の例を示すフローチャートである。
【図25】複数ヘッド間の主走査方向プリント位置合わ
せに用いることのできるプリントパターンの一例のドッ
ト間距離による特性を説明するための模式図であり、
(A)はプリント位置が合っている状態、(B)は少し
ずれた状態、(C)はさらにずれた状態でプリントされ
たときのドットを示す模式図である。
【図26】複数ヘッド間の主走査方向プリント位置合わ
せに用いることのできるプリントパターンの好適例のド
ット間距離による特性を説明するための模式図であり、
(A)はプリント位置が合っている状態、(B)は少し
ずれた状態、(C)はさらにずれた状態でプリントされ
たときのドットを示す模式図である。
【図27】図25および図26におけるプリントパター
ンのドット間距離に応じた反射光学濃度の特性を説明す
るための図である。
【図28】複数ヘッド間の副走査方向プリント位置合わ
せに用いることのできるプリントパターンの好適例のド
ット間距離による特性を説明するための模式図であり、
(A)はプリント位置が合っている状態、(B)は少し
ずれた状態、(C)はさらにずれた状態でプリントされ
たときのドットを示す模式図である。
【図29】図28におけるプリント吐出口のずれ量と反
射光学濃度との関係を示す図である。
【図30】本発明で用いることのできる自動ドットアラ
イメント処理の全体アルゴリズムの一例を示すフローチ
ャートである。
【図31】所定領域に対するインク打込み率を変化させ
た場合の反射率の関係を示す線図である。
【図32】反射率が異なる測定対象の反射濃度を、実施
形態で用いる光センサの発光側の電気信号を変化させて
測定した結果を示す線図である。
【図33】光センサの理想的な感度特性を示す線図であ
る。
【図34】図30のアルゴリズムにおいて採用できるセ
ンサキャリブレーション処理の一つの例を説明するため
の線図である。
【図35】図30のアルゴリズムにおいて採用できるセ
ンサキャリブレーション処理の他の例を説明するための
線図である。
【図36】図30のアルゴリズムにおいて採用できるセ
ンサキャリブレーション処理のさらなる例を説明するた
めのフローチャートである。
【図37】図30のアルゴリズムにおいて採用できる双
方向プリントに対するプリント位置合わせの粗調整処理
例を説明するための模式図である。
【図38】図37の粗調整によって調整値を得る態様を
説明するための線図である。
【図39】図30のアルゴリズムにおいて採用できる双
方向プリントに対するプリント位置合わせの微調整処理
例を説明するための模式図である。
【図40】図30のアルゴリズムにおいて採用できる双
方向プリントに対するプリント位置合わせの微調整処理
の他の例を説明するための前提とする模式図である。
【図41】図30のアルゴリズムにおいて採用できる双
方向プリントに対するプリント位置合わせの微調整処理
の他の例に係るプリントパターンの特性を説明するため
の線図である。
【図42】図30のアルゴリズムにおいて採用できる双
方向プリントに対するプリント位置合わせの微調整処理
の他の例に係るプリントパターンを示す模式図である。
【図43】図30のアルゴリズムにおいて採用できる双
方向プリントに対するプリント位置合わせの微調整処理
の他の例に係るプリントパターンであり、図42の反転
パターンを示す模式図である。
【図44】プリント位置合わせ処理に用いるプリントパ
ターンを形成するインクの選定を説明するための線図で
ある。
【図45】本発明で用いることのできる自動ドットアラ
イメント処理の全体アルゴリズムの他の例を示すフロー
チャートである。
【図46】異なるインク吐出量を得るために採用できる
プリントヘッドのインク吐出部の構成例を示す模式図で
ある。
【図47】主走査速度およびインク吐出速度に応じたイ
ンク着弾位置のずれを説明するための模式図である。
【図48】プリント装置の持つモードに応じたドットア
ライメント処理を説明するための説明図である。
【図49】ドットアライメント処理で形成ないしは利用
されるプリントパターンの一例を示す説明図である。
【図50】(A)および(B)は、それぞれ、手動によ
るドットアライメントの粗調整および微調整を説明する
ための説明図である。
【図51】(A)および(B)は、それぞれ、自動ドッ
トアライメントの粗調整および微調整を説明するための
説明図である。
【図52】大小ドロップを混在させた双方向プリント時
における形成ドットのレジストレーションのずれ等を説
明するための図である。
【図53】(A)〜(C)は、大小ドロップの着弾位置
ずれが比較的小さい場合における双方向プリント時に対
する位置合わせの粗調整の一例を説明するための図であ
る。
【図54】大小ドロップの着弾位置ずれが比較的小さい
場合における双方向プリント時に対する位置合わせの微
調整の一例を説明するための図である。
【図55】(A)〜(C)は、大小ドロップの着弾位置
ずれが比較的大きい場合における双方向プリント時に対
する位置合わせの粗調整の一例を説明するための図であ
る。
【図56】大小ドロップの着弾位置ずれが比較的大きい
場合における双方向プリント時に対する位置合わせの微
調整の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 プリントヘッド 2 キャリッジユニット 3 キャリッジユニットホルダ 5 フレキシブルケーブル 6 キャリッジモータ 7 キャリッジベルト 8 プリント媒体 8′ ガイドシャフト 9 フォトカプラ 10 遮光板 12 回復系を含むホームポジションユニット 13 排出ローラ 14 ラインフィードユニット 15 ブラックインク収納インクタンク 16 カラーインク収納タンク 19 電気接点部 21 吐出口面 22 吐出口 23 共通液室 24 液路 25 電気熱変換体 30 反射型光学センサ 100 コントローラ 101 MPU 103 ROM 104 ゲートアレイ 105 RAM 107 不揮発性メモリ 110 ホスト装置 112 インタフェース 122 電源スイッチ 124 プリント開始指示スイッチ 126 回復スイッチ 127 レジストレーション調整起動スイッチ 129 レジストレーション調整値設定入力部 130 センサ群 150 ヘッドドライバ 162 搬送(副走査)モータ 820 操作部 1000 ヘッドカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 錦織 均 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 筑間 聡行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA07 EA24 EB27 EB42 EC37 EC72 EC77 FA03 FA11 HA58 2C057 AF30 AF31 AF32 AF93 AG46 AL36 AL37 AM15 AM17 AN02 AP81 CA01 2C062 LA01 LA03 LA09 2C480 CA17 CA55 CB45 EC05 EC11

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドットを少なくとも大小2段階に変調可
    能なプリントヘッドを用い、プリント媒体にドット形成
    位置条件を異ならせた第1および第2プリントにより画
    像のプリントを行うプリント装置に対し、前記第1およ
    び第2プリントでのプリント位置合わせを行うための処
    理を行うプリント位置合わせ方法であって、 前記大小ドットの少なくとも一方を用いて前記第1プリ
    ントおよび第2プリントにより形成されるパターンであ
    って、該第1プリントと該第2プリントとの相対的なプ
    リント位置の複数のずれ量に対応した複数のパターンを
    前記プリントヘッドに形成させるパターン形成工程と、 当該形成された複数のパターンのそれぞれの前記相対的
    なプリント位置のずれ量に基づき、前記第1プリントと
    前記第2プリントとの間のドット形成位置条件の調整値
    を得る調整値取得工程と、 前記大小ドットのうち少なくとも他方の前記第1および
    第2プリント間のプリント動作に起因した形成位置のず
    れ量に対応して、前記調整値を補正する補正工程と、を
    具えたことを特徴とするプリント位置合わせ方法。
  2. 【請求項2】 前記調整値取得工程は、前記パターン形
    成工程により形成された前記複数のパターンのそれぞれ
    の光学特性を測定する工程と、当該測定された複数のパ
    ターンそれぞれの光学特性に基づいて前記調整値を取得
    する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の
    プリント位置合わせ方法。
  3. 【請求項3】 前記パターン形成工程および前記調整値
    取得工程を複数回、異なるドット位置合わせ精度毎に実
    行させる工程を具えたことを特徴とする請求項1または
    2に記載のプリント位置合わせ方法。
  4. 【請求項4】 前記パターン形成工程および前記調整値
    取得工程を複数回、異なるドット位置合わせ精度毎に実
    行させる工程は、前記位置合わせ精度をドット単位の精
    度で行うための粗調整工程と、1ドット以内の精度で行
    う微調整工程とを含み、前記粗調整後に前記微調整を行
    うか、または前記微調整後に前記粗調整を行うことを特
    徴とする請求項3に記載のプリント位置合わせ方法。
  5. 【請求項5】 前記パターン形成工程は、前記第1プリ
    ントおよび第2プリントにより形成されるパターンであ
    って、該第1プリントに対する前記第2プリントの相対
    的なプリント位置のずれの方向が異なる第1パターンお
    よび第2パターンを複数のずれ量に対応してそれぞれ形
    成し、前記調整値取得工程は、当該形成された前記複数
    の第1パターンのそれぞれの光学特性および前記複数の
    第2パターンのそれぞれの光学特性を測定し、当該測定
    された前記複数の第1パターンの光学特性の変化特性お
    よび前記複数の第2パターンの光学特性の変化特性の交
    点から、前記第1プリントと前記第2プリントとの間の
    ドット形成位置条件の調整値を得ることを特徴とする請
    求項2ないし4のいずれかに記載のプリント位置合わせ
    方法。
  6. 【請求項6】 前記調整値取得工程は、前記測定により
    得られた光学特性データより、直線近似または多項式近
    似を用いて、連続値を用いた計算により、前記調整値を
    算出することを特徴とする請求項2ないし5のいずれか
    に記載のプリント位置合わせ方法。
  7. 【請求項7】 前記パターン形成工程では、前記第1プ
    リントによるドットと前記第2プリントによるドットを
    配し、前記複数のずれ量に対応して前記ドット相互の位
    置関係を変化させて当該ドットのプリント媒体を覆う比
    率を変化させることにより、前記ずれ量に応じた光学特
    性を示す複数のパターンを形成させることを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載のプリント位置合わ
    せ方法。
  8. 【請求項8】 前記第1プリントおよび前記第2プリン
    トは、前記プリントヘッドを前記プリント媒体に対して
    往復走査させて前記大小ドットをプリントを行う場合の
    それぞれ往走査および復走査でのプリントを含むことを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のプリン
    ト位置合わせ方法。
  9. 【請求項9】 所定量の前記ずれ量を境として、前記往
    走査と復走査とで前記大小ドットの形成順序を制御する
    とともに、前記補正工程は前記他方のドットの復走査で
    の形成に際して前記ずれ量を反転させた値を前記補正に
    用いることを特徴とする請求項8に記載のプリント位置
    合わせ方法。
  10. 【請求項10】 前記ずれ量を算出するための算出工程
    を具えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか
    に記載のプリント位置合わせ方法。
  11. 【請求項11】 前記プリントヘッドは吐出口からイン
    クを吐出することによりプリントを行うヘッドであり、
    前記算出工程は前記大小ドットを形成するためのそれぞ
    れのインク吐出速度、前記プリントヘッドをプリント媒
    体に対して相対的に走査する走査速度、および前記吐出
    口から前記プリント媒体までの距離から前記算出を行う
    ことを特徴とする請求項10に記載のプリント位置合わ
    せ方法。
  12. 【請求項12】 前記ヘッドは、インクを吐出するため
    に利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせ
    る熱エネルギを発生する発熱素子を有することを特徴と
    する請求項11に記載のプリント位置合わせ方法。
  13. 【請求項13】 ドットを少なくとも大小2段階に変調
    可能なプリントヘッドを用い、プリント媒体にドット形
    成位置条件を異ならせた第1および第2プリントにより
    画像のプリントを行うプリント装置であって、 前記大小ドットの少なくとも一方を用いて前記第1プリ
    ントおよび第2プリントにより形成されるパターンであ
    って、該第1プリントと該第2プリントとの相対的なプ
    リント位置の複数のずれ量に対応した複数のパターンを
    前記プリントヘッドに形成させるパターン形成手段と、 当該形成された複数のパターンのそれぞれの前記相対的
    なプリント位置のずれ量に基づき、前記第1プリントと
    前記第2プリントとの間のドット形成位置条件の調整値
    を得る調整値取得手段と、 前記大小ドットのうち少なくとも他方の前記第1および
    第2プリント間のプリント動作に起因した形成位置のず
    れ量に対応して、前記調整値を補正する補正手段と、を
    具えたことを特徴とするプリント装置。
  14. 【請求項14】 前記調整値取得手段は、前記パターン
    形成手段により形成された前記複数のパターンのそれぞ
    れの光学特性を測定する手段と、当該測定された複数の
    パターンそれぞれの光学特性に基づいて前記調整値を取
    得する手段とを有することを特徴とする請求項13に記
    載のプリント装置。
  15. 【請求項15】 前記パターン形成および前記調整値取
    得を複数回、異なるドット位置合わせ精度毎に実行させ
    る手段を具えたことを特徴とする請求項13または14
    に記載のプリント装置。
  16. 【請求項16】 前記パターン形成および前記調整値取
    得を複数回、異なるドット位置合わせ精度毎に実行させ
    る手段は、前記位置合わせ精度をドット単位の精度で行
    うための粗調整手段と、1ドット以内の精度で行う微調
    整手段とを含み、前記粗調整後に前記微調整を行うか、
    または前記微調整後に前記粗調整を行うことを特徴とす
    る請求項15に記載のプリント装置。
  17. 【請求項17】 前記パターン形成手段は、前記第1プ
    リントおよび第2プリントにより形成されるパターンで
    あって、該第1プリントに対する前記第2プリントの相
    対的なプリント位置のずれの方向が異なる第1パターン
    および第2パターンを複数のずれ量に対応してそれぞれ
    形成し、前記調整値取得手段は、当該形成された前記複
    数の第1パターンのそれぞれの光学特性および前記複数
    の第2パターンのそれぞれの光学特性を測定し、当該測
    定された前記複数の第1パターンの光学特性の変化特性
    および前記複数の第2パターンの光学特性の変化特性の
    交点から、前記第1プリントと前記第2プリントとの間
    のドット形成位置条件の調整値を得ることを特徴とする
    請求項14ないし16のいずれかに記載のプリント装
    置。
  18. 【請求項18】 前記調整値取得手段は、前記測定によ
    り得られた光学特性データより、直線近似または多項式
    近似を用いて、連続値を用いた計算により、前記調整値
    を算出することを特徴とする請求項14ないし17のい
    ずれかに記載のプリント装置。
  19. 【請求項19】 前記パターン形成手段では、前記第1
    プリントによるドットと前記第2プリントによるドット
    を配し、前記複数のずれ量に対応して前記ドット相互の
    位置関係を変化させて当該ドットのプリント媒体を覆う
    比率を変化させることにより、前記ずれ量に応じた光学
    特性を示す複数のパターンを形成させることを特徴とす
    る請求項13ないし18のいずれかに記載のプリント装
    置。
  20. 【請求項20】 前記第1プリントおよび前記第2プリ
    ントは、前記プリントヘッドを前記プリント媒体に対し
    て往復走査させて前記大小ドットをプリントを行う場合
    のそれぞれ往走査および復走査でのプリントを含むこと
    を特徴とする請求項13ないし19のいずれかに記載の
    プリント装置。
  21. 【請求項21】 所定量の前記ずれ量を境として、前記
    往走査と復走査とで前記大小ドットの形成順序を制御す
    るとともに、前記補正手段は前記他方のドットの復走査
    での形成に際して前記ずれ量を反転させた値を前記補正
    に用いることを特徴とする請求項20に記載のプリント
    装置。
  22. 【請求項22】 前記ずれ量を算出するための算出手段
    を具えたことを特徴とする請求項13ないし21のいず
    れかに記載のプリント装置。
  23. 【請求項23】 前記プリントヘッドは吐出口からイン
    クを吐出することによりプリントを行うヘッドであり、
    前記算出手段は前記大小ドットを形成するためのそれぞ
    れのインク吐出速度、前記プリントヘッドをプリント媒
    体に対して相対的に走査する走査速度、および前記吐出
    口から前記プリント媒体までの距離から前記算出を行う
    ことを特徴とする請求項22に記載のプリント装置。
  24. 【請求項24】 前記ヘッドは、インクを吐出するため
    に利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせ
    る熱エネルギを発生する発熱素子を有することを特徴と
    する請求項23に記載のプリント装置。
  25. 【請求項25】 ドットを少なくとも大小2段階に変調
    可能なプリントヘッドを用い、プリント媒体にドット形
    成位置条件を異ならせた第1および第2プリントにより
    画像のプリントを行うプリント装置と、該プリント装置
    に対して前記画像のデータを供給するホスト装置とを具
    備したプリントシステムであって、 前記大小ドットの少なくとも一方を用いて前記第1プリ
    ントおよび第2プリントにより形成されるパターンであ
    って、該第1プリントと該第2プリントとの相対的なプ
    リント位置の複数のずれ量に対応した複数のパターンを
    前記プリントヘッドに形成させるパターン形成手段と、 当該形成された複数のパターンのそれぞれの前記相対的
    なプリント位置のずれ量に基づき、前記第1プリントと
    前記第2プリントとの間のドット形成位置条件の調整値
    を得る調整値取得手段と、 前記大小ドットのうち少なくとも他方の前記第1および
    第2プリント間のプリント動作に起因した形成位置のず
    れ量に対応して、前記調整値を補正する補正手段と、を
    具えたことを特徴とするプリントシステム。
  26. 【請求項26】 前記調整値取得手段は、前記パターン
    形成手段により形成された前記複数のパターンのそれぞ
    れの光学特性を測定する手段と、当該測定された複数の
    パターンそれぞれの光学特性に基づいて前記調整値を取
    得する手段とを有することを特徴とする請求項25に記
    載のプリントシステム。
  27. 【請求項27】 前記パターン形成および前記調整値取
    得を複数回、異なるドット位置合わせ精度毎に実行させ
    る手段を具えたことを特徴とする請求項25または26
    に記載のプリントシステム。
  28. 【請求項28】 前記パターン形成および前記調整値取
    得を複数回、異なるドット位置合わせ精度毎に実行させ
    る手段は、前記位置合わせ精度をドット単位の精度で行
    うための粗調整手段と、1ドット以内の精度で行う微調
    整手段とを含み、前記粗調整後に前記微調整を行うか、
    または前記微調整後に前記粗調整を行うことを特徴とす
    る請求項27に記載のプリントシステム。
  29. 【請求項29】 前記パターン形成手段は、前記第1プ
    リントおよび第2プリントにより形成されるパターンで
    あって、該第1プリントに対する前記第2プリントの相
    対的なプリント位置のずれの方向が異なる第1パターン
    および第2パターンを複数のずれ量に対応してそれぞれ
    形成し、前記調整値取得手段は、当該形成された前記複
    数の第1パターンのそれぞれの光学特性および前記複数
    の第2パターンのそれぞれの光学特性を測定し、当該測
    定された前記複数の第1パターンの光学特性の変化特性
    および前記複数の第2パターンの光学特性の変化特性の
    交点から、前記第1プリントと前記第2プリントとの間
    のドット形成位置条件の調整値を得ることを特徴とする
    請求項26ないし28のいずれかに記載のプリントシス
    テム。
  30. 【請求項30】 前記調整値取得手段は、前記測定によ
    り得られた光学特性データより、直線近似または多項式
    近似を用いて、連続値を用いた計算により、前記調整値
    を算出することを特徴とする請求項26ないし29のい
    ずれかに記載のプリントシステム。
  31. 【請求項31】 前記パターン形成手段では、前記第1
    プリントによるドットと前記第2プリントによるドット
    を配し、前記複数のずれ量に対応して前記ドット相互の
    位置関係を変化させて当該ドットのプリント媒体を覆う
    比率を変化させることにより、前記ずれ量に応じた光学
    特性を示す複数のパターンを形成させることを特徴とす
    る請求項25ないし30のいずれかに記載のプリントシ
    ステム。
  32. 【請求項32】 前記第1プリントおよび前記第2プリ
    ントは、前記プリントヘッドを前記プリント媒体に対し
    て往復走査させて前記大小ドットをプリントを行う場合
    のそれぞれ往走査および復走査でのプリントを含むこと
    を特徴とする請求項25ないし31のいずれかに記載の
    プリントシステム。
  33. 【請求項33】 所定量の前記ずれ量を境として、前記
    往走査と復走査とで前記大小ドットの形成順序を制御す
    るとともに、前記補正手段は前記他方のドットの復走査
    での形成に際して前記ずれ量を反転させた値を前記補正
    に用いることを特徴とする請求項32に記載のプリント
    システム。
  34. 【請求項34】 前記ずれ量を算出するための算出手段
    を具えたことを特徴とする請求項25ないし33のいず
    れかに記載のプリントシステム。
  35. 【請求項35】 前記プリントヘッドは吐出口からイン
    クを吐出することによりプリントを行うヘッドであり、
    前記算出手段は前記大小ドットを形成するためのそれぞ
    れのインク吐出速度、前記プリントヘッドをプリント媒
    体に対して相対的に走査する走査速度、および前記吐出
    口から前記プリント媒体までの距離から前記算出を行う
    ことを特徴とする請求項34に記載のプリントシステ
    ム。
  36. 【請求項36】 前記ヘッドは、インクを吐出するため
    に利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせ
    る熱エネルギを発生する発熱素子を有することを特徴と
    する請求項35に記載のプリントシステム。
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