JP2000127062A - 電動ホッチキスにおけるステープル脚部の切断機構 - Google Patents

電動ホッチキスにおけるステープル脚部の切断機構

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステープル６の脚部６ａの外側にバリを出さな
いようにすることができる電動ホッチキスにおけるステ
ープル６脚部６ａの切断機構 【解決手段】電動モータによって駆動されたドライバ５
によってステープル６を打ち出して被綴り材１５を貫通
させ、被綴り材１５を貫通したステープル６の脚部６ａ
をカッター１０で所定の長さに切断した後にクリンチャ
１３によって内側に折り曲げる電動ホッチキスにおい
て、上記カッター１０の下部に曲げ板１４を配置し、上
記ドライバ５により打ち込まれて被綴り材１５を貫通し
てきたステープル６の脚部６ａを上記曲げ板１４に当て
て内側に曲げ、上記カッター１０で上記脚部６ａを切断
する際、ステープル６の脚部６ａの外側を鈍角に切断す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、被綴り材を貫通し
たステープルの脚部の先端の余分な部分を切断した後に
クリンチするタイプの電動ホッチキスにおいて、貫通し
たステープル脚部を内側に曲げた後に切断する切断機構
に関する。
【０００２】
【従来技術】一般に、被綴り材の枚数が多い（例えば１
００枚綴りのように）場合は、ステープルのクラウン部
の幅が狭く脚部が長いものを使用するが、同じステープ
ルで比較的少ない枚数の被綴り材を綴じると、脚部を折
り曲げたときに両側の脚部が重なり合ってしまうので、
これを防止するため、綴り台上の被綴り材を貫通して被
綴り材の裏側に突出した脚部のうち綴りに必要な部分を
残して残りを切断した後にクリンチする機構が知られて
いる。上記切断機構は、図１２(a) 、(b) のように可動
クリンチャ（図示せず）を回動自在に支持する２枚の支
持板３０の中途部にカッター３１を直交方向に移動可能
に配置するとともに、カッター３１にはステープル脚部
３２を貫通させる開口部３３を形成し、被綴り材３４を
貫通したステープル脚部３２が上記支持板３０の間に挿
入されてカッター３１の開口部３３を貫通するように
し、同図(c) のようにカッター３１を移動させることに
よってステープルの脚部３２の不要部分を切断するもの
である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにステープルの脚部を切断するときは、脚部の角部
３５がほぼ直角に形成されるので、同図(d) のように、
綴じ作業終了後に冊子を重ねたときなどに脚部の角部３
５で重ねられた冊子３４ａの紙面を引っ掛けたり破いた
りする恐れがあった。
【０００４】本発明は上記問題点を解消し、ステープル
の脚部で紙面を引っ掛けたり破いたりすることのない電
動ホッチキスにおけるステープル脚部の切断機構を提供
することをその課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明に係る電動ホッチキスにおけるステープル脚
部の切断機構は、電動モータによって駆動されたドライ
バによってステープルを打ち出して被綴り材を貫通さ
せ、被綴り材を貫通したステープルの脚部をカッターで
所定の長さに切断した後にクリンチャによって内側に折
り曲げる電動ホッチキスにおいて、上記カッターで上記
脚部を切断する際、該切断面と脚部の外側面とがなす角
度が鈍角をなすように切断することを特徴とする。
【０００６】なお、前記カッターの下部に曲げ板を配置
し、該曲げ板でステープル脚部を内側に曲げてから脚部
を切断するようにしてもよい。
【０００７】また、前記脚部はＵ字形又はＶ字形のカッ
ターで切断するようにしてもよい。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１は電動ホッチキスの要部の斜
視図であり、この電動ホッチキスは、ドライバ駆動機構
と、その下部に配置された切断機構とクリンチャ機構と
を備えている。
【０００９】ドライバ駆動機構は、図示しない電動モー
タによって作動する溝カム１と、溝カム１の回転により
揺動する駆動リンク２と、両側の駆動リンク２の先端を
連結する連結杆３に支持されたドライバホルダ４と、ド
ライバホルダ４に支持されたドライバ５とから構成され
ている。これにより、電動モータにより溝カム１を回転
させると、駆動リンク２が揺動してドライバ５が上下動
する。
【００１０】ドライバ５の下方にはステープルを供給す
るステープル供給装置（図示せず）が設けられている。
さらにその下方には図２に示されるように、被綴り材１
５を載置するための綴り台７が設けられている。また、
綴り台７の下方にはドライバ５によって打ち出されたス
テープル６の脚部６ａを案内するとともに後述の可動ク
リンチャを保持する２枚のクリンチャホルダ８が間隔を
おいて配置され、ここにステープル脚切断機構とクリン
チャ機構とが配設されている。
【００１１】ステープル脚切断機構は図２、図３に示さ
れるように、上記クリンチャホルダ８に横長長方形の方
形孔９を貫通形成し、この方形孔９にブロック状のカッ
ター１０を出没可能に取り付けて成り、カッター１０の
前端にはステープル６の脚部６ａが挿入可能な横長の脚
受け穴１１が上下方向に形成されている。
【００１２】ところで、図４、図５に示されるように、
上記カッターの下部には弯曲した曲げ板１４が配置され
ている。
【００１３】次に、上記綴り台７には、図２及び図３の
ように、ドライバ５が下方に駆動されて打ち出されたス
テープル６が当たる部位に開口部１２が２枚のクリンチ
ャホルダ８によって形成され、上記ステープル６の脚部
６ａは２枚のクリンチャホルダ８間を通るように構成さ
れている。そして、クリンチャ機構は、図２、図３及び
図６(a) に示されるように、上記クリンチャホルダ８の
間に２枚の可動クリンチャ１３を回動自在に配置したも
ので、各可動クリンチャ１３はクリンチャホルダ８の方
形孔９を避けるようなアーチ形に形成され、その基部１
３ａは重ねられて軸２６に回動自在に支持され、回動時
に各先端１３ｂが被綴り材１５の下面に沿って移動して
全体が開閉するように構成されている。また、可動クリ
ンチャ１３の外側下部には係合溝１６が形成されてい
る。
【００１４】図１、図３及び図６(a) に示すように、可
動クリンチャ１３の下方にはクリンチャレバー１７が上
下動可能に取り付けられている。クリンチャレバー１７
の前端は可動クリンチャ１３の係合溝１６に係合可能に
配置され、クリンチャレバー１７の中央は電動ホッチキ
スの綴り台７と一体の基台１８に設けられた支軸１９に
揺動自在に取り付けられている。さらに、クリンチャレ
バー１７の後部には駆動リンク２０が結合され、この駆
動リンク２０の後端は上記溝カム１の裏側の溝（図示せ
ず）に係合している。さらに、クリンチャレバー１７の
近傍には三角形状のリンク板２１が軸２２によって揺動
可能に配置され、その前端は軸２６を介してクリンチャ
レバー１７に、上端は軸２３を介して上記カッター１０
にそれぞれ作動連結されている。したがって、溝カム１
が回転することにより、駆動リンク２０が作動してクリ
ンチャレバー１７が揺動すると、これに連動して可動ク
リンチャ１３とカッター１０とが作動する。
【００１５】上記構成において、電動モータにより溝カ
ム１を回転させると、上部の駆動リンク２が揺動してド
ライバ５が上下動する。ドライバ５が下方に駆動された
ときは、ステープル６を打撃してステープル６の脚部６
ａを被綴り材１５に貫通させる。被綴り材１５を貫通し
たステープル６の脚部６ａはクリンチホルダの前方に突
出していたカッター１０の脚受け穴１１に挿入される。
このとき、図７に示されるように脚部６ａの先端はその
下方に配置された曲げ板１４に当たるので内側に曲げら
れる。
【００１６】その後、上記溝カム１によって下部の駆動
リンク２０が同様に揺動してクリンチャレバー１７を上
方に作動させる。これにより、図８のようにリンク板２
１が回動してクリンチホルダの前方に突出していたカッ
ター１０を後方に退避動させ、上記図９(a) 、(b) に示
したように脚部６ａの不要部分２５を切断する。
【００１７】ステープル脚部の切断直後に、クリンチャ
レバー１７の前端は可動クリンチャ１３の係合溝１６に
係合して押し上げるので、図６(a) 、(b) のように可動
クリンチャ１３は軸２６を中心に閉じ方向に回動し、ス
テープル６の脚部６ａを内側に折り曲げて綴りを完了さ
せる。
【００１８】上述のように、被綴り材１５を貫通したス
テープル脚部６ａの不要部分２５は、曲げ板１４に当た
って内側にカールした後にカッター１０によって切断さ
れる。このため、図１０(a) に示されるように、ステー
プル脚部６ａの外側面ａと切断面ｂとの成す角度θは鈍
角になるように切断される。鈍角に切断したときは切断
面にバリが生じにくいので、ステープル脚部の切断部の
外側部分にはバリが生じにくい。バリが発生しても無視
できるほどに小さい。したがって、ステープル脚部６ａ
が可動クリンチャ１３によって折り曲げられたとき、同
図(b) に示されるように、バリが外部に露出することが
ほとんどない。よって、綴じ作業終了後に冊子を重ねた
ときなどに脚部の角部で重ねられた冊子の紙面を引っ掛
けたり破いたりする恐れがなくなる。
【００１９】なお、ステープル脚部６ａを切断するカッ
ターは上述のように平板状に形成されているものに限定
されない。図１１(a) のようにＶ字形に形成してもよ
く、また同図(b) のようにＵ字形に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】電動ホッチキスの要部の斜視図
【図２】上記電動ホッチキスの綴り部の概要を示す断面
図
【図３】本発明のステープル脚部切断機構をクリンチャ
機構とともに示す分解斜視図
【図４】上記ステープル脚部切断機構の要部の分解斜視
図
【図５】上記ステープル脚部切断機構の横断面図
【図６】(a) (b) は上記クリンチャ機構の作動態様説明
図
【図７】ステープル脚部切断機構にステープル脚部が挿
入された状態を示す断面図
【図８】上記ステープル脚部切断機構の作動時の電動ホ
ッチキスの要部の斜視図
【図９】(a) (b) は上記ステープル脚部切断機構の作動
態様説明図
【図１０】(a) (b) は切断時と切断後折り曲げ時のステ
ープル脚部の状態を示す説明図
【図１１】(a) (b) は他のカッターによる切断態様説明
図
【図１２】(a) (b) (c) (d) はそれぞれ従来の切断機構
の正面の断面図、側面の断面図、作動態様説明図及び綴
り状態の説明図
【符号の説明】
５ ドライバ ６ ステープル ６ａ 脚部 １０ カッター １３ 可動クリンチャ １４ 曲げ板 １５ 被綴り材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 電動モータによって駆動されたドライバ
    によってステープルを打ち出して被綴り材を貫通させ、
    被綴り材を貫通したステープルの脚部をカッターで所定
    の長さに切断した後にクリンチャによって内側に折り曲
    げる電動ホッチキスにおいて、 上記カッターで上記脚部を切断する際、該切断面と脚部
    の外側面とがなす角度が鈍角をなすように切断すること
    を特徴とする電動ホッチキスにおけるステープル脚部の
    切断機構。
  2. 【請求項２】 前記カッターの下部に曲げ板を配置し、
    該曲げ板でステープル脚部を内側に曲げてから脚部を切
    断する請求項１記載の電動ホッチキスにおけるステープ
    ル脚部の切断機構。
  3. 【請求項３】 前記脚部はＵ字形又はＶ字形のカッター
    で切断する請求項１記載の電動ホッチキスにおけるステ
    ープル脚部の切断機構。
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