JP2005059338A - ステープラにおける紙押えテーブルのロック機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステープルの脚部の折り曲げ作動終了直後に容易に固定プレート5を抜き出す。
【解決手段】紙押え用テーブル8を先端に有し、側面に固定ピン13を突出したテーブルリンク3と、スライドして固定ピン13に係合してテーブルリンク3を紙押え状態にロックする固定プレート5と、テーブル8と被綴り用紙aをはさんで反対側からテーブル8に向かってステープルを打ち出すドライバ2と、ベースに回動自在に設けられて紙押え状態のテーブルリンク3の可動クリンチャ12を、ドライバ2と反対側から押圧し、被綴り用紙aを貫通したステープルの脚部を折り曲げるクリンチャリンク25と、クリンチャリンク25を押圧して作動させるクリンチレバー26と、クリンチレバー26によるクリンチャリンク25に対する押圧を一時的に軽減する押圧軽減手段とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、綴り用の紙がセットされたテーブルを紙押え状態に固定し、上記紙を貫通したステープルの脚部を折り曲げた直後に上記固定を解除する、ステープラにおける紙押えテーブルのロック機構に関するものである。
一般のステープラにおいて、複数枚の紙を綴じるためには、綴り用テーブルとステープルを打出すユニットとの間にセットされた紙を強く押圧して挟みつけ、この状態を固定した後にステープルを打ち出して紙を貫通させ、さらにクリンチャによって貫通したステープルの脚部を折り曲げてクリンチすることが必要である。
このようなロック機構として、特許文献1が知られている。
同文献1の図4に示されるように、固定ピン39は固定プレート36の弓形スロット38に係合しているが、スロット38の湾曲の半径の増加が固定する楔作用がスロット38の壁と固定・ピン39との間で起こるように選択されるので、ステープラヘッド12が、それが回動ピン13の回りで上方へ振り動かされ得ないため、作業位置に固定される。
しかし、スロット38の壁と固定ピン39との間に楔作用が生じたときは、両者間の摩擦抵抗は非常に大きいので、固定後に固定プレート36を元の位置に回動させるには、大きなエネルギーが必要である。したがって、固定プレート36を回動させる力がバネであるときは強いバネ力が、電気であるときは大きな電力が必要となる。
特許第2688114号
前記問題点を解消するため、本発明は、ステープルの脚部の折り曲げ作動終了直後に、ステープル折り曲げのための力を一時的に軽減することにより、容易に固定プレートを抜き出すことができるステープラにおける紙押えテーブルのロック機構を提供することをその課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るステープラにおける紙押えテーブルのロック機構は、ベースに回動自在に設けられて可動クリンチャを備えた紙押え用テーブルを先端に有し、側面に固定ピンを突出したテーブルリンクと、上記固定ピンに対し楔状にスライド可能に設けられ、上記固定ピンに係合してテーブルリンクを紙押え状態にロックする固定プレートと、上記テーブルに押えられた被綴り用紙をはさんで反対側から上記テーブルに向かってステープルを打ち出すドライバと、上記ベースに回動自在に設けられて上記紙押え状態のテーブルリンクの可動クリンチャを、上記ドライバと反対側から押圧し、上記被綴り用紙を貫通したステープルの脚部を折り曲げるクリンチャリンクと、上記クリンチャリンクを押圧して作動させるクリンチレバーと、上記クリンチレバーによるクリンチャリンクに対する押圧を一時的に軽減する押圧軽減手段とを備えたことを特徴とする。
なお、前記押圧軽減手段は、周縁部でクリンチレバーに係合する扇形カムで、この扇形カムの周縁部に、クリンチレバーに対する逃がし部を形成し、クリンチレバーが逃がし部に係合したとき、クリンチャリンクに対する押圧を軽減するのが好ましい。
請求項1に係る発明によれば、クリンチレバーがクリンチャリンクを作動させて被綴り用紙を貫通したステープルの脚部の折り曲げ作動を終了した直後に、上記押圧軽減手段により、上記クリンチレバーによるクリンチャリンクに対する押圧を一時的に軽減するので、ドライバプレートからの押圧力をクリンチャがまだ受けている状態でクリンチャが逃げる。このため、ドライバプレートとクリンチャリンクとの間には緩みが発生する。この緩み分だけ固定プレートは引き抜きやすくなる。このタイミングで固定プレートを引き抜くように設定すれば、簡単に引き抜いて初期位置に移動させることができる。
請求項2に係る発明によれば、扇形カムの逃がし部に、クリンチレバーが係合したとき、クリンチャリンクに対する押圧を軽減することができるので、簡単な構造により固定プレートの引き抜きを容易にすることができる。
図1は本発明機構の一実施例の断面図であって、同図には電動ステープラのテーブルロック機構Aとクリンチ機構Bとが開示されている。テーブルロック機構Aは、被綴り用紙aを所定位置にセットしたときに、テーブル8を上記被綴り用紙aに押し付けて押えるための機構であり、テーブルリンク3とリターン用リンク4と固定プレート5とテーブル固定リンク6と固定カム7とから構成されている。これに対し、クリンチ機構Bは、紙押え状態でステープルを上記被綴り用紙aに打ち込み、打ち込みによって被綴り用紙aを貫通したステープルの脚部を折り曲げるための機構であり、クリンチャリンク25とクリンチレバー26とクリンチカム27とから構成されている。
次に、テーブルロック機構を図2〜図5によって順次説明する。なお、10は上記両機構を設けたベースプレートで、2枚が平行に設けられている。また、綴り台1はベースプレート10の前部の上部に固定されている。綴り台1の下からは上方に向かって略直動するように設けられたドライバ2が駆動され、このドライバ2によってテーブル8に押えられた被綴り用紙aにステープルを打ち出すように構成されている。上記テーブルロック機構、クリンチ機構及びドライバ駆動機構はいずれも同一のモータによって作動するように設けられている。また、ステープルは脚部が上向きになった状態でテーブル8に順次供給されるように構成されている。
テーブルリンク3は略Z字形に形成され、前端にはテーブル8が設けられ、後端はベースプレート10の後部の上部に設けられた軸受に突軸9を軸受けさせて回動自在に支持されている。なお、テーブル8は上記綴り台1の上にセットされた被綴り用紙aの上部を押えるとともに、上記紙aを貫通したステープル11の脚部を折り曲げるための可動クリンチャ12〈図1参照〉を有している。また、テーブルリンク3の側面には固定ピン13が突出形成されている。なお、テーブルリンク3は後述のクリンチャリンクとともに、バネ〈図示せず〉によって下方に回動するように付勢されている。
リターン用リンク4は下方に回動したテーブルリンク3を再び上方に移動させるためのリンクで、上記固定ピン13に係合可能に配置されている。リターン用リンク4は図示しないカムによって、側面のピン14がベースプレート10に形成された円弧溝15に係合し、ベースプレート10に支持された突軸16を中心に上記ピン14が円弧溝15を移動する範囲で往復回動できるように形成されている。
次に、固定プレート5はベースプレート10に形成された案内溝17に係合する凸部18を有するもので、下面は上記案内溝17に対して前部が後部に比べてより離間するように斜めに形成されている。これにより、固定ピン13に対し楔状にスライドすることができるようになっている。また、固定プレート5の前端にはピン19が形成されている。
テーブル固定リンク6は中間部が屈曲し、上端には固定プレート5のピン19に係合する割り溝が形成されている。下端の近傍にはピン20が設けられ、下端はベースプレート10に設けられた突軸23を介して回動自在に設けられている。また、上記突軸23の下端には固定プレート5を常時図3の時計方向に回動するように付勢するバネ21が取りつけられている。
固定カム7は、ドライバ2を駆動する駆動軸22と一体に固定され、上記テーブル固定リンク6のピン20に係合している。
上記テーブルロック機構によれば、被綴り用紙aを綴り台1の上にセットして電動ステープラのモータを作動させると、図4のように、テーブルリンク3が反時計方向に回転して下動し、そのテーブル8が被綴り用紙aを強く押えるとともにリターン用リンク4が時計方向に回動してテーブルリンク3の回動を許容する。また、図5に示されるように、固定カム7も回動するが、そのときテーブル固定リンク6のピン20は固定カム7の中心から近い方の外周面に係合するので、テーブル固定リンク6はバネの力により時計方向に回動するので、固定プレート5は案内溝17に沿って楔状にスライド移動し、その下面はテーブルリンク3の固定ピン13の上部に係合する。このため、テーブルリンク3はロック状態となり上動することはできない。このため、テーブル8が被綴り用紙aを強く押える状態にロックされる。
次に、図6および図7はクリンチ機構を示すもので、上述のようにクリンチャリンク25とクリンチレバー26とクリンチカム27とから構成されている。
クリンチャリンク25は、前端にクリンチャ押圧部28を有し、中間部はテーブルリンク3の中間部に設けられた軸29に往復回動自在に支持され、後部には鈍角に屈曲した脚部30が形成され、その後端には略下向きの係合部31が形成されている。クリンチャリンク25が図の反時計方向に回動したとき、クリンチャ押圧部28は上記テーブルリンク3の可動クリンチャを押圧して作動するように構成されている。なお、上記軸29はテーブルリンク3が回動するときに、上下方向に移動するので、クリンチャリンク25もそれに伴なって全体が上下動する。
クリンチレバー26は、ベースプレート10の下部に設けられた支軸32を中心に往復回動可能に設けられ、先端はやや円弧状に形成され、上記クリンチャリンク25の係合部31に係合可能に配置されている。また、クリンチレバー26の略中央部には係合ピン33が突出形成されている。
次に、クリンチカム27は全体が扇形に形成された扇形カムで、基部はモータに連係する駆動軸に固定されている。そして、周縁の円弧部34は上記クリンチレバー26の係合ピン33に係合している。
上記クリンチ機構によれば、上述のようにテーブルリンク3が下方に回動して被綴り用紙aを押えたとき、クリンチャリンク25は同時には回動せずに残っている。このとき、図8に示されるように、クリンチャリンク25の脚部30はクリンチレバー26から外れた状態でクリンチカム27からフリーになっている。次に、上述の紙押え状態のときに、図11のように、下方からステープル打ち出し用ドライバ2が駆動され、ステープル11が綴り台1から被綴り用紙aに向かって打ち出され、ステープル11の脚部11aは被綴り用紙aを貫通してその裏側に突出する。その後、図9のように、回転したクリンチカム27の円弧部34がクリンチレバー26の係合ピン33を押し出すため、クリンチレバー26が時計方向に回動し、その先端がクリンチャリンク25の係合部31に係合して押圧するので、クリンチャリンク25が反時計方向に回動し、その押圧部28が、紙押え状態にあったテーブルリンク3の可動クリンチャ12を押圧して作動させる。これにより、図11に示されるように、被綴り用紙aを貫通したステープル11の脚部11aが折り曲げられ、綴り作動が終了するので、固定カム7によって図5の状態にあった固定プレート5が引き抜かれて初期位置に移動し、テーブルリンク3も初期位置に復帰移動する。
ところで、図11に示すように、ドライバ11の先端とテーブルリンク3のテーブル8との間の間隔は、ドライバ11が駆動されてステープルの脚部11aが貫通したときに比べ、可動クリンチャ12が作動して上記脚部11aを折り曲げたときの方が、脚部11aの肉厚分だけ大きくなり、固定ピン13の固定プレート5に対する圧接力が増大するので、この状態で固定プレート5を引き抜くためには大きな力を必要とする。このため、ドライバ11からの押圧力を可動クリンチャ12がまだ受けている状態で、可動クリンチャ12を逃がすことで、クリンチャ12のドライバ11側に対する押圧力を一時的に軽減(解除でもよい)すると、ドライバ11を押し上げている力が緩和されることから、ドライバ11とクリンチャリンク25との間には緩みが発生する。この緩み分だけステープル11に対する締め量が減り、固定プレート5は引き抜きやすくなる。
そこで、上記クリンチレバー26によるクリンチャリンク25に対する押圧を一時的に軽減する押圧軽減手段が設けられている。この押圧軽減手段は上記クリンチカム27の円弧部34に形成された、クリンチレバー26の係合ピン33に対する逃がし部35(凹部)によって構成されている。逃がし部35は円弧部34の端部から少しずれた部位に形成されている。クリンチレバー26の係合ピン33が逃がし部に係合したとき、クリンチレバー26のクリンチャリンク25に対する押圧は軽減されるようになっている。このタイミングで固定プレート5を引き抜くように設定されている。
上記構成において、図12(a)に示されるように、上記円弧部34の端部でクリンチレバー26の係合ピン33を押出してステープルの脚部の折り曲げをした直後に、同図(b)に示すように、クリンチカム27が回転してその凹部35に上記係合ピン33が対応する位置にくると、クリンチレバー26の係合ピン33は凹部35に落ち込むから、図10に示されるように、クリンチレバー26は矢印のようにクリンチャリンク25に対する押圧力が減少し、可動クリンチャ12を押し上げてドライバ11に対抗している力が減少するから、ドライバ11とクリンチャリンク25との間には緩みが発生する。この緩みによって軽減された分だけステープルに対する締め量が減るから、固定プレート5を簡単に引き抜いて初期位置に移動させることができる。
なお、押圧軽減手段は必ずしも扇形カムを利用したものに限定されない。たとえば、扇形カムの回転軸自体を逃がし方向に移動させてもよい。
テーブルロック機構とクリンチャ機構の概要を示す斜視図である。 テーブルロック機構の斜視図である。 作動前のテーブルロック機構の側面の説明図である。 紙押え時のテーブルロック機構の側面の説明図である。 テーブルロック時のテーブルロック機構の側面の説明図である。 クリンチャ機構の斜視図である。 作動前のクリンチャ機構の側面の説明図である。 クリンチ前のクリンチャ機構の側面の説明図である。 クリンチ時のテーブルロック機構の側面の説明図である。 クリンチャリンクに緩みが生じた時の状態の説明図である。 クリンチ機構の作動態様説明図である。 (a)はクリンチ時のクリンチカムと係合ピンの位置関係説明図、(b)は押圧軽減時の位置関係説明図である。
符号の説明
3 テーブルリンク
5 固定プレート
8 テーブル
13 固定ピン
25 クリンチャリンク
26 クリンチレバー
27 クリンチカム
34 円弧部
35 逃がし部

Claims (2)

  1. ベースに回動自在に設けられて可動クリンチャを備えた紙押え用テーブルを先端に有し、側面に固定ピンを突出したテーブルリンクと、
    上記固定ピンに対し楔状にスライド可能に設けられ、上記固定ピンに係合してテーブルリンクを紙押え状態にロックする固定プレートと、
    上記テーブルに押えられた被綴り用紙をはさんで反対側から上記テーブルに向かってステープルを打ち出すドライバと、
    上記ベースに回動自在に設けられて上記紙押え状態のテーブルリンクの可動クリンチャを、上記ドライバと反対側から押圧し、上記被綴り用紙を貫通したステープルの脚部を折り曲げるクリンチャリンクと、
    上記クリンチャリンクを押圧して作動させるクリンチレバーと、
    上記クリンチレバーによるクリンチャリンクに対する押圧を一時的に軽減する押圧軽減手段と
    を備えたことを特徴とするステープラにおける紙押えテーブルのロック機構。
  2. 前記押圧軽減手段は、周縁部でクリンチレバーに係合する扇形カムで、この扇形カムの周縁部に、クリンチレバーに対する逃がし部を形成し、クリンチレバーが逃がし部に係合したとき、クリンチャリンクに対する押圧を軽減する、請求項1記載のステープラにおける紙押えテーブルのロック機構。

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