JP4691845B2

JP4691845B2 - 園芸用結束機

Info

Publication number: JP4691845B2
Application number: JP2001211431A
Authority: JP
Inventors: 進林; 満紀仁深田
Original assignee: Max Co Ltd
Current assignee: Max Co Ltd
Priority date: 2001-07-11
Filing date: 2001-07-11
Publication date: 2011-06-01
Anticipated expiration: 2021-07-11
Also published as: JP2003023881A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、園芸用結束機に関するものであり、特に、結束用テープの先端の破断を防止した園芸用結束機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
胡瓜、メロン、葡萄やトマト等の農作物栽培において、これらの植物の蔓や枝を支柱や棚に沿わせるための結束作業に園芸用結束機が用いられている。園芸用結束機は、ドライバハンドルとクリンチャアームと組合わせた手持ちステープラ形の工具であり、ドライバハンドルの後部にテープマガジンが取付けられており、テープマガジンに装填したテープをドライバハンドル内へ通し、先端のテープガイドを通じて引き出す。
【０００３】
ドライバハンドルとクリンチャアームを一回閉じると、テープガイドから出ているテープの先端は、クリンチャアームに備えられているテープ把持装置により捕捉され、ドライバハンドルとクリンチャアームとを開くとドライバハンドルとクリンチャアームとの間にテープが張られる。そして、テープを農作物の枝と支柱とに掛け回してドライバハンドルとクリンチャアームとを前回よりも強い力で閉じると、枝などに掛け回されたテープループの両端がステープルにより綴じられると同時にドライバハンドルのカッター刃によりテープループの両端部が切断される。
【０００４】
テープ把持装置は、固定式のテープ支えプレートと、前後方向へ回動するピッキングプレートとを備えており、ピッキングプレートの先端にはテープ支えプレートの方向へ突出する楔形の爪が形成されていて、カム機構及びバネによって急速に回動して爪をテープへ突き刺し、テープ支えプレートにテープを押し付けて把持する。
【０００５】
ここで、園芸用結束機の設計仕様により、ドライバハンドルとクリンチャアームとを閉じたときにテープガイドとテープ支えプレートの位置が離れている場合（例えば、カッター刃がテープの先端を切断しないようにするために、テープガイドとテープ支えプレートの間をカッター刃が通過する構成の場合等）は、ピッキングプレートの爪がテープを突き刺してテープ支えプレートの方向へ引っ張ったときに爪がテープを引き裂いてしまい、テープを把持できないことがある。そこで、ピッキングプレートがテープの先端の破断する事故を防止するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、ステープラのドライバハンドルの先端にテープガイドを設け、クリンチャアームにカム駆動式ピッキングプレートとテープ支えプレートとからなるテープ把持装置を設け、ドライバハンドルとクリンチャアームとを閉じると、テープ把持装置のピッキングプレートの爪がテープガイドから引き出されているテープの先端部を突き刺してテープ支えプレートに押し付け、ドライバハンドルとクリンチャアームとを開いてドライバハンドルとクリンチャアームとの間に張られたテープを被結束物の周囲に掛け回し、ドライバハンドルとクリンチャアームとを閉じてテープループの重なり部をステープルにより綴じ、ドライバハンドルに設けたカッター刃によりテープを切断するように構成した園芸用結束機において、
ピッキングプレートの上部にストッパー部を形成し、テープ捕捉時にストッパー部がドライバハンドルのテープガイドに衝突してピッキングプレートが停止し、ドライバハンドルとクリンチャアームを開くことにより、ストッパー部がテープガイドから外れてピッキングプレートがテープ支えプレートに弾接するように構成した園芸用結束機を提供するものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1は園芸用結束機1を示し、ドライバハンドル2とクリンチャアーム3と下ハンドル4をプライヤー形に組合わせてあり、ドライバハンドル2の後部のテープマガジン5に園芸用のテープを装填し、ドライバハンドル2の内部及び先端のテープガイドを通じてテープを引き出す。
【０００８】
図2はクリンチャアーム3内に取付けられるテープ把持装置7を示し、ピッキングプレート8とプッシュプレート9と固定カムプレート10とテープ支えプレート11とが左右に分割したケース12, 13 内に組み込まれる。ピッキングプレート8とプッシュプレート9の後部長穴8a, 9aにはピン（図示せず）が挿通され、ピッキングプレート8の中間部に設けたピン14は固定カムプレート10の溝カム10bとプッシュプレート9の溝カム9bとに挿通される。プッシュプレート9は前部のバネ受け9cに圧縮コイルバネ（図示せず）を係合させてケース12, 13 内に組込まれ、ピッキングプレート8も軸15に捩じりコイルバネ（図示せず）を取付けてケース12, 13に組込まれる。これらのバネにより、プッシュプレート9は上方へ付勢され、ピッキングプレート8は上部が手前ヘ回動する方向に付勢される。ピッキングプレート8は、従来の形状よりも高さが高く、上部から手前側へ突出する楔形の爪8bの上方にストッパー部8cを形成してあり、テープピッキング時にストッパー部8cがドライバハンドル2のテープガイド6に当たってピッキングプレート8が停止するように構成している。
【０００９】
テープ支えプレート11の左右中央には溝穴11aが形成されており、ピッキングプレート8が手前側に回動すると、ピッキングプレート8の爪8bが溝穴11a内に進入し、ピッキングプレート8とテープ支えプレート11とによってテープをクランプする。
【００１０】
図3(a)は固定カムプレート10、図3(b)はプッシュプレート9を示し、図4はプッシュプレート9と固定カムプレート10の夫々の溝カム9b, 10bを重ね合わせた状態を示しており、固定カムプレート10の溝カム10bに対してプッシュプレート9の溝カム9bが上下に移動することにより、溝カム9b, 10bへ挿通されているピッキングプレート8のピン14が前後（図4において左右）に移動し、これによりピッキングプレート8が下部を支点として前後に回動する。
【００１１】
図5及び図6は、テープ把持装置7の動作を示し、ピッキングプレート8の図示を省略してピン14のみを示しており、ピン14の位置によりピッキングプレート8の前後動作を表している。図5(a)は初期状態を示し、プッシュプレート9は圧縮コイルバネにより上昇していて、ピッキングプレート8のピン14はプッシュプレート9の溝カム9bの下端部に入っている。したがって、図7に示すようにピッキングプレート8は後方初期位置にあってテープ支えプレート11から離れている。
【００１２】
ドライバハンドル2と下ハンドル4を閉じてプッシュプレート9を一段階押し下げると、図5(b)に示すように、固定カムプレート10の溝カム10bの凹部とプッシュプレート9の溝カム9bの凹部とが合致し、ピン14は捩じりコイルバネのバネ力により溝カム9b, 10bの凹部に入り込む。即ち、ピッキングプレート8の上部が手前側へ回動し、図8に示すように、テープガイド6の先端から下方に出ているテープTの先端部にピッキングプレート8の爪8bが突き刺さるが、爪8bの上の段部8cがテープガイド6の前面に衝突してピッキングプレート8が停止する。したがって、テープTに殆ど引張りテンションがかからないのでテープが破れることがない。
【００１３】
そして、ハンドル操作を一旦解除してドライバハンドル2とクリンチャアーム3を開くと、ピッキングプレート8の段部8cがテープガイド6の前面から外れてピッキングプレート8は手前へ回動し、図9に示すように、テープTの先端部をテープ支えプレート11に押し付けて挟む。続いてドライバハンドル2とクリンチャアーム3がさらに開くと、テープTがテープガイド6から引き出されてドライバハンドル2とクリンチャアーム3との間に展開される。
【００１４】
続いて、前述したようにドライバハンドル2とクリンチャアーム3との間のテープを枝と支柱などに掛け回して上下のハンドル2, 3を強く握ると、ドライバハンドル2によりプッシュプレート9が中間ロック位置から押し下げられ、図5(c)(d)に示すように、ピッキングプレート8のピン14は、プッシュプレート9の溝カム9bの上部斜面に押されて後退する。これは、図9に示すようにカッター刃16の直下にあるピッキングプレート8にカッター刃16が衝突することを避けるためである。図3(b)に示すようにプッシュプレート9の溝カム9bの上部斜面は傾斜角度が二段階に変化していて、図5(c)に示すように後退動作の前半では急速に後退し、図5(d)に示す後半の段階ではより低速で後退する。
【００１５】
図5(c)の段階でピッキングプレート8は、図10に示すように中間位置まで後退し、このときテープTは、カッター刃16の上流でドライバハンドル2のテープガイド6とピッキングプレート8とによって挟まれていて、カッター刃16の下流ではクリンチャ17とステープルマガジン18とによって挟まれており、カッター刃16の前後でクランプされている。そして、カッター刃16がさらに下降してテープループの後端が切断されるが、テープTの先端部Ttは拘束されていないためカッター刃16から逃げて切断されない。ドライバハンドル2のステープルドライバ19がステープルマガジン18内のステープル（図示せず）を射出してテープを閉じる際は、図6(e)(f)に示すようにピッキングプレート8を後方の待機位置に保持したままプッシュプレート9が下降する。
【００１６】
ステープル打込み後に上下ハンドル2, 4の握りを解除すると、プッシュプレート9が最下降位置から上昇し、図6(ｇ)(h)に示すようにプッシュプレート9の溝カム9bの下端がピッキングプレート8のピン14を押しあげて、プッシュプレート9とピッキングプレート8が図5(a)及び図7に示す初期位置に戻る。
【００１７】
以上、ピッキングプレート8がテープを捕捉する際に、ピッキングプレート8の動きを制限してテープの破れを防止する手段を説明したが、テープガイド6を構成する二枚のプレートの内で手前側のプレートの左右中間部に幅広の切欠きを形成し、ピッキングプレート8の爪8bがテープに衝突した際にテープが撓んで衝撃を吸収できるようにすることでテープの破れを防止してもよく、またこれらの手段を併用してもよい。
【００１８】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の園芸用結束機は、ドライバハンドルとクリンチャアームを閉じたときに、テープ把持装置のピッキングプレートに設けたストッパー部がドライバハンドルのテープガイドに衝突してピッキングプレートが停止しするように構成したので、テープガイドから引き出されているテープの先端部にピッキングプレートの爪が突き刺さるときに、テープに急激な引張りテンションがかかることがなく、爪がテープを破る事故を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態を示し、園芸用結束機の前部断面図。
【図２】テープ把持装置の分解図。
【図３】 (a)は固定カムプレートの側面図、(b)はプッシュプレートの側面図。
【図４】固定カムプレートとプッシュプレートの溝カムを重ね合わせた状態の側面図。
【図５】 (a)乃至(d)はテープ把持装置の作動行程図。
【図６】 (e)乃至(h)はテープ把持装置の作動行程図。
【図７】園芸用結束機の初期状態を示す前部断面図。
【図８】園芸用結束機のテープピッキング時の前部断面図。
【図９】園芸用結束機のテープ把持時の前部断面図。
【図１０】園芸用結束機のテープループ形成時の前部断面図。
【符号の説明】
1 園芸用結束機
2 ドライバハンドル
3 クリンチャアーム
4 下ハンドル
5 テープマガジン
6 テープガイド
7 テープ把持装置
8 ピッキングプレート
8b 爪
8c ストッパー部
9 プッシュプレート
10 固定カムプレート
11 テープ支えプレート
14 ピン
16 カッター刃
17 クリンチャ
18 ステープルマガジンン
19 ステープルドライバ

Claims

ステープラのドライバハンドルの先端にテープガイドを設け、クリンチャアームにカム駆動式ピッキングプレートとテープ支えプレートとからなるテープ把持装置を設け、ドライバハンドルとクリンチャアームとを閉じると、テープ把持装置のピッキングプレートの爪がテープガイドから引き出されているテープの先端部を突き刺してテープ支えプレートに押し付け、ドライバハンドルとクリンチャアームとを開いてドライバハンドルとクリンチャアームとの間に張られたテープを被結束物の周囲に掛け回し、ドライバハンドルとクリンチャアームとを閉じてテープループの重なり部をステープルにより綴じ、ドライバハンドルに設けたカッター刃によりテープを切断するように構成した園芸用結束機において、
ピッキングプレートの上部にストッパー部を形成し、ドライバハンドルとクリンチャアームを閉じたときにストッパー部がドライバハンドルのテープガイドに衝突してピッキングプレートが停止し、ドライバハンドルとクリンチャアームを開くことにより、ストッパー部がテープガイドから外れてピッキングプレートがテープ支えプレートに弾接するように構成したことを特徴とする園芸用結束機。