JP3620350B2 - 電動ステープラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の真直状のステープル材をシート状に連結してなるシート状ステープルを門形のステープルに成形した後に被綴り材に打込む電動ステープラに関する。
【0002】
【従来技術】
この種の電動ステープラは、複数の真直状のステープル材をシート状に連結してなるシート状ステープルをカートリッジ内に多段に積層収納するとともに、このカートリッジに連続して設けられた送り通路に最下段又は最上段のシート状ステープルから順次送り出し、送り通路の先端に設けられた打ち込み部においてシート状ステープルの先端部のステープル材から順に門形に成形し、成形されたステープルをドライバプレートで打ち込んで被綴り材を貫通させ、貫通したステープルの脚部を可動クリンチャによって折り曲げるものである。したがって、電動ステープラには、カートリッジから送り通路にシート状ステープルを送り出す送り機構と、送り機構によって送られたシート状ステープルを打ち込み部に送り込む案内機構と、被綴り材を貫通したステープルの両脚部を可動クリンチャによって折り曲げるクリンチャ機構と、上記可動クリンチャを駆動するクリンチャの駆動機構とが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のクリンチャ機構は、図7に示すように、可動クリンチャ61を互いに前後にずらして配置していた。そして、各可動クリンチャ61の先端の延長上には他方の可動クリンチャ61の脚先を拾い込む案内凹部62を形成するための壁63が形成される。したがって、例えば厚い被綴り材を綴るための長寸の脚部を有するステープルを用いて薄い被綴り材を綴ると、被綴り材を貫通した脚部は非常に長いので、そのまま可動クリンチャ61によって折り曲げると、脚部の先端は矢印のように移動して上記壁63に当たってしまい、折り曲げることができない。このため、折り曲げの際にステープルの脚の余分な部分をカットする切断機構が必要となる。
【0004】
本発明は上記問題点を解消するもので、本発明の課題は、脚の長さが長いステープルを打ち込んだ場合であっても、脚を切断することなしに確実に折り曲げることができるクリンチャ機構を備えた電動ステープラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る電動ステープラは、複数の真直状のステープル材をシート状に連結してなるシート状ステープルをカートリッジ内に多段に積層収納するとともに、このカートリッジに連続して設けられた送り通路に最下段又は最上段のシート状ステープルから順次送り出し、送り通路の先端に設けられた打ち込み部においてシート状ステープルの先端部のステープル材から順に門形に成形し、成形されたステープルをドライバプレートで打ち込んで被綴り材を貫通させ、貫通したステープルの脚部を可動クリンチャによって折り曲げる電動ステープラにおいて、上記被綴り材を貫通したステープルの両脚部の先端を受ける受け面を有する1対の可動クリンチャを、前後に対向配置された2枚の平板状の支持プレートの間にそれぞれ軸着するとともに、上記両可動クリンチャの受け面にステープルの両脚が離れる方向になるように傾斜案内部を形成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る電動ステープラの要部を示す。この電動ステープラは図示しないベース上にマガジン1を備えたもので、マガジン1の下部には複数の真直状のステープル材をシート状に連結してなるシート状ステープルaを多段に積層収納するカートリッジ2が着脱自在に設けられている。そして、カートリッジ2内の最上段のシート状ステープルaは送り機構によってカートリッジ2から排出されてカートリッジ2の最前部に設けられた打ち込み部3に送られる。なお、電動ステープラは上下が逆に配置されることがあり、この場合は最下段のシート状ステープルが送られることになる。
【0007】
マガジン1の上部には、上記打ち込み部3に供給されたシート状ステープルaの先頭部分のステープル材a1を門形に成形するフォーミングプレート4と成形された先頭のステープルa1を下方に打ち出すドライバプレート5とを前部に備えた駆動リンク6が支軸7を中心に揺動可能に設けられている。そして、駆動リンク6の後端のローラ8は電動モータによって回転する回転カム(図示せず)の周面に係合している。回転カムの回転により上記駆動リンク6を揺動させてフォーミングプレート4とドライバプレート5とを上下動させ、フォーミングプレート4によって上記打ち込み部3に供給されたシート状ステープルaの先頭部分のステープル材a1を門形に成形させるとともに、ドライバプレート5によって既に成形されている先頭のステープルa1を下方の被綴り材9に向けて打ち出す。なお、このような成形・打ち出しの基本的な構造と作用は、例えば実公昭63−34853号公報、実公昭63−34854号公報、実公昭63−34855号公報、実公昭63−34856号公報等に示されているとおりである。
【0008】
ベースの前部には綴り台10が配置され、綴り台10にはドライバプレート5によって打ち出されて被綴り材9を貫通したステープルの脚を折り曲げる可動クリンチャ11が配置されている。可動クリンチャ11は上記電動モータによって駆動されるクリンチャリンク12によって上下方向に回動するように構成されている。
【0009】
ところで、上記カートリッジ2内の最上段のシート状ステープルaを打ち込み部3に送り出す送り機構は、図1及び図2に示されるように、上記シート状ステープルaの露出面に対して斜めに係合する送り爪13を、シート状ステープルaの送り方向に移動可能に設け、上記送り爪13を上記ドライバプレート5の駆動リンク6の作動と連動させもので、送り爪13は送り爪ホルダ14に設けられたピン15に回動可能に取り付けられ、捩りコイルバネ16によって図の反時計方向に回転するように付勢されている。送り爪ホルダ14はマガジン1に対してステープルの送り方向に往復動可能に設けられ、圧縮バネ17により常時送り側(前側)に付勢されている。また、その中央前端には係合突部18が形成されている。
【0010】
送り爪ホルダ14は送りサブプレート19と圧縮バネ17によって往復動するように構成されている。すなわち、送りサブプレート19は上記駆動リンク6に固定され、駆動リンク6の揺動に追従して往復作動し、往動時には送りサブプレート19の先端が上記送り爪ホルダ14の係合突部18に係合して送り爪ホルダ14を後退移動させるように配置されている。送りサブプレート19が復動すると、送り爪ホルダ14は圧縮バネ17によって前進移動する。送り爪ホルダ14の移動量はステープル数本〜10本分程度に設定されている。
【0011】
上記送り機構において、綴り作動するために駆動リンク6が揺動すると、ドライバプレート5が先頭のステープルに対して打ち込み作動するが、同時に上記送りサブプレート19が作動するので、駆動リンク6も回転作動するから、その先端は送り爪ホルダ14の係合突部18に係合し、後退移動させる。その後、駆動リンク6が逆方向に揺動すると、送りサブプレート19の押し付け力は解除されるので、送り爪ホルダ14は圧縮バネ17によって前進する。このとき、送り爪13の先端は最上段のシート状ステープルaの露出面(上面)に係合し、シート状ステープルaをステープル1本分だけ打ち込み部3に向けて送り込む。
【0012】
上記構成によれば、送り爪13は隣り合うステープル間の溝に係合した状態でシート状ステープルaを送るように作動するが、このとき送り爪13とステープルaとの係合が外れることがある。しかし、送り爪13はドライバプレート5の駆動手段である駆動リンク6の作動と連動して作動するので、送り爪13の移動量は十分に長く、このため係合が外れても、送り方向に移動する途中で再び別のステープルに係合することができる。したがって、シート状ステープルaを円滑かつ確実に送ることができ、空送りや空打ちを有効に防止することができる。
【0013】
次に、上記送り機構によってシート状ステープルaの先頭部のステープル針a1が打ち込み部3に送られ、さらに門形に成形された後、駆動リンク6が揺動してドライバプレート5が成形ステープルa1を被綴り材9に向けて打ち出すと、打ち出されたステープルの両脚部36は被綴り材9を貫通してクリンチャ機構によって折り曲げられる。
【0014】
クリンチャ機構は、図3及び図5に示されるように、上記被綴り材9を貫通したステープルの両脚部36の先端を受ける受け面37を有する1対の可動クリンチャ11を、前後に対向配置された2枚の略平板状の支持プレート39の間に設けられた支軸40にそれぞれ軸着するとともに、図4(a)(b)のように上記両可動クリンチャ11の受け面37を互いに外側に傾斜させて案内部38を形成することによって構成されている。
【0015】
すなわち、可動クリンチャ11はそれぞれ支持プレート39の間に設けられた支軸40に軸着され、先端側の一辺44は細くなるように形成され、先端部は互いに重合している。また、可動クリンチャ11の案内部38の傾斜は、ステープルの脚部36が被綴り材9を貫通して降下する部位pの手前から先端部にかけて形成されている。傾斜角は5°〜10°程度が好ましい。
【0016】
上記構成によれば、ドライバプレート5によって被綴り材9に打ち込まれて貫通したステープルの脚部36が可動クリンチャ11の受け面37上に降下する。その後、図示しない駆動手段により可動クリンチャ11が支軸40を中心に上方に回動すると、その受け面37にステープルの脚部36が当たった後、折り曲げられる。ところが、受け面37は案内部38として外側に傾斜しているので、ステープルの脚部36も折り曲げられながら図4(a)(b)の矢印のように外側に流れる。両側の脚部36が互いに外側に導かれるので、脚部36が重ならない、いわゆるバイパスフラットクリンチが実現される。
【0017】
また、被綴り材9を貫通したステープルの脚部36が長いときは、可動クリンチャ11の受け面37に当たって折り曲げられ、上記脚部36が図5に示すように受け面37の先端の先まで伸びていくが、このような場合であっても、支持プレート39は平板状に形成され、従来のように脚部36に当たる壁はないので、脚部36はどこにもぶつかることなく折り曲げられ、確実なクリンチが行なわれる。このため、脚部36を切断しなくても確実に折り曲げることができる。
【0018】
なお、案内部38は図6のように一側縁を立ち上げる構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動ステープラにおけるシート状ステープルの送り機構を示す要部の側面図
【図2】送り爪とそのホルダの底面図
【図3】クリンチャ機構を示す可動クリンチャ部分の平面図
【図4】(a)(b)は図3のYーY線及びZーZ線上の断面図
【図5】上記クリンチャ機構の一部の正面図
【図6】案内部の他の例の断面図
【図7】従来のクリンチャ機構の説明図
【符号の説明】
a シート状ステープル
2 カートリッジ
3 打ち込み部
5 ドライバプレート
11 可動クリンチャ
37 受け面
38 案内部
39 支持プレート
Claims (1)
- 複数の真直状のステープル材をシート状に連結してなるシート状ステープルをカートリッジ内に多段に積層収納するとともに、このカートリッジに連続して設けられた送り通路に最下段又は最上段のシート状ステープルから順次送り出し、送り通路の先端に設けられた打ち込み部においてシート状ステープルの先端部のステープル材から順に門形に成形し、成形されたステープルをドライバプレートで打ち込んで被綴り材を貫通させ、貫通したステープルの脚部を可動クリンチャによって折り曲げる電動ステープラにおいて、
上記被綴り材を貫通したステープルの両脚部の先端を受ける受け面を有する1対の可動クリンチャを、前後に対向配置された2枚の平板状の支持プレートの間にそれぞれ軸着するとともに、上記両可動クリンチャの受け面にステープルの両脚が離れる方向になるように傾斜案内部を形成したことを特徴とする電動ステープラ。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17603299A JP3620350B2 (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | 電動ステープラ |
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---|---|---|---|
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JP17603299A Expired - Fee Related JP3620350B2 (ja) | 1999-06-22 | 1999-06-22 | 電動ステープラ |
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-
1999
- 1999-06-22 JP JP17603299A patent/JP3620350B2/ja not_active Expired - Fee Related
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