JP2000122292A - 化学増幅型レジスト材料 - Google Patents

化学増幅型レジスト材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクパタンの粗密の違いにかかわらず、レ
ジストパタンに寸法差の生じることがないようにする。 【解決手段】 一般式(1)からなるベース樹脂と、光
酸発生剤と、アルカリ可溶でありかつ前記ベース樹脂に
対する重量パーセント比が0.1〜15%の範囲であり
かつ保護率が0%でありかつ重量平均分子量が5,00
0〜20,000である高分子樹脂からなる溶解促進剤
とを含むものである。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中のRは前記一般式(2),(3)または(4)の
何れかで表される保護基を示し、m,nは自然数であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学増幅型レジス
ト材料に関し、特に遠紫外光(波長:248nm(KrF),193nm
(ArF))に対して高い感度を有し、アルカリ性溶液で現
像することによってパタン形成可能、かつ、微細加工技
術に適したポジ型の化学増幅型レジスト材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、KrF(フッ化クリプトン)エキ
シマレーザを利用したリソグラフィー技術においては、
高精細なパタンを得るべく、それに適したレジスト材料
の開発が進められている。例えば、露光によって酸を発
生してこの酸の働きによってレジスト中のポリマーの極
性を反転させてから、現像によってパタン形成を行う化
学増幅型レジストは、感度および解像度が高いという特
徴を有し、その利用が有望視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな化学増幅型レジストは、感度および解像の点で優れ
るものの、プロセスの安定性や基板依存性等の点で種々
の課題を有している。そこで、本願発明者はこのような
課題を踏まえ、以下のような実験を試みたところ、以下
のような問題点を確認することができた。
【0004】まず、ベース樹脂として重量平均分子量
7,000,保護率40%のt−ブトキシカルボニルポ
リヒドロキシスチレンを用い、光酸発生剤として対ベー
ス樹脂比5%のトリフェニルスルフォニウムトリフレー
トからなるレジストを用いて実験を行った。
【0005】すなわち、このようなレジスト材料をシリ
コン基板上に塗布し、フォトマスクには孤立ラインのマ
スクパタンを形成し、レンズ開口数NA0.60,σ0.75の
KrF露光機により、0.18μmのライン・アンド・スペ
ース(以下、L&S という)が1対1になる露光量で露光
および現像してみたところ、本来0.18μm孤立ラインと
なるはずのレジストパタンの寸法は、0.134μm とな
り、パタン精度が大きく低下してしまった。
【0006】したがって、このような従来のレジスト材
料を用いたのでは、ライン・アンド・スペースが1対1
となるパタンと孤立ラインのパタンとが混在した場合、
ライン・アンド・スペースが1対1となるパタンに合わ
せて露光量を調整すると、孤立ラインの寸法が大きく変
動してしまうことになる。そのため、マスクパタンの疎
密の違いにより、現像後のレジストパタンに寸法差が生
じてしまう。
【0007】同様に、ベース樹脂として重量平均分子量
6,000,保護率40%のt−ブチルポリヒドロキシ
トリシクロドデカニルメタクリレートを用い、光酸発生
剤としてベース樹脂に対する重量パーセント比で2%の
トリフェニルスルフォニウムトリフレートからなるレジ
スト材料をシリコン基板上に塗布し、フォトマスクには
孤立ラインのマスクパタンを形成した。
【0008】そして、レンズ開口数NA0.55,σ0.70の
ArF(フッ化アルゴン)小フィールド露光機により、
0.15μmL&S が1対1になる露光量で露光したところ、
本来0.15μm孤立ラインとなるはずのレジストパタンの
寸法は0.125 μmとなった。したがって、この場合にお
いても、マスクパタンの疎密の違いによって現像後のレ
ジストパタンに寸法差が生じてしまうという結果となっ
た。
【0009】このように、従来の化学増幅型レジスト材
料を遠紫外光によるリソグラフィーに用いると、マスク
パタンの粗密の違いにより、現像後のレジストパタンに
大きく寸法差が生じるという問題点を確認することがで
きた。
【0010】本発明は、このような課題を解決するため
のものであり、マスクパタンの粗密の違いにかかわら
ず、レジストパタンに寸法差の生じることのない化学増
幅型レジスト材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1に係る本発明の化学増幅型レジスト
材料は、下記一般式(1)からなるベース樹脂と、光酸
発生剤と、アルカリ可溶でありかつ前記ベース樹脂に対
する重量パーセント比が0.1〜15%の範囲でありか
つ保護率が0%でありかつ重量平均分子量が5,000
〜20,000である高分子樹脂からなる溶解促進剤と
を含むものである。
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】 (式中のRは前記一般式(2),(3)または(4)の
何れかで表される保護基を示し、m,nは自然数であ
る。)
【0012】また、請求項2に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、請求項1において、前記光酸発生剤
は、下記一般式(5)で表される化合物からなるもので
ある。
【化17】
【0013】また、請求項3に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、請求項1において、前記溶解促進剤
は、下記一般式(6)で表される化合物からなるもので
ある。
【化18】 (式中のmは自然数である。)
【0014】また、請求項4に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、前記一般式(1)からなるベース樹脂
と、光酸発生剤と、アルカリ可溶でありかつ前記ベース
樹脂に対する重量パーセント比が0.1〜15%の範囲
でありかつ保護率が0%でありかつ重量平均分子量が1
00〜1,000である高分子樹脂からなる溶解促進剤
とを含むものである。
【0015】また、請求項5に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、請求項4において、前記光酸発生剤
は、前記一般式(5)で表される化合物からなるもので
ある。
【0016】また、請求項6に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、請求項4において、前記溶解促進剤
は、R’−(COOH)m もしくはR’−(OH)m
、または、下記一般式(7),(8)もしくは(9)
の何れかで表される化合物からなるものである。
【化19】
【化20】
【化21】 (式中のR’はフェニル基,Cn2n+2-m ,C
n2n-m ,Cn2n-2-m もしくはn員環であるCn
2n-m からなる保護基を示し、m,nは自然数であ
る。)
【0017】また、請求項7に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、下記一般式(10)または(11)で
表される化合物からなるベース樹脂と、光酸発生剤と、
アルカリ可溶であり前記ベース樹脂に対する重量パーセ
ント比が0.1〜15%の範囲であり重量平均分子量が
5,000〜20,000である高分子樹脂からなる溶
解促進剤とを含むものである。
【化22】
【化23】 (式中のm,nは自然数である。)
【0018】また、請求項8に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、請求項7において、前記光酸発生剤
は、前記一般式(5)で表される化合物からなるもので
ある。
【0019】また、請求項9に係る本発明の化学増幅型
レジスト材料は、請求項7において、前記溶解促進剤
は、下記一般式(12)で表される化合物からなるもの
である。
【化24】 (式中のmは自然数である。)
【0020】また、請求項10に係る本発明の化学増幅
型レジスト材料は、請求項1乃至9の何れか一項におい
て、前記化学増幅型レジスト材料は、遠紫外光を用いた
リソグラフィーに使用されるものである。
【0021】このように構成することにより本発明は、
マスクパタンに粗密の違いがあっても、レジストパタン
に寸法差が生じることを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。上述したように、本発明は、レジスト材料
中に溶解促進剤を添加することにより、マスクパタンの
粗密の違いに係わらずレジストパタンに寸法差が生じな
いことを見出したものである。
【0023】すなわち、露光部および未露光部界面にお
けるレジストの溶解速度は密パタンよりも粗パタンの方
が速いため、本発明ではレジスト材料中に溶解促進剤を
添加することにより、密パタンの溶解速度のみを上げる
ようにしている。ただし、このとき密パタンにおける溶
解速度は上昇するものの、粗パタンにおける最大溶解速
度は既に飽和状態にあるため、これ以上速くなることは
ない。したがって、密パタンにおける速度を上げさえす
れば、密パタンおよび粗パタンにおける溶解速度差を無
くすことができ、現像後のレジストパタンに寸法差が生
じることを防止することができる。
【0024】以下においては、レジスト材料,光酸発生
剤およびレジスト樹脂の具体例を上げ説明する。
【0025】[第1の実施の形態]本実施の形態におけ
る化学増幅型レジスト材料は、ベース樹脂として重量平
均分子量7,000,保護率40%のt−ブトキシカル
ボニルポリヒドロキシスチレン(一般式(1))、光酸
発生剤として対ベース樹脂比3%のトリフェニルスルフ
ォニウムトリフレート(一般式(5))、アルカリ可溶
でありかつ対ベース樹脂比5%の重量平均分子量7,0
00の保護率0%の高分子樹脂ポリカルボキシスチレン
(一般式(6))を含むものである。ここで、保護率0
%の高分子樹脂ポリカルボキシスチレンは溶解促進剤と
して働く。
【0026】また、式中のm,nは何れも自然数を示
し、また保護率40%であることから、n/(m+n)
=0.4である。
【0027】さらに、一般式(1)中の保護基Rとして
は、例えばt−ブトキシカルボニル,テトラハイドロピ
ラニルまたはt−ブチル等を用いるとよく、保護基Rの
詳細な構造は、一般式(2),(3)または(4)に示
されるとおりである。
【0028】ここで、上記本実施の形態による実験結果
について説明する。上記レジスト材料をシリコン基板上
に塗布し、またフォトマスクに孤立ラインのマスクパタ
ンを形成し、レンズ開口数 NA0.60、σ0.75 のKrF
エキシマステッパーにより、0.18μmL&S が1対1にな
る露光量で露光した。その結果、本来0.18μmの孤立ラ
インとなるはずのレジストパタンの寸法は、0.182 μm
となってパタン精度は向上し、上記従来例と比べてマス
クパタンの疎密による寸法差を抑制することができた。
【0029】なお、溶解促進剤は上記のものに限られる
ものではなく、アルカリ可溶でありかつベース樹脂に対
する重量パーセント比が0.1〜15%の範囲でありか
つ保護率が0%でありかつ重量平均分子量が5,000
〜20,000からなる高分子樹脂であればその他の溶
解促進剤を使用してもよい。
【0030】[第2の実施の形態]次に、本発明のその
他の実施の形態について説明する。ベース樹脂として重
量平均分子量7,000,保護率40%のt−ブトキシ
カルボニルポリヒドロキシスチレン(一般式(1))、
光酸発生剤として対ベース樹脂比3%のトリフェニルス
ルフォニウムトリフレート(一般式(5))、アルカリ
可溶でありかつ対ベース樹脂比3%の低分子溶解促進剤
である2,2- ビス(カルボキシフェニル)プロパン(一般
式(7))を含むものである。
【0031】第1の実施の形態同様に、上記レジスト材
料をシリコン基板上に塗布し、レンズ開口数NA0.60、
σ0.75のKrF露光機により0.18μmL&S が1対1にな
る露光量で露光したところ、0.18μm孤立ラインの寸法
は0.175 μmとなってパタン精度は向上し、パタンの疎
密による寸法差が抑制された。
【0032】なお、溶解促進剤は上記のものに限られる
ものではなく、R’−(COOH)m もしくはR’−
(OH)m 、または、ビスフェノール系やステロイド
系の高分子樹脂を用いてもよい。その際、保護R’とし
てはフェニル基,Cn2n+2-m ,Cn2n-m ,Cn
2n-2-m もしくはn員環であるCn2n-m 等を用いると
よく、m,nは自然数である。また、ビスフェノール系
およびステロイド系の詳細な構造は、一般式(8),
(9)に示されるとおりである。
【0033】さらに、これらの溶解促進剤は、アルカリ
可溶でありかつベース樹脂に対する重量パーセント比が
0.1〜15%の範囲でありかつ保護率が0%でありか
つ重量平均分子量が100〜1,000であり、またこ
の条件を満たすものであればその他の溶解促進剤を使用
してもよい。
【0034】[第3の実施の形態]次に、さらにその他
の実施の形態について説明する。ベース樹脂として重量
平均分子量6,000,保護率40%のt−ブチルポリ
カルボキシ−トリシクロドデカニルメタクリレート(一
般式(10))、光酸発生剤として対ベース樹脂比2%
のトリフェニルスルフォニウムトリフレート(一般式
(5))、対ベース樹脂比4%の重量平均分子量6,0
00の保護率0%の高分子樹脂ポリカルボキシ−トリシ
クロドデカニルメタクリレート(一般式(12))を含
むものである。
【0035】第1の実施の形態同様に、レジスト材料を
シリコン基板上に塗布し、レンズ開口数NA0.55、σ0.
70のArF小フィールド露光機により0.15μmL&S が1
対1になる露光量で露光したところ、0.15μm孤立ライ
ンの寸法は0.149μm となり、パタンの疎密による寸法
差が抑制された。
【0036】なお、溶解促進剤は、アルカリ可溶であり
かつベース樹脂に対する重量パーセント比が0.1〜1
5%の範囲であり重量平均分子量が5,000〜20,
000であれば、上記のものに限られない。また、ベー
ス樹脂としてポリカルボキシ−テトラシクロドデシル
(一般式(11))を用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明は、密パタン
および粗パタンが混在していても、疎パタンの最大溶解
速度が飽和しているので増加しない一方、密パタンの最
大溶解速度のみを増大させることができる。そのため、
両パタンの露光部と未露光部界面における溶解速度差が
抑制され、両パタンの寸法差を抑制することができる。
したがって、本発明をロジックデバイス作製に用いるこ
とにより、その際に問題となるパタンの疎密の違いによ
る寸法差を抑制することができ、歩留まりの向上等に大
きく貢献するものといえる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)からなるベース樹脂
    と、 光酸発生剤と、 アルカリ可溶でありかつ前記ベース樹脂に対する重量パ
    ーセント比が0.1〜15%の範囲でありかつ保護率が
    0%でありかつ重量平均分子量が5,000〜20,0
    00である高分子樹脂からなる溶解促進剤とを含むこと
    を特徴とする化学増幅型レジスト材料。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中のRは前記一般式(2),(3)または(4)の
    何れかで表される保護基を示し、m,nは自然数であ
    る。)
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記光酸発生剤は、下記一般式(5)で表される化合物
    からなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料。 【化5】
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記溶解促進剤は、下記一般式(6)で表される化合物
    からなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料。 【化6】 (式中のmは自然数である。)
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)からなるベース樹脂
    と、 光酸発生剤と、 アルカリ可溶でありかつ前記ベース樹脂に対する重量パ
    ーセント比が0.1〜15%の範囲でありかつ保護率が
    0%でありかつ重量平均分子量が100〜1,000で
    ある高分子樹脂からなる溶解促進剤とを含むことを特徴
    とする化学増幅型レジスト材料。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記光酸発生剤は、前記一般式(5)で表される化合物
    からなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 前記溶解促進剤は、R’−(COOH)m もしくは
    R’−(OH)m 、または、下記一般式(7),
    (8)もしくは(9)の何れかで表される化合物からな
    ることを特徴とする化学増幅型レジスト材料。 【化7】 【化8】 【化9】 (式中のR’はフェニル基,Cn2n+2-m ,C
    n2n-m ,Cn2n-2-m もしくはn員環であるCn
    2n-m からなる保護基を示し、m,nは自然数であ
    る。)
  7. 【請求項7】 下記一般式(10)または(11)で表
    される化合物からなるベース樹脂と、 光酸発生剤と、 アルカリ可溶であり前記ベース樹脂に対する重量パーセ
    ント比が0.1〜15%の範囲であり重量平均分子量が
    5,000〜20,000である高分子樹脂からなる溶
    解促進剤とを含むことを特徴とする化学増幅型レジスト
    材料。 【化10】 【化11】 (式中のm,nは自然数である。)
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記光酸発生剤は、前記一般式(5)で表される化合物
    からなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 前記溶解促進剤は、下記一般式(12)で表される化合
    物からなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料。 【化12】 (式中のmは自然数である。)
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れか一項におい
    て、 前記化学増幅型レジスト材料は、遠紫外光を用いたリソ
    グラフィーに使用されることを特徴とする化学増幅型レ
    ジスト材料。
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JP2007298953A (ja) * 2006-04-04 2007-11-15 Shin Etsu Chem Co Ltd レジスト材料及びパターン形成方法
TWI383261B (zh) * 2006-04-04 2013-01-21 Shinetsu Chemical Co Photoresist material and pattern formation method

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