JP2000119691A - 洗浄剤および該洗浄剤を用いた洗浄法 - Google Patents

洗浄剤および該洗浄剤を用いた洗浄法

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JP2000119691A
JP2000119691A JP10289323A JP28932398A JP2000119691A JP 2000119691 A JP2000119691 A JP 2000119691A JP 10289323 A JP10289323 A JP 10289323A JP 28932398 A JP28932398 A JP 28932398A JP 2000119691 A JP2000119691 A JP 2000119691A
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detergent
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rinsing
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Jun Saito
純 斉藤
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、洗浄能力、特に機械油、グリー
ス、ワックス等の油脂類、並びにフラックス類に対する
脱脂能力に優れ、かつ低毒性な洗浄剤、および洗浄後の
被洗浄物表面への洗浄剤の残留が実質的にない洗浄法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素または炭化水素基を示す。)で示され
るシクロペンタノン系化合物を有効成分として含有する
ことを特徴とする洗浄剤および被洗浄物を該洗浄剤に接
触させることを特徴とする洗浄法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種金属、プラスチ
ック等の脱脂洗浄等に使用される洗浄剤およびそれを用
いた洗浄法に関する。更に詳しくは、自動車、機械、電
気、電子、精密機器等の加工部品類に付着する機械油、
グリース、ワックス等の油脂類、並びにフラックス類に
対する脱脂能力に優れ、かつ低毒性の洗浄剤およびそれ
を用いた洗浄法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車、機械、電気、電子、
精密機器等の加工部品類の脱脂洗浄については、高脱脂
力、不燃性等の優れた特性を備えたトリクロロエタン、
トリクロロエチレン等の塩素系化合物や、トリフルオロ
トリクロロエタン(フロン113)等のフロン系化合物
が洗浄溶剤として使用されてきている。しかしながら、
近年、地球環境保護の観点より、環境破壊物質の大気及
び水系への排出規制の動きが出ている。洗浄用溶剤とし
て優れた特徴を備えた塩素系化合物、並びに塩素原子を
含むフロン系化合物については、成層圏のオゾン層を破
壊するという環境問題が懸念され、その使用量を低減
し、更には使用停止に向けた国際的世論が高まってい
る。
【0003】こうした中で、これら塩素系、フロン系溶
剤に替わる環境汚染の少ない代替洗浄剤が強く求められ
ており、例えば水系の洗浄剤、炭化水素系の洗浄剤が新
たな洗浄剤として使用され始めている。しかし、従来の
水系洗浄剤、炭化水素系洗浄剤を使用した洗浄法では、
その洗浄力が充分でなかったり、または洗浄後の被洗浄
物表面に僅かな洗浄剤が残留してしまうといった問題点
もあり、未だ充分に満足できる洗浄剤及び洗浄法は見出
されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のとお
りの状況に鑑みてなされたものであり、機械油、グリー
ス、ワックス等の油脂類、並びにフラックス類に対する
脱脂能力に優れ、かつ低毒性な洗浄剤、および洗浄後の
被洗浄物表面への洗浄剤の残留が実質的にない洗浄法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の課題を解決するために、
【化2】 (式中、Rは水素または炭化水素基を示す。)で示され
るシクロペンタノン系化合物を有効成分として含有する
洗浄剤が、前記従来技術の課題を解決できることを見出
し、本発明に到達することができた。
【0006】前記一般式(1)のRが炭化水素基を示す
場合には、該炭化水素基は、直鎖状でも分岐していても
よく、また、環状でもよい炭素数が1〜12のアルキル
基、アルケニル基もしくはアルキニル基である(以下、
前記の基を総称してアルキル基とも言う)。また、Rと
しては、水素、炭素数が1〜6の直鎖状又は分岐状のア
ルキル基、環状のアルキル基が好ましい。
【0007】前記Rの炭化水素基の具体例としては、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル
基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘ
キシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、3−メ
チルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペ
ンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オク
チル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニ
ル基、デシル基などのアルキル基;例えば、アリル基、
2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4
−ペンテニル基、3−ペンテニル基、trans−2−
ペンテニル基、cis−2−ペンテニル基、1−ペンテ
ニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニ
ル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、ヘプテニ
ル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などのア
ルケニル基;エチニル基、2−プロピニル基、2−ブチ
ニル基、3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペン
チニル基などのアルキニル基が挙げられる。
【0008】前記の基の中でも、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、
シクロペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブ
チル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキ
シル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル
基、1−メチルペンチル基、アリル基、2−ブテニル
基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル
基、3−ペンテニル基、trans−2−ペンテニル
基、cis−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3
−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−
ヘキセニル基、2−ヘキセニル基などが好ましい。
【0009】本発明にかかる前記一般式(1)のシクロ
ペンタノン系化合物の具体例としては、シクロペンタノ
ン、2−メチルシクロペンタノン、2−エチルシクロペ
ンタノン、2−n−プロピルシクロペンタノン、2−n
−ブチルシクロペンタノン、2−n−ペンチルシクロペ
ンタノン、2−シクロペンチルシクロペンタノンなどが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。ま
た、本発明においては、本発明にかかるシクロペンタノ
ン系化合物である前記シクロペンタノンおよびアルキル
シクロペンタノン系化合物は、それぞれ単独で、または
これら2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらにはこれらシクロペンタノン系化合物は、他の溶媒
と混合された形で使用することも出来る。
【0010】本発明のシクロペンタノン系化合物を含有
する洗浄剤に混合使用できる他の溶媒としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、アミルアルコール等のアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;酢酸ビニ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;1,1,
1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタ
ン、オクタフルオロシクロペンタン、パーフルオロ−
1,3−ジヒドロシクロヘキサン等のハイドロフルオロ
カーボン類;パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプ
タン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロシク
ロペンタン等のパーフルオロカーボン類;等が挙げられ
る。
【0011】前記他の溶媒の混合割合は、溶媒の種類や
被洗浄物の性質に応じて適宜選択すればよく、特に限定
はないが、通常は、シクロペンタノン系化合物100重
量部に対して、1〜50重量部、好ましくは5〜30重
量部である。
【0012】本発明のシクロペンタノン系化合物を有効
成分とする洗浄剤には、洗浄時の加熱、汚れの混入や蒸
留回収時の加熱などによる劣化を防止するために各種の
安定剤を混合してもよい。その具体例としては、例えば
ニトロメタン、ニトロエタン等の脂肪族ニトロ化合物;
3―メチルー1―ブチン−3−オール、3−メチル−1
−ペンチン−3−オール等のアセチレンアルコール類;
グリシドール、メチルグリシジルエーテル等のエポキシ
ド類;ジメトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエー
テル類;ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロ
ヘキセン等の不飽和炭化水素類;アリルアルコール、1
−ブテン−3−オール等の不飽和アルコール類;などが
示される。
【0013】これら安定剤の使用量は、特に限定されな
いが、通常、シクロペンタノン系化合物100重量部に
対して、0.01〜5重量部である。また、更に相乗的
安定効果を得るために、フェノール類、アミン類、ベン
ゾトリアゾール類を併用してもよい。
【0014】本発明の洗浄剤には、必要に応じて、従来
知られている防錆剤、界面活性剤などをさらに添加する
ことができる。防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、
トリルトリアゾール、炭素数2〜10の炭化水素基を有
するベンゾトリアゾール誘導体等のトリアゾール化合
物;ベンゾイミダゾール、炭素数2〜20の炭化水素基
を有するイミダゾール誘導体等のイミダゾール化合物;
ベンゾチアゾール、炭素数2〜20の炭化水素基を有す
るチアゾール誘導体等のチアゾール化合物;等の含窒素
有機化合物が使用できる。また、プロピレンオキサイ
ド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシオクタ
ン、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、炭
素数3〜15のグリシジルエーテル類等のエーテル化合
物も使用できる。これら防錆剤は、シクロペンタノン系
化合物に対して通常0.1〜1重量%程度添加される。
【0015】界面活性剤としては、公知のアニオン性、
カチオン性、非イオン性界面活性剤等のいずれも使用で
きるが、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノ
ールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル脂肪酸エ
ステル、ポリオキシアルキレンアリルフェノールエーテ
ル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシアルキレンアルキルアミン、これらポリオキ
シアルキレン類、ソルビタン脂肪酸エステル等が好適に
使用できる。これら界面活性剤は、シクロペンタノン系
化合物に対して通常0.1〜1重量%程度添加される。
【0016】本発明の第2の特徴点は、前記シクロペン
タノン系化合物を有効成分として含有する洗浄剤に、被
洗浄物を接触させることを特徴とする洗浄法を提供した
ことにある。
【0017】本発明の洗浄法を行うには、被洗浄物と前
記本発明の洗浄剤とを任意の手段で接触させればよい。
具体的な接触手段としては、例えば、手拭き、浸漬、ス
プレー、シャワーなどの方法を挙げることができ、特に
浸漬方法が好適に用いられる。浸漬による処理に際して
は、超音波振動、揺動、攪拌、ブラッシングなどの物理
的手段を併用してもよい。洗浄剤の温度は、被洗浄物の
性状に応じて適宜選択すればよいが、通常、室温以上沸
点までの範囲、好ましくは30℃以上、沸点までの範
囲、更に好ましくは40℃以上、沸点までの範囲であ
る。
【0018】本発明の第3の特徴点は、被洗浄物を前記
の洗浄剤に接触させ洗浄し、次いで被洗浄物をリンス洗
浄剤でリンス洗浄および/または蒸気洗浄剤で蒸気洗浄
することを特徴とする。
【0019】すなわち、前記本発明の洗浄剤を用いて洗
浄を行った場合、洗浄を行った後、被洗浄物の表面には
洗浄剤が残存付着していることがあるが、この被洗浄物
を次いでリンス洗浄および/または蒸気洗浄することに
より、洗浄後の被洗浄物表面に前記シクロペンタノン系
化合物が残留している場合には、これを実質的に残存し
ない状態にまで除去することができる。
【0020】本発明においてリンス洗浄に用いるリンス
洗浄剤および蒸気洗浄に用いる蒸気洗浄剤は、特に限定
されないが、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフル
オロシクロペンタン(以下、HFCPAとも言う。)を
主成分とする同様の組成を有するものが好適に用いられ
る。
【0021】本発明において、前記HFCPAを主成分
とするリンス洗浄剤又は蒸気洗浄剤が特に好適であるの
は、前記シクロペンタノン系化合物とあらゆる温度領域
でも極めて優れた相溶性を示すことによる。即ち、洗浄
後の被洗浄物表面に残留している前記シクロペンタノン
系化合物はHFCPAを主成分とするリンス洗浄剤でリ
ンス洗浄し、又は蒸気洗浄剤で蒸気洗浄することで、極
めて容易に除去されるからである。
【0022】リンス洗浄剤は、前記HFCPAと他の化
合物を併用したものであっても良い。このHFCPAと
併用可能な化合物としては、本発明の洗浄剤の有効成分
として使用する前記シクロペンタノン系化合物、また
は、このシクロペンタノン系化合物と他の有機溶剤との
混合物を挙げることができる。
【0023】前記他の有機溶剤としては、リンス洗浄溶
媒として通常用いられているものを用いることかでき、
例えばヘキサン、オクタン、イソオクタンなどの直鎖飽
和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの
環状飽和炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、フ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級ア
ルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;ジメチルエーテル、ジエチルーエーテルなどのエー
テル類;酢酸ビニルなどのエステル類、1,1,1,
2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタンな
どの鎖状ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロヘ
キサン、パーフルオロヘプタンなどのパーフルオロカー
ボン類などを挙げることができる。これらの有機溶剤
は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて
用いることができ、その使用量は、リンス洗浄の効果を
損なわない範囲で適宜選択されればよく、通常リンス洗
浄剤全量の40重量%以下、好ましくは20重量%以
下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0024】前記リンス洗浄および/または蒸気洗浄で
使用されるHFCPAは既知の物質であり、不燃性かつ
アルカリや水の存在下での安定性に優れ、オゾン層を破
壊しないハイドロフルオロカーボンの1種である。
【0025】HFCPAは、例えば、オクタフルオロシ
クロペンテンを水素添加する等の公知の方法で製造でき
る( 例えば、Journal of Chemica
lSociety、548頁、1968年)。このHF
CPAの純度は、通常95重量%以上、好ましくは97
重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上である。
【0026】リンス洗浄方法としては、洗浄後の洗浄剤
が付着した被洗浄物をリンス洗浄剤と接触させればよ
く、通常のリンス洗浄方法が採用できる。具体的には、
例えば、 手拭き、浸漬、スプレー、シャワーなどの方
法を挙げることができ、特に浸漬方法が好適に用いられ
る。浸漬による処理に際しては、超音波振動、揺動、攪
拌、ブラッシングなどの物理的手段を併用してもよい。
リンス洗浄剤の温度は、被洗浄物の性状に応じて適宜選
択すればよいが、通常、室温以上沸点までの範囲、好ま
しくは30℃以上、沸点までの範囲、更に好ましくは4
0℃以上、沸点までの範囲である。
【0027】蒸気洗浄は、常法に従って行えばよく、ま
た、前記シクロペンタノン系化合物を有効成分とする洗
浄剤による洗浄の後、リンス洗浄を行った後に行っても
良いし、あるいはリンス洗浄を省略して行うこともでき
る。
【0028】本発明においては、必要ならば、前記リン
ス洗浄および/または蒸気洗浄後に、被洗浄物の乾燥工
程を追加することができる。乾燥は、好適には、HFC
PAを主成分とする蒸気乾燥により行うことができる。
これにより被洗浄物表面の洗浄剤やリンス洗浄剤等と置
換されたHFCPAを主成分とする蒸気洗浄剤化合物
は、その沸点が低いことから容易に除去され、被洗浄物
が容易に乾燥される。
【0029】本発明の洗浄法において、リンス洗浄工程
等でHFCPA中に混入する前記シクロペンタノン系化
合物を有効成分とする洗浄剤は、蒸留処理により容易に
HFCPA等から分離回収することができ、リサイクル
使用可能となる。
【0030】更に本発明の洗浄法によれば、可燃性であ
る前記シクロペンタノン系化合物を有効成分とする洗浄
剤が、リンス洗浄工程で不燃性のHFCPA蒸気相で覆
われることになり、安全上の観点からも好ましい。
【0031】本発明の洗浄剤、洗浄法は、汚染物質が付
着した物品(被洗浄物)を清浄化させるのに広く用いら
れる。被洗浄物としては、格別な限定はなく、例えば、
精密機械工業、金属加工工業、光学機械工業、電子工
業、プラスチック工業などにおける金属、セラミック
ス、ガラス、プラスチック、エラストマーなどの部品、
半製品及び完成品などが用いられ、具体的には、バンパ
ー、ギヤー、ミッション部品、ラジエーター部品などの
自動車部品;プリント基板、リードフレーム、モニター
部品、コンデンサーなどの電子電気部品; ベアリン
グ、ギア、時計部品、カメラ部品などの精密機械部品;
印刷機器、印刷ロール、圧延製品、建設機械、大型重機
部品などの大型機械部品;食器類などの生活製品など、
多種多彩の例をあげることができる。
【0032】汚染物質の種類としては、例えば、切削
油、焼き入れ油、圧延油、潤滑油、機械油、プレス加工
油、打ち抜き油、引き抜き油、組み立て油、線抜き油な
どのオイル類、グリース類、ワックス類、接着剤、油脂
類、成型時の離型剤、手垢、ハンダ付け後のフラック
ス、レジスト、ソルダーペーストなどの様々なものが挙
げられる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0034】実施例1 200メッシュの金網(4cm×6cm角)を切削油
(ダフニーマーグプラスLA15、出光社製)に室温で
1日浸漬させた後、金網を引き上げ室温で1日放置させ
たものを試験被洗浄物とした。この試験被洗浄物を、シ
クロペンタノン200mlを入れた容器に浸漬し、1分
間超音波洗浄した。その後、これを引き上げて、1,
1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタ
ンの蒸気相中に1分間放置しリンスし、更に空気中に引
き上げて1分間乾燥を行った。乾燥後の被洗浄物表面に
は洗浄剤のシクロペンタノンが全く残留しないことをガ
スクロマトグラフィー分析で確認した。また被洗浄物表
面の油分残量を、油分測定機(HORIBA社製OCM
A−350)にて測定した。その結果、油分残量は0.
1mg以下であり、油分は十分に洗浄除去されていた。
【0035】実施例2 洗浄剤として、2−n−ペンチルシクロペンタノンを使
用したほかは実施例1と同様な方法で洗浄テストを行っ
た。洗浄、リンス、乾燥後の被洗浄物表面への洗浄剤2
−n−ペンチルシクロペンタノンの残留は全くなく、油
分残量は0.1mg以下の結果となり、油分は十分に洗
浄除去された。
【0036】実施例3 BTレジンガラス布の銅張積層板(三菱瓦斯化学社製)
のプリント基板(40mm×60mm×0.8mm)に
クリームハンダOZ63−221CM5−42−10
(千住金属社製)を12mm×50mmの大きさで2本
塗布し、電気炉中に250℃×5分間放置して熱処理を
行い試験被洗浄物とした。熱処理後の試験被洗浄物の表
面はハンダが十分に溶融固化し、そのハンダ全面をフラ
ックスの残さがコートしている状態であった。
【0037】この試験被洗浄物を、200mlのシクロ
ペンタノンを入れた容器中に浸漬し、室温で1分間超音
波処理を行った。その後、これを引き上げて、1,1,
2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンの
蒸気相に被洗浄物を1分放置しリンスして、更に空気中
に引き上げて1分間乾燥を行った。乾燥後の被洗浄物の
ハンダ表面は濁りもなく極めて良好な状態であり、基板
自体の変化は全くなかった。また、洗浄剤のシクロペン
タノンが全く残留しないことをガスクロマトグラフィー
分析で確認した。更にこの被洗浄物をイソプロピルアル
コール75%水溶液150mlで超音波処理して、処理
液の電導度を電導度測定機で測定した。電導度の測定結
果は0.3μs/cm以下であり、基板上に残留するイ
オン成分は十分に洗浄除去されていることが示された。
【0038】実施例4 実施例3のBTレジンガラス布の銅張積層のプリント基
板に代えてガラスエポキシ(FR4)プリント基板を用
いた他は実施例3と同様な方法で洗浄、リンス、乾燥を
行った。乾燥後の被洗浄物のハンダ表面は濁りもなく極
めて良好な状態であり、基板自体の変化は全くなかっ
た。また、洗浄剤のシクロペンタノンが全く残留しない
ことをガスクロマトグラフィー分析で確認した。電導度
の測定結果は0.3μs/cm以下であり、基板上に残
留するイオン成分は十分に洗浄除去されていることが確
認された。
【0039】実施例5 洗浄剤として2−n−ペンチルシクロペンタノンを用い
た他は実施例3と同様な方法で洗浄、リンス、乾燥を行
った。乾燥後の被洗浄物のハンダ表面は濁りもなく極め
て良好な状態であり、基板自体の変化は全くなかった。
また、洗浄剤の2−n−ペンチルシクロペンタノンが全
く残留しないことをガスクロマトグラフィー分析で確認
した。電導度の測定結果は0.3μs/cm以下であ
り、基板上に残留するイオン成分は十分に洗浄除去され
ていた。
【0040】参照例1 リンス剤として、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタ
フルオロシクロペンタンに代えて非環状パーフルオロカ
ーボンのPF−5070(住友スリーエム社製)を用い
た以外は実施例3と同様な方法で洗浄、リンス、乾燥を
行った。乾燥後の被洗浄物のハンダ表面には僅かに白い
膜が見られ、洗浄剤のシクロペンタノンが僅かに残留し
ていることがガスクロマトグラフィー分析で確認され
た。基板自体の変化は全くなかった。電導度の測定結果
は1.1μs/cmであり、基板上にイオン成分が残留
していることが示された。
【0041】参照例2 リンス剤として1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフ
ルオロシクロペンタンに代えて非環状ハイドロパーフル
オロカーボンのHFC−134a(三井デュポンフロロ
ケミカル社製)を用いた以外は実施例3と同様な方法で
洗浄、リンス、乾燥を行った。乾燥後の被洗浄物のハン
ダ表面は僅かに白い膜が見られ、洗浄剤のシクロペンタ
ノンが僅かに残留していることがガスクロマトグラフィ
ー分析で確認された。基板自体の変化は全くなかった。
電導度の測定結果は0.8μs/cmであり、基板上に
イオン成分が残留していることが示された。
【0042】
【効果】本発明は、洗浄能力、特に機械油、グリース、
ワックス等の油脂類、並びにフラックス類に対する脱脂
能力に優れ、かつ低毒性な洗浄剤、および洗浄後の被洗
浄物表面への洗浄剤の残留が実質的にない洗浄法を提供
することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素または炭化水素基を示す。)で示され
    るシクロペンタノン系化合物を有効成分として含有する
    ことを特徴とする洗浄剤。
  2. 【請求項2】 被洗浄物を請求項1記載の洗浄剤に接触
    させることを特徴とする洗浄法。
  3. 【請求項3】 被洗浄物を請求項1記載の洗浄剤に接触
    させ、次いで被洗浄物をリンス洗浄剤でリンス洗浄およ
    び/または蒸気洗浄剤で蒸気洗浄することを特徴とする
    洗浄法。
JP10289323A 1998-10-12 1998-10-12 洗浄剤および該洗浄剤を用いた洗浄法 Pending JP2000119691A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002294479A (ja) * 2001-03-28 2002-10-09 Nippon Paint Co Ltd 自動車補修用脱脂剤、自動車の補修方法及び自動車

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