JP2000119693A - 洗浄剤および該洗浄剤を用いた洗浄法 - Google Patents

洗浄剤および該洗浄剤を用いた洗浄法

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JP2000119693A JP10289328A JP28932898A JP2000119693A JP 2000119693 A JP2000119693 A JP 2000119693A JP 10289328 A JP10289328 A JP 10289328A JP 28932898 A JP28932898 A JP 28932898A JP 2000119693 A JP2000119693 A JP 2000119693A
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Jun Saito
純 斉藤
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、洗浄能力、特に機械油、グ
リース、ワックス等の油脂類、並びにフラックス類に対
する脱脂能力に優れ、かつ低毒性な洗浄剤、および洗浄
後の被洗浄物表面への洗浄剤の残留が実質的にない洗浄
法を提供することにある。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素または炭化水素基を示す。)で示され
るシクロペンタノン系化合物及び1,1,2,2,3,
3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンより成る溶剤組
成物を有効成分として含有することを特徴とする洗浄
剤、および被洗浄物を該洗浄剤に接触させることを特徴
とする洗浄法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種金属、プラスチ
ック等の脱脂洗浄等に使用される洗浄剤およびそれを用
いた洗浄法に関する。さらに詳しくは、自動車、機械、
電気、電子、精密機器等の加工部品類に付着する機械
油、グリース、ワックス等の油脂類、並びにフラックス
類に対する脱脂能力に優れ、かつ低毒性の洗浄剤および
それを用いた洗浄法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車、機械、電気、電子、
精密機器等の加工部品類の脱脂洗浄については、高脱脂
力、不燃性等の優れた特性を備えたトリクロロエタン、
トリクロロエチレン等の塩素系化合物や、トリフルオロ
トリクロロエタン(フロン113)等のフロン系化合物
が洗浄溶剤として使用されてきている。しかしながら、
近年、地球環境保護の観点より、環境破壊物質の大気及
び水系への排出規制の動きが出ている。洗浄用溶剤とし
て優れた特徴を備えた塩素系化合物、並びに塩素原子を
含むフロン系化合物については、成層圏のオゾン層を破
壊するという環境問題が懸念され、その使用量を低減
し、更には使用停止に向けた国際的世論が高まってい
る。
【0003】こうした中で、これら塩素系、フロン系溶
剤に替わる環境汚染の少ない代替洗浄剤が強く求められ
ており、例えば水系の洗浄剤、炭化水素系の洗浄剤が新
たな洗浄剤として使用され始めている。しかし、従来の
水系洗浄剤、炭化水素系洗浄剤を使用した洗浄法では、
その洗浄力が充分でなかったり、または洗浄後の被洗浄
物表面に僅かな洗浄剤が残留してしまうといった問題点
もあり、未だ充分に満足できる洗浄剤及び洗浄法は見出
されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のとお
りの状況に鑑みてなされたものであり、機械油、グリー
ス、ワックス等の油脂類、並びにフラックス類に対する
脱脂能力に優れ、かつ低毒性な洗浄剤、および洗浄後の
被洗浄物表面への洗浄剤の残留が実質的にない洗浄法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴の1つは、
下記一般式(1)
【化2】 (式中、Rは水素または炭化水素基を示す。)で示され
るシクロペンタノン系化合物及び1,1,2,2,3,
3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(以下、「HF
CPA」と記すことがある。)より成る溶剤組成物を有
効成分として含有する洗浄剤を提供することにより、前
記従来技術の課題を解決することができた。
【0006】本発明で使用するシクロペンタノン系化合
物は、本来各種油脂、フラックスに対する洗浄力が極め
て高く、それ単独で十分洗浄剤として使用可能である。
しかし、被洗浄物の性質によっては適度な洗浄力を有す
る洗浄剤の使用が望ましい場合がある。
【0007】本発明者は、シクロペンタノン系化合物と
HFCPAが任意の割合で完全に相溶する性質を利用
し、その混合比率と洗浄力を鋭意検討した結果、アルキ
ルシクロペンタノン系化合物とHFCPAとの溶剤組成
物が、その組成比率を変化させることによって、従来汎
用的に洗浄剤として使用されているトリクロロロエタ
ン、トリクロロエチレン等の塩素系化合物からフロン1
13に代表されるフロン系化合物に相当する洗浄力を幅
広く制御できること、およびHFCPAを含有する洗浄
剤は、HFCPAが不燃性であることから、それ自体の
安全性が高いものとなる利点を有することを見出し、こ
れらの知見に基づいて本発明の洗浄剤を完成したもので
ある。
【0008】シクロペンタノン系化合物とHFCPAと
の混合比率は、特に限定されるものではないが、シクロ
ペンタノン系化合物1〜50重量%及び1,1,2,
2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン99〜
50重量%より成る溶剤組成物が好ましい。
【0009】シクロペンタノン系化合物の混合割合が1
重量%未満では、フラックスの洗浄力は小さく、一般的
な油の洗浄力も低いものとなる。一方、その割合が50
重量%を超える場合には洗浄力としてはシクロペンタノ
ン単独使用の場合と同等の洗浄力となり、混合組成にす
る意味が余り高くない。
【0010】前記一般式(1)で表されるシクロペンタ
ノン系化合物としては、該式(1)のRが炭化水素基を
示す場合には、該Rは直鎖状でも分岐していてもよく、
また、環状でもよい炭素数が1〜12のアルキル基、ア
ルケニル基もしくはアルキニル基であるものである。特
に、Rとしては、水素、炭素数が1〜6の直鎖状又は分
岐状のアルキル基、環状のアルキル基であるものが好ま
しい。
【0011】前記Rの具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペン
チル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、2−メチ
ルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イ
ソヘキシル基、シクロヘキシル基、3−メチルペンチル
基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、n
−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソ
オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル
基などのアルキル基;例えば、アリル基、2−ブテニル
基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル
基、3−ペンテニル基、trans−2−ペンテニル
基、cis−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3
−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−
ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、ヘプテニル基、オク
テニル基、ノネニル基、デセニル基などのアルケニル
基;エチニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、
3−ブチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基
などのアルキニル基が挙げられる。
【0012】前記の基の中でも、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、
シクロペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブ
チル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキ
シル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル
基、1−メチルペンチル基、アリル基、2−ブテニル
基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル
基、3−ペンテニル基、trans−2−ペンテニル
基、cis−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、3
−メチル−2−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−
ヘキセニル基、2−ヘキセニル基などが好ましい。
【0013】前記一般式(1)のシクロペンタノン系化
合物の具体例としては、シクロペンタノン、2−メチル
シクロペンタノン、2−エチルシクロペンタノン、2−
n−プロピルシクロペンタノン、2−n−ブチルシクロ
ペンタノン、2−n−ペンチルシクロペンタノン、2−
シクロペンチルシクロペンタノンなどが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。また、本発明におい
ては、本発明にかかるシクロペンタノン系化合物である
前記シクロペンタノンおよびアルキルシクロペンタノン
系化合物は、それぞれ単独で、またはこれら2種以上を
組み合わせて使用することができる。
【0014】本発明において、シクロペンタノン系化合
物と併用される1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフ
ルオロシクロペンタンは、既知の物質であり、不燃性で
かつアルカリや水の存在下での安定性に優れ、オゾン層
を破壊しないハイドロフルオロカーボンの1種である。
【0015】HFCPAは、例えば、オクタフルオロシ
クロペンテンを水素添加する等の公知の方法で製造でき
る( 例えば、Journal of Chemica
lSociety、548頁、1968年)。HFCP
Aの純度は、通常95重量%以上、好ましくは97重量
%以上、さらに好ましくは99重量%以上である。
【0016】本発明の洗浄剤は、シクロペンタノン系化
合物及びHFPCAの他に、必要に応じて他の溶媒と混
合された形で使用することも出来る。
【0017】混合使用できる他の溶媒としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、アミルアルコール等のアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;酢酸ビニ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;1,1,
1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタ
ン、オクタフルオロシクロペンタン、パーフルオロ−
1,3−ジヒドロシクロヘキサン等のハイドロフルオロ
カーボン類;パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプ
タン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロシク
ロペンタン等のパーフルオロカーボン類;等が挙げられ
る。
【0018】前記他の溶媒の混合割合は、溶媒の種類や
被洗浄物の性質に応じて適宜選択すればよく、特に限定
はないが、通常は、シクロペンタノン系化合物とHFP
CAとより成る溶剤組成物100重量部に対して、40
重量部以下、好ましくは20重量部以下、さらに好まし
くは10重量部以下である。
【0019】本発明のシクロペンタノン系化合物および
HFCPAを有効成分とする洗浄剤には、洗浄時の加
熱、汚れの混入や蒸留回収時の加熱などによる劣化を防
止するために、各種の安定剤を混合してもよい。その具
体例としては、例えばニトロメタン、ニトロエタン等の
脂肪族ニトロ化合物;3―メチルー1―ブチン−3−オ
ール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール等のアセ
チレンアルコール類;グリシドール、メチルグリシジル
エーテル等のエポキシド類;ジメトキシメタン、1,4
−ジオキサン等のエーテル類;ヘキセン、ヘプテン、シ
クロペンテン、シクロヘキセン等の不飽和炭化水素類;
アリルアルコール、1−ブテン−3−オール等の不飽和
アルコール類;などが示される。
【0020】安定剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、シクロペンタノン系化合物及び1,1,2,2,
3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンより成る溶
剤組成物100重量部に対して、0.01〜5重量部で
ある。また、更に相乗的安定効果を得るために、フェノ
ール類、アミン類、ベンゾトリアゾール類を併用しても
よい。その使用量は、0.01〜5重量部程度である。
【0021】本発明の洗浄剤には、必要に応じて、従来
知られている防錆剤、界面活性剤などもさらに添加する
ことができる。防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、
トリルトリアゾール、炭素数2〜10の炭化水素基を有
するベンゾトリアゾール誘導体等のトリアゾール化合
物;ベンゾイミダゾール、炭素数2〜20の炭化水素基
を有するイミダゾール誘導体等のイミダゾール化合物;
ベンゾチアゾール、炭素数2〜20の炭化水素基を有す
るチアゾール誘導体等のチアゾール化合物;等の含窒素
有機化合物が使用できる。また、プロピレンオキサイ
ド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシオクタ
ン、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、炭
素数3〜15のグリシジルエーテル類等のエーテル化合
物も使用できる。これら防錆剤の添加量は、通常、シク
ロペンタノン系化合物及びHFCPAの合計量に対して
0.1〜1重量%程度である。
【0022】界面活性剤としては、公知のアニオン性、
カチオン性、非イオン性界面活性剤等のいずれも使用で
きるが、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノ
ールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル脂肪酸エ
ステル、ポリオキシアルキレンアリルフェノールエーテ
ル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシアルキレンアルキルアミン、これらポリオキ
シアルキレン類、ソルビタン脂肪酸エステル等が好適に
使用できる。本発明においては、これら界面活性剤の添
加量は、通常、シクロペンタノン系化合物及びHFCP
Aの合計量に対して0.1〜1重量%程度である。
【0023】本発明の第2の特徴は、前記シクロペンタ
ノン系化合物およびHFCPAを有効成分として含有す
る洗浄剤に、被洗浄物を接触させることを特徴とする洗
浄法を提供したことにある。
【0024】本発明の洗浄剤を用いて洗浄を行うには、
被洗浄物と本発明の洗浄剤とを任意の手段で接触させれ
ばよい。具体的な接触手段としては、例えば、手拭き、
浸漬、スプレー、シャワーなどの方法を挙げることがで
き、特に浸漬方法が好適に用いられる。浸漬による処理
に際しては、超音波振動、揺動、攪拌、ブラッシングな
どの物理的手段を併用してもよい。洗浄剤の温度は、被
洗浄物の性状に応じて適宜選択すればよいが、通常、室
温以上沸点までの範囲、好ましくは30℃以上、沸点ま
での範囲、更に好ましくは40℃以上、沸点までの範囲
である。
【0025】本発明の第3の特徴は、被洗浄物を前記の
洗浄剤に接触させ洗浄し、次いで被洗浄物をリンス洗浄
剤でリンス洗浄および/または蒸気洗浄剤で蒸気洗浄す
ることを特徴とする。
【0026】前記本発明の洗浄剤を用いて洗浄を行った
場合、洗浄を行った後、被洗浄物の表面には洗浄剤が残
存付着していることがあるが、この被洗浄物を次いでリ
ンス洗浄および/または蒸気洗浄することにより、洗浄
後の被洗浄物表面に前記洗浄剤が残留している場合に
は、これを実質的に残存しない状態にまで除去すること
ができる。
【0027】リンス洗浄に用いるリンス洗浄剤として
は、特に限定されないが、1例として、本発明で洗浄剤
として用いるシクロペンタノン系化合物及びHFCPA
より成る溶剤組成物又はこれと他の有機溶剤との混合物
を使用することができる。
【0028】前記他の有機溶剤としては、リンス洗浄溶
媒として通常用いられているものを用いることができ
る。例えばヘキサン、オクタン、イソオクタンなどの直
鎖飽和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサンな
どの環状飽和炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の
低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルーエーテルなど
のエーテル類;酢酸ビニルなどのエステル類;1,1,
1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタ
ンなどの鎖状ハイドロフルオロカーボン類;パーフルオ
ロヘキサン、パーフルオロヘプタンなどのパーフルカロ
カーボン類;などを挙けることができる。これらの有機
溶剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わ
せて用いることができ、その使用量は、リンス洗浄の効
果を損なわない範囲で適宜選択されればよく、通常リン
ス洗浄剤全量の40重量%以下、好ましくは20重量%
以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0029】また、リンス洗浄剤の他の例としては、H
FPCAを主成分とするリンス洗浄剤が特に好適に使用
することができる。HFPCAと併用できる化合物とし
ては、本発明の洗浄剤の有効成分として使用するシクロ
ペンタノン系化合物のほか、前記のリンス洗浄溶媒とし
て通常用いられているものを用いることができる。これ
らの有機溶剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を
組み合わせて用いることができ、その使用量は、リンス
洗浄の効果を損なわない範囲で適宜選択されればよく、
通常リンス洗浄剤全量の40重量%以下、好ましくは2
0重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であ
る。
【0030】リンス洗浄方法としては、洗浄後の洗浄剤
が付着した被洗浄物をリンス洗浄剤と接触させればよ
く、通常のリンス洗浄方法が採用できる。具体的には、
例えば、 例えば、手拭き、浸漬、スプレー、シャワー
などの方法を挙げることができ、特に浸漬方法が好適に
用いられる。
【0031】浸漬による処理に際しては、超音波振動、
揺動、攪拌、ブラッシングなどの物理的手段を併用して
もよい。リンス洗浄剤の温度は、被洗浄物の性状に応じ
て適宜選択すればよいが、通常、室温以上沸点までの範
囲、好ましくは30℃以上、沸点までの範囲、更に好ま
しくは40℃以上、沸点までの範囲である。
【0032】蒸気洗浄は、常法に従って行えばよく、ま
た、前記シクロペンタノン系化合物およびHFPCAを
有効成分とする洗浄剤による洗浄の後、リンス洗浄を行
った後に行っても良いし、あるいはリンス洗浄を省略し
て行うこともできる。蒸気洗浄に使用する洗浄剤は、特
に限定されないが、上記HFPCAを主成分とするリン
ス洗浄剤と同様の組成を有するものが好適である。
【0033】前記のように、特にHFCPAを含有した
リンス洗浄剤および/または蒸気洗浄剤を用いてリンス
洗浄および/または蒸気洗浄工程を行なうことにより、
本発明の洗浄法は、洗浄後のリンス洗浄、蒸気洗浄後の
乾燥性が極めてよいという効果を奏することができる。
すなわち、本発明で使用する洗浄剤中のHFCPAは、
シクロペンタノン系化合物とあらゆる温度領域で極めて
優れた相溶性を示すので、洗浄後の被洗浄物表面に残留
している洗浄剤は、HFCPAを主成分とするリンス洗
浄剤でリンス洗浄し、又は蒸気洗浄剤で蒸気洗浄するこ
とで、極めて容易に除去される。
【0034】本発明においては、必要ならば、前記リン
ス洗浄および/または蒸気洗浄後に、被洗浄物の乾燥工
程を追加することができる。乾燥は、好適には、HFP
CAを主成分とする蒸気乾燥により行うことができる。
これにより被洗浄物表面の洗浄剤やリンス洗浄剤等と置
換されたHFPCAを主成分とする蒸気洗浄剤化合物
は、その沸点が低いことから容易に除去され、被洗浄物
が容易に乾燥される。さらに、HFCPAが低沸点を有
することから、蒸気乾燥を省略して、常圧下における熱
風乾燥や減圧下における加温乾燥によっても、容易に乾
燥を行うことができる。
【0035】本発明の洗浄法において、各工程で使用さ
れ、回収されたシクロペンタノン系化合物とHFCPA
との混合物は、蒸留処理により容易に分離回収すること
ができ、リサイクル使用可能となる。
【0036】更に本発明の洗浄法によれば、可燃性であ
る前記シクロペンタノン系化合物を有効成分とする洗浄
剤が、リンス洗浄工程で不燃性のHFCPA蒸気相で覆
われることになり、安全上の観点からも好ましい。
【0037】本発明の洗浄剤および洗浄法は、汚染物質
が付着した物品(被洗浄物)を清浄化させるのに広く用
いられる。被洗浄物としては、格別な限定はなく、例え
ば、精密機械工業、金属加工工業、光学機械工業、電子
工業、プラスチック工業などにおける金属、セラミック
ス、ガラス、プラスチック、エラストマーなどの部品、
半製品及び完成品などが用いられ、具体的には、バンパ
ー、ギヤー、ミッション部品、ラジエーター部品などの
自動車部品;プリント基板、リードフレーム、モニター
部品、コンデンサーなどの電子電気部品; ベアリン
グ、ギア、時計部品、カメラ部品などの精密機械部品;
印刷機器、印刷ロール、圧延製品、建設機械、大型重機
部品などの大型機械部品;食器類などの生活製品など、
多種多彩の例をあげることができる。汚染物質の種類と
しては、例えば、切削油、焼き入れ油、圧延油、潤滑
油、機械油、プレス加工油、打ち抜き油、引き抜き油、
組み立て油、線抜き油などのオイル類、グリース類、ワ
ックス類、接着剤、油脂類、成型時の離型剤、手垢、ハ
ンダ付け後のフラックス、レジスト、ソルダーペースト
などの様々なものが挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0039】実施例1 シクロペンタノンとHFCPAを表1に示すような混合
割合で調整し、室温下でゼオン法カウリブタノール値
(以下NZ−KB値)を測定した。NZ−KB値の測定
は以下の手順に従い測定した。 (1)KB原液の調整カウリ樹脂(天然品)12.5重
量部をn−ブタノール87.5重量部に、撹拌下、50
℃で十分に溶解し、その後48時間静置した。これをフ
ィルターで濾過して、NZ−KB原液とした。 (2)100または200mlのメスシリンダーにNZ
−KB溶液20gを入れた。メスシリンダー内のNZ−
KB溶液を撹拌子で攪拌しながら、ビュレットで測定サ
ンプル液を、5〜10秒/mlの速度で滴下し、NZ−
KB溶液が完全に白濁(カウリ樹脂の析出)した時点を
終点として、滴定量を測定した。滴定量をNZ−KB値
とする。
【0040】このようにして得られたNZ−KB値を表
1に示した。
【表1】 シクロペンタノン/HFCPA重量比 NZ−KB値 0/100 14 10/90 23 20/80 38 30/70 57 40/60 105 50/50 173 100/ 0 200以上
【0041】これから、フラックスの洗浄力の一つの指
標であるNZ−KB値が、シクロペンタノンとHFCP
Aの混合割合によって制御できることが分る。なお、従
来の洗浄剤のNZ−KB値を参考までに記すと以下のと
おりである。炭化水素系洗浄剤(15〜20)、フロン
113(31)、HCFC−141b(56)、トリク
ロロエタン(124)、塩化メチレン(136)。
【0042】実施例2 ポリアセタール製試験片(40mm×60mm×2m
m)にグリースを塗布し、室温で1日放置したものを試
験被洗浄物とした。この被洗浄物をシクロペンタノン/
HFCPAの20/80(重量比)の組成物を200m
l入れた容器に浸漬し、1分間超音波洗浄した。その
後、これを引き上げて、HFCPAの蒸気相に被洗浄物
を1分間放置しリンスし、更に空気中に引き上げ1分間
乾燥を行った。乾燥後の被洗浄物表面には洗浄剤組成物
が全く残留しないことをガスクロマトグラフィー分析で
確認した。また、ポリアセタール試験片自体の変化は全
くなかった。さらに被洗浄物表面のグリース残量を、油
分測定機(HORIBA社製OCMA−350)にて測
定した。その結果、グリース残量は0.1mg以下であ
り、グリースが十分に洗浄除去されていることを確認し
た。
【0043】実施例3 洗浄剤として、2−n−ペンチルシクロペンタノン/H
FCPAの30/70(重量比)の組成物を使用したほ
かは実施例1と同様な方法で洗浄テストを行った。洗
浄、リンス、乾燥後の被洗浄物表面への洗浄剤組成物の
残留は全くなく、試験片の変化もなかった。更にグリー
ス残量は0.1mg以下の結果となり、グリースは十分
に洗浄除去されていることが分かった。
【0044】実施例4 ガラスエポキシ(FR4)製のプリント基板(40mm
×60mm×0.8mm)にクリームハンダOZ63−
221CM5−42−10(千住金属社製)を12mm
×50mmの大きさで2本塗布し、250℃×5分間電
気炉中に放置し熱処理を行い試験被洗浄物とした。熱処
理後の被洗浄物の表面はハンダが十分に溶融固化し、そ
のハンダ表面をフラックスの残さがコートしている状態
であった。この被洗浄物を、シクロペンタノン/HFC
PAの40/60(重量比)の組成物200mlを入れ
た容器中に浸漬し室温で1分間超音波処理を行った。そ
の後、これを引き上げて、HFCPAの蒸気相に1分放
置しリンスし、更に空気中に引き上げ1分間乾燥を行っ
た。
【0045】乾燥後の被洗浄物のハンダ表面は濁りもな
く極めて良好な状態であり、基板自体の変化は全くなか
った。また、洗浄剤組成物が全く残留しないことをガス
クロマトグラフィー分析で確認した。更にこの被洗浄物
をイソプロピルアルコール75%水溶液150mlで超
音波処理して、処理液の電導度を電導度測定機で測定し
た。電導度の測定結果は0.3μs/cm以下であり、
基板上に残留するイオン成分は十分に洗浄除去されてい
ることが確認できた。
【0046】
【効果】本発明は、洗浄能力、特に機械油、グリース、
ワックス等の油脂類、並びにフラックス類に対する脱脂
能力に優れ、かつ低毒性な洗浄剤、および洗浄後の被洗
浄物表面への洗浄剤の残留が実質的にない洗浄法を提供
することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素または炭化水素基を示す。)で示され
    るシクロペンタノン系化合物及び1,1,2,2,3,
    3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンより成る溶剤組
    成物を有効成分として含有することを特徴とする洗浄
    剤。
  2. 【請求項2】 被洗浄物を請求項1記載の洗浄剤に接触
    させることを特徴とする洗浄法。
  3. 【請求項3】 被洗浄物を請求項1記載の洗浄剤に接触
    させ、次いで被洗浄物をリンス洗浄剤でリンス洗浄およ
    び/または蒸気洗浄剤で蒸気洗浄することを特徴とする
    洗浄法。
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