JP2000118778A - 事務機器用部材 - Google Patents

事務機器用部材

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JP2000118778A
JP2000118778A JP10297391A JP29739198A JP2000118778A JP 2000118778 A JP2000118778 A JP 2000118778A JP 10297391 A JP10297391 A JP 10297391A JP 29739198 A JP29739198 A JP 29739198A JP 2000118778 A JP2000118778 A JP 2000118778A
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paper
silicone oil
thermoplastic
powder
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JP10297391A
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Yukio Ando
幸夫 安藤
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Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種給紙機構を有する装置において、紙粉の
付着などによる摩擦係数の低下を抑制し、安定した紙送
りが可能な給紙部材として用いられる事務機器用部材を
提供すること。 【解決手段】 熱可塑性高分子化合物と、その100重
量部当たり、球状シリコーン粉末及び/又は極性シリコ
ーンオイル0.1〜20重量部を含有する高分子材料を用
いてなる事務機器用部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は事務機器用部材に関
し、さらに詳しくは、複写機,レーザープリンター,フ
ァクシミリなどの電子写真装置や静電記録装置、さらに
はインクジェットプリンター,現金自動取引装置(AT
M),両替機,計数機,自動販売機,キャッシュディス
ペンサー(CD)などの各種給紙機構を有する装置にお
いて、紙粉の付着などによる摩擦係数の低下を抑制し、
安定した紙送りが可能な給紙部材として用いられる事務
機器用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機,レーザープリンター,フ
ァクシミリなどの電子写真装置や静電記録装置、さらに
はインクジェットプリンターなどに搭載される帯電装
置,転写装置,現像装置,除電装置,給紙装置又はクリ
ーニング装置などには、ローラやベルトなどの事務機器
用部材が用いられている。これらのうち、ゴムローラな
どの摩擦を利用して給紙する給紙部材には、優れた給紙
特性,紙,フィルム,印画紙などの紙葉類に対する非汚
染性、良好な耐久性などが要求され、その形状や材質に
ついて様々なものが提案されている。従来、この給紙部
材には、シリコーンゴム,ウレタンゴム,スチレン・ブ
タジエンゴム,ブタジエンゴム,エチレンプロピレンゴ
ムなどの加硫ゴムが使用されており、さらに近年、熱可
塑性エラストマーが注目され、軟化剤と組み合わせて用
いられるようになってきた。
【0003】しかしながら、このような材料からなる給
紙部材においては、一般に、使用中にシリカや炭酸カル
シウムなどの粉末や繊維質等の紙粉が部材表面に付着
し、摩擦係数が低下して、安定した紙送りができなくな
るという好ましくない事態をしばしば招来する。このよ
うな不都合は、特に再生紙や高品位の印刷を行うために
用いられるコート紙などの使用において、多く発生する
傾向がある。したがって、このような不都合を防止する
ために、これまで、例えば(1)紙送りする毎に部材の
表面層を摩耗させて、表面の摩擦係数を初期値に近づけ
る、(2)部材の表面に凸部を設け、用紙に対して駆動
力を与える、(3)部材の材料として、より摩擦係数の
高いものを用い、紙粉付着による摩擦係数低下後も、適
度の摩擦係数を維持させ、用紙搬送力を保持させる、
(4)部材表面の粘着力を抑え、紙粉の付着を軽減させ
る、などの方法が用いられてきた。しかしながら、上記
(1)の方法においては、部材を紙送りする度に摩耗さ
せていくと、給紙・搬送能力の低下や、部材自体の寿命
が短くなるのを免れないという問題が生じ、また、上記
(2)〜(4)の方法では、充分に満足しうる効果が得
られていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、各種給紙機構を有する装置において、紙粉の
付着などによる摩擦係数の低下を抑制し、安定した紙送
りが可能な給紙部材として用いられる事務機器用部材を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、安定した紙
送りが可能な給紙部材について鋭意研究を重ねた結果、
球状シリコーン粉末や極性シリコーンオイルを、熱可塑
性高分子化合物に対し、特定の割合で配合してなる高分
子材料を用いた給紙部材が、前記目的に適合しうること
を見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成した
ものである。すなわち、本発明は、熱可塑性高分子化合
物と、その100重量部当たり、球状シリコーン粉末及
び/又は極性シリコーンオイル0.1〜20重量部を含有
する高分子材料を用いたことを特徴とする事務機器用部
材を提供するものである。なお、本発明の事務機器用部
材とは、各種の電子写真装置用部材,静電記録装置用部
材やインクジェットプリンター用部材、あるいは現金自
動取引装置(ATM),両替機,計数機,自動販売機又
はキャッシュディスペンサー(CD)などの各種給紙機
構を有する装置用部材を包含する概念である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の事務機器用部材(以下、
単に本発明の部材ということがある。)は、各種給紙機
構を有する装置において、主に給紙部材として用いられ
るものであって、その弾性層は高分子材料から構成され
ている。この高分子材料に用いられる熱可塑性高分子化
合物としては、例えば(1)熱可塑性エラストマー(そ
の水素添加物やその他による変性物も含む)、(2)熱
可塑性樹脂及びそのゴム変性物、(3)ゴム状弾性体な
どを挙げることができるが、これらの中で、特に熱可塑
性エラストマー及びゴム状弾性体が好ましく用いられ
る。以下、熱可塑性エラストマー及びゴム状弾性体につ
いて説明する。熱可塑性エラストマーとしては、従来給
紙部材の材料としては慣用されているもの、例えばポリ
オレフィン系,ポリウレタン系,ポリエステル系,ポリ
アミド系,ポリスチレン系などの中から、任意のものを
選択して用いることができるが、中でも結晶構造,凝集
構造などの硬質ブロックを形成しやすい部分と、アモル
ファス構造などの軟質ブロックとを一緒に持ち合わせて
いるものが特に好ましく、具体的には、下記〜が挙
げられる。
【0007】 ポリブタジエンとブタジエン−スチレ
ンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得
られる結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチ
レンランダム共重合体とのブロック共重合体。 ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合
体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエ
ンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合
体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレンと
ポリスチレンとのジブロック共重合体、スチレン−エチ
レン/ブチレン−スチレンのトリブロック共重合体、ス
チレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロッ
ク共重合体など、中でも、スチレン−エチレン/ブチレ
ン−スチレンブロック共重合体又はスチレン−エチレン
/プロピレン−スチレンブロック共重合体。 エチレン/ブチレン共重合体の片末端又は両末端に
結晶性ポリエチレンが連結したブロック共重合体。
【0008】これらの中で、特にに挙げられた、ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくと
も一つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クの少なくとも一つからなるブロック共重合体を水添し
て得られる水添ブロック共重合体であって、その数平均
分子量が150000〜400000であるものが好ま
しい。これらの熱可塑性エラストマーは一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、ゴム
状弾性体としては、例えばエチレンプロピレンゴム(E
PR),エチレンプロピレンジエン三元共重合体ゴム
(EPDM),天然ゴム,イソプレンゴム,スチレンブ
タジエンゴム,ポリノルボルネンゴム,ブタジエンゴ
ム,ニトリルゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴム,ハ
ロゲン化ブチルゴム,アクリルゴム,エチレン−酢酸ビ
ニルゴム(EVA),ウレタンゴム等の一般ゴム、シリ
コーンゴム,フッ素ゴム,エチレンアクリルゴム,エピ
クロルヒドリンゴム,多硫化ゴム,ハイパロン,塩素化
ポリエチレン等の特殊ゴムが挙げられるが、これらの中
で、エチレンプロピレンゴム,エチレンプロピレンジエ
ン三元共重合体ゴム,天然ゴム,イソプレンゴム,スチ
レンブタジエンゴム,ポリノルボルネンゴム,ブタジエ
ンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,ブチルゴ
ム,ハロゲン化ブチルゴム,アクリルゴム,エピクロル
ヒドリンゴム及び塩素化ポリエチレンゴムが好ましい。
これらのゴム状弾性体は、単独であるいは二種以上をブ
レンドして用いることができる。
【0009】この場合、本発明に係るゴム状弾性体とし
て、例えば給紙部材の耐候性の観点で選択すれば、エチ
レンプロピレン系ゴム(EP系ゴム)、即ちエチレンプ
ロピレンゴムやエチレンプロピレンジエン三元共重合体
ゴムなどが好ましく、耐摩耗性を考慮する場合には、そ
の中でもムーニー粘度ML1+4 (100℃)が70以上
となる分子量の高いエチレン・プロピレン共重合ゴム
(EPDM,EPR)であって、かつそのエチレン単位
含有率が50〜75重量%の範囲のものがゴム状弾性体
として好ましい。このゴム状弾性体は、前記熱可塑性エ
ラストマーと組み合わせて用いることができる。本発明
の部材は、JIS−A硬度で15〜70°のものが好ま
しく、特に20〜60°のものが好適である。したがっ
て、本発明における高分子材料には、得られる部材の硬
度を上記範囲に調節するために、所望により、軟化剤を
配合することができる。
【0010】この軟化剤としては特に制限はなく、従来
プラスチックやゴムの軟化剤として慣用されているもの
の中から、任意のものを選択して用いることができる
が、数平均分子量が20000未満の低分子物質が好ま
しく、物理的には、100℃における粘度が5×105
センチポイズ以下、特に、1×105 センチポイズ以下
であるものが好ましい。また、分子量の観点からは、数
平均分子量は20000未満、特に10000以下、と
りわけ5000以下であるものが好ましい。このような
軟化剤としては、通常、室温で液体または液状のものが
好適に用いられる。また、親水性、疎水性のいずれの軟
化剤も使用できる。このような性状を有する軟化剤とし
ては、例えば鉱物油系,植物油系,合成系などの各種ゴ
ム用又は樹脂用軟化剤の中から適宜選択することができ
る。ここで、鉱物油系としては、ナフテン系,パラフィ
ン系などのプロセス油が挙げられ、植物油系としては、
ひまし油,綿実油,あまに油,なたね油,大豆油,パー
ム油,梛子油,落花生油,木ろう,パインオイル,オリ
ーブ油などが挙げられる。なかでも、鉱物油系のパラフ
ィン系オイル,ナフテン系オイル又は合成系のポリイソ
ブチレン系オイルから選択される一種又は二種以上であ
って、その数平均分子量が450〜5000であるもの
が好ましい。なお、これらの軟化剤は一種を単独で用い
てもよく、互いの相溶性が良好であれば二種以上を混合
して用いてもよい。
【0011】本発明の部材においては紙粉の付着を防止
し、摩擦係数の低下を抑制して、安定した紙送りを可能
とするために、高分子材料に、球状シリコーン粉末及び
/又は極性シリコーンオイルを配合することが必要であ
る。ここで、球状シリコーン粉末としては、例えばシロ
キサン結合が三次元に伸びた網状構造を有し、かつケイ
素原子に1個の有機基、例えば低級アルキル基やフェニ
ル基が結合した球状シリコーン樹脂粉末を挙げることが
できる。この球状シリコーン樹脂の平均粒径としては、
効果の点から、0.1〜10μmの範囲が好ましい。この
ような球状シリコーン粉末は、例えば「トスパール」
〔商品名,東芝シリコーン(株)製〕など、市販品とし
て入手することができる。
【0012】一方、極性シリコーンオイルとしては、例
えがジメチルシリコーンオイル,メチルフェニルシリコ
ーンオイルなどの汎用のシリコーンオイルを、アミノ変
性,脂肪酸変性,エポキシ変性処理などして極性を付与
したものなどが挙げられる。本発明においては、前記球
状シリコーン粉末や極性シリコーンオイルは一種用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
その配合量は、熱可塑性高分子化合物100重量部当た
り、0.1〜20重量部の範囲で選ばれる。この量が0.1
重量部未満では紙粉の付着防止効果が充分に発揮され
ず、本発明の目的が達せられない。また、20重量部を
超えるとその量の割には効果の向上は認められず、むし
ろ他の物性が損なわれることがある。例えば極性シリコ
ーンオイルの場合は、ブリードするおそれがあり、球状
シリコーン粉末の場合は加工性(成形性)が低下するお
それがある。紙粉の付着防止効果及び部材の他の物性な
どを考慮すると、この球状シリコーン粉末や極性シリコ
ーンオイルの好ましい配合量は、球状シリコーン粉末の
場合には0.5〜10重量部の範囲であり、極性シリコー
ンオイルの場合には0.5〜5重量部の範囲である。
【0013】本発明の部材に用いられる高分子材料にお
いては、熱可塑性高分子化合物として、特に熱可塑性エ
ラストマーを用いる場合は、三次元連続の網状骨格構造
を有することが好ましく、形成される三次元連続の網状
骨格構造は、その骨格の平均径が50μm以下、好まし
くは30μm以下、セル(網目)の平均径は、500μ
m以下、好ましくは300μm以下であり、高分子有機
材料の体積分率を〔高分子有機材料の体積/(高分子有
機材料の体積+軟化剤の体積)〕×100(%)と定義
したとき、高分子有機材料の体積分率が50%以下、特
に33%以下であるのが、給紙部材の性能の点から好ま
しい。また、多量の軟化剤とより少ない量の高分子有機
材料を含む高分子材料を得るために、用いる軟化剤と高
分子有機材料の各々の溶解度パラメーター値δ=(ΔE
/V)1/2 (ΔE:モル蒸発エネルギー、V:モル体
積)の差が3.0以下、好ましくは2.5以下となるよう
に、両材料を選択することが好ましい。この差が3.0を
超えると両材料の相溶性の点から、軟化剤が多量に保持
されにくく、得られる高分子材料の低硬度化の障害とな
り、また、軟化剤のブリードが発生しやすくなるため好
ましくない。なお、上記高分子有機材料とは、全熱可塑
性高分子化合物を意味する。
【0014】また、本発明に係る高分子材料は、クレ
ー,珪藻土,シリカ,タルク,硫酸バリウム,炭酸カル
シウム,炭酸マグネシウム,金属酸化物,マイカ,グラ
ファイト,水酸化アルミニウムなどの無機系添加剤を配
合することによって給紙部材の表面におけるタッキネス
を改善することができるが、特にタッキネスの環境変化
を小さくする観点からシリカがより好ましい。なお、無
機系添加剤の配合量は、高分子材料100重量部に対し
て、通常20重量部以下、好ましくは5〜10重量部が
有利である。なお、本発明に係る高分子材料は、必要に
応じて、更に、次のような充填剤を配合してもよい。す
なわち、各種の金属粉,木片,ガラス粉,セラミックス
粉,粒状あるいは粉末ポリマー等の粒状あるいは粉末状
固体充填剤,その他の各種の天然または人工の短繊維,
長繊維(例えば、ワラ,毛,ガラスファイバー,金属フ
ァイバー、その他各種のポリマーファイバー等)などを
配合することができる。
【0015】また、中空フィラー、例えば、ガラスバル
ーン,シリカバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフ
ッ化ビニリデン,ポリフッ化ビニリデン共重合体などか
らなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化
を図ることができる。更に軽量化などの各種物性の改善
のために、各種発泡剤を混入することも可能であり、ま
た、混合時等に機械的に気体を混ぜ込むことも可能であ
る。本発明に係る高分子材料には、前記成分のほか、諸
特性の改良のため、公知の樹脂成分などの添加剤を併用
することができる。樹脂成分としては、例えば、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂、あるいはポリオレフィン樹脂や
ポリスチレン樹脂などを併用することができる。ポリフ
ェニレンエーテル樹脂を配合することにより、高分子材
料の圧縮永久歪みを改善することができる。また、ポリ
オレフィン樹脂やポリスチレン樹脂を配合することによ
り、高分子材料の加工性,耐熱性の向上を図ることがで
きる。
【0016】また、他の添加剤として、必要に応じて、
難燃剤,帯電防止剤,抗菌剤,ヒンダードアミン系光安
定剤,紫外線吸収剤,酸化防止剤,着色剤,シリコーン
オイル,クマロン樹脂,クマロン−インデン樹脂,フェ
ノールテルペン樹脂,石油系炭化水素,ロジン誘導体な
どの各種粘着付与剤(タッキファイヤー)、レオストマ
ーB(商品名:理研ビニル社製)などの各種接着剤性エ
ラストマー、ハイブラー(商品名:クラレ社製、ビニル
−ポリイソプレンブロックの両末端にポリスチレンブロ
ックが連結したブロック共重合体)、ノーレックス(商
品名:日本ゼオン社製、ノルボルネンを開環重合して得
られるポリノルボルネン)などの他の熱可塑性エラスト
マー又は樹脂、熱可塑性ポリエステル,熱可塑性ポリウ
レタンなどの極性の高い他の熱可塑性エラストマー又は
樹脂等を併用することができる。本発明に係る高分子材
料の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適用す
ることができる。例えば、前記の各成分及び所望により
用いられる添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出
機,二軸押出機,ロール,バンバリーミキサー,プラベ
ンダー,ニーダー,高剪断型ミキサーなどを用いて溶融
混練りすることにより、製造することができる。
【0017】熱可塑性高分子化合物として、ゴム状弾性
体を用いた場合には、加硫剤(硫黄,ペルオキシド
等),加硫促進剤〔テトラメチルチウラムモノサルファ
イド(ノクセラーTS),メルカプトベンゾチアゾール
(ノクセラーM),N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルサルフェンアミド(ノクセラーCZ),ジフェニ
ルグアニジン(ノクセラーG)等〕,加硫助剤〔エチレ
ングリコールジメタクリレート(EDMA),トリアリ
ルイソシアヌレート(TAIC),N,N’−m−フェ
ニレンジマレイミド(バルノックPM)等〕、各種充填
剤(カーボンブラック,ホワイトカーボン,白艶華CC
等)、老化防止剤〔スチレン化フェノール(アンテージ
SP−P),2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メ
チルフェノール(ノクラック200),ジブチルハイド
ロゲンホスファイト(DBP)等〕などの一般的なゴム
配合剤を添加して加硫することができる。一方、熱可塑
性高分子化合物として、熱可塑性エラストマーを用いた
場合には、有機パーオキサイドなどの架橋剤、架橋助剤
などを添加して架橋することができる。
【0018】ここで、部分架橋のために添加し得る架橋
剤としては、有機パーオキサイドが好適に挙げられ、具
体的には、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)−ヘキサン;2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン;t−
ブチルパーオキシベンゾエート;ジクミルパーオキサイ
ド;t−ブチルクミルパーオキサイド;ジイソプロピル
ベンゾハイドロパーオキサイド;1,3−ビス−(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン;ベンゾイ
ルパーオキサイド;1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙
げられ、また、有用な架橋助剤としては、例えば、ジビ
ニルベンゼン,トリメチロールプロパントリアクリレー
ト,エチレンジメタクリレート,ジアリルフタレート,
キノンジオキシム,フェニレンビスマレイミド,ポリエ
チレングリコールジメタクリレート,不飽和シラン化合
物などが挙げられる。本発明の部材においては、その表
面粗さは、JIS10点平均粗さRzで1〜10μmの
範囲が好ましく、特に5〜8μmの範囲が好適である。
【0019】図1は、本発明の事務機器用部材として用
いられる給紙部材の一例である給紙ローラの概略図であ
って、3はシャフト、4は輪状部材、5は給紙部材、1
は給紙ローラであり、給紙部材5は樹脂又は金属などの
材料からなる輪状部材4とその外周に設けた弾性層(本
発明に係る高分子材料を使用)2とからなり、複数個の
給紙部材5が樹脂又は金属等の材料からなるシャフト3
に貫通して給紙ローラ1が構成されている。また、給紙
部材の表面は、サンドブラスト処理することも可能であ
り、例えば、ダルマミキサー,オムニミキサーなどの攪
拌装置による手段により、給紙部材の表面におけるタッ
キネスを適当にコントロールすることができ、また、必
要に応じてローレット加工やシボ加工などにより凹凸等
のパターンを付与することによって紙葉類との接触面積
を物理的に低減してタッキネスをコントロールすること
も可能である。特に皮シボ加工が、紙粉溜り防止に好適
である。なお、ここでは複数個の給紙部材5がシャフト
3に貫通した給紙ローラ1を例示したが、目的に応じて
シャフトの外周に弾性層を形成した給紙ローラなどの様
々な構成も可能である。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳しく
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、得られた給紙部材の硬度及
び性能は、下記の方法に従って評価した。 (1)硬度 JIS K6301規格に基づき、スプリング式JIS
(A型)硬度計を用いて硬度を測定した。 (2)摩擦係数 JIS K7125に準拠し、印加荷重:270g、用
紙移動速度:70mm/秒、用紙:XEROX−402
4DP、測定環境:温度23℃、相対温度56%の条件
で測定した。 (3)紙粉付着度 通紙試験後の紙粉の付着度を、下記の基準に従って評価
した。 ◎:紙粉の付着がほとんどなし。 ○:紙粉の付着が僅かにある。 ×:紙粉の付着がかなりある。 ××:紙粉の付着が非常に多い。
【0021】実施例1〜6及び比較例1 第1表に示す組成の高分子材料を射出成形したのち、加
硫し、径30mm、厚さ2mm、長さ15mmの円筒形
状で、表面を皮シボ加工してなる給紙部材を作製した。
この部材について、表面の硬度及び摩擦係数を測定する
とともに、5000枚、10000枚及び15000枚
通紙試験した後の摩擦係数及び紙粉付着度を求めた。結
果を第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】〔注〕 1)EPDM:JSR(株)社製、商品名「EP33」 2)球状シリコーン粉末:東芝シリコーン社製、商品名
「トスパール120」、平均粒子径2.0μm 3)極性シリコーンオイル:東芝シリコーン社製、ジメ
チルシリコーンオイル(商品名:TSF451−10)
をポリエーテル変性処理して極性を付与したもの 4)加硫促進剤: TMTM(テトラメチルチウラムジスルフィド):大内
新興化学工業社製商品名「ノクセラーTT」 MBT(2−メルカプトベンゾチアゾール):大内新興
化学工業社製、商品名「ノクセラーM」
【0025】実施例7〜12及び比較例2 第2表に示す組成の高分子材料を射出成形し、径30m
m、厚さ2mm、長さ15mmの円筒形状で、表面を皮
シボ加工してなる給紙部材を作製した。この部材につい
て、表面の硬度及び摩擦係数を測定するとともに、50
00枚、10000枚及び15000枚通紙試験した後
の摩擦係数及び紙粉付着度を求めた。結果を第2表に示
す。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】〔注〕 1)熱可塑性エラストマー:三菱化学(株)社製、商品
名「ラバロンT331C」 2)球状シリコーン粉末:第1表と同じ 3)極性シリコーンオイル:第1表と同じ
【0029】
【発明の効果】本発明の事務機器用部材は、複写機,レ
ーザープリンター,ファクシミリなどの電子写真装置や
静電記録装置、さらにはインクジェットプリンター,現
金自動取引装置(ATM),両替機,計数機,自動販売
機,キャッシュディスペンサー(CD)などの各種給紙
機構を有する装置において、紙粉の付着などによる摩擦
係数の低下を抑制し、安定した紙送りが可能な給紙部材
として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の事務機器用部材として用いられる給
紙部材の一例である給紙ローラの概略図である。
【符号の説明】
1:給紙ローラ 2:弾性層 3:シャフト 4:輪状部材 5:給紙部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性高分子化合物と、その100重
    量部当たり、球状シリコーン粉末及び/又は極性シリコ
    ーンオイル0.1〜20重量部を含有する高分子材料を用
    いたことを特徴とする事務機器用部材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性高分子化合物が、ゴム状弾性体
    及び熱可塑性エラストマーの中から選ばれた少なくとも
    一種である請求項1記載の事務機器用部材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性高分子化合物が、エチレン−プ
    ロピレンゴム又はエチレン−プロピレン−ジエン三元共
    重合体ゴムである請求項2記載の事務機器用部材。
  4. 【請求項4】 給紙部材である請求項1ないし3のいず
    れかに記載の事務機器用部材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013193262A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Sato Holdings Corp 台紙無しラベル用のプラテンローラ及びラベルプリンタ
JP2016117545A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 日立金属株式会社 検知ローラおよび紙葉類厚み検出装置
US10138081B2 (en) 2015-10-23 2018-11-27 Kiana Analytics Inc. Paper feeding roller with pattern

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