JP3948064B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、電子写真複写機、プリンター等に用いられる帯電ロール、現像ロール、転写ロール、定着ロール、ベルトに好適に用いられる、導電性、離型性、低硬度、低圧縮永久歪みに優れたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩に伴い、電子写真プロセスで利用する半導電性部材に対する要求も高まっており、とりわけ、現像又は転写等のプロセスに利用される弾性ロールが注目されている。このような用途に用いられる半導電性部材は、所定の電気抵抗値を有することのみならず、電気抵抗の位置ばらつきが少なく、低温低湿時と高温高湿時の電気抵抗の変動幅が少なく、かつ連続して通電した際の電気抵抗の変動幅が少ないことが必要である。
また、上記電気特性に加えて、低硬度であること、圧縮永久ひずみの小さいこと、さらに、感光体ドラムと接触するときに離型性、非汚染性に優れることが必要とされる。
従来、このような用途に用いられる半導電性部材としては、高分子エラストマーや高分子フォーム等の高分子物質に金属や金属酸化物の粉末、ウィスカーを混入したり、カーボンブラック等のフィラーを混入することにより所定の抵抗値に調整した高分子部材が用いられているが、この種の高分子部材は電気抵抗の位置ばらつきが大きく、電気抵抗の測定電圧依存性が大きいという問題があった。
また、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウムのような無機イオン物質及び/またはラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェートのような陽イオン性界面活性剤、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ジメチルアルキルラウリルベタインのような両性イオン界面活性剤、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ほうフッ化テトラブチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩のような有機イオン物質よりなる導電剤及び/または親水性のポリエーテルやポリエステルのような帯電防止剤を高分子エラストマーや高分子フォーム等の高分子物質に混入して所定の抵抗値に調整した高分子部材も知られているが、この種の高分子部材は低温低湿時と高温高湿時の電気抵抗の変動幅が大きいという問題があった。
一方、低硬度化に対しては、発泡体、または組成物に可塑剤、伸展油等を配合して、相対的な高分子含有量を減少させて硬度を低下させる方法があるが、可塑剤、伸展油等の低分子物はブリードアウトや感光体ドラムに粘着するという問題があり、感光体や記録紙を汚染してしまうため電子写真プロセスの部材としては必ずしも適当とは言えなかった。またブリードアウトによる汚染の問題を解決するために、感光体や記録紙に直接接触する外層のみを非汚染性の樹脂あるいはゴムで被覆するという方法も提案されているが製造プロセス等が複雑になり、また安価な電子写真ゴム材料を提供することが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、各種装置のゴム部材、たとえば、複写機、プリンター等の電子写真装置、静電記録装置等のゴム部材として用いた場合に、電気特性、低硬度、ノンブリード、非粘着性等の各特性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明によれば、下記を要旨とするゴム組成物が提供される。
[1]下記有機ゴム(A)100重量部と、
下記ポリオルガノシロキサン(B)0.1〜100重量部および下記ポリオキシアルキレン(C)0.1〜100重量部と、
を反応させることによって得られるゴム組成物。
有機ゴム(A):一分子中に、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基を有する有機ゴム、
ポリオルガノシロキサン(B):一分子中に、上記有機ゴム(A)の有する官能基と反応する官能基であって、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基を有するポリオルガノシロキサン、
ポリオキシアルキレン(C):一分子中に、上記有機ゴム(A)の有する官能基と反応する官能基であって、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基を有するポリオキシアルキレン。
[2]前記有機ゴム(A)が、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はポリエーテル系ゴムである[1]記載のゴム組成物。
[3]前記ポリオルガノシロキサン(B)が、下記式(1)に示される[1]又は[2]記載のゴム組成物。
【化1】
Figure 0003948064
〔式(1)中、R 、R 、R はアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基,メルカプト基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、m,nは、それぞれ以下の関係を満たす整数である。m>0、n≧0〕
[4]前記ポリオキシアルキレン(C)が、下記式(2)に示される[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物。
【化2】
Figure 0003948064
〔式(2)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、R はアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、およびハロゲン原子から選ばれる一以上の官能基を示し、r,qは、それぞれ以下の関係を満たす整数である。r≧0、q≧0、r+q>0〕
[5]前記有機ゴム(A)100重量部と、前記ポリオルガノシロキサン(B)0.1〜100重量部および前記ポリオキシアルキレン(C)0.1〜100重量部とを、剪断変形を付与しながら、反応させることによって得られる[1]〜[4]のいずれかに記載のゴム組成物。
[6]前記有機ゴム(A)100重量部と、前記ポリオルガノシロキサン(B)0.1〜100重量部および前記ポリオキシアルキレン(C)0.1〜100重量部とを、剪断変 形を付与しながら、反応させて得られるゴム組成物にさらに前記有機ゴム(A)の架橋剤(E)0.01〜5重量部を配合した[5]記載のゴム組成物。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明のゴム組成物は、有機ゴム(A)と、ポリオルガノシロキサン(B)およびポリオキシアルキレン(C)との所定量を反応させて、または必要に応じて、所定量を剪断変形を付与しながら反応させることにより得られるものである。
I.反応,剪断変形本発明のゴム組成物は、たとえば、有機ゴム(A)と、ポリオルガノシロキサン(B)およびポリオキシアルキレン(C)とを同時、または順次、必要に応じて剪断変形を付与するため、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、または二本ロール等の混練り機器により投入し、所定の温度(60℃未満)、所定の回転数で混練りし、トルクが安定した後、設定温度を上昇(60℃〜120℃)させ両成分を反応させる(付加反応)。60℃未満では、反応が進行せず、または極めて遅くなる。一方、120℃を越えると反応が急激に進行しえられるゴム組成物がゲル化したり、(B)成分が反応以前に揮発する恐れがある。
【0006】
II.反応成分、添加成分
以下、各反応成分および添加成分を具体的に説明する。
【0007】
1.有機ゴム(A)
本発明に用いられる有機ゴム(A)は、一分子中に、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基とを有している。
本発明に用いられる有機ゴム(A)の具体例としては、官能基を有する天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、エチレン−α−オレフィン系ゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、エチレン−アクリルゴム、ウレタンゴム等を挙げることができる。
このうちでも、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムが電気抵抗の面で好ましい、さらに、耐候性、低硬度、低圧縮ひずみの特性を兼備したゴム組成物を得るには、アクリルゴムが好適である。
【0008】
このアクリルゴムとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体、または該アルキルエステルを主成分とし、これに、後述の官能基を有する成分を共重合した共重合体を挙げることができる。このうち、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、等の1種または2種以上を挙げることができる。また、このアクリルゴム中にはアクリロニトリル、スチレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、クロロプレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸等の単量体の1種または2種以上を40重量%以下程度併用することも可能である。この有機ゴム(A)の有するエポキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基およびアミノ基の群から選ばれる1以上の官能基は、後述するポリオルガノシロキサン(B)中の官能基およびポリオキシアルキレン(C)中の官能基と反応する。更には、前記のポリオルガノシロキサン(B)中の官能基およびポリオキシアルキレン(C)中の官能基と反応しない官能基を含んでいてもよい。この官能基は、有機ゴム(A)の架橋基成分であり、アクリルゴムの場合、具体的には、ビニルクロルアセテート、アリルクロルアセテート、2−クロロエチルビニルエーテル、アリルグリシジリルエーテル、グリシジルメタアクリレート、アクリル酸、アレイン酸、フマル酸、イタコン酸、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、p−ビニルフェニル(ジメチル)ビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルビニルシランなどを挙げることができる。
【0009】
2.ポリオルガノシロキサン(B)
本発明に用いられるポリオルガノシロキサン(B)は、一分子中に、上記有機ゴム(A)の有する官能基と反応する官能基であって、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基、メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基とを有している。
本発明に用いられるポリオルガノシロキサン(B)の具体例としては、下記式(1)に示すものを挙げることができる。
【0010】
【化1】
Figure 0003948064
〔式(1)中、 R1、R2、R3はアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基,メルカプト基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、m,nは、それぞれ以下の関係を満たす整数である。m>0、n≧0〕
【0011】
Rに示す炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2ブチル基、第3ブチル基、イソブチル基、アミル基、第3アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2エチルヘキシル基、第3オクチル基、ノニル基、第3ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、テトラドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
【0012】
本発明に用いられるポリオルガノシロキサン(B)の配合割合は、有機ゴム(A)100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。0.1重量部未満では離型性が十分に発現されず、一方100重量部を越えると得られる組成物の粘度低下が大きくなり、強度低下を招き、製品の成形に支障を来し、好ましくない。
【0013】
3.ポリオキシアルキレン(C)
本発明に用いられるエポキシアルキレン(C)は、一分子中に、上記有機ゴム(A)の有する官能基と反応する官能基であって、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基とを有している。
本発明に用いられるポリオキシアルキレン(C)の具体例としては、下記式(2)に示すものを挙げることができる。
【0014】
【化2】
Figure 0003948064
〔式(2)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、Rはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、およびハロゲン原子から選ばれる一以上の官能基を示し、r,qは、それぞれ以下の関係を満たす整数である。r≧0、q≧0、r+q>0〕
【0015】
Rに示す炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第2ブチル基、第3ブチル基、イソブチル基、アミル基、第3アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2エチルヘキシル基、第3オクチル基、ノニル基、第3ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、テトラドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
本発明に用いられるポリオキシアルキレン(C)の配合割合は、有機ゴム(A)100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。0.1重量部未満では電気特性が十分に発現されず、一方100重量部を越えると得られる組成物の粘度低下が大きくなり、強度低下を招き、製品の成形に支障を来し、好ましくない。
【0022】
5.架橋剤(E)
本発明のゴム組成物を架橋するに際しては、必要に応じて有機ゴム(A)の架橋剤、架橋助剤、促進助剤、架橋遅延剤等を併用してもよい。
また架橋は、熱、電子線、紫外線、電磁波などのエネルギーを加えることにより行われる。
(1)有機ゴム(A)の架橋剤
有機ゴム(A)の加硫、架橋剤としては、用いられるゴムの種類により、硫黄系加硫剤、有機過酸化物、キノイド加硫剤、樹脂加硫剤、金属酸化物加硫剤、含硫黄有機化合物、アミン加硫剤、トリアジン加硫剤、ポリオール加硫剤、金属石けん加硫剤、マレイミド系加硫剤等を適宜選択して用いることができる。
(i)硫黄系加硫剤
硫黄系加硫剤としては、例えば粉末硫黄、硫黄華、高分散性硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、表面処理硫黄、コロイド硫黄、塩化硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄等が挙げられる。これらの硫黄系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、加硫、架橋剤として硫黄系加硫剤を使用する場合には、加硫促進剤を併用することができる。加硫促進剤としては、たとえばヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド・アンモニア等のアルデヒドアンモニア類;n−ブチルアルデヒド−アニリン縮合品、ブチルアルデヒド−モノブチルアミン縮合品、ヘプトアルデヒド−アニリン反応品、トリクロトニリデン・テトラミン等のアルデヒドアミン類;ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、オルト・トリル・ビグアニド、ジカテコール・ホウ酸のジオルト・トリル・グアニジン塩等のグアニジン塩類;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアゾール・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(2、4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N´−ジエチルチオ・カルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4´−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド等のチアゾール類;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N、N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等のスルフェンアミド類;チオカルバニド、エチレン・チオ尿素(2−メルプトイミダゾリン)、ジエチル・チオ尿素、ジブチル・チオ尿素、混合アルキルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素等のチオ尿素類;ジメチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチル・カルバミン酸ナトリウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジル・ジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレン・ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチル・ジチオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸テルル、ジエチル・ジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸銅、ジメチル・ジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレン・ジチオカルバミン酸ピペコリン、活性化ジチオカルバメート等のジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、活性テトラメチルチウラム・ジスルフィド、N,N´−ジメチル−N,N´−ジフェニルチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド、混合アルキル・チウラム・ジスルフィド等のチウラム類;イソプロピル・キサントゲン酸ナトリウム、イソプロピル・キサントゲン酸亜鉛、ブチル・キサントゲン酸亜鉛等のザンテート類;4,4´−ジチオモルホリン、アミノジアルキルジチオホスフェート、亜鉛−o,o−n−ブチル・ホスホロジチオエート、3−メルカプトイミダゾリン−チオン−2、チオグリコール酸エステル等が挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
(ii)有機過酸化物
有機過酸化物としては、例えば1,1−ジ第三ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ第三ブチルパーオキサイド、第三ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(第三ブチルパーオキシーイソプロピル)ベンゼン、第三ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジーカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、第三ヘキシルパーオキシネオヘキサネート、ジ(3−メチル−3−メチロキシブチル)パーオキシジカーボネート、第三ブチルパーオキシネオデカネート、第三ヘキシルパーオキシネオデカネート、第三ブチルパーオキシネオヘキサネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、第三ヘキシルパーオキシピバレート、第三ブチルパーヘキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクテート、アセチルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサーネート)、ベンゾイルパーオキサイド、第三ブチルパオキシイソブチレート、1,1−ビス(第三ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、第三ブチルパーオキシマレイックアシッド、第三ブチルパーオキシラウレート、第三ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサネート、シクロヘキサノンパーオキサイド、第三ブチルパーオキシアリルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(第三ブチルパーオキシ)オクタン、第三ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(第三ブチルパーオキシ)ブタン、第三ブチルパーオキシベンゾエート、ブチル−4,4−ビス(第三ブチルパーオキシ)バレレート、ジ第三ブチルジパーオキシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、α,α´−ビス(第三ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)シクロヘキサン、イソプロピルベンゼン−ヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンホドロパーオキサイド、第三ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。
これらの有機過酸化物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、加硫・架橋剤として有機過酸化物を使用する場合には、共架橋剤を併用することもできる。
【0024】
共架橋剤としては、例えば硫黄、p−キノンジオキシム、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p´−ジベンゾイルキノンジオキシム、N,N−m−フェニレンジマレイミド、N−メチル−N´−4−ジニトロアニリン、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、ジニトロベンゼン、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアジンチオール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルメラミン、ジビニルアジペート、ビニルブチラート、ビニルステアレート、液状ポリブタジエンゴム、液状ポリイソプレンゴム、液状スチレン−ブタジエンゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、(メタ)アクリル三マグネシウム、(メタ)アクリル三カルシウム、(メタ)アクリル三アルミニウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸第一錫、(メタ)アクリル酸マグネシウム等が挙げられる。これらの共架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0025】
(iii) キノイド加硫剤
キノイド加硫剤としては、例えばp−キノンジオキシム、p,p´−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロベンゼン等が挙げられる。これらのキノイド加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
(iv)樹脂加硫剤
樹脂加硫剤としては、例えばアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹素、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン−ホルムアルデヒド縮合物、オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0027】
(v)金属酸化物加硫剤
金属酸化物加硫剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、一酸化鉛等が挙げられる。これらの金属酸化物加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0028】
(vi)含硫黄有機加硫剤
含硫黄有機加硫剤としては、例えばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N´−ジチオ−ビスヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド、2−(4´−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの含硫黄有機加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0029】
(vii) ポリアミン系加硫剤
ポリアミン系加硫剤としては、例えばヘキサメチレンジアミンカルバメート、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレン・テトラミン、テトラエチレン・ペンタミン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、N,N´−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサジアミン、アンモニウムベンゾエート等が挙げられる。これらのポリアミン系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0030】
(viii)トリアジン系加硫剤
トリアジン系加硫剤としては、例えば2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらのトリアジン系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0031】
(ix)ポリオール加硫剤
ポリオール加硫剤としては、例えばビスフェノールa、ビスフェノールaf、ハイドロキノン、ペンタエリトリトール等が挙げられる。これらのポリオール系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
(x)マレイミド系加硫剤
マレイミド系加硫剤としては、たとえばN,N´−m−フェニレンジマレイミド等が挙げられる。
【0033】
前記架橋可能なゴム組成物を架橋(加硫)するには、通常行われている加熱加圧加硫(プレス加硫)紫外線架橋、放射線架橋、インジェクション架橋、高周波架橋等が利用できる。加熱加圧架橋の場合には、80〜200℃で数分間〜3時間、20〜200kg/cm2 の加圧下で一次加硫を行い、さらに必要に応じて80〜200℃で1〜48時間、二次加硫してゴム製品とする。
【0034】
6.触媒
本発明のゴム組成物の製造段階において、反応を円滑に進行させるための触媒を添加することもできる。
このような触媒としては、有機Sn化合物、有機アミン化合物等が挙げられる。好ましくは有機Sn化合物である。有機Sn化合物として、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズジマレート、モノブチルスズメルカプチド、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズ2-エチルヘキサノエート、ジブチルスズカルボキシレート、ジ-n-オクチルスズマレート、ジオクチルスズラウレート、ジオクチルスズメルカプト等を一種または2種以上を添加することができる。
【0035】
7.他の添加物
また、本発明のゴム組成物は、(A)成分と、(B)および(C)成分と、必要に応じて(E)成分とを主成分とするが、これ以外に、その特長に支障を来さない範囲において、他の天然ゴム、合成ゴム(シリコーンゴムを含む)を添加することができる。また、これ以外に、天然ゴム、合成ゴム(シリコーンゴムを含む)に通常使用される従来公知導電付与物質を添加することができる。このような添加剤としては、通常の電気伝導機構による導電性付与物質であるカーボンやグラファイト系の粉末あるいは繊維状物質、銅、ニッケル、銀等の導電性金属粉末あるいは繊維物質、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジュウム等の金属酸化物の粉末あるいは繊維状物質、各種フィラーに金属メッキを施して導電性を付与した物質、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の有機系の導電性微粉末や繊維状物質、あるいは、イオン伝導機構による導電性付与物質は、陽イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、等の帯電防止剤、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム等の金属塩及びその錯体、またはそれらの複合体等を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。上記導電性付与物質の配合量としては、ゴム100重量部に対し、0.1〜200重量部、好ましくは0.5〜100重量部である。
【0036】
さらに、本発明のゴム組成物には、通常のゴム組成物で使用されている各種の添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば充填材、可塑剤、軟化剤、滑剤、金属酸化物、老化防止剤、着色剤等が挙げられる。
充填材としては、例えばフュームドシリカ、湿式シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、カーボンブラック、亜鉛華、塩基性炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、カオリン、セリサイト、微粉タルク、ウォラストナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、PMF(Processed Mineral Fiber:加工鉱物繊維)、セピオライト、炭酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルンシラスバルン、カーボン系バルン、フェノール樹脂、尿素樹脂、スチレン系樹脂、サラン樹脂等の有機系バルン、アルミナ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、炭酸繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、再生ゴム粉末、エボナイト粉末、有機補強剤、有機充填剤等を挙げることができる。
前記充填材は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
充填材の配合量は、ゴム100重量部に対して、通常、5〜400重量部、好ましくは10〜300重量部である。
前記可塑剤としては、例えばフタル酸系、イソフタル酸系、テトラヒドロフタル酸系、アジピン酸系、アゼライン酸系、セバシン酸系、ドデカン−2−酸系、マレイン酸系、フマル酸系、トリメリット酸系、クエン酸系、イタコン酸系、リシノール酸系、ステアリン酸系、ポリエーテル系、ポリエステル系、フォスフェート系、グリコール系、エポキシ系、エーテル−エステル系等の可塑剤が挙げられる。これらの可塑剤は、単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
前記軟化剤としては、例えばアロマティック系、ナフテン系、パラフィン系、軟化剤等の石油系軟化剤;ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう油等の植物系軟化剤;黒サブ、白サブ、飴サブ等が挙げられる。これらの軟化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記老化防止剤としては、例えばナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ−、ビス−、トリス−またはポリ−フェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系等の老化防止剤が挙げられる。これらの老化防止剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記滑剤としては、たとえばステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ジブチルアンモニウム・オレート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの滑剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記金属酸化物としては、たとえば亜鉛華、活性弌鉛華、表面処理亜鉛華、イY酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等が挙げられる。これらの金属酸化物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
そのほか着色剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、発泡剤、発泡助剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、活性剤、奪水剤、ワックス、光安定剤、カップリング剤、内部理系剤、抗菌剤、素練り促進剤等を配合することもできる。
【0037】
以上の配合剤は、必要に応じて本発明のゴム組成物を製造する過程において添加されても良いし、ゴム組成物製造後に架橋可能なゴム組成物を作製する際に添加されても良い。これらの配合ゴム組成物は、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの通常の混練り機によって、有機ゴムの架橋剤等を添加混練りし、架橋可能なゴム組成物とした後、成形、加硫を行うことができる。
【0038】
III .ゴム組成物の物性および用途
1.物性
本発明のゴム組成物は、時間が経過しても単に有機ゴムとシリコーンオイルを混練りした場合に生じるような相分離、ブリード現象を起こすことがない。また、ロールによる架橋剤、架橋促進剤などの添加作業に際して、単に有機ゴムとシリコーンオイル(充填剤などの配合剤を添加したものを含む)では、ロール巻き付き性に多大の時間を要するが、本発明のゴム組成物は、ロール作業性が容易である。
【0039】
また、本発明の架橋可能なゴム組成物を架橋(加硫)したゴム弾性体は、導電性、離型性、低硬度、低圧縮永久歪みに優れた特徴を有しており、一般工業、電子、化学分野への利用が可能である。
とりわけ、導電特性は、所定の電気抵抗値を与えるのみならず、電気抵抗の位置ばらつきが少なく、低温低湿時と、高温高湿時の電気抵抗の変動幅が少なく、かつ連続して通電した際の電気抵抗の変動幅が少ないこと、 また、上記電気特性に加えて、低硬度であること、圧縮永久ひずみの小さいこと、さらに、離型性、非汚染性に優れるている。また、更なる低硬度を必要とする場合には、電気特性を阻害しない範囲内で発泡体構造としてもよい。
【0040】
2.用途
上記物性を有することから、本発明のゴム組成物は、電子写真複写機、プリンター等に用いられる、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、定着ロール、ベルト等の用途に好適である。
本発明の架橋可能なゴム組成物が電子写真機、プリンター等のロール用途に用いる場合には、芯金に対して一層構造としてもよく、また他のゴム、樹脂等との多層構造を形成してもよい。この際、当該加硫可能なゴム組成物は内層、中間層、外層のいづれの層に用いてもよい。
【0041】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中、各種の測定は、下記の方法によった。
1.ロール加工性
ロール加工性のうち、巻きつくまでの所要時間は、6インチロールを用い、表面温度50℃、回転数(rpm、前/後)=20/28、ロール間隙2mmの条件で配合ゴムを投入した後、完全に巻きつくまでの時間とした。また、ロール加工性のうち、シリコーンオイルのブリード状況は、上記のロール練り後のシートを室温で16時間放置した後、このシートについて、表面の光沢度を目視検査し、ブリードの有無を評価した。
2.初期物性、圧縮永久歪み
初期物性、圧縮永久歪みは、JIS K6301に準拠した。
3.体積固有抵抗試験
体積固有抵抗試験は、位置バラツキは加硫シート表面を16分割し、ダイアインスツルメンツ社製のMCPテスターを用いてその各点で測定した。
4.環境依存性、通電劣化性
環境依存性、通電劣化性についてはアイランド工業社製の体積固有抵抗環境依存性測定装置を用いて、JIS K6911に準拠して測定した。
5.汚染性
汚染性の評価については、感光体ドラム表面の材質(ポリカーボネート)に合わせて、ポリカーボネートシート表面に、加硫ゴムシートを3kg/cm2 で70℃で22時間、各種環境条件下で圧着した後、ポリカーボネートシート表面状態を目視観察し評価した。
6.離型性
ポリカーボネートのシートとの離型性の評価は、ピクマタックメーターを用いて測定した。
【0042】
[実施例1]
ポリオルガノシロキサン(B)として、水酸基含有のチッソ社製FM−4421を用い、有機ゴム(A)としてアクリルゴム*1( エチルアクリレート/ブチルアクリレート/アリルメタクリレート/グリシジルメタクリレート=50/45/3/2モル比の共重合体、重量平均分子量;500000)を用い、ポリオキシアルキレン(C)として、水酸基含有の日本油脂社製ユニセーフ DC-1800を用い表1に示す割合でアクリルゴム、ポリオルガノシロキサン、ポリオキシアルキレンをゴムミキサー(40〜60℃に加熱し、60rpmに設定)内に投入、混練りしトルクが一定になった時点でミキサーの温度を100℃に上昇させ、付加反応を進行(トルク上昇で確認)させた。トルクがピークを越えた時点で反応を停止しミキサーからゴム組成物を取り出した。次に二本ロールを用いて本発明のゴム組成物に表1中の架橋剤、充填剤等をを添加混練りした。このようにして、得られた架橋可能なゴム組成物をプレス加硫(100〜150kg/cm2 )して物性の評価に供した。結果を表1に示す。
【0043】
[実施例2]
有機ゴム(A)として、カルボキシル基含有のアクリルゴム*2( エチルアクリレート/ブチルアクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート/メタクリル酸=70/25/3/2モル比の共重合体、重量平均分子量;370000)を用い、ポリオルガノシロキサン(B)として、アミノ基含有のチッソ社製FM−3325を用い、ポリオキシアルキレン(C)として、アミノ基含有の日本油脂社製PEG−1000ジアミンを用い、実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0044】
[実施例3]
有機ゴム(A)として、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(日本合成ゴム社製JSR−N632S)を用い、ポリオルガノシロキサン(B)として、アミノ基含有のチッソ社製FM−3325を用い、ポリオキシアルキレン(C)として、アミノ基含有の日本油脂社製PEG−1000ジアミンを用い、実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0045】
[実施例4]
ポリオルガノシロキサン(B)として、エポキシ基含有のチッソ社製FM−D425を用いたほかは実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0046】
[実施例5]
有機ゴム(A)として、アミノ基含有のアクリロニトリルブタジエンゴム(日本合成ゴム社製JSR T4631 )を用い、ポリオルガノシロキサン(B)として、カルボキシル基含有のチッソ社製FM−0525を用い、ポリオキシアルキレン(C)として、カルボキシル基含有の共栄社化学社製エポライト400Eを用い、実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0047】
[比較例1]
ポリオルガノシロキサンとして、官能基を持たない東芝シリコーン社製TSF451−1000を用いたこと以外は、実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0048】
[比較例2]
実施例1と同じ成分(A)、(B)、(C)を用い、表2に示す配合により用いたこと以外は、実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0049】
[比較例3]
有機ゴムとして、不飽和基含有のアクリルゴム(日本合成ゴム社製JSR AREX100 )を用いた以外は、表2に示す配合で実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0050】
[比較例4]
有機ゴム(A)として、アミノ基含有のアクリロニトリルブタジエンゴム(日本合成ゴム社製JSR T4631 )を用いたこと、ポリオルガノシロキサン(B)として、エポキシ基含有のチッソ社製FM−0525を用い、ポリオキシアルキレン(C)は添加しないで、実施例1と同様の工程により架橋可能なゴム組成物を作製し評価した。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によって、未加硫状態において従来のものに比較してロール加工性が極めて優れ、ポリオルガノシロキサンのブリード現象がなく、成型加工性が容易であり、また加硫物についても機械的強度、圧縮永久歪性にも優れており、かつ、電気特性については、電気抵抗値の制御が容易であり、所定の電気抵抗値であるのみならず、電気抵抗の位置ばらつきが少なく、低温低湿時と高温高湿時の電気抵抗の変動幅が少なく、さらに連続して通電した際の電気抵抗の変動幅が少ないゴム組成物を提供することができる。
このような優れた物性を有する本発明のゴム組成物は、特に電子写真複写機、プリンター等に用いられる、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、定着ロール、ベルト等の分野において好適に使用することができる。
【0061】
【表1】
Figure 0003948064
【0062】
【表2】
Figure 0003948064

Claims (6)

  1. 下記有機ゴム(A)100重量部と、
    下記ポリオルガノシロキサン(B)0.1〜100重量部および下記ポリオキシアルキレン(C)0.1〜100重量部と、
    を反応させることによって得られるゴム組成物。
    有機ゴム(A):一分子中に、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基を有する有機ゴム、
    ポリオルガノシロキサン(B):一分子中に、上記有機ゴム(A)の有する官能基と反応する官能基であって、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基を有するポリオルガノシロキサン、
    ポリオキシアルキレン(C):一分子中に、上記有機ゴム(A)の有する官能基と反応する官能基であって、水酸基,アミノ基,エポキシ基,カルボキシル基,メルカプト基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基を有するポリオキシアルキレン。
  2. 前記有機ゴム(A)が、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はポリエーテル系ゴムである請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記ポリオルガノシロキサン(B)が、下記式(1)に示される請求項1又は2記載のゴム組成物。
    Figure 0003948064
    〔式(1)中、R、R、Rはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基,メルカプト基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれる一以上の官能基、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、m,nは、それぞれ以下の関係を満たす整数である。m>0、n≧0〕
  4. 前記ポリオキシアルキレン(C)が、下記式(2)に示される請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
    Figure 0003948064
    〔式(2)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、Rはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、およびハロゲン原子から選ばれる一以上の官能基を示し、r,qは、それぞれ以下の関係を満たす整数である。r≧0、q≧0、r+q>0〕
  5. 前記有機ゴム(A)100重量部と、前記ポリオルガノシロキサン(B)0.1〜100重量部および前記ポリオキシアルキレン(C)0.1〜100重量部とを、剪断変形を付与しながら、反応させることによって得られる請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記有機ゴム(A)100重量部と、前記ポリオルガノシロキサン(B)0.1〜100重量部および前記ポリオキシアルキレン(C)0.1〜100重量部とを、剪断変形を付与しながら、反応させて得られるゴム組成物にさらに前記有機ゴム(A)の架橋剤(E)0.01〜5重量部を配合した請求項5記載のゴム組成物。
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