JP5093636B2 - 半導電性加硫ゴム用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コピー機、プリンター等に使用される電子写真用プロセスの現像、帯電、転写などの半導電ゴムロールおよび半導電性無端ベルト等に用いられる半導電性加硫ゴム用組成物およびその組成物を加硫してなる半導電性ゴム材料に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、接触型帯電方式に用いられる帯電ロール、転写ロール、現像ロールにおいて、高画質化や高速化等の要求から、基材部分であるゴム材料の更なる物性向上が求められている。
【0003】
例えば、帯電ロール、現像ロール等におけるゴム層の材料としては、電気抵抗値が105〜109Ωcm 程度で、安定した電気抵抗値を示すものが要求されている。
通常、帯電ロール、現像ロール等は、トナーとの離型性やロール自身の耐久性を考慮して、ゴム層の表面 にコーティング層が設けられている。従って、ロール全体としての抵抗値は高くなるので、ゴム層自身の 抵抗値は低いほうが望ましい。この要求を満たすため、導電性を有する添加物をゴム成分に添加する方法 が従来から考案されている。
【0004】
しかし、こうして得られたゴム材料の電気抵抗は、導電性を有する添加物の添加量や分散状態によって 大きく左右される。例えば、ゴム成分にカーボンブラックを添加した場合は、わずかな添加量の差異や、 カーボンブラックの分散不良等により、電気抵抗が著しく変化する問題や、得られるゴム材料が剛直にな るといった問題がある。また、ゴム成分にイオン導電剤を添加する方法も公知であるが、添加によるゴム 物性の低下、ゴム材料からのブリードによる表面汚染が生じやすい等の本質的な欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コピー機、プリンター等に使用される電子写真用プロ セスの現像、帯電、転写などの半導電ゴムロールおよび半導電性無端ベルト等に用いられる半導電性加硫 ゴム用組成物およびその組成物を加硫してなる半導電性ゴム材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意研究の結果、下記、(A)および(B)成分を所定の割合で含有することにより、上述の目的を達成し得ることを見出し本発明を完成したものである。
すなわち下記、(1)〜(3)成分からなる三元共重合体ゴム(A)100〜5重量%とエピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)0〜95重量%とを含むことを特徴とする半導電性加硫ゴム用組成物である。
【0007】
(1)一般式(I)で表される単量体、
【化2】
【0008】
(2)アルキレンオキサイド
(3)アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルから選ばれるエチレン性不飽和基含有モノマー
また前記半導電性加硫ゴム用組成物を加硫してなる半導電性加硫ゴム材料、特に半導電性加硫ゴムロー ル及び半導電性加硫ゴムベルトも本発明に属する。
【0009】
本発明においては、下記、(1)〜(3)からなる三元共重合体ゴム(A)を用いることにより、(1)一般式(I)で表される単量体、
【化3】
【0010】
(2)アルキレンオキサイド、
(3)アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルから選ばれるエチレン性不飽和基含有モノマー
得られる半導電性加硫ゴム用組成物の低抵抗化が容易となり、特に、(1)成分で、n=2〜7の単量 体では、低抵抗化がより一層容易になるため好適である。すなわち、(1)成分のnが2以上では、本発 明の共重合比で実質的に非結晶性であり、特に安定した低抵抗の半導電性加硫ゴム用組成物が得られる。 また、(1)成分のnが7以下では、共重合されることで配置される側鎖同士が結晶化傾向を示すことが 実質的になく、同様に、特に安定した低抵抗の半導電性加硫ゴム用組成物が得られる。
(2)アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどが挙げられる。
【0011】
上記(1)、(2)、(3)の比率は
(1)2mol%〜40mol%
(2)50mol%〜97mol%
(3)1mol%〜10mol%
好ましくは
(1)5mol%〜30mol%
(2)65mol%〜90mol%
(3)2mol%〜7mol%
の三元共重合体が使用される。
【0012】
本発明においては、これらの三元共重合体ゴム(A)は、単一ゴムあるいは二種以上の混合ゴムとして用いられ、ムーニー粘度表示によるML1+4(100℃)=10〜100程度のものがそのまま用いられる。
【0013】
三元共重合体ゴム(A)は、本出願人の特開昭63−154736号公報に記載されている方法により製造することができる。すなわち開環重合用触媒として有機アルミニウムを主体とする触媒系、有機亜鉛を主体とする触媒系、有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系などを用いて、上記(1)、(2)、(3)の単量体を溶媒の存在下または不存在下で、反応温度10〜80℃、攪拌下で反応させることによってえられる。なかでも、重合度あるいは作られる共重合体の性質などの点から、有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系特に好ましい。
【0014】
本発明に用いられるエピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)としては、エピクロルヒドリン単独重合体(a)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(b)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(c)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(d)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体が挙げられる。特にエピクロルヒドリン単独重合体(a)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(b)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(c)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(d)である。これらの重合体は、抵抗値が比較的低いことが従来より知られており、得られる半導電性加硫ゴム用組成物の導電性の制御が可能となる。特に、エピクロルヒドリン含量が高いほど、環境による抵抗値の変動が抑制され、エチレンオキサイド含量が高いほど、低抵抗化が可能となり、アリルグリシジルエーテル含量が高いほど、耐オゾン性が優れる、といった特徴がある。
【0015】
エピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)の成分組成は通常、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(b)では、エピクロルヒドリン成分が20mol%〜70mol%、エチレンオキサイド成分が30mol%〜80mol%であり、またエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(c)では、エピクロルヒドリン成分が85mol%〜99mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜15mol%であり、またエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(d)では、エピクロルヒドリン成分が5mol%〜75mol%、エチレンオキサイド成分が20mol%〜90mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜10mol%であるものが用いられる。
【0016】
好ましくはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(b)では、エピクロルヒドリン成分が30mol%〜60mol%、エチレンオキサイド成分が40mol%〜70mol%であり、
エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(c)では、エピクロルヒドリン成分が90mol%〜98mol%、アリルグリシジルエーテル成分が2mol%〜10mol%であり、
またエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(d)では、エピクロルヒドリン成分が10mol%〜65mol%、エチレンオキサイド成分が30mol%〜85mol%、アリルグリシジルエーテル成分が2mol%〜8mol%である。
【0017】
本発明においてはエピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)は、これらの単一ゴムあるいは二種以上の混合ゴムとして用いられ、ムーニー粘度表示によるML1+4(100℃)=30〜150程度のものがそのまま用いられる。
【0018】
三元共重合体ゴム(A)とエピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)の比率は、三元共重合体ゴム(A)100〜5重量%に対しエピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)0〜95重量%、例えば三元共重合体ゴム(A)100〜20重量%に対しエピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)0〜80重量%である。
【0019】
本発明の半導電性加硫ゴム用組成物において用いられる加硫剤としては、塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤、即ちポリアミン類、チオウレア類、チアジアゾール類、メルカプトトリアジン類、キノキサリン類等が、また、側鎖二重合結合の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、有機過酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チオラムポリスルフィド類等がある。
【0020】
これらの加硫剤を例示すれば、ポリアミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N'−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等があげられる。
チオウレア類としては、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等があげられる。
チアジアゾール類としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール―5―チオベンゾエート等があげられる。
メルカプトトリアジン類としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、1−メトキシ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジエチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−シクロヘキサンアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、1−フェニルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン等があげられる。
キノキサリン類としては、2,3-ジメルカプトキノキサリン誘導体等があげられ、2,3-ジメルカプトキノキサリン誘導体を例示すると、キノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-イソプロピルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、5,8-ジメチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート等があげられる。
有機過酸化物としては、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、 tert−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等があげられる。
モルホリンポリスルフィド類としては、モルホリンジスルフィド等があげられる。
チオラムポリスルフィド類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N'−ジメチル−N,N'−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタンメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等をあげられる。
【0021】
これら加硫剤は、通常、ゴム成分100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が用いられる。
【0022】
また、加硫剤と共に公知の促進剤(加硫促進剤)および遅延剤を本発明による半導電性加硫ゴム用組成物に添加することもできる。加硫促進剤の例としては、塩基性シリカ、1級、2級、3級アミン、該アミンの有機酸塩もしくはその付加物、アルデヒドアンモニア系促進剤、アルデヒドアミン系促進剤、グアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤およびジチオカルバミン酸系促進剤、1、8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7及びその弱酸塩、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7及びその弱酸塩、第4級アンモニウム化合物、の1種、もしくはこれらの2種以上の組わせである。ただし、加硫促進剤はこれらに限定されない。
【0023】
1級、2級、3級アミンとしては、特に炭素数5〜20の脂肪族または環式脂肪酸の第1、第2もしくは第3アミンが好ましく、このようなアミンの代表例は、n−ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどである。
【0024】
上記アミンと塩を形成する有機酸としては、カルボン酸、カルバミン酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジチオ燐酸等が例示される。また上記アミンと付加物を形成する物質としては、アルコール類、オキシム類等が例示される。アミンの有機酸塩もしくは付加物の具体例としては、n−ブチルアミン・酢酸塩、ジブチルアミン・オレイン酸塩、ヘキサメチレンジアミン・カルバミン酸塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのジシクロヘキシルアミン塩等が挙げられる。
【0025】
アルデヒドアンモニア系促進剤の例としては、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドとアンモニアの反応生成物、等が挙げられる。
アルデヒドアミン系促進剤の例としては、アミンと少なくとも1種の炭素数1〜7のアルデヒドとの縮合生成物であり、このようなアミンの例としては、アニリン、ブチルアミン等が挙げられる。これらのなかで、アニリンと少なくとも1種の炭素数1〜7のアルデヒドとの縮合生成物が好ましい。具体例としては、アニリンとブチルアルデヒドの縮合物、アニリンとヘプタアルデヒドの縮合物、アニリンとアセトアルデヒドおよびブチルアルデヒドの縮合物などがある。
【0026】
グアニジン系促進剤の例としては、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等が挙げられる。
【0027】
チアゾール系促進剤の例としては、2―メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2―メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、等が挙げられる。
【0028】
スルフェンアミド系加硫促進剤の具体例としては、N−エチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジ−イソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジ−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシ−ジ−エチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどが挙げられる。
【0029】
チウラムの化合物の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
【0030】
ジチオカルバミン酸系促進剤の例としては、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルカルバミン酸銅、等が挙げられる。
【0031】
上記促進剤は、無機充填剤、オイル、ポリマー等に予備分散させた形で使用しても良い。
【0032】
これらの加硫促進剤は単独で用いてもよいし、2種類以上の組み合わせで用いてもよい。促進剤または遅延剤の量は、ゴム成分100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0033】
本発明の半導電性加硫ゴム用組成物において用いられる受酸剤としては、周期表第II族金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第IV族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸鉛等、および下記一般式(I)で示される
Mgx Zny AlZ (OH)2(x+y)+3Z-2 CO3・wH2O (II)
(但しx、yは0〜10、x+y=1〜10、zは1〜5、wは正の実数を表す)
合成ハイドロタルサイト類等がある。
【0034】
受酸剤の具体的な例としては、マグネシア、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、をあげることができる。さらに、合成ハイドロタルサイト類においては、例えば、
Mgx Aly (OH)2x+3y-2 CO3・wH2O (III)
(但しxは1〜10、yは1〜10、wは正の実数を表す)
であってよい。
ハイドロタルサイト類を例示すれば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・1.7H2O等を挙げることができる。
受酸剤の量は、ゴム成分100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部であり、1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0035】
また、本発明の半導電性加硫ゴム用組成物は、他の添加剤、例えば滑剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、顔料等を任意に配合できる。
更に本発明の特性が失われない範囲で、当該技術分野で通常行われているゴム、樹脂等とのブレンドを行うことも可能である。本発明に用いられるゴムを例示すれば、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム等が挙げられ、また樹脂を例示すれば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、、PUR(ポリウレタン)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂、EVA(エチレン/酢酸ビニル)樹脂、AS(スチレン/アクリロニトリル)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、CPE(塩素化ポリエチレン)樹脂等が挙げられる。
上記ゴムや樹脂のブレンド比は、ゴム成分100重量部に対して、3〜50重量部、例えば3〜30重量部であり、1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0036】
更に、本発明の半導電性加硫ゴム用組成物において、導電付与剤として、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などの金属塩、カチオン種が一般式(IV)で表され、
【化4】
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ同一または異なって、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基あるいは主鎖がポリオキシエチレン鎖もしくはポリオキシプロピレン鎖で、末端にアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、水酸基を有する基である。)
【0037】
アニオン種が過塩素酸イオンのような無機酸イオン、または、塩化物イオンのようなハロゲンイオンなどを有した第四級アンモニウム塩などを任意に添加してよい。
これら導電付与剤となる塩において、カチオン種としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baや遷移金属であるFe、Co、Ni、Cu、Zn及びAg金属の陽イオンや、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、トリメチル2−(2−メトキシエトキシ)エチルアンモニウム、トリメチル2−(2−メトキシプロキシ)エチルアンモニウム、ジメチルオクチル2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム、ジメチルドデシル2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム、ジメチルオクタデシル2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアンモニウム等の第四級アンモニウムイオン、テトラメチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム等のホスホニウムイオンが挙げられる。
また、アニオン種としては、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF6−、PF6−、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン等が挙げられ、これら任意の組み合わせから選ばれた化合物が導電付与剤として挙げられる。導電付与剤の量は、ゴム成分100重量部に対して0〜10重量部、例えば0〜5重量部である。
【0038】
本発明の組成物の配合方法としては、従来ポリマー加工の分野において利用されている任意の手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を利用することができる。
【0039】
本発明の半導電性加硫ゴム材料は、通常100〜250℃に加熱することで加硫物とすることができる。加硫時間は温度によって異なるが、0.5〜300分の間で行われるのが普通である。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線、あるいはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
【0040】
本発明の半導電性加硫ゴム材料は、電気抵抗性が低いためコピー機、プリンター等に使用される電子写真用プロセスの現像、帯電、転写などの半導電性ローラや半導電性ベルト等に好適に用いることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。
【0042】
【実施例】
(実施例1〜7)
有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系触媒により表1の三元共重合体ゴム(1)、(2)、(3)を重合した。エピクロルヒドリン系重合体ゴム(4)、(5)、(6)はダイソー(株)製のゴムである。
(4)エピクロマー H
(5)エピクロマー C
(6)エピクロマー CG−102
【0043】
表1の各種重合体ゴムを他の配合剤と共に表2に示す各配合組成で、70℃に調整したオープンロールで混練り配合し、更に170℃×15分プレス加硫して、2mm厚の加硫シートを得た。同シートの硬度および体積抵抗率を測定し結果を表3に示す。
【0044】
・硬度測定
JIS K6251に基づき表面硬度を測定した。
【0045】
・体積抵抗率の測定
加硫ゴムシート(厚さ2mm)および絶縁抵抗計(三菱油化(株)製 ハイレスタHP)を10℃×15%RH、23℃×50%RH、30℃×80%RHのそれぞれの環境条件下に設定した恒温恒湿槽中に入れ、24時間以上放置した後、10V印可し、1分後の値を読みとった。
【0046】
(比較例1〜3)
表1に示すエピクロルヒドリン系重合体ゴムと表4に示す各配合物とを用いた以外は、実施例1〜7と同様に行った。同シートの硬度および体積抵抗率を測定し結果を表5に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】
本発明の導電性加硫ゴム用組成物は、従来の中電気抵抗エピクロルヒドリン系重合体ゴムより更に低電気抵抗を有し、本発明より得られる半導電性加硫ゴム材料は、コピー機、プリンター等の半導電性ゴムロール、半導電性無端ベルト等に非常に有用である。
9
Claims (6)
- (2)アルキレンオキサイドがエチレンオキサイドであり、(3)エチレン性不飽和基含有モノマーがアリルグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の半導電ゴムロールまたは半導電性無端ベルト用組成物。
- 三元共重合体ゴム(A)の単量体成分(1)が2mol%〜40mol%、エチレンオキサイド成分(2)が50mol%〜97mol%、アリルグリシジルエーテル成分(3)が1mol%〜10mol%であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導電ゴムロールまたは半導電性無端ベルト用組成物。
- エピクロルヒドリン系重合体ゴム(B)が、エピクロルヒドリン単独重合体(a)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(b)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(c)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(d)から選ばれた少なくとも1種の重合体を含むゴムであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の半導電ゴムロールまたは半導電性無端ベルト用組成物。
- エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(b)のエピクロルヒドリン成分が20mol%〜70mol%、エチレンオキサイド成分が30mol%〜80mol%であり、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(c)のエピクロルヒドリン成分が85mol%〜99mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜15mol%であり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(d)のエピクロルヒドリン成分が20mol%〜65mol%、エチレンオキサイド成分が20mol%〜90mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜10mol%であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の半導電ゴムロールまたは半導電性無端ベルト用組成物。
- 請求項1〜5いずれかに記載の半導電ゴムロールまたは半導電性無端ベルト用組成物を加硫してなる半導電ゴムロールまたは半導電性無端ベルト。
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