JP4337151B2 - 導電性ゴムロールおよび加硫可能な導電性ゴムロール用材料 - Google Patents

導電性ゴムロールおよび加硫可能な導電性ゴムロール用材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加硫可能な半導電性材料およびその加硫物に関する。本発明の加硫可能な半導電性材料、さらにその加硫物はその半導電性特性により、コピー機、プリンター等の帯電ロール、現像ロール等に非常に有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、コピー機、プリンター等の画像形成装置では、コロナ放電を行って高電圧を印加させる非接触型の帯電方法が用いられていた。しかし、コロナ放電は高圧電源を必要とする、高コストである、生成物としてオゾンが発生する等の問題を含んでいた。
【0003】
近年、非接触型帯電方式であるコロナ放電の代わりとして、接触型帯電方式の採用が進められている。接触型帯電方式では、一般に、帯電ロール、現像ロール等のロール表面上にゴム層が形成された構造のゴムロールが用いられている。このような接触型帯電方式では、ゴムロールと感光体とが常時接触しているため、表面のゴム層の物性が画像の高画質化に大きな影響を与えている。
【0004】
また、帯電ロール、現像ロール等は、適度の電気抵抗値を持っていないと、感光体上に均一な帯電を付与することが出来ない。しかも、この電気抵抗値は、複写機の高画質化の要求から、高温高湿度下でも、低温低湿度下でも、変動の幅が小さいこと、すなわち、耐環境性に優れ、周囲の環境条件の変化によっても、安定した電気抵抗値を示すことが要求されている。
【0005】
したがって、前記ゴム層の材料として通常、電気抵抗値が106〜109Ωcm程度で、耐環境性に優れ、周囲の環境条件の変化によっても、安定した電気抵抗値を示すものが要求されている。さらにまた帯電ロール、現像ロールは通常、トナーとの離型性等を考慮して、ゴム層の表面にコーティング層が設けられている。従って、ロール全体の抵抗値は高くなるので、ゴム層自身の抵抗値は低いほうが望ましい。この要求を満たすため、(1)導電性を有する添加物をゴムに添加する、(2)電気抵抗の比較的低いゴムポリマーを用いる等が従来から考案されている。
【0006】
例えば、(1)の導電性を有する添加物を添加する場合、得られる導電性ゴムの電気抵抗は、添加物の添加量、分散によって大きく左右される。例えば、カーボンブラックを添加した場合は、わずかな添加量の差異、またカーボンブラックの分散不良等の理由により、電気抵抗が大きく変化する、得られる導電性ゴムの硬度が硬いといった問題がある。またイオン導電剤を添加した場合では、電気抵抗を低くするにはイオン導電剤の多部数添加が必要なため、添加によるゴムの硬化、表面汚染、電気抵抗の局所的なばらつきが生じやすい等の本質的な欠点がある。
【0007】
また、(2)の電気抵抗の比較的低いゴムを用いる提案として、特開平1−142569号公報には、エピクロルヒドリン(以下EP)−エチレンオキシド(以下EO)ゴム(EP/EO=65/35〜40/60)が提案されている。同提案には電気抵抗が108〜109Ωcmのを示す事が開示されている。また特開平10−97118号公報には107〜109Ωcmの電気抵抗値を示すゴムを半導電性ロールに使用する事が提案されており、低い導電性を有するゴムは公知である。
【0008】
しかし、(2)の電気抵抗の比較的低いゴムを用いる場合は、ポリマー中のイオン導電性に影響されるため、電気抵抗が温度や湿度などの環境に依存するといった問題がある事が判明した。とりわけ、低温低湿側では、抵抗値が大きくなるため、帯電電位の振れ幅が大きくなり画質の低下を招く、また一定抵抗値を保つためには、大きな印加電圧が必要となり絶縁破壊が起こる可能性がある等の問題が挙げられる。
【0009】
このような問題を解決するために、中電気抵抗を有し、環境依存性も小さい導電性ゴムの研究、検討が行われているが、そのような組成物は知られていない。
すなわち、公知の上記特開平1−142569号公報にはEOが60mol%以上になると共重合ゴムが水に対する親水性を増し、環境依存性が大きくなるとされている。また特開平10−97118号公報には電気抵抗は107〜109Ωcmを有しているが、ゴム組成や環境依存性の向上についての提案はなされていない。さらに特開平6−240145号公報には、環境依存性が2以下の組成物の提案があるが、電気抵抗値は109Ωcm以上と高い。
このように中電気抵抗を有し、かつ環境依存性も小さい導電性ゴム材料は未だ知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、コピー機、プリンター等の帯電ロール、現像ロール、転写ロール等に利用可能な、電気抵抗が1×105Ωcm〜2×107Ωcmであり、周囲の環境条件の変化によっても安定した電気抵抗値を示す導電性ゴムロールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(イ)23℃および50%RHでの加硫物の体積固有抵抗が1×105Ωcm〜2×107Ωcmであり、
(ロ)加硫物の体積固有抵抗の環境依存性が2.5以下である、
エーテル系共重合体を含んでなることを特徴とする加硫可能な半導電性材料を提供する。
【0012】
23℃および50%RH(相対湿度)での加硫物の体積固有抵抗は、1×105Ωcm〜2×107Ωcm、例えば1×106Ωcm〜2×107Ωcm、特に5×106Ωcm〜2×107Ωcmである。
体積固有抵抗の環境依存性とは、10℃×15%RHおよび40℃×90%RHの両環境下での体積固有抵抗の対数の差で定義する。すなわち、環境依存性は、式:
log10(10℃×15%RHの体積固有抵抗)-log10(40℃×90%RHの体積固有抵抗)
で得られる値である。
環境依存性は、2.5以下、例えば2.5〜0.5、特に2.5〜1.0である。
【0013】
エーテル系共重合体は、(1)ハロゲン含有エーテル系モノマー、(2)ハロゲン非含有エーテル系モノマー、および要すれば(3)共重合可能なグリシジルエーテル系モノマーからなる二元共重合体または三元共重合体であってよい。
ハロゲン含有エーテル系モノマー単独よりなる重合体、もしくはハロゲン非含有エーテル系モノマー単独よりなる重合体では本発明の効果は全く得られない。すなわちハロゲン含有エーテル系モノマー単独よりなる重合体は体積固有抵抗が本発明の共重合体より高い値を示す。またハロゲン非含有エーテル系モノマー単独よりなる重合体は環境依存性が本発明の共重合体より大きい傾向にある。また共重合可能なグリシジルエーテル系モノマー単独よりなる重合体も体積固有抵抗が本発明の共重合体より高い値を示す。
【0014】
ハロゲン含有エーテル系モノマー(1)としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。エピクロルヒドリンが好ましい。
ハロゲン非含有エーテル系モノマー(2)としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。エチレンオキシドが好ましい。
共重合可能なグリシジルエーテル系モノマー(3)としては、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クロロエチルグリシジルエーテル、酢酸グリシジル等が挙げられる。アリルグリシジルエーテルが好ましい。
【0015】
エーテル系共重合体は、ハロゲン含有エーテル系モノマー(1)(例えば、エピクロルヒドリン)40mol%〜10mol%、好ましくは15mol%〜35mol%、更に好ましくは20mol%〜30mol%、ハロゲン非含有エーテル系モノマー(2)(例えば、エチレンオキシド)60mol%〜90mol%、好ましくは60mol%〜85mol%、更に好ましくは65mol%〜80mol%であり、共重合可能なグリシジルエーテル系モノマー(3)(例えば、アリルグリシジルエーテル)0mol%〜10mol%、好ましくは1mol%〜8mol%、更に好ましくは1mol%〜6mol%から誘導されてよい。
【0016】
エーテル共重合体は、有機錫化合物とリン酸アルキルエステルとの縮合物(例えば、熱縮合物)である触媒により重合されることが好ましい。
【0017】
有機錫化合物(A)としては、一般式(i)〜(iv):
(i)RaSnX4-a
[式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基、Xはハロゲン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基およびその部分エステル残基から選ばれる原子又は基であり、aは2以上のとき、Rは同一でもことなっていてもよく、aが1又は2のとき、Xは同一でも異なっていてもよい。]
(ii)RbSnOc
[式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基であり、bは1又は2であり、bが1のとき、cは3/2であり、bが2のとき、cは1である。]
(iii)R1(R2SnOSnR2)R1
[式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基であり、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基、又はハロゲン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基およびその部分エステル残基から選ばれる原子又は基である。また2個のR1は同一でも異なっていてもよい。]
(iv)(R1 3Sn)dX’
[式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基、又はハロゲン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基およびその部分エステル残基から選ばれる原子又は基であり、少なくともR1の1個は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基である。X’は炭酸基、リンの酸素酸基、リン酸の部分エステル残基、多塩基性カルボン酸基、多価アルコール残基から選ばれる基である。dはX’の塩基度に対応する1より大きい数である。]
で示される化合物から選ばれる。化合物(i)と化合物(ii)の錯体を有機化錫合物(A)として使用してもよい。
【0018】
具体的には、一般式(i)に属する化合物としては、
(C25)4Sn、(C65)4Sn、
(CH3)3SnF、(C49)3SnCl、
(CH3)3SnBr、(C817)3SnCl、
(CH3)2SnF2、(C49)2SnCl2
(C1223)2SnBr2
(cyclo-C611)2SnI2
(C49)SnF3、(C817)SnCl3
(C49)3SnOC49
(C817)3SnOCOCH3
(C817)2Sn(OCOC1735)2
などが挙げられる。
【0019】
一般式(ii)に属する化合物としては、
(CH3)2SnO、(C49)2SnO、
(C817)2SnO、(C65)2SnO、
CH3SnO3/2、C49SnO3/2
などが挙げられる。
【0020】
また、一般式(i)と一般式(ii)の化合物の錯体の例としては、
(CH3)2SnO・(C25)2SnBr2
(CH3)2SnO・(CH3)2SnCl2
CH3{(CH3)2SnO}2CH3・(CH3)2SnBr2
などが挙げられる。
【0021】
一般式(iii)に属する化合物としては、
(CH3)3SnOSn(CH3)3
Cl(C49)2SnOSn(C49)Cl、
(CH3COO)(C65)SnOSn(C65)(CH3COO)、
などが挙げられる。
【0022】
一般式(iv)に属する化合物としては、
{(CH3)3Sn}2CO3
{(C49)3Sn}2CO3
(C49)3SnOP(O)(OC817)2
{(C817)3Sn}3PO4
(C49)3SnOCH2CH2OSn(C49)3
(C49)2(CH3O)SN-OCO-(CH2)4-OCO-Sn(OCH3)(C49)2
などが挙げられる。
【0023】
リン酸アルキルエステル(B)としては、下記一般式(v)で表される正リン酸の完全もしくは部分エステルが用いられる。
(R2O)3P=O (v)
[式(v)中、R2は水素もしくは炭素数2以上のアルキル基、アルケニル基、又はシクロアルキル基であり、R2のうち少なくとも1個は水素原子以外の基である。]
【0024】
上記(v)式の具体的な例としては、
(C25)3PO4、(C37)3PO4
(C49)3PO4、(C817)3PO4
(CH2=CH―CH2)3PO4
(C611)3PO4
(ClCH2―CH2)3PO4
(Cl235)PO4、(C25)2HPO4
(C49)2HPO4、(C49)H2PO4
などが挙げられる。
【0025】
本発明の触媒は、上記有機錫化合物(A)とリン酸アルキルエステル(B)との混合物を150℃〜300℃の温度範囲で加熱することによって縮合生成物として得られる。溶媒は必要があれば使用してもよい。上記成分(A)と成分(B)は、通常、含まれる錫原子とリン原子との比で1:10〜10:1の範囲になるように用いられる。
【0026】
上記触媒生成反応において、成分(A)及び成分(B)の種類に従って種々の比較的簡単な物質が縮合反応で生成脱離する。得られた縮合物は縮合度の種々の段階で目的をする活性を示す。最適の縮合度は、成分(A)と成分(B)の種類と比率によって異なるが、それらは実験的に容易に定めることができる。縮合物は、一般に初期においてはヘキサン、ベンゼンなどの溶媒に可溶であるが、縮合反応の進行によって不溶化する。
【0027】
エーテル系共重合体の製造方法としては、公知の重合法を採用できる。特に本出願人の米国特許第3,773,694号明細書に記載の有機錫−リン酸エステル縮合物を重合触媒とする方法は、重合物が高収率で得られるので好ましい。即ち、上記触媒の存在下で脂肪族または芳香族炭化水素を溶媒として重合温度10〜70℃で8〜15時間重合させることにより、重合収率90%以上でエーテル系共重合体を得ることができる。エーテル系共重合体の分子量範囲は100℃におけるムーニー粘度表示で30〜200のものが好ましく用いられる。
【0028】
エーテル系共重合体を加硫するために用いられる加硫剤としては、塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤、即ちポリアミン類、チオウレア類、ポリチオール類、チオラムポリスルフィド類等が、また、側鎖二重合結合の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、有機酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チオラムポリスルフィド類等がある。
【0029】
これらの加硫剤を例示すれば、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、エチレンチオウレア、トリチオシアヌール酸、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカプト−S−トリアジン、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタンメチレンチウラムテトラスルフィド、ジクミルパーオキシド、モルホリンジスルフィド等を挙げることができる。
加硫剤の量は、エーテル系共重合体100重量部に対して0.1〜10重量部、例えば0.1〜5重量部である。
【0030】
また、これらの加硫剤と共に用いられる公知の促進剤(即ち、加硫促進剤)、遅延剤を本発明の半導電性材料においてもそのまま用いることができる。これらの加硫促進剤の例としては、アミン類、アミンの弱酸塩類、塩基性シリカ、四級アンモニウム塩類、四級ホスホニウム塩類、多官能ビニル化合物、メルカプトベンゾチアゾール類、スルフェンアミド類、ジメチオカーバメート類等を挙げることができる。一方、遅延剤としてはN−シクロヘキサンチオフタルイミド等を挙げることができる。
促進剤または遅延剤の量は、エーテル系共重合体100重量部に対して0〜10重量部、例えば0.1〜5重量部である。
【0031】
本発明の加硫可能な半導電材料は、未加硫の状態で半導電性であり、エーテル系共重合体のみからなってよい。
本発明の半導電性材料は、制電添加剤として、カーボンブラック、金属粒子、酸化錫や酸化チタンなどの金属酸化物粒子、または、Li、Na、K等のアルカリ金属塩や酢酸塩、硫酸鉛などのイオン導電剤等を任意に含有してよい。本発明の半導電性材料は、制電添加剤を含有しなくてもよい。
制電添加剤の量は、エーテル系共重合体100重量部に対して0〜100重量部、例えば0〜50重量部である。
【0032】
本発明の半導電性材料は、加硫速度の調整、加硫物の熱安定性の見地から受酸剤となる金属化合物を含有してよい。受酸剤には周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第IV族(4族および14族)金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸鉛等がある。
【0033】
受酸剤の具体的な例としては、マグネシア、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、亜鉛華、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛等を挙げることができる。受酸剤の量は、エーテル系共重合体100重量部に対して0〜50重量部、例えば0.5〜50重量部、特に1〜20重量部である。
また、本発明の半導電性材料は、他の添加剤、例えば滑剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤等を任意に配合できる。他の添加剤の量は、エーテル系共重合体100重量部に対して0〜100重量部、例えば0〜50重量部である。
【0034】
本発明の半導電性材料が混合物である場合に、各成分の配合方法としては、従来ポリマー加工の分野において利用されている任意の手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を利用することができる。本発明の半導電性材料は、通常100〜250℃に加熱することで加硫物とすることができる。加硫時間は温度によって異なるが、0.5〜300分の間で行われるのが普通である。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線、あるいはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
【0035】
本発明の半導電性材料の加硫物は、ゴム状である。
本発明の半導電性材料は、複写機、プリンターなどに使用される電子写真用プロセスの現像、帯電、転写などのローラ、ベルト、クリーニングブレードなどに用いることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
体積固有抵抗の測定
加硫ゴムシート(厚さ2mm)および絶縁抵抗計(三菱油化(株)製 ハイレスタHP)を10℃×15%RH、23℃×50%RH、40℃×90%RHのそれぞれの環境条件下に設定した恒温恒湿槽中に入れ、48時間以上放置した後、10V印加し、1分後の値を読みとった。
【0037】
重合触媒の合成
温度計および攪拌装置を伏した三ツ口フラスコにジブチル錫オキシド10.0g、トリブチルホスフェート23.4gをいれ、窒素気流下に攪拌しながら260℃で15分間加熱して留出物を留去させ、残留物として固体状の縮合物質を得た。この縮合物質を触媒として以下の重合を行った。
【0038】
実施例1
内容量20LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記縮合物質触媒5g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン5kg、エピクロルヒドリン(以下EPと略称)0.7kg、エチレンオキシド(以下EOと略称)1.3kgの1/3量、アリルグリシジルエーテル(以下AGEと略称)0.1kgを仕込み20℃にて16時間反応させた。なお反応時間5時間目と10時間目におのおのEOの1/3量を添加した。反応物をメタノール(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)0.5重量%含有)10Lに投入して一晩浸漬後メタノールを傾斜除去し、さらに上記メタノールによる洗浄を二度繰り返した後、減圧下100℃にて8時間乾燥し、ゴム状ポリマーを得た。
塩素含有量とヨウ素価を測定し、EP、EO、AGEの各mol%を計算して、ポリマー組成を求めた。
同ゴム状ポリマー100g、表1に示す配合剤を70℃に調整した6インチロールで混練りし、170℃で15分プレス加硫し2mm厚の加硫シートを得た。同シートの体積固有抵抗、環境依存性を測定した。結果を表2に示す。
【0039】
実施例2
EP、EO、AGEの仕込み量を各0.5kg、1.5kg、0.1kgに変えた以外は実施例1と同様に行った。
実施例3
EP、EO、AGEの仕込み量を各0.3kg、1.7kg、0.1kgに変えた以外は実施例1と同様に行った。
【0040】
比較例1
ダイソー株式会社市販のエピクロマーCG(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体で、EP40mol%以上)を使用した以外は実施例1と同様に行った。
【0041】
比較例2
日本ゼオン株式会社市販のParel#58(アリルグリシジルエーテル−プロピレンオキシド共重合体でプロピオンオキシド含量97mol%)を使用した以外は実施例1と同様に行った。
【0042】
比較例3
EO、AGE、POの仕込み量を各0.7kg、0.1kg、1.3kgに変えて重合したエチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル−プロピレンオキシド三元共重合体を使用した以外は実施例1と同様に行った。
【0043】
比較例4
ダイソー株式会社市販のエピクロマーCG−102(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、EO60mol%以下)を使用した以外は実施例1と同様に行った。
【0044】
比較例5
ダイソー株式会社市販のエピクロマーH(エピクロルヒドリン単独重合体)を使用した以外は実施例1と同様に行った。
【0045】
【表1】
Figure 0004337151
【0046】
1) 「スプレンダーR-300」(花王株式会社製)
2) (日本油脂株式会社製)
3) 「ノクラックMB」(大内新興化学工業株式会社製)
4) 「キョーワマグ150」(協和化学工業株式会社製)
5) (細井化学工業株式会社製)
6) 「ノクセラーDM」(大内新興化学工業株式会社製)
7) 「ノクセラーTS」(大内新興化学工業株式会社製)
8) 「アクセル22S」(川口化学工業株式会社製)
【0047】
【表2】
Figure 0004337151
【0048】
【発明の効果】
本発明の半導電性材料は、電気抵抗値が低く、耐環境性に優れ、周囲の環境条件の変化によっても、安定した電気抵抗値を示す。

Claims (3)

  1. (イ)23℃及び50RHの加硫物の体積固有抵抗が1×10Ωcm〜2×10Ωcmであり、
    (ロ)加硫物の10℃×15%RH及び40℃×90%RHの両環境下での体積固有抵抗の対数の差で表される体積固有抵抗の環境依存性が2.5以下である、
    エーテル共重合体を含んでなる加硫可能な導電性ゴムロール用材料であって、
    エーテル共重合体が、エピクロルヒドリン35mol%〜10mol%、エチレンオキシド60mol%〜85mol%、アリルグリシジルエーテル1mol%〜10mol%から誘導され、
    一般式(i)〜(iv):
    (i)RaSnX4-a
    [式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基、Xは、ハロゲン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基およびその部分エステル残基から選ばれる原子又は基であり、aは2以上のとき、Rは同一でも異なっていてもよく、aが1又は2のとき、Xは同一でも異なっていてもよい。]
    (ii)RbSnOc
    [式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基であり、bは1又は2であり、bが1のとき、cは3/2であり、bが2のとき、cは1である。]
    (iii)R1(R2SnOSnR2)R1
    [式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基であり、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基、またはハロゲン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基およびその部分エステル残基から選ばれる原子又は基であり、また2個のR1は同一でも異なっていてもよい。]
    (iv)(R1 3Sn)dX’
    [式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基、またはハロゲン基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基およびその部分エステル残基から選ばれる原子又は基であり、少なくとも1個のR1は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロ基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる基であり、X’は、炭酸基、リンの酸素酸基、リン酸の部分エステル残基、多塩基性カルボン酸基、多価アルコール残基から選ばれる基であり、dはX’の塩基度に対応する1より大きい数である。]
    で示される化合物、または化合物(i)と化合物(ii)の錯体から選ばれる有機錫化合物と、リン酸アルキルエステルとの縮合物である触媒により重合されたものであることを特徴とする加硫可能な導電性ゴムロール用材料。
  2. エーテル共重合体が、エピクロルヒドリン30mol%〜10mol%、エチレンオキシド65mol%〜80mol%、アリルグリシジルエーテル1mol%〜10mol%から誘導される請求項1記載の導電性ゴムロール用材料。
  3. 請求項1又は2に記載のエーテル共重合体を含む導電性ゴムロール用材料を加硫してなる導電性ゴムロール。
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