JP5570324B2 - 電子写真用導電性弾性部材及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
該ゴムは、下記式(1)で示される基によって単位中の塩素原子が置換されてなるエピクロルヒドリン単位を有することを特徴とする:
導電性弾性体層11は、単位中の塩素原子の少なくとも一部が下記式(1)で示される基によって置換されているエピクロルヒドリン単位を有するエピクロルヒドリン系ゴムを含む。そして、導電性弾性体層11は、以下の成分(a)乃至(c)を主体とした未加硫コンパウンドを硬化成型することにより形成される。
(a)エピクロルヒドリン系原料ゴム。
(b)ジチオール化合物又はジアミン化合物。
(c)エチレンオキサイド単位数が15以上100以下の片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド。
エピクロルヒドリン系原料ゴムとしては、少なくともエピクロルヒドリンとエチレンオキサイドとの共重合体であり、更に、アリルグリシジルエーテルを含むものが好ましい。つまり、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体から選ばれる一方又は両方を主体とするものである。このエピクロルヒドリン系原料ゴムとしては、エチレンオキサイド単位の共重合比が高く、ムーニー粘度が低いものが好ましい。好ましい範囲としては、エチレンオキサイド単位の共重合比が50mol%以上80mol%以下であり、ムーニー粘度が30ML1+4(100℃)以上70ML1+4(100℃)以下である。エチレンオキサイド単位の共重合比を50mol%以上とすることで、電子写真用導電性弾性部材として用いるのにより十分な導電性を得られる。エチレンオキサイド単位の共重合比が80mol%以下であることにより、結晶化による粘度上昇を抑え、良好な加工性を保つことができる。ムーニー粘度は、各単位がランダムに共重合されているほど、低くなる傾向にある。
ジチオール化合物及びジアミン化合物としては、エピクロルヒドリン系原料ゴムの塩素原子と片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドのエポキシ基の両方に対して反応性が高いものが好ましい。また、エピクロルヒドリン系原料ゴムや片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドのエチレンオキサイド単位が集まり結晶化するのを妨げるために、分子量が大きく、立体構造の嵩高い化合物であることが好ましい。そのため、式(1)中のDで示される2価の有機基が鎖状よりも環状、単環式よりも複合環式である化合物であることが好ましい。
2)そのポリエーテルモノアルコールとエピクロルヒドリンとを三弗化ホウ素エーテル錯塩等のルイス酸触媒存在下で付加反応させる。
3)その付加反応物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて閉環して、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド得る。
導電性支持体の具体例としては、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケルなどの金属円柱を挙げることができる。
本発明に係る導電性弾性部材において、導電性弾性層上に表面層を設けても良い。
本発明の電子写真用導電性弾性部材を用いることのできる電子写真装置の概略構成を図2に示す。電子写真装置は、感光体21、感光体21を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置などから構成されている。感光体21は、導電性基体上に感光層を有する回転ドラム型である。感光体21は図中の矢示の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置は、感光体21に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ22を有する。帯電ローラ22は、感光体21の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源213から所定の直流電圧を印加することにより、感光体21を所定の電位に帯電する。本発明では、該帯電ローラ22として、本発明の電子写真用導電性弾性部材が用いられる。感光体21に静電潜像を形成する潜像形成装置としては、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された感光体に画像情報に対応した露光28を行うことにより、静電潜像が形成される。
図3に示すように、感光体、帯電装置、現像装置、クリーニング装置などを一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計されたプロセスカートリッジに、本発明の電子写真用導電性弾性部材を用いることもできる。なお、図3において、電子写真装置にて説明したと同じものには同じ符号を付した。図3において、31はトナーシールである。
エピクロルヒドリン系原料ゴムA:エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体「エピオン−301」(商品名)、ダイソー株式会社製、エピクロルヒドリン/エチレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル=23mol%/73mol%/4mol%のランダム共重合体。
エピクロルヒドリン系原料ゴムB:エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体「エピクロマーD」(商品名)、ダイソー株式会社製、エピクロルヒドリン/エチレンオキサイド=39mol%/61mol%のランダム共重合体。
酸化亜鉛:亜鉛華2種、ハクスイテック株式会社製。
炭酸カルシウム:「ナノックス#30」(商品名)、丸尾カルシウム株式会社製。
ハイドロタルサイト:「DHT−4A」(商品名)、協和化学工業株式会社製。
ステアリン酸:「ステアリン酸S」(商品名)、花王株式会社製。
第4級アンモニウム塩:「LV−70」(商品名)、株式会社ADEKA製。
ジチオール化合物A:ジメルカプトキノキサリン類「ダイソネットXL−21S」(商品名)、ダイソー株式会社製。
ジチオール化合物B:ジメルカプトトリアジン類「ジスネットDB」(商品名)、三協化成株式会社製。
TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド「ノクセラーTS」(商品名)、大内新興化学工業株式会社製。
硫黄:「サルファックスPMC」(商品名)、鶴見化学工業株式会社製。
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液:「プラクセルDC2016」(商品名)、ダイセル化学工業株式会社製、固形分70質量%。
ブロックイソシアネートIPDI:「ベスタナートB1370」(商品名)、デグサ・ヒュルス社製。
ブロックイソシアネートHDI:「デュラネートTPA−B80E」(商品名)、旭化成工業株式会社製。
カーボンブラック:「三菱カーボンブラックMA77」(商品名)、三菱化学株式会社製。
変性ジメチルシリコーンオイル:「SH28PA」(商品名)、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製。
球状アクリル樹脂粒子:「MX1000」(商品名)、綜研化学株式会社製。
ラウリルアルコール1mol(MW186)と水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム0.05mol相当)とを反応容器に入れて窒素置換した。これを、150℃に加熱しながら、エチレンオキサイド50mol(MW46)を徐々に導入して付加反応させた。続いて80℃まで冷却した後、リン酸を加えて中和した。次に、減圧加熱して脱水した後に、濾過し、ラウリルアルコールポリエチレンオキサイド付加物を得た。
エチレンオキサイドの導入を100molにした以外は製造例1と同様の方法で、エチレンオキサイド単位数が100である片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−100を得た。
エチレンオキサイドの導入を200molにした以外は製造例1と同様の方法で、エチレンオキサイド単位数が200である片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−200を得た。
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−15:「デナコールEX−171」(商品名)、ナガセケムテックス株式会社製、エチレンオキサイド単位数=15
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−5:「エピオールBE−200」(商品名)、日油株式会社製、エチレンオキサイド単位数=5
[導電性弾性体層ローラの作製]
以下に示す原材料を加圧式ニーダーで15分間混練して、混合物を得た。
エピクロルヒドリン系原料ゴムA 100質量部
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−50(製造例1で作製)10質量部
酸化亜鉛 5質量部
炭酸カルシウム 60質量部
ハイドロタルサイト 3質量部
ステアリン酸 1質量部
第4級アンモニウム塩 2質量部
ジチオール化合物A 0.5質量部
TS 1質量部
硫黄 0.8質量部
以下の材料を混合して得た混合溶液を分散メディアとして平均粒子径0.8mmのガラスビーズの入ったガラス瓶に入れ、ペイントシェーカー分散機にて60時間分散し、その後、ガラスビーズをろ過して、表面層用塗料を得た。
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(固形分70質量%)100質量部
ブロックイソシアネートIPDI 22.5質量部
ブロックイソシアネートHDI 33.6質量部
カーボンブラック 20質量部
変性ジメチルシリコーンオイル 0.16質量部
球状アクリル樹脂粒子 6質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK) 328質量部
上記で作製した導電性弾性体層ローラの表面に表面層用塗料をディッピング塗工した後、常温で30分間、電気オーブンにて80℃で1時間、さらに160℃で1時間加熱して、表面層用塗料を架橋した。このようにして、導電性支持体上に導電性弾性体層及び表面層を有する電子写真用導電性弾性部材を得た。
作製した導電性弾性体層ローラの導電性弾性層を、表面層を設ける前に、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドの抽出率、マイクロ硬度、IR、NIR、ラマン分光法、固体高分解能13C NMRによって分析した。その結果、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドがジチオール化合物によって結合していることが確認できた。なお、本実施例においてエピクロルヒドリン単位の塩素原子が置換された構造は表2に示すものであった。なお、マイクロ硬度は下記により評価した。さらに、各種分析に用いた装置は下記の通りであった。
導電性弾性体層ローラの導電性弾性層の導電性は、導電性弾性体層用コンパウンドを厚さ2mmに成形し、ローラ作製条件と同じく160℃で1時間硬化して得られた厚さ2mmのシートを用い、体積導電率を測定した。なお、体積導電率の測定は、JIS K6271:2001の二重リング電極法による体積抵抗率の測定に準じた。23℃50%RHの環境において、直径10mmの電極間に−200Vの電圧を印加し、5箇所の電流値を測定し、その平均値を当該導電性弾性層の体積導電率(S/cm)とした。
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドは、樹脂を可塑化する効果がある。そのため、ゴムに結合していないと弾性体層の硬度が下がる傾向にある。そのため、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドとが結合していることの指標の一つとして、マイクロ硬度を用いることができるので、該マイクロ硬度も評価した。
作製した電子写真用導電性弾性部材を、図2に示す構成を有する電子写真装置「カラーレーザージェット3800」(商品名、HP株式会社製)のブラックカートリッジに帯電ローラとして装着して、横スジ状の画像ムラを評価した。なお、この電子写真装置は、市販品を記録メディアの出力スピードが200mm/secになるよう改造して使用した。画像の出力環境は、15℃/10%RH環境とした。また、耐久時の画像出力条件としては、A4紙の画像形成領域の1面積%にランダムに印字させ、1枚画像を出力すると電子写真装置を停止し、10秒後にまた画像形成動作を再開するという動作を繰返した。画像出力耐久試験は3万枚とした。
A:横スジ状の画像ムラなく、実用上問題なし。
B:実使用上問題のない程度の軽微な横スジ状の画像ムラがある。
C:目立った横スジ状の画像ムラがある。
作製した電子写真用導電性弾性部材を、電子写真装置「カラーレーザージェット3800」(商品名)のブラックカートリッジに帯電ローラとして装着し、帯電ローラが常に感光体に当接した状態で、40℃/95%RH環境の恒温恒湿槽に1ヶ月放置した。その後、このカートリッジを恒温恒湿槽から取り出し、記録メディアの出力スピードが200mm/secになるよう改造した上記電子写真装置に装着して、23℃/50%RH環境においてハーフトーン画像を出力し、当接部の横帯状の画像ムラを評価した。
A:当接跡が見られず、実用上問題なし。
B:実使用上問題のない程度の軽微な横帯状の当接跡が見られる。
C:目立った横帯状の当接跡がある。
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−50に替えて、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−15を10質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1に、本実施例の導電性弾性体層用コンパウンドの配合を、表2にエピクロルヒドリン単位の塩素原子が置換された構造を、また、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。本実施例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドとしてエチレンオキサイド単位数が15であるものを用いている。そのため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド由来のエチレンオキサイド単位が結晶化せず、高い導電率が達成された。しかし、エチレンオキサイド単位数が15であるため、実施例1に比較して導電性が低かった。また、本実施例でも、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが結合している。そのため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドの、応力と温度による感光体との当接部への偏在は認められず、当接部の導電率には変化がなかった。
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−50に替えて、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−100(製造例2で作製)を10質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1に本実施例の導電性弾性体層用コンパウンドの配合を、表2にエピクロルヒドリン単位の塩素原子が置換された構造を、また、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。本実施例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドとしてエチレンオキサイド単位数が100であるものを用いた。そのため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド由来のエチレンオキサイド単位が結晶化せず、高い導電率が達成された。しかし、エチレンオキサイド単位数が100であるため、実施例1に比較して導電性が低かった。また、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが結合している。そのため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドの、応力と温度による感光体との当接部への偏在は認められず、当接部の導電率には変化がなかった。
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−50を配合しない以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1に、本比較例の導電性弾性体層用コンパウンドの配合を、また、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。本比較例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが配合されていないので、エチレンオキサイド単位が不足し、高い導電率が得られなかった。しかし、本比較例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドを含有しないので、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが移行することによる当接部の導電率の変化は認められず、高温高湿放置評価はAであった。
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−50の替わりに、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−5を10質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1に、本比較例に用いた導電性弾性体層用コンパウンドの配合を、表2にエピクロルヒドリン単位の塩素原子が置換された構造を、また、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。本比較例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドのエチレンオキサイド単位数が5と短く、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドを添加したにかかわらず、導電率が十分改善されず、耐久画像評価がCであった。しかし、本比較例では、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが結合している。そのため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドの、応力と温度による感光体との当接部への偏在による当接部の導電率の変化は認められなかった。
片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−50単位の替わりに、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−200(製造例3で製造)を10質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1に、比較例3の導電性弾性体層用コンパウンドの配合を、表2にエピクロルヒドリン単位の塩素原子が置換された構造を、また、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。本比較例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドのエチレンオキサイド単位数が200と大きくて、導電率が改善されず、耐久画像評価がCであった。しかし、本比較例では、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが結合している。そのため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが、応力と温度によって感光体との当接部に偏在することはなく、当接部の導電率が変化することがなかった。従って、高温高湿放置評価はAであった。
ジチオール化合物Aの替わりに、それぞれジチオール化合物B、ジアミン化合物(フェニレンジアミン:試薬)又はジアミン化合物(ヘキサメチレンジアミン:試薬)を0.5質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1にはこれらの実施例の導電性弾性体層用コンパウンドの配合を示す。また、表2にはエピクロルヒドリン単位中の塩素原子が置換された構造を、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。これらの実施例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドとしてエチレンオキサイド単位数が50であるものを用いている。そのため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド由来のエチレンオキサイド単位が結晶化することがなく、高い導電率が達成された。一方、これらの実施例に用いたジチオール化合物Bおよびジアミン化合物は、実施例1に比較しての立体障害が小さいため、導電性がやや劣る傾向があった。そして、実施例6は、用いたジアミン化合物が鎖状化合物であるためエチレンオキサイド単位が部分的に結晶化して耐久画像評価がBとなった。また、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが結合しているので、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドの、応力と温度による感光体との当接部への偏在は認められず、当接部の導電率には変化がなかった。
ジチオール化合物Aを配合しない以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1に比較例4の導電性弾性体層用コンパウンドの配合を、また、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。本比較例では、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドの抽出率が高く、マイクロゴム硬度も低く、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが結合していなかった。しかし、エチレンオキサイド単位数が50である片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドを含有しているため高い導電率が達成された。しかし、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが、応力と温度によって感光体との当接部に偏在し、当接部での導電率の変化が大きかった。
実施例1において、エピクロルヒドリン系原料ゴムAをエピクロルヒドリン系原料ゴムBに替え、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド−50及びジチオール化合物Aの添加量をそれぞれ25質量部、2質量部に増やし、硫黄を添加しなかった。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真用導電性弾性部材を作製した。表1に実施例7の導電性弾性体層用コンパウンドの配合を、表2にエピクロルヒドリン単位の塩素原子が置換された構造を、また、表3に得られた電子写真用導電性部材の評価結果を示す。本実施例7でも、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドとしてエチレンオキサイド単位数が50であるものを用いているため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイド由来のエチレンオキサイドが結晶化することがなく、高い導電率が達成された。また、実施例7では、エピクロルヒドリン系原料ゴムと片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドが結合しているため、片末端エポキシ化ポリエチレンオキサイドの、応力と温度による感光体との当接部への偏在は認められず、当接部の導電率には変化がなかった。
12 導電性弾性体層
13 表面層
Claims (4)
- 前記式(1)中、nは30以上70以下の整数である請求項1に記載の導電性弾性部材。
- 前記式(1)中、Dは環状の2価の有機基である請求項1または2に記載の導電性弾性部材。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性弾性部材を帯電部材として有していることを特徴とする電子写真装置。
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