JPH11124473A - 導電性ゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

導電性ゴム組成物およびその製造方法

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JPH11124473A
JPH11124473A JP28958397A JP28958397A JPH11124473A JP H11124473 A JPH11124473 A JP H11124473A JP 28958397 A JP28958397 A JP 28958397A JP 28958397 A JP28958397 A JP 28958397A JP H11124473 A JPH11124473 A JP H11124473A
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rubber
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uncross
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JP28958397A
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English (en)
Inventor
Kiyonori Kita
清訓 喜多
Masaaki Takashima
正昭 高嶋
Kenji Yasuda
健二 安田
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬度が低くて圧縮永久歪みが小さく、全体の
電気的性質が均一で環境の変化に対しても安定した導電
性を有する導電性ゴムが得られる導電性ゴム組成物およ
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 導電性ゴム組成物は、トルエン不溶分が
30重量%以上で数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴ
ム粒子と、導電性付与物質とが、架橋ゴム粒子と異なる
未架橋有機ゴム中に分散含有されてなり、未架橋有機ゴ
ムの架橋剤が含有されてもよい。この導電性ゴム組成物
は、架橋機構が異なる第1の未架橋ゴムおよび第2の未
架橋ゴムを、特定の架橋剤の存在下で練りトルクが一定
になるまで混練りして第1の未架橋ゴムのみを選択的に
架橋させて特定の性状の架橋ゴム粒子が第2の未架橋ゴ
ム(未架橋有機ゴム)中に分散されたゴム混合物を製造
し、これに導電性付与物質を添加して混練りする方法に
よって有利に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性ゴム組成物お
よびその製造方法に関するものであり、特に電子写真
法、静電記録法等によるプリンターや複写機に使用され
る各種のロールなどのゴム素材として好適な導電性ゴム
を生成する導電性ゴム組成物およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真プロセスにおいては、感
光体の帯電、露光、現像、転写、定着および感光体の除
電などの工程が実行されることにより、感光体に形成さ
れた静電潜像がトナーにより現像され、得られるトナー
像が転写用紙に転写、定着されて可視画像が形成され
る。このような電子写真プロセスにおける各工程を実行
する機構には各種のロールが使われているが、これらの
ロールにおいては、当該ロールに接触する被処理物を目
的に従って精密にコントロールする要請から、その材質
であるゴム素材に対する要求特性が近年ますます厳しく
なっている。
【0003】例えばトナー搬送用ローラー等を含む現像
機構に用いられる現像ロール、帯電ロール、転写ロール
およびクリーニングロール等は、転写用紙等の被処理物
を静電的な作用を利用して処理するものであるため、長
期間にわたって安定した表面状態を有することが必要で
あり、従って、そのゴム素材は、硬度が低くて圧縮永久
歪が小さく、しかもブリードアウトが生じない非汚染性
を有することが要求される。
【0004】また、当該ゴム素材は、使用環境条件が変
化したときにもその電気的性質が大きく変化しないこと
が必要であり、例えば、実用上は温度15℃、相対湿度
10%の低温低湿度環境から温度30℃、相対湿度85
%の高温高湿度環境までの広い環境条件において、電気
抵抗値の変化が1桁以内、具体的には1×106 〜1×
107 Ω・cmの範囲で安定であることが要求されてい
る。
【0005】従来、導電性ゴムとしては、例えばエチレ
ンプロピレンゴム等の単一のポリマーよりなるゴム成分
中に、カーボンブラックに代表される電子伝導機構によ
る導電性付与物質を分散含有させたものが知られてい
る。しかしながら、このような導電性ゴムでは、必要な
導電性を得るため相当に多量の導電性付与物質を含有さ
せる必要があり、そのため、得られるゴムは硬度が高く
て圧縮永久歪みが大きいものとなるという問題がある。
しかも、必要とされる多量の導電性付与物質をゴム成分
中に均一に分散させることが困難であってゴム製品の全
体において均一な導電性を得ることができず、また環境
の変化に対して導電性が不安定であるという問題があ
る。
【0006】一般に、ゴムの硬度を低くするためには可
塑剤を添加すればよいが、可塑剤を多量に添加すると、
ゴム製品においてブリードアウトが生じるために非汚染
性の要求を満たすことが困難となり、しかも圧縮永久歪
みが大きくなるという問題がある。
【0007】また、例えば特開平9−165470号公
報では、2種類以上のポリマー混合物よりなるゴム成分
を用い、1種のポリマーの連続相中にカーボンブラック
を偏在するよう含有させ、これにより導電性ゴムの電気
的性質の安定化を図る方法が提案されている。しかしな
がら、この方法では、相構造をコントロールすることお
よびカーボンブラックを所期の状態に選択的に偏在させ
ることが困難であり、またゴム成分を構成するポリマー
の共架橋性にも問題があるため、圧縮永久歪みの小さい
導電性ゴムを得ることが困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来に
おいては、硬度が低くて圧縮永久歪みが小さく、ブリー
ドアウトが生ずることがなく、しかも電気的性質が均一
で環境条件の変化に対しても安定した導電性を有する導
電性ゴムは得られていない。本発明の目的は、硬度が低
くて圧縮永久歪みが小さく、感光体等を汚染するような
ブリードアウトを生じることなく、また全体の電気的性
質が均一である上、環境の変化に対しても安定した導電
性を有する導電性ゴムを得ることのできる導電性ゴム組
成物を提供することにある。本発明の他の目的は、上記
のような優れた特性の導電性ゴム組成物を有利に製造す
ることのできる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ゴム組成
物は、トルエン不溶分が30重量%以上の架橋ゴムから
なる数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒子(A)
と、導電性付与物質(B)とが、前記架橋ゴム粒子
(A)を構成するものとは異なる種類の未架橋有機ゴム
(C)中に分散含有されていることを特徴とする。この
導電性ゴム組成物には、更に、未架橋有機ゴム(C)の
ための架橋剤を含有させることができる。
【0010】本発明の導電性ゴム組成物の製造方法は、
架橋機構が異なる第1の未架橋ゴムおよび第2の未架橋
ゴムを、第1の未架橋ゴムのみを選択的に架橋する架橋
剤の存在下で練りトルクが一定になるまで混練りし、こ
の状態で当該第1の未架橋ゴムの架橋反応を行うことに
より、トルエン不溶分が30重量%以上である架橋ゴム
からなる数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒子
(A)が前記第2の未架橋ゴムよりなる未架橋有機ゴム
(C)中に分散含有されてなるゴム混合物を製造し、そ
の後、このゴム混合物に導電性付与物質(B)を添加し
て混練りすることを特徴とする。ここに、第1の未架橋
ゴムとしてシリコーンゴムを用い、第2の未架橋ゴムと
してアクリルゴムを用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の導電性ゴム組成物においては、特定の
架橋ゴムからなる架橋ゴム粒子(A)と、導電性付与物
質(B)とが、架橋ゴム粒子(A)を構成するものとは
異なる種類の未架橋有機ゴム(C)中に分散含有されて
いる。
【0012】本発明の導電性ゴム組成物中における架橋
ゴム粒子(A)の原料となる第1の未架橋ゴムの具体例
としては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
あるいは水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブ
チルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレ
ンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、エ
チレン−オクテンゴム、エチレン−オクテン−非共役ジ
エンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、クロロスルホン
化ポリエチレンゴム、エチレン−アクリル酸エステルゴ
ム、ポリサルファイドゴム、エピクロルヒドリンゴム、
エピクロルヒドリン−エチレンオキシドゴム、フッ素ゴ
ム、シリコーンゴム等を挙げることができる。これらは
単独で、または2種以上を併用することができる。
【0013】上記のうち、例えば未架橋シリコーンゴム
を第1の未架橋ゴムとして好ましく用いることができ
る。未架橋のシリコーンゴムの種類は特に限定されるも
のではなく、例えばポリジメチルシロキサン、ポリメチ
ルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキ
サン、ポリメチルp−ビニルフェニルシロキサン、ポリ
メチルトリフルオロプロピルビニルシロキサン、これら
のポリオルガノシロキサンの変性体よりなるシリコーン
ゴム、その他を挙げることができる。これらのシリコー
ンゴムは単独であるいは2種類以上を併用することがで
きる。
【0014】架橋ゴム粒子(A)は、上記の第1の未架
橋ゴムの架橋体による特定の性状を有する粒子であり、
後述する第2の未架橋ゴムよりなる未架橋有機ゴム
(C)の相中に分散状態で含有される。この架橋ゴム粒
子(A)の架橋ゴムは、トルエン不溶分が30重量%以
上のものであり、好ましくは50重量%以上、更に好ま
しくは70〜100重量%である。また、その数平均粒
子径が20μm以下であることが必要であり、好ましく
は10μm以下、更に好ましくは5μm以下であるが、
一方0.01μm以上であることが好ましい。
【0015】架橋ゴム粒子(A)の数平均粒子径が20
μmを超える場合には、得られる導電性ゴムは耐磨耗性
が劣ったものとなる。一方、トルエン不溶分が30重量
%未満の場合には、架橋ゴムの架橋の程度が低いため
に、当該架橋ゴム粒子(A)の相にも導電性付与物質が
分散してしまうため、得られる導電性ゴムは導電性が劣
ったものとなり、また圧縮永久歪みが大きいものとな
る。
【0016】架橋ゴム粒子(A)の数平均粒子径は、ゴ
ム組成物を凍結切断してその切断面を透過型電子顕微鏡
で観察し、架橋ゴム粒子(A)の数が約50〜100個
存在する面領域を任意に3個所選定し、その各々につい
て、架橋ゴム粒子(A)の長径と個数を調べ、その結果
から数平均粒子径を算出し、得られた3個の領域につい
ての数平均粒子径の値の平均値としてを求められるもの
である。
【0017】また、架橋シリコーンゴムのトルエン不溶
分は架橋の程度を示す指標であり、試料を325メッシ
ュの金網のカゴに精秤して入れ、大過剰の沸騰トルエン
中に放置して6時間経過後にカゴを取り出して不溶分を
乾燥した後精秤し、その重量を溶解前の試料の全重量で
除して得られる値である。また、未架橋有機ゴム(C)
とのブレンド後にシリコーンゴムの架橋が行われる場合
には、ブレンド後のゴム組成物を試料としてこれを32
5メッシュの金網に精秤して入れ、大過剰の沸騰トルエ
ン中に放置して6時間経過後にカゴを取り出し、トルエ
ン溶液部分をロータリーエバポレーターで処理してトル
エンを除去し、真空乾燥機で乾燥することによりトルエ
ン溶解分の重合物を取り出して精秤すると共に、当該ト
ルエン溶解分の重合物を核磁気共鳴吸収法(NMR)で
測定することにより架橋シリコーンゴム成分と未架橋有
機ゴム成分との組成比を求めて溶解シリコーンゴム分の
重量を求め、この値と、前記試料の重量と、シリコーン
ゴムのブレンド比とから、不溶化したシリコーンゴムの
割合を求める手法によって得られる値である。
【0018】未架橋有機ゴム(C)は特に限定されるも
のではなく、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
あるいは水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブ
チルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレ
ンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、エ
チレン−オクテンゴム、エチレン−オクテン−非共役ジ
エンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、クロロスルホン
化ポリエチレンゴム、エチレン−アクリル酸エステルゴ
ム、ポリサルファイドゴム、エピクロルヒドリンゴム、
エピクロルヒドリン−エチレンオキシドゴム、フッ素ゴ
ム等を挙げることができる。これらは単独で、または2
種以上を併用することができる。以上のうち、好ましい
ものはアクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムであり、
特に好ましくはアクリルゴムである。
【0019】本発明において未架橋有機ゴム(C)とし
て好適なアクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステ
ル、アクリル酸アルコキシアルキルエステルおよび炭素
−炭素二重結合を側鎖に有する単量体の少なくとも1種
による成分を、共重合成分として含有するものである。
【0020】上記の共重合成分とされるアクリル酸アル
キルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イ
ソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル
などを挙げることができる。これらは単独で、または2
種以上を併用することができる。
【0021】また、アクリル酸アルコキシアルキルエス
テルとしては、例えばアクリル酸メトキシメチル、アク
リル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、
アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸エトキシエチ
ル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸ブトキシ
エチルなどを挙げることができる。これらは単独で、ま
たは2種以上を併用することができる。
【0022】更に、炭素−炭素二重結合を側鎖に有する
単量体としては、例えばアクリル酸ジヒドロジシクロペ
ンテニル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル、
イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニル、マレイン酸ジ
ヒドロジシクロペンテニル、フマル酸ジヒドロジシクロ
ペンテニル、アクリル酸ジヒドロジシクロペンテニルオ
キシエチル、メタクリル酸ジヒドロジシクロペンテニル
オキシエチル、イタコン酸ジヒドロジシクロペンテニル
オキシエチル、マレイン酸ジヒドロジシクロペンテニル
オキシエチル、フマル酸ジヒドロジシクロペンテニルオ
キシエチル、2−メタクリロイルオキシエチル、ビニル
メタクリレート、ビニルアクリレート、アリルアクリレ
ート、アリルメタクリレート、ジシクロペンタジエン、
メチルジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネ
ン、1,1−ジメチルプロペニルメタクリレート、1,
1−ジメチルプロペニルアクリレート、3,3−ジメチ
ルブテニルメタクリレート、3,3−ジメチルブテニル
アクリレート、ビニル1,1−ジメチルプロペニルエー
テル、ビニル3,3−ジメチルブテニルエーテル、1−
アクリロイルオキシ−1−フェニルエテン、1−アクリ
ロイルオキシ−2−フェニルエテン、1−メタクリロイ
ルオキシ−2−フェニルエテン、1−メタクリロイルオ
キシ−2−フェニルエテンなどを挙げることができる。
これらは単独で、または2種以上を併用することができ
る。
【0023】以上のような共重合成分のアクリルゴムに
おける割合は、通常0.01〜20重量%、好ましくは
0.02〜5重量%である。この割合が20重量%を超
えると、得られる導電性ゴムは伸びが低いものとなり、
また0.01重量%未満であると、得られる導電性ゴム
は引張強度が低くて好適な機械強度が得られにくいもの
となる。
【0024】本発明のゴム組成物において、架橋ゴム粒
子(A)と未架橋有機ゴム(C)との割合は、重量比
で、架橋ゴム粒子(A)/未架橋有機ゴム(C)=5/
95〜95/5の範囲であることが好ましく、更に好ま
しくは30/70〜90/10の範囲である。
【0025】本発明の導電性ゴム組成物は、先ず、所定
の性状を有する架橋ゴム粒子(A)が未架橋有機ゴム
(C)中に分散含有された状態のゴム混合物を製造し、
次いでこのゴム混合物中に導電性付与物質(B)を添加
混合する方法により、製造することが好ましい。これに
より、架橋ゴム粒子(A)および導電性付与物質(B)
の両者が安定に未架橋有機ゴム(C)中に分散された、
目的とする状態の組成物を容易に製造することができ
る。
【0026】所定の性状を有する架橋ゴム粒子(A)が
未架橋有機ゴム(C)中に分散含有された状態のゴム混
合物を製造するためには、次の〔方法1〕〜〔方法3〕
のいずれかを好ましく利用することができる。
【0027】〔方法1〕 架橋機構が異なる第1の未架
橋ゴムと第2の未架橋ゴムとを均一にブレンドし、その
状態で第1の未架橋ゴムを選択的に架橋させることによ
り、トルエン不溶分が30重量%以上の架橋ゴムよりな
る数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒子(A)
を、第2の未架橋ゴムよりなる未架橋有機ゴム(C)中
において生成させる方法。 〔方法2〕 トルエン不溶分が30重量%以上の架橋ゴ
ムよりなる数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒子
(A)を製造し、これを、未架橋有機ゴム(C)に、ミ
キサー、ロール等を用いて混合する方法。 〔方法3〕 トルエン不溶分が30重量%以上の架橋ゴ
ムよりなる数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒子
(A)のエマルジョンを製造し、この架橋ゴム粒子
(A)に対し、未架橋有機ゴム(C)のための単量体を
グラフト重合させる方法。
【0028】上記の〔方法1〕の好ましい具体的手段
を、架橋ゴム粒子(A)を得るための第1の未架橋ゴム
として未架橋のシリコーンゴムを用いると共に、未架橋
有機ゴム(C)を構成する第2の未架橋ゴムとしてラジ
カル重合性ゴムを用いる場合について説明する。 (方法1A) 未架橋のシリコーンゴムと、未架橋有機
ゴム(C)とを混練り機を用いて練りトルクが一定にな
るまで混練りし、その状態で、シリコーンゴム用架橋剤
を混練りしながら加え、その上で適当な温度に維持して
シリコーンゴムの架橋反応を進行させることにより、未
架橋有機ゴム(C)中において架橋ゴム粒子(A)を生
成させる方法。
【0029】ここに、混練り機としては、ロール、イン
ターナルミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーなど
の通常の混練り機を用いることができる。また、シリコ
ーンゴム用架橋剤としては、多価ヒドロシリル化合物と
周期律表第VIII族遷移金属化合物触媒(例えば好ましく
は白金系触媒)との組合せ、過酸化物、イオウ、イオウ
化合物等が用いられるが、シリコーンゴムがカルビノー
ルなどを導入した変性シリコーンゴムである場合には、
多官能性イソシアネート、エポキシ化合物などが用いら
れる。
【0030】また、上記のシリコーンゴム用架橋剤とし
て用いられる多価ヒドロシリル化合物は、特にその化学
構造が制限されるものではないが、ポリオルガノシロキ
サンとヒドロシリル化反応を生起し、架橋構造を生成す
るものである必要がある。具体的には、1分子中にケイ
素原子に結合した水素原子を少なくとも2個以上有する
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましく用い
られる。このようなポリオルガノハイドロジェンシロキ
サンは周知であり、その具体例としては下記の(式1)
〜(式7)に示したものを挙げることができる。
【0031】
【化1】 (式中、R1 は炭素数が1〜18のアルキル基、m≧
0、n≧2である。)
【0032】
【化2】 (式中、R1 は炭素数が1〜18のアルキル基であ
る。)
【0033】
【化3】 (式中、R1 は炭素数が1〜18のアルキル基、R2
ブチル基またはフェニル基を示す。)
【0034】
【化4】 (式中、R1 は炭素数が1〜18のアルキル基、m≧
0、2つのnはそれらの合計が2以上となる値であ
る。)
【0035】
【化5】 (式中、R1 は炭素数が1〜18のアルキル基、R3
メチル基またはフェニル基を示し、p≧0である。)
【0036】
【化6】 (式中、R1 は炭素数が1〜18のアルキル基、q≧
0、r≧1である。)
【0037】
【化7】 (式中、R1 は炭素数が1〜18のアルキル基、s≧1
である。)
【0038】(方法1B) シラノール基を有する未架
橋のシリコーンゴムと、未架橋有機ゴム(C)とを混練
り機を用いて練りトルクが一定になるまで混練りし、そ
の状態で、加水分解してシラノール基と縮合反応する架
橋性成分を当該縮合反応のための触媒と共に加え、適当
な温度下においてシリコーンゴムを加水分解・縮合反応
させることにより、架橋シリコーンゴムよりなる架橋ゴ
ム粒子(A)を未架橋有機ゴム(C)中において生成さ
せる方法。ここで、架橋性成分としては、加水分解して
シラノール基と縮合反応する加水分解性基を分子内に2
個以上含有するケイ素化合物が用いられる。また、この
反応のための触媒としては、重金属化合物、アミン類も
しくは第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
【0039】上記(方法1B)において、架橋性成分と
して用いられるケイ素化合物としては、例えば式 Ra
SiX4-a (式8)(ここで、Rは1価の炭化水素基、
Xはケイ素原子に結合した加水分解し得る基である。)
で表されるオルガノシランまたはその部分加水分解縮合
物を挙げることができる。シランの場合には、aは0ま
たは1であり、部分加水分解縮合物の場合には、aは0
〜3の範囲から選ばれた適宜の値であるが、いずれの場
合も1分子中に2個以上のXを有することが必要であ
る。
【0040】ここでXの具体例としては、アセトキシ基
のようなアシロキシ基;イソプロポキシ基、ブトキシ基
のようなアルコキシ基;アセトンオキシム基、メチルエ
チルケトオキシム基のようなオキシム基;ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基のようなアミノ基;ジメチルア
ミノオキシ基、ジエチルアミノオキシ基のようなアミノ
オキシ基;メチルカルボニルメチルアミノ基のようなア
ミド基;イソシアネート基;水酸基および塩素原子から
選ばれる基または原子である。
【0041】以上の(方法1A)および(方法1B)の
混練り工程においては、シリコーンゴムの架橋反応の進
行に伴って練りトルクが上昇するが、練りトルクが一定
になるまで混練りすることが必要である。これにより、
シリコーンゴムが十分に粒径の小さい状態に分割される
と共に架橋反応が十分に進行するため、生成する架橋ゴ
ム粒子(A)が確実に目的とする性状のもの、すなわち
トルエン不溶分が30重量%以上であって数平均粒子径
が20μm以下のものとすることができる。一方、混練
りが十分になされない場合には、生成される架橋ゴム粒
子が十分に小さくならないため、目的とする性状のもの
を生成させることが困難となる。なお、混練りに際して
は、通常の充填剤、加工助剤などの第三成分を工程前に
あるいは混練り工程の最中に添加することができる。
【0042】上記の〔方法2〕に用いられる架橋ゴム粒
子(A)を製造するための具体的手段としては、次の方
法を挙げることができる。 (方法2A) 未架橋のシリコーンゴムをシリコーンゴ
ム用架橋剤により架橋させて架橋シリコーンゴムを製造
し、これをボールミルなどで低温あるいは常温で機械的
に粉砕する方法。ここに、シリコーンゴム用架橋剤とし
ては、上記の(方法1A)に示したものを用いることが
できる。
【0043】(方法2B) シラノール基を有する未架
橋のシリコーンゴムに、加水分解してシラノール基と縮
合反応する架橋性成分を、当該反応のための触媒と共に
加え、シリコーンゴムを加水分解・縮合反応させて架橋
シリコーンゴムを製造し、これをボールミルなどで低温
あるいは常温で機械的に粉砕する方法。ここに、架橋性
成分および触媒としては、上記の(方法1B)に示した
ものを用いることができる。 (方法2C) 数平均粒子径が20μm以下の未架橋の
シリコーンゴム粒子よりなるラテックスを製造し、この
ラテックス状態のまま、過酸化物あるいは電子線で処理
してシリコーンゴムを架橋して架橋ゴム粒子(A)を得
る方法。
【0044】上記(方法2C)において、未架橋のシリ
コーンゴム粒子よりなるラテックスは、未架橋のシリコ
ーンゴムをトルエン、ヘキサンなどの溶媒に溶解して得
られる溶液を、乳化剤を分散させた水中で乳化してエマ
ルジョンとし、このエマルジョンから溶媒を除去するこ
とにより製造することができる。エマルジョンを得るた
めには、高速攪拌羽根を有するホモミキサーあるいは高
速パイプ乳化機等を用いる方法、その他の公知の方法を
使用することができる。
【0045】また、上記のラテックスを製造するため
に、未架橋のシリコーンゴムを、多軸スクリュー押し出
し機を用いて、有機溶剤、乳化剤および20重量%以下
程度の水と共に処理する方法を採用することもできる。
更に、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環
状シロキサンオリゴマーと多官能アルコキシシランなど
のゲル化剤とを公知のアニオン系またはカチオン系界面
活性剤を用い、酸またはアルカリ性のシロキサン重合触
媒の存在下で乳化重合することによりシリコーンゴムラ
テックスを得ることもできる。
【0046】以上のラテックスの製造方法においては、
いずれの場合にも、乳化助剤として部分ケン化ポリビニ
ルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性ポ
リエチレンワックスなどを添加することにより、安定し
たラテックスを得ることができる。
【0047】上記の〔方法3〕の具体的手段としては、
通常のオルガノシロキサンと、エチレン性不飽和基を含
む原子団およびアルコキシシリル基を共に有するグラフ
ト交叉剤とを、触媒の存在下に重縮合させ、これによっ
て得られる変性シリコーンゴムエマルジョンに、未架橋
有機ゴム(C)のための単量体を、重合開始剤を用いて
グラフト重合させることによって得る方法を挙げること
ができる。
【0048】以上、第1の未架橋ゴムとしてシリコーン
ゴムを用い、第2の未架橋ゴムとしてラジカル重合性ゴ
ムを用いる場合を例として説明したが、他の種類のゴム
の組合せの場合にも、同様にしてゴム混合物を得ること
ができる。
【0049】以上のようなゴム混合物の未架橋有機ゴム
(C)中に分散される導電性付与物質(B)としては、
電子伝導性により導電性を与える物質の粉末あるいは繊
維状体を用いることができる。具体的には、一般的なカ
ーボンブラック、グラファイト系の粉末あるいはそれら
の単繊維、銅、ニッケル、銀等の導電性金属粉あるいは
それらの繊維状物質、酸化スズ、酸化チタン、酸化イン
ジウム等の導電性金属酸化物、各種のフィラー材の単位
体の表面に金属メッキを施して導電性を付与した物質、
ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の有機
導電性物質の微粉末、その他を挙げることができる。こ
れらの導電性付与物質(B)は単独で、または2種以上
を併用することができる。
【0050】以上の導電性付与物質(B)のうち好まし
いものはカーボンブラックであり、その具体例として
は、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャン
ネルブラック、アセチレンブラックなどがあるが、これ
らのうち、特に導電性が高い点でケッチェンブラックが
好ましく用いられる。
【0051】以上の導電性付与物質(B)を、上記の
〔方法1〕〜〔方法3〕によって得られる、架橋ゴム粒
子(A)が未架橋有機ゴム(C)中に分散含有されてな
るゴム混合物と共に、例えば、通常のオープンロールあ
るいは密閉式混練り機を使用して練りトルクが一定とな
るまで混練りすることにより、導電性付与物質(B)が
架橋ゴム粒子(A)と共に未架橋有機ゴム(C)中に分
散含有されてなる本発明の導電性ゴム組成物が得られ
る。
【0052】導電性付与物質(B)としては、本発明の
導電性ゴム組成物の特性を損なわない範囲において、上
記の電子伝導機構による導電性付与物質と共に、イオン
伝導機構による導電性付与物質を併用してもよい。イオ
ン伝導機構による導電性付与物質としては、リチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の周期律表第I族の金
属塩、例えばLiCF3 SO3 、NaClO4 、LiC
lO4 、LiAsF6 、LiBF4 、NaSCN、KS
CN、NaCl等、あるいは第4級アンモニウム塩等の
電解質、カルシウム塩、バリウム塩等の周期律表第II族
の金属塩、例えばCa(ClO4 2 等、並びに、これ
らと、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール等の多価アルコール若しくはそれら
の誘導体等との錯体、またはエチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル
等のモノオールとの錯体を挙げることができる。
【0053】本発明の導電性ゴム組成物には、特性を損
なわない範囲において、通常のゴム組成物において使用
されている各種の添加剤を副資材として配合することが
できる。このような添加剤としては、例えば充填材、可
塑剤、軟化剤、滑剤、金属酸化物、老化防止剤等を挙げ
ることができる。
【0054】充填材としては、例えばフュームドシリ
カ、湿式シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、亜鉛華、塩
基性炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽
微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特
殊炭酸カルシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイ
ロフライトクレー、シラン処理クレー、カオリン、セリ
サイト、微粉タルク、ウォラストナイト、ゼオライト、
ゾーノトナイト、PMF(Processed Mineral Fiber 加
工鉱物繊維)、セピオライト、炭酸カリウム、エレスタ
ダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイ
ドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、
カーボン系バルン、フェノール樹脂、尿素樹脂、スチレ
ン系樹脂、サラン樹脂等の有機系バルン、アルミナ、ケ
イ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタ
ン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、マイカ、アスベスト、ガラス繊
維、炭酸繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、再生ゴム粉末、エボナイト粉末、有機補強剤、
有機充填剤等を挙げることができる。これらの充填材は
単独で、または2種以上を併用することができる。充填
材の配合量は、架橋ゴム粒子(A)と未架橋有機ゴム
(C)の合計100重量部に対して、通常、5〜400
重量部であり、好ましくは10〜300重量部である。
【0055】可塑剤としては、例えばフタル酸系、イソ
フタル酸系、テトラヒドロフタル酸系、アジピン酸系、
アゼライン酸系、セバシン酸系、ドデカン−2−酸系、
マレイン酸系、フマル酸系、トリメリット酸系、クエン
酸系、イタコン酸系、リシノール酸系、ステアリン酸
系、ポリエーテル系、ポリエステル系、フォスフェート
系、グリコール系、エポキシ系、エーテル−エステル系
等の各種の可塑剤を挙げることができる。これらの可塑
剤は、単独であるいは2種以上を併用することができ
る。
【0056】軟化剤としては、例えばアロマティック
系、ナフテン系、パラフィン系等の石油系軟化剤;ひま
し油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム
油、やし油、落花生油、木ろう油等の植物系軟化剤;黒
サブ、白サブ、飴サブ等を挙げることができる。これら
の軟化剤は、単独でまたは2種以上を併用することがで
きる。
【0057】滑剤としては、例えばステアリン酸、オレ
イン酸、ラウリル酸、ジブチルアンモニウムオレート、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム等を挙げること
ができる。これらの滑剤は、単独でまたは2種以上を併
用することができる。
【0058】金属酸化物としては、例えば亜鉛華、活性
亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合
活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一
酸化鉛、鉛丹、鉛白等を挙げることができる。これらの
金属酸化物は、単独でまたは2種以上を併用することが
できる。
【0059】老化防止剤としては、例えばナフチルアミ
ン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン
系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ−、ビス
−、トリス−またはポリ−フェノール系、チオビスフェ
ノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル
系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩
系、リン酸系等の老化防止剤を挙げることができる。こ
れらの老化防止剤は、単独でまたは2種以上を併用する
ことができる。
【0060】以上の各種の添加剤の他、着色剤、紫外線
吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、発泡剤、発泡助剤、ス
コーチ防止剤、粘着付与剤、活性剤、奪水剤、ワック
ス、光安定剤、カップリング剤、離型剤、抗菌剤、素練
り促進剤等を配合することもできる。
【0061】以上のような配合剤は、必要に応じて、本
発明の導電性ゴム組成物を製造する工程において添加し
てもよいし、導電性ゴム組成物を製造した後において、
未架橋有機ゴム(C)のための架橋剤を添加して架橋可
能なゴム組成物を製造する工程において添加してもよ
い。これらの配合剤および架橋剤の添加は、ゴム組成物
と共に、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの
通常の混練り機により混練りすればよい。
【0062】以上のようにして得られる導電性ゴム組成
物に未架橋有機ゴム(C)のための架橋剤が添加される
ことにより、架橋可能なゴム組成物が得られる。この架
橋可能なゴム組成物は、成形された後、架橋処理(加硫
処理)により、未架橋有機ゴム(C)が架橋されて製品
としての導電性ゴムが作製される。
【0063】未架橋有機ゴム(C)のための架橋剤(加
硫剤)としては、例えば硫黄系加硫剤、有機過酸化物、
キノイド加硫剤、樹脂加硫剤、金属酸化物加硫剤、含硫
黄有機化合物、アミン加硫剤、トリアジン加硫剤、ポリ
オール加硫剤、金属石けん加硫剤、マレイミド系加硫剤
等から、未架橋有機ゴム(C)として用いられるゴムの
種類に応じて適宜のものが選択して使用される。また、
必要に応じて、架橋促進剤、架橋助剤、促進助剤、架橋
遅延剤等が併用される。
【0064】硫黄系加硫剤としては、例えば粉末硫黄、
硫黄華、高分散性硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、表面処
理硫黄、コロイド硫黄、塩化硫黄、一塩化硫黄、二塩化
硫黄等を挙げることができる。これらの硫黄系加硫剤
は、単独でまたは2種以上を併用することができる。
【0065】架橋剤として硫黄系加硫剤を使用する場合
には加硫促進剤を併用することができる。この加硫促進
剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミン、アセト
アルデヒドアンモニア等のアルデヒドアンモニア類;n
−ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒ
ド−モノブチルアミン縮合物、ヘプトアルデヒド−アニ
リン反応生成物、トリクロトニリデンテトラミン等のア
ルデヒドアミン類;ジフェニルグアニジン、ジ−o−ト
リルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジカテコー
ルホウ酸のジオルトトリルグアニジン塩等のグアニジン
塩類;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン
類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト
チアゾリン、ジベンゾチアゾールジスルフィド、2−メ
ルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベ
ンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾ
チアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−
ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,
N′−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾー
ル、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾー
ル、4−モルホニル−2−ベンゾチアジルジスルフィド
等のチアゾール類;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエ
チレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N
−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミ
ド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド等のスルフェンアミド類;チオカルバミド、
エチレンチオ尿素(2−メルカプトイミダゾリン)、ジ
エチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、混合アルキルチオ
尿素、トリメチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素等のチ
オ尿素類;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ
エチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチル
カルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸
鉛、ジアミルジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカ
ルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ
エチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜
鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチ
ルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカ
ルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレ
ン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチ
オカルバミン酸カドミウム、ジメチルジチオカルバミン
酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ピペリジン、メチル
ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペコリン、活性化
ジチオカルバメート等のジチオカルバミン酸塩類;テト
ラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、活性テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、N,N′−ジメチル−N,N′−ジフェニルチウラ
ムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィ
ド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、混合
アルキルチウラムジスルフィド等のチウラム類;イソプ
ロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサン
トゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテー
ト類;4,4′−ジチオモルホリン、アミノジアルキル
ジチオホスフェート、亜鉛−o,o−n−ブチルホスホ
ロジチオエート、3−メルカプトイミダゾリン−チオン
−2、チオグリコール酸エステル等を挙げることができ
る。これらの加硫促進剤は、単独でまたは2種以上を併
用することができる。
【0066】有機過酸化物架橋剤としては、例えば1,
1−ジ第三ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、ジ第三ブチルパーオキサイド、第三ブ
チルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブ
チルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(第三ブチル
パーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、第三ブチルパー
オキシ−イソプロピルカーボネート、アセチルシクロヘ
キシルスルフォニルパーオキサイド、イソブチルパーオ
キサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジアリルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオ
キシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パー
オキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パー
オキシジカーボネート、第三ヘキシルパーオキシネオヘ
キサネート、ジ(3−メチル−3−メチロキシブチル)
パーオキシジカーボネート、第三ブチルパーオキシネオ
デカネート、第三ヘキシルパーオキシネオデカネート、
第三ブチルパーオキシネオヘキサネート、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、第三ヘキシルパーオキ
シピバレート、第三ブチルパーオキシピバレート、3,
3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オク
タノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクテー
ト、アセチルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシ
(2−エチルヘキサネート)、ベンゾイルパーオキサイ
ド、第三ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビ
ス(第三ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、第三ブチ
ルパーオキシマレイックアシッド、第三ブチルパーオキ
シラウレート、第三ブチルパーオキシ−3,3,5−ト
リメチルヘキサネート、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、第三ブチルパーオキシアリルカーボネート、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン、2,2−ビス(第三ブチルパーオキシ)オクタ
ン、第三ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス
(第三ブチルパーオキシ)ブタン、第三ブチルパーオキ
シベンゾエート、ブチル−4,4−ビス(第三ブチルパ
ーオキシ)バレレート、ジ第三ブチルジパーオキシイソ
フタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、α,
α′−ビス(第三ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)シクロヘキサン、α,α′−ビス(第三ブチルパー
オキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジイソプロピル
ベンゼン−ヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロ
パーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル
ヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオ
キサイド、第三ブチルヒドロパーオキサイド等を挙げる
ことができる。これらの有機過酸化物は、単独でまたは
2種以上を併用することができる。
【0067】また、有機過酸化物架橋剤を使用する場合
には、共架橋剤を併用することもできる。この共架橋剤
としては、例えば硫黄、p−キノンジオキシム、p−ベ
ンゾキノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノン
ジオキシム、N,N′−m−フェニレンジマレイミド、
N−メチル−N′−4−ジニトロアニリン、ジペンタメ
チレンチウラムペンタスルフィド、ジニトロベンゼン、
ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、トリアジンチオール、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジアリルメラミン、ジビニルアジペート、ビニルブチラ
ート、ビニルステアレート、液状ポリブタジエンゴム、
液状ポリイソプレンゴム、液状スチレン−ブタジエンゴ
ム、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、(メタ)
アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウ
ム、(メタ)アクリル酸アルミニウム、(メタ)アクリ
ル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸第一錫、(メタ)アクリ
ル酸マグネシウム等を挙げることができる。これらの共
架橋剤は、単独でまたは2種以上を併用することができ
る。
【0068】キノイド加硫剤としては、例えばp−キノ
ンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシ
ム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニ
トロベンゼン等を挙げることができる。これらのキノイ
ド加硫剤は、単独でまたは2種以上を併用することがで
きる。
【0069】樹脂加硫剤としては、例えばアルキルフェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアル
デヒド縮合物、トリアジン−ホルムアルデヒド縮合物、
オクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アルキル
フェノール−スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル−
メラミン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂加
硫剤は、単独でまたは2種以上を併用することができ
る。
【0070】金属酸化物加硫剤としては、酸化亜鉛、酸
化マグネシウム、一酸化鉛等を挙げることができる。こ
れらの金属酸化物加硫剤は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。
【0071】含硫黄有機加硫剤としては、例えばモルホ
リンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、
N,N′−ジチオ−ビスヘキサヒドロ−2H−アゼピノ
ン−2)、チウラムポリスルフィド、2−(4′−モル
ホリノジチオ)ベンゾチアゾール等を挙げることができ
る。これらの含硫黄有機加硫剤は、単独でまたは2種以
上を併用することができる。
【0072】ポリアミン系加硫剤としては、例えばヘキ
サメチレンジアミンカルバメート、ヘキサメチレンジア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミ
ン)カルバメート、N,N′−ジシンナミリデン−1,
6−ヘキサジアミン、アンモニウムベンゾエート等が挙
げられる。これらのポリアミン系加硫剤は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。
【0073】トリアジン系加硫剤としては、例えば2,
4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−ジ−n
−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジ
ン等を挙げることができる。これらのトリアジン系加硫
剤は、単独でまたは2種以上を併用することができる。
ポリオール加硫剤としては、例えばビスフェノールA、
ビスフェノールAF、ハイドロキノン、ペンタエリスリ
トール等を挙げることができる。これらのポリオール系
加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、マレイミド系加硫剤としては、例え
ばN,N′−m−フェニレンジマレイミド等を挙げるこ
とができる。
【0074】本発明の架橋可能なゴム組成物を架橋処理
(加硫処理)するためには、通常行われている加熱加圧
加硫法(プレス加硫法)、紫外線架橋法、放射線架橋
法、インジェクション架橋法、高周波架橋法等を利用す
ることができる。そして、例えば加熱加圧架橋法の場合
には、80〜200℃の温度で数分間〜3時間、20〜
200kg/cm2 の加圧下で一次加硫を行い、更に必
要に応じて80〜200℃の温度で1〜48時間、二次
加硫することにより導電性ゴムよりなるゴム製品が得ら
れる。
【0075】本発明の導電性ゴム組成物から得られる導
電性ゴムは、電子写真プロセス、静電記録プロセス等に
よるプリンターや複写機で使用される、例えばトナー搬
送用ロール、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、ク
リーニングロールなどのゴム素材として好適に用いるこ
とができる。更に、本発明の導電性ゴム組成物から得ら
れる導電性ゴムは、各種の情報機器用部品、事務機器用
部品、電化製品用部品等における導電部材としても好適
に用いることができる。
【0076】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】実施例1〜4 (1)未架橋のシリコーンゴム ケイ素原子に結合した有機基の1モル%がビニル基であ
り、その他がメチル基である、平均重合度が5500の
直鎖状ポリメチルビニルシロキサン (2)導電性付与物質(B) ケッチェンブラック「EC600JD」(ライオン社
製) (3)未架橋有機ゴム(C) アクリルゴム「AREX100」(日本合成ゴム社製) このアクリルゴムは、炭素−炭素二重結合を側鎖に有す
るものである。
【0078】(4)シリコーンゴム用架橋剤 末端がトリメチルシリル基で封鎖され、平均20個のメ
チルハイドロジェンシロキサン単位からなる直鎖状ポリ
メチルハイドロジェンシロキサン (5)副資材 白金系触媒:塩化白金酸6水和物の0.5%水溶液 有機過酸化物:α,α′−ビス(第三ブチルパーオキシ
−m−イソプロピル)ベンゼン 共架橋剤:N,N′−m−フェニレンジマレイミド 架橋遅延剤:N−ニトロソジフェニルアミン
【0079】下記の表1に示す配合割合に従って、未架
橋のシリコーンゴム、未架橋有機ゴム(C)およびシリ
コーンゴム用架橋剤を、温度70〜120℃、回転数6
0rpmに設定されたゴムミキサー内に順次投入し、練
りトルクが一定となるまで混練りし、その時点で白金系
触媒水溶液およびステアリン酸を加え、更に練りトルク
が一定になるまで約80分間混練りしてゴム混合物を製
造した。そして、このゴム混合物に、導電性付与物質
(B)を添加して更に練りトルクが一定となるまで混練
りし、その後ゴムミキサーから排出して、合計4種の本
発明の導電性ゴム組成物を製造した。
【0080】得られた導電性ゴム組成物は、ポリメチル
ビニルシロキサンがポリメチルハイドロジェンシロキサ
ンにより縮合して架橋シリコーンゴムよりなる架橋ゴム
粒子(A)が、アクリルゴムよりなる未架橋有機ゴム
(C)中に粒子状に分散された状態のものであった。
【0081】上記の導電性ゴム組成物の各々に、下記表
1に示す配合でアクリルゴム用架橋剤をオープンロール
を用いて混練りして架橋可能なゴム組成物を製造した。
そして、この架橋可能なゴム組成物を、電熱プレス機を
用いて170℃で20分間加熱して加硫処理することに
より、導電性ゴムよりなる加硫シートを作製した。
【0082】比較例1 ゴム成分として、未架橋有機ゴム(C)のみを用い、表
1に示す配合割合に従って導電性付与剤および副資材と
共に練りトルクが一定になるまで混練りして比較用ゴム
組成物を調製し、これを用いて実施例1〜4と同様にし
て加硫シートを作製した。
【0083】比較例2 ゴム成分として、ミラブル型シリコーンゴム「KE87
51−U」(信越化学社製)と未架橋有機ゴム(C)と
を用い、表1に示す配合割合に従って導電性付与剤およ
び副資材と共に練りトルクが一定になるまで混練りして
比較用ゴム組成物を調製し、これを用いて実施例1〜4
と同様にして加硫シートを作製した。
【0084】
【表1】
【0085】以上のようにして得られた加硫シートの各
々について、架橋ゴム粒子(A)のトルエン不溶分およ
び数平均粒子径を求めた。結果を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】上記の加硫シートを試料とし、その各々に
ついて、下記の特性を測定した。 <体積固有抵抗>JIS6911に基づき、体積固有抵
抗環境依存性測定装置(アイランド工業社製)を用い
て、温度25℃、相対湿度50%の条件で測定した。 <体積固有抵抗環境依存性>JIS6911に基づき、
体積固有抵抗環境依存性測定装置(アイランド工業社
製)を用い、温度15℃、相対湿度10%の低温低湿度
条件と、温度30℃、相対湿度85%の高温高湿度条件
でそれぞれ測定した体積固有抵抗値の差の絶対値を「体
積固有抵抗環境依存性」として求めた。
【0088】<体積固有抵抗の位置ばらつき>一辺の大
きさが100mmの正方形で厚み2mmの加硫シートを
縦横各々25mmの部分に16分割し、体積固有抵抗値
測定器「ハイレスタIP」(ダイアンインスルメンツ社
製)を用いて各部分の体積固有抵抗値を測定し、得られ
た16点の標準偏差を位置ばらつきとして求めた。 <硬度>JIS K6301に準拠して測定した。(J
IS−A) <圧縮永久歪試験>JIS K6301に準拠して、温
度70℃、時間22時間で測定した。
【0089】<導電性付与剤の分散状態>得られた試料
をミクロトームを用いて切断し、透過型電子顕微鏡を用
いてその切断面を観察してカーボンブラックの分散状態
を調べた。評価結果を表3に示す。
【0090】
【表3】
【0091】実施例5 表4に示す処方に従って、未架橋のアクリルゴム「AR
EX411」(日本合成ゴム社製)、エチレンプロピレ
ンゴム「EP21」(日本合成ゴム社製)および副資材
を、温度70〜120℃、回転数60rpmに設定され
たゴムミキサー内に順次投入し、練りトルクが一定にな
るまで混練りし、その時点で粒子用架橋剤である有機過
酸化物1,1−ジ−ターシャリブチルパーオキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン「トリゴノックス2
9/40」(化薬ヌーリー社製)を加えてさらに混練り
し、練りトルクが一定になるまで約80分間間混練りし
てゴム組成物を製造した。このゴム組成物に、実施例1
〜4と同様の導電性付与物質(B)を添加してさらに練
りトルクが一定になるまで混練りし、その後ミキサーか
ら排出して、本発明の導電性ゴム組成物を製造した。得
られた導電性ゴム組成物は、エチレンプロピレンゴムが
有機過酸化物により架橋した架橋エチレンプロピレンゴ
ムからなる架橋ゴム粒子(A)が、アクリルゴムよりな
る未架橋有機ゴム(C)中に分散された状態のものであ
った。
【0092】実施例6 表4に示す処方に従って、未架橋の1,3−ブタジエン
からなる水素添加率が97%のブタジエンゴム(日本合
成ゴム社製)、ヒドリンゴム「エピクロマーH」(大阪
曹達社製)および副資材を、温度70〜120℃、回転
数60rpmに設定されたゴムミキサー内に順次投入
し、練りトルクが一定になるまで混練りし、その時点で
粒子用架橋剤の硫黄と加硫促進剤「NA−22」を加え
てさらに混練りし、練りトルクが一定になるまで約80
分間間混練りしてゴム組成物を製造した。このゴム組成
物に、導電性付与物質(B)を添加してさらに練りトル
クが一定になるまで混練りし、その後ミキサーから排出
して、本発明の導電性ゴム組成物を製造した。得られた
導電性ゴム組成物は、ブタジエンゴムが硫黄により架橋
した架橋ブタジエンゴムからなる架橋ゴム粒子(A)
が、ヒドリンゴムよりなる未架橋有機ゴム(C)中に分
散された状態のものであった。
【0093】以上の実施例5および6で得られた導電性
ゴム組成物の各々に、表4に示す配合でアクリルゴム用
架橋剤をオープンロールを用いて混練りして架橋可能な
ゴム組成物を製造した。そして、この架橋可能なゴム組
成物を、電熱プレス機を用いて170℃で20分間加熱
して加硫処理することにより、導電性ゴムよりなる加硫
シートを作製した。さらに、得られた加硫シートの各々
について、架橋ゴム粒子(A)のトルエン不溶分および
数平均粒子径を求めた。結果を表5に示す。
【0094】比較例3 表4に示す処方に従って、未架橋のアクリルゴム「AR
EX411」、エチレンプロピレンゴム「EP21」お
よび副資材を、温度70〜120℃、回転数60rpm
に設定されたゴムミキサー内に順次投入し、練りトルク
が一定になるまで混練りし、その時点で導電性付与物質
(B)を添加してさらに練りトルクが一定になるまで混
練りし、その後ミキサーから排出した。次に、表4に示
す配合で架橋剤をオープンロールを用いて混練りした
後、実施例1と同様の条件で、比較用の導電性ゴム組成
物を製造した。そして、この架橋可能なゴム組成物を、
実施例5および6と同様にして加硫処理することによ
り、導電性ゴムよりなる加硫シートを作製した。さら
に、得られた加硫シートの各々について、架橋ゴム粒子
のトルエン不溶分および数平均粒子径を求めた。結果を
表5に示す。
【0095】比較例4 表4に示す処方に従って、未架橋の1,3−ブタジエン
からなる水素添加率が97%のブタジエンゴム、ヒドリ
ンゴム「エピクロマーH」、ステアリン酸および酸化亜
鉛を、温度70〜120℃、回転数60rpmに設定さ
れたゴムミキサー内に順次投入し、練りトルクが一定に
なるまで混練りし、その時点で導電性付与物質(B)を
添加してさらに練りトルクが一定になるまで混練りし、
その後ミキサーから排出した。次に、表4に示す配合で
架橋剤をオープンロールを用いて混練りした後、実施例
1と同様の条件でて、比較用の導電性ゴム組成物を製造
した。そして、この架橋可能なゴム組成物を、実施例5
および6と同様にして加硫処理することにより、導電性
ゴムよりなる加硫シートを作製した。さらに、得られた
加硫シートの各々について、架橋ゴム粒子のトルエン不
溶分および数平均粒子径を求めた。結果を表5に示す。
【0096】以上において用いられた副資材の内容は次
のとおりである。 「ノクセラーDM」:ジベンゾチアジルジスルフィド 「ノクラックCD」:4,4’(α,α−ジメチルベン
ジル)ジフェニルアミン 「イルガノックス1010」:テトラキス(メチレン−
3−(3’−5’−ジ−ターシャリ−4’ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート)メタン 「ノクラックB」:ジフェニルアミンとアセトンの高温
反応生成物 「ノクラックMBC」:ジメチルジチオカルバミン酸ニ
ッケル
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】表3の結果から理解されるように、本発明
の導電性ゴム組成物から得られる導電性ゴムは、硬度が
低くて圧縮永久歪みが小さく、また製品が均一な電気的
性質を有していてしかも環境の変化に対しても十分に安
定した導電性を有するものである。従って、当該導電性
ゴムは、電子写真法、静電記録法等によるプリンターに
おけるトナー搬送用ロール、帯電ロール、現像ロール、
転写ロール、クリーニングロール等の被処理物を電気的
な作用によって処理するためのロール、その他の部材の
ゴム素材として好適である。特に本発明の導電性ゴム組
成物は、従来のものに比較して、少ない量の導電付与剤
によって十分に高い導電性が発現される点、硬度が低い
点、圧縮永久歪みが小さい点、同じ体積固有抵抗で同じ
硬度の導電性ゴムを得る場合に、可塑剤が不要であるか
その添加量を減少させることができるためにブリードア
ウトが抑制される点、体積固有抵抗の環境依存性が小さ
い点、および体積固有抵抗の位置ばらつきが小さい点で
優れたものである。
【0101】
【発明の効果】本発明の導電性ゴム組成物は、トルエン
不溶分が30重量%以上である架橋ゴムからなる数平均
粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒子と、導電性付与物
質とが、架橋ゴム粒子を構成するものとは異なる種類の
未架橋有機ゴム中に分散含有されているため、硬度が低
くて圧縮永久歪みが小さく、感光体等を汚染するような
ブリードアウトを生じることなく、また全体の電気的性
質が均一である上、環境の変化に対しても安定した導電
性を有する導電性ゴムを得ることができる。
【0102】本発明の導電性ゴム組成物の製造方法は、
架橋機構が異なる第1の未架橋ゴムおよび第2の未架橋
ゴムを、第1の未架橋ゴムのみを選択的に架橋する架橋
剤の存在下で練りトルクが一定になるまで混練りし、こ
の状態で当該第1の未架橋ゴムの架橋反応を行うことに
より、トルエン不溶分が30重量%以上である架橋ゴム
からなる数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒子が
未架橋有機ゴム中に分散含有されてなる上記の導電性ゴ
ム組成物を有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/04 C08L 83/04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルエン不溶分が30重量%以上の架橋
    ゴムからなる数平均粒子径が20μm以下の架橋ゴム粒
    子(A)と、導電性付与物質(B)とが、前記架橋ゴム
    粒子(A)を構成するものとは異なる種類の未架橋有機
    ゴム(C)中に分散含有されていることを特徴とする導
    電性ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 未架橋有機ゴム(C)のための架橋剤が
    含有されていることを特徴とする請求項1に記載の導電
    性ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 架橋機構が異なる第1の未架橋ゴムおよ
    び第2の未架橋ゴムを、第1の未架橋ゴムのみを選択的
    に架橋する架橋剤の存在下で練りトルクが一定になるま
    で混練りし、この状態で当該第1の未架橋ゴムの架橋反
    応を行うことにより、トルエン不溶分が30重量%以上
    である架橋ゴムからなる数平均粒子径が20μm以下の
    架橋ゴム粒子(A)が前記第2の未架橋ゴムよりなる未
    架橋有機ゴム(C)中に分散含有されてなるゴム混合物
    を製造し、その後、このゴム混合物に導電性付与物質
    (B)を添加して混練りすることを特徴とする導電性ゴ
    ム組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の未架橋ゴムがシリコーンゴムであ
    り、第2の未架橋ゴムがアクリルゴムであることを特徴
    とする請求項3に記載の導電性ゴム組成物の製造方法。
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