JP2000117918A - 屋外使用に適した熱線反射フィルムおよびそれからなる積層体 - Google Patents

屋外使用に適した熱線反射フィルムおよびそれからなる積層体

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JP2000117918A
JP2000117918A JP10295275A JP29527598A JP2000117918A JP 2000117918 A JP2000117918 A JP 2000117918A JP 10295275 A JP10295275 A JP 10295275A JP 29527598 A JP29527598 A JP 29527598A JP 2000117918 A JP2000117918 A JP 2000117918A
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Kiminori Nishiyama
公典 西山
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性に優れ、かつ優れた屋外で使用しても
高い熱線反射性能が維持できる熱線反射フィルムおよび
それからなる積層体を提供する。 【解決手段】 1.耐候性を有する二軸配向ポリエステ
ルフィルムを基材(A)とし、該基材の少なくとも片面
に熱線反射層(B)および表面保護層(C)を設けた積
層フィルムであって、該積層フィルムの可視光線透過率
が50%以上、近赤外線反射率が50%以上、かつヘー
ズ値が5%以下であることを特徴とする屋外使用に適し
た熱線反射フィルム。 2.上記熱線反射フィルムの表面保護層(C)を設けた
面と反対の最表面に粘着剤層を設け、さらにその上に離
形フィルムを積層した積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外使用に適した
熱線反射フィルムおよびそれからなる積層体に関し、さ
らに詳しくは耐候性に優れ、例えば建物の屋外の窓や自
動車窓など長期間太陽光にさらされる設備に貼り合せ、
熱線反射効果を付与する熱線反射フィルムおよびそれに
粘着剤層を設けた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱線反射フィルムは、一般に透明なポリ
エステルフィルムを基材とし、金、銀、銅等からなる金
属薄膜層を高屈折率の透明誘電体層で挟んだ構造をとる
積層体であり、可視光線は通すが、近赤外部から赤外部
にかけての光線を良く反射する特性を有している。さら
に金属層が低抵抗で導電性を持つことから電磁波または
電界波のシールド特性も同時に有する。
【0003】この熱線反射効果を生かし、熱線反射フィ
ルムは高温作業における監視窓からの熱輻射を低減した
り、建物、自動車または電車等の乗物用窓から入射する
太陽エネルギーを遮断して冷暖房効果を向上させたり、
透明植物容器の熱遮蔽性を向上させたり、あるいは冷凍
冷蔵ショーケースにおける保冷効果を向上させたりする
用途に用いられている。また、低表面抵抗の特徴を生か
し電子機器の電磁波シールド材として、CRT(陰極線
管)や液晶表示窓などに熱線反射フィルムを貼り付ける
ことで電磁波シールド性用途としても利用される。さら
に、これらの熱線反射フィルムは、透明開口部のガラス
板に粘着剤を介して貼り付けることにより、ガラス板が
破損した場合のガラス飛散防止効果を付与することもで
きる。
【0004】近年熱線反射フィルムには非常に高い熱線
反射性能が要求されているが、例えば熱線反射フィルム
を建物の窓ガラスの室内側に貼り合せる場合、熱線反射
フィルムで反射した光線により窓ガラスが熱を吸収し温
度が上昇するため、結果的に熱線反射性能が低下する問
題がある。
【0005】これを解決するには、熱線反射フィルムを
窓ガラスの室外側に貼り合せる方法があるが、熱線反射
フィルムを長時間太陽光にさらすと、基材が劣化する問
題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題を解消し、耐候性に優れ、かつ優れた屋外で使用
しても高い熱線反射性能が維持できる熱線反射フィルム
およびそれからなる積層体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の2つの
構成からなる。 1.耐候性を有する二軸配向ポリエステルフィルムを基
材(A)とし、該基材の少なくとも片面に熱線反射層
(B)および表面保護層(C)を設けた積層フィルムで
あって、該積層フィルムの可視光線透過率が50%以
上、近赤外線反射率が50%以上、かつヘーズ値が5%
以下であることを特徴とする屋外使用に適した熱線反射
フィルム。 2.上記熱線反射フィルムの表面保護層(C)を設けた
面と反対の最表面に粘着剤層を設け、さらにその上に離
形フィルムを積層した積層体。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0008】[ポリエステルフィルム]本発明における
二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル
は、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジ
オール又はそのエステル形成性誘導体とから製造される
結晶性の線状飽和ポリエステルであり、具体的には、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート)などが好ましく例示さ
れ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレートが特に好ましく例示される。
【0009】また、これらの一部が他成分に置換された
共重合体や、ポリアルキレングリコール或は他の樹脂と
の混合体であっても良い。
【0010】さらに、上記ポリエステルには種々の添加
剤を配合することもできる。例えば、帯電防止剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどを含有させ
ることができる。
【0011】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、従来から知られている方法で製造できる。例え
ば上記ポリエステルを乾燥後溶融し、ダイ(例えばTダ
イ、Iダイ等)から冷却ドラム上に押出し冷却して未延
伸フィルムとし、該未延伸フィルムを二軸方向に延伸
し、更に熱固定することによって製造することができ
る。フイルムの厚みは、特に制限がないが、25〜25
0μmが好ましい。ポリエステルフィルムとしては滑剤
を含まないフィルムが透明性、表面平坦性の点で好まし
いが、表面粗さ制御のため滑剤、例えば炭酸カルシウ
ム、カオリン、シリカ等の如き無機微粒子、触媒残渣の
析出微粒子および/またはシリコーン、ポリスチレン架
橋体の如き有機微粒子等を含有させたフィルムであって
も良い。また本発明のポリエステルフィルム中に添加
剤、例えば安定剤、染料、および難燃剤などを所望によ
り含有させることができる。
【0012】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、本発明の熱線反射フィルムの基材層として機能
する。
【0013】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、耐候性を有することが必須要件であり、紫外線
吸収性化合物を含有するものであることが好ましい。紫
外線吸収性化合物については以下に詳述する。
【0014】[紫外線吸収性化合物]本発明における紫
外線吸収性化合物としては、従来公知のもの、例えばサ
リチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾト
リアゾール系化合物などを例示することができる。これ
らの中、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、あるいは式(1)または式(2)で
表わされるベンゾフェノン誘導体が特に好ましい。
【0015】
【化3】
【0016】(式(1)中、R1、R2は、それぞれ水素
原子、炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、ま
たは水酸基を表わす。ただし、R1、R2は互いに同一あ
るいは異なっていてもよい。R3〜R10は、それぞれ水
素原子または炭化水素基を表わす。ただし、R3〜R10
は互いに同一あるいは異なっていてもよい。)
【0017】
【化4】
【0018】(式(2)中、R1、R2は、それぞれ水素
原子、炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基、ま
たは水酸基を表わす。ただし、R1、R2は互いに同一あ
るいは異なっていてもよい。)
【0019】上記紫外線吸収性化合物のポリエステル中
への添加方法は特に限定されないが、ポリエステル重合
工程、フィルム製膜前の溶融工程での樹脂中への練込
み、二軸延伸フィルムへの含浸などを挙げることがで
き、特にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフ
ィルム製膜前の溶融工程での樹脂中への練込みが好まし
い。その際の紫外線吸収性化合物の練込みは、該化合物
粉体の直接添加法、マスターバッチ法などにより行うこ
とができる。
【0020】上記紫外線吸収性化合物のポリエステル中
の含有量は、0.1〜5重量%、さらに0.2〜3重量
%であることが、紫外線吸収性化合物の不足によるポリ
エステルフィルムの耐候性低下、紫外線吸収性化合物過
剰によるポリエステル重合度低下に起因する機械的特性
の劣化を防止するため好ましい。
【0021】[プライマー層]本発明の熱線反射フィル
ムは、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂およびビニル系樹脂変性ポリエステル樹脂の中から
選ばれた少なくとも1種類の樹脂、もしくはシランカッ
プリング剤の水溶液または水分散体を主成分とする組成
物からなるプライマー層を、表面保護層(C)と表面保
護層(C)と隣接する層の間に設けることが好ましい。
【0022】また、表面保護層(C)と隣接する層が基
材層(二軸配向ポリエステルフィルム層)である場合、
配向結晶化の完了前のポリエステルフィルムの表面保護
層(C)を設ける面に塗布した後、乾燥、延伸、熱固定
を施すことによりプライマー層を設けたものであること
が表面保護層(C)との接着性を向上させるために特に
好ましい。
【0023】このプライマー層を存在させず、ポリエス
テルフィルム上に後述の表面保護層(C)を直接設けた
場合、表面保護層(C)とポリエステルフィルムの接着
性が低く、その後の加工、さらには製品として使用され
る際、表面保護層(C)が脱落する可能性が高い。
【0024】プライマー層として用いるポリウレタン樹
脂としては、それを構成する成分として以下のような多
価ヒドロキシ化合物、多価イソシアネート化合物、鎖長
延長剤、架橋剤などを例示できる。すなわち、多価ヒド
ロキシ化合物としては、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテト
ラメチレングリコールのようなポリエーテル類、ポリエ
チレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペー
ト、ポリカプロラクトンのようなポリエステル類、ポリ
カーボネート類、アクリル系ポリオール、ひまし油など
を用いることができる。多価イソシアネート化合物とし
ては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを用い
ることができる。鎖長延長剤あるいは架橋剤の例として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレ
ンジアミン−ナトリウムアクリレート付加物、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン、水などを用いることができる。こ
れらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上選択し
て、常法の重縮合−架橋反応によりポリウレタン系樹脂
を合成する。
【0025】プライマー層として用いるポリエステル樹
脂としては、それを構成する成分として以下のような多
価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物を例示でき
る。すなわち、多価カルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、4,4’−ジフェ
ニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタ
ル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、無水
トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、トリメリット酸モノカリウム塩、およびそれらのエ
ステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒド
ロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、p−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エ
チレングリコール付加物、ビスフェノールA−1,2−
プロピレングリコール付加物、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロ
ールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチ
ロールプロピオン酸カリウムなどを用いることができ
る。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上選
択して、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合
成する。
【0026】プライマー層として用いるアクリル樹脂と
しては、アルキルアクリレートあるいはアルキルメタク
リレートを主要な成分とするものが好ましく、当該成分
が30〜90モル%であり、共重合可能でかつ官能基を
有するビニル単量体成分70〜10モル%を含有する水
溶性あるいは水分散性樹脂である。
【0027】アルキルアクリレート、アルキルメタクリ
レートのアルキル基の例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、
ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基などが挙
げられる。
【0028】アルキルアクリレートあるいはアルキルメ
タクリレートと共重合可能でかつ官能基を有するビニル
単量体は、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水性基
などの官能基を有するものであり、例えば官能基として
カルボキシル基またはその塩、酸無水物基、スルホン酸
基またはその塩、アミド基またはアルキロール化された
アミド基、アミノ基(置換アミノ基を含む)またはアル
キロール化されたアミノ基あるいはそれらの塩、水酸
基、エポキシ基などを有するものである。これらの中で
も特に好ましいものはカルボキシル基またはその塩、酸
無水物基、あるいはエポキシ基を有するビニル単量体で
ある。官能基はアクリル樹脂中に2種類以上存在させて
もよい。
【0029】具体的な化合物として以下に例示すると、
カルボキシル基またはその塩、酸無水物基を有する化合
物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、これらのカルボン酸のナトリウムなどとの
金属塩、アンモニウム塩あるいは無水マレイン酸などが
挙げられる。スルホン酸基またはその塩を有する化合物
としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、こ
れらのスルホン酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモ
ニウム塩などが挙げられる。アミド基あるいはアルキロ
ール化されたアミド基を有する化合物としては、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタ
クリルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウレイド
イソブチルビニルエーテル、ウレイドエチルアクリレー
トなどが挙げられる。アミノ基あるいはアルキロール化
されたアミノ基あるいはそれらの塩を有する化合物とし
ては、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミ
ノエチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエ
ーテル、2ーアミノブチルビニルエーテル、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビニ
ルエーテル、それらのアミノ基をメチロール化したも
の、ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなど
により4級化したものなどが挙げられる。水酸基を有す
る化合物としては、β−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、β−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキ
シヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリ
レート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、
ポリプロピレングリコールモノメタクリレートなどが挙
げられる、エポキシ基を有する化合物としては、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙
げられる。その他官能基を有する化合物として、ビニル
イソシアネート、アリルイソシアネートなどが挙げられ
る。さらに、エチレン、プロピレン、メチルペンテン、
ブタジエン、スチレン、αーメチルスチレンなどのオレ
フィン類や、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルトリアルコキシシラン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニ
ル、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、酢酸ビニル
などもビニル系単量体化合物として挙げられる。
【0030】プライマー層として用いるビニル系樹脂変
性ポリエステル樹脂は水溶性または水分散性樹脂であ
り、ポリエステルの水溶性または水分散性樹脂中におい
てビニル系樹脂を重合することによって合成できる。こ
のポリエステルを構成する成分としては、上述したもの
と同様の多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物お
よびこれらの化合物のエステル形成性誘導体を例示で
き、これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上選
択して、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合
成する。ビニル系樹脂を構成する成分としては、前述の
アクリル樹脂と同様のアルキルアクリレートあるいはア
ルキルメタクリレートと、官能基を有するビニル系単量
体化合物の1種あるいは2種以上を適宜用いることがで
きる。本発明のビニル系樹脂変性ポリエステル樹脂とし
て、特開平1−165633号公報に記載されている、
いわゆるアクリルグラフトポリエステルのような分子構
造を持つものも含まれる。
【0031】プライマー層として用いるシランカップリ
ング剤は、一般式YRSiX3で表わされる化合物であ
る。ここで、Yはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メ
ルカプト基等の如き有機官能基、Rはメチレン、エチレ
ン、プロピレン等の如きアルキレン基、Xはメトキシ
基、エトキシ基等の如き加水分解基及びアルキル基であ
る。具体的な化合物としては、例えばビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ―グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、N―β(アミノエチル)
―γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(ア
ミノエチル)―γ―アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を
挙げることができる。好ましいシランカップリング剤と
しては、水溶性又は水分散性を有するシランカップリン
グ剤である。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1
つ以上選択して使用するが、特に、エポキシ基含有シラ
ンカップリング剤とアミノ基含有シランカップリング剤
のように互いの官能基が反応しうる組合せのものを適量
併用することは、プライマー層の強度を向上させる意味
で好ましい使用形態の一つである。
【0032】前記シランカップリング剤と共にアルカリ
性無機微粒子を併用して架橋プライマー層を構成するこ
とも好ましい使用形態の一つである。使用されるアルカ
リ性無機微粒子としては、例えば酸化鉄ゾル、アルミナ
ゾル、酸化スズゾル、酸化ジルコニウムゾル、シリカゾ
ル等を挙げることができるが、特にアルミナゾル、シリ
カゾルが好ましい。就中シランカップリング剤の初期反
応性(ダイマー化、トリマー化等)を促進する点から、
シリカゾルが好ましい。
【0033】アルカリ性無機微粒子は表面積の大きい小
粒径のものが良く、平均粒径が1〜150nm、さらに
は2〜100nm、特に3〜50nmであるものが好ま
しい。平均粒径が150nmより大きくなると、表面積
が小さくなりすぎ、シランカップリング剤の反応促進作
用が低下し、かつ架橋プライマー層の表面が粗れるので
好ましくない。他方、平均粒径が1nmより小さくなる
と、表面積が大きすぎ、シランカップリング剤の反応制
御が困難となることがある。
【0034】アルカリ性無機微粒子の量は、シランカッ
プリング剤の量に対して、1〜50重量%、さらには2
〜20重量%であることが好ましい。この量が1重量%
未満であると、架橋反応が進まず、他方50重量%を超
えると塗布液の安定性に欠け、例えば無機微粒子の添加
後短時間で塗布液中に沈澱が発生することがある。
【0035】シランカップリング剤及びアルカリ性無機
微粒子を含有するプライマー塗布液、特に水性塗布液
は、そのpHを4.0〜7.0、好ましくは5.0〜
6.7に調整する。このpが4.0未満になると、無機
微粒子の触媒活性が失われ、他方7.0を超えると塗液
が不安定となり、沈澱が生じることがある。
【0036】このpHを調整する酸としては塩酸、硝
酸、硫酸等の無機酸や蓚酸、蟻酸、クエン酸、酢酸等の
有機酸が用いられるが、特に有機酸が好ましい。
【0037】かかるプライマー塗布液、特に水性液に
は、アニオン界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニ
オン型界面活性等の界面活性剤を必要量添加して用いる
ことができる。
【0038】かかる界面活性剤としては塗布液の表面張
力を50dyne/cm以下、好ましくは40dyne
/cm以下に降下でき、ポリエステルフィルムへの濡れ
を促進するものが好ましく、例えばポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エステルソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂
肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニウムク
ロライド塩、アルキルアミン塩酸等を挙げることができ
る。更に本発明の効果を消失させない範囲において、例
えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機または無機
フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤等の他の添加剤
を混合することができる。
【0039】かかるプライマー塗布液を表面保護層
(C)に隣接する層に塗布し、次いで乾燥、必要に応じ
て熱架橋させることで、プライマー層を設けることがで
きる。特に、配向結晶化の完了前のポリエステルフィル
ムの表面保護層(C)を設ける面に塗布する場合、クリ
ーンな雰囲気のポリエステルフィルム製造工程で行われ
る。特に、この工程中で結晶配向が完了する前のポリエ
ステルフィルムの片面又は両面に水性塗布液として塗布
することが好ましい。該フィルムの製造工程と切離して
塗布する工程で行った場合は、工程を特別にクリーンな
雰囲気のものとしない限り、芥、塵埃などを巻込み易
く、製品の性能を損なうおそれがあるため好ましくな
い。
【0040】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフィルムとは、ポリエステルを熱溶融してそのまま
急冷固化させてフィルム状となした未延伸フィルム、未
延伸フィルムを縦方向(長手方向)または横方向(幅方
向)の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フイルム、さ
らには縦方向及び横方向の二方向に低倍率延伸配向せし
めたもの(最終的に縦方向または横方向に再延伸せしめ
て配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等
を含むものである。
【0041】上記塗布液の固形分濃度は、特に限定され
ないが、通常30重量%以下であり、10重量%以下が
更に好ましい。塗布量は走行しているフィルム1m2
り0.5〜20g、さらに1〜10gが好ましい。
【0042】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えば、キスコート法、バースコート法、
ダイコート法、リバースコート法、オフセットグラビア
コート法、マイヤバーコート法、グラビアコート法、ロ
ールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコ
ート法、含浸法及びカーテンコート法などを単独又は組
み合わせて適用するとよい。
【0043】また、塗布液の結晶配向完了する前のポリ
エステルフィルムへの濡れ性を向上させる目的で、コロ
ナ放電処理などの公知の方法を用いて該ポリエステルフ
ィルム表面を活性化させてもよい。
【0044】塗液を塗布した、結晶配向完了する前のポ
リエステルフィルムは、乾燥され、延伸、熱固定等の工
程に導かれる。例えば水性液を塗布した縦一軸延伸ポリ
エステルフィルムは、ステンターに導かれて横延伸及び
熱固定される。この間、塗布液は乾燥され、必要に応じ
て熱架橋される。
【0045】ポリエステルフィルムの配向結晶化条件、
例えば延伸、熱固定等の条件は、従来から当業界に蓄積
された条件で行うことができる。
【0046】[熱線反射層(B)]本発明の熱線反射フ
ィルムには、熱線反射層として金属層を設けることが好
ましい。金属層を構成する金属物質としては、Sbをド
ープしたSnO2やSnをドープしたIn23(IT
O)等の広い光学バンドギャップと高い自由電子密度を
有する半導体薄膜、またはAu、Ag、Cu、Al等の
金属または合金が例示される。これらの中、Au、Ag
およびCuから選ばれた1種以上の金属または合金が好
ましく、可視光線の吸収がほとんど無いAgが特に好ま
しい。なお、必要に応じて金属物質を2種以上併用して
もよい。かかる金属層の形成方法としては気相成長法が
好ましく、さらに真空蒸着法、スパッター法またはプラ
ズマCVD法が特に好ましい。
【0047】かかる金属層の厚みは、本発明の熱線反射
フィルムの波長400〜750nmにおける可視光透過
率が50%以上、好ましくは60%以上、および波長7
50〜2100nmの近赤外線反射率50%以上、好ま
しくは55%以上、ヘーズ値が5%以下の範囲を満足す
るように設定する。
【0048】熱線反射フィルムの可視光透過率が50%
未満であると、熱線反射フィルムの透明性が低下し、ま
た近赤外線反射率が50%未満であると熱線反射性能が
不足するので好ましくない。またヘーズ値が5%を超え
ると熱線反射フィルムの透明性が低下するので好ましく
ない。
【0049】熱線反射フィルムの光学特性を上記の範囲
とするには、金属層の厚みを5〜1000nmの範囲と
することが好ましい。厚みが5nm未満であると十分な
熱線反射効果が発揮されず、赤外線透過率が高くなり、
他方1000nmを超えると可視光透過率が低下し透明
性が悪くなる。
【0050】本発明の熱線反射フィルムには、可視光線
の反射を抑制し透明性を高めるために、透明で高屈折率
である誘電体層を設けることが好ましい。このような誘
電体としては、TiO2、Ta25、ZrO2、Sn
2、SiO、SiO2、In23およびZnOから選ば
れた少なくとも一種以上選択されたものが挙げられる。
特にアルキルチタネート又はアルキルジルコニウムの加
水分解により得られる有機化合物由来のTiO2又はZ
rO2が加工性に優れるためさらに好ましい。かかる誘
電体層の形成方法としては気相成長法が好ましく、さら
に真空蒸着法、スパッター法またはプラズマCVD法が
特に好ましい。また、誘電体層は、前述の金属層をサン
ドウィチ状に挟む積層構成をとることにより、透明性の
改良効果が増すのでより好ましい。かかる誘電体層の厚
みは、熱線反射フィルムの光学特性範囲を満足するよう
に前述の金属層と併せて設定することが必要である。誘
電体層の厚みは0〜750nmの範囲が好ましい。
【0051】また、上記金属層の腐食を防止するため
に、熱線反射層の上に防錆効果がある透明樹脂層を積層
することが好ましい。さらに、熱線反射フィルムのエッ
ジ部分にも防錆効果がある透明樹脂層を積層することが
好ましい。
【0052】[表面保護層(C)]本発明の熱線反射フ
ィルムの最表面には表面保護層(C)を設ける。表面保
護層(C)を構成する樹脂としては、耐候性に優れる熱
可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができ、従来か
ら耐候性塗膜として使用されているものも用いることが
できる。かかる耐候性に優れる熱可塑性樹脂や熱硬化性
樹脂としては、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂およびアクリルシ
リコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂である
ことが好ましく、これらの中、単独で良好な耐候性を有
するアクリル樹脂をその構成成分の少なくとも一種とし
てなることが特に好ましい。
【0053】本発明における表面保護層(C)の形成方
法は特に限定されないが、一例として上記樹脂の溶液あ
るいは水分散液などを塗布し、乾燥する方法を挙げるこ
とができる。この溶液あるいは水分散液などの塗布に
は、公知の各種方法を適用することができ、例えばドク
ターブレードコート法、グラビアロールコート法、エア
ナイフコート法、リバースロールコート法、ディップコ
ート法、カーテンロールコート法、スプレーコート法、
ロッドコート法などの塗布方法を用いることができる。
【0054】樹脂溶液あるいは水分散液などの塗布量
は、0.5〜15g/m2(固形分)、特に1.0〜1
0g/m2(固形分)の範囲が好ましく、かかる塗布量
により表面保護層(C)の厚みを0.5〜15μm、特
に1.0〜10μmとすることができる。塗布量が上記
範囲より少ないと耐候性が不十分となることがあり、上
記範囲より多いと耐候性樹脂層が剥離するなどの欠点が
生じる恐れがある。
【0055】本発明における表面保護層(C)は、上述
の方法で塗設して設ける以外に、あらかじめ表面保護層
を設けた別のフィルムを熱線反射フィルムに積層して設
けることもできる。
【0056】[熱線反射フィルム]本発明の熱線反射フ
ィルムは、波長400〜750nmにおける可視光透過
率が50%以上、好ましくは60%以上、および波長7
50〜2100nmの近赤外線反射率が50%以上、好
ましくは55%以上、ヘーズ値が5%以下、好ましくは
3.5%以下の範囲を満足する。
【0057】熱線反射フィルムの光学特性を上記範囲と
するには、熱線反射層に使用する金属や誘電体の種類、
層厚み、表面保護層を形成する樹脂の種類、組成および
層厚み、プライマー層を形成する場合には、プライマー
層を形成する樹脂の種類、組成および層厚みを適切な範
囲から選択する。また、熱線反射フィルムの透明性(可
視光透過性、ヘーズ値)を維持するため、基材フィルム
および各層を構成する組成物、樹脂などには添加剤の添
加を必要最小限としたできる限り透明性の高いものを使
用することが好ましい。
【0058】本発明の熱線反射フィルムは、その厚みが
25〜1000μmであることが好ましい。厚みが25
μm未満では強度が低下して飛散防止効果などが十分で
なくなり、他方1000μmを超えると加工性が低下
し、また長尺ロール品として取扱いが困難になるため好
ましくない。
【0059】[積層体]本発明の第2の構成である積層
体は、本発明の第1の構成の熱線反射フィルムの表面保
護層(C)を設けた面と反対の最表面に粘着剤層を設
け、さらにその上に離形フィルムを積層した構造を有す
る。
【0060】本発明における粘着剤としては、アクリル
系あるいはシリコーン系の粘着剤が好ましい。また、コ
ストや、積層フィルムを剥がす必要がある場合を考慮す
るとアクリル系粘着剤が特に好ましい。
【0061】この粘着剤には、添加剤として、例えば安
定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤等を含有させ
ることもできる。特に紫外線による劣化を抑制するため
にも、紫外線吸収剤の添加は有効である。粘着剤層の厚
みは10〜15μmが好ましい。
【0062】本発明における離形フィルムは公知のもの
を用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムに硬化型シリコーン樹脂層を設けたもの
が好ましく用いることができる。
【0063】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明する。フィルムの特性は以下の方法で測定、評価し
た。
【0064】(1)可視光透過率および近赤外線反射率 分光光度計(島津製作所、UV−3101PC型)を用
い、下記波長範囲で測定し、積分可視透過率、積分近赤
外反射率をJIS−A5759に基づき計算した。 可視光領域 400〜750nm 近赤外光領域 750〜2100nm サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)性、
WEL−SUN−HCL型)を使用し、JIS−K−6
783bに準じて該フィルムに1000時間(屋外曝露
1年間に相当)照射することにより屋外曝露促進試験を
行った。
【0065】(2)ヘーズ値 日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−20)を使
用して熱線反射フィルムのヘーズ値を測定した。
【0066】(3)耐候性 サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製、
WEL−SUN−HCL型)を使用し、JIS−K−6
783bに準じてフィルムに1000時間(屋外曝露1
年間に相当)照射することにより屋外曝露促進試験を行
った。試験後のフィルムの外観を観察し、以下の基準で
評価した。 ○:劣化なし。 △:やや劣化。 ×:表面が劣化して白くなる。
【0067】[実施例1]重合工程の終了時に下記式
(3)に示す化合物を樹脂99重量部に対して1重量部添
加し、35℃のo−クロロフェノール中で測定した固有
粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(滑剤50
0ppm含有)を合成した。
【0068】
【化5】
【0069】該ポリエチレンテレフタレートを20℃に
維持した回転冷却ドラム上に溶融押出して厚み1580
μmの未延伸フィルムを得、次に機械軸方向に3.5倍
延伸したのち、一軸延伸フィルムの片面に、アクリル系
樹脂水分散体(メチルメタクリレート成分(65モル
%)、エチルアクリレート成分(28モル%)、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート成分(2モル%)、およ
びN−メチロールアクリルアミド成分(5モル%)の共
重合体、Tg=45℃)を固形分として40重量部、ポ
リエステル系樹脂水分散体(高松油脂(株)製、ペスレ
ジン2000、Tg=68℃)を固形分として50重量
部、ならびに、平均粒径0.03μmの架橋アクリル系
樹脂微粒子水分散体を固形分として10重量部、からな
る組成物をイオン交換水で希釈して固形分濃度2.7重
量%とした水性塗布液を、キスコート法にてフィルム1
2当たり塗布液重量として約3gの平均塗布量で塗布
した。引続き105℃にて乾燥しながら横方向に3.9
倍延伸し、さらに210℃で熱処理し、厚み125μm
のプライマー被覆ポリエステルフィルムを得た。
【0070】このフィルムのプライマー層と反対の面
に、厚さ10nmの酸化インジウム層(誘電体層;第1
層)を設け、その上に厚さ12nmの銀層(金属層;第
2層)を設け、さらにその上に厚さ20nmの酸化イン
ジウム層(誘電体層;第3層)を設けて熱線反射層を設
けた。なお、上記3層はいずれも真空下(5×10-5
orr)でのスパッタリング法で形成した。次に、この
フィルムのプライマー被覆層の上に、紫外線硬化型多官
能アクリル樹脂を乾燥後の塗布厚みが5μmとなる量塗
布・乾燥してハードコート層を形成した。この積層フィ
ルムの特性を表1に示す。
【0071】[実施例2]実施例1の積層フィルムの熱
線反射層を設けた面に、防錆層としてポリエステルを主
成分とする樹脂層を1μm積層し、さらにその上に紫外
線硬化型多官能アクリル樹脂を乾燥後の塗布厚みが5μ
mとなる量塗布・乾燥してハードコート層を形成した。
この積層フィルムの特性を表1に示す。
【0072】[比較例1]ポリエチレンテレフタレート
中に紫外線吸収性化合物を何も添加しなかった以外は、
実施例1と同様にして積層フィルムを得た。この積層フ
ィルムの特性を表1に示す。
【0073】
【表1】 ----------------------------------------------------------- 耐候性 可視光透過率(%) 近赤外反射率(%) ヘーズ値(%) ----------------------------------------------------------- 実施例1 ○ 70 56 1.2 実施例2 ○ 70 59 1.5 比較例1 × 73 58 1.2 -----------------------------------------------------------
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性に優れ、かつ優
れた屋外で使用しても高い熱線反射性能が維持できる熱
線反射フィルムおよびそれからなる積層体を提供するこ
とができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17B AA20B AA21B AA25B AA28B AB01B AB17B AB24B AB25B AB31B AK01C AK21E AK25E AK41A AK41E AK51E AL06E AR00B AR00D AT00C AT00E BA03 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10E CA07A CC00E EH461 EH462 EH661 EJ38A EJ381 EJ861 EJ862 GB07 GB31 JG05B JL09C JN01 JN01C JN02 JN06B JN06D YY00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐候性を有する二軸配向ポリエステルフ
    ィルムを基材(A)とし、該基材の少なくとも片面に熱
    線反射層(B)および表面保護層(C)を設けた積層フ
    ィルムであって、該積層フィルムの可視光線透過率が5
    0%以上、近赤外線反射率が50%以上、かつヘーズ値
    が5%以下であることを特徴とする屋外使用に適した熱
    線反射フィルム。
  2. 【請求項2】 基材(A)、熱線反射層(B)および表
    面保護層(C)の層構成が、A/B/CまたはB/A/
    Cの順である請求項1記載の屋外使用に適した熱線反射
    フィルム。
  3. 【請求項3】 耐候性を有する二軸配向ポリエステルフ
    ィルムが、紫外線吸収性化合物を含有する二軸配向ポリ
    エステルフィルムである請求項1記載の屋外使用に適し
    た熱線反射フィルム。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収性化合物が下記式(1)また
    は下記式(2)で表わされるベンゾフェノン誘導体であ
    る請求項3記載の屋外使用に適した熱線反射フィルム。 【化1】 (式(1)中、R1、R2は、それぞれ水素原子、炭素数
    1〜18のアルキル基、アルコキシ基または水酸基を表
    わす。ただし、R1、R2は互いに同一あるいは異なって
    いてもよい。R3〜R10は、それぞれ水素原子または炭
    化水素基を表わす。ただし、R3〜R10は互いに同一あ
    るいは異なっていてもよい。) 【化2】 (式(2)中、R1、R2は、それぞれ水素原子、炭素数
    1〜18のアルキル基、アルコキシ基、または水酸基を
    表わす。ただし、R1、R2は互いに同一あるいは異なっ
    ていてもよい。)
  5. 【請求項5】 熱線反射層(B)が、金属層と誘電体層
    とを交互に積層してなる層であり、かつ金属層を構成す
    る金属がAu、AgおよびCuから選ばれた1種以上の
    金属または合金である請求項1記載の屋外使用に適した
    熱線反射フィルム。
  6. 【請求項6】 誘電体層が、誘電体がTiO2、Ta2
    5、ZrO2、SnO2、SiO、SiO2、In23およ
    びZnOから選ばれた1種以上を主成分とする透明高屈
    折率誘電体からなる層である請求項5記載の屋外使用に
    適した熱線反射フィルム。
  7. 【請求項7】 表面保護層(C)が耐候性のある透明樹
    脂から構成されている請求項1記載の屋外使用に適した
    熱線反射フィルム。
  8. 【請求項8】 表面保護層(C)と該表面保護層(C)
    と隣接する層との間に、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
    ル樹脂、アクリル樹脂、およびビニル系樹脂変性ポリエ
    ステル樹脂の中から選ばれた少なくとも1種の樹脂、も
    しくはシランカップリング剤の水溶液または水分散体を
    主成分とする組成物からなるプライマー層を設けた請求
    項1記載の屋外使用に適した熱線反射フィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の屋外使
    用に適した熱線反射フィルムの表面保護層(C)を設け
    た面と反対の最表面に粘着剤層を設け、さらにその上に
    離形フィルムを積層した積層体。
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