JP2000116517A - 真空二重容器を持った電気貯湯容器 - Google Patents

真空二重容器を持った電気貯湯容器

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JP2000116517A
JP2000116517A JP10295117A JP29511798A JP2000116517A JP 2000116517 A JP2000116517 A JP 2000116517A JP 10295117 A JP10295117 A JP 10295117A JP 29511798 A JP29511798 A JP 29511798A JP 2000116517 A JP2000116517 A JP 2000116517A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出路内に入り、吐出後残る内容液が冷めに
くいようにする。 【解決手段】 吐出路25を設けるのに、真空二重容器
3の真空空間9内を通るか、真空空間9を形成していな
い胴部の外面に沿うか、真空二重容器3の胴部に内外面
に露出するように接合されてその胴部の一部を構成する
ようにするか、真空二重容器3の内筒4の内面に沿うか
するようにして、内筒4内の内容液の熱が吐出路25内
の内容液に輻射熱や電動熱として伝わるようにすること
で、上記の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空二重容器を持っ
た電気貯湯容器に関するものであり、例えば家庭用の電
気ポットなどに適用される。
【0002】
【従来の技術】いま、省資源、省エネルギーが各分野で
要求されてきている。四六時中使用し続けられることが
多い家庭用電気機器でも同様である。通電負荷の大きな
ヒータを用いている電気ポットなどでは急務になってき
ている。そこで、金属製の真空二重容器を利用した電気
ポットも実現している。これによって、ヒータで加熱し
貯湯している内容液の熱は外部に逃げにくくなり、省エ
ネルギーが図れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、真空二重容器
の底部に接続して外部に延び、ポンプを経て真空二重容
器外で立ち上がる通常の吐出路構造にて内容液を吐出す
る方式を採用すると、吐出路内に入り、あるいは吐出後
に残った内容液は、真空二重容器の断熱性のために真空
二重容器内の内容液からの熱を受けられなくなるので、
真空二重容器を採用しない電気ポットの場合よりも冷め
やすい。このため、時間を置いて吐出する場合の毎回、
吐出路の立上がり部内にある冷めた内容液が先に吐出さ
れ問題である。
【0004】本発明の目的は、吐出路内に入り、吐出後
残る内容液が冷めにくい真空二重容器を持った電気貯湯
容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容器は、
外筒と内筒により構成される真空二重容器と、内筒内の
内容液を加熱するヒータと、内容液を外部に案内する吐
出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出させる吐出ポ
ンプとを備えた真空二重容器を持ったものにおいて、吐
出路が真空二重容器の外筒と内筒との間で形成される真
空空間内を通るように設けたことを1つの特徴としてい
る。
【0006】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、あるい
は吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の外筒
と内筒との間で形成される真空空間内を通っていること
により、内筒内の内容液の熱を内筒からの輻射熱や伝導
熱などとして受けやすく、しかもその熱は外筒外に逃げ
にくいので、吐出路内の内容液は保温されやすく冷めた
内容液が吐出されるのを防止することができる。
【0007】この場合において、真空二重容器を構成す
る外筒の内面に近接または接して真空空間を貫通しても
よい。
【0008】また、吐出路は真空二重容器を構成する内
筒の外面に近接または接して真空空間を貫通していても
よい。
【0009】内筒の外面に接していると、内筒内の内容
液の熱を熱伝導により受けやすく、かつその熱は外筒か
ら遠く外部に逃げにくくなる。
【0010】吐出路は外筒または内筒に面接触していて
もよいし、外筒の内面または内筒の外面と通路板との間
に形成された吐出通路を含んでもよい。
【0011】吐出路の内筒との面接触は内容液の熱を熱
伝導により受けるのに好都合である。内筒と通路板との
貼り合わせ構造では吐出路内の内容液は内筒内の内容液
の熱を内筒だけを介して効率よく熱伝導されるので、内
容液にほぼ近い温度に保温できる。
【0012】上記各場合において、吐出路は真空二重容
器の真空空間を形成しない底部に接続され、吐出ポンプ
を経て真空空間内を通るように設けると、吐出路途中に
設けた遠心ポンプなどの簡単な吐出ポンプによる内容液
の吐出ができる。しかも吐出ポンプを設ける吐出路部分
は真空二重容器外に露出していても少しの長さ部分であ
るので内容液が冷めることへの影響度は小さい。しか
も、前記露出位置は真空二重容器の下であって内筒内の
内容液を加熱するヒータが設けられる部分に隣接するこ
とが多く、またそうすることによりヒータからの輻射熱
を受けやすいので、吐出路が吐出していることにより内
容液が冷めるのを防止することができる。
【0013】上記に代わり、吐出路が真空二重容器の真
空空間を形成している内筒の底部に接続されて真空空間
内を通るように設けると、吐出路は真空二重容器の外部
に露出せず内筒を介して内容液からの輻射熱を受けるの
で、内容液が冷めるのをより防止しやすく、真空二重容
器の開口を閉じる蓋に真空二重容器内の内容液を加圧し
て吐出路を通じて外部に吐出させる吐出ポンプを設ける
ことで、吐出路の途中に吐出ポンプを設けずに内容液を
吐出し使用することができる。
【0014】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器は、外筒と内筒により構成される真空二重容器と、内
筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外部に案内
する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出させる
吐出ポンプとを備えたものにおいて、真空二重容器を形
成する内外筒の胴部に真空空間を形成していない部分を
設けて、吐出路を前記真空空間を形成していない真空二
重容器の外面を形成する胴部に沿って設けたことも別の
特徴としている。
【0015】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、あるい
は吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の真空
空間を形成していない胴部の外面に沿って設けられてい
ることにより、内筒内の内容液の熱を真空二重容器の断
熱空間の邪魔なく内筒を介し輻射され、あるいは熱伝導
されるので、吐出路内の内容液は保温されやすく、特に
熱伝導による場合は内筒内の内容液に近い温度に保たれ
冷めた内容液が吐出されるのを防止することができる。
【0016】この場合も、吐出路は真空二重容器の真空
空間を形成していない底部に接続され、吐出ポンプを経
て前記胴部に沿うようにすることができるし、吐出路が
前記胴部に面接触していると熱伝導効率がさらに向上す
る。
【0017】さらに、吐出路が前記胴部の外面と通路板
との間に形成されていると、吐出路内の内容液と内筒内
の内容液は内筒だけを介して隣合うので、熱伝導効率が
高くなる。
【0018】上記各場合において、吐出路の前記胴部に
沿った部分が内容液が外観できる透明または半透明の材
料よりなると、この部分は真空二重容器外に位置してい
るので、吐出路内が内筒内と同一液位となるのを利用
し、吐出路内の内容液の液位を外観して真空二重容器内
の液量を視認することができる。
【0019】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器は、外筒と内筒により構成される真空二重容器と、内
筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外部に案内
する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出させる
吐出ポンプとを備えたものにおいて、吐出路は真空二重
容器の胴部の一部を内外に貫通するように接合されて、
胴部の内外面に露出していることを今1つの特徴として
いる。
【0020】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に注出され使用される。吐出路内に入り、あるい
は吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の胴部
に内外面に露出するように接合されていることにより、
吐出路が内筒の内面に露出しているので、内筒内の内容
液の熱が真空二重容器の断熱空間の邪魔なく吐出路自身
の周壁を介し吐出路内の内容液に熱伝導されるので、吐
出路内の内容液は内筒内の内容液にほぼ近い温度に保た
れ冷めた内容液が吐出されるのを防止することができ
る。
【0021】この場合も、吐出路が真空二重容器の真空
空間を形成していない底部に接続され、吐出ポンプを経
て前記胴部の一部を構成しているようにすることがで
き、吐出路が前記胴部の一部を構成する部分は内容液が
外観できる透明または半透明の材料よりなると、吐出路
が真空二重容器外面にも露出していることにより、吐出
路が内筒内の内容液の液位と同じになるのを利用して吐
出路内の内容液の液位を外観し、内筒内の内容液の液量
を視認することができる。
【0022】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器は、真空二重容器と、真空二重容器を構成する内筒内
の内容液を加熱するヒータと、内容液を外部に案内する
吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出させる吐出
ポンプとを備えたものにおいて、吐出路は真空二重容器
の内筒の内面に沿って設けられたことをさらなる特徴と
している。
【0023】これによると、真空二重容器の内筒内の内
容液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプに
より外部に注出され使用される。吐出路内に入り、ある
いは吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の内
筒の内面に沿って設けられて、吐出路が内筒内により多
くの面積部分で露出するので、内筒内の内容液の熱が真
空二重容器の断熱空間の邪魔なく吐出路自身の周壁のよ
り多くの部分を介し吐出路内の内容液により効率よく熱
伝導されるので、吐出路内の内容液は内容液により近い
温度に保たれ冷めた内容液が吐出されるのを防止するこ
とができる。
【0024】この場合も、吐出路は真空二重容器の真空
空間を形成していない底部に接続されて、吐出ポンプを
経て前記内筒の内面に沿っているようにすることができ
る。
【0025】吐出路は前記内筒の内面に面接触している
ようにすることができるし、吐出路は前記内筒の内面と
通路板との間に形成されているようにすることもでき
る。いずれの場合も吐出路の内筒内面への突出度合いを
抑えられるので、内筒内の清掃に邪魔になりにくい。
【0026】いずれの場合も吐出路が真空二重容器の真
空空間を形成していない部分を通して吐出側が外部に延
びるようにすることができる。
【0027】また、真空二重容器が外装ケース内に収容
されていても、胴部が外部に露出するようにされてもよ
い。
【0028】本発明のそれ以上の目的および特徴は、以
下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発
明の各特徴は可能な限りにおいて、それ単独で、あるい
は種々な組合せで複合して用いることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てその幾つかの実施例とともに図1〜図4を参照しなが
ら説明し、本発明の理解に供する。
【0030】本実施の形態は真空二重容器内の内容液を
ヒータにより加熱して湯沸しや保温を行って貯湯し、吐
出ポンプにより吐出路を通じて内容液を外部に吐出でき
るようにした電気ポットに本発明を適用した場合の一例
である。しかし、本発明は図示するものに限られること
はない。
【0031】本実施の形態の電気ポットは図1、図5、
図11、図17の各実施例などで示すように、真空二重
容器3と、真空二重容器3を構成する内筒4内の内容液
を加熱するヒータ11と、内容液を外部に案内する吐出
路25と、この吐出路25を通じて内容液を吐出させる
吐出ポンプ26とを備えている。真空二重容器3は図
1、図5、図11に示す実施例のように外装ケース2に
収容されて電気貯湯容器の器体1を構成しても、図17
に示すように真空二重容器3の胴部が外部に露出して器
体1を構成してもよい。
【0032】図1〜図10に示す実施の形態では吐出路
25が真空二重容器3の内外筒4、5間に形成している
真空空間9内を通るように設けてあり、真空二重容器3
の内筒4内の内容液はヒータ11により加熱されて貯湯
され、吐出ポンプ26により吐出路25を通じ外部に注
出され使用される。吐出路25内に入り、あるいは吐出
後残った内容液は、吐出路25が真空二重容器3の真空
空間9内を通っていることにより、内筒4内の内容液の
熱を内筒4からの輻射熱や伝導熱などとして受けやす
く、しかもその熱は外筒5外に逃げにくいので、吐出路
25内の内容液は保温されやすく冷めた内容液が吐出さ
れるのを防止することができる。
【0033】吐出路25を図10で示す実施例のよう
に、真空二重容器3を構成する外筒5と内筒4との間を
それらと接触しないで真空空間9を貫通するようにすれ
ば、内筒4内の内容液の熱は内筒4からの輻射熱として
吐出路25を介し吐出路25内の内容液に及び、吐出路
25内の内容液が冷めるのを防止する。吐出路25は外
筒5や内筒4に対して真空空間9を貫通する部分で嵌ま
り合う以外、相互に位置を規制し合う関係になく製作が
容易である。
【0034】また、吐出路25を図8、図9で示す各実
施例のように、真空二重容器3を構成する外筒5の内面
に接して真空空間9を貫通するようにすることもできる
が、吐出路25を図1〜図7に示す各実施例のように、
真空二重容器3を構成する内筒4の外面に接して真空空
間9を貫通するように構成すると、吐出路25が内筒4
の外面に接していることにより、吐出路25内の内容液
は内筒4内の内容液の熱を内筒4および吐出路25の周
壁を介した熱伝導により効率よく受けやすく、かつその
熱は外筒5より遠く外部に逃げにくくなるので、吐出路
25内の内容液はより冷めにくくなり内筒4内の内容液
の温度に近づけやすい。特に、図7の(a)に示す実施
例のように内筒4に吐出路25を面接触させると上記の
熱伝導率がさらに向上し、吐出路25内の内容液はさら
に冷めにくく内容液の温度近くに保ちやすい。しかし、
吐出路25が外筒5の内面に接する場合でも面接触させ
れば通路断面積が大きくても偏平形状にして、内筒4と
外筒5との間の必要間隔を小さくすることができる。こ
れは図7の(a)に示す実施例の場合も同様である。ま
た、吐出路25を図7の(b)、(c)に示す実施例の
ように、内筒4の外面とこれに両側縁61aを接合して
貼り合わせた通路板61との間で形成するようにする
と、吐出路25内の内容液は内筒4内の内容液の熱を内
筒4だけを介しさらに効率よく熱伝導されるので、内筒
4内の内容液により近い温度に保温できる。
【0035】上記各場合において、吐出路25は図1、
図5、図8の各実施例で示すように、真空二重容器3の
真空空間9を形成しない例えば内筒4だけによる一重の
底部3bに接続されて外部に延び、吐出ポンプ26を経
て真空二重容器3が真空空間9を形成している例えば底
部3cの外筒5の部分を通して真空空間9内に延びてい
る構成にすると、吐出路25途中に設けた遠心ポンプタ
イプの簡単な吐出ポンプ26による内容液の吐出ができ
る。しかも吐出ポンプ26を設ける吐出路25の部分は
真空二重容器3外に露出していても少しの長さ部分であ
るので内容液が冷めることへの影響度は小さい。しか
も、前記露出位置は真空二重容器3の下であって内筒4
内の内容液を加熱するヒータ11が設けられる部分に隣
接することが多く、またそうすることによりヒータ11
からの輻射熱や伝導熱などを受けやすいので、吐出路2
5の一部が前記のように露出していることにより内容液
が冷めるのを防止することができる。
【0036】ここで、図1〜図4に示す実施例について
詳述する。真空二重容器3はその開口縁に、この真空二
重容器3を構成する内外筒4、5の外鍔3aを形成し、
この外鍔3aを器体1の肩部6の上向きの段部7上に、
この段部7に続く立上がり壁8に対向して配置してあ
る。外装ケース2は合成樹脂製で底2aと胴2bとが一
体に形成されている。しかし、金属製でもよく胴2bが
金属製である場合は、構造や形状が複雑になりがちな底
2aは合成樹脂製にするのが好適である。外装ケース2
が底2a、胴2bとも合成樹脂製であっても、成形や全
体の組み立てなどとの関係から必要に応じて分割されて
もよい。真空二重容器3の内外筒4、5はともに熱伝導
性の低い金属であるステンレス鋼板製で、断熱性の確保
に好適であるが、特にこれに限られることはなく、場合
によっては他の金属材料を用いることもできる。真空二
重容器3を構成している内外筒4、5は耐圧性の上で金
属製であるのが好適である。しかし、内部に支持スペー
サを設けるなどすれば合成樹脂など他の材料のものでも
使用することができる。
【0037】内筒4は底を持った容器形状をしている
が、外筒5は筒形状であって下端部が内側へ折り曲げて
内筒4の底に外側から当てがいろう接などして真空漏れ
がないように一体化している。これによってできる真空
二重容器3の一重の底部3bの外側にヒータ11を当て
がって内容液を効率よく加熱し、湯沸しや保温ができる
ようにしている。真空二重容器3の外鍔3aは、内外筒
4、5の各外鍔を重ねた外周部どうしを溶接部112で
示すように溶接接合している。これにより、内外筒4、
5の前記溶接接合による一体化を、内外筒4、5の外鍔
どうしの合わせ目での外まわりからのTIG溶接などで
容易に達成することができる。
【0038】この内外筒4、5の外鍔どうしが重なった
状態での溶接接合を行うために、外筒5は外鍔の内周か
ら真っ直ぐ下に延びるストレートな胴部分を持ったもの
とし、内筒4は外筒5の開口部内周に密に嵌まり合う口
部91を持つとともに、これに続く内側にやや絞って形
成した開口52を介して、口部91に近い径まで拡張し
た胴部を持ち、外筒5との間に真空空間9を形成する閉
空間を形成するようにしている。開口52が小さいほ
ど、真空二重容器3内から蓋13を通じて上方に向かう
熱の逃げを防止するのに真空空間9の働きが増大する。
【0039】器体1の肩部6は、形状や構造が複雑なこ
とから合成樹脂製の独立した肩部材としてある。肩部材
6は外装ケース2の上端に上方から嵌め合わせ、肩部材
6の内周を形成している立上がり壁8の下部にある上向
き段部7上に真空二重容器3の前記外鍔3aを載置させ
て支持し、真空二重容器3の底部と外装ケース2の底と
の間を図示しない金具とねじとにより連結して、外装ケ
ース2、肩部材6、および真空二重容器3を一体に結合
し器体1を構成している。
【0040】器体1の肩部材6が形成する開口12には
前記の蓋13が設けられ、この開口12を真空二重容器
3の開口52とともに開閉するようにしてある。この開
閉のために蓋13は肩部材6の後部に設けられた軸受部
15に、ヒンジピン16によって着脱できるように枢支
されている。蓋13の着脱は、ヒンジピン16を中心に
した回動により開閉する動作において、蓋13が器体1
の開口12との嵌まり合い位置から外れた開き位置でヒ
ンジピン16を、軸受部15に対し、その内向きのスリ
ットを通じて嵌め入れたり引き出したりして行える。
【0041】蓋13は真空二重容器3からの蒸気を外部
に逃がす蒸気通路17が形成され、蓋13の真空二重容
器3内に対面する位置の内側開口17aと、外部に露出
する外面に形成された外側開口17bとの間で通じてい
る。蒸気通路17の途中には、器体1が横転して内容液
が進入してきた場合にそれを一時溜め込み、あるいは迂
回させて、外側開口17bに至るのを遅らせる安全経路
17cを設けてある。
【0042】これにより、器体1が横転して内容液が蒸
気通路17を通じて外部に流出するまでに器体1を起こ
すなどの処置ができるようになる。また、蒸気通路17
には器体1の横転時に、蒸気通路17に進入しようと
し、あるいは進入した内容液が先に進むのを阻止するよ
うに自重などで働く転倒時止水弁18が適所に設けられ
ている。図示する実施例では内側開口17aの直ぐ内側
の一か所に設けてある。
【0043】蓋13の前部には閉じ位置で肩部材6側の
係止部19に係合して蓋13を閉じ位置にロックするロ
ック部材21が設けられ、蓋13が閉じられたときに係
止部19に自動的に係合するようにばね22の付勢によ
ってロック位置に常時突出するようにしている。これに
対応して蓋13にはロック部材21を後退操作して前記
ロックを解除するロック解除部材23が設けられてい
る。ロック解除部材23は図2の(a)に示すように軸
24によって蓋13に枢支されたレバータイプのものと
され、前端23aを親指などで押し下げて反時計回りに
回動させることでロック部材21をばね22に抗して後
退させてロックを解除し、続いてロック解除操作で起き
上がった後端23bを他の指で持ち上げることによりロ
ックを解除された蓋13を持ち上げこれを開くことがで
きる。
【0044】吐出ポンプ26は電動の遠心ポンプであっ
て真空二重容器3の直ぐ下の位置に設けられ、真空二重
容器3内から流れ込む内容液を吐出路25を通じて器体
1外に臨む吐出口25aに向け送りだし、吐出口25a
から外部に吐出させ使用に供する。吐出ポンプ26は真
空二重容器3内に空気を送り込んで内容液を加圧し、吐
出路25を通じて押出し吐出させるようにも設けられ
る。また、いずれの吐出方式でも手動ポンプに置き換え
ることができる。
【0045】外装ケース2の底2aと真空二重容器3の
底部との間の空間には、前記吐出ポンプ26とともに、
ヒータ11や吐出ポンプ26を通電制御する制御基板2
7を収容する回路ボックス28が設置されている。図示
する実施例では回路ボックス28は外装ケース2の底の
開口部にねじ止めして設けてあるが、底2aと一体成形
するなどどのようにも設けられる。また、回路ボックス
28は下向きに開口しているがこれを閉じる蓋を設ける
こともできる。真空二重容器3の一重の底部3bの中央
には温度センサ29が下方から当てがわれ、内容液のそ
の時々の温度を検出して、湯沸しや保温モードで内容液
を加熱制御する場合の温度情報を得る。
【0046】器体1の肩部材6の前部に突出する嘴状突
出部31の上面には操作パネル32が設けられ、モード
設定などの操作部や、操作に対応する表示、あるいは動
作状態を示す表示を行うようにしてある。操作パネル3
2の下には前記操作および表示に対応する信号の授受お
よび動作を行う操作基板33が設けられている。吐出路
25は真空二重容器3の内外筒4、5間を立上がって後
真空二重容器3外に出て、器体1の嘴状突出部31と外
装ケース2側のパイプカバー部2dとの間に入った部分
で逆U字状のユニット25bを構成し、このユニット2
5bに転倒時止水弁34と吐出口25aを設けている。
吐出口25aはパイプカバー部2dの底部に有した開口
2eを通じて下向きに外部に開口している。
【0047】吐出路25は真空二重容器3の断熱空間内
を立ち上がっているので、これを外観できず液量の表示
に用いることができない。そこで、液量を表示するには
例えば真空二重容器3のまわりの図示しない電極間で内
容液の量によって異なる静電容量を検出し、この検出結
果から液量を判定し、外装ケース2の前面にある液量表
示部35に電気的に表示すればよい。電気的な表示はラ
ンプの点灯数、配列されたランプの点灯位置、液晶によ
る数字や文字の表示など適当な方式を採用すればよい。
もっとも、内容液の液量は他の方式で検出してもよい。
【0048】外装ケース2の底2aにある開口2cには
下方から蓋板36を当てがってねじ止めや部分的な係合
により取付け、蓋板36の外周部には回転座環37が回
転できるように支持して設けられ、器体1がテーブル面
などに定置されたときに回転座環37の上で軽く回転し
て向きを変えられるようにしてある。
【0049】このような図1〜図4に示す実施例では、
真空二重容器3が真空二重構造による断熱効果を持つ
上、内容器として器体1の外装ケース2に収容されて、
外装ケース2と真空二重容器3がなす閉空間38での空
気が外部と行き来しないことにより真空二重容器3の内
外の熱の移動を抑えることができ、その分断熱効果が高
まる。従って、ヒータ11により内容液を加熱し湯沸し
や保温を行うのに、内容液から熱が外部に逃げるのを効
果的に防止することができ、その分だけヒータ11を通
電容量や通電時間を低減するので省エネルギーとなる。
【0050】また、真空二重容器3の開口縁に設けた外
鍔3aは、器体1の肩部材6の上向きの段部7上に位置
するのに、この段部7に続く立上がり壁8に対向してそ
れに囲われ、その下の段部7と立上がり壁8とが作る隅
角部に外鍔3aの外周が位置するので、器体1の開口1
2に臨んでも目立たず、かつ、洗浄時などでも手などが
及ぶのを防止することができ、外鍔3aの外周を前記溶
接接合したままにしても、使用者によって変形や変色が
気にされるのを防止することができる。
【0051】しかも、外鍔3aの外周に弾性体よりなる
例えば断面C型のシールパッキング41を被せてある。
これにより、外鍔3aの変形や変色を覆い隠せるし、変
形の影響なく段部7や立上がり壁8に必要に応じて密着
させて、水漏れや異物の入り込みの原因になる隙間が生
じるのを防止することができる。図に示す実施例では段
部7にだけ密着させる構造としてある。
【0052】器体1の蓋13は、器体1の開口12を閉
じる合成樹脂製の外蓋51と、この外蓋51の内側に設
けられて真空二重容器3の開口52を閉じる金属製の内
蓋53とから構成している。合成樹脂製の外蓋51によ
って、複雑な構造や種々な色合いが得られやすいように
しながら、金属製の内蓋53によって真空二重容器3で
湯沸しや保温、保冷を行う場合でも蒸気などの熱影響な
く真空二重容器3を閉じることができる。また、器体1
の蓋13に断熱部54を持っている。これにより、真空
二重容器3からの上方への熱の移動を防止しやすくな
り、真空二重容器3で湯沸しや保温、保冷を行うのに有
効である。
【0053】断熱部54は空間に断熱材55を収容した
ものとしてあり、断熱材55は外蓋51内の空間51a
に設けてある。外蓋51が合成樹脂製であることにより
複雑な構造をして空間を形成していることや、断熱に必
要な空間を容易に形成して蓋13での断熱効果を高める
ことができる。しかも、この実施例では、断熱部54が
外蓋51の真空二重容器3からの蒸気を外部に逃がす前
記蒸気通路17の上部に設けてある。従って、真空二重
容器3内から蒸気通路17の上がってくる熱気の熱が直
ぐに上部に抜けるのを抑えるので、その分断熱効果が高
くなるし、前記熱気によって外蓋51の上面が温度上昇
して、使用者に不審を抱くのを防止することができる。
【0054】内蓋53は外蓋51の下板56に下から当
てがってねじ57によりねじ止めしてある。その際、内
蓋53の外周にもC型のシールパッキング58を嵌め合
わせ、このシールパッキング58に一体成形した環状の
シールリップ58aが、蓋13の閉じ状態で真空二重容
器3の開口52の口縁と当接し合うようにしてある。
【0055】これにより、真空二重容器3の開口52が
内蓋53により密に閉じられ、真空二重容器3内は蒸気
通路17の部分を除いて水や空気の外部との行き来がな
いようになり、その分だけ断熱効果が高くなる。このシ
ールパッキング58によるシール部は真空二重容器3の
開口52に近い程無駄な空間への熱の移動を防止する意
味で好適である。しかも、シールリップ58aが当接す
る真空二重容器3の開口52の外側に続く口縁の外方か
ら内方に向けて傾斜した面に、その傾斜に沿う順方向の
向きで圧接するようにしているので、シールリップ58
aが真空二重容器3内の蒸気圧を受けるとその圧力によ
る変形方向が傾斜した口縁の上位側に向いているので、
その口縁に余計に強く圧接する力となってシール性が向
上し、蒸気が外部に逃げて思わぬところに熱劣化などの
悪影響を及ぼすようなことがないし、何分にも蒸気が熱
を持って不用意に外部に流出するのを防止できるので、
その分だけ保温性が向上する。
【0056】なお、図示しないが、前記外蓋51の断熱
部54に加え、内蓋53にも断熱部54を設けると断熱
上特に有効であり、内蓋53が金属製であるのを利用し
て内部を真空空間とすることにより断熱材の場合に比し
断熱性がさらに向上する。
【0057】ところで、ヒータ11は真空二重容器3の
一重の底部3bの外側に設けられていて、真空二重容器
3内の内容液を真空二重容器3の二重構造の影響なく効
率よく加熱し、加熱のために底部3bの部分が一重構造
で断熱性が低下するのを、上記断熱性が向上することで
補えるので好適である。しかし、内外筒4、5の底部ど
うしが真空空間9を形成せずに重なった二重構造にして
もよい。
【0058】図1〜図4の実施例で示す吐出路25は、
その立上がりパイプ25iをストレートな金属製のパイ
プで形成して図1、図4に示すように外筒5の底部の通
し孔63に下方から通し、下端部の外鍔25cを外筒5
の底部外面に溶接やろう接して接合し、通し孔63を密
に閉じて真空漏れが生じないようにしている。立上がり
パイプ25iの上端は図1、図2の(a)に示すよう
に、外筒5の胴部の上端近くにある通し孔64に外部か
ら内部に通された通しパイプ25dと嵌め合わせて溶接
やろう接などで真空漏れしないように接合されている。
通しパイプ25dの外端は外鍔25d1を外筒5の外面
に溶接やろう接して通し孔64を真空漏れしないように
閉じている。これにより、吐出路25は真空空間9を真
空漏れがない状態で貫通している。通しパイプ25dに
は外部から金属製の接続パイプ25hが嵌め合わされて
溶接やろう接により接合されている。この接続パイプ2
5hは合成樹脂製でもよく通しパイプ25dとの間は水
密性を確保できればよい。接続パイプ25hには前記逆
U字状のユニット25bが接続されている。
【0059】吐出路25の一重の底部3bへの接続は図
4に示すように、内筒4からの排出口65に引き出しパ
イプ25eを嵌め合わせて溶接やろう接して密に接合し
て行い、水漏れがないように接続している。引き出しパ
イプ25eに吐出ポンプ26がその合成樹脂製のケーシ
ング26aの吸込み口部で樹脂やゴムなどよりなる断熱
継ぎ手25fにより接続され、吐出ポンプ26の吐出口
部が合成樹脂製の断熱パイプ25gにより前記立上がり
パイプ25iの下端に接続している。これにより、吐出
路25の真空二重容器3の一重底部3bとの接続部から
吐出ポンプ26を経て真空二重容器3の真空空間9に入
るまでの外部に露出している部分の大半が合成樹脂やゴ
ムなどからなる断熱構造部分になるので、ここでの内容
液の放熱を防止しながら、上記したようにヒータ11に
近いことによりヒータからの伝導熱や輻射熱を受けるこ
とができ、内容液の温度低下をよく防止することができ
る。立上がりパイプ25iは図2の(b)に示すように
円形断面のまま内筒4と線接触するもので、内筒4との
熱伝導面積は小さいが、内筒ともに特殊な断面形状に形
成しなくてよい利点がある。
【0060】図5、図6に示す実施例について詳述す
る。本実施例では真空二重容器3の真空空間9内に図1
〜図4に示す実施例と同様に延びた吐出路25が、真空
二重容器3の内筒4に設けた通し孔71を通じて外部に
出て真空空間9を貫通し、転倒時止水弁34に至るよう
にした点で、図1〜図4に示す実施例と異なっている。
【0061】以下、同じ部材には同一の符号を付し重複
する説明は省略する。吐出路25の立上がりパイプ25
iは前記通し孔71と前記外筒5の底部の通し孔63と
の双方に嵌め合わせて真空空間9を貫通させ、通し孔6
3、71との間を溶接やろう接によって接合して真空漏
れが生じないようにしてある。立上がりパイプ25iの
上端はゴムや合成樹脂などの断熱継ぎ手25jにより肩
部材6の周壁を貫通している通しパイプ25kと接続
し、この断熱継ぎ手25jを通じて転倒時止水弁34と
の接続が行われるようにしている。通しパイプ25kは
転倒時止水弁34のケースと一体に形成されたもので
も、別体でもよい。前記断熱継ぎ手25jは吐出路25
内の内容液の熱が吐出路25の立上がりパイプ25iか
ら先へ逃げるのを防止するので、その分吐出路25内の
内容液を保温しやすくなる。
【0062】図7の(a)は図1〜図6に示す各実施例
の吐出路25が内筒4に接するようにするのに、立上が
りパイプ25iの側を円形から内筒4の外面に合うほぼ
半円形状に変形させて面接触するようにしている。これ
により、内筒4内の内容液から吐出路25内の内容液へ
の熱伝導効率が高まる。内筒4側を円形な立上がりパイ
プ25iの外面に面接触させるように部分的に窪ませた
形状にしてもよく、この場合吐出路25と内筒4との間
の接触面積が増大する利点がある。
【0063】図7の(b)、(c)は内筒4の外面とこ
れに両側縁61aを接合して貼り合わせた通路板61と
の間で吐出路25の立上がりパイプ25iの部分を形成
するのに、吐出路25が真空空間9を貫通するのに立上
がりパイプ25iの下端側と上端側とが真空二重容器3
外に延びるための延長パイプ25mを前記立上がりパイ
プ25iの断面形状に合わせた形状にして、図7の
(b)、(c)に示すように挿入し相互間を溶接やろう
接などして真空漏れがないように密に接続している。
【0064】図8、図9に示す実施例では、吐出路25
の立上がりパイプ25iが真空空間9を貫通するのに外
筒5の内面に接した状態で設けられている。図8の実施
例では立上がりパイプ25iは図8の(a)に示すよう
に真空二重容器3の外筒5の底部3cにある通し孔63
に下方から真空空間9内に通されて通し孔63との間を
溶接やろう接などで真空漏れがないように接合されてい
る。立上がりパイプ25iの上端は横向きに短く屈曲さ
せて外筒5の胴部の上部に設けられた通し孔73に内部
から外部に通して通し孔73との間を溶接やろう接によ
って真空漏れがないように接合されている。
【0065】図9の(a)、(b)に示す実施例では、
外筒5の内面とこれに両側縁61aを接合して貼り合わ
せた通路板61との間で吐出路25の立上がりパイプ2
5iの部分を形成するのに、立上がりパイプ25iの上
端部では外筒5の内面の通し孔73の部分を覆って立上
がりパイプ25iの上端を閉じる閉じ端部61bを設
け、通し孔73に外部から嵌め合わせて溶接やろう接に
よって接合された接続パイプ77に通じるようにし、立
上がりパイプ25iの下端部は図7の(b)、(c)に
示す接続構造と同様な構造で接続した図示しない延長パ
イプを図8に示す通し構造で真空二重容器3の外筒5の
底部外へ引き出せばよい。
【0066】図10に示す実施例では、吐出路25が真
空二重容器3の真空空間9を形成している部分の内筒4
の底部3dに接続されて真空空間9内に延び、内筒4と
外筒5との間を双方に接しないように通って真空空間9
を貫通し、外部に出る構造を採用するのに、内筒4の底
部3dとはそれに設けた排出孔78に吐出路25の基部
を嵌め合わせて溶接やろう接により真空漏れがないよう
に接合し、立上がりパイプ25iは図5、図6に示す実
施例の場合同様に外部に引き出している。しかし、この
引き出し構造は図1、図2に示す実施例の引き出し構造
を採用することもできる。
【0067】この場合、蓋13に設ける吐出ポンプ26
は手動操作するものとして周知のベローズポンプを採用
している。このため上板151とこれに連結した下板で
あるベローズ下板56の上にベローズポンプ26を設置
して復元ばね82を働かせ、これを蓋13の上板151
の開口151aに設けた押圧板81により押圧操作して
真空二重容器3の内筒4内に加圧空気を送り込み、内容
液を加圧して吐出路25を通じて外部に押出し吐出でき
るようにしている。ベローズ下板56と内蓋53との間
に蒸気通路17が形成されるとともに、押圧板81によ
りベローズポンプ26を押圧操作したときに蒸気通路1
7を閉じてベローズポンプ26を真空二重容器3の内筒
4内に通じるように切り換わり、押圧操作が解除される
のに連動してベローズポンプ26に代わって蒸気通路1
7が真空二重容器3の内筒4内に通じるように切り換わ
る切換弁機構83が設けられている。また、肩部材6の
一部に蒸気通路17内に臨む蒸気センサ84が設けら
れ、蒸気温度を検出することで内容液の沸騰をより正確
に検知できるようにしている。
【0068】図11の(a)(b)に示す実施例は真空
二重容器3の外筒5の外面に吐出路25を形成したもの
であるが、実質的には外筒5の内面に吐出路25を形成
したものと共通している。しかし、外筒5の外面とこれ
に両側縁61aを溶接やろう接で接合した通路板61と
の間で立上がりパイプ25iを形成するのに、通路板6
1が最外部にあることによりこれを透明あるいは半透明
などを含む液位を外観できる程度に透けるガラスや合成
樹脂などで形成することにより、吐出路25内の内容液
の液位を外観して真空二重容器3内の液量を視認するこ
とができるようにしてある。この場合吐出路25は真空
空間9を貫通しなくてよいタイプになるので、構造が簡
単で製作しやすいものとなる。
【0069】通路板61は平板としてあり、外筒5の周
壁を内側に窪ませて双方の間に吐出路25を形成してい
るが、これに加え、あるいは単独で通路板61が外側に
膨らむ形状にしてもよい。他の構造は既に説明した各実
施例と重複するので説明は省略する。
【0070】図12〜図15に示す実施の形態では、吐
出路25は真空二重容器3の真空空間9を形成していな
い胴部3eの外面に沿って設けてある。これにより、吐
出路25内に入り、あるいは吐出後残った内容液は、吐
出路25が真空二重容器3の真空空間9を形成していな
い胴部の外面に沿って設けられていることにより、内筒
4内の内容液の熱を真空二重容器3の真空空間9の邪魔
なく内筒4および吐出路25の周壁を介し輻射され、あ
るいは熱伝導されるので、吐出路25内の内容液は内容
液に近い温度に保たれ冷めた内容液が吐出されるのを防
止することができる。しかも、吐出路25が真空空間9
を貫通しないタイプにもなる。
【0071】この場合も、図12、図13に示す実施例
のように、吐出路25は真空二重容器3の真空空間9を
形成していない底部3bに接続されて外部に延び、吐出
ポンプ26を経て前記胴部3eの外面に沿うようにする
ことができる。本実施例では吐出路25の立上がりパイ
プ25iの内筒4の胴部の高さにほぼ合った範囲を内側
に屈曲させて、外筒5が胴部3eを形成するのに内筒4
の側に窪んで形成した凹部85内に嵌めいれて胴部3e
に沿わせているので、この凹部85に熱をこもらせなが
ら、外筒5の凹部85を形成している壁も手伝って内筒
4内の内容液の熱が吐出路25内の内容液に効率よく熱
伝導し、また熱輻射するようにしている。胴部3eには
継ぎ手25nが接して立上がりパイプ25iは胴部3e
から若干浮いていて、内筒4内の内容液の熱を受ける大
半が内筒4を介した輻射熱となるが、屈曲部を継ぎ手2
5nなしの一体成形構造にすると立上がりパイプ25i
を胴部3eに接触させられる。凹部85を真空二重容器
3の胴部に縦通させれば立上がりパイプ25iはストレ
ートなままで胴部3eに接触させることができる。
【0072】図14、図15の(a)に示す実施例で
は、吐出路25が前記真空空間9を形成しない胴部3e
の外面とこれに両側縁61aを接合して貼り合わせた通
路板61との間に形成されている。これにより、吐出路
25内の内容液と内筒4内の内容液は内筒4、外筒5を
介して隣合うので、熱伝導効率がより高くなる。特に、
図15の(b)に示すように外筒5がなく内筒4が形成
する一重の胴部3eと通路板61との間に吐出路25を
形成すると、吐出路25内の内容液と内筒4内の内容液
は内筒4だけを介して隣合うので、熱伝導効率が最も高
くなる。
【0073】これらの各場合において、吐出路25の前
記胴部に沿った部分が内容液が外観できる透明または半
透明の材料よりなると、この部分は真空二重容器外に位
置しているので、吐出路25内が内筒内と同一液位とな
るのを利用して、吐出路25内の内容液の液位を外観し
て真空二重容器内の液量を視認することができる。
【0074】図16の実施の形態は吐出路25が、真空
二重容器3の胴部一部を内外貫通して内外面露出するよ
うにろう接や溶接により接合されて、真空二重容器3の
胴部の一部を構成している。これにより、吐出路25内
に入り、あるいは吐出後残った内容液は、吐出路25が
真空二重容器3の胴部に内外面に露出するように接合さ
れていることにより、吐出路25が内筒4内に露出して
いるので、内筒5内の内容液の熱が真空二重容器3の断
熱空間の邪魔なく吐出路25自身の周壁を介し吐出路2
5内の内容液に熱伝導されるので、吐出路25内の内容
液は内容液に近い温度に保たれ冷めた内容液が吐出され
るのを防止することができる。
【0075】この場合も、吐出路25が真空二重容器の
真空空間を形成していない底部に接続されて外部に延
び、吐出ポンプを経て前記胴部の一部を構成しているよ
うにすることができ、吐出路25が前記胴部の一部を構
成する部分は内容液が外観できる透明または半透明の材
料よりなると、吐出路25が真空二重容器外にも吐出し
ていることにより、吐出路25が内筒内の内容液の液位
と同じになるのを利用して吐出路内の内容液の液位を外
観し、内筒内の内容液の液量を視認することができる。
【0076】図17の実施の形態は真空二重容器3の胴
部が器体1の外面に露出する構造であるが、上記各実施
例の外装ケースを持ったものと代替できる。真空二重容
器3の上端には前記実施例の肩部材6が装着され、下端
には合成樹脂製の底部材88が装着されて,それぞれに
必要な複雑な上端部構造や下端部構造を満足しやすくし
ている。他の構造は上記各実施例の構造と重複するので
説明は省略する。
【0077】図18の実施の形態では吐出路25は真空
二重容器3の内筒4の内面に沿って設けられている。こ
れによると、吐出路25内に入り、あるいは吐出後残っ
た内容液は、吐出路25が真空二重容器3の内筒4の内
面に沿って設けられて、吐出路25が内筒4内により多
くの面積部分で露出するので、内筒4内の内容液の熱が
真空二重容器3の真空空間9の邪魔なく吐出路25自身
の周壁のより多くの部分を介し吐出路25内の内容液に
より効率よく熱伝導されるので、吐出路25内の内容液
は内容液により近い温度に保たれ冷めた内容液が吐出さ
れるのを防止することができる。
【0078】この場合も、吐出路25が真空空間9を貫
通しないタイプのものとすることができるし、吐出路2
5は真空二重容器3の真空空間9を形成していない底部
に接続されて外部に延び、吐出ポンプを経て前記一重底
部を通して前記内筒に沿っているようにすることができ
る。しかし、立上がりパイプ25iの下端を内筒4内に
開口し、図10に示した実施例のように内容液を加圧す
る吐出ポンプを用いて内容液を吐出するようにもでき
る。内容液を加圧する吐出ポンプは図10に示す場合を
含め手動に限らず電動のポンプを用いることができる。
吐出路は前記内筒の内面に面接触しているようにするこ
とができるし、吐出路は前記内筒の内面とこれに両側縁
を接合して貼り合わせた通路板との間に形成されている
ようにすることもできる。いずれの場合も吐出路の内筒
内面への突出度合いを抑えられるので、内筒内の清掃に
邪魔になりにくい。吐出路が真空二重容器の断熱空間を
形成していない部分を通して吐出側が外部に延びている
ようにすることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯
容器の1つの特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内
容液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプに
より外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、ある
いは吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の外
筒と内筒との間で形成される真空空間内を通っているこ
とにより、内筒内の内容液の熱を内筒からの輻射熱や伝
導熱などとして受けやすく、しかもその熱は外筒外に逃
げにくいので、吐出路内の内容液は保温されやすく冷め
た内容液が吐出されるのを防止することができる。
【0080】この場合において、真空二重容器を構成す
る外筒の内面に近接または接して真空空間を貫通しても
よい。
【0081】また、吐出路は真空二重容器を構成する内
筒の外面に近接または接して真空空間を貫通していても
よい。
【0082】内筒の外面に接していると、内筒内の内容
液の熱を熱伝導により受けやすく、かつその熱は外筒か
ら遠く外部に逃げにくくなる。
【0083】吐出路は外筒または内筒に面接触していて
もよいし、外筒の内面または内筒の外面と通路板との間
に形成された吐出通路を含んでもよい。
【0084】吐出路の内筒との面接触は内容液の熱を熱
伝導により受けるのに好都合である。内筒と通路板との
貼り合わせ構造では吐出路内の内容液は内筒内の内容液
の熱を内筒だけを介して効率よく熱伝導されるので、内
容液にほぼ近い温度に保温できる。
【0085】上記各場合において、吐出路は真空二重容
器の真空空間を形成しない底部に接続され、吐出ポンプ
を経て真空空間内を通るように設けると、吐出路途中に
設けた遠心ポンプなどの簡単な吐出ポンプによる内容液
の吐出ができる。しかも吐出ポンプを設ける吐出路部分
は真空二重容器外に露出していても少しの長さ部分であ
るので内容液が冷めることへの影響度は小さい。しか
も、前記露出位置は真空二重容器の下であって内筒内の
内容液を加熱するヒータが設けられる部分に隣接するこ
とが多く、またそうすることによりヒータからの輻射熱
を受けやすいので、吐出路が吐出していることにより内
容液が冷めるのを防止することができる。
【0086】上記に代わり、吐出路が真空二重容器の真
空空間を形成している内筒の底部に接続されて真空空間
内を通るように設けると、吐出路は真空二重容器の外部
に露出せず内筒を介して内容液からの輻射熱を受けるの
で、内容液が冷めるのをより防止しやすく、真空二重容
器の開口を閉じる蓋に真空二重容器内の内容液を加圧し
て吐出路を通じて外部に吐出させる吐出ポンプを設ける
ことで、吐出路の途中に吐出ポンプを設けずに内容液を
吐出し使用することができる。
【0087】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器の別の特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内容液
はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプにより
外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、あるいは
吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の真空空
間を形成していない胴部の外面に沿って設けられている
ことにより、内筒内の内容液の熱を真空二重容器の断熱
空間の邪魔なく内筒を介し輻射され、あるいは熱伝導さ
れるので、吐出路内の内容液は保温されやすく、特に熱
伝導による場合は内筒内の内容液に近い温度に保たれ冷
めた内容液が吐出されるのを防止することができる。
【0088】この場合も、吐出路は真空二重容器の真空
空間を形成していない底部に接続され、吐出ポンプを経
て前記胴部に沿うようにすることができるし、吐出路が
前記胴部に面接触していると熱伝導効率がさらに向上す
る。
【0089】さらに、吐出路が前記胴部の外面と通路板
との間に形成されていると、吐出路内の内容液と内筒内
の内容液は内筒だけを介して隣合うので、熱伝導効率が
高くなる。
【0090】上記各場合において、吐出路の前記胴部に
沿った部分が内容液が外観できる透明または半透明の材
料よりなると、この部分は真空二重容器外に位置してい
るので、吐出路内が内筒内と同一液位となるのを利用
し、吐出路内の内容液の液位を外観して真空二重容器内
の液量を視認することができる。
【0091】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器の今1つの特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内
容液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプに
より外部に注出され使用される。吐出路内に入り、ある
いは吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の胴
部に内外面に露出するように接合されていることによ
り、吐出路が内筒の内面に露出しているので、内筒内の
内容液の熱が真空二重容器の断熱空間の邪魔なく吐出路
自身の周壁を介し吐出路内の内容液に熱伝導されるの
で、吐出路内の内容液は内筒内の内容液にほぼ近い温度
に保たれ冷めた内容液が吐出されるのを防止することが
できる。
【0092】この場合も、吐出路が真空二重容器の真空
空間を形成していない底部に接続され、吐出ポンプを経
て前記胴部の一部を構成しているようにすることがで
き、吐出路が前記胴部の一部を構成する部分は内容液が
外観できる透明または半透明の材料よりなると、吐出路
が真空二重容器外面にも露出していることにより、吐出
路が内筒内の内容液の液位と同じになるのを利用して吐
出路内の内容液の液位を外観し、内筒内の内容液の液量
を視認することができる。
【0093】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器のさらなる特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内
容液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプに
より外部に注出され使用される。吐出路内に入り、ある
いは吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の内
筒の内面に沿って設けられて、吐出路が内筒内により多
くの面積部分で露出するので、内筒内の内容液の熱が真
空二重容器の断熱空間の邪魔なく吐出路自身の周壁のよ
り多くの部分を介し吐出路内の内容液により効率よく熱
伝導されるので、吐出路内の内容液は内容液により近い
温度に保たれ冷めた内容液が吐出されるのを防止するこ
とができる。
【0094】この場合も、吐出路は真空二重容器の真空
空間を形成していない底部に接続されて、吐出ポンプを
経て前記内筒の内面に沿っているようにすることができ
る。
【0095】吐出路は前記内筒の内面に面接触している
ようにすることができるし、吐出路は前記内筒の内面と
通路板との間に形成されているようにすることもでき
る。いずれの場合も吐出路の内筒内面への突出度合いを
抑えられるので、内筒内の清掃に邪魔になりにくい。
【0096】いずれの場合も吐出路が真空二重容器の真
空空間を形成していない部分を通して吐出側が外部に延
びるようにすることができる。
【0097】また、真空二重容器が外装ケース内に収容
されていても、胴部が外部に露出するようにされてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電気ポットとしての1つ
の実施例を示す断面図である。
【図2】図1の電気ポットの断面図で、その(a)は上
端前側部の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横断面
図である。
【図3】図1の電気ポットの上端の後部側の縦断面図で
ある。
【図4】図1の電気ポットの底部の前側部分の断面図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態の電気ポットとしての別の
実施例を示す断面図である。
【図6】図5の電気ポットの上端部の前側部分を示す縦
断面図である。
【図7】図1〜図6の実施例の電気ポットに共通する変
形例を示し、その(a)は面接触タイプのものの横断面
図、その(b)は貼り合わせタイプのものの横断面図、
その(c)は貼り合わせタイプのものの縦断面図であ
る。
【図8】さらに別の実施例を示し、その(a)は吐出路
部分の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横断面図で
ある。
【図9】図8の実施例の変形例を示し、その(a)は吐
出路部分の横断面図、その(b)は吐出路部分の縦断面
図である。
【図10】本発明の実施の形態の電気ポットとしての他
の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに他の実施例を示し、その(a)は吐出路部分の縦断
面図、その(b)は吐出路部分の横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態の電気ポットとしての今
1つの実施例を示す断面図で、その(a)は吐出路部分
の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横断面図であ
る。
【図13】図12の実施例の変形例を示し、その(a)
は吐出路部分の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横
断面図である。
【図14】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに他の実施例を示す真空二重容器の斜視図である。
【図15】図14の実施例およびその変形例を示す横断
面図で、その(a)は実施例の吐出路部分、その(b)
は変形例の吐出路部分を示している。
【図16】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに別の実施例を示す吐出路部分の横断面図である。
【図17】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに今1つの実施例を示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに他の実施例を示す吐出路部分の縦断面図である。
【符号の説明】
1 器体 2 外装ケース 3 真空二重容器 3b、3c、3d 底部 3e 胴部 4 内筒 5 外筒 6 肩部材 11 ヒータ 25 吐出路 25i 立上がりパイプ 26 吐出ポンプ 61 通路板 61a 両側縁
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月28日(2000.1.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 真空二重容器を持った電気貯湯容器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空二重容器を持っ
た電気貯湯容器に関するものであり、例えば家庭用の電
気ポットなどに適用される。
【0002】
【従来の技術】いま、省資源、省エネルギーが各分野で
要求されてきている。四六時中使用し続けられることが
多い家庭用電気機器でも同様である。通電負荷の大きな
ヒータを用いている電気ポットなどでは急務になってき
ている。そこで、金属製の真空二重容器を利用した電気
ポットも実現している。これによって、ヒータで加熱し
貯湯している内容液の熱は外部に逃げにくくなり、省エ
ネルギーが図れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、真空二重容器
の底部に接続して外部に延び、ポンプを経て真空二重容
器外で立ち上がる通常の吐出路構造にて内容液を吐出す
る方式を採用すると、吐出路内に入り、あるいは吐出後
に残った内容液は、真空二重容器の断熱性のために真空
二重容器内の内容液からの熱を受けられなくなるので、
真空二重容器を採用しない電気ポットの場合よりも冷め
やすい。このため、時間を置いて吐出する場合の毎回、
吐出路の立上がり部内にある冷めた内容液が先に吐出さ
れ問題である。
【0004】本発明の目的は、吐出路内に入り、吐出後
残る内容液が冷めにくい真空二重容器を持った電気貯湯
容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容器は、
外筒と内筒により構成される真空二重容器と、内筒内の
内容液を加熱するヒータと、内容液を外部に案内する吐
出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出させる吐出ポ
ンプとを備えた真空二重容器を持ったものにおいて、吐
出路が真空二重容器の外筒と内筒との間で形成される真
空空間内を通り、かつ真空二重容器を構成する内筒に接
するように設けたことを1つの特徴としている。
【0006】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、あるい
は吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の外筒
と内筒との間で形成される真空空間内を通っていること
により、内筒内の内容液の熱を内筒からの輻射熱や伝導
熱などとして受けやすく、しかもその熱は外筒外に逃げ
にくいので、吐出路内の内容液は保温されやすく冷めた
内容液が吐出されるのを防止することができ、特に、吐
出路が真空二重容器を構成する内筒の外面に接している
ことにより、内筒内の内容液の熱を熱伝導により受けや
すく、かつその熱は吐出路が外筒と真空空間を介して位
置し、しかも外筒から遠くはなれているので外部に逃げ
にくくなる。
【0007】吐出路は外筒または内筒と面接触している
か外筒または内筒と通路板との間に形成されるようにし
て、真空空間を通る特徴を発揮させることもでき、内筒
に面接触していると、内筒側から熱が伝わりやすいし、
内筒との間に形成されていると、内筒からの熱をさらに
受けやすくなる。また、吐出路が外筒や内筒と通路板と
の間に形成されていると、吐出路の一部に外筒や内筒を
共用している分だけ軽量化することができる。
【0008】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器は、外筒と内筒により構成される真空二重容器と、内
筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外部に案内
する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐出させる
吐出ポンプとを備えたものにおいて、真空二重容器を形
成する内外筒の胴部に真空空間を形成していない部分を
設けて、吐出路を前記真空空間を形成していない真空二
重容器の外面を形成する胴部に沿って設けたことも別の
特徴としている。
【0009】これにより、真空二重容器の内筒内の内容
液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプによ
り外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、あるい
は吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の真空
空間を形成していない胴部の外面に沿って設けられてい
ることにより、内筒内の内容液の熱を真空二重容器の断
熱空間の邪魔なく内筒を介し輻射され、あるいは熱伝導
されるので、吐出路内の内容液は保温されやすく、特に
熱伝導による場合は内筒内の内容液に近い温度に保たれ
冷めた内容液が吐出されるのを防止することができる。
【0010】本発明のそれ以上の目的および特徴は、以
下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発
明の各特徴は可能な限りにおいて、それ単独で、あるい
は種々な組合せで複合して用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てその幾つかの実施例とともに図1〜図4を参照しなが
ら説明し、本発明の理解に供する。
【0012】本実施の形態は真空二重容器内の内容液を
ヒータにより加熱して湯沸しや保温を行って貯湯し、吐
出ポンプにより吐出路を通じて内容液を外部に吐出でき
るようにした電気ポットに本発明を適用した場合の一例
である。しかし、本発明は図示するものに限られること
はない。
【0013】本実施の形態の電気ポットは図1、図5、
図11、図17の各実施例などで示すように、真空二重
容器3と、真空二重容器3を構成する内筒4内の内容液
を加熱するヒータ11と、内容液を外部に案内する吐出
路25と、この吐出路25を通じて内容液を吐出させる
吐出ポンプ26とを備えている。真空二重容器3は図
1、図5、図11に示す実施例のように外装ケース2に
収容されて電気貯湯容器の器体1を構成しても、図17
に示すように真空二重容器3の胴部が外部に露出して器
体1を構成してもよい。
【0014】図1〜図10に示す実施の形態では吐出路
25が真空二重容器3の内外筒4、5間に形成している
真空空間9内を通るように設けてあり、真空二重容器3
の内筒4内の内容液はヒータ11により加熱されて貯湯
され、吐出ポンプ26により吐出路25を通じ外部に注
出され使用される。吐出路25内に入り、あるいは吐出
後残った内容液は、吐出路25が真空二重容器3の真空
空間9内を通っていることにより、内筒4内の内容液の
熱を内筒4からの輻射熱や伝導熱などとして受けやす
く、しかもその熱は外筒5外に逃げにくいので、吐出路
25内の内容液は保温されやすく冷めた内容液が吐出さ
れるのを防止することができる。
【0015】吐出路25を図10で示す実施例のよう
に、真空二重容器3を構成する外筒5と内筒4との間を
それらと接触しないで真空空間9を貫通するようにすれ
ば、内筒4内の内容液の熱は内筒4からの輻射熱として
吐出路25を介し吐出路25内の内容液に及び、吐出路
25内の内容液が冷めるのを防止する。吐出路25は外
筒5や内筒4に対して真空空間9を貫通する部分で嵌ま
り合う以外、相互に位置を規制し合う関係になく製作が
容易である。
【0016】また、吐出路25を図8、図9で示す各実
施例のように、真空二重容器3を構成する外筒5の内面
に接して真空空間9を貫通するようにすることもできる
が、吐出路25を図1〜図7に示す各実施例のように、
真空二重容器3を構成する内筒4の外面に接して真空空
間9を貫通するように構成すると、吐出路25が内筒4
の外面に接していることにより、吐出路25内の内容液
は内筒4内の内容液の熱を内筒4および吐出路25の周
壁を介した熱伝導により効率よく受けやすく、かつその
熱は外筒5より遠く外部に逃げにくくなるので、吐出路
25内の内容液はより冷めにくくなり内筒4内の内容液
の温度に近づけやすい。特に、図7の(a)に示す実施
例のように内筒4に吐出路25を面接触させると上記の
熱伝導率がさらに向上し、吐出路25内の内容液はさら
に冷めにくく内容液の温度近くに保ちやすい。しかし、
吐出路25が外筒5の内面に接する場合でも面接触させ
れば通路断面積が大きくても偏平形状にして、内筒4と
外筒5との間の必要間隔を小さくすることができる。こ
れは図7の(a)に示す実施例の場合も同様である。ま
た、吐出路25を図7の(b)、(c)に示す実施例の
ように、内筒4の外面とこれに両側縁61aを接合して
貼り合わせた通路板61との間で形成するようにする
と、吐出路25内の内容液は内筒4内の内容液の熱を内
筒4だけを介しさらに効率よく熱伝導されるので、内筒
4内の内容液により近い温度に保温できる。
【0017】上記各場合において、吐出路25は図1、
図5、図8の各実施例で示すように、真空二重容器3の
真空空間9を形成しない例えば内筒4だけによる一重の
底部3bに接続されて外部に延び、吐出ポンプ26を経
て真空二重容器3が真空空間9を形成している例えば底
部3cの外筒5の部分を通して真空空間9内に延びてい
る構成にすると、吐出路25途中に設けた遠心ポンプタ
イプの簡単な吐出ポンプ26による内容液の吐出ができ
る。しかも吐出ポンプ26を設ける吐出路25の部分は
真空二重容器3外に露出していても少しの長さ部分であ
るので内容液が冷めることへの影響度は小さい。しか
も、前記露出位置は真空二重容器3の下であって内筒4
内の内容液を加熱するヒータ11が設けられる部分に隣
接することが多く、またそうすることによりヒータ11
からの輻射熱や伝導熱などを受けやすいので、吐出路2
5の一部が前記のように露出していることにより内容液
が冷めるのを防止することができる。
【0018】ここで、図1〜図4に示す実施例について
詳述する。真空二重容器3はその開口縁に、この真空二
重容器3を構成する内外筒4、5の外鍔3aを形成し、
この外鍔3aを器体1の肩部6の上向きの段部7上に、
この段部7に続く立上がり壁8に対向して配置してあ
る。外装ケース2は合成樹脂製で底2aと胴2bとが一
体に形成されている。しかし、金属製でもよく胴2bが
金属製である場合は、構造や形状が複雑になりがちな底
2aは合成樹脂製にするのが好適である。外装ケース2
が底2a、胴2bとも合成樹脂製であっても、成形や全
体の組み立てなどとの関係から必要に応じて分割されて
もよい。真空二重容器3の内外筒4、5はともに熱伝導
性の低い金属であるステンレス鋼板製で、断熱性の確保
に好適であるが、特にこれに限られることはなく、場合
によっては他の金属材料を用いることもできる。真空二
重容器3を構成している内外筒4、5は耐圧性の上で金
属製であるのが好適である。しかし、内部に支持スペー
サを設けるなどすれば合成樹脂など他の材料のものでも
使用することができる。
【0019】内筒4は底を持った容器形状をしている
が、外筒5は筒形状であって下端部が内側へ折り曲げて
内筒4の底に外側から当てがいろう接などして真空漏れ
がないように一体化している。これによってできる真空
二重容器3の一重の底部3bの外側にヒータ11を当て
がって内容液を効率よく加熱し、湯沸しや保温ができる
ようにしている。真空二重容器3の外鍔3aは、内外筒
4、5の各外鍔を重ねた外周部どうしを溶接部112で
示すように溶接接合している。これにより、内外筒4、
5の前記溶接接合による一体化を、内外筒4、5の外鍔
どうしの合わせ目での外まわりからのTIG溶接などで
容易に達成することができる。
【0020】この内外筒4、5の外鍔どうしが重なった
状態での溶接接合を行うために、外筒5は外鍔の内周か
ら真っ直ぐ下に延びるストレートな胴部分を持ったもの
とし、内筒4は外筒5の開口部内周に密に嵌まり合う口
部91を持つとともに、これに続く内側にやや絞って形
成した開口52を介して、口部91に近い径まで拡張し
た胴部を持ち、外筒5との間に真空空間9を形成する閉
空間を形成するようにしている。開口52が小さいほ
ど、真空二重容器3内から蓋13を通じて上方に向かう
熱の逃げを防止するのに真空空間9の働きが増大する。
【0021】器体1の肩部6は、形状や構造が複雑なこ
とから合成樹脂製の独立した肩部材としてある。肩部材
6は外装ケース2の上端に上方から嵌め合わせ、肩部材
6の内周を形成している立上がり壁8の下部にある上向
き段部7上に真空二重容器3の前記外鍔3aを載置させ
て支持し、真空二重容器3の底部と外装ケース2の底と
の間を図示しない金具とねじとにより連結して、外装ケ
ース2、肩部材6、および真空二重容器3を一体に結合
し器体1を構成している。
【0022】器体1の肩部材6が形成する開口12には
前記の蓋13が設けられ、この開口12を真空二重容器
3の開口52とともに開閉するようにしてある。この開
閉のために蓋13は肩部材6の後部に設けられた軸受部
15に、ヒンジピン16によって着脱できるように枢支
されている。蓋13の着脱は、ヒンジピン16を中心に
した回動により開閉する動作において、蓋13が器体1
の開口12との嵌まり合い位置から外れた開き位置でヒ
ンジピン16を、軸受部15に対し、その内向きのスリ
ットを通じて嵌め入れたり引き出したりして行える。
【0023】蓋13は真空二重容器3からの蒸気を外部
に逃がす蒸気通路17が形成され、蓋13の真空二重容
器3内に対面する位置の内側開口17aと、外部に露出
する外面に形成された外側開口17bとの間で通じてい
る。蒸気通路17の途中には、器体1が横転して内容液
が進入してきた場合にそれを一時溜め込み、あるいは迂
回させて、外側開口17bに至るのを遅らせる安全経路
17cを設けてある。これにより、器体1が横転して内
容液が蒸気通路17を通じて外部に流出するまでに器体
1を起こすなどの処置ができるようになる。また、蒸気
通路17には器体1の横転時に、蒸気通路17に進入し
ようとし、あるいは進入した内容液が先に進むのを阻止
するように自重などで働く転倒時止水弁18が適所に設
けられている。図示する実施例では内側開口17aの直
ぐ内側の一か所に設けてある。
【0024】蓋13の前部には閉じ位置で肩部材6側の
係止部19に係合して蓋13を閉じ位置にロックするロ
ック部材21が設けられ、蓋13が閉じられたときに係
止部19に自動的に係合するようにばね22の付勢によ
ってロック位置に常時突出するようにしている。これに
対応して蓋13にはロック部材21を後退操作して前記
ロックを解除するロック解除部材23が設けられてい
る。ロック解除部材23は図2の(a)に示すように軸
24によって蓋13に枢支されたレバータイプのものと
され、前端23aを親指などで押し下げて反時計回りに
回動させることでロック部材21をばね22に抗して後
退させてロックを解除し、続いてロック解除操作で起き
上がった後端23bを他の指で持ち上げることによりロ
ックを解除された蓋13を持ち上げこれを開くことがで
きる。
【0025】吐出ポンプ26は電動の遠心ポンプであっ
て真空二重容器3の直ぐ下の位置に設けられ、真空二重
容器3内から流れ込む内容液を吐出路25を通じて器体
1外に臨む吐出口25aに向け送りだし、吐出口25a
から外部に吐出させ使用に供する。吐出ポンプ26は真
空二重容器3内に空気を送り込んで内容液を加圧し、吐
出路25を通じて押出し吐出させるようにも設けられ
る。また、いずれの吐出方式でも手動ポンプに置き換え
ることができる。
【0026】外装ケース2の底2aと真空二重容器3の
底部との間の空間には、前記吐出ポンプ26とともに、
ヒータ11や吐出ポンプ26を通電制御する制御基板2
7を収容する回路ボックス28が設置されている。図示
する実施例では回路ボックス28は外装ケース2の底の
開口部にねじ止めして設けてあるが、底2aと一体成形
するなどどのようにも設けられる。また、回路ボックス
28は下向きに開口しているがこれを閉じる蓋を設ける
こともできる。真空二重容器3の一重の底部3bの中央
には温度センサ29が下方から当てがわれ、内容液のそ
の時々の温度を検出して、湯沸しや保温モードで内容液
を加熱制御する場合の温度情報を得る。
【0027】器体1の肩部材6の前部に突出する嘴状突
出部31の上面には操作パネル32が設けられ、モード
設定などの操作部や、操作に対応する表示、あるいは動
作状態を示す表示を行うようにしてある。操作パネル3
2の下には前記操作および表示に対応する信号の授受お
よび動作を行う操作基板33が設けられている。吐出路
25は真空二重容器3の内外筒4、5間を立上がって後
真空二重容器3外に出て、器体1の嘴状突出部31と外
装ケース2側のパイプカバー部2dとの間に入った部分
で逆U字状のユニット25bを構成し、このユニット2
5bに転倒時止水弁34と吐出口25aを設けている。
吐出口25aはパイプカバー部2dの底部に有した開口
2eを通じて下向きに外部に開口している。
【0028】吐出路25は真空二重容器3の断熱空間内
を立ち上がっているので、これを外観できず液量の表示
に用いることができない。そこで、液量を表示するには
例えば真空二重容器3のまわりの図示しない電極間で内
容液の量によって異なる静電容量を検出し、この検出結
果から液量を判定し、外装ケース2の前面にある液量表
示部35に電気的に表示すればよい。電気的な表示はラ
ンプの点灯数、配列されたランプの点灯位置、液晶によ
る数字や文字の表示など適当な方式を採用すればよい。
もっとも、内容液の液量は他の方式で検出してもよい。
【0029】外装ケース2の底2aにある開口2cには
下方から蓋板36を当てがってねじ止めや部分的な係合
により取付け、蓋板36の外周部には回転座環37が回
転できるように支持して設けられ、器体1がテーブル面
などに定置されたときに回転座環37の上で軽く回転し
て向きを変えられるようにしてある。
【0030】このような図1〜図4に示す実施例では、
真空二重容器3が真空二重構造による断熱効果を持つ
上、内容器として器体1の外装ケース2に収容されて、
外装ケース2と真空二重容器3がなす閉空間38での空
気が外部と行き来しないことにより真空二重容器3の内
外の熱の移動を抑えることができ、その分断熱効果が高
まる。従って、ヒータ11により内容液を加熱し湯沸し
や保温を行うのに、内容液から熱が外部に逃げるのを効
果的に防止することができ、その分だけヒータ11を通
電容量や通電時間を低減するので省エネルギーとなる。
【0031】また、真空二重容器3の開口縁に設けた外
鍔3aは、器体1の肩部材6の上向きの段部7上に位置
するのに、この段部7に続く立上がり壁8に対向してそ
れに囲われ、その下の段部7と立上がり壁8とが作る隅
角部に外鍔3aの外周が位置するので、器体1の開口1
2に臨んでも目立たず、かつ、洗浄時などでも手などが
及ぶのを防止することができ、外鍔3aの外周を前記溶
接接合したままにしても、使用者によって変形や変色が
気にされるのを防止することができる。
【0032】しかも、外鍔3aの外周に弾性体よりなる
例えば断面C型のシールパッキング41を被せてある。
これにより、外鍔3aの変形や変色を覆い隠せるし、変
形の影響なく段部7や立上がり壁8に必要に応じて密着
させて、水漏れや異物の入り込みの原因になる隙間が生
じるのを防止することができる。図に示す実施例では段
部7にだけ密着させる構造としてある。
【0033】器体1の蓋13は、器体1の開口12を閉
じる合成樹脂製の外蓋51と、この外蓋51の内側に設
けられて真空二重容器3の開口52を閉じる金属製の内
蓋53とから構成している。合成樹脂製の外蓋51によ
って、複雑な構造や種々な色合いが得られやすいように
しながら、金属製の内蓋53によって真空二重容器3で
湯沸しや保温、保冷を行う場合でも蒸気などの熱影響な
く真空二重容器3を閉じることができる。また、器体1
の蓋13に断熱部54を持っている。これにより、真空
二重容器3からの上方への熱の移動を防止しやすくな
り、真空二重容器3で湯沸しや保温、保冷を行うのに有
効である。
【0034】断熱部54は空間に断熱材55を収容した
ものとしてあり、断熱材55は外蓋51内の空間51a
に設けてある。外蓋51が合成樹脂製であることにより
複雑な構造をして空間を形成していることや、断熱に必
要な空間を容易に形成して蓋13での断熱効果を高める
ことができる。しかも、この実施例では、断熱部54が
外蓋51の真空二重容器3からの蒸気を外部に逃がす前
記蒸気通路17の上部に設けてある。従って、真空二重
容器3内から蒸気通路17の上がってくる熱気の熱が直
ぐに上部に抜けるのを抑えるので、その分断熱効果が高
くなるし、前記熱気によって外蓋51の上面が温度上昇
して、使用者に不審を抱くのを防止することができる。
【0035】内蓋53は外蓋51の下板56に下から当
てがってねじ57によりねじ止めしてある。その際、内
蓋53の外周にもC型のシールパッキング58を嵌め合
わせ、このシールパッキング58に一体成形した環状の
シールリップ58aが、蓋13の閉じ状態で真空二重容
器3の開口52の口縁と当接し合うようにしてある。こ
れにより、真空二重容器3の開口52が内蓋53により
密に閉じられ、真空二重容器3内は蒸気通路17の部分
を除いて水や空気の外部との行き来がないようになり、
その分だけ断熱効果が高くなる。このシールパッキング
58によるシール部は真空二重容器3の開口52に近い
程無駄な空間への熱の移動を防止する意味で好適であ
る。しかも、シールリップ58aが当接する真空二重容
器3の開口52の外側に続く口縁の外方から内方に向け
て傾斜した面に、その傾斜に沿う順方向の向きで圧接す
るようにしているので、シールリップ58aが真空二重
容器3内の蒸気圧を受けるとその圧力による変形方向が
傾斜した口縁の上位側に向いているので、その口縁に余
計に強く圧接する力となってシール性が向上し、蒸気が
外部に逃げて思わぬところに熱劣化などの悪影響を及ぼ
すようなことがないし、何分にも蒸気が熱を持って不用
意に外部に流出するのを防止できるので、その分だけ保
温性が向上する。
【0036】なお、図示しないが、前記外蓋51の断熱
部54に加え、内蓋53にも断熱部54を設けると断熱
上特に有効であり、内蓋53が金属製であるのを利用し
て内部を真空空間とすることにより断熱材の場合に比し
断熱性がさらに向上する。
【0037】ところで、ヒータ11は真空二重容器3の
一重の底部3bの外側に設けられていて、真空二重容器
3内の内容液を真空二重容器3の二重構造の影響なく効
率よく加熱し、加熱のために底部3bの部分が一重構造
で断熱性が低下するのを、上記断熱性が向上することで
補えるので好適である。しかし、内外筒4、5の底部ど
うしが真空空間9を形成せずに重なった二重構造にして
もよい。
【0038】図1〜図4の実施例で示す吐出路25は、
その立上がりパイプ25iをストレートな金属製のパイ
プで形成して図1、図4に示すように外筒5の底部の通
し孔63に下方から通し、下端部の外鍔25cを外筒5
の底部外面に溶接やろう接して接合し、通し孔63を密
に閉じて真空漏れが生じないようにしている。立上がり
パイプ25iの上端は図1、図2の(a)に示すよう
に、外筒5の胴部の上端近くにある通し孔64に外部か
ら内部に通された通しパイプ25dと嵌め合わせて溶接
やろう接などで真空漏れしないように接合されている。
通しパイプ25dの外端は外鍔25d1を外筒5の外面
に溶接やろう接して通し孔64を真空漏れしないように
閉じている。これにより、吐出路25は真空空間9を真
空漏れがない状態で貫通している。通しパイプ25dに
は外部から金属製の接続パイプ25hが嵌め合わされて
溶接やろう接により接合されている。この接続パイプ2
5hは合成樹脂製でもよく通しパイプ25dとの間は水
密性を確保できればよい。接続パイプ25hには前記逆
U字状のユニット25bが接続されている。
【0039】吐出路25の一重の底部3bへの接続は図
4に示すように、内筒4からの排出口65に引き出しパ
イプ25eを嵌め合わせて溶接やろう接して密に接合し
て行い、水漏れがないように接続している。引き出しパ
イプ25eに吐出ポンプ26がその合成樹脂製のケーシ
ング26aの吸込み口部で樹脂やゴムなどよりなる断熱
継ぎ手25fにより接続され、吐出ポンプ26の吐出口
部が合成樹脂製の断熱パイプ25gにより前記立上がり
パイプ25iの下端に接続している。これにより、吐出
路25の真空二重容器3の一重底部3bとの接続部から
吐出ポンプ26を経て真空二重容器3の真空空間9に入
るまでの外部に露出している部分の大半が合成樹脂やゴ
ムなどからなる断熱構造部分になるので、ここでの内容
液の放熱を防止しながら、上記したようにヒータ11に
近いことによりヒータからの伝導熱や輻射熱を受けるこ
とができ、内容液の温度低下をよく防止することができ
る。立上がりパイプ25iは図2の(b)に示すように
円形断面のまま内筒4と線接触するもので、内筒4との
熱伝導面積は小さいが、内筒ともに特殊な断面形状に形
成しなくてよい利点がある。
【0040】図5、図6に示す実施例について詳述す
る。本実施例では真空二重容器3の真空空間9内に図1
〜図4に示す実施例と同様に延びた吐出路25が、真空
二重容器3の内筒4に設けた通し孔71を通じて外部に
出て真空空間9を貫通し、転倒時止水弁34に至るよう
にした点で、図1〜図4に示す実施例と異なっている。
以下、同じ部材には同一の符号を付し重複する説明は省
略する。吐出路25の立上がりパイプ25iは前記通し
孔71と前記外筒5の底部の通し孔63との双方に嵌め
合わせて真空空間9を貫通させ、通し孔63、71との
間を溶接やろう接によって接合して真空漏れが生じない
ようにしてある。立上がりパイプ25iの上端はゴムや
合成樹脂などの断熱継ぎ手25jにより肩部材6の周壁
を貫通している通しパイプ25kと接続し、この断熱継
ぎ手25jを通じて転倒時止水弁34との接続が行われ
るようにしている。通しパイプ25kは転倒時止水弁3
4のケースと一体に形成されたものでも、別体でもよ
い。前記断熱継ぎ手25jは吐出路25内の内容液の熱
が吐出路25の立上がりパイプ25iから先へ逃げるの
を防止するので、その分吐出路25内の内容液を保温し
やすくなる。
【0041】図7の(a)は図1〜図6に示す各実施例
の吐出路25が内筒4に接するようにするのに、立上が
りパイプ25iの側を円形から内筒4の外面に合うほぼ
半円形状に変形させて面接触するようにしている。これ
により、内筒4内の内容液から吐出路25内の内容液へ
の熱伝導効率が高まる。内筒4側を円形な立上がりパイ
プ25iの外面に面接触させるように部分的に窪ませた
形状にしてもよく、この場合吐出路25と内筒4との間
の接触面積が増大する利点がある。
【0042】図7の(b)、(c)は内筒4の外面とこ
れに両側縁61aを接合して貼り合わせた通路板61と
の間で吐出路25の立上がりパイプ25iの部分を形成
するのに、吐出路25が真空空間9を貫通するのに立上
がりパイプ25iの下端側と上端側とが真空二重容器3
外に延びるための延長パイプ25mを前記立上がりパイ
プ25iの断面形状に合わせた形状にして、図7の
(b)、(c)に示すように挿入し相互間を溶接やろう
接などして真空漏れがないように密に接続している。
【0043】図8、図9に示す実施例では、吐出路25
の立上がりパイプ25iが真空空間9を貫通するのに外
筒5の内面に接した状態で設けられている。図8の実施
例では立上がりパイプ25iは図8の(a)に示すよう
に真空二重容器3の外筒5の底部3cにある通し孔63
に下方から真空空間9内に通されて通し孔63との間を
溶接やろう接などで真空漏れがないように接合されてい
る。立上がりパイプ25iの上端は横向きに短く屈曲さ
せて外筒5の胴部の上部に設けられた通し孔73に内部
から外部に通して通し孔73との間を溶接やろう接によ
って真空漏れがないように接合されている。
【0044】図9の(a)、(b)に示す実施例では、
外筒5の内面とこれに両側縁61aを接合して貼り合わ
せた通路板61との間で吐出路25の立上がりパイプ2
5iの部分を形成するのに、立上がりパイプ25iの上
端部では外筒5の内面の通し孔73の部分を覆って立上
がりパイプ25iの上端を閉じる閉じ端部61bを設
け、通し孔73に外部から嵌め合わせて溶接やろう接に
よって接合された接続パイプ77に通じるようにし、立
上がりパイプ25iの下端部は図7の(b)、(c)に
示す接続構造と同様な構造で接続した図示しない延長パ
イプを図8に示す通し構造で真空二重容器3の外筒5の
底部外へ引き出せばよい。
【0045】図10に示す実施例では、吐出路25が真
空二重容器3の真空空間9を形成している部分の内筒4
の底部3dに接続されて真空空間9内に延び、内筒4と
外筒5との間を双方に接しないように通って真空空間9
を貫通し、外部に出る構造を採用するのに、内筒4の底
部3dとはそれに設けた排出孔78に吐出路25の基部
を嵌め合わせて溶接やろう接により真空漏れがないよう
に接合し、立上がりパイプ25iは図5、図6に示す実
施例の場合同様に外部に引き出している。しかし、この
引き出し構造は図1、図2に示す実施例の引き出し構造
を採用することもできる。
【0046】この場合、蓋13に設ける吐出ポンプ26
は手動操作するものとして周知のベローズポンプを採用
している。このため上板151とこれに連結した下板で
あるベローズ下板56の上にベローズポンプ26を設置
して復元ばね82を働かせ、これを蓋13の上板151
の開口151aに設けた押圧板81により押圧操作して
真空二重容器3の内筒4内に加圧空気を送り込み、内容
液を加圧して吐出路25を通じて外部に押出し吐出でき
るようにしている。ベローズ下板56と内蓋53との間
に蒸気通路17が形成されるとともに、押圧板81によ
りベローズポンプ26を押圧操作したときに蒸気通路1
7を閉じてベローズポンプ26を真空二重容器3の内筒
4内に通じるように切り換わり、押圧操作が解除される
のに連動してベローズポンプ26に代わって蒸気通路1
7が真空二重容器3の内筒4内に通じるように切り換わ
る切換弁機構83が設けられている。また、肩部材6の
一部に蒸気通路17内に臨む蒸気センサ84が設けら
れ、蒸気温度を検出することで内容液の沸騰をより正確
に検知できるようにしている。
【0047】図11の(a)(b)に示す実施例は真空
二重容器3の外筒5の外面に吐出路25を形成したもの
であるが、実質的には外筒5の内面に吐出路25を形成
したものと共通している。しかし、外筒5の外面とこれ
に両側縁61aを溶接やろう接で接合した通路板61と
の間で立上がりパイプ25iを形成するのに、通路板6
1が最外部にあることによりこれを透明あるいは半透明
などを含む液位を外観できる程度に透けるガラスや合成
樹脂などで形成することにより、吐出路25内の内容液
の液位を外観して真空二重容器3内の液量を視認するこ
とができるようにしてある。この場合吐出路25は真空
空間9を貫通しなくてよいタイプになるので、構造が簡
単で製作しやすいものとなる。
【0048】通路板61は平板としてあり、外筒5の周
壁を内側に窪ませて双方の間に吐出路25を形成してい
るが、これに加え、あるいは単独で通路板61が外側に
膨らむ形状にしてもよい。他の構造は既に説明した各実
施例と重複するので説明は省略する。
【0049】図12〜図15に示す実施の形態では、吐
出路25は真空二重容器3の真空空間9を形成していな
い胴部3eの外面に沿って設けてある。これにより、吐
出路25内に入り、あるいは吐出後残った内容液は、吐
出路25が真空二重容器3の真空空間9を形成していな
い胴部の外面に沿って設けられていることにより、内筒
4内の内容液の熱を真空二重容器3の真空空間9の邪魔
なく内筒4および吐出路25の周壁を介し輻射され、あ
るいは熱伝導されるので、吐出路25内の内容液は内容
液に近い温度に保たれ冷めた内容液が吐出されるのを防
止することができる。しかも、吐出路25が真空空間9
を貫通しないタイプにもなる。
【0050】この場合も、図12、図13に示す実施例
のように、吐出路25は真空二重容器3の真空空間9を
形成していない底部3bに接続されて外部に延び、吐出
ポンプ26を経て前記胴部3eの外面に沿うようにする
ことができる。本実施例では吐出路25の立上がりパイ
プ25iの内筒4の胴部の高さにほぼ合った範囲を内側
に屈曲させて、外筒5が胴部3eを形成するのに内筒4
の側に窪んで形成した凹部85内に嵌めいれて胴部3e
に沿わせているので、この凹部85に熱をこもらせなが
ら、外筒5の凹部85を形成している壁も手伝って内筒
4内の内容液の熱が吐出路25内の内容液に効率よく熱
伝導し、また熱輻射するようにしている。胴部3eには
継ぎ手25nが接して立上がりパイプ25iは胴部3e
から若干浮いていて、内筒4内の内容液の熱を受ける大
半が内筒4を介した輻射熱となるが、屈曲部を継ぎ手2
5nなしの一体成形構造にすると立上がりパイプ25i
を胴部3eに接触させられる。凹部85を真空二重容器
3の胴部に縦通させれば立上がりパイプ25iはストレ
ートなままで胴部3eに接触させることができる。
【0051】図14、図15の(a)に示す実施例で
は、吐出路25が前記真空空間9を形成しない胴部3e
の外面とこれに両側縁61aを接合して貼り合わせた通
路板61との間に形成されている。これにより、吐出路
25内の内容液と内筒4内の内容液は内筒4、外筒5を
介して隣合うので、熱伝導効率がより高くなる。特に、
図15の(b)に示すように外筒5がなく内筒4が形成
する一重の胴部3eと通路板61との間に吐出路25を
形成すると、吐出路25内の内容液と内筒4内の内容液
は内筒4だけを介して隣合うので、熱伝導効率が最も高
くなる。
【0052】これらの各場合において、吐出路25の前
記胴部に沿った部分が内容液が外観できる透明または半
透明の材料よりなると、この部分は真空二重容器外に位
置しているので、吐出路25内が内筒内と同一液位とな
るのを利用して、吐出路25内の内容液の液位を外観し
て真空二重容器内の液量を視認することができる。
【0053】図16の実施の形態は吐出路25が、真空
二重容器3の胴部一部を内外貫通して内外面露出するよ
うにろう接や溶接により接合されて、真空二重容器3の
胴部の一部を構成している。これにより、吐出路25内
に入り、あるいは吐出後残った内容液は、吐出路25が
真空二重容器3の胴部に内外面に露出するように接合さ
れていることにより、吐出路25が内筒4内に露出して
いるので、内筒5内の内容液の熱が真空二重容器3の断
熱空間の邪魔なく吐出路25自身の周壁を介し吐出路2
5内の内容液に熱伝導されるので、吐出路25内の内容
液は内容液に近い温度に保たれ冷めた内容液が吐出され
るのを防止することができる。
【0054】この場合も、吐出路25が真空二重容器の
真空空間を形成していない底部に接続されて外部に延
び、吐出ポンプを経て前記胴部の一部を構成しているよ
うにすることができ、吐出路25が前記胴部の一部を構
成する部分は内容液が外観できる透明または半透明の材
料よりなると、吐出路25が真空二重容器外にも吐出し
ていることにより、吐出路25が内筒内の内容液の液位
と同じになるのを利用して吐出路内の内容液の液位を外
観し、内筒内の内容液の液量を視認することができる。
【0055】図17の実施の形態は真空二重容器3の胴
部が器体1の外面に露出する構造であるが、上記各実施
例の外装ケースを持ったものと代替できる。真空二重容
器3の上端には前記実施例の肩部材6が装着され、下端
には合成樹脂製の底部材88が装着されて,それぞれに
必要な複雑な上端部構造や下端部構造を満足しやすくし
ている。他の構造は上記各実施例の構造と重複するので
説明は省略する。
【0056】図18の実施の形態では吐出路25は真空
二重容器3の内筒4の内面に沿って設けられている。こ
れによると、吐出路25内に入り、あるいは吐出後残っ
た内容液は、吐出路25が真空二重容器3の内筒4の内
面に沿って設けられて、吐出路25が内筒4内により多
くの面積部分で露出するので、内筒4内の内容液の熱が
真空二重容器3の真空空間9の邪魔なく吐出路25自身
の周壁のより多くの部分を介し吐出路25内の内容液に
より効率よく熱伝導されるので、吐出路25内の内容液
は内容液により近い温度に保たれ冷めた内容液が吐出さ
れるのを防止することができる。
【0057】この場合も、吐出路25が真空空間9を貫
通しないタイプのものとすることができるし、吐出路2
5は真空二重容器3の真空空間9を形成していない底部
に接続されて外部に延び、吐出ポンプを経て前記一重底
部を通して前記内筒に沿っているようにすることができ
る。しかし、立上がりパイプ25iの下端を内筒4内に
開口し、図10に示した実施例のように内容液を加圧す
る吐出ポンプを用いて内容液を吐出するようにもでき
る。内容液を加圧する吐出ポンプは図10に示す場合を
含め手動に限らず電動のポンプを用いることができる。
吐出路は前記内筒の内面に面接触しているようにするこ
とができるし、吐出路は前記内筒の内面とこれに両側縁
を接合して貼り合わせた通路板との間に形成されている
ようにすることもできる。いずれの場合も吐出路の内筒
内面への突出度合いを抑えられるので、内筒内の清掃に
邪魔になりにくい。吐出路が真空二重容器の断熱空間を
形成していない部分を通して吐出側が外部に延びている
ようにすることができる。
【0058】
【発明の効果】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯
容器の1つの特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内
容液はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプに
より外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、ある
いは吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の外
筒と内筒との間で形成される真空空間内を通っているこ
とにより、内筒内の内容液の熱を内筒からの輻射熱や伝
導熱などとして受けやすく、しかもその熱は外筒外に逃
げにくいので、吐出路内の内容液は保温されやすく冷め
た内容液が吐出されるのを防止することができ、特に、
吐出路が真空二重容器を構成する内筒の外面に接してい
ることにより、内筒内の内容液の熱を熱伝導により受け
やすく、かつその熱は吐出路が外筒と真空空間を介して
位置し、しかも外筒から遠くはなれているので外部に逃
げにくくなる。
【0059】吐出路は外筒または内筒と面接触している
か外筒または内筒と通路板との間に形成されるようにし
て、真空空間を通る特徴を発揮させることもでき、内筒
に面接触していると、内筒側から熱が伝わりやすいし、
内筒との間に形成されていると、内筒からの熱をさらに
受けやすくなる。また、吐出路が外筒や内筒と通路板と
の間に形成されていると、吐出路の一部に外筒や内筒を
共用している分だけ軽量化することができる。
【0060】本発明の真空二重容器を持った電気貯湯容
器の別の特徴によれば、真空二重容器の内筒内の内容液
はヒータにより加熱されて貯湯され、吐出ポンプにより
外部に吐出され使用される。吐出路内に入り、あるいは
吐出後残った内容液は、吐出路が真空二重容器の真空空
間を形成していない胴部の外面に沿って設けられている
ことにより、内筒内の内容液の熱を真空二重容器の断熱
空間の邪魔なく内筒を介し輻射され、あるいは熱伝導さ
れるので、吐出路内の内容液は保温されやすく、特に熱
伝導による場合は内筒内の内容液に近い温度に保たれ冷
めた内容液が吐出されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電気ポットとしての1つ
の実施例を示す断面図である。
【図2】図1の電気ポットの断面図で、その(a)は上
端前側部の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横断面
図である。
【図3】図1の電気ポットの上端の後部側の縦断面図で
ある。
【図4】図1の電気ポットの底部の前側部分の断面図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態の電気ポットとしての別の
実施例を示す断面図である。
【図6】図5の電気ポットの上端部の前側部分を示す縦
断面図である。
【図7】図1〜図6の実施例の電気ポットに共通する変
形例を示し、その(a)は面接触タイプのものの横断面
図、その(b)は貼り合わせタイプのものの横断面図、
その(c)は貼り合わせタイプのものの縦断面図であ
る。
【図8】さらに別の実施例を示し、その(a)は吐出路
部分の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横断面図で
ある。
【図9】図8の実施例の変形例を示し、その(a)は吐
出路部分の横断面図、その(b)は吐出路部分の縦断面
図である。
【図10】本発明の実施の形態の電気ポットとしての他
の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに他の実施例を示し、その(a)は吐出路部分の縦断
面図、その(b)は吐出路部分の横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態の電気ポットとしての今
1つの実施例を示す断面図で、その(a)は吐出路部分
の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横断面図であ
る。
【図13】図12の実施例の変形例を示し、その(a)
は吐出路部分の縦断面図、その(b)は吐出路部分の横
断面図である。
【図14】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに他の実施例を示す真空二重容器の斜視図である。
【図15】図14の実施例およびその変形例を示す横断
面図で、その(a)は実施例の吐出路部分、その(b)
は変形例の吐出路部分を示している。
【図16】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに別の実施例を示す吐出路部分の横断面図である。
【図17】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに今1つの実施例を示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態の電気ポットとしてのさ
らに他の実施例を示す吐出路部分の縦断面図である。
【符号の説明】 1 器体 2 外装ケース 3 真空二重容器 3e 胴部 4 内筒 5 外筒 11 ヒータ 25 吐出路 25i 立上がりパイプ 26 吐出ポンプ 61 通路板 61a 両側縁

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒と内筒により構成される真空二重容
    器と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外
    部に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐
    出させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った電
    気貯湯容器において、 吐出路が真空二重容器の外筒と内筒との間で形成される
    真空空間内を通るように設けたことを特徴とする真空二
    重容器を持った電気貯湯容器。
  2. 【請求項2】 吐出路は真空二重容器を構成する外筒に
    近接または接して真空空間を貫通している請求項1に記
    載の電気貯湯容器。
  3. 【請求項3】 吐出路は真空二重容器を構成する内筒に
    近接または接して真空空間を貫通している請求項1に記
    載の電気貯湯容器。
  4. 【請求項4】 吐出路は外筒または内筒に面接触してい
    る請求項2、3のいずれか一項に記載の電気貯湯容器。
  5. 【請求項5】 吐出路は真空空間を形成する外筒の内面
    または内筒の外面と通路板との間に形成された吐出通路
    を含む請求項2、3のいずれか一項に記載の電気貯湯容
    器。
  6. 【請求項6】 吐出路は真空二重容器の真空空間を形成
    しない底部に接続され、吐出ポンプを経て真空空間を通
    るように設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載の電
    気貯湯容器。
  7. 【請求項7】 吐出路は真空二重容器の真空空間を形成
    している内筒の底部に接続されて真空空間を通るように
    設けた請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気貯湯容
    器。
  8. 【請求項8】 外筒と内筒により構成される真空二重容
    器と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を外
    部に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を吐
    出させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った電
    気貯湯容器において、 真空二重容器を形成する内外筒の胴部に真空空間を形成
    していない部分を設けて、吐出路を前記真空空間を形成
    していない真空二重容器の外面を形成する胴部に沿って
    設けたことを特徴とする電気貯湯容器。
  9. 【請求項9】 吐出路は真空二重容器の真空空間を形成
    していない底部に接続されて、吐出ポンプを経て胴部に
    沿っている請求項8に記載の電気貯湯容器。
  10. 【請求項10】 吐出路は前記胴部に面接触している請
    求項8、9のいずれか一項に記載の電気貯湯容器。
  11. 【請求項11】 吐出路は前記胴部の外面と通路板との
    間に形成された吐出通路を含むる請求項8〜10のいず
    れか一項に記載の電気貯湯容器。
  12. 【請求項12】 吐出路の前記胴部に沿った部分は内容
    液が外観できる透明または半透明の材料よりなる請求項
    8〜11のいずれか一項に記載の電気貯湯容器。
  13. 【請求項13】 外筒と内筒により構成される真空二重
    容器と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を
    外部に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を
    吐出させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った
    電気貯湯容器において、 吐出路は真空二重容器の胴部の一部を内外に貫通するよ
    うに接合されて、胴部の内外面に露出していることを特
    徴とする電気貯湯容器。
  14. 【請求項14】 吐出路は真空二重容器の真空空間を形
    成していない底部に接続されて、吐出ポンプを経て形成
    されている請求項13に記載の電気貯湯容器。
  15. 【請求項15】 吐出路は内容液が外観できる透明また
    は半透明の材料よりなる請求項13、14のいずれか一
    項に記載の電気貯湯容器。
  16. 【請求項16】 外筒と内筒により構成される真空二重
    容器と、内筒内の内容液を加熱するヒータと、内容液を
    外部に案内する吐出路と、この吐出路を通じて内容液を
    吐出させる吐出ポンプとを備えた真空二重容器を持った
    電気貯湯容器において、 吐出路は真空二重容器の内筒の内面に沿って設けられた
    ことを特徴とする電気貯湯容器。
  17. 【請求項17】 吐出路は前記内筒の内面に面接触して
    いる請求項16に記載の電気貯湯容器。
  18. 【請求項18】 吐出路は前記内筒の内面と通路板との
    間に形成されている吐出通路を含む請求項16、17の
    いずれか一項に記載の電気貯湯容器。
  19. 【請求項19】 真空二重容器は外装ケース内に収容さ
    れている請求項1〜18のいずれか一項に記載の電気貯
    湯容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002013665A3 (en) * 2000-08-14 2002-05-16 Otter Controls Ltd Improvements relating to water boiling vessels
JP2012152602A (ja) * 2012-05-21 2012-08-16 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 水加熱容器

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