JP2000110656A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
ようにスライディングモード制御を用いてスロットル弁
等の流量制御弁を操作する制御装置において、該制御量
とその目標値との偏差の変化速度のデータを使用するこ
となく、スライディングード制御の処理のアルゴリズム
を構築することができ、ひいては制御量の目標値への制
御を安定して精度よく行うことができる内燃機関の制御
装置を提供する。 【解決手段】スライディングモード制御の制御対象を離
散系のモデルによりモデル化し、スライディングモード
制御用の切換関数を内燃機関1の制御量とその目標値と
の偏差の時系列データを成分とする線形関数により構成
する。制御量は、例えば吸入空気量の積算値である。
Description
置に関し、より詳しくは、スライディングモード制御を
用いて内燃機関の吸入空気量等の所定の制御量をその目
標値に収束させるようにスロットル弁等、内燃機関の吸
入空気通路に設けた流量制御弁を操作する装置に関す
る。
等、内燃機関の吸入空気通路に設けた流量制御弁を操作
することで、内燃機関に係わる種々様々の制御量(例え
ば、吸入空気量、回転数、出力トルク等)を所望の目標
値にフィードバック制御することがしばしば行われる。
ードバック制御の処理に例えばPI制御(比例積分制
御)を用いることが一般的であるが、該PI制御は、一
般に、外乱等の影響に対する制御の安定性を確保するこ
とが困難であったり、また、比例項や積分項に係わるゲ
イン定数の設定が極めて難しい等の問題を生じ易い。
33739号公報や、特開平8−61122号公報に見
られるように上記のようなフィードバック制御の処理に
スライディングモード制御を用いた装置が提案されるよ
うになってきている。
量としての出力トルクをその目標値に収束・制御するた
めのスロットル弁の操作量の指令値に相当する指令信号
(所謂制御入力)をスライディングモード制御の処理に
より生成し、この指令信号に基づきスロットル弁のアク
チュエータを作動させるようにしている。
に、PI制御等に比して外乱等の影響に対する安定性が
高いという特性を有しており、該スライディングモード
制御を用いることで、出力トルク等、スロットル弁の操
作により制御可能な内燃機関の制御量を目標値に収束さ
せる制御を安定して行うことが可能である。
その処理のアルゴリズムを構築するために、その制御対
象のモデルを必要する。そして、従来は、前記の公報に
見られるように該モデルは、連続系(詳しくは連続時間
系)で設定されている。
弁及びそのアクチュエータと内燃機関とを併せた系を制
御対象とし、該スロットル弁及びそのアクチュエータか
らなる系の挙動特性と内燃機関の挙動特性とをそれぞれ
を一次遅れの連続系モデル(一次の微分方程式)で表現
しており(制御対象全体は二次の微分方程式で表現され
る)、この連続系モデルに基づいてスライディングモー
ド制御の処理のアルゴリズムを構築している。
スライディングモード制御の制御対象を連続系モデルで
表現しているため、次のような不都合を生じるものとな
っていた。
は、上記のようなモデルの他、該モデルに基づく切換関
数と言われる線形な関数(前記の公報のものではスライ
ディングライン定数と称している)を設定しておく必要
がある。この場合、該切換関数は、上記のように制御対
象の連続系モデルを設定したとき、制御量とその目標値
との偏差、及び該偏差の時間微分値(偏差の変化速度)
を成分とする線形関数により定義することとなる。そし
て、前記の公報のものでは、このように定義した切換関
数の値を「0」に収束させるように制御対象の入力、す
なわちスロットル弁の操作量の指令値に相当する指令信
号を生成することで、制御対象の制御量(出力トルク)
とその目標値との偏差及びその変化速度が共に「0」と
なるような安定状態、すなわち制御量が定常的に目標値
に一致するような状態に、該偏差及びその変化速度を制
御するようにしている。
た従来のものでは、スライディングモード制御の処理に
必要な切換関数を構成する成分として、制御量とその目
標値との偏差の変化速度(時間微分値)を必要とする。
ンサ等を用いて直接的に検出することが難しく、制御量
の検出値もしくはその推定値から演算により求めること
となる。このため、該変化速度の値は、演算誤差を生じ
易く、また、制御量に瞬時的なノイズ成分が含まれやす
いような状況(特に内燃機関ではこのような状況を生じ
易い)では、変化速度の値の大きな誤差を生じ易い。つ
まり、該変化速度の値は信頼性に欠けるものとなりやす
い。
来の優れた特性を十分に発揮できず、制御量を安定して
目標値に制御することができないものとなる虞れがあっ
た。
モデルの実際の挙動を規定するモデルパラメータ(前記
公報における時定数等)の値を同定することが難しく、
該連続系モデルを、離散系(詳しくは離散時間系)に表
現し直した上で、コンピュータ処理による既知のアルゴ
リズムを用いて連続系モデルのモデルパラメータを同定
する必要があった。
鑑み、内燃機関の所定の制御量を目標値に収束させるよ
うにスライディングモード制御を用いてスロットル弁等
の流量制御弁を操作する制御装置において、該制御量と
その目標値との偏差の変化速度のデータを使用すること
なく、スライディングモード制御の処理のアルゴリズム
を構築することができ、ひいては、制御量の目標値への
制御を安定して精度よく行うことができる内燃機関の制
御装置を提供することを目的とする。
装置はかかる目的を達成するために、内燃機関の吸入空
気通路に設けた流量制御弁を操作することにより制御可
能な該内燃機関に係わる所定の制御量をその目標値に収
束させるように前記流量制御弁の操作量の指令値をスラ
イディングモード制御により生成し、その生成した指令
値に基づき該流量制御弁を操作する内燃機関の制御装置
において、前記スライディングモード制御の制御対象が
前記流量制御弁の操作量の指令値から前記制御量を生成
する系であるとして該制御対象をあらかじめ離散系でモ
デル化しておくと共に、該スライディングモード制御に
用いる切換関数を前記制御量とその目標値との偏差の複
数の時系列データを成分とする線形関数により構成し、
該スライディングモード制御により所定の制御サイクル
で前記流量制御弁の操作量の指令値を生成するためのア
ルゴリズムを前記制御対象の離散系モデルと前記切換関
数とに基づいて構築したことを特徴とする(請求項1記
載の発明)。
前記流量制御弁の操作量の指令値から前記制御量を生成
する系であるとして離散系でモデル化しておくことで、
前記スライディングモード制御に用いる切換関数を、前
記制御量とその目標値との偏差の複数の時系列データを
成分とする線形関数により構成することができる。そし
て、このように切換関数を構成した場合、スライディン
グモード制御の処理のアルゴリズムは、基本的には、前
記制御対象の離散系モデルに対して、前記切換関数を構
成する前記偏差の時系列データの値により定まる切換関
数の値を「0」に収束させ、さらにその状態に保持する
ような前記流量制御弁の操作量の指令値を生成するアル
ゴリズムとして構築すればよい。このようなアルゴリズ
ムによって、切換関数を構成する前記偏差の時系列デー
タの値を、それらがいずれも「0」となる(このとき切
換関数の値も「0」である)ような平衡状態、すなわ
ち、制御量が目標値に維持されるような平衡状態に収束
させることができる。
標値との偏差の変化速度のデータを使用することなく、
スライディングモード制御の処理のアルゴリズムを構築
することができる。そして、該偏差の変化速度のデータ
を必要としないため、制御量の目標値への制御を安定し
て精度よく行うことができる。
成するために必要となる前記制御量のデータは、適当な
センサを用いて直接的に検出してもよいが、他のデータ
から推定的に求めるようにしてもよい。
モデルは、例えば各制御サイクルにおける前記制御量
を、その制御サイクルより過去の制御サイクルにおける
該制御量と前記流量制御弁の操作量の指令値とにより表
現したモデルとする(請求項2記載の発明)。このよう
にすることで、制御対象の離散系モデルの構築が容易に
なると共に該離散系モデルにより制御対象の挙動を的確
に表現することができる。また、この場合、離散系モデ
ルの実際の挙動特性を規定するモデルパラメータ(これ
は、本発明では離散系モデルを構成する制御量や流量制
御弁の操作量の指令値に係る係数である)は、既知の同
定アルゴリズム(例えば離散系モデル上で生成される各
制御サイクルの制御量と、実際の制御量(該制御量の検
出値や推定値)との間の誤差が最小になるように最小二
乗法によりモデルパラメータを同定するアルゴリズム)
を用いて比較的に容易に同定することが可能となる。
ード制御は適応スライディングモード制御であることが
好ましい(請求項3記載の発明)。
制御量の目標値への制御を安定して行う上で、切換関数
の値を「0」に安定に収束させることが重要であるが、
通常のスライディングモード制御のアルゴリズムは、切
換関数の値を「0」に収束させるための到達則と、該切
換関数の値を「0」に拘束するための制御則(これは、
スライディングモード制御における所謂等価制御入力を
規定する制御則である)とに基づいて構築される。そし
て、この場合、通常のスライディングモード制御の到達
則では、外乱等の影響が大きいと、切換関数の値を安定
して「0」に収束させることが困難となる場合も多い。
このような通常のスライディングモード制御に対して、
前記適応スライディングモード制御は、切換関数の値を
「0」に収束させるために外乱等の影響を極力排除する
適応則という制御則を到達則と共に用いて、制御処理の
アルゴリズムを構築したものである。
ード制御を本発明におけるスライディングモード制御に
用いることで、外乱等の影響によらずに安定して制御量
を目標値に制御することができる。
その処理のアルゴリズムは、基本的には、切換関数の値
を「0」に収束させるための到達則と、切換関数の値を
「0」に収束させるに際して外乱等の影響を極力排除す
る適応則と、切換関数の値を「0」に拘束するための制
御則とに基づいて構築されるものであり、そのアルゴリ
ズムにより生成する制御対象への入力、すなわち前記流
量制御弁の操作量の指令値は、基本的には、前記到達則
に基づく成分と、前記適応則に基づく成分と、切換関数
の値を「0」に拘束するための制御則に基づく成分(こ
れは等価制御入力といわれる)との総和として与えられ
る。
るための制御則に基づく等価制御入力は、基本的には、
前記制御量とその目標値との偏差に応じたフィードバッ
ク制御成分と、制御量の目標値に対応したフィードフォ
ワード制御成分とにより構成される。
モード制御では、切換関数の値の「0」への収束の安定
性が高まるため、切換関数の値を「0」に拘束するため
の制御則に基づく等価制御入力におけるフィードバック
制御成分は、これを省略しても、制御量の目標値への制
御の安定性は損なわれ難い。
ライディングモード制御を用いる場合において、前記ス
ライディングモード制御のアルゴリズムは、前記流量制
御弁の操作量の指令値の補正量を前記適応スライディン
グモード制御の到達則及び適応則に基づき求め、その求
めた補正量により前記制御量の目標値に対応させて定め
た該流量制御弁の操作量の基準指令値を補正することに
より各制御サイクル毎の該流量制御弁の操作量の指令値
を決定する(請求項4記載の発明)。
フィードバック制御成分を省略し、前記等価制御入力の
フィードフォワード制御成分としての前記基準指令値
を、前記到達則及び適応則に基づく制御入力の成分とし
ての前記補正量により補正することで、制御対象への入
力である流量制御弁の操作量の指令値を決定する。
バック制御成分を省略することで、適応スライディング
モード制御による流量制御弁の操作量の指令値の生成処
理を簡略化し、その生成のための演算負荷を軽減するこ
とができる。また、等価制御入力のフィードバック制御
成分は、これを求めるためには、前記離散系モデルのモ
デルパラメータの値が必ず必要であるが、該フィードバ
ック制御成分を省略することで、前記離散系モデルの実
際の制御対象に対するモデル化誤差の影響を少なくする
ことができると共に、該モデルパラメータの値を使用せ
ずとも流量制御弁の操作量の指令値の生成処理を行うこ
とも可能となる。
弁の操作量の指令値の補正量は、制御サイクル毎の前記
切換関数の値に比例させた前記到達則に基づく成分と、
該切換関数の値の積算値に比例させた前記適応則に基づ
く成分との総和として求める(請求項5記載の発明)。
た前記到達則に基づく成分と、該切換関数の値の積算値
に比例させた前記適応則に基づく成分との総和として前
記流量制御弁の操作量の指令値の補正量を求めること
で、前記到達則に基づく成分(到達則に基づいて制御対
象に与えるべき制御入力)と、前記適応則に基づく成分
(適応則に基づいて制御対象に与えるべき制御入力)と
を離散系モデルのモデルパラメータを使用せずに簡単な
演算処理で求めることができる。また、それらの成分の
総和としての流量制御弁の操作量の指令値の補正量によ
って等価制御入力のフィードフォワード制御成分に相当
する前記基準指令値を補正することで、前記切換関数の
値を外乱等の影響を排除しつつ安定して「0」に収束さ
せることができ、ひいては、前記制御量を目標値に安定
して制御することができる。
応スライディングモード制御を含む)は、所謂、応答指
定型制御の一手法であり、前記切換関数を構成する前記
制御量と目標値との偏差の時系列データに係る係数パラ
メータの値によって、該偏差の減衰速度(偏差の「0」
への経時的減少度合い)を直接的且つ可変的に指定する
ことができる。
関数σ1 を、制御量の目標値との偏差Eqの二つの時系
列データEq(k)、Eq(k-1)により、σ1(k)=s1 ・Eq
(k)+s2 ・Eq(k-1)(ここで、kは制御サイクルの番
数、s1 、s2 が切換関数σ1の係数パラメータであ
る)の形の線形関数により定義したとき、切換関数σ1
が「0」に収束した状態では、Eq(k)=(−s2 /s1
)・Eq(k-1)となるので、係数パラメータs1 、s2
の値を−1<s2 /s1 <1となる範囲で設定すれば、
s2 /s1 の値が偏差Eqの減衰速度を規定するものと
なる。また、−1<s2 /s1 <1となる範囲で、係数
パラメータs1 、s2 の値を変化させれば、偏差Eqの
減衰速度を所望の減衰速度に変化させることができる。
尚、この場合、偏差の減衰速度を速くしたり、遅くする
するということはスライディンモード制御によるフィー
ドバック制御のゲインを大きくしたり、小さくすること
と同等である。
するに際しては、制御の安定性や内燃機関の運転状態の
安定性等を考慮すると、状況によっては、前記偏差の減
衰速度を速めたり、遅めにしたり、該減衰速度を可変化
することが好ましい場合もある。
する前記制御量とその目標値との偏差の複数の時系列デ
ータに係る係数パラメータの値を所定の条件に応じて可
変的に設定する手段を具備する(請求項6記載の発
明)。
偏差の減衰速度(制御量の目標値への収束速度)を速め
たり、遅めたりすることができ、制御の安定性や内燃機
関の運転状態の安定性の向上等を適宜図るこが可能とな
る。
ライディングモード制御による前記制御量の前記目標値
への制御は、前記内燃機関の始動直後から行う制御であ
り、少なくとも前記内燃機関の始動後の所定期間は、該
所定期間を経過した後よりも前記偏差の減衰速度を遅く
するように前記係数パラメータの値を設定する(請求項
7記載の発明)。
燃焼状態が不安定なものとなりやすい。そして、このよ
うな状態で、スライディングモード制御によって、制御
量を目標値に速めに収束させるように流量制御弁の操作
量の指令値を生成すると、特に前記偏差が比較的大きな
のとなっている場合に、該指令値の急激な変動、ひいて
は内燃機関の吸入空気量の急激な変動を生じ易く、この
結果、内燃機関の燃焼状態やエミッション状態の悪化を
招く虞れがある。
燃機関の始動後の所定期間は、該所定期間を経過した後
よりも前記偏差の減衰速度を遅くするように前記係数パ
ラメータの値を設定することで、スライディングモード
制御の処理により生成する流量制御弁の操作量の指令値
の急変、ひいては、内燃機関の吸入空気量の急激な変動
を回避する。これにより、内燃機関の始動直後に内燃機
関の燃焼状態やエミッション状態を悪化させるようなこ
となく、内燃機関の運転を円滑に行いつつ、制御量の目
標値への制御を行うことができる。
25を参照して説明する。
テム構成を示すものであり、1は内燃機関、2は内燃機
関1の動作制御を担うコントローラである。
ド車等の車両にその推進源として搭載されたものであ
り、燃料及び空気の混合気を燃焼させて生成した排ガス
を例えば三元触媒を用いて構成した触媒装置3を介して
大気中に放出する。
て示したものである。同図2に示すように、この内燃機
関1の燃焼室4には、スロットル弁5を設けた主吸気通
路6と、該スロットル弁5を迂回して主吸気通路6に連
接すると共にバイパス弁7を設けたバイパス通路8とを
介して空気を吸入可能とされている。尚、図2中、9は
シリンダ、10はピストン、11,12はそれぞれ吸気
バルブ及び排気バルブ、13はチャンバーである。
ムでは、この内燃機関1の動作制御のための付帯的構成
として、内燃機関1の回転数Ne(実回転数)及び機関
温度Tw(例えば冷却水温)をそれぞれ検出する回転数
センサ14及び機関温度センサ15、前記スロットル弁
5及びバイパス弁7の下流側における主吸気通路6の内
圧(本実施形態では図2のチャンバー13の内圧)であ
る吸気圧Pbを検出する吸気圧センサ16、大気温度T
a及び大気圧Paをそれぞれ検出する大気温度センサ1
7及び大気圧センサ18、図示しない車両のアクセルペ
ダルの操作量Ap(以下、アクセル操作量Apという)
及び車速Vをそれぞれ検出するアクセルセンサ19及び
車速センサ20等の各種センサが備えられている。
成として、前記燃焼室4内で混合気に点火する点火装置
21、燃焼室4に燃料を供給する燃料供給装置22、前
記スロットル弁5及びバイパス弁7をそれぞれ操作する
ためのスロットル弁アクチュエータ23及びバイパス弁
アクチュエータ24等が備えられている。
内燃機関1を始動するためのスタータモータや、各種電
子機器の電源バッテリ、内燃機関1の動力を駆動輪に伝
達する変速機(本実施形態のシステムでは自動変速機)
等も備えられている。
を用いて構成されたものであり、前述の各種センサ14
〜20の出力(検出値)のデータや、所定のプログラ
ム、あらかじめ設定されたデータ値等に基づき、点火装
置21や燃料供給装置22、スロットル弁アクチュエー
タ23、バイパス弁アクチュエータ24等を介して内燃
機関1の所要の運転を行わしめる。
るいはバイパス弁7の開度をそれぞれスロットル弁アク
チュエータ23、バイパス弁アクチュエータ24を介し
て操作することで、内燃機関1の燃焼室4の吸入空気量
を操作する吸入空気量操作手段25、内燃機関1の点火
時期を点火装置21を介して操作する点火時期操作手段
26等を機能的構成として具備している。
後述するが、点火時期操作手段26は本発明に係わる回
転数制御装置としての機能を有するものである尚、本実
施形態では、前記バイパス弁7とバイパス通路8とがそ
れぞれ本発明に係わる流量制御弁と吸入空気通路とに相
当するものであり、バイパス弁7の開度が流量制御弁の
操作量に相当するものである。また、本実施形態では、
コントローラ2がその制御処理を実行する制御サイクル
(制御周期)はクランク角周期(所謂TDC)である。
ントローラ2の吸入空気量操作手段25及び点火時期操
作手段26の機能と併せて説明する。
作の概要を図3を参照して簡単に説明しておく。図3は
内燃機関1の始動からアイドリング運転にかけての運転
における前記バイパス弁7の開度(以下、バイパス開度
という)、点火時期、及び回転数の時間的変化の例示的
な形態をそれぞれ上段、中段、及び下段に示したもので
ある。
では、内燃機関1の運転停止状態で図示しないスタート
スイッチを操作する等してシステムを起動すると、シス
テムの動作は、まず、内燃機関1のクランキングをスタ
ータモータ(図示しない)により行いつつ該内燃機関1
の始動を行う動作モード(以下、始動モードという)と
なる。この始動モードでは、バイパス開度及び点火時期
はそれぞれ図示のように操作され、また、内燃機関1の
回転数Neは図示のように変動する。
1の運転中の前記スロットル弁5の開度は、前記アクセ
ル操作量Apに応じたものとされ、アクセルペダル(図
示しない)の操作がなされていない状態(Ap=0の状
態。この状態は、車両の停車中は、内燃機関1のアイド
リング運転状態である)では、スロットル弁5の開度は
「0」(スロットル弁5の閉弁状態)である。そして、
この状態では、燃焼室4の吸気は、バイパス通路8のみ
を介して行われる。図3は、このようにバイパス通路8
のみを介して燃焼室4の吸気が行われる場合に関するも
のである。
謂、完爆が確認されると、システムの動作は、内燃機関
1のアイドリング運転を行いつつ前記触媒装置3の早期
活性化を図るための動作モード(以下、FIREモード
という)に移行する。
段に示すような時間的変化の形態(パターン)で、通常
のアイドリング運転時(FIREモード以外でのアイド
リング運転時)よりも大きなバイパス開度の指令値θCM
D を逐次生成する。そして、この指令値θCMD に従って
バイパス開度を前記バイパス弁アクチュエータ24を介
して操作することで、内燃機関1の燃焼室4の吸入空気
量を通常のアイドリング運転時よりも増量させる。
的には、その動作が開始してからの経過時間t/fire(こ
れは、吸入空気量の増量を開始してからの経過時間であ
る。以下、FIRE経過時間t/fireという)が所定の制
限時間TFIRELMT(以下、FIREモード制限時間TFIREL
MTという)に達するまで行われる。
バイパス開度の指令値θCMD は、基本的には、上記FI
REモード制限時間TFIRELMT内で触媒装置3の所望の昇
温・活性化を適正に行い得る熱量の排ガス(該排ガスの
熱量は概ね内燃機関1の燃焼室4の吸入空気量に比例す
る)を触媒装置3に供給することができ、また、FIR
Eモードにおける内燃機関1の燃焼状態やエミッション
状態等を良好に保ちつつ該内燃機関1のアイドリング運
転を安定して円滑に行うことができるように設定され
る。
気量の増量(バイパス開度の増加)に伴い、その増量開
始直後の内燃機関1の回転数Ne(実回転数)は、図3
の下段に実線で示すような形態で上昇していく。そし
て、該回転数Neが、FIREモードにおいて最終的に
維持すべき適正な回転数としてあらかじめ定めたアイド
リング回転数NOBJ(一定)よりも所定量NEFSLDS だけ高
い設定回転数(NOBJ+NEFSLDS )に到達すると、内燃機
関1の回転数Neを所要の目標回転数ne/fire に収束さ
せるためのフィードバック制御によって、内燃機関1の
点火時期を図3の中段に実線で示すように操作する。以
下、この回転数Neのフィードバック制御を点火時期操
作回転数F/B制御という。尚、この点火時期操作回転
数F/B制御は、内燃機関1の回転数Neが上記設定回
転数(NOBJ+NEFSLDS )に到達した場合の他、前記FI
RE経過時間t/fireがあらかじめ定めた所定値TSLDIGST
(図3の下段を参照)に達した場合にも開始される。
図3の下段に破線で示すような形態で内燃機関1の目標
回転数ne/fire が設定される。該目標回転数ne/fire
は、上記設定回転数(NOBJ+NEFSLDS )から所定の低下
度合い(傾き)で前記アイドリング回転数NOBJに向かっ
て低下され、該アイドリング回転数NOBJに到達した後
は、該アイドリング回転数NOBJに保持される。尚、この
アイドリング回転数NOBJは、通常のアイドリング運転時
の回転数よりも高い回転数に設定されている。
ように設定される目標回転数ne/fire に内燃機関1の回
転数Ne(実回転数)を収束させるように、フィードバ
ック制御処理によって図3の中段に破線で示すような点
火時期の補正量DIG (この補正量DIG は後述する点火時
期偏差指令値である)を求め、この補正量DIG だけ点火
時期の基本指令値igbase(図3の中段に一点鎖線で示
す)を補正することで、点火時期の指令値iglog を決定
する。ここで、点火時期の基本指令値igbaseは、内燃機
関1の通常的な運転時(FIREモード以外の運転時)
における点火時期の指令値に相当するものであり、進角
側の値である。
は、上記のように基本指令値igbaseを補正した指令値ig
log に従って内燃機関1の点火時期を前記点火装置21
を介して操作することで、内燃機関1の回転数Neを目
標回転数ne/fire に(最終的にはアイドリング回転数NO
BJに)フィードバック制御する。
って、内燃機関1の回転数Neは目標回転数ne/fire に
対して上昇傾向となるので、点火時期操作回転数F/B
制御により求められる前記補正量DIG は、点火時期を基
本指令値igbaseから遅角側に補正するものとなる。従っ
て、この補正量DIG (≦0)により基本指令値igbaseを
補正してなる点火時期iglog は、図3の中段の実線示の
ように遅角側のものとなる。
イドリング運転時に行うFIREモードは、上記のよう
なバイパス開度の操作による吸入空気量の増量と点火時
期操作回転数F/B制御による点火時期の遅角側への操
作とによって、内燃機関1の回転数Neを所要の目標回
転数ne/fire (最終的にはアイドリング回転数NOBJ)に
制御しつつ、内燃機関1がその燃焼室4で混合気の燃焼
により生成する排ガスの熱量を通常のアイドリング運転
時よりも多くするものである。そして、このように熱量
を多くした排ガスを触媒装置3に供給することによっ
て、触媒装置3の昇温・活性化を早め、該触媒装置3の
所要の排ガス浄化性能を早期に確保するものである。
作回転数F/B制御とを行うFIREモードは、その動
作途中で車両のアクセルペダルが操作される等した場合
を除いて、前記FIRE経過時間t/fireがFIREモー
ド制限時間TFIRELMTに達するまで連続的に行われ、その
後は、システムの動作は、内燃機関1の通常的な運転を
行うモード(以下、通常モードという)に移行する。こ
の通常モードでは、バイパス開度は、例えば内燃機関1
の通常的なアイドリング運転を行うための開度(<FI
REモードにおけるバイパス開度。図3の上段の右側部
分を参照)に操作される。また、内燃機関1の点火時期
は、図3の中段の右側部分に示すように、FIREモー
ドの終了後、徐々に、前記基本指令値igbaseにより定ま
る通常的な進角側の点火時期に戻される。
REモードの動作中(FIRE経過時間t/fireがFIR
Eモード制限時間TFIRELMTに達する前)に、車両の発進
・走行を行ったり、内燃機関1の所謂、からぶかしを行
うために図示しないアクセルペダルが操作され、内燃機
関1のアイドリング以外の運転を行うべき状況となった
ときには、FIREモードの中断動作を行う。
温・活性化を確実なものとするために、前述のようなバ
イパス開度の操作による吸入空気量の増量は継続的に行
われるが、内燃機関1の所要の動力性能を確保するため
に、点火時期は、前記基本指令値igbaseにより定まる通
常的な進角側の点火時期に戻される(点火時期操作回転
数F/B制御が中断される)。そして、FIREモード
制限時間TFIRELMT内に、再び内燃機関1のアイドリング
運転を行う状況となった場合には、点火時期操作回転数
F/B制御が再開される。つまり、FIREモードの中
断動作は、基本的には点火時期操作回転数F/B制御を
中断する動作である。但し、バイパス開度の操作による
吸入空気量の増量に関しても、該増量に係わる部分的な
制御処理は中断される。
の基本的動作の概要である。
つ、本実施形態のシステムの詳細な作動を以下に説明す
る。
形態のシステムを起動すると、コントローラ2は図4の
フローチャートに示すメインルーチン処理を所定の制御
サイクル、すなわちクランク角周期(TDC)で実行す
る。
モードが前記始動モードであるか否かを判断する(ST
EP4−1)。この判断は、例えば内燃機関1の所謂完
爆が確認されたか否かにより行われ、システムの起動
後、該完爆が確認されるまでの間は、動作モードは始動
モードである。尚、完爆の確認は、回転数センサ14の
出力(回転数Neの検出値)等に基づいて行われる。
動モードである場合には、コントローラ2は、内燃機関
1を始動するための始動モード処理を制御サイクル毎に
実行する(STEP4−2)。
ーラ2は、内燃機関1を始動する上で適正な点火時期、
燃料供給量、及びバイパス開度の指令値を、それぞれ前
述の各種センサ14〜20の出力(検出値)や所定のマ
ップ、演算式等に基づいて決定する。そして、その決定
した指令値に従って前記点火装置21、燃料供給装置2
2、及びバイパス弁アクチュエータ24を介して点火時
期、燃料供給量及びバイパス開度(吸入空気量)を操作
しつつ、図示しないスタータモータによる内燃機関1の
クランキングを行わしめることで、内燃機関1を始動す
る。
2は前記FIREモードの制御処理で使用するフラグ等
の各種パラメータ(詳細は後述する)の初期設定を行
う。
の始動時の機関温度Tw、大気温度Ta及び大気圧Pa
がそれぞれ機関温度センサ15、大気温度センサ17及
び大気圧センサ18により検出されて図示しないメモリ
に記憶保持される。
ドが始動モードでない場合には(内燃機関1の完爆が確
認された場合)には、コントローラ2は、制御サイクル
毎に、内燃機関1への燃料供給量の指令値を生成する
(STEP4−3)。さらに、コントローラ2は、FI
REモードの制御処理を行うべきか否か(動作モードを
FIREモードにするか通常モードにするか)の条件判
断を行った後(STEP4−4)、バイパス開度の指令
値θCMD を前記吸入空気量操作手段25によって生成し
(STEP4−5)、また、内燃機関1の点火時期の指
令値iglog を、前記点火時期操作手段26によって生成
する(STEP4−6)。
指令値の生成処理では、まず、前記回転数センサ14及
び吸気圧センサ16により検出される内燃機関1の回転
数Ne(実回転数)及び吸気圧Pbから、あらかじめ定
められたマップに基づいて基本燃料供給量が求められ
る。そして、この基本燃料供給量を前記機関温度センサ
15や大気温度センサ17により検出される機関温度T
wや大気温度Ta等に応じて補正することで、内燃機関
1の燃焼室4の吸入空気量に対応した燃料供給量の指令
値が生成される。
は、制御サイクル毎に、コントローラ2から前記燃料供
給装置22に与えられ、該燃料供給装置22は、与えら
れた指令値に従って内燃機関1への燃料供給を行う。
断の処理は図5のフローチャートに示すように行われ
る。
の前記FIRE経過時間t/fireが前記FIREモード制
限時間TFIRELMT内にあるか否か(t/fire<TFIRELMTであ
るか否か。STEP5−1)、前記回転数センサ14に
より検出された現在の回転数Neが正常な所定範囲内に
あるか否か(STEP5−2)、前記機関温度センサ1
5により検出された現在の機関温度Twが正常な所定範
囲内にあるか否か(STEP5−3)を順次判断する。
尚、STEP5−1で判断するFIRE経過時間t/fire
は、前記始動モード処理(STEP4−2)において
「0」に初期化され、始動モードが終了した時点(内燃
機関1の完爆が確認された制御サイクル)から計時され
るものである。
成立しない場合、すなわち、FIRE経過時間t/fireが
既にFIREモード制限時間TFIRELMTに達している場
合、あるいは、内燃機関1の現在の回転数Neが異常な
高回転数もしくは低回転数となっている場合、あるいは
内燃機関1の現在の機関温度Twが異常な高温もしくは
低温となっている場合には、コントローラ2は、後述す
る学習演算に係わる処理(詳しくは後述する基本学習補
正係数vpskisldの算出処理)を終了するか否かをそれぞ
れ値「1」、「0」で表すフラグf/flrnend (以下、学
習演算終了フラグf/flrnend という)の値を判断する
(STEP5−4)。そして、コントローラ2は、f/fl
rnend =0である場合にのみ、現在のFIRE経過時間
t/fireの値をパラメータt/kil の値として保持しておき
(STEP5−5)、さらに学習演算終了フラグf/flrn
end の値を「1」に設定する(STEP5−6)。ここ
で、パラメータt/kil は、後述する基本学習補正係数vp
skisldの算出処理を終了する際のFIRE経過時間t/fi
reを表すものである。以下、パラメータt/kil を学習終
了時刻パラメータt/kil という。
習終了時刻パラメータt/kil の値は、前記始動モード処
理(STEP4−2)において「0」に初期化される。
時間t/fireの値を強制的にFIREモード制限時間TFIR
ELMTに固定した後(STEP5−7)、FIREモード
の前述のような中断動作を行うべき状態であるか否かを
それぞれ値「1」、「0」で表すフラグf/fpause(以
下、FIRE中断フラグf/fpauseという)の値と、FI
REモードの動作を行うべき状態であるか否かをそれぞ
れ値「1」、「0」で表すフラグf/fireon(以下、FI
RE実行可否フラグf/fireonという)の値とを「0」に
設定し(STEP5−8,5−9)、図4のメインルー
チンの処理に復帰する。尚、FIREモードの動作を行
うべき状態でない(f/fireon=0)ということは、前記
通常モードの動作を行うべき状態であることを意味す
る。
が成立する場合には、コントローラ2は、アクセルセン
サ19の出力(アクセル操作量Ap)により車両のアク
セルペダルの操作がなされているか否か(STEP5−
10)、内燃機関1のフュエルカット中であるか否か
(STEP5−11)を順次判断する。尚、内燃機関1
のフュエルカットは、車両の減速走行時等に燃料供給を
遮断する処理である。また、車両のアクセルペダルの操
作がなされている状態では、コントローラ2は、前記ス
ロットル弁5の開度をアクセル操作量Apに応じた開度
に前記スロットル弁アクチュエータ23を介して操作す
る。
いずれの条件も成立しない場合は、基本的には内燃機関
1のアイドリング運転を行う状態である。この場合に
は、コントローラ2は、前記FIRE中断フラグf/fpau
seの値を「0」に設定し(STEP5−12)、さらに
前記FIRE実行可否フラグf/fireonの値を「1」に設
定した後(STEP5−13)、図4のメインルーチン
の処理に復帰する。
れかの条件が成立する場合には、コントローラ2は、F
IREモードの中断動作を行うべく、FIRE中断フラ
グf/fpauseの値を「1」に設定した後(STEP5−1
4)、前記学習演算終了フラグf/flrnend の値を判断す
る(STEP5−15)。そして、コントローラ2は、
f/flrnend =0である場合にのみ、現在のFIRE経過
時間t/fireの値を前記学習終了時刻パラメータt/kil の
値として保持し(STEP5−16)、さらに学習演算
終了フラグf/flrnend の値を「1」に設定する(STE
P5−17)。
ドの中断動作の終了後の点火時期の操作処理(詳細は後
述する)に用いるカウントダウンタイマcnt/igvpl の値
を所定の初期値XCNTに設定した後(STEP5−1
8)、前記STEP5−13を経て図4のメインルーチ
ンの処理に復帰する。
かの条件が成立する状況、すなわち、FIREモードの
中断動作を行うべくFIRE中断フラグf/fpauseの値を
「1」に設定する状況は、基本的には前記FIREモー
ド制限時間TFIRELMT内で、車両のアクセルペダルの操作
により、車両の発進・走行を行っている状況(内燃機関
1がその負荷を駆動している状況)であるか、もしく
は、内燃機関1の空ぶかしを行っている状況である。但
し、FIREモード制限時間TFIRELMT内で車両を発進さ
せたとき、その後の車両の減速走行中には、STEP5
−10、5−11のいずれの条件も成立しない場合もあ
る。つまり、FIREモードの中断動作を行う状況は、
より正確に言えば、混合気の燃焼を行いながら内燃機関
1のアイドリング運転以外の運転を行う状況である。
処理によって、内燃機関1の始動後(始動モードの終了
後)、内燃機関1の回転数Neや機関温度Twが適正な
範囲内にある限り、前記FIRE経過時間t/fireが前記
FIREモード制限時間TFIRELMTに達するまで、システ
ムの動作モードはFIREモードに設定される(f/fire
on=1)。そして、このFIREモードが設定されてい
る状態では、該FIREモードの中断動作中を除き、基
本的には、前述したようなバイパス開度の操作による吸
入空気量の増量と点火時期操作回転数F/B制御とが並
行して行われる。
Twがなんらかの原因で異常に高いか、もしくは低いも
のとなっている状況では、システムの動作モードは内燃
機関1の始動直後から通常モードに設定されるか、もし
くは、FIREモードが途中で解除(終了)されて通常
モードが設定される(f/fireon=0)。そして、この通
常モードが設定されている状態では、バイパス開度や点
火時期は、内燃機関1の通常的な運転(FIREモード
以外の運転)を行うためのバイパス開度や点火時期に操
作される。さらに、通常モードが設定されるときには、
前記STEP5−7においてFIRE経過時間t/fireの
値を強制的にFIREモード制限時間TFIRELMTに固定す
るため、以後は、内燃機関1を再び始動するまで前記S
TEP5−1の条件が成立することがない(FIRE経
過時間t/fireは始動モードにおいてのみ初期化され
る)。従って、FIREモードは、内燃機関1の始動
後、FIREモード制限時間TFIRELMTが経過するまでの
期間においてのみ設定される。
ードに設定されている状態(f/fireon=1)で、アクセ
ルペダルの操作によって車両の走行が行われたり、内燃
機関1の空ぶかしが行われたような場合、すなわちアイ
ドリング運転以外の内燃機関1の運転を行うべき場合
(STEP5−10、5−11のいずれかの条件が成立
する場合)には、前記FIRE中断フラグf/fpauseが
「1」に設定される。この場合には、前述のようにバイ
パス開度の操作による吸入空気量の増量は行うが、点火
時期操作回転数F/B制御は中断する、というようなF
IREモードの中断動作が行われることとなる。そし
て、動作モードがFIREモードで、且つ中断動作が行
われている状態(f/fireon=1且つf/fpause=1)にお
いて、STEP5−10、5−11のいずれかの条件も
成立しなくなり、FIRE中断フラグf/fpauseが「0」
に戻された場合(これは、基本的にはアイドリング運転
を再開する場合である)には、中断動作が解除され、点
火時期操作回転数F/B制御が再開される。
モードの中断動作が行われる状況(STEP5−10の
条件が成立)では、前記スロットル弁5の開度がアクセ
ル操作量Apに応じたもの(>0)とされる。このた
め、この状況では、内燃機関1の燃焼室4には、バイパ
ス弁7とスロットル弁5との両者を介して吸気が行われ
ることとなる。
始動モードの終了後、若干の時間が経過するまでは、シ
ステムの動作モードをFIREモードに設定しないよう
にしてもよい。
バイパス開度の指令値θCMD の生成処理について説明す
る。
説明する前に、この処理の基本的な内容を説明してお
く。
ドにおけるバイパス開度の指令値θCMD を生成するため
にコントローラ2の吸入空気量操作手段25が行う主要
な処理として、バイパス開度の標準指令値θ0 (以下、
標準開度指令値θ0 という)を生成する処理(以下、標
準開度指令値生成処理という)と、内燃機関1の燃焼室
4の実際の吸入空気量の積算値を所要の目標値に収束さ
せるようにフィードバック制御処理によってバイパス開
度の指令値を補正するための処理(以下、吸気量F/B
制御補正処理という)と、この吸気量F/B制御補正処
理によるバイパス開度の指令値の補正量をFIREモー
ドの動作が行われる毎に学習し、その学習結果に基づい
て次回のFIREモードの動作に際してバイパス開度の
指令値を補正するための処理(以下、学習補正処理とい
う)と、前記大気圧センサ18及び大気温度センサ17
によりそれぞれ検出される大気圧Pa及び大気温度Ta
のそれぞれに応じてバイパス開度の指令値を補正するた
めの処理(以下、大気条件補正処理という)と、前記点
火時期操作回転F/B制御によって操作される点火時期
に応じてバイパス開度の指令値を補正するための処理
(以下、点火時期応動補正処理という)とがある。以下
にこれらの処理の基本的な内容を説明する。
て説明する。
ドにおける吸入空気量の増量は、触媒装置3の早期の昇
温・活性化を主目的とするものであり、この場合、FI
REモード制限時間TFIRELMT内で触媒装置3の所望の昇
温・活性化を確実に行い得る熱量の排ガス(該排ガスの
熱量は概ね内燃機関1の燃焼室4の吸入空気量に比例す
る)を触媒装置3に供給することができるように吸入空
気量を増量させてやる必要がある。
1の始動後、直ちに開始するものであると共に、前記点
火時期操作回転数F/B制御によって点火時期を通常の
点火時期よりも遅角側に操作しながら行うものであるた
め、該吸入空気量の増量形態(増量の時間的変化のパタ
ーン)が不適切であると、内燃機関1の燃焼状態やエミ
ッション状態を損なう虞れがある。従って、FIREモ
ードにおける吸入空気量の増量は、FIREモードにお
ける内燃機関1の燃焼状態やエミッション状態等を損な
うことなく該内燃機関1のアイドリング運転を安定して
円滑に行うことができるように行う必要がある。
では、吸入空気量の増量のために前記バイパス弁アクチ
ュエータ24に与えるべきバイパス開度の指令値の基本
となる前記標準開度指令値θ0 を、内燃機関1の始動時
(始動モード)における機関温度Twや前記FIRE経
過時間t/fire等に応じて制御サイクル(TDC)毎にフ
ィードフォワード的に生成する。尚、この標準開度指令
値θ0 は、本発明の構成に対応させると、流量制御弁の
操作量の基準指令値に相当するものである。
行われる。
に前記機関温度センサ15により検出された機関温度T
wから、あらかじめ定められたデータテーブルに基づき
標準開度指令値θ0 の基本値i/ftbl(これはFIREモ
ードの動作中の標準開度指令値θ0 の最大値である)を
決定する。
ftblは、FIREモードの動作中における車両の図示し
ない自動変速機の操作レバーの操作位置(以下、シフト
位置という)がNレンジ(ニュートラルレンジ)にある
場合と、Dレンジ(ドライブレンジ)にある場合とで各
別の値を決定する。
Nレンジにある場合には、内燃機関1の始動時の機関温
度Twから、図6の実線aのデータテーブルに従って求
まる値ifiret(以下、Nレンジ基本値ifiretという)を
標準開度指令値θ0 の基本値i/ftblとして決定する。
的には、機関温度Twが高い程、Nレンジ基本値ifiret
が小さくなるように設定されている。これは、内燃機関
1の始動時の機関温度Twは、触媒装置3の初期温度に
相当し、該温度が高い程、触媒装置3の所望の昇温・活
性化を行う上で必要な熱量、ひいては内燃機関1の吸入
空気量が少なくて済むからである。
にある場合には、内燃機関1の始動時の機関温度Twか
ら、図6の実線bのデータテーブルに従って求まる値ia
tfire (以下、Dレンジ補正値iatfire という)を上記
Nレンジ基本値ifiretに加算した値を標準開度指令値θ
0 の基本値i/ftbl(=ifiret+iatfire )として決定す
る。
的には、内燃機関1の始動時の任意の機関温度Twにお
いて、Dレンジでの基本値fitbl をNレンジの場合より
も若干高めるように設定されている。これは、Dレンジ
ではNレンジの場合よりも内燃機関1の駆動力を吸収す
る負荷が多くなって、内燃機関1の回転数低下を引き起
しやすいと共に排ガスの熱量がNレンジの場合よりも少
なくなるからである。
度(内燃機関1の始動時における触媒装置3の温度状
態)に相当するものとして内燃機関1の始動時の機関温
度Twを用いているが、内燃機関1の始動時に触媒装置
3の初期温度を直接的に検出し、その検出温度から上記
と同様に標準開度指令値θ0 の基本値i/ftblを決定する
ようにしてもよい。
を採用しているため、Nレンジと、Dレンジとで各別の
基本値i/ftblを設定しているが、手動操作式の変速機を
車両に搭載している場合には、このような区別を行うこ
となく単一の基本値i/ftblを内燃機関1の始動時の機関
温度Tw(あるいは触媒装置3の初期温度)に応じて上
記と同様に設定するようにしてもよい。
値i/ftblを決定する一方、標準開度指令値生成処理で
は、さらに、前記FIRE経過時間t/fireから、図7に
示す如くあらかじめ定められたデータテーブル(タイム
テーブル)に従って上記基本値i/ftblを補正(乗算補
正)するための補正係数km/fire (≦1)を制御サイク
ル毎に求める。そして、この補正係数km/fire を上記基
本値i/ftblに乗算してなる値を標準開度指令値θ0 (=
i/ftbl・km/fire )として決定する。
REモードの初期段階(t/fire:0〜t1 )では、始動
直後の内燃機関1の燃焼状態等を安定化するために、標
準開度指令値θ0 を基本値i/ftblに向かって徐々に増加
させていくように、補正係数km/fire を「1」に向かっ
て徐々に増加させていく。そして、標準開度指令値θ0
が基本値i/ftblに達してから(補正係数km/fire が
「1」に達してから)は、所定時間の間(t/fire:t1
〜t2 )、標準開度指令値θ0 を基本値i/ftblに維持す
るように補正係数km/fire を「1」に設定する。その後
は(t/fire:t2 〜TFIRELMT)、標準開度指令値θ0 を
緩やかに減少させていくように、補正係数km/fire を緩
やかに減少させていく。このように、標準開度指令値θ
0 を緩やかに減少させていくのは次の理由による。
行すると、該内燃機関1の各部のフリクション(摩擦)
が徐々に低下していき、内燃機関1の回転数Neの上昇
傾向が高まり、その結果、前記点火時期操作回転数F/
B制御により操作される内燃機関1の点火時期はより遅
角側に移行していくこととなる。そして、このとき、内
燃機関1の点火時期が、内燃機関1の正常な運転を行い
つつ該点火時期を操作し得る遅角側の限界値まで達して
しまうと、内燃機関1の回転数Neの上昇傾向を抑える
ことができなくなってしまう。このような事態を予防す
るために、FIRE経過時間t/fireが所定時間t2 に達
し、FIREモードの動作がある程度進行した後(内燃
機関1の暖機がある程度進行した後)は、標準開度指令
値θ0 (内燃機関1の吸入空気量)を緩やかに減少さ
せ、フリクションの低下による回転数Neの上昇傾向を
抑制する。
成処理の内容である。
上記のようにフィードフォワード的に生成する標準開度
指令値θ0 に従ってバイパス開度を操作することで、内
燃機関1の運転を安定して行いつつ、触媒装置3の所望
の昇温・活性化を適正に行うことを可能としている。
大気条件補正処理について説明する。
処理において前述の如く決定する標準開度指令値θ0
は、バイパス弁アクチュエータ24に与えるバイパス開
度の指令値に対して、バイパス弁7の実際の開度や内燃
機関1の燃焼室4の実際の吸入空気量が基準的な一定の
相関関係で一義的に定まり、また、大気圧Paや大気温
度Taがそれぞれ所定の標準大気圧(例えば1気圧)、
標準大気温度(例えば25°Cの常温)である、という
ような理想的な条件を前提として定めたものである。
バイパス弁7の実際の開度あるいは実際の吸入空気量
は、バイパス弁アクチュエータ24やバイパス弁7の動
作特性のばらつき、あるいは経時的な特性変化等に起因
してばらつきを生じる(以下、このような吸入空気量の
ばらつきを構造要因によるばらつきという)。
きが無いとしても、バイパス開度の指令値に対する実際
の吸入空気量は、大気圧Paによってばらつきを生じ
る。さらに、この大気圧Paの影響よりは小さいもの
の、バイパス開度の指令値θCMDに対する実際の吸入空
気量は、大気温度Taによってもばらつきを生じる(以
下、このような大気圧Pa、大気温度Taによる吸入空
気量のばらつきを大気条件によるばらつきという)。
(バイパス開度を一定)としたとき、実際の吸入空気量
は大気圧Paが低い程、少なくなる。また、大気温度T
aが高い程、空気の密度が小さくなるので、実際の吸入
空気量(吸入空気の質量)は大気温度Taが高い程、少
なくなる。
と、内燃機関1が生成する排ガスの熱量(これは概ね吸
入空気量に比例する)のばらつきも生じるため、触媒装
置3の昇温形態のばらつきも生じる。このため、場合に
よっては、FIREモードにおける吸入空気量の増量の
主目的である触媒装置3の早期の昇温・活性化を確実に
行うことができず、ひいてはFIREモードの動作中に
触媒装置3の所要の浄化性能を確保することができなく
なる虞れがある。
件補正処理は、このような不都合を解消するために行う
処理であり、このうち、吸気量F/B制御補正処理は、
前述した構造要因によるばらつきを補償するための処
理、大気条件補正処理は、大気条件によるばらつきを補
償するための処理である。
するための吸気量F/B制御補正処理に関して説明す
る。
本的な考え方としては、FIREモードの動作中に、内
燃機関1の排ガスにより触媒装置3に実際に与える熱量
を表す熱量データを逐次(制御サイクル毎に)検出もし
くは推定して取得し、その熱量データの値が所定の目標
値(これは触媒装置3に与えるべき目標熱量に相当す
る)に収束させるようにフィードバック制御処理により
バイパス開度の指令値を補正する。そして、この補正し
た指令値に基づきバイパス開度を操作することで、触媒
装置3に実際に与える熱量を、それを表す上記熱量デー
タの値の目標値に対応する目標熱量に合致させ、これに
より、触媒装置3の昇温形態のばらつきを解消する。
熱量データとしては、例えば制御サイクル毎(瞬時瞬時
の)の吸入空気量もしくは燃料供給量(これらは基本的
には触媒装置3に与える制御サイクル毎の(瞬時瞬時
の)熱量に比例する)、あるいはそれらの積算値(これ
は触媒装置3に与える瞬時瞬時の熱量の積算値に比例す
る)、あるいは触媒装置3の温度上昇量(触媒装置3の
初期温度からの温度上昇量が触媒装置3に与える瞬時瞬
時の熱量の積算値に比例する)等が挙げられる。
として例えば吸入空気量の積算値を用いることとし、F
IREモードの動作中の内燃機関1の実際の吸入空気量
の積算値を制御サイクル毎に次のように推定し、またそ
の積算値の目標値を制御サイクル毎に次のように設定す
る。
本実施形態における制御サイクルである1TDC当たり
に内燃機関1の燃焼室4に吸入される吸入空気量は、概
ね、前記図2に示したチャンバー13の内圧、すなわち
吸気圧Pbに比例する。
の吸入空気量の推定値gair/preを次式(1)により求め
る(以下、この推定値gair/preを推定吸入空気量gair/p
reという)。
じめ定めた所定値(一定値)である。
FIREモードの動作中に次式(2)により制御サイク
ル毎に累積加算していくことで、吸入空気量の積算値qa
ir/preを求める(以下、この積算値qair/preを推定積算
吸入空気量qair/preという)。
番数である(以下、同様)。
値は、例えばエアーフローセンサ等により制御サイクル
毎の吸入空気量を直接的に検出し、それを積算すること
で得るようにしてもよい。
目標値に相当する吸入空気量の積算値の目標値(以下、
目標積算吸入空気量qair/cmdという)は、触媒装置3の
昇温・活性化を適正に行う上では、種々の形態で設定す
ることが可能である。しかるに、その目標値は、FIR
Eモードの動作中の内燃機関1の吸入空気量、ひいては
内燃機関1の燃焼状態、エミッション状態等に影響を及
ぼすこととなるので、該内燃機関1の運転の安定性を考
慮する必要がある。
的な条件下で、触媒装置3の昇温・活性化を適正に行
い、また、安定した内燃機関1の運転を行い得るように
定めた前記標準開度指令値θ0 に基づいて上記目標積算
吸入空気量qair/cmdを設定する。
イパス開度の指令値に対して実際のバイパス開度や吸入
空気量が一義的に定まる、大気圧Pa及び大気温度Ta
がそれぞれ一定の標準大気圧及び標準大気温度である、
というような理想的な条件下で、触媒装置3の昇温・活
性化を適正に行い、また、安定した内燃機関1の運転を
行い得るように設定したものである。言い換えれば、標
準開度指令値θ0 は、触媒装置3の昇温・活性化を適正
に行い、また、安定した内燃機関1の運転を行うために
燃焼室4に吸入されるべき最適な吸入空気量を規定する
ものである。
バイパス開度を標準開度指令値θ0に従って操作した場
合における内燃機関1の燃焼室4の制御サイクル毎の吸
入空気量を、制御サイクル毎の目標吸入空気量gair/cmd
として設定し、その目標吸入空気量gair/cmdの積算値を
上記目標積算吸入空気量qair/cmdとして設定すればよ
い。
び目標積算吸入空気量qair/cmdは制御サイクル毎に次の
ように標準開度指令値θ0 から求めることができる。
き、バイパス弁7を通過する単位時間(一定時間)当た
りの空気量Giは、バイパス弁7の上流側の圧力である
大気圧Paと下流側の圧力である吸気圧Pbとを用いて
一般的に次式(3)により表される。
応じた係数で、該空気密度は大気温度Taに応じたもの
となる。また、式(3)中のθの項は、厳密には、バイ
パス弁7の箇所の有効開口面積であるが、ここでは、こ
の有効開口面積の代わりにバイパス開度θを用いてい
る。尚、有効開口面積に代わりにバイパス開度θを用い
ることによる影響の補正は、係数Ciに含めるようにし
てもよい。
ス開度を標準開度指令値θ0 に従って操作したとき、式
(3)において、θ=θ0 、Pa=標準大気圧(一定)
となり、また、係数Ciも基本的には標準大気温度に応
じた一定値となる。また、FIREモードにおける内燃
機関1の定常的な運転状態では、吸気圧Pbの変化は比
較的小さく、概ね一定値となる。さらに、FIREモー
ドにおける内燃機関1の定常的な運転状態では、前記ス
ロットル弁5は基本的には閉弁状態で、内燃機関1の燃
焼室4の吸入空気量は、バイパス弁7を通過する空気量
Giに等しいと見なせる。
標準開度指令値θ0 に従って操作したときの燃焼室4の
単位時間(一定時間)当たりの吸入空気量は、標準開度
指令値θ0 に比例する。
標準開度指令値θ0 に従って操作したときの燃焼室4の
1制御サイクル(1TDC)当たりの吸入空気量、すな
わち、前記目標吸入空気量gair/cmdは、次式(4)によ
り求めることができる。
Neの逆数(1/Ne)の項が含まれるのは、本実施形
態で1制御サイクル(1TDC)の時間が回転数Neに
反比例するからである。また、式(4)中のパラメータ
Ga2は、前述したことから明らかなように、標準大気圧
や標準大気温度、FIREモードにおける内燃機関1の
定常的な運転状態での標準的な吸気圧Pb等により定ま
る所定の定数である。
より求まる目標吸入空気量gair/cmdを、FIREモード
の動作中に次式(5)により制御サイクル毎に累積加算
していくことで、前記目標積算吸入空気量qair/cmdを求
める。
入空気量qair/cmdは、標準開度指令値θ0 により定まる
ものであるため、内燃機関1の始動時の機関温度Tw
(あるいは触媒装置3の初期温度)に応じたものとな
る。また、該目標積算吸入空気量qair/cmdに対応して、
内燃機関1の燃焼室4に吸入されるべき制御サイクル毎
の吸入空気量、すなわち前記目標吸入空気量gair/cmd
は、標準開度指令値θ0 と同じような時間的変化の形態
でFIRE経過時間t/fireに応じて変化するものとな
る。
ir/cmdは、あらかじめタイムテーブルにより設定してお
き、このタイムテーブルを用いて制御サイクル毎にFI
RE経過時間t/fireから求めるようにしてもよい。
/B制御補正処理は、基本的には、上記のように求めた
前記推定積算吸入空気量qair/pre(これは触媒装置3に
実際に与える熱量の積算値に相当する)を目標積算吸入
空気量qair/cmd(これは触媒装置3に与えるべき熱量の
積算値の目標値に相当する)に収束させるように(これ
らの偏差を解消するように)フィードバック制御処理に
よりバイパス開度の指令値の補正量を求め、この補正量
により標準開度指令値θ0 を補正してバイパス開度の指
令値を決定することで、前述した構造要因による吸入空
気量のばらつきを補償し、ひいては、触媒装置3の昇温
形態のばらつきを解消するものである。
は、後述の如く、推定積算吸入空気量qair/preと目標積
算吸入空気量qair/cmdとの偏差の減衰速度(推定積算吸
入空気量qair/preの目標積算吸入空気量qair/cmdへの収
束速度)を状況によって可変的に設定することが好まし
いこと等から、該減衰速度を任意に所望の減衰速度に指
定可能な応答指定型制御としてのスライディングモード
制御(より詳しくは適応スライディングモード制御)を
上記のフィードバック制御処理に用いる。
下、吸気側適応SLD制御という)を用いて、推定積算
吸入空気量qair/preを目標積算吸入空気量qair/cmdに収
束させるようにバイパス開度の指令値を補正する吸気量
F/B制御補正処理のアルゴリズムは本実施形態では次
のように構築されている。尚、以下の説明においては説
明の便宜上、しばらくの間、上記推定積算吸入空気量qa
ir/preを含めて内燃機関1の燃焼室4の実際の吸入空気
量の積算値を参照符号Qaを用いて積算吸入空気量Qa
と称し、その目標値を参照符号qを用いて目標積算量q
(これは、目標積算吸入空気量qair/cmdに相当する)と
称する。また、バイパス開度の指令値を一般的に参照符
号Θを用いて開度指令Θと称する。
イクル毎の実際の吸入空気量を参照符号Gcyl を用いて
表し、この吸入空気量Gcyl と前記開度指令Θとの相関
関係を次式(6)のように1次遅れ系の離散系(離散時
間系)モデル(1次の自己回帰モデル)で表現する。
aや大気温度Ta、吸気圧Pb、回転数Ne等に応じた
モデルパラメータである。
量Qaは、次式(7)により表されるので、
式(8)が得られる。
(7)によってGcyl(k)=Qa(k)−Qa(k-1)であるの
で、これを式(8)に代入して整理すると、次式(9)
が得られる。
おいて、開度指令Θから積算吸入空気量Qaを生成する
系、すなわち、前記吸気側適応SLD制御の制御対象と
すべき系を離散系のモデル(2次の自己回帰モデル。以
下、吸気制御対象モデルという)で表現したものとなっ
ている。すなわち、該吸気制御対象モデルは、吸気側適
応SLD制御の制御対象の出力としての各制御サイクル
における積算吸入空気量Qa(k+1)を、それより過去の制
御サイクルにおける積算吸入空気量Qaの時系列データ
Qa(k),Qa(k-1)、並びに吸気側適応SLD制御の制御
対象の入力としての開度指令Θ(k) を用いて表現するも
のである。尚、式(9)において、積算吸入空気量Qa
(k),Qa(k-1)にそれぞれ係る係数a1 ,a2 と、開度
指令Θ(k)に係る係数b1 とは吸気制御対象モデルの挙
動特性を規定するモデルパラメータである。
に基づいて、吸気側適応SLD制御のアルゴリズムを以
下の如く構築している。
ライディングモード制御に必要な切換関数σ1 を、前記
積算吸入空気量Qaと前記目標積算量qとの偏差Eq=
Qa−qの制御サイクル毎の時系列データEq(k),Eq
(k-1)を変数とする次式(10)の線形関数により定義
する。
関数σ1 の各項の係数パラメータであり、次式(11)
の条件を満たすように設定する。
=1としている。また、本実施形態では、係数パラメー
タs2 の値(より一般的には、s2 /s1 の値)を可変
的に設定するのであるが、これについては後述する。
前記偏差Eqの時系列データEq(k),Eq(k-1)の組から
成る状態量(Eq(k),Eq(k-1))を図8に示す如く、σ
1 =0なる関係式によって定義される切換線(これはす
べり線とも言われる)上に収束させ、その収束状態を維
持すると、状態量(Eq(k),Eq(k-1))を、外乱等の影
響によらずに極めて安定に切換線σ1 =0上の平衡点、
すなわち、Eq(k)=Eq(k-1)=0となる点に収束させる
ことができる。
る位相空間が2次元であるため(状態量(Eq(k),Eq
(k-1))の成分が二つ)、切換線σ1 =0は直線となる
が、位相空間が3次元である場合には、切換線は平面と
なり、この場合には、該切換線はすべり面といわれるこ
ともある。さらに、位相空間が4次元以上の高次元にな
ると、切換線は幾何学的に図示できない超平面となる。
積算量qに収束させるために、前記式(9)によりモデ
ル化した制御対象に与えるべき入力として吸気側適応S
LD制御が生成する制御入力、すなわち開度指令Θは、
基本的には、前記状態量(Eq(k),Eq(k-1))を前述の
如く定めた切換線σ1 =0に拘束するための制御則に基
づいて定める等価制御入力Θeqと、状態量(Eq(k),E
q(k-1))を切換線σ1=0に収束させるための制御則で
ある到達則に基づいて定める到達則入力Θrchと、状態
量(Eq(k),Eq(k-1))の切換線σ1 =0への収束に際
しての外乱等の影響を排除するための制御則である適応
則に基づいて定める適応則入力Θadp との総和である
(次式(12)を参照)。
は、適応則を考慮せず、この場合には、適応則入力Θad
p は省略される。
3)により与えられる。
Eq(k-1))を切換線σ1 =0に拘束するためのσ1(k)=
σ1(k-1)なる条件と、前記吸気制御対象モデルの式
(9)とに基づいて導出することができるものである。
adp は、それらを定める種々の手法が考えられるが、本
実施形態では、到達則入力Θrch 及び適応則入力Θadp
は、それぞれ前記切換関数σ1 の値、及び該切換関数σ
1 の値の積算値(積分値)に比例させたものとし、それ
ぞれ次式(14)、(15)により定める。
係わるゲインを規定する係数であり、次式(16)の条
件を満たすように設定すればよい。但し、切換関数σ1
の値の切換線σ1 =0への収束に際してのチャタリング
を低減する上では、式(16)’の条件を満たすように
係数F1 を設定することが好ましい。
わるゲインを規定する係数であり、次式(17)の条件
を満たすように設定すればよい。尚、式(17)中のΔ
Tは制御サイクル(制御周期)である。
のアルゴリズムでは、基本的には、式(13)〜(1
5)により等価制御入力Θeq、到達則入力Θrch 及び適
応則入力Θadp を求め、それらの総和を開度指令Θとし
て生成することで、前記積算吸入空気量Qaを前記目標
積算量qに収束させるようにFIREモードの動作中の
吸入空気量を操作することが可能である。
Θrch 及び適応則入力Θadp をそれぞれ前記式(13)
〜(15)により求めるためには、前記式(9)により
表した吸気制御対象モデルのモデルパラメータa1 ,a
2 ,b1 の値を同定しておく必要がある。しかるに、こ
れらのモデルパラメータa1 ,a2 ,b1 の値は、FI
REモードの動作中の種々様々の要因の影響を受け、そ
れらの値の最適な同定を行うことは煩雑なものとなりや
すい。
デルパラメータa1 ,a2 ,b1 を排除し、吸気側適応
SLD制御の簡略化したアルゴリズムを構築する。
adp に関しては、これらを求めるための前記式(1
4)、(15)中に含まれるモデルパラメータはb1 だ
けである。そして、式(14)で(F1 /b1 )を改め
てFxとおき、また、式(15)で(F2 /b1 )を改
めてFyとおけば、式(14)、(15)はそれぞれ次
式(18)、(19)に書き換えられる。
よって、モデルパラメータb1 を用いずに到達則入力Θ
rch 及び適応則入力Θadp を求めることができる。
係数Fx,Fyの値は、切換関数σ1 の値の切換線σ1
=0への収束の安定性や速応性等を考慮して、実験やシ
ミュレーションを通じて定めればよい。
を求めるための前記式(13)は、前記偏差Eq=Qa
−qを用いて次式(20)に書き換えることができる。
む項は、積算吸入空気量Qaと目標積算量qとの偏差E
qに基づくフィードバック項で、第2番目の大括弧を含
む項は、目標積算量qのみに基づくフィードフォワード
項である。以下、このフィードバック項及びフィードフ
ォワード項をそれぞれ次式(21)、(22)のように
Θeq/fb 、Θeq/ff とおく。
f は、前記偏差Eqが定常的に「0」となるような状態
で制御対象に与えるべき入力(開度指令Θ)である。一
方、前記標準開度指令値θ0 は、本実施形態では目標積
算量qを規定するものであると共に、該標準開度指令値
θ0 に対して吸入空気量、ひいては積算吸入空気量がそ
の目標とすべき値に一義的に定まりるものとしてフィー
ドフォワード的に設定したものである。
ド項Θeq/ff は、モデルパラメータa1 ,a2 ,b1 を
含まない標準開度指令値θ0 に置き換えることができ
る。
関しては、このフィードバック項Θeq/fb を含む等価制
御入力Θeqは、前記状態量(Eq(k),Eq(k-1))を前記
切換線σ1 =0上に拘束するための制御入力であるが、
本願発明者等の各種検討によれば、本実施形態のシステ
ムでは、状態量(Eq(k),Eq(k-1))が切換線σ1 =0
の近傍に存する状態において安定性が高い。また、本実
施形態では、前記適応則入力Θadp を採用することで、
状態量(Eq(k),Eq(k-1))の切換線σ1 =0上への収
束の安定性を高めることができる。
記フィードバック項Θeq/fb を省略しても実用上、制御
性が損なわれることはないと考えられる。
力Θeqは、そのフィードバック項Θeq/fb を省略し、フ
ィードフォワード項Θeq/ff を標準開度指令値θ0 で置
き換えたものとしてもよいと考えられ、このようにすれ
ば、等価制御入力Θeqは、モデルパラメータa1 ,a2
,b1 を用いずに求めることができる。
D制御の等価制御入力Θeqは、次式(23)により与え
るものとする。
量F/B制御補正処理では、前述した構造要因による吸
入空気量のばらつきを補償するために前記吸気側適応S
LD制御により決定する制御対象への入力、すなわち開
度指令Θを次式(24)の演算により求める。
記式(18)、(19)により求まる到達則入力Θrch
及び適応則入力Θadp の総和(=Θrch +Θadp )を次
式(25)のようにバイパス開度の指令値の補正量i/sl
d (以下、SLD開度補正量i/sld という)として求
め、このSLD開度補正量i/sld により標準開度指令値
θ0 を補正する(標準開度指令値θ0 にSLD開度補正
量i/sld を加算する)ことで、構造要因によるばらつき
を補償するための開度指令Θを求める。
d (=Θrch +Θadp )を求めるために必要となる切換
関数σ1 の値は、本実施形態では、前記式(10)の積
算吸入空気量Qaとして前記式(2)により求まる推定
積算吸入空気量qair/preを用い、且つ、目標積算量qと
して前記式(5)により求まる目標積算吸入空気量qair
/cmdを用いた次式(26)の演算により求める。
断動作中(前記FIRE中断フラグf/fpauseが「1」に
設定されている状態)は、SLD開度補正量i/sld の算
出は中断する(SLD開度補正量i/sld の値を中断動作
の直前の値に保持する)が、推定積算吸入空気量qair/p
reと目標積算吸入空気量qair/cmdの算出は継続する(但
し、推定積算吸入空気量qair/preに関しては内燃機関1
のフュエルカット中を除く)。そして、前記FIRE制
限時間TFIRELMTが経過する前に、中断動作を解除する状
態となった場合には、SLD開度補正量i/sld の算出及
びそれに応じた標準開度指令値θ0 の補正を再開する。
わち、FIREモードの中断動作中は、基本的には、車
両のアクセルペダルの操作によって、車両の走行、もし
くは内燃機関1のからぶかしを行う状況である。そし
て、この状況では、前記スロットル弁5がアクセル操作
量Apに応じた開度に開かれるので、内燃機関1の燃焼
室4の実際の吸入空気量は、バイパス弁7を介した吸入
空気量に、スロットル弁5を介した吸入空気量を加えた
ものとなる。
qair/preは、バイパス弁7とスロットル弁5との両者に
よる吸入空気量の積算値となるので、これをバイパス弁
7の標準開度指令値θ0 に応じて定まる目標積算吸入空
気量qair/cmdに収束させるようにバイパス開度を操作す
ることは、アクセルペダルの操作に応じた内燃機関1の
動作性能を確保する上で好ましくない。このために、本
実施形態では、FIREモードの中断動作中は、SLD
開度補正量i/sld の算出を中断する。
燃機関1の燃焼室4の実際の吸入空気量は、バイパス弁
7を介した吸入空気量に、スロットル弁5を介した吸入
空気量を加えたものとなるので、触媒装置3に与えられ
る熱量がさらに多くなる。従って、FIREモードの中
断動作中に触媒装置3が十分に昇温・活性化される場合
もあるが、該中断動作が短時間で解除されるような場合
も多く、この場合には、該触媒装置3の昇温・活性化が
未だ不十分なものとなることがある。このために、本実
施形態では、FIREモードの中断動作中も推定積算吸
入空気量qair/preと目標積算吸入空気量qair/cmdの算出
を継続して行っておき、該中断動作の解除後にSLD開
度補正量i/sld の算出を再開して標準開度指令値θ0 の
補正を行うことで、FIREモードの動作中における触
媒装置3の昇温・活性化を確実なものとする。但し、こ
の場合において、推定積算吸入空気量qair/preに関して
は、内燃機関1のフュエルカット中は、燃焼室4に吸入
される空気が触媒装置3に与える熱量に寄与しないの
で、該フュエルカット中は、推定積算吸入空気量qair/p
reの算出を行わない。
応動補正処理を行っている際にも、SLD開度補正量i/
sld の算出を中断する(SLD開度補正量i/sld の値を
中断動作の直前の値に保持する)。これは次の理由によ
る。すなわち、点火時期応動補正処理は、詳細は後述す
るが、開度指令Θを標準開度指令値θ0 に対してフィー
ドフォワード的に減少側に補正する処理であり、このよ
うな処理を行っている際に、SLD開度補正量i/sld の
算出を行うと、点火時期応動補正処理による開度指令Θ
の減少分を打ち消すように、SLD開度補正量i/sld が
算出されてしまうからである。
正処理の基本的内容である。
1の吸入空気量の増量を開始した直後の段階、すなわ
ち、バイパス開度を上昇させていく段階は、内燃機関1
の始動直後の状態であるため、このような段階で標準開
度指令値θ0 をSLD開度補正量i/sld により大きく補
正すると、内燃機関1の燃焼室4での混合気の燃焼状態
の悪化や内燃機関1のエミッション状態の悪化を招く虞
れがある。また、本実施形態では、目標積算吸入空気量
qair/cmdが、内燃機関1の定常的な吸気状態を前提とし
ているため、吸入空気量の増量の開始直後の段階では、
目標積算吸入空気量qair/cmdの信頼性が乏しいと考え
る。このため、吸入空気量の増量の開始直後の段階で
は、目標積算吸入空気量qair/cmdと前記推定積算吸入空
気量qair/preとの偏差Eqが大きなものとなって、前記
SLD開度補正量i/sld も大きなものとなる虞れがあ
る。
ける吸気量F/B制御補正処理では、吸入空気量の増量
の開始後(FIREモードの開始後)、所定時間TISLDL
MT(SLD補正制限時間TISLDLMTという。図7を参照)
が経過するまで(FIRE経過時間t/fire≧TISLDLMTと
なるまで)の間は、目標積算吸入空気量qair/cmd及び推
定積算吸入空気量qair/preの値を強制的に「0」とする
(このときEq=0となる)。このようにすることで、
FIRE経過時間t/fireがSLD補正制限時間TISLDLMT
に達するまでの内燃機関1の始動直後の状態では、SL
D開度補正量i/sld の値も「0」に維持し、該SLD開
度補正量i/sld による標準開度指令値θ0 の補正を行わ
ないようにしている。
制御補正処理では、SLD開度補正量i/sld による標準
開度指令値θ0 の実際の補正を開始する直後において
も、その補正を急激に行うと、内燃機関1の燃焼状態や
エミッション性能を損なう虞れがある。このため、本実
施形態では、吸気量F/B制御補正処理で用いる前記吸
気側適応SLD制御の応答指定特性を利用し、推定積算
吸入空気量qair/preと目標積算吸入空気量qair/cmdとの
偏差Eq(以下、吸気偏差Eqという)の減衰速度(推
定積算吸入空気量qair/preの目標積算吸入空気量qair/c
mdへの収束速度)を、次のように可変的に設定するよう
にしている。
て、吸気偏差Eqに係わる状態量(Eq(k),Eq(k-1))
が前記切換線σ1 =0に収束した状態では、前記式(1
0)から明らかなように、次式(27)の関係式が成立
する。
1 ,s2 の比(s2 /s1 )(但し、−1<s2 /s1
<1)の値は吸気偏差Eqの「0」への減衰速度を規定
するものとなる(|s2 /s1 |が「0」に近づく程、
減衰速度は速くなる)。従って、この比(s2 /s1 )
の値によって、吸気偏差Eqの減衰速度を指定すること
ができることとなり、これが、吸気側適応SLD制御の
応答指定特性である。
いうことは、吸気側適応SLD制御によるフィードバッ
ク制御のゲインを大きくするということと同等である。
また、式(27)は、入力の無い一次遅れ系を表現して
おり、上記比(s2 /s1 )は、この一次遅れ系の極に
相当するものである(以下、上記比(s2 /s1 )をポ
ールpole/iと称する)。また、本実施形態では、s1 =
1に設定しており、この場合、pole/i=s2 である。ま
た、吸気偏差Eqの「0」への減衰は、非振動的である
ことが好ましく、このため、本実施形態では、s2 /s
1 =pole/i<0としている(s2 /s1 >0とすると、
式(27)から明らかなように吸気偏差Eqの「0」へ
の減衰は振動的になる)。
処理では、このような吸気側適応SLD制御の応答指定
特性を利用し、基本的には、FIRE経過時間t/fireか
ら、図9に示すようにあらかじめ定めたデータテーブル
(タイムテーブル)に基づいて制御サイクル毎に求まる
値pole/itbl (以下、ポールテーブル値pole/itbl とい
う)を前記ポールpole/iの値として設定することで、該
ポールpole/iの値をFIRE経過時間t/fireに応じて可
変的に設定する。
RE経過時間t/fireが所定値TPOLEVST(但し、TPOLEVST
≧SLD補正制限時間TISLDLMT)に達してから、ポール
テーブル値pole/itbl 、ひいてはポールpole/iをFIR
E経過時間t/fireの増加に伴い、所定の下限値pole/i0
(<0。本実施形態では「−1」)から所定の定常値po
le/ix (pole/i0 <pole/ix <0)に向かって徐々に増
加させ(ポールテーブル値pole/itbl の絶対値を徐々に
小さくしていく)、定常値pole/ix に達した後(FIR
E経過時間t/fireが図9中の所定値TPOLEXに達した後)
は、該定常値pole/ix に維持するようにしている。これ
により、本実施形態では、SLD開度補正量i/sld によ
る標準開度指令値θ0 の補正を開始する直後は、吸気偏
差Eqの減衰速度を徐々に早めていく(推定積算吸入空
気量qair/preの目標積算吸入空気量qair/cmdへの収束を
緩やかに行う)ようにしていると共に、FIRE経過時
間t/fireが所定値TPOLEXに達するまでは、該所定値TPOL
EXに達した後よりも吸気偏差Eqの減衰速度を遅くする
ようにしている。
ールpole/iの上記のような増加は、基本的には内燃機関
1の始動後の初期段階(吸入空気量を増加させていく段
階)で行う。
中断動作中は、吸気量F/B制御補正処理(より正確に
は、SLD開度補正量i/sld の算出処理)を行わないよ
うにしており、この状態では、ポールpole/iをポールテ
ーブル値pole/itbl の前記下限値pole/i0 に設定するよ
うにしている。そして、FIREモードの中断動作が解
除されたとき、ポールpole/iを上記下限値pole/i0 から
ポールテーブル値pole/itbl に向かって徐々に復帰させ
る(図9の仮想線を参照)ようにしている。
のばらつきの影響を補償するための前記大気条件補正処
理について説明する。
て説明する。尚、ここでの説明では、大気温度は一定で
あり、また、バイパス開度は開度指令Θに等しいものと
する。
吸気バルブ11(図2参照)の開度(有効開口面積)を
Acyl とおくと、該燃焼室4の吸入空気量Gcyl は、こ
れらの圧力Pcyl 、開度Acyl 及び吸気圧Pbとを用い
て、一般的に次式(28)により表される。
明した如く、空気密度に応じた係数である。
における燃焼室4内の圧力をPcyl、吸気バルブ11の開
度Acyl は基本的には一定である。また、係数Ciも大
気温度Taが一定であれば一定と考えてよい。
入空気量Gcyl を大気圧によらないものとするために
は、吸気圧Pbが大気圧Paに応じて変化しないことが
必要となることが判る。
て、バイパス弁7を通る空気量Giは、前記式(3)と
同様、次式(29)により表される。
(以下、これに参照符号Pa0を付する)である状態にお
いて、開度指令Θを前記標準開度指令値θ0 (これは前
述の通り標準大気圧Pa0を前提として定めたものであ
る)としたときにバイパス弁7を通る空気量をGi0(こ
れは前記目標吸入空気量gair/cmdに相当する)とおく
と、該空気量Gi0(以下、標準空気量Gi0という)は、
次式(30)により表される。
圧Pa0において、バイパス開度を標準開度指令値θ0 と
したときにチャンバー13(図2参照)内に発生する吸
気圧(以下、標準吸気圧Pb0という)である。
チャンバー13内の吸気圧Pbが変動しないための条件
は、チャンバー13内に流入する空気量、すなわちバイ
パス弁7を通る空気量Gi と、チャンバー13から流出
する空気量、すなわち燃焼室4の吸入空気量Gcyl とが
等しくなることである。
Pa0に対して変動したとき、燃焼室4の吸入空気量Gcy
l が変化しないようにするための開度指令Θは、式(2
9)中の吸気圧Pbが、前記標準吸気圧Pb0と等しくな
り、且つ、式(29)により表される空気量Giが前記
標準空気量Gi0(式(30))と等しくなるように定め
ればよい。
1)の条件を満たすように定めればよい。
いて解くと、次式(32)が得られる。
づいて標準開度指令値θ0 を補正して開度指令Θを決定
すれば、大気圧による吸入空気量のばらつきを補償しす
ることができる。つまり、式(32)中の平方根の値kp
a (以下、大気圧補正係数kpa という)を開度指令に乗
算して補正することで、大気圧による吸入空気量のばら
つきを補償するための開度指令を決定することができ
る。
値θ0 を前述の如く時間的に変化させるため、式(3
2)の演算で使用する標準吸気圧Pb0も変化し、従っ
て、大気圧による吸入空気量のばらつきを的確に補償す
る上では、標準吸気圧Pb0の値をあらかじめ定めたデー
タテーブル等を用いて標準開度指令値θ0 に応じて適宜
変更することが好ましいと考えられる。但し、本実施形
態では、FIREモードにおける定常的な内燃機関1の
運転中は、実際上、吸気圧Pbの変動は小さいというこ
と、並びに制御系の安定性を考慮し、式(32)中の標
準吸気圧Pb0としてあらかじめ定めた所定値(固定値)
を用いる。
演算負荷を軽減するために、実際には、式(32)の演
算を直接的には行わず、次のような処理を行う。
定めた標準大気圧Pa0と、標準吸気圧Pb0と、内燃機関
1の始動時(始動モード)において前記大気圧センサ1
8により検出される大気圧Paとから次式(33)によ
り定義するパラメータratio/dpa (以下、大気圧補正用
パラメータratio/dpa という)、すなわち、式(32)
の平方根(√)内の値を求める。
タratio/dpa の種々の値に対して平方根の演算を行って
定めた図10のデータテーブルを用意しておき、先に求
めた大気圧補正用パラメータratio/dpa の平方根を前記
大気圧補正係数kpa として求める。そして、この大気圧
補正係数kpa を用いて開度指令を補正(乗算補正)す
る。
ンサ18により検出される大気圧Paが標準大気圧Pa0
であれば、「1」であり、該大気圧Paが大きくなる
程、値が小さくなる。
理において、大気圧による吸入空気量のばらつきを補償
するための処理の基本的内容である。
説明する。前記式(28)から明らかなように内燃機関
1の燃焼室4の吸入空気量Gcyl は、大気密度に応じた
係数Ciの影響を受け、大気密度が高い程、多くなる。
そして、大気密度は、大気温度が高い程、低くなるの
で、燃焼室4の吸入空気量Gcyl は大気温度が高い程、
少なくなる。
の吸入空気量Gcyl を変化させないようにするために
は、大気温度が高い程、バイパス開度が大きくなるよう
に開度指令Θを補正してやればよい。
動時(始動モード)において前記大気温度センサ17に
より検出される大気温度Taから、図11に示す如くあ
らかじめ実験等に基づき定めたデータテーブルに基づい
て補正係数kta (以下、大気温度補正係数kta という)
を求め、この大気温度補正係数kta を用いて開度指令を
補正(乗算補正)する。
Ta0(例えば25°C)における吸入空気量を基準とし
ているので、大気温度補正係数kta は、検出される大気
温度Taが標準大気温度Ta0であるとき「1」であり、
大気温度Taが高くなる程、値が大きくなる。
大気温度による吸入空気量のばらつきを補償するための
処理の基本的内容である。
る。
要因による吸入空気量のばらつきを補償するために、吸
気側適応SLD制御を用いた吸気量F/B制御補正処理
によって、制御サイクル毎に前記SLD開度補正量i/sl
d を求め、このSLD開度補正量i/sld によって標準開
度指令値θ0 を補正する。この場合、バイパス弁7の経
年劣化等により、標準開度指令値θ0 に対する実際の吸
入空気量が、該標準開度指令値θ0 に対応した本来の標
準的な吸入空気量に対してばらつきが比較的大きくなっ
ているような状態では、前記積算吸入空気量Qa(推定
積算吸入空気量qair/pre)が目標積算量q(目標積算吸
入空気量qair/cmd)に対して未収束の段階でのSLD開
度補正量i/sld は大きなものとなり、また、その時間的
変化も大きなものとなる。このため、SLD開度補正量
i/sld により標準開度指令値θ0を補正して決定した開
度指令Θ、ひいては実際の吸入空気量の時間的変化のパ
ターンは、FIREモードの初期段階において、標準開
度指令値θ0 の時間的変化のパターン(目標とする吸入
空気量の時間的変化のパターン)に対して大きく逸脱し
た時間的変化を生じるものとなることがある。
(内燃機関1の始動後まもなくの状態)では、燃焼室4
での混合気の燃焼状態が不安定なものとなりやすく、開
度指令Θの時間的変化のパターンが標準開度指令値θ0
の時間的変化のパターンに対して大きく逸脱した変化を
呈すると、該燃焼状態の悪化や、エミッション状態の悪
化を引き起こす虞れがある。
では、FIREモードの動作中に制御サイクル毎に求め
るを学習し、次回のFIREモードの動作の全期間にわ
たって、標準開度指令値θ0 を乗算補正するための補正
係数kilearn (以下、学習補正係数kilearn という)を
求める。そして、この学習補正係数kilearn を標準開度
指令値θ0 に乗算することで、標準開度指令値θ0 の時
間的変化のパターンと整合した安定な時間的変化を呈す
る開度指令Θを生成する。
施形態では次のように決定する。
に制御サイクル毎に求められるSLD開度補正量i/sld
から、次式(34)によって、該SLD開度補正量i/sl
d に対応する実際の吸入空気量の補正量gair/sld(以
下、SLD吸気補正量gair/sldという)を制御サイクル
毎に求める。
空気量gair/cmd、すなわち標準開度指令値θ0 に対応し
た実際の吸入空気量(1TDC当たり)を求めるための
式(4)と同様の式であり、式(34)中のGa2は、式
(4)中のGa2と同一である。
次式(35)により制御サイクル毎に累積加算すること
で、SLD吸気補正量gair/sldの積算値qair/sld(以
下、SLD積算吸気補正量qair/sldという)を求める。
ldの前記目標積算吸入空気量qair/cmdに対する比(qair
/sld/qair/cmd)から次式(36)により求まる値を前
記学習補正係数kilearn の基本値vpskisld(以下、基本
学習補正係数vpskisldという)を求める。
本的には、FIREモードの動作が終了するまで制御サ
イクル毎に算出するが、FIREモードの前記中断動作
が行われる場合や、後述する点火時期応動補正処理が行
われる場合にあっては、前述の如くSLD開度補正量i/
sld の算出を中断するので、FIREモードの中断動作
や点火時期応動補正処理が開始される前(前記学習演算
終了フラグf/flrnendが「1」に設定される前)までで
基本学習補正係数vpskisldの算出を終了する。
ードの動作中に最終的に求められた基本学習補正係数vp
skisldに対して次式(37)によるなまし演算処理(フ
ィルタリング処理)を施すことで、次回のFIREモー
ドの動作に際して標準開度指令値θ0 を補正するための
学習補正係数kilearn を求める。
回のFIREモードの動作によって新たに決定する学習
補正係数kilearn を意味し、kilearn(j-1)は、前回のF
IREモードの動作によって決定された学習補正係数ki
learn を意味する。また、式(37)中のCkiは、あら
かじめ定めた「1」以下の定数である。
ードの動作において、最終的な基本学習補正係数vpskis
ldが求められた時のFIRE経過時間t/fire(これは、
前記図5のフローチャートのSTEP5−5,5−16
等で設定されるパラメータt/kil の値である)が所定時
間に満たない場合は、その基本学習補正係数vpskisld
は、学習補正係数kilearn を求める(更新する)ために
は使用せず、現在の学習補正係数kilearn の値を維持す
る。これは、FIRE経過時間t/fireが短い段階で得ら
れる基本学習補正係数vpskisldの信頼性が乏しいからで
ある。
的内容である。
明する。
1の暖機がある程度進行すると(FIRE経過時間t/fi
reがある程度大きくなると)、該内燃機関1の各部のフ
リクションの低下による内燃機関1の回転数Neの上昇
傾向を抑え、点火時期が前記点火時期操作回転数F/B
制御により過度に遅角側に操作されるのを予防するため
に、標準開度指令値θ0 を緩やかに減少させていくよう
にしている(図7を参照)。
フリクションの低下の形態は、種々様々の要因の影響を
受け、該フリクションの低下が予想以上に早期に始まっ
たり、あるいは、そのフリクションの低下度合いが予想
以上に大きなものとなることがある。
令値θ0 を前記のように緩やかに減少させていっても、
内燃機関1の回転数Neの上昇傾向を十分に抑えること
ができなくなる。その結果、点火時期操作回転数F/B
制御によりに操作される点火時期が、実際に操作し得る
遅角側の限界値まで達してしまい、ひいては、回転数N
eを目標回転数ne/fire にフィードバック制御すること
ができなくなってしまう。
態を回避するために行う処理であり、点火時期操作回転
数F/B制御により後述の如く決定される点火時期の指
令値が、遅角側の限界値よりも若干進角側に定めた所定
の閾値を超えて遅角側の値になったときに、その状態が
解消されるまで(点火時期の指令値が閾値以上の進角側
の値に復帰するまで)、制御サイクル毎に、標準開度指
令値θ0 を所定量づつ減少側に補正する。
上段に示すように標準開度指令値θ0 に従って操作され
ている状態で、図12の下段のA12領域に示すように点
火時期操作回転数F/B制御により決定される点火時期
の指令値iglog が、遅角側の限界値IGLGG よりも若干大
きい閾値IGX よりも遅角側に低下すると、開度指令Θを
標準開度指令値θ0 に対して、図12の上段に示すよう
に、ある補正量分θdec (以下、点火時期応動開度補正
量θdec という)、減少させる(Θ=θ0 −θdec とす
る)。
は、図12の上段のB12領域に示すように、点火時期の
指令値iglog が閾値IGX 以上の進角側に復帰するまで、
制御サイクル毎に所定量Δθdec (>0。以下、開度減
少単位量Δθdec という)づつ、増加させる(図15の
STEP15−9の式を参照)。
うに点火時期の指令値iglog が閾値IGX 以上の進角側に
復帰した後は、図12の上段のD12領域に示すように点
火時期応動開度補正量θdec を上記復帰時点の値に保持
し(点火時期応動開度補正量θdec を前記開度減少単位
量Δθdec づつ増加させる処理を中止する)、その保持
した点火時期応動開度補正量θdec だけ、開度指令Θを
標準開度指令値θ0 よりも減少側に補正する。
正量θdec を制御サイクル毎に増加させる前記開度減少
単位量Δθdec は、内燃機関1の始動時における機関温
度Twから、図13に示す如くあらかじめ定めたデータ
テーブルに基づいて決定する。この場合、特に、内燃機
関1の始動時の機関温度Twが高温領域である場合に、
該機関温度Twが低中温領域である場合よりもフリクシ
ョンの低下が大きく生じ易いことから、図13のデータ
テーブルでは、機関温度Twの高温領域における開度減
少単位量Δθdec を低中温領域よりも大きくするように
設定している。
正処理の基本的内容である。
STEP4−5において前記吸入空気量制御段25が行
うバイパス開度の指令値(開度指令)θCMD の生成処理
を次に具体的に説明する。
STEP4−5では、まず、前記STEP4−4の条件
判断処理(図15参照)で前述の如く制御サイクル毎に
設定されるFIRE実行可否フラグf/fireonの値(現在
の制御サイクルで設定された値)を判断する(STEP
14−1)。
わち、動作モードがFIREモードに設定されていると
きには、前記標準開度指令値生成処理によって標準開度
指令値θ0 を求めるために用いる前記Nレンジ基本値if
iret及びDレンジ補正値iatfire と、前記大気条件補正
処理に用いる前記大気圧補正係数kpa 及び大気温度補正
係数kta と、前記点火時期応動補正処理に用いる前記開
度減少単位量Δθdecとを、それぞれに対応して前述の
如く定めたデータテーブルを用いて求める(STEP1
4−2)。
4−2)で取得した内燃機関1の始動時の機関温度Tw
から、前記図6のデータテーブルに基づいてNレンジ基
本値ifiret及びDレンジ補正値iatfire を求める。
1の始動時の大気圧Paと、あらかじめ定められた標準
大気圧Pa0 及び標準吸気圧Pb0 とから、前記式(3
3)によって、前記大気圧補正用パラメータratio/dpa
を算出し、このパラメータratio/dpa から、図10のデ
ータテーブルに基づいて大気圧補正係数kpa (=パラメ
ータratio/dpa の平方根)を求める。
関1の始動時の大気温度Taから、図11のデータテー
ブルに基づいて大気温度補正係数kta を求める。
1の始動時の機関温度Twから、図13のデータテーブ
ルに基づいて開度減少単位量Δθdec を求める。
理は、始動モード処理においてあらかじめ行っておくよ
うにしてもよい。
開度指令値θ0 に対して前記吸気量F/B制御補正処理
と前記点火時期応動補正処理とを施してなる予備開度指
令θi/fireを算出する処理を次のように行う(STEP
14−3)。
して、図示しないセンサにより検出される前記自動変速
機の現在(今回の制御サイクル)のシフト位置を判断し
(STEP15−1)、該シフト位置がNレンジである
場合には、標準開度指令値θ0 の前記基本値i/ftblを前
記STEP14−2で求めたNレンジ基本値ifiretとす
る(STEP15−2)。また、現在のシフト位置がD
レンジである場合には、上記Nレンジ基本値ifiretに、
STEP14−2で求めたDレンジ補正値iatfire を加
算した値を基本値i/ftblとする(STEP15−3)。
ら、前記図7のデータテーブルに基づいて今回の制御サ
イクルにおける前記補正係数km/fire を求め(STEP
15−4)、この補正係数km/fire をSTEP15−2
あるいは15−3で決定した基本値i/ftblに乗算するこ
とで、標準開度指令値θ0 を求める(STEP15−
5)。これによりFIREモードにおける制御サイクル
毎の標準開度指令値θ0が決定される。
吸気偏差Eqを算出する処理を図16のフローチャート
に示すように行う(STEP15−6)。
吸気圧センサ16により検出される現在の吸気圧Pbと
あらかじめ定めた所定値Ga1とから前記式(1)により
今回の制御サイクルのおける推定吸入空気量gair/pre
(1TDC当たりの吸入空気量の推定値)を求める(S
TEP16−1)。
あるか否かを判断し(STEP16−2)、フュエルカ
ット中でない場合には、さらに、現在のFIRE経過時
間t/fireが前記SLD補正制限時間TISLDLMTに達したか
否かを判断する(STEP16−3)。
は、今回の制御サイクルにおける推定積算吸入空気量qa
ir/pre(k) の値を強制的に「0」とする(STEP16
−4)。また、t/fire≧TISLDLMTである場合には、前記
式(2)により推定吸入空気量gair/preを累積加算して
推定積算吸入空気量qair/pre(k) を求める(STEP1
6−5)。
である場合には、そのとき内燃機関1の燃焼室に吸入さ
れる空気は、触媒装置3に与える熱量には寄与しない
(フュエルカット中は内燃機関1の燃焼室4での混合気
の燃焼は行われない)ため、推定積算吸入空気量qair/p
re(k) は現状の値に保持される(STEP16−6)。
の処理により、FIREモードでは(前記中断動作中も
含む)、その開始後、SLD補正制限時間TISLDLMTが経
過した時から、内燃機関1のフュエルカット中の場合を
除いて、逐次、触媒装置3に実際に与えられる熱量の積
算値に相当する推定積算吸入空気量qair/pre(k) が求め
られていくこととなる。
過するまで、すなわち、内燃機関1の始動直後の状態で
は、推定積算吸入空気量qair/pre(k) の値が強制的に
「0」に制限されることとなる。
MTが経過するまで、推定積算吸入空気量qair/pre(k) の
値を制限するためには、例えばSLD補正制限時間TISL
DLMTが経過するまで、推定吸入空気量gair/preの値を強
制的に「0」に制限し、その制限した推定吸入空気量ga
ir/preの値を用いて前記式(2)の演算を行うようにし
てもよい。このようにしても、推定積算吸入空気量qair
/pre(k) の値は、SLD補正制限時間TISLDLMTが経過す
るまでは「0」に制限されることとなる。
re(k) を求めた後、吸入空気量操作手段25は、前記S
TEP15−5で求めた標準開度指令値θ0 と、前記回
転数センサ14により検出される現在の回転数Neと、
あらかじめ定められた所定値Ga2とから前記式(4)に
より今回の制御サイクルにおける目標吸入空気量gair/c
md(1TDC当たりの吸入空気量の目標値)を求める
(STEP16−7)。
を行い(STEP16−8)、このとき、t/fire<TISL
DLMTである場合には、今回の制御サイクルにおける目標
積算吸入空気量qair/cmd(k) の値を強制的に「0」とす
る(STEP16−9)。また、t/fire≧TISLDLMTであ
る場合には、前記式(5)により制御サイクル毎の目標
吸入空気量gair/preを累積加算して目標積算吸入空気量
qair/cmd(k) を求める(STEP16−10)。
0の処理により、触媒装置3に実際に与えられる熱量の
積算値の目標値に相当する目標積算吸入空気量qair/cmd
(k)は、FIREモードの開始後、SLD補正制限時間T
ISLDLMTが経過した時から、FIREモードの中断動作
中を含めて、逐次求められていくこととなる。
過するまでの内燃機関1の始動直後の状態では、推定積
算吸入空気量qair/pre(k) と同様、目標積算吸入空気量
qair/cmd(k) の値が強制的に「0」に制限されることと
なる。
MTが経過するまで、目標積算吸入空気量qair/cmd(k) の
値を制限するためには、SLD補正制限時間TISLDLMTが
経過するまで、目標吸入空気量gair/cmdの値を強制的に
「0」に制限し、その制限した目標吸入空気量gair/cmd
の値を用いて前記式(5)の演算を行うようにしてもよ
い。
ける推定積算吸入空気量qair/pre(k) と、目標積算吸入
空気量qair/cmd(k) とを求めた後には、吸入空気量操作
手段25は、それらの差(qair/pre(k) −qair/cmd(k)
)を演算することで、今回の制御サイクルにおける前
記吸気偏差Eq(k)を求め(STEP16−11)、図1
5のフローチャートの処理に復帰する。
偏差Eqを求めた後、吸入空気量操作手段25は、次
に、フラグf/dec の値を判断する(STEP15−
7)。このフラグf/dec は、前記点火時期応動補正処理
に係わるフラグであって、後述する点火時期の指令値ig
log の生成処理において点火時期の指令値iglog が前記
閾値IGX (図12参照)よりも遅角側の値であるときf/
dec =1とされ、該指令値iglog が前記閾値IGX 以上の
進角側の値であるときf/dec =0とされるものである
(以下、フラグf/dec を点火時期判別フラグf/dec とい
う)。尚、この点火時期判別フラグf/dec は前記始動モ
ード処理(STEP4−2)において「0」に初期化さ
れる。
期の指令値iglog が、閾値IGX 以上の進角側の状態)に
は、吸入空気量操作手段25は、前記吸気量F/B制御
補正処理に係わるSLD開度補正量i/sld を算出する処
理を図17のフローチャートに示すように行う(STE
P15−8)。
f/fpauseの現在の値を判断する(STEP17−1)。
このとき、f/fpause=1である場合、すなわち、FIR
Eモードの前述の中断動作を行う状態である場合には、
前記吸気量F/B制御補正処理で吸気偏差Eqの減衰速
度を規定する前記ポールpole/iの値をあらかじめ定めた
前記下限値pole/i0 (図9を参照)に設定(初期化)し
た上で(STEP17−2)、直ちに図15のルーチン
処理に復帰する。
SLD開度補正量i/sld は現状の値(中断動作の開始前
の値)に保持される。
le/iは、前記始動モード処理(STEP4−2)におい
てそれぞれ「0」、「下限値pole/i0 」に初期化され
る。
se=0である場合、すなわち、FIREモードの通常的
な動作を行う状態である場合には、吸入空気量操作手段
25は、現在のFIRE経過時間t/fireから、図9のデ
ータテーブルに基づいて今回の制御サイクルにおける前
記ポールテーブル値pole/itbl を求める(STEP17
−3)。
求めたポールテーブル値pole/itblを吸気偏差Eqの減
衰速度を規定するポールpole/iの値として設定するので
あるが、FIREモードの中断動作中に前記下限値pole
/i0 (本実施形態では「−1」)に設定されるポールpo
le/iを該中断動作の終了後に徐々にFIRE経過時間t/
fireに応じたポールテーブル値pole/itbl に復帰させる
ために、次のような処理を行う。
(k-1) にあらかじめ定めた単位増分値ΔPOLE/I(>0)
を加算した値(pole/i(k-1) +ΔPOLE/I)をSTEP1
7−3で求めたポールテーブル値pole/itbl と比較する
(STEP17−4)。そして、pole/i(k-1) +ΔPOLE
/I≧pole/itbl である場合には、STEP17−3で求
めたポールテーブル値pole/itbl を今回の制御サイクル
におけるポールpole/i(k) の値として設定し(STEP
17−5)、pole/i(k-1) +ΔPOLE/I<pole/itbl であ
る場合には、pole/i(k-1) +ΔPOLE/Iの値を今回の制御
サイクルにおけるポールpole/i(k) の値として設定する
(STEP17−6)。
が終了した後には、ポールpole/iが前記下限値pole/i0
から、FIRE経過時間t/fireに応じたポールテーブル
値pole/itbl に前記単位増分値ΔPOLE/Iづつ、徐々に復
帰することとなる。
ドの中断動作が行われない場合には、ポールpole/iは、
基本的にはポールテーブル値pole/itbl が設定され、該
ポールテーブル値pole/itbl と同じ形態でFIRE経過
時間t/fireの増加に伴い値が変化する(このようになる
ように上記単位増分値ΔPOLE/Iの値が設定されてい
る)。
た後、吸入空気量操作手段25は、さらに、該ポールpo
le/iの値と、後に詳細を説明する点火時期操作回転数F
/B制御において設定されるポールpole/ig (これは点
火時期操作回転数F/B制御による内燃機関1の回転数
Neと目標回転数ne/fire との偏差の減衰速度を規定す
るパラメータである)からあらかじめ定めた所定の微小
量ΔPOLE/IG (>0)を減算した値とを比較する(ST
EP17−7)。
POLE/IG であれば、そのまま次のSTEP17−9に進
むが、pole/i≧pole/ig −ΔPOLE/IG である場合、ポー
ルpole/iの値を強制的に(pole/ig −ΔPOLE/IG )に設
定し直す(STEP17−8)。つまり、ポールpole/i
の値は、点火時期操作回転数F/B制御において後述の
如く設定されるポールpole/ig (<0)よりも常に小さ
い値に(より正確には、1>|pole/i|>|pole/ig |
>0となるように)設定される。これは次の理由によ
る。
入空気量qair/preを目標積算吸入空気量qair/cmdに収束
させるように行う吸気側適応SLD制御(フィードバッ
ク制御)と、内燃機関1の回転数Neを目標回転数ne/f
ire に収束させるように行う点火時期操作回転数F/B
制御とは互いに独立的に行われるものである一方、両者
の制御は、内燃機関1の回転数Neに影響を及ぼす制御
である。また、一般に、吸気側適応SLD制御に基づく
バイパス開度の変化に対する吸入空気量の変化の応答性
は、点火時期操作回転数F/B制御に基づく点火時期の
変化に対する回転数Neの変化の応答性に比して遅い。
このため、吸気側適応SLD制御に係わる吸気偏差Eq
の減衰速度を、点火時期操作回転数F/B制御による内
燃機関1の回転数Neと目標回転数ne/fire との偏差の
減衰速度よりも速めるようにすると、両者の制御が互い
に干渉して、内燃機関1の回転数Neが不安定なものと
なる虞れがある。
SLD制御に係わるポールpole/iを、前記の如く|pole
/i|>|pole/ig |となるように設定し、これにより、
吸気側適応SLD制御に係わる吸気偏差Eqの減衰速度
を、点火時期操作回転数F/B制御による内燃機関1の
回転数Neと目標回転数ne/fire との偏差の減衰速度よ
りも遅くし、ひいては両制御が互いに干渉するのを回避
する。
le/iの値を「−1」と比較し、pole/i≦−1である場合
(このような場合は、STEP17−8の処理によって
生じることがある)には、ポールpole/iの値を強制的に
「−1」に設定した上で(STEP17−10)、ST
EP17−11に進む。
ようにして決定したポールpole/iの値と、前記STEP
15−6で前述の如く求めた今回の制御サイクルにおけ
る吸気偏差Eq(k)及び前回の制御サイクルにおける吸気
偏差Eq(k-1)とから前記式(10)(詳しくは、式(1
0)の係数パラメータs1 ,s2 をそれぞれ「1」、
「pole/i」で置き換えた式)により前記切換関数σ1 の
値を求める。
前記式(18)、(19)の演算を行うことで(この場
合s1 =1)、前記吸気側適応SLD制御における到達
則入力Θrch 及び適応則入力Θadp の値を求め(STE
P17−12)、この到達則入力Θrch 及び適応則入力
Θadp を加算することで、今回の制御サイクルにおける
SLD開度補正量i/sld を求める(STEP17−1
3)。そして、図15のルーチン処理に復帰する。
−7の判断でf/dec =1である場合、すなわち、現在の
点火時期の指令値iglog が、前記閾値IGX (図12参
照)よりも遅角側の状態となっている場合には、吸入空
気量操作手段25は、前記点火時期応動補正処理を行う
べく、前記点火時期応動開度補正量θdec を前記STE
P14−2で決定した開度減少単位量Δθdec づつ制御
サイクル毎に増加させていく(STEP15−9)。
記始動モード処理(STEP3−2)で「0」に初期化
されるものである。
ときは、SLD開度補正量i/sld を求める処理は行われ
ず、該SLD開度補正量i/sld の値は、前記点火時期判
別フラグf/dec が「1」に設定される前の値に保持され
る。
EP15−5で求めた標準開度指令値θ0 に現在のSL
D開度補正量i/sld の値を加算し、さらに現在の点火時
期応動開度補正量θdec を減算することで、前記吸気量
F/B制御補正処理及び点火時期応動補正処理とに基づ
く前記予備開度指令θi/fire(=θ0 +i/sld −θdec
)を算出する(STEP15−10)。
の前記学習演算終了フラグf/flrnend の値を判断する
(STEP15−11)。この学習演算終了フラグf/fl
rnendは、FIREモードの動作中(FIRE実行可否
フラグf/fireonが「1」に設定されている状態)は、中
断動作が開始されるとき(FIRE中断フラグf/fpause
が「1」に設定されたとき)、あるいは、点火時期の指
令値iglog が前記閾値IGX (図12参照)よりも遅角側
の状態となって、前記点火時期応動補正処理を開始する
とき(点火時期判別フラグf/dec が「1」に設定された
とき)に、前記基本学習補正係数vpskisldの算出処理を
終了すべく「1」に設定される(前記図5のSTEP5
−17、及び後述の図22のSTEP22−8を参
照)。
わち、前記基本学習補正係数vpskisldの算出を行うべき
状態である場合には、前記学習補正処理に関して説明し
た通り、基本学習補正係数vpskisldを算出する(STE
P15−12)。
−18で求められる現在のSLD開度補正量i/sld と、
内燃機関1の現在の回転数Neと、前記所定値Ga2とか
ら、前記式(34)により前記SLD吸気補正量gair/s
ldを求め、それを式(35)により累積加算すること
で、前記SLD積算吸気補正量qair/sldを求める。そし
て、このSLD積算吸気補正量qair/sldと、前記STE
P16−10(図16参照)で求めた制御サイクル毎の
目標積算吸入空気量qair/cmdとから前記式(36)の演
算を行うことで、基本学習補正係数vpskisldを算出す
る。
t/fireが前記SLD補正制限時間TISLDLMTに達するまで
は、前述の如くqair/cmd=0とする(このときSLD積
算吸気補正量qair/sldも「0」となる)ので、基本学習
補正係数vpskisldの値を強制的に「1」に設定する。
1である場合、すなわち、前記基本学習補正係数vpskis
ldの算出を終了すべき状態である場合には、STEP1
5−12の処理は省略され、基本学習補正係数vpskisld
の算出処理は行われない(この場合、f/flrnend =1と
なる前の制御サイクルで求められた基本学習補正係数vp
skisldの値がその最終値として確定される)。
2の処理行った後、吸入空気量操作手段25は、STE
P15−10で求めた予備開度指令θi/fireの値を所定
の上限値及び下限値の間の値に制限する(θi/fire>上
限値、あるいはθi/fire<下限値のとき、それぞれθi/
fireを強制的に上限値、下限値に制限する)リミット処
理を行った後(STEP15−13)、図14のルーチ
ン処理に復帰する。
開度指令θi/fireを求めた後、吸入空気量操作手段25
は、この予備開度指令θi/fire(=θ0 +i/sld −θde
c )に、STEP14−2で決定した前記大気圧補正係
数kpa と、大気温度補正係数kta と、前回のFIREモ
ードの動作の終了時に決定された学習補正係数kilearn
(この学習補正係数kilearn の算出については後に説明
する)とを乗算することで、今回の制御サイクルにおけ
るバイパス開度の指令値θCMD を決定する(STEP1
4−4)。そして、前記図3のメインルーチン処理に復
帰する。
いて、バイパス開度の指令値θCMDを制御サイクル毎に
決定するための処理である。
在のFIRE実行可否フラグf/fireonの値が「0」であ
る場合、すなわち、FIREモードの動作を行わない状
態となったとき(これは、基本的には、内燃機関1の始
動後、FIRE経過時間t/fireが、FIREモード制限
時間TFIRELMTに達してFIREモードの動作を終了した
後の状態である)には、吸入空気量操作手段25は、F
IRE実行可否フラグf/fireonの前回の制御サイクルに
おける値を判断する(STEP14−5)。
onの前回の制御サイクルにおける値が「1」である場
合、すなわち、前回の制御サイクルまでFIREモード
の動作を行っていた場合(FIREモードを終了した直
後の状態)には、直前まで行っていたFIREモードに
おいて前記STEP15−12の処理により最終的に求
められた前記基本学習補正係数vpskisldから、図18の
フローチャートに示すように次回のFIREモードの動
作に際して開度指令を補正する(STEP14−4を参
照)ための学習補正係数kilearn を決定(更新)する
(STEP14−6)。
した基本学習補正係数vpskisldの算出を最終的に終了し
た時のFIRE経過時間t/fireを表す前記学習終了時刻
パラメータt/kil が、あらかじめ定めた所定値TMKILLMT
以上であるか否かを判断する(STEP18−1)。こ
こで、学習終了時刻パラメータt/kil は、前記図5に示
した如く、前記学習演算終了フラグf/flrnend が「0」
から「1」に切り換えられた際のFIRE経過時間t/fi
reである。つまり、FIREモードの中断動作が行われ
たときは、該中断動作の開始時までのFIRE経過時間
t/fireであ、FIREモードの動作中に前記点火時期応
動補正処理を行うときは、その処理の開始時までのFI
RE経過時間t/fireである。そして、FIREモードの
中断動作や点火時期応動補正処理が行われることなくF
IREモードの動作が終了したときには、その終了時の
FIRE経過時間t/fire(これは通常的にはFIREモ
ード制限時間TFIRELMTである)である。
ータt/kil は、前記SLD開度補正量i/sld の算出処理
及びこれに応じた標準開度指令値θ0 の補正が連続して
行われたFIRE経過時間t/fireである。
<TMKILLMTである場合には、最終的に得られた基本学習
補正係数vpskisldの信頼性が乏しいと考えられるので、
学習補正係数kilearn を現状の値に維持したまま図14
の処理に復帰する。
わち、SLD開度補正量i/sld の算出処理及びこれに応
じた標準開度指令値θ0 の補正がある程度長い時間、連
続して行われた場合には、前回の制御サイクルまで行わ
れていたFIREモードの動作において最終的に得られ
た基本学習補正係数vpskisldから前記式(37)のなま
し演算処理(フィルタリング処理)によって新たな学習
補正係数kilearn(j)を求める(STEP18−2)。そ
して、この学習補正係数kilearn(j)を所定の上限値及び
下限値の間の値に制限する(kilearn(j)>上限値、ある
いはkilearn(j)<下限値のとき、それぞれkilearn(j)を
強制的に上限値、下限値に制限する)リミット処理を行
った後(STEP18−3)、図14のルーチン処理に
復帰する。
「1」である。また、この学習補正係数kilearn(j)の値
は、本実施形態のシステムの運転を停止しても失われる
ことのないようにEEPROM等の不揮発性メモリに記
憶保持しておく。
でFIRE実行可否フラグf/fireonの前回の制御サイク
ルにおける値が「1」である場合には、前述の如く学習
補正係数kilearn が更新されるが、FIRE実行可否フ
ラグf/fireonの前回の制御サイクルにおける値が「0」
である場合は、既に学習補正係数kilearn が更新されて
いるので、STEP14−6の処理は省略される。すな
わち、学習補正係数kilearn の更新処理は、FIREモ
ードが終了した直後の制御サイクルにおいてだけ行わ
れ、その更新された学習補正係数kilearn が次回のFI
REモードの動作に際して開度指令を補正するために使
用される。
6の処理を行った後、吸入空気量操作手段25は、開度
指令θCMD を通常モード用の開度指令に設定する(ST
EP14−7)。この開度指令は、基本的には、FIR
Eモードにおける開度指令θCMD よりも小さく、内燃機
関1の通常的な運転を行うべく所要の値に設定される。
処理が、前記図4のSTEP4−5で開度指令(バイパ
ス開度の指令値)θCMD を制御サイクル毎に生成する処
理の詳細であり、このようにして決定された開度指令θ
CMD は前記バイパス弁アクチュエータ24に与えられ
る。そして、該バイパス弁アクチュエータ24は、与え
られた開度指令θCMD に従ってバイパス弁7の開度を操
作する。
点火時期の指令値iglog の生成処理について説明する。
る前に、この処理の基本的な内容を説明しておく。
ドにおける前述のような吸入空気量の増量制御によって
内燃機関1の回転数Ne(実回転数)が上昇傾向となる
ので、該回転数Neを前記点火時期操作回転数F/B制
御によって所要の目標回転数ne/fire にフィードバック
制御し、該点火時期を遅角側に補正する(点火時期操作
回転数F/B制御)。この場合、後述する如く、回転数
Neと目標回転数ne/fire との偏差の減衰速度(これは
フィードバック制御のゲインに相当する)を、適宜可変
的に設定することが好ましい。
る点火時期操作回転数F/B制御にあっては、前述の吸
気量F/B制御補正処理の場合と同様に、上記偏差の減
衰速度を指定可能な応答指定型制御であるスライディン
グモード制御(本実施形態では適応スライディングモー
ド制御)を用いる。
下、点火時期側適応SLD制御という)を用いた点火時
期操作回転数F/B制御の処理、すなわち、回転数Ne
を目標回転数ne/fire に収束させるように点火時期の指
令値iglog を生成する処理のアルゴリズムは次のように
構築されている。
LD制御の制御対象を、点火時期の指令値iglog を表す
データから、回転数Ne(実回転数)を表すデータを生
成する系と考え、それを離散系(離散時間系)でモデル
化しておく。
令値iglog と所定の基準指令値ig0と偏差DIG (=iglog
−ig0 。以下、点火時期偏差指令値DIG という)を点
火時期の指令値iglog を表すデータとして用いると共
に、回転数Neと所定の基準回転数Ne0との偏差DNE
(=Ne−Ne0。以下、偏差回転数DNE という)を回転
数Neを表すデータとして用いる。
値ig0 として、前記図3で示した基本指令値igbase(内
燃機関1のFIREモード以外の通常的な運転時におけ
る点火時期の指令値)を用いる(ig0 =igbase)。従っ
て、前記図3で示した補正量DIG が上記点火時期偏差指
令値DIG である。また、本実施形態では、回転数Neに
係わる基準回転数Ne0として、前記図3で示した所定の
アイドリング回転数NOBJを用いる(Ne0=NOBJ)。
差指令値DIG と、偏差回転数DNE とを用いて、点火時期
側適応SLD制御の制御対象のモデルを次式(38)の
ように離散系モデル(本実施形態では2次の自己回帰モ
デル)で表現しておく。
モデル(以下、回転数制御対象モデルという)は、該回
転数制御対象モデルの出力としての各制御サイクルにお
ける偏差回転数DNE(k+1)を、それより過去の偏差回転数
DNE の時系列データDNE(K),DNE(k-1)、並びに該回転数
制御対象モデルの入力としての点火時期偏差指令値DIG
(k)を用いて表現したものである。
DNE(k-1)にそれぞれ係る係数c1 ,c2 と、点火時期偏
差指令値DIG(k)に係る係数d1 とは、回転数制御対象モ
デルの実際の挙動特性を規定するモデルパラメータであ
り、これらのモデルパラメータc1 ,c2 ,d1 は、回
転数制御対象モデルの挙動特性と、該モデルにより表現
した実際の制御対象の挙動特性とが整合するようにあら
かじめ実験やシミュレーション等を通じて同定してお
く。
モデルであるため、種々の公知の同定アルゴリズム(例
えば回転数制御対象モデル上で生成される偏差回転数DN
E(k+1)と実際の偏差回転数との間の誤差が最小になるよ
うに最小二乗法によりモデルパラメータc1 ,c2 ,d
1 を同定するアルゴリズム等)を用いてモデルパラメー
タc1 ,c2 ,d1 を比較的容易に同定することが可能
である。
ルに基づいて、点火時期側適応SLD制御の処理のアル
ゴリズムは次のように構築する。
は、スライディングモード制御に必要な切換関数σ2
を、前述の吸気側適応スライディングモード制御の場合
と同様に、前記偏差回転数DNE とその目標値dne との偏
差En=DNE −dne (以下、回転数偏差Enという)の
制御サイクル毎の時系列データEn(k),En(k-1)を変数
とする次式(39)の線形関数により定義する。尚、偏
差回転数DNE の目標値dne(以下、偏差目標回転数dne
という)は、前記図3で示した目標回転数ne/fireと前
記基準回転数Ne0(=アイドリング回転数NOBJ)との偏
差(=ne/fire −Ne0)である。従って、上記回転数偏
差En=DNE −dne は、回転数Ne(実回転数)と目標
回転数ne/fire との偏差(=Ne−ne/fire )と同じで
ある。
関数σ2 の各項の係数パラメータであり、次の条件を満
たすように設定する。
=1としている。また、係数パラメータs4 の値(より
一般的には、s4 /s3 =pole/ig の値)を可変的に設
定するのであるが、これについては後述する。
吸気側適応スライディングモード制御の場合と同様に、
前記回転数偏差Enの時系列データEn(k),En(k-1)の
組から成る状態量(En(k),En(k-1))を、σ2 =0な
る関係式によって定義される切換線上に収束させ、その
収束状態を維持すると、状態量(En(k),En(k-1))
を、外乱等の影響によらずに極めて安定に切換線σ2 =
0上の平衡点、すなわち、En(k)=En(k-1)=0となる
点に収束させることができる。
回転数dne に収束させる(回転数Neを目標回転数ne/f
ire に収束させる)ために、前記式(39)によりモデ
ル化した制御対象に与えるべき入力として点火時期側適
応SLD制御が生成する制御入力、すなわち点火時期偏
差指令値DIG は、吸気側適応スライディングモード制御
の場合と同様に、等価制御入力DIGeq と到達則入力DIGr
chと適応則入力DIGadpとの総和である(次式(41)を
参照)。
達則入力DIGrch及び適応則入力DIGadpは、吸気側適応ス
ライディングモード制御の場合と同様に、それぞれ次式
(42)〜(44)により与えられる。
3 (到達則のゲインを規定する係数)は、次式(4
5)、より好ましくは(45)’の条件を満たすように
あらかじめ設定しておく。
ゲインを規定する係数)は、次式(46)の条件を満た
すようにあらかじめ設定しておく。尚、式(46)中の
ΔTは制御サイクル(制御周期)である。
制御では、制御サイクル毎に、前記式(42)〜(4
4)により等価制御入力DIGeq 、到達則入力DIGrch及び
適応則入力DIGadpをそれぞれ求め、それらの総和を演算
する(式(41))ことで、点火時期偏差指令値DIG を
求める。そして、この点火時期偏差指令値DIG を、次式
(47)のように前記基準指令値ig0 、すなわち内燃機
関1の通常的な運転時の基本指令値igbaseに加算するこ
とで、点火時期の指令値iglog を決定する。
関数σ2 の値を求めるために必要な偏差目標回転数dne
は次のように求める。
回転数Ne(実回転数)が、前記図3に示した設定回転
数(=NOBJ+NEFSLDS )に達した時、又は、前記FIR
E経過時間t/fireがあらかじめ定めた所定値TSLDIGSTに
達した時から点火時期操作回転数F/B制御を開始す
る。そして、FIREモードにおける内燃機関1の目標
回転数ne/fire は、点火時期操作回転数F/B制御の開
始時からの経過時間Δt/nfb (以下、回転数F/B経過
時間Δt/nfb という)に応じて次式(48)により設定
する。
数ne/fire の時間的減少度合い(傾き)を規定する一定
の所定値(>0)である。
の演算結果がアイドリング回転数NOBJを下回る場合(Δ
t/nfb >NEFSLDS /K/NEの場合)には、目標回転数ne/f
ireをアイドリング回転数NOBJに固定する。
時期操作回転数F/B制御の開始後、前記設定回転数
(=NOBJ+NEFSLDS )からアイドリング回転数NOBJに向
かって直線的に徐々に減少し、該アイドリング回転数NO
BJに達した後は、該アイドリング回転数NOBJに維持され
る。
における目標回転数ne/fire(k)は、該制御サイクルにお
ける前記回転数F/B経過時間Δt/nfb から式(48)
により求められ、この目標回転数ne/fire(k)からアイド
リング回転数NOBJを減算することで、各制御サイクルに
おける偏差目標回転数dne(k)(=ne/fire(k)−NOBJ)が
求められる。そして、この偏差目標回転数dne(k)と、そ
の前回値dne(k-1)(=ne/fire(k-1)−NOBJ)、すなわち
前回の制御サイクルで求めた偏差目標回転数dne(k-1)と
を用いることで、制御サイクル毎に前記式(39)によ
り切換関数σ2(k)の値を求めることができる。そして、
この切換関数σ2 の値を用いることで、前記式(4
3)、(44)により到達則入力DIGrch及び適応則入力
DIGadpを求めることができる。
DC)は、内燃機関1の回転数Neに反比例するので、
現在の回転数Neから1制御サイクル分の時間ΔT(∝
1/Ne)を求め、該時間ΔTを現在の回転数F/B経
過時間Δt/nfb に加算することで、次回の制御サイクル
における回転数F/B経過時間(=Δt/nfb +ΔT)を
予測することができる(以下、この予測値を回転数F/
B予測経過時間Δt/nfbpreという)。そして、この回転
数F/B予測経過時間Δt/nfbpreを前記式(48)に適
用する(式(48)の右辺のΔt/nfb にΔt/nfbpreを代
入する)ことで、次式(49)により次回の制御サイク
ルにおける目標回転数ne/fire(k+1)を求めることができ
る。
イドリング回転数NOBJを減算することで、次回の制御サ
イクルにおける偏差目標回転数dne(k+1)(=ne/fire(k+
1)−NOBJ)が求められる。
標回転数dne(k+1)と、前述の如く求められる偏差目標回
転数dne(k),dne(k-1)とを用いて前記式(42)の演算
を行うことで、等価制御入力DIGeq を求めることができ
る。
断動作中は、点火時期操作回転数F/B制御を中断し、
点火時期の指令値iglog を内燃機関1の通常的な運転時
の基本指令値igbaseに戻す。この場合、中断動作が開始
してから、式(47)の点火時期偏差指令値DIG の値
(絶対値)を、その値が「0」になるまで制御サイクル
毎に所定の単位値dec/igづつ減少させていく(徐々に
「0」に近づけていく)ことで、点火時期の指令値iglo
g を徐々に基本指令値igbaseに戻すようにしている。そ
して、中断動作が解除されたときには、直ちに点火時期
操作回転数F/B制御を再開するようにしている。
動作が終了し(FIRE実行可否フラグf/fireonが
「1」から「0」になる)、システムの動作モードが通
常モードに移行する際にも、点火時期の指令値iglog を
徐々に基本指令値igbaseに戻すようにしている。
点火時期操作回転数F/B制御の処理の基本的内容であ
る。
時期側適応SLD制御にあっては、前記吸気側適応SL
D制御と同様、前記切換関数σ2 の係数パラメータs3
,s4 の比(s4 /s3 )の値(以下、この比の値を
ポールpole/ig という)によって、前記回転数偏差En
(=DNE −dne =Ne−ne/fire )の減衰速度を指定す
ることができる。すなわち、ポールpole/ig (=s4 /
s3 )の絶対値を「1」よりも小さい範囲で「0」に近
づけていく程、回転数偏差Enの減衰速度は速くなる。
尚、本実施形態では、前記吸気側適応SLD制御の場合
と同様、回転数偏差Enの振動的な減衰を避けるため
に、s4 /s3 =pole/ig <0としている。
答指定特性を利用し、本実施形態では次のように回転数
偏差Enの減衰速度を可変的に設定する。
関1の回転数Neの変化は該点火時期が遅角側である
程、大きくなる傾向がある。このため、回転数Neの目
標回転数ne/fire への制御を安定して行うためには、回
転数偏差Enの減衰速度を、操作している点火時期が遅
角側である程、遅くしてやる(ポールpole/ig の絶対値
を大きくする)ことが好ましいと考えられる。
に、現在の点火時期の指令値iglog(前回の制御サイク
ルで決定された指令値iglog )から、図19に示す如く
あらかじめ定めたデータテーブルに基づいてポールpole
/ig の基本値pole/igtblを求め、基本的には、この基本
値pole/igtblをポールpole/ig の値として設定する。こ
の場合、基本値pole/igtbl(以下、点火時期対応ポール
基本値pole/igtblという)は、点火時期の指令値iglog
が遅角側である程、その絶対値|pole/igtbl|を大きく
するように設定されている(但し、−1<pole/igtbl<
0)。
は、基本的には、前記吸気側適応SLD制御に関して前
記図9のデータテーブルにより決定するポールテーブル
値pole/itbl よりも「0」側に近い値に設定されてい
る。換言すれば、点火時期側適応SLD制御に関して点
火時期対応ポール基本値pole/igtblにより規定される前
記回転数偏差Enの減衰速度は、前記吸気側適応SLD
制御に関してポールテーブル値pole/itbl に規定される
前記吸気偏差Eq の減衰速度よりも速くなるように点火
時期対応ポール基本値pole/igtblが設定されている。
数F/B制御を開始する際に、前述した点火時期側適応
SLD制御の処理によって回転数Neを目標回転数ne/f
ireに収束させるべく点火時期を急激に変化させると、
内燃機関1の燃焼状態が悪化する虞れがある。従って、
点火時期操作回転数F/B制御の初期段階では、回転数
偏差Enの減衰速度を遅めにするようにポールpole/ig
の値を設定することが好ましい。
に、前記回転数F/B経過時間Δt/nfb (点火時期操作
回転数F/B制御を開始してからの経過時間)から、図
20に示す如くあらかじめ定めたデータテーブル(タイ
ムテーブル)に基づいて点火時期対応ポール基本値pole
/igtblを回転数F/B経過時間Δt/nfb に応じて補正
(乗算補正)するための補正係数kigtを求め、この補正
係数kigt(以下、時間対応補正係数kigtという)を点火
時期対応ポール基本値pole/igtblに乗算することで、該
点火時期対応ポール基本値pole/igtblを補正するように
している。
時間対応補正係数kigtは、点火時期操作回転数F/B制
御の初期段階(回転数F/B経過時間Δt/nfb が所定値
T/NFBXに達するまで)では、点火時期対応ポール基本値
pole/igtblの絶対値を若干大きくする方向(回転数偏差
Enの減衰速度を遅くする方向)に該点火時期対応ポー
ル基本値pole/igtblを補正するような値(>1)に定め
られている。しかもこのとき、時間対応補正係数kigt
は、回転数F/B経過時間Δt/nfb が短い程、大きな値
に定められ、これにより、回転数F/B経過時間Δt/nf
b が短い程、点火時期対応ポール基本値pole/igtblの絶
対値がより大きくなる(回転数偏差Enの減衰速度がよ
り遅くなる)ように点火時期対応ポール基本値pole/igt
blを補正するようにしている。そして、回転数F/B経
過時間Δt/nfb が所定値T/NFBXに達した後は、時間対応
補正係数kigtは「1」に保持され、この状態では、点火
時期対応ポール基本値pole/igtblを補正しないようにし
ている。
の中断動作中は、点火時期操作回転数F/B制御は中断
され、回転数Neのフィードバック制御を行わないた
め、該中断動作が解除され、点火時期操作回転数F/B
制御を再開する際に、内燃機関1の回転数が目標回転数
ne/fire よりも大幅に高いものとなっていることがあ
る。そして、このような状態では、前記回転数偏差En
が大きなものとなるため、点火時期操作回転数F/B制
御によって前述の如く求められる点火時期の指令値iglo
g が急激に遅角側に過大なものとなり、内燃機関1の燃
焼状態が悪化する虞れがある。従って、FIREモード
の中断動作の解除によって点火時期操作回転数F/B制
御を再開する際には、内燃機関1の回転数Neが目標回
転数ne/fireに対して大きく高回転側に離間しているよ
うな状況では、回転数偏差Enの減衰速度を遅くし、ひ
いては、点火時期の指令値iglog を過大に遅角側にする
ような前記点火時期偏差指令値DIG が求められるのを回
避することが好ましいと考えられる。
に、内燃機関1の現在の回転数Neから、図21に示す
如くあらかじめ定めたデータテーブルに基づいて、点火
時期対応ポール基本値pole/igtblを回転数Neに応じて
補正(乗算補正)するための補正係数kigne (以下、回
転数対応補正係数kigne という)を求める。この場合、
図21のデータテーブルでは、回転数対応補正係数kign
e は基本的には、回転数Neが高い程(回転数Neが目
標回転数ne/fire に対して高回転側に離間している
程)、点火時期対応ポール基本値pole/igtblの絶対値を
大きくする方向(回転数偏差Enの減衰速度を遅くする
方向)に該点火時期対応ポール基本値pole/igtblを補正
するような値(>1)に設定されている。そして、本実
施形態では、回転数対応補正係数kigne に基づく点火時
期対応ポール基本値pole/igtblの補正を、点火時期操作
回転数F/B制御の再開後、所定期間XCNT(これは、前
記図3のSTEP5−18で設定するカウントダウンタ
イマcnt/igvpl の初期値である)だけ行うために、次式
(50)により回転数対応補正係数kigne を修正し、こ
の修正した補正係数kignef(以下、回転数対応修正補正
係数kignefという)を点火時期対応ポール基本値pole/i
gtblに乗算することで、該点火時期対応ポール基本値po
le/igtblを補正する。
イマcnt/igvpl は、図3のSTEP5−18によって、
中断動作中(FIRE中断フラグf/fpause=1の状態)
に常時、上記所定期間XCNTが設定される。そして、中断
動作の解除により点火時期操作回転数F/B制御が再開
されると、カウントダウンタイマcnt/igvpl の値は、所
定期間XCNTの値から、制御サイクル毎に所定値づつ減少
し、最終的に「0」になった後はその値に保持される。
従って、式(50)により求まる回転数対応修正補正係
数kignefは、点火時期操作回転数F/B制御が再開して
から所定期間XCNTが経過するまでは、回転数Neに応じ
た値(≧1)であるが、該所定期間XCNTが経過した後
は、kignef=1である(このとき、回転数対応修正補正
係数kignefによる点火時期対応ポール基本値pole/igtbl
の補正は行われなくなる)。
前記始動モード処理(STEP3−2)において「0」
に初期化されるもので、FIREモードの中断動作中
と、該中断動作が終了してから所定期間XCNTが経過する
までの期間とを除いて値が「0」に保持される。
のように求めた点火時期対応ポール基本値pole/igtbl
に、次式(51)の如く前記時間対応補正係数kigt及び
回転数対応修正補正係数kignefを乗算してなる値を、最
終的なポールpole/ig の値として設定する。
作回転数F/B制御の開始直後の初期段階においてのみ
kigt>1となり、これ以外の状態では、kigt=1であ
る。また、回転数対応修正補正係数kignefは、FIRE
モードの中断動作の解除直後の初期段階で、しかも回転
数Neが比較的高い場合のみkignef>1となり、これ以
外の状態ではkignef=1である。従って、式(51)に
より設定されるポールpole/ig の値は、通常的には、点
火時期対応ポール基本値pole/igtblである。
STEP4−6において前記点火時期操作手段26が行
う点火時期の指令値iglog の生成処理を次に具体的に説
明する。
STEP4−6では、点火時期操作手段26は、まず、
点火時期の基本指令値igbaseを決定する(STEP22
−1)。この場合、該基本指令値igbaseは、例えば内燃
機関1の現在の回転数Neや吸気圧Pb、機関温度T
w、大気温度Ta等から、あらかじめ定めたマップや演
算式を用いて求める。
火時期偏差指令値DIG を決定するための処理を図23の
フローチャートに示すように実行する(STEP22−
2)。
まず、現在のFIRE実行可否フラグf/fireonの値を判
断する(STEP23−1)。
REモードの動作を行うべき状態である場合には、点火
時期操作手段26は点火時期操作回転数F/B制御を行
うか否かをそれぞれ値「1」、「0」で表すフラグf/ne
fb(以下、回転数F/B実行可否フラグf/nefbという)
の値を判断する(STEP23−2)。
は、前記始動モード処理(STEP4−2)において
「0」に初期化されるものである。
0、すなわち、点火時期操作回転数F/B制御をまだ行
うべき状態でない場合には、前記回転数F/B経過時間
Δt/nfb の値を「0」に初期化する(STEP23−
3)。該回転数F/B経過時間Δt/nfb は、STEP2
3−2でf/nefb=1となって、点火時期操作回転数F/
B制御を行うべき状態となった制御サイクルから計時を
開始するものであり、STEP23−2でf/nefb=1で
ある場合には、STEP23−3の処理は省略される。
制御サイクルにおける目標回転数ne/fire(k)と、次回の
制御サイクルにおける目標回転数ne/fire(k+1)とを求め
る(STEP23−4)。この場合、今回の制御サイク
ルにおける目標回転数ne/fire(k)は、現在の回転数F/
B経過時間Δt/nfb から前記式(48)により求められ
る。また、次回の制御サイクルにおける目標回転数ne/f
ire(k+1)に関しては、現在の内燃機関1の回転数Ne
(回転数センサ14の検出値)から把握される1制御サ
イクルの時間ΔTを現在の回転数F/B経過時間Δt/nf
b に加算することで回転数F/B予測経過時間Δt/nfbp
reを求め、この回転数F/B予測経過時間Δt/nfbpreか
ら前記式(49)により目標回転数ne/fire(k+1)が求め
られる。
数ne/fire(k)は、回転数F/B経過時間Δt/nfb がST
EP23−3で「0」に設定されている間(f/nefb=0
の状態)は、前記設定回転数(NOBJ+NEFSLDS )であ
る。
関1の現在の回転数Neが現在の目標回転数ne/fire(k)
以上となったか否か(STEP23−5)、現在のFI
RE経過時間t/fireが所定値TSLDIGST(一定値)以上と
なったか否か(STEP23−6)を順次判断する。
ずれかの条件が成立したときには、回転数F/B実行可
否フラグf/nefbの値を「1」に設定する(STEP23
−7)。これにより、FIREモードの動作が開始して
から、内燃機関1の回転数Neが前記設定回転数(NOBJ
+NEFSLDS )に達した時、又は、FIRE経過時間t/fi
reが所定値TSLDIGSTに達した時に回転数F/B実行可否
フラグf/nefbが「1」に設定され、点火時期操作回転数
F/B制御を行い得る状態となる。
かの条件も成立しない状態では、STEP23−7の処
理は省略され、回転数F/B実行可否フラグf/nefbの値
は「0」に維持される。また、回転数F/B実行可否フ
ラグf/nefbは、「1」に設定された後にFIREモード
の動作中に「0」に戻されることはない。
関1の現在の回転数Neと、STEP23−4で求めた
現在の目標回転数ne/fire(k)とから今回の制御サイクル
における前記回転数偏差En(k) (=Ne−ne/fire
(k))を算出する(STEP23−8)。
IRE中断フラグf/fpauseの値を判断し(STEP23
−9)、f/fpause=0、すなわち、FIREモードの中
断動作を行う状態でない場合には、さらに回転数F/B
実行可否フラグf/nefbの値を判断する(STEP23−
10)。
回の制御サイクルにおける点火時期偏差指令値DIG(k)の
値を「0」として(STEP23−11)、図22のル
ーチン処理に復帰する。
ある場合には、点火時期操作回転数F/B制御のための
点火時期偏差指令値DIG(k)を算出する(STEP23−
12)。
のように行われる。
て、まず、点火時期の現在の指令値iglog(k-1)(前回の
制御サイクルで決定された指令値)から、前記図19の
データテーブルにより前記点火時期対応ポール基本値po
le/igtblを求める(STEP24−1)。
b から、前記図20のデータテーブルにより前記時間対
応補正係数kigtを求める(STEP24−2)。
ら、前記図21のデータテーブルにより前記回転数対応
補正係数kigne を求め(STEP24−3)、さらにこ
の回転数対応補正係数kigne と、前記カウントダウンタ
イマcnt/igvpl の現在の値と、FIREモードの中断動
作の終了後のカウントダウンタイマcnt/igvpl の初期値
としてあらかじめ定めた所定期間XCNTとから前記式(5
0)により前記回転数対応修正補正係数kignefを求める
(STEP24−4)。
期対応ポール基本値pole/igtblに、STEP24−2及
び24−4でそれぞれ求めた時間対応補正係数kigt及び
回転数対応修正補正係数kignefを乗算する(式(51)
の演算を行う)ことで、今回の制御サイクルにおけるポ
ールpole/ig の値を決定する(STEP24−5)。
び前回の制御サイクルにおいてそれぞれ前記STEP2
3−8で求めた回転数偏差En(k) ,En(k-1) と、上
記STEP24−5で求めたポールpole/ig の今回値と
から、前記式(39)の演算により今回の制御サイクル
における前記切換関数σ2(k)を求める(STEP24−
6)。この場合において、式(39)中の係数パラメー
タs3 ,s4 はそれぞれ、「1」、「pole/ig 」であ
る。
(42)〜(44)により、今回の制御サイクルにおけ
る等価制御入力DIGeq 、到達則入力DIGrch、及び適応則
入力DIDadpをそれぞれ求める(STEP24−7)。
しては、まず、今回の制御サイクルにおいて前記STE
P23−4で求めた目標回転数ne/fire(k)及びne/fire
(k+1)と、前回の制御サイクルにおいてSTEP23−
4で求めた目標回転数ne/fire(k-1)とから、それらの目
標回転数ne/fire(k),ne/fire(k+1),ne/fire(k-1)の前
記基準回転数Ne0(=アイドリング回転数NOBJ)に対す
る偏差、すなわち前記偏差回転数dne(k),dne(k+1),dn
e(k-1)を求める。そして、この偏差回転数dne(k),dne
(k+1),dne(k-1)と、今回及び前回の制御サイクルにお
いてそれぞれ前記STEP23−8で求めた回転数偏差
En(k) ,En(k-1) と、STEP24−5で求めたポ
ールpole/ig の今回値とを用いて式(42)の演算を行
うことで、等価制御入力DIGeq(k)が求められる。この場
合において、式(42)中の係数パラメータs3 ,s4
はそれぞれ、「1」、「pole/ig 」である。また、式
(42)中のモデルパラメータc1 ,c2 ,d1 は前記
回転数制御対象モデル(式(38)を参照)についてあ
らかじめ同定した所定値である。
STEP24−6で求めた切換関数σ2(k)の値を用いて
式(43)の演算を行うことで、到達則入力DIGrch(k)
が求められる。この場合において式(43)中の係数パ
ラメータs3 は「1」であり、また、式(43)中の係
数F3 は前記式(45)もしくは(45)’の条件を満
たすようにあらかじめ設定した所定値である。
EP24−6で制御サイクル毎に求められる切換関数σ
2 の値を制御サイクル毎に累積加算することで、切換関
数σ2 の積算値Σσ2 を求める。そして、この積算値Σ
σ2 を用いて前記式(44)の演算を行うことで、適応
則入力DIDadpを求める。この場合において式(44)中
の係数パラメータs3 は「1」であり、また、式(4
4)中の係数F4 は前記式(46)の条件を満たすよう
にあらかじめ設定した所定値である。
達則入力DIGrch、及び適応則入力DIDadpを求めた後、点
火時期操作手段26は、式(41)に従ってそれらの総
和を演算することで、今回の制御サイクルにおける点火
時期偏差指令値DIG(k)を求め(STEP24−8)、図
23のルーチン処理に復帰する。
STEP23−12で点火時期偏差指令値DIG(k)を算出
した後、点火時期操作手段26は、該点火時期偏差指令
値DIG(k)の値を所定の上限値と下限値との間の値に制限
する(DIG(k)>上限値、あるいはDIG(k)<下限値である
とき、それぞれDIG(k)の値を強制的に上限値、下限値に
設定する)リミット処理を行った後(STEP23−1
3)、図22のルーチン処理に復帰する。
合、すなわち、FIREモードの中断動作を行うべき状
態となっている場合には、点火時期操作回転数F/B制
御を中断し、点火時期の指令値iglog を基本指令値igba
seに徐々に戻す(点火時期偏差指令値DIG を徐々に
「0」に戻す)ために、その指令値iglog の制御サイク
ル毎の戻し量を規定する単位値dec/ig(>0。以下、点
火時期戻し単位値dec/igという)を決定する(STEP
23−14)。
場合、すなわち、FIREモードの動作を終了するかも
しくは行わない状態となっている場合にも、点火時期の
指令値iglog を基本指令値igbaseに徐々に戻すために、
前記点火時期戻し単位値dec/igを決定する(STEP2
3−15)。
−15では、点火時期戻し単位値dec/igをあらかじめ定
めた所定値(一定値)に設定するが、FIREモードの
中断動作に際してSTEP23−14で設定する点火時
期戻し単位値dec/igは、現在のスロットル弁5の開度に
比例させた値(スロットル弁5の開度が大きい程、点火
時期戻し単位値dec/igを大きくする)に決定する。
Eモードの中断動作は、基本的には、車両のアクセルペ
ダルの操作によって、車両の走行や内燃機関1のからぶ
かしを行う状況で行われるものである。そして、このと
きスロットル弁5の開度が前述の如くアクセル操作量A
pに応じた開度に操作され、該スロットル弁5の開度が
大きい状況では、内燃機関1の所要の動作性能を確保す
るために、点火時期をなるべくすみやかに通常的な点火
時期(これは基本指令値igbaseに相当する)を戻すこと
が好ましいと考えられる。このために、STEP23−
14では、点火時期戻し単位値dec/igをスロットル弁5
の開度に比例させた値に決定する。
を決定するために必要となるスロットル弁5の開度は、
コントローラ2からスロットル弁アクチュエータ23に
与える開度指令値あるいは図示しないセンサによる開度
の検出値を用る。
igを決定した後、点火時期操作手段26は、次に、現在
の点火時期偏差指令値DIG の値(これは前回の制御サイ
クルで決定された点火時期偏差指令値DIG(k-1)である)
が「0」より小さいか否か、すなわち、遅角側の値であ
るか否かを判断する(STEP24−16)。
1)が遅角側の値である場合)には、現在の点火時期偏差
指令値DIG(k-1)に前記STEP24−14又は24−1
5で決定した点火時期戻し単位値dec/igを加算した値
(DIG(k-1)+dec/ig)を今回の制御サイクルにおける点
火時期偏差指令値DIG(k)として決定し(STEP24−
17)、図22のルーチン処理に復帰する。尚、この場
合において、点火時期偏差指令値DIG(k)の上限値を
「0」とし、(DIG(k-1)+dec/ig)が「0」より大きく
なるような場合には、点火時期偏差指令値DIG(k)の値を
強制的に「0」とする。
の場合(実質上は、DIG(k-1)=0の場合)には、FIR
E実行可否フラグf/fireonの値を判断し(STEP24
−18)、f/fireon=1の場合(この場合は、FIRE
モードの中断動作中である)には、今回の制御サイクル
における点火時期偏差指令値DIG(k)を「0」として(S
TEP24−19)、図22のルーチン処理に復帰す
る。
on=1且つf/fpauseの状態)は、切換関数σ2 の積算値
Σσ2 の値は中断動作の開始直前の値に保持される。
の場合、すなわち、FIREモードの終了状態である場
合には、FIRE中断フラグf/fpause及び回転数F/B
実行可否フラグf/nefbの値を「0」にリセットすると共
に、点火時期偏差指令値DIG(k)、切換関数σ2 の値及び
その積算値Σσ2 、等価制御入力DIGeq 、到達則入力DI
Grch、適応則入力DIGadpの値等を「0」に初期化した後
(STEP24−20)、図22のルーチン処理に復帰
する。
EP22−2で点火時期偏差指令値DIG を決定する処理
を実行した後、点火時期操作手段26は、STEP22
−1で決定した基本指令値igbaseにSTEP22−2で
決定した点火時期偏差指令値DIG を加算することで、今
回の制御サイクルにおける点火時期の指令値iglog を求
める(STEP22−3)。
た吸入空気量操作手段25の前記点火時期応動補正処理
に関して図12示した点火時期の遅角側の限界値IGLGG
とこの限界値IGLGG よりも若干進角側の閾値IGX とを決
定する(STEP22−4)。
G は、内燃機関1の機関温度Twから図示しないデータ
テーブルに基づいて求められ、該限界値IGLGG 以上の進
角側の点火時期では、内燃機関1の正常な運転を行い得
るように定められる。また、閾値IGX は、限界値IGLGG
にあらかじめ定めた所定値(一定値)を加算した値(限
界値IGLGG よりも所定値だけ進角側の値)に設定する。
尚、限界値IGLGG は、内燃機関1の機関温度Twが通常
的な温度範囲にある場合には、一定値であるが、機関温
度Twがかなり低温な温度範囲にある場合には、通常的
な温度範囲の場合よりも進角側の値になるようにしてい
る。
IGLGG と閾値IGX とを決定した後、点火時期操作手段2
6は、前記STEP22−3で求めた指令値iglog を閾
値IGX と比較する(STEP22−5)。そして、この
とき、指令値iglog が閾値IGX に等しいかもしくは該閾
値IGX よりも進角側の値である場合(iglog ≧IGX )に
は、前記点火時期応動補正処理を行わないため前記点火
時期判別フラグf/dec(図15のSTEP15−7を参
照)の値を「0」に設定し(STEP22−6)、ST
EP22−9に進む。
ある場合には、前記点火時期応動補正処理を行うべく前
記点火時期判別フラグf/dec の値を「1」に設定し(S
TEP22−7)、さらに、吸入空気量操作手段25に
よる前記学習補正処理に係わる前記学習演算終了フラグ
f/flrnend の値を判断する(STEP22−8)。そし
て、点火時期操作手段26は、f/flrnend =0である場
合にのみ、現在のFIRE経過時間t/fireの値を前記学
習終了時刻パラメータt/kil の値として保持しておき
(STEP22−9)、さらに前記基本学習補正係数vp
skisldの算出処理を終了すべく学習演算終了フラグf/fl
rnend の値を「1」に設定する(STEP22−1
0)。
P22−3で求めた指令値iglog をSTEP22−4で
決定した遅角側の限界値IGLGG と比較し(STEP22
−11)、iglog ≧IGLGG である場合、すなわち指令値
iglog が遅角側の限界値IGLGG 内に収まっている場合に
は、図4のメインルーチンの処理に復帰する。
ち、STEP22−3で求めた指令値iglog が、遅角側
の限界値IGLGG を超えて遅角側の値となっている場合に
は、指令値iglog を強制的に限界値IGLGG に設定する
(STEP22−12)。さらにこのとき、切換関数σ
2 の値の積算値Σσ2 の値をiglog <IGLGG となる直前
の制御サイクルで求めた値に強制的にホールド(保持)
した後(STEP22−13)、図4のメインルーチン
の処理に復帰する。このように積算値Σσ2 の値をホー
ルドするのは、点火時期の指令値iglog を強制的に限界
値IGLGG に設定する状態で、前記STEP23−12の
処理により点火時期偏差指令値DIG の算出を継続して行
うと、切換関数σ2 の値の積算値Σσ2 の値、ひいては
前記適応則入力DIGadpの値(絶対値)が過剰に大きくな
ってしまうからである。
処理が、前記図4のSTEP4−6で点火時期の指令値
iglog を制御サイクル毎に生成する処理の詳細であり、
このようにして決定された指令値iglog は前記点火装置
21に与えられる。そして、該点火装置21は、与えら
れた指令値iglog に従って内燃機関1の点火時期を操作
する。
によって、前記FIREモードの動作では、バイパス開
度の操作により内燃機関1の燃焼室4の吸入空気量が通
常のアイドリング運転時よりも増量される。また、これ
と並行して、点火時期操作回転数F/B制御によって、
内燃機関1の回転数Neを所要の目標回転数ne/fire
(最終的にはアイドリング回転数NOBJ)に収束させるよ
うに点火時期が遅角側に操作される。これにより、内燃
機関1が混合気の燃焼により生成する排ガスによって触
媒装置3に与えられる熱量が通常のアイドリング運転時
よりも多くなって、該触媒装置3の昇温・活性化を早期
に行うことが可能となると同時に、吸入空気量の増量に
よって上昇傾向となる内燃機関1の回転数Neを適正な
回転数に維持することができる。
その増量を開始してから触媒装置3に実際に与えられる
瞬時瞬時の熱量の積算値に相当する前記推定積算吸入空
気量qair/preを、触媒装置3に実際に与えるべき熱量の
目標積算値に相当する目標積算吸入空気量qair/cmdに収
束させるように、吸気側適応SLD制御を用いた前記吸
気量F/B制御補正処理によってバイパス開度の指令値
が補正される。
要因による吸入空気量のばらつきに起因して、推定積算
吸入空気量qair/preが標準開度指令値θ0 に応じて定ま
る目標積算吸入空気量qair/cmdに対して誤差(吸気偏差
Eq)を生じたとき、開度指令Θ(バイパス開度の指令
値)は、同図の上段に示す如く、標準開度指令θ0 に対
して前記SLD開度補正量i/sld だけ補正される。そし
て、この補正により、同図の中段に示す如く推定積算吸
入空気量qair/preを目標積算吸入空気量qair/cmdに収束
させ、ひいては、触媒装置3に実際に与えられる熱量の
積算値をその目標値に追従させることができる。これに
より、前記構造要因による吸入空気量のばらつきを補償
し、ひいては、該構造要因による触媒装置3の昇温形態
のばらつきを解消することができる。
正処理により求めた前記大気圧補正係数kpa と大気温度
補正係数kta とによって、開度指令Θを乗算補正する。
すなわち、大気圧Paが低い程、開度指令Θを増加側に
補正し、また、大気温度が高い程、開度指令Θを増加側
に補正する。これにより、大気条件による吸入空気量の
ばらつきを補償し、ひいては、該大気条件による触媒装
置3の昇温形態のばらつきも解消することができる。
置3の昇温形態を所望の昇温形態に合わせることができ
(本実施形態では、内燃機関1の始動時の機関温度Tw
や、FIREモードの動作中の自動変速機のシフト位置
が一定であれば、FIREモードの中断動作が行われる
場合を除いて、各回のFIREモードの動作による触媒
装置3の昇温形態はほぼ同じになる)、該FIREモー
ドの動作による触媒装置3の所望の昇温・活性化を確実
に行うことができる。
目標吸入空気量gair/cmd及び目標積算吸入空気量qair/c
mdは、内燃機関1の始動時における触媒装置3の温度状
態に相当する内燃機関1の始動時の機関温度Twに応じ
たものに設定するため(基本的には、該機関温度Twが
高い程、目標吸入空気量gair/cmd及び目標積算吸入空気
量qair/cmdは小さくなる)、内燃機関1の始動時の触媒
装置3の温度状態に適した該触媒装置3の昇温・活性化
を行うことができる。つまり、FIREモードにおける
触媒装置3の昇温形態(経時的な温度の上昇度合い)
は、内燃機関1の始動時における触媒装置3の温度状態
に応じたものとなるが、FIREモードの動作による最
終的な触媒装置3の温度状態を該触媒装置3の活性化の
上で適正な温度状態にすることができる。
る目標積算吸入空気量qair/cmdは、それに対応して内燃
機関1の燃焼室4に制御サイクル毎に吸入されるべき吸
入空気量、すなわち目標吸入空気量gair/cmdを、FIR
E経過時間t/fireが所定値t2 (図7を参照)に達した
後(内燃機関1の暖機がある程度進行した後)は、緩や
かに減少させていくように設定される。このため、内燃
機関1の暖機の進行によって、その各部のフリクション
が低下しても内燃機関1の回転数Neが上昇傾向となる
のを予防することができる。そして、この結果、内燃機
関1の点火時期が前記点火時期操作F/B制御によっ
て、過剰に遅角側に操作されるのを予防することができ
る。
転数F/B制御によって決定される点火時期の指令値ig
log が、該点火時期を操作し得る遅角側の限界値IGLGG
に近い閾値IGX を超えたときには、前記吸気量F/B制
御補正処理を中断して、前記点火時期応動補正処理によ
って、開度指令Θをフィードフォワード的に減少させ
る。このため、内燃機関1のフリクションの低下が予想
以上に大きく、あるいは早期に生じた場合であっても、
内燃機関1の回転数Neの上昇傾向の高まりを抑え、点
火時期が遅角側の限界値IGLGG に達する程、過剰に遅角
側に操作されるような事態を回避することができる。
制御補正処理に、外乱や制御対象のモデル化誤差や外乱
の影響を受けにくいスライディングモード制御を用い、
特に、外乱等の影響を極力排除するための適応則を用い
た適応スライディングモード制御(吸気側適応SLD制
御)を用いることで、推定積算吸入空気量qair/preを目
標積算吸入空気量qair/cmdに収束させ、ひいては、触媒
装置3に与える熱量の積算値をその目標値に収束させる
制御を高い安定性で行うことができる。この結果、触媒
装置3の所望の昇温・活性化をより確実に行うことがで
きる。
気側適応SLD制御にあっては、その制御対象を開度指
令Θから積算吸入空気量Qaを生成する系として、離散
系のモデル(吸気制御対象モデル)で表現したため、該
制御対象を連続系のモデルで表現する場合に比して、点
火時期側適応SLD制御のアルゴリズムを簡素でコンピ
ュータ処理に適したものに構築することができる。
離散系でモデル化することで、吸気側適応SLD制御に
用いる切換関数σ1 を、前記吸気偏差Eqの変化速度等
を用いることなく、該吸気偏差Eqのみの時系列データ
を用いて構成することができる。この結果、前記SLD
開度補正量i/sld を求めるために必要な切換関数σ1の
値の信頼性を高め、ひいては、吸気側適応SLD制御の
信頼性を高めることができる。
制御入力Θeqのフィードバック項Θeq/fb を省略して、
フィードフォワード項Θeq/ff に相当する標準開度指令
値θ0 を本実施形態での等価制御入力Θeqとすること
で、制御対象のモデル(吸気制御対象モデル)のモデル
パラメータa1 ,a2 ,b1 を用いずに簡略なアルゴリ
ズムで、SLD開度補正量i/sld を求めることができ
る。
メータa1 ,a2 ,b1 を用いて求めるようにしてもよ
いことはもちろんであるが、この場合であっても、吸気
側適応SLD制御の制御対象のモデルを離散系で構築し
ているため、既知の同定アルゴリズムを用いることで、
モデルパラメータa1 ,a2 ,b1 の値を的確に同定す
ることが可能である。
っては、図25の中段に示される如く、内燃機関1の始
動直後の前記SLD補正制限時間TISLDLMTが経過するま
では、推定積算吸入空気量qair/pre及び目標積算吸入空
気量qair/cmdの値を強制的に「0」に保持し、ひいて
は、SLD開度補正量i/sld の値も「0」に保持する。
D補正制限時間TISLDLMTが経過するまで吸気量F/B制
御補正処理が行われないこととなり、バイパス開度は、
標準開度指令値θ0 (より正確には、標準開度指令値θ
0 に大気圧補正係数kpa 、大気温度補正係数kta 及び学
習補正係数kilearn を乗算した値)を主体として、フィ
ードフォワード的に操作されることとなる(図25の上
段を参照)。
気量は、標準開度指令値θ0 の上昇形態と同じような形
態で滑らかに増量されていくこととなり、この結果、始
動直後の内燃機関1の燃焼状態を円滑に安定化し、内燃
機関1の良好なエミッション状態を確保することができ
る。
に開始する際には、図25の下段に示す如く前記吸気側
適応SLD制御に係わるポールpole/iの値を、FIRE
経過時間t/fireが所定値TPOLEXに達するまで、「−1」
側から徐々に増加させる(|pole/i|を徐々に減少させ
る)ことで、前記吸気偏差Eqの減衰速度をFIRE経
過時間t/fireが所定値TPOLEXに達するまでは、該所定値
TPOLEXに達した後よりも遅くする。
始によって、開度指令Θ、ひいては、吸入空気量が急激
に大きく変化するような事態が回避され、これによって
も、始動後の初期段階における内燃機関1の燃焼状態の
安定性を保ちつつ、内燃機関1の良好なエミッション状
態を確保することができる。
によって、FIREモードの動作毎に吸気量F/B制御
補正処理によるSLD開度補正量i/sld を学習し、該S
LD開度補正量i/sld をFIREモードの動作中に積算
してなるSLD積算吸気補正量qair/sldの、目標積算吸
入空気量qair/cmdに対する比の値に基づく学習補正係数
kilearn (基本的には前記基本学習補正係数vpskisld)
を求める。そして、次回のFIREモードの動作に際し
て、この学習補正係数kilearn によりFIREモードの
全期間にわたって開度指令Θをフィードフォワード的に
乗算補正することで、FIREモード中のSLD開度補
正量i/sld による制御サイクル毎の開度指令Θの補正を
最小限に留めることができる。この結果、構造要因によ
る吸入空気量のばらつきが大きく生じたような場合であ
っても、吸入空気量の時間的変化のパターンが標準開度
指令値θ0 のパターンに対して大きく逸脱した変化を呈
するような事態を回避することができ、内燃機関1の燃
焼状態やエミッション状態を損なうことなく安定した内
燃機関1の運転を行うことができる。
動作中に車両のアクセルペダルの操作による内燃機関1
のからぶかしや車両の発進・走行が行われて、内燃機関
1のアイドリング運転以外の運転を行う状態となり、F
IREモードの中断動作を行う状況でも、吸入空気量の
増量側へのバイパス開度の操作を行う(但し、吸気量F
/B制御補正処理は中断)と共に、推定積算吸入空気量
qair/pre及び目標積算吸入空気量qair/cmdの算出を継続
する。そして、該中断動作の解除後に、吸気量F/B制
御補正処理を再開して、推定積算吸入空気量qair/preを
目標積算吸入空気量qair/cmdに収束させるように開度指
令Θを補正する。このため、FIREモードの動作中
に、内燃機関1のアイドリング運転以外の運転を行う状
況となり、FIREモードの中断動作を行うような状況
が生じても、FIREモード制限時間TFIRELMT内におけ
る触媒装置3の昇温・活性化を確実に行うことができ
る。
しては、そのフィードバック制御処理に、前記吸気量F
/B制御補正処理の場合と同様に、適応スライディング
モード制御(点火時期側適応SLD制御)を用いること
で、内燃機関1の回転数Neの目標回転数ne/fire への
制御の安定性を高めることができる。
火時期側適応SLD制御の応答指定特性を利用し、回転
数Neの制御のために操作する点火時期の指令値iglog
が遅角側の値である程、回転数偏差En(=Ne−ne/f
ire )の減衰速度を遅くするように、該減衰速度を規定
するパラメータである前記ポールpole/ig (=s4 /s
3 )の通常的な値として設定される前記点火時期対応ポ
ール基本値pole/igtblを可変的に定める。つまり、一般
に、点火時期が遅角側である程、該点火時期の変化に対
する内燃機関1の回転数Neの変化が大きなものとなる
が、このような状態では、回転数偏差Enの減衰速度を
遅めにするようにポールpole/ig の値を設定すること
で、点火時期側適応SLD制御により決定される指令値
iglog の変化を抑制し、回転数Neが目標回転数ne/fir
e に対して急変するのを回避する。また、逆に点火時期
の進角側では、回転数偏差Enの減衰速度を速めにする
ようにポールpole/ig の値を設定することで、回転数N
eの目標回転数ne/fire への迅速な追従性を確保する。
これにより、回転数Neの目標回転数ne/fire への制御
の適正な速応性を確保しつつ安定性を高めることができ
る。
始直後の初期段階(回転数F/B経過時間Δt/nfb が所
定値T/NFBXに達するまで)では、回転数偏差Enの減衰
速度を遅くするように前記時間対応補正係数kigtにより
点火時期対応ポール基本値pole/igtblを乗算補正してポ
ールpole/ig を決定する。これにより、点火時期操作回
転数F/B制御の開始直後に回転数Neが急激に変動
し、内燃機関1の燃焼状態が悪化するような事態を回避
することができる。
の中断動作の解除後に点火時期操作回転数F/B制御を
再開するに際して、内燃機関1の回転数Neが目標回転
数ne/fire に対して高回転側に大きく離間している程、
回転数偏差Enの減衰速度を遅くするように前記回転数
対応修正補正係数kignefにより点火時期対応ポール基本
値pole/igtblを乗算補正してポールpole/ig を決定す
る。これにより、点火時期操作回転数F/B制御を再開
に際して内燃機関1の回転数Neが目標回転数ne/fire
に対して高回転側に大きく離間しているときに、大きな
回転数偏差Enに応じて急激に点火時期の指令値iglog
が遅角側に変化するのを抑制し、内燃機関1の安定した
運転状態を確保することができる。
数F/B制御に係わる前記回転数偏差Enの減衰速度を
規定するポールpole/ig の絶対値よりも、前記吸気量F
/B制御補正処理に係わる前記吸気偏差Eqの減衰速度
を規定するポールpole/iの絶対値の方が大きな値に設定
される(図17のSTEP17−7、17−8の処理を
参照)。換言すれば、ポールpole/ig は、回転数偏差E
nの減衰速度が吸気偏差Eqの減衰速度よりも速くなる
ような値に設定される。このため、点火時期操作回転数
F/B制御により内燃機関1の回転数Neを目標回転数
ne/fire に収束させるフィードバック制御と、吸気量F
/B制御補正処理により推定積算吸入空気量qair/preを
目標積算吸入空気量qair/cmdに収束させるフィードバッ
ク制御との相互の干渉を回避して内燃機関1の回転数N
eを安定して目標回転数ne/fireに制御することができ
る。
数F/B制御に用いる点火時期側適応SLD制御では、
その制御対象を点火時期の指令値iglog に相当する点火
時期偏差指令値DIG から、内燃機関1の回転数Neに相
当する偏差回転数DNE を生成する系として、離散系のモ
デル(回転数制御対象モデル)で表現したことで、点火
時期側適応SLD制御のアルゴリズムを簡素でコンピュ
ータ処理に適したものとすることができる。
象を離散系でモデル化することで、吸気側適応SLD制
御の場合と同様、切換関数σ2 を、前記回転数偏差En
の変化速度等を用いることなく、該回転数偏差Enのみ
の時系列データを用いて構成することができる。この結
果、前記点火時期偏差指令値DIG を求めるために必要な
切換関数σ2 の値の信頼性を高め、ひいては、点火時期
側適応SLD制御の信頼性を高めることができる。
ける内燃機関1の燃焼室4の吸入空気量の増量のための
流量制御弁としてバイパス弁7を用いたが、スロットル
弁5の開度を操作することで、吸入空気量の増量を行う
ようにしてもよい。
室4の吸入空気量(推定吸入空気量gair/pre)を吸気圧
Pbから推定して得るようにしたが、エアフローセンサ
等を用いて直接的に検出して得るようにしてもよい。
制御補正処理に適応スライディングモード制御を用いた
が、適応則を省いた通常のスライディングモード制御を
用いてもよい。この場合にあっては、前述した等価制御
入力Θeqのフィードバック項Θeq/fb を付加してSLD
開度補正量i/sld を求めることが好ましい。
の減衰速度を規定するポールpole/iの可変的な設定を基
本的には、FIRE経過時間t/fireに応じて行うように
したが、これ以外にも、必要に応じて推定積算吸入空気
量qair/preの目標積算吸入空気量qair/cmdへの制御性や
内燃機関1の運転の安定性等を考慮し、適当な条件に応
じてpole/iの可変的な設定を行うようにしてもよい。
制御補正処理の制御対象を2次の自己回帰モデル(離散
系モデル)で表現したが、より高次の自己回帰モデルで
表現することも可能である。そして、この場合、吸気量
F/B制御補正処理に必要な切換関数は、例えば吸気偏
差Eqの3個以上の時系列データの線形関数として設定
する必要があるが、このような場合であっても、吸気偏
差Eqの減衰速度を本実施形態と同様に切換関数の係数
パラメータの値により指定することが可能である。そし
て、このことは点火時期側適応SLD制御の場合につい
ても同様である。
側適応SLD制御の制御対象を例えば3次の自己回帰モ
デル(離散系モデル)で表現した場合に、吸気偏差Eq
や回転数偏差Enの減衰速度を前述の実施形態と同様に
指定する手法を簡単に説明しておく。尚、以下の説明に
おいて、吸気側適応SLD制御や点火時期側適応SLD
制御やを包括的に適応SLD制御と称することとし、ま
た、該適応SLD制御の制御対象の入力及び出力を一般
的にX,Y、適応SLD制御の制御量である制御対象の
出力Yの目標値をy、該出力Yと目標値yとの偏差をE
(=Y−y)により表す。この場合、吸気側適応SLD
制御に関しては、上記入力X、出力Y(制御量)、目標
値y、偏差Eはそれぞれ、開度指令Θ(バイパス開度の
指令値)、推定積算吸入空気量qair/pre、目標積算吸入
空気量qair/cmd、吸気偏差Eqに相当するものとなる。
また、点火時期側適応SLD制御に関しては、上記入力
X、出力Y(制御量)、目標値y、偏差Eはそれぞれ、
前記点火時期偏差指令値DIG (=iglog −igbase)、偏
差回転数DNE (Ne−NOBJ)、目標偏差回転数dne(ne/
fire −NOBJ)、回転数偏差En(=Ne−ne/fire )
に相当するものとなる。
(52)のように3次の自己回帰モデル、すなわち、各
制御サイクルにおける制御対象の出力Yを、その3制御
サイクル前までの出力Yと1制御サイクル前の制御対象
の入力Xとを用いて表した離散系モデルによりモデル化
したとき、
例えば次式(53)のように出力Y(制御量)と目標値
yとの偏差E(以下、制御量偏差Eという)の3個の時
系列データE(k) ,E(k-1) ,E(k-2) の線形関数によ
り定義される。
は、制御対象のモデルの挙動特性を規定するモデルパラ
メータである。また、式(53)中のs5 、s6 は切換
関数σ3 の係数パラメータである。この場合、制御量偏
差En(k)に係る係数は簡単化のために「1」としてい
る。
束した状態で制御量偏差Enを安定に「0」に収束させ
る(減衰させる)ための条件は、式(53)でσ3 =0
として得られる次式(54)の特性根、すなわち式(5
5)により与えられる特性根λ1 ,λ2 が複素平面上の
単位円内に存在することである。
メータs5 、s6 の値の組合わせは、図26に示す座標
平面(係数パラメータs5 、s6 を成分とする座標平
面)において、三角形A1 A2 A3 により囲まれた領域
内の点により定まる係数パラメータs5 、s6 の値の組
み合わせである。つまり、係数パラメータs5 、s6 の
値を、それらの値により定まる図26の座標平面上の点
が三角形A1 A2 A3 内に存するように設定すれば、切
換関数σ3 の値が「0」に収束した状態で制御量偏差E
を安定に「0」に収束させることができる。
に収束させる上では、図26の座標平面上の点が、三角
形A1 A2 A3 内の点描部分(以下、この部分を領域A
1 A2 A4 という)に存するように係数パラメータs5
、s6 の値を設定すればよい。ここで、領域A1 A2
A4 の上側の境界を規定する曲線A1 A4 は、s6 =s
52/4という二次関数により表される放物線である。ま
た、点A4 は座標平面の原点である。
を、それらの値により定まる点が領域A1 A2 A4 内に
存するように設定するとき、その点(s5 ,s6 )を領
域A1 A2 A4 の辺A1 A2 上から原点A4 に向かって
移動させるように係数パラメータs5 、s6 の値を変化
させれば制御量偏差Eの減衰速度は点(s5 ,s6 )が
原点A4 に近づく程、速くなる。
線)A1 A4 上で点A1 側から原点A4 に向かって移動
させるように係数パラメータs5 、s6 の値を変化させ
れば(図26の矢印B1 を参照)、制御量偏差Eの減衰
速度は連続的に徐々に速くなっていく。
6 =η・s5 (但し、η>0)なる関係式により表され
る直線上で領域A1 A2 A4 の辺A1 A2 側から、原点
A4に向かって移動させるように係数パラメータs5 、
s6 の値を変化させれば(図26の矢印B2 を参照)、
制御量偏差Eの減衰速度は連続的に徐々に速くなってい
く。
吸気側適応SLD制御に関しては、前述の実施形態と同
様に、FIREモードの初期段階(内燃機関1の始動直
後)に、吸気偏差Eqの減衰速度をFIRE経過時間t/
fireに応じて徐々に低速側から上昇させていくために
は、FIRE経過時間t/fireの増加に伴い、徐々に、点
(s5 ,s6 )を領域A1 A2 A4 内で、辺A1 A2 寄
りの位置から原点A3 側に移動させるように係数パラメ
ータs5 、s6 の値を変化させてやればよい。
、s6 を可変的に設定するに際しては、点(s5 ,s6
)を例えば曲線(放物線s6 =s52/4)A1 A4 上
で移動させ、あるいは、直線s6 =η・s5 上で移動さ
せるようにすることが好ましい。このようにすれば、係
数パラメータs5 ,s6 のいずれか一方をFIRE経過
時間t/fireに応じて設定すると、他方の係数パラメータ
の値も定まるので、係数パラメータs5 、s6 の可変的
な設定がより容易になる。
を曲線(放物線s6 =s52/4)A1 A4 上で移動させ
るものとした場合、係数パラメータs5 の基本値を、−
2<s5 <0の範囲(ここで「−2」、「0」はそれぞ
れ領域A1 A2 A4 の曲線A1 A4 上での係数パラメー
タs5 の下限値、上限値である)において、前記ポール
テーブル値pole/itbl (図9を参照)と同様の傾向でF
IRE経過時間t/fireに応じて定める。そして、この係
数パラメータs5 から、s6 =s52/4なる関係式によ
り係数パラメータs5 を決定する。このような係数パラ
メータs5 、s6 の設定は、点(s5 ,s6 )を直線s
6 =η・s5 上で移動させる場合についても同様に行う
ことができる。
正量i/sld を求めるために必要な到達則入力Θrch 及び
適応則入力Θadp は、前述の実施形態と同様に、それぞ
れ、切換関数σ3 の値、及びその積算値に比例させたも
のとすればよい。また、等価制御入力Θeqは、標準開度
指令値θ0 を代用すればよい。
の点火時期側適応SLD制御に関しては、前述の実施形
態と同様に点火時期の指令値iglog が遅角側である程、
回転数偏差Enの減衰速度を遅くするためには、点火時
期の指令値iglog が遅角側である程、点(s5 ,s6 )
が領域A1 A2 A4 内で辺A1 A2 に近づく(原点A4
から離間する)ようにを点火時期の指令値iglog に応じ
て可変的に設定すればよい。そして、このような係数パ
ラメータs5 、s6 の可変的な設定の仕方は、前記FI
REモードの中断動作の解除による点火時期操作回転数
F/B制御の再開に際して、回転数偏差Enが大きい程
(回転数Neが目標回転数ne/fire に対して高回転側に
離間している程)、回転数偏差Enの減衰速度を遅く
し、また、回転数F/B経過時間Δt/nfb が所定値T/NF
BXに達するまで回転数偏差Enの減衰速度を遅くする場
合についても同様である。
と同様、係数パラメータs5 、s6を可変的に設定する
に際しては、点(s5 ,s6 )を例えば曲線(放物線s
6 =s52/4)A1 A4 上で移動させ、あるいは、直線
s6 =η・s5 上で移動させるようにすることで、係数
パラメータs5 、s6 の可変的な設定がより容易にな
る。
を曲線(放物線s6 =s52/4)A1 A4 上で移動させ
るものとした場合、係数パラメータs5 の基本値を、−
2<s5 <0の範囲(ここで「−2」、「0」はそれぞ
れ領域A1 A2 A4 の曲線A1 A4 上での係数パラメー
タs5 の下限値、上限値である)において、前記点火時
期対応ポール基本値pole/igtbl(図20を参照)と同様
の傾向で点火時期の指令値iglog に応じて定める。そし
て、この係数パラメータs5 の基本値に、前記時間対応
補正係数kigtと同様の傾向で回転数F/B経過時間Δt/
nfb に応じて定めた補正係数と、前記回転数対応補正係
数kigne (より好ましくは回転数対応修正補正係数kign
ef)同様の傾向で回転数Neに応じて定めた補正係数と
を乗算してなる値を係数パラメータs5 の値として設定
する。そして、この係数パラメータs5 から、s6 =s
52/4なる関係式により係数パラメータs5 を決定す
る。このような係数パラメータs5 、s6 の設定は、点
(s5 ,s6 )を直線s6 =η・s5 上で移動させる場
合についても同様に行うことができる。
指令値DIG を求めるために必要な等価制御入力DIGeq を
算出する演算式は、σ3(k+1)=σ3(k)なる条件と式(5
2)とから求めることができる。また、到達則入力DIGr
ch及び適応則入力DIGadpは、前述の実施形態と同様に、
それぞれ、切換関数σ3 の値、及びその積算値に比例さ
せたものとすればよい。
の操作によるフィードバック制御に関しては、推定積算
吸入空気量qair/pre(より一般的には触媒装置3に与え
る熱量の積算値)を制御すべき制御量として、該推定積
算吸入空気量qair/preを目標積算吸入空気量qair/cmdに
収束させる場合を例にとって説明したが、内燃機関1の
出力トルク等をその目標値に収束させるべく吸入空気量
を操作するような場合についても、本発明を適用するこ
とができる。さらに、前記実施形態のように点火時期操
作回転数F/B制御を行わないような場合には、内燃機
関1の回転数Neを所要の目標回転数に制御するような
場合にも本発明を適用することができる。
焼させる混合気の空燃比が一定であるとした場合に内燃
機関1の発生熱量(排ガスの熱量)、ひいては触媒装置
3に与えられる熱量が燃焼室4の吸入空気量にほぼ比例
することから触媒装置3に与える熱量を表す熱量データ
として制御サイクル毎の吸入空気量の積算値を用いてい
る。しかし、内燃機関1の発生熱量は、内燃機関1の点
火時期によっても若干変化することから、触媒装置3に
与える熱量を表す熱量データの精度をより高める必要が
ある場合には、瞬時瞬時(制御サイクル毎)の吸入空気
量の推定値あるいは検出値を、その時々の点火時期に応
じて補正し、それを積算することで、熱量データを取得
するようにしてもよい。また、混合気の空燃比を変化さ
せる必要が生じた場合には、点火時期に応じた補正と同
様に、瞬時瞬時(制御サイクル毎)の吸入空気量の推定
値あるいは検出値を、その時々の空燃比に応じて補正
し、それを積算することで、熱量データを取得するよう
にしてもよい。いずれの場合にあっても、点火時期や空
燃比に応じた補正を行うための補正係数をあらかじめ設
定したデータテーブル等を用意しておくことで対応する
ことが可能である。
タを取得するに際しての上記のような補正は、該熱量デ
ータとして燃料供給量等、その他のパラメータを用いる
場合においても同様に適用可能である。
テムの全体構成図。
て示した図。
線図。
チャート。
チャート。
図。
図。
図。
図。
ーチャート。
ーチャート。
ーチャート。
ーチャート。
ーチャート。
図。
図。
図。
ーチャート。
ーチャート。
ーチャート。
図。
線図。
御弁)、8…バイパス通路(吸入空気通路)、25…吸
入空気量操作手段。
Claims (7)
- 【請求項1】内燃機関の吸入空気通路に設けた流量制御
弁を操作することにより制御可能な該内燃機関に係わる
所定の制御量をその目標値に収束させるように前記流量
制御弁の操作量の指令値をスライディングモード制御に
より生成し、その生成した指令値に基づき該流量制御弁
を操作する内燃機関の制御装置において、 前記スライディングモード制御の制御対象が前記流量制
御弁の操作量の指令値から前記制御量を生成する系であ
るとして該制御対象をあらかじめ離散系でモデル化して
おくと共に、該スライディングモード制御に用いる切換
関数を前記制御量とその目標値との偏差の複数の時系列
データを成分とする線形関数により構成し、該スライデ
ィングモード制御により所定の制御サイクルで前記流量
制御弁の操作量の指令値を生成するためのアルゴリズム
を前記制御対象の離散系モデルと前記切換関数とに基づ
いて構築したことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 【請求項2】前記離散系モデルは、各制御サイクルにお
ける前記制御量を、その制御サイクルより過去の制御サ
イクルにおける該制御量と前記流量制御弁の操作量の指
令値とにより表現したモデルであることを特徴とする請
求項1記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項3】前記スライディングモード制御は適応スラ
イディングモード制御であることを特徴とする請求項1
又は2記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項4】前記スライディングモード制御のアルゴリ
ズムは、前記流量制御弁の操作量の指令値の補正量を前
記適応スライディングモード制御の到達則及び適応則に
基づき求め、その求めた補正量により前記制御量の目標
値に対応させて定めた該流量制御弁の操作量の基準指令
値を補正することにより各制御サイクル毎の該流量制御
弁の操作量の指令値を決定することを特徴とする請求項
3記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項5】前記流量制御弁の操作量の指令値の補正量
は、制御サイクル毎の前記切換関数の値に比例させた前
記到達則に基づく成分と、該切換関数の値の積算値に比
例させた前記適応則に基づく成分との総和として求める
ことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項6】前記切換関数を構成する前記制御量とその
目標値との偏差の複数の時系列データに係る係数パラメ
ータの値を所定の条件に応じて可変的に設定する手段を
具備したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
に記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項7】前記スライディングモード制御による前記
制御量の前記目標値への制御は、前記内燃機関の始動直
後から行う制御であり、少なくとも前記内燃機関の始動
後の所定期間は、該所定期間を経過した後よりも前記偏
差の減衰速度を遅くするように前記係数パラメータの値
を設定することを特徴とする請求項6記載の内燃機関の
制御装置。
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