JP2000110371A - 住 宅 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駐車場上方のデッドスペースの有効利用を図
った住宅を提供すること。 【解決手段】 建物２道路Ｂ側の中央に玄関４を配置
し、この玄関４の左右両側に駐車場５，６を配置し、こ
れら駐車場５，６の天井の高さを他の一階部分の天井の
高さよりも低く形成するとともに、駐車場５，６の天井
から建物二階の床までの間に収納７，８を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は住宅に関し、とくに
建物一階に道路に面して配置された駐車場の天井の高さ
を、他の部分よりも低く形成し、この駐車場の天井から
建物二階の床までの間に収納を設けることによって、駐
車場上方のデッドスペースの有効利用を図った住宅に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に戸建て住宅には、敷地内にスペ
ースをとって配置された屋外の駐車場、あるいは、屋
根、壁などを造って車庫として独立して建築された屋内
駐車場が設けられている。また、駐車場のスペースを確
保する余裕のない狭小な敷地に建てられた住宅などで
は、建物正面側の一階に駐車場を配置したものが散見さ
れる。これら建物一階に駐車場を配置した住宅の場合、
駐車場の天井と一階の他の天井とは、通常、同一の高さ
に形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、建物内
部の天井および玄関の天井は高く形成した方が、居住性
の観点から好ましいが、駐車場の天井を前記建物内部な
どと同じ高さに形成する必要はなく、駐車場上方に無駄
なスペースが生じていた。また、駐車場の開口を大きく
形成すると、建物の外観にしまりのないイメージが形成
され見栄えが悪かった。本発明は上記問題点に着目して
なされたものであって、その目的とするところは、建物
一階に道路に面して配置された駐車場の天井の高さを、
他の部分の天井よりも低く形成し、この駐車場の天井か
ら建物二階の床までの間に収納を設けることによって、
駐車場上方のデッドスペースの有効利用を図った住宅を
提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、請求項１記載の住宅では、建物の階下に
駐車場を配置し、この駐車場上方の上階床面との間に収
納を配置した。請求項２記載の発明では、請求項１記載
の住宅において、前記駐車場上方の部屋の床に前記収納
への入口を設けた。請求項３記載の発明では、請求項１
または２記載の住宅において、前記建物階下の道路側中
央に玄関を配置し、この玄関の左右両側に前記駐車場お
よび収納をそれぞれ配置した。請求項４記載の発明で
は、請求項１ないし３記載の住宅において、前記収納へ
の入口を設けた部屋を和室とし、前記収納への入口を設
けた床面の上に畳を敷設した。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本発明の実施の形態にかか
る住宅の一階平面図である。図に示すように、本実施の
形態にかかる住宅Ａは、敷地１に建てられた平面視コの
字型の二階建て建物２と、この建物２のコの字形状に囲
まれた部分に配置された中庭３とから構成されている。
前記敷地１は住宅密集地に配置された狭小地であり、敷
地１の図中右側には道路Ｂが通過し、その他の周囲には
隣家が立ち並んでいる。前記建物２は、敷地１の道路Ｂ
側から敷地１の奥に向かって細長く形成されていて、そ
の間口は６．５ｍであり、奥行きは１５ｍとなってい
る。

【０００６】まず、前記建物２の一階部分について説明
する。前記建物２の道路Ｂ側中央には玄関４が配置され
ている。この玄関４の玄関ポーチ４ａは建物２内に配置
されている。また、この玄関ポーチ４ａには道路Ｂに面
して壁４ｂが設けられ、この壁４ｂによって道路Ｂ側か
ら玄関４への視線が遮断された状態となっている。よっ
て、玄関４に高いプライベート性が確保されるととも
に、玄関４が落ち着いた接客空間となっている。

【０００７】前記玄関４を挟んで建物２の道路Ｂ側左右
には、駐車場５，６がそれぞれ配置されている。これら
駐車場５，６はその車両出入口が前記道路Ｂに面して設
けられていて、どちらも道路Ｂと直交して車両一台分の
駐車スペースを有する屋内駐車場である。また、図２の
実施の形態にかかる住宅Ａの正面図に示すように、前記
駐車場５，６の天井は建物２一階の他の居住スペースお
よび前記玄関４の天井よりも低く形成され、この天井と
建物２二階の床との間には、図３に示す１．５ｍの高さ
を有する収納７，８がそれぞれ設けられている。なお、
図３において、７ａ，８ａは前記収納７，８への入口で
あり、後述する建物２二階に配置された夫婦の寝室１８
および和室１９の床に設けられている。

【０００８】このように、本実施の形態の住宅Ａにあっ
ては、駐車場５，６の天井を低く形成し、この天井と建
物２二階の床との間に収納７，８を設けたため、駐車場
５，６の上方の空間を収納スペースとして有効利用でき
る。また、駐車場５，６の天井を低くすることによっ
て、建物２道路Ｂ側の外観に安定感が形成され、建物２
に重厚なイメージが形成される。なお、図２に示すよう
に、建物２の道路Ｂ側は、玄関４を中心として左右対称
に形成されていて、シンメトリーを強調した美しい外観
となっている。

【０００９】前記中庭３は駐車場６と隣接して駐車場６
の奥に配置されていて、駐車場６と出入口３ａを介して
連絡可能となっている。前記玄関４から建物２内部に入
ると、正面にリビングルーム９が配置されている。この
リビングルーム９は前記中庭３と隣接して配置され、中
庭３側には大きな開口が形成されているため、中庭３か
ら充分な採光が得られている。また、このリビングルー
ム９の上方は二階の床部分を突き抜けて吹抜け９ａ（図
４参照）が形成されていて、開放的な雰囲気が形成され
ている。なお、このリビングルーム９には、後述する夫
婦の寝室１８（図４参照）へ上がる二階への階段１６が
配置されている。

【００１０】前記リビングルーム９の奥には、このリビ
ングルーム９と連続してダイニングルーム１０が配置さ
れている。また、このダイニングルーム１０の図中下側
には、道路Ｂ側から順に、キッチン１１、浴室１２、二
階への階段１３、洗面所１４、およびトイレ１５が配置
されている。そして、前記キッチン１１には勝手口１１
ａが、洗面所１４には裏口１４ａがそれぞれ設けられて
いて、建物２裏側からの住宅の出入りの利便性が確保さ
れている。また、前記ダイニングルーム１０の奥に配置
されたデッキ１７は、食事を行ったり多目的に使用でき
るユーティリティースペースである。

【００１１】つぎに、図４を用いて建物２の二階部分に
ついて説明する。既述したように、前記リビングルーム
９に隣接して配置された階段１６から二階へ上がると、
夫婦の寝室１８が配置されている。この夫婦の寝室１８
の床面には、図３に図示した前記収納７への入口７ａが
設けられている。前記夫婦の寝室１８の隣には５畳間の
和室１９が配置されている。この和室１９の床面には前
記収納８への入口８ａ（図３参照）が設けられている
が、この入口８ａの上には畳を敷設してあるため、通常
は見えない状態となっている。よって、物を収納すると
きにはその部分の畳をはぐってから行うようになってい
る。このように、収納７，８への入口７ａ，８ａは、建
物二階に配置された夫婦の寝室１８の床面、および前記
夫婦の寝室１８と隣接して配置された和室１９の床面に
設けられているため、高い防犯性が確保されている。

【００１２】一方、建物２の奥側に配置された階段１３
を二階へ上がると、子供の勉強部屋２０が配置されてい
る。この勉強部屋２０には建物２の外壁に沿ってＬ字型
のカウンター２０ａが設けられていて、勉強机として使
用できるだけではなく、参考書などの本を並べておく本
棚としても利用できる。また、建物２の奥には前記勉強
部屋２０と隣接して子供部屋２１，２２が配置されてい
る。これら子供部屋２１，２２は互いに隣接した状態で
あるが、勉強部屋２０によって両子供部屋２１，２２の
出入口が隔絶された状態となっているため、子供部屋２
１，２２相互間に高いプライベート性が確保されてい
る。なお、前記勉強部屋２０にはトイレ２４が隣接して
配置されている。

【００１３】前記建物２の中央部分には、前記夫婦の寝
室１８と勉強部屋２０とを結ぶ通路２３が配置されてい
る。このように、前記夫婦の寝室１８は建物２の道路Ｂ
側に配置され、一方、前記子供部屋２１，２２は建物２
の奥側に配置され、両者が通路２３および勉強部屋２０
で隔絶された構成となっているため、両者に高いプライ
ベート性が確保され、親子間のプライバシーが守られて
いる。

【００１４】以上本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
などがあっても本発明に含まれる。たとえば、本実施の
形態にかかる住宅Ａにおいては、建物２道路Ｂ側の中央
に玄関４を配置し、この玄関４を挟んで建物２の道路Ｂ
側左右に駐車場５，６を配置し、これら駐車場５，６の
上方に収納７，８を配置した構成としたが、玄関の位
置、駐車場の収容台数、および駐車場の数などは任意で
あり、建物道路側に駐車場を配置し、この駐車場の天井
を低く形成し、駐車場の天井から建物二階の床までの間
に収納を設けた構成であれば良い。また、本実施の形態
においては、二階建ての建物について説明したが、建物
の階数は任意であり、三階建ての建物でも良い。

【００１５】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
１記載の住宅にあっては、建物の階下に駐車場を配置
し、この駐車場上方の上階床面との間に収納を配置した
ため、駐車場上方のデッドスペースを収納として有効利
用することができるという効果が得られる。また、前記
収納に物を収納すれば、その分だけ、リビングルームや
各部屋の居住空間における収納スペースを小型化するこ
とができるため、建物内における各部屋の設計自由度が
拡大する。さらに、駐車場の開口を小さく形成すること
によって、建物道路側にどっしりとした安定感が形成さ
れ、住宅に重厚なイメージが形成される。請求項２記載
の発明にあっては、請求項１記載の住宅において、前記
駐車場上方の部屋の床に前記収納への入口を設けたた
め、収納および取り出し作業を簡便に行うことができる
し、建物階下に入口を設けた場合と比較して防犯面で有
利である。請求項３記載の発明にあっては、請求項１ま
たは２記載の住宅において、前記建物階下の道路側中央
に玄関を配置し、この玄関の左右両側に前記駐車場およ
び収納をそれぞれ配置したため、建物上階に二つの収納
が形成される。よって、これら二つの収納を目的，用途
に応じて使い分けることができて便利である。また、建
物正面の外観が玄関を中心として左右対称となるため、
建物正面側にシンメトリーを強調した美しい外観を形成
することができる。請求項４記載の発明にあっては、請
求項１ないし３記載の住宅において、前記収納への入口
を設けた部屋を和室とし、前記収納への入口を設けた床
面の上に畳を敷設したため、収納への入口が畳で隠れた
状態となる。よって、室内の外観品質が向上するととも
に、収納の防犯性を一層向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態にかかる住宅の一階平面図である。

【図２】本発明の実施の形態にかかる住宅の正面図であ
る。

【図３】実施の形態にかかる住宅の収納平面図である。

【図４】実施の形態にかかる住宅の二階平面図である。

【符号の説明】

Ａ 住宅 Ｂ 道路 １ 敷地 ２ 建物 ３ 中庭 ３ａ 出入口 ４ 玄関 ４ａ 玄関ポーチ ４ｂ 壁 ５ 駐車場 ６ 駐車場 ７ 収納 ７ａ 入口 ８ 収納 ８ａ 入口 ９ リビングルーム ９ａ 吹抜け １０ ダイニングルーム １１ キッチン １１ａ 勝手口 １２ 浴室 １３ 階段 １４ 洗面所 １４ａ 裏口 １５ トイレ １６ 階段 １７ デッキ １８ 夫婦の寝室 １９ 和室 ２０ 勉強部屋 ２０ａ カウンター ２１ 子供部屋 ２２ 子供部屋 ２３ 通路 ２４ トイレ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の階下に駐車場を配置し、 この駐車場上方の上階床面との間に収納を配置したこと
   を特徴とする住宅。
2. 【請求項２】 前記駐車場上方の部屋の床に前記収納へ
   の入口を設けたことを特徴とする請求項１記載の住宅。
3. 【請求項３】 前記建物の階下の道路側中央に玄関を配
   置し、 この玄関の左右両側に前記駐車場および収納をそれぞれ
   配置したことを特徴とする請求項１または２記載の住
   宅。
4. 【請求項４】 前記収納への入口を設けた部屋を和室と
   し、 前記収納への入口を設けた床面の上に畳を敷設したこと
   を特徴とする請求項１ないし３記載の住宅。