JP2000109945A - 複合合金板およびその製造方法ならびに軟磁性合金部材の製造方法 - Google Patents

複合合金板およびその製造方法ならびに軟磁性合金部材の製造方法

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JP2000109945A
JP2000109945A JP10284497A JP28449798A JP2000109945A JP 2000109945 A JP2000109945 A JP 2000109945A JP 10284497 A JP10284497 A JP 10284497A JP 28449798 A JP28449798 A JP 28449798A JP 2000109945 A JP2000109945 A JP 2000109945A
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alloy
powder
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soft magnetic
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JP10284497A
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English (en)
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Tatsuya Tomioka
岡 達 也 冨
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程においてプレス成形等による塑性加
工や打ち抜き加工等の冷間加工が可能である軟磁性合金
部材を提供する。 【解決手段】 組成が異なる2種類以上の金属粉末もし
くは合金粉末を混合し、加圧成形し、拡散均質化する温
度以下の温度で焼結(仮焼結)することにより拡散接合
し、拡散均質化する温度以下の温度で圧延(冷間ないし
は温間圧延)することにより複合合金板を得る。さら
に、この複合合金板を所定の形状に打ち抜き加工した
後、拡散均質化する温度以上の温度で焼結(本焼結)す
ることにより拡散均質化して軟磁性合金組成の軟磁性合
金部材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難加工性のFe−
Co系,Fe−Co−V系,Fe−Si系,Fe−Si
−Al系等の軟磁性合金部材(高透磁率部品や高透磁率
部品の素材等)を得るのに好適な複合合金板およびその
製造方法ならびに軟磁性合金部材の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高SiのFe−Si系やFe−Si−A
l系の軟磁性材料は、Fe−Ni系対比での飽和磁束密
度が高く、また、電気抵抗が大きいため、交流磁気特性
に著しく優れたものである。このため、トランスやモー
タのコアなどとして広く使用されている。
【0003】なかでも、Fe−6.5重量%Si合金
や、Fe−9.5重量%Si−5.5重量%Al合金
は、磁歪がほぼ0であり、磁気特性に優れているばかり
でなく、騒音対策にも効果のあることが知られている。
【0004】一方、Fe−50重量%Co合金や、Fe
−49重量%Co−2重量%V合金は、高飽和磁気材料
として知られており、電磁アクチュエータのコア材など
として非常に優れている。
【0005】FeにSiを添加すると、飽和磁気は減少
するが透磁率が著しく高くなり、電気抵抗も大きくなっ
て、交流磁界の下で使用される磁性材料として非常に優
れた特性をもつものとなる。
【0006】ところが、Fe中のSi含有量が多くなる
につれて、硬くかつ脆い材料となるため、冷間圧延など
の塑性加工が困難となり、Si含有量が4.5重量%以
上では延性が全くなくなるため、プレス加工可能な薄板
材として供給することができないという問題点があっ
た。
【0007】とくに、Fe−6.5重量%Siケイ素鉄
やFe−9.5重量%Si−5.5重量%Alセンダス
ト合金は磁性材料として極めて優れた特性を有している
にもかかわらず上記したような難加工性であって薄板へ
の成形が困難であるという制約により用途が限定されて
いるという問題点があった。
【0008】そこで、このような問題点を解決するた
め、高SiのFe−Si系合金においては、溶湯を鋳型
内に注湯して凝固させる鋳造法によって軟磁性材料を得
る方法や、焼結後に所定の成分組成(例えば、6.5重
量%Siけい素鉄)となるようにFe粉末とFe−Si
系粉末とを混合し、Fe粉末の塑性変形能を活用して加
圧成形したのち焼結することによって、Si含有量の多
いFe−Si系軟磁性材料を得る方法なども開発されて
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋳造法
によってSi含有量の多いFe−Si系軟磁性材料を得
ようとする場合には、複雑形状品の製造は可能であるも
のの、交流用のコア材として不可欠な薄板の積層形状と
することができないため、良好な鉄損特性を得ることが
できないことから、実用化が困難であった。
【0010】また、Fe粉末とFe−Si系粉末とを混
合し、Fe粉末の塑性変形能を活用して加圧成形したの
ち焼結してSi含有量の多いFe−Si系軟磁性材料を
得る方法では、粉末の流動性があまり良くないため成形
の際の型充填時に充填密度のばらつきを生じることがあ
り、また、焼結時の収縮等のために薄板状の部材を作る
には適していないという問題点があった。
【0011】そして、これらの問題点は、同じく高性能
軟磁性材料であるFe−Co系合金や、Fe−Co−V
系合金や、Fe−Si−Al系合金などにおいても同様
に存在していた。
【0012】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点にか
んがみてなされたものであって、冷間加工できないため
従来の製造法では供給することができなかった難加工性
軟磁性合金の薄板を安価に提供することができると共
に、粉末圧延−拡散均質化する温度以下の温度での焼結
(仮焼結)−拡散均質化する温度以下の温度で圧延(冷
間ないしは温間圧延)の工程を組み合わせることにより
容易に製品形状へ加工することができる薄板の供給を行
えるようにすることを目的とし、さらにまた、この薄板
に対してプレス打ち抜き等による加工−拡散均質化する
温度以上の温度での焼結(本焼結)の工程を組み合わせ
ることにより容易に難加工性軟磁性合金組成の軟磁性合
金部材を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる複合合金
板は、請求項1に記載しているように、組成が異なる2
種類以上の金属粒もしくは合金粒が拡散接合され、拡散
均質化されることなく圧延された複合合金板であって、
該複合合金板は拡散均質化することにより軟磁性合金組
成を呈するものとしたことを特徴としている。
【0014】そして、本発明に係わる複合合金板の実施
態様においては、請求項2に記載しているように、金属
粒もしくは合金粒のうちの1種がFe粒もしくはFe合
金粒であるものとしたことを特徴としている。
【0015】同じく、本発明に係わる複合合金板の実施
態様においては、請求項3に記載しているように、拡散
均質化後の軟磁性合金がFe−Co系軟磁性合金もしく
はFe−Co−V系軟磁性合金であるものとしたことを
特徴としている。
【0016】同じく、本発明に係わる複合合金板の実施
態様においては、請求項4に記載しているように、拡散
均質化後の軟磁性合金がFe−Si系軟磁性合金である
ものとしたことを特徴としている。
【0017】同じく、本発明に係わる複合合金板の実施
態様においては、請求項5に記載しているように、拡散
均質化後の軟磁性合金がFe−Si−Al系軟磁性合金
であるものとしたことを特徴としている。
【0018】本発明に係わる複合合金板の製造方法は、
請求項6に記載しているように、組成が異なる2種類以
上の金属粉末もしくは合金粉末を混合し、加圧成形し、
拡散均質化する温度以下の温度で焼結(仮焼結)するこ
とにより拡散接合し、拡散均質化する温度以下の温度で
圧延(冷間ないしは温間圧延)するようにしたことを特
徴としている。
【0019】そして、本発明に係わる複合合金板の製造
方法の実施態様においては、請求項7に記載しているよ
うに、Fe粉末と、Co粉末,V粉末,Fe−Co系合
金粉末およびFe−V系合金粉末の1種以上とを混合
し、加圧成形し、拡散均質化する温度以下の温度で焼結
(仮焼結)することにより拡散接合し、拡散均質化する
温度以下の温度で圧延(冷間ないしは温間圧延)するよ
うにしたことを特徴としている。
【0020】同じく、本発明に係わる複合合金板の製造
方法の実施態様においては、請求項8に記載しているよ
うに、Fe粉末と、SiOと低融点化合物を生成する
成分を微量添加したFe粉末もしくはFe−Si系合金
粉末とを混合し、加圧成形し、拡散均質化する温度以下
の温度で焼結(仮焼結)することにより拡散接合し、拡
散均質化する温度以下の温度で圧延(冷間ないしは温間
圧延)するようにしたことを特徴としており、この場合
に、請求項9に記載しているように、SiOと低融点
化合物を生成する成分が、FeO,Al,Ca
O,CaFであるものとすることができる。
【0021】同じく、本発明に係わる複合合金板の製造
方法の実施態様においては、請求項10に記載している
ように、Fe粉末と、SiOおよび/またはAl
と低融点化合物を生成する成分を微量添加したSi粉
末,Al粉末,Fe−Si系合金粉末およびFe−Al
系合金粉末の1種以上とを混合し、加圧成形し、拡散均
質化する温度以下の温度で焼結(仮焼結)することによ
り拡散接合し、拡散均質化する温度以下の温度で圧延
(冷間ないしは温間圧延)するようにしたことを特徴と
しており、この場合に、請求項11に記載しているよう
に、SiOと低融点化合物を生成する成分が、Fe
O,Al,CaO,CaFであり、Al
と低融点化合物を生成する成分が、FeO,SiO
CaO,CaFであるものとすることができる。
【0022】本発明に係わる軟磁性合金部材の製造方法
は、請求項12に記載しているように、請求項1ないし
5のいずれかに記載の複合合金板を所定の形状に加工し
た後、拡散均質化する温度以上の温度で焼結(本焼結)
することにより拡散均質化して軟磁性合金組成とするよ
うにしたことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明による複合合金板お
よび軟磁性合金部材の製造方法の一実施形態における製
造工程を例示するものであって、組成が異なる2種類以
上の金属粉末もしくは合金粉末を混合し、この混合粉末
を粉末圧延などによって加圧成形し、拡散均質化する温
度以下の温度で焼結(仮焼結)することにより拡散接合
し、拡散均質化する温度以下の温度で圧延(冷間圧延な
いしは温間圧延)することによって複合合金板を得る。
【0024】このようにすることによって、組成が異な
る2種類以上の金属粒もしくは合金粒が拡散接合され、
拡散均質化されることなく圧延された複合合金板が得ら
れ、この複合合金板は打抜加工等の所望形状部材への加
工が行われたのち拡散均質化する温度以上の温度で焼結
(本焼結)することにより拡散均質化して軟磁性合金組
成を呈する軟磁性合金部材となる。
【0025】このような製造工程において、各原料粉末
の混合には、適宜の混合装置を使用し、加圧成形に際し
ては圧延機のロール間に前記混合粉末を供給することに
よって加圧成形(粉末圧延)を行う。
【0026】この粉末圧延に際しては、バインダを必要
としないが、バインダ添加によって板厚はより大きめの
ものとすることができる。
【0027】この加圧成形後には、拡散均質化する温度
以下の温度で焼結(低温焼結,仮焼結)することにより
拡散接合し、次工程の圧延が良好になされるものとする
が、この際の焼結温度としては950〜1200℃、場
合によっては1000〜1150℃で行うようにする。
このとき、温度が低すぎると拡散接合が十分でないもの
となって次工程の圧延を良好に行うことができなくなる
傾向となり、温度が高すぎるとこの段階で拡散均質化し
てしまうことによって難加工性となってしまうためこの
場合にも次工程の圧延を良好に行うことができなくなる
傾向となる。
【0028】この仮焼結後には、冷間圧延ないしは温間
圧延を行うことによって、例えば板厚が0.2〜1.0
mm程度の複合合金板とする。
【0029】そして、この場合の冷間圧延ないし温間圧
延は、焼鈍をはさんで2回以上行うようになすことも必
要に応じて望ましく、合計の圧下率は10%以上となる
ようにすることが必要に応じて望ましい。
【0030】この複合合金板は、プレスによる打抜加工
などによって所望の形状に加工され、その後、均質化す
る温度以上の温度でより好ましくは真空中で焼結(高温
焼結,本焼結)することにより、拡散均質化して軟磁性
合金組成となった(この状態では難加工性となった)軟
磁性合金部材が製造されることとなる。
【0031】この本焼結の際の温度は1150〜135
0℃、場合によっては1200〜1300℃で行うよう
にする。このとき、温度が低すぎると拡散均質化が十分
でなくなって所望の軟磁性合金組成を得ることができな
い傾向となり、温度が高すぎると設備的な負荷が大きく
なるほか薄板自体の変形が生じる原因となる。
【0032】本発明の実施の形態においては、Fe粉末
と、Co粉末,V粉末,Fe−Co系合金粉末およびF
e−V系合金粉末の1種以上とを混合し、加圧成形し、
拡散均質化する温度以下の温度で焼結(仮焼結)するこ
とにより拡散接合し、拡散均質化する温度以下の温度で
圧延(冷間ないしは温間圧延)することによって、Fe
−Co系もしくはFe−Co−V系軟磁性合金部材用の
複合合金板を製造するようになすことができる。
【0033】そして、この場合における拡散均質化後の
軟磁性合金部材の組成としては、Fe−30〜60重量
%Co合金や、Fe−30〜60重量%Co−0超過〜
4重量%(Cr,V,Ti,Nb,Zr,Ta,Hfの
うち1種以上)合金であるものとすることができ、さら
には、飽和磁気を低下させる元素を2重量%以下に抑え
た合金組成のものとすることができる。
【0034】また、原料粉末としてのFe−Co系合金
粉末には、Fe−35〜90重量%Co粉末や、これに
Cr,V,Ti,Nb,Zr,Ta,Hfのうちの1種
以上を最終的に0超過〜4重量%含むこととなる量で配
合したものを用いることができる。
【0035】同じく、本発明の実施の形態においては、
Fe粉末と、SiOと低融点化合物を生成する成分を
微量(例えば、1重量%以下)添加したFe粉末もしく
はFe−Si系合金粉末とを混合し、加圧成形し、拡散
均質化する温度以下の温度で焼結(仮焼結)することに
より拡散接合し、拡散均質化する温度以下の温度で圧延
(冷間ないしは温間圧延)することによって、Fe−S
i系軟磁性合金部材用の複合合金板を製造するようにな
すことができる。
【0036】そして、この場合にSiOと低融点化合
物を生成する成分が、FeO,Al,CaO,C
aFであるものとすることができる。
【0037】そして、この場合における拡散均質化後の
軟磁性合金部材の組成としては、Fe−4.5〜13重
量%Si合金や、Fe−4.5〜13重量%Si−0超
過〜2重量%(Cr,V,Ti,Nb,Zr,Ta,H
f,REMのうち1種以上)合金であるものとすること
ができ、さらには、飽和磁気を低下させる元素を2重量
%以下に抑えた合金組成のものとすることができる。
【0038】また、原料粉末としてのFe−Si系合金
粉末には、Fe−5〜80重量%Si粉末や、これにC
r,V,Ti,Nb,Zr,Ta,Hf,REMのうち
の1種以上を最終的に0超過〜2重量%含むこととなる
量で配合したものを用いることができる。
【0039】この場合、Fe−Si系合金粉末中のSi
含有量が5重量%よりも少ないと、Fe粉末とFe−S
i系合金粉末との混合による高ケイ素鉄(例えば、4.
5重量%Si)の製造に際してFe粉末の配合量が少な
くなりすぎ、Fe粉末のもつ塑性変形能を有効に活用で
きなくなる傾向となり、また、Si含有量が80重量%
よりも多いと、Fe粉末とFe−Si系合金粉末との混
合による高ケイ素鉄(例えば、4.5重量%Si)の製
造に際してFe粉末の配合量が多くなりすぎて成分変動
の要因となるので好ましくない。
【0040】同じく、本発明の実施の形態においては、
Fe粉末と、SiOおよび/またはAlと低融
点化合物を生成する成分を微量(例えば、1重量%以
下)添加したSi粉末,Al粉末,Fe−Si系合金粉
末およびFe−Al系合金粉末の1種以上とを混合し、
加圧成形し、拡散均質化する温度以下の温度で焼結(仮
焼結)することにより拡散接合し、拡散均質化する温度
以下の温度で圧延(冷間ないしは温間圧延)することに
よって、Fe−Si−Al系軟磁性合金部材用の複合合
金板を製造するようになすことができる。
【0041】そして、この場合に、SiOと低融点化
合物を生成する成分が、FeO,Al,CaO,
CaFであり、Alと低融点化合物を生成する
成分が、FeO,SiO,CaO,CaFであるも
のとすることができる。
【0042】そして、この場合における拡散均質化後の
軟磁性合金部材の組成としては、Fe−3〜12重量%
Si−3〜10重量%Alや、Fe−3〜12重量%S
i−3〜10重量%Al−0超過〜2重量%(Cr,
V,Ti,Nb,Zr,Ta,Hf,REMのうち1種
以上)合金であるものとすることができ、さらには、飽
和磁気を低下させる元素を2重量%以下に抑えた合金組
成のものとすることができる。
【0043】また、原料粉末としてのFe−Si系合金
粉末には、Fe−5〜80重量%Si粉末を用いること
ができ、Fe−Al系合金粉末には、Fe−5〜80重
量%Al粉末を用いることができ、これにCr,V,T
i,Nb,Zr,Ta,Hf,REMのうちの1種以上
を最終的に0超過〜2重量%含むこととなる量で配合し
たものを用いることができる。
【0044】本発明で原料として用いる粉末は、水
(液)噴霧,ガス噴霧,ガス+水(液)噴霧,ガス噴霧
後水冷却などによるアトマイズ粉末を用いることがで
き、あるいは、所定の成分組成としたインゴットなどの
機械的粉砕粉や、化合物の熱分解による粉末(例えば、
カルボニル鉄粉等)あるいは置換鉄粉などを用いること
ができる。
【0045】そして、これらの粉末は、通常、100メ
ッシュ以下に分級したものを使用するが、これに限定さ
れない。また、微細組織を得るために、350メッシュ
以下の粒子を50重量%以上含むものを用いることがで
き、この微細粉末を有機バインダーなどと共に造粒して
平均粒径を50〜2000μm程度にした造粒体として
用いることもでき、さらには、この造粒体を1150℃
以下の温度で加熱して粒子同士を凝縮させたのち100
メッシュ以下に解砕したものを用いることもできる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこのような実施例のみに限定されないことはい
うまでもない。
【0047】表1に示す粉末(I)と粉末(II)とを
同じく表1に示す成分系となるように配合し、一部につ
いては酸化物粉末を微量添加し、No.1〜8のものに
ついては100メッシュ以下の粉末(I)(II)を配
合して有機バインダーは添加しないものとし、No.
9,10のものについては350メッシュ以下の粉末
(I)(II)と有機バインダーとしてポリビニルブチ
ラール(PVB)を1.2重量%添加して混合した。
【0048】次いで、混合粉末を加圧力70tonfで
厚さ0.5mm,幅90mmの薄板形状に加圧成形(粉
末圧延)したのち、同じく表1に示す温度で仮焼結し
た。
【0049】次いで、圧下率が30%の冷間圧延を行う
ことによって本発明実施例による厚さ0.35mmの複
合合金板を得た。
【0050】このうち、No.1〜4の複合合金板につ
いて金型にDEX80を用いクリアランスを10μmと
してプレス打抜性を評価したところ、表3に示す結果で
あった。
【0051】次に、各複合合金板をφ45mm×φ35
mmのリング形状に打ち抜き加工したのち表2に示す温
度で本焼結することによって、本発明実施例の軟磁性合
金部材を得た。
【0052】そして、ここで得た各軟磁性合金部材の不
純物含有量(C,N,O),焼結密度,直流磁気特性を
調べたところ、同じく表2に示す結果であった。
【0053】また、No.1〜4について交流での鉄損
値を調べたところ、表4に示す結果であった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】この結果、最終的に難加工性材料組成であ
る磁気特性に優れた薄板状の軟磁性合金部材を圧延加工
により量産手法的に製造することが容易に可能となっ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明による複合合金板によれば、請求
項1に記載しているように、組成が異なる2種類以上の
金属粒もしくは合金粒が拡散接合され、拡散均質化され
ることなく圧延された複合合金板であって、該複合合金
板は拡散均質化することにより軟磁性合金組成を呈する
ものとしたから、薄板形状をなす軟磁性合金部材の素材
として適した複合合金板を提供することが可能であると
いう著大なる効果がもたらされる。
【0060】そして、請求項2に記載しているように、
金属粒もしくは合金粒のうちの1種がFe粒もしくはF
e合金粒であるものとすることによって、成形性ないし
は加工性に優れた複合合金板とすることが可能であると
いう著大なる効果がもたらされる。
【0061】また、請求項3に記載しているように、拡
散均質化後の軟磁性合金がFe−Co系軟磁性合金もし
くはFe−Co−V系軟磁性合金であるものとすること
によって、難加工性材料であるFe−Co系軟磁性合金
もしくはFe−Co−V系軟磁性合金からなる薄板材の
素材として適した複合合金板を提供することが可能であ
るという著大なる効果がもたらされる。
【0062】さらに、請求項4に記載しているように、
拡散均質化後の軟磁性合金がFe−Si系軟磁性合金で
あるものとすることによって、難加工性材料であるFe
−Si系軟磁性合金からなる薄板材の素材として適した
複合合金板を提供することが可能であるという著大なる
効果がもたらされる。
【0063】さらにまた、請求項5に記載しているよう
に、拡散均質化後の軟磁性合金がFe−Si−Al系軟
磁性合金であるものとすることによって、難加工性材料
であるFe−Si−Al系軟磁性合金からなる薄板材の
素材として適した複合合金板を提供することが可能であ
るという著大なる効果がもたらされる。
【0064】本発明による複合合金板の製造方法では、
請求項6に記載しているように、組成が異なる2種類以
上の金属粉末もしくは合金粉末を混合し、加圧成形し、
拡散均質化する温度以下の温度で焼結(仮焼結)するこ
とにより拡散接合し、拡散均質化する温度以下の温度で
圧延(冷間ないしは温間圧延)するようにしたから、難
加工性材料である薄板材の軟磁性合金部材の素材として
適した複合合金板を至極く容易に製造することが可能で
あるという著大なる効果がもたらされる。
【0065】そして、請求項7に記載しているように、
Fe粉末と、Co粉末,V粉末,Fe−Co系合金粉末
およびFe−V系合金粉末の1種以上とを混合し、加圧
成形し、拡散均質化する温度以下の温度で焼結(仮焼
結)することにより拡散接合し、拡散均質化する温度以
下の温度で圧延(冷間ないしは温間圧延)するようにな
すことによって、難加工性材料であるFe−Co系軟磁
性合金もしくはFe−Co−V系軟磁性合金からなる薄
板材の素材として適した複合合金板を至極く容易に製造
することが可能であるという著大なる効果がもたらされ
る。
【0066】また、請求項8に記載しているように、F
e粉末と、SiOと低融点化合物を生成する成分を微
量添加したFe粉末もしくはFe−Si系合金粉末とを
混合し、加圧成形し、拡散均質化する温度以下の温度で
焼結(仮焼結)することにより拡散接合し、拡散均質化
する温度以下の温度で圧延(冷間ないしは温間圧延)す
るようになすことによって、難加工性材料であるFe−
Si系軟磁性合金からなる薄板材の素材として適した複
合合金板を至極く容易に製造することが可能であるとい
う著大なる効果がもたらされ、請求項9に記載している
ように、SiOと低融点化合物を生成する成分が、F
eO,Al,CaO,CaFであるものとする
ことによって、不純物中とくに酸素含有量の少ない複合
合金板を製造することが可能であるという著大なる効果
がもたらされる。
【0067】さらに、請求項10に記載しているよう
に、Fe粉末と、SiOおよび/またはAl
低融点化合物を生成する成分を微量添加したSi粉末,
Al粉末,Fe−Si系合金粉末およびFe−Al系合
金粉末の1種以上とを混合し、加圧成形し、拡散均質化
する温度以下の温度で焼結(仮焼結)することにより拡
散接合し、拡散均質化する温度以下の温度で圧延(冷間
ないしは温間圧延)するようになすことによって、難加
工性材料であるFe−Si−Al系軟磁性合金からなる
薄板材の素材として適した複合合金板を至極く容易に製
造することが可能であるという著大なる効果がもたらさ
れ、請求項11に記載しているように、SiOと低融
点化合物を生成する成分が、FeO,Al,Ca
O,CaFであり、Alと低融点化合物を生成
する成分が、FeO,SiO,CaO,CaFであ
るものとすることによって、不純物中とくに酸素含有量
の少ない複合合金板を製造することが可能であるという
著大なる効果がもたらされる。
【0068】本発明に係わる軟磁性合金部材の製造方法
では、請求項12に記載しているように、請求項1ない
し5のいずれかに記載の複合合金板を所定の形状に加工
した後、拡散均質化する温度以上の温度で焼結(本焼
結)することにより拡散均質化して軟磁性合金組成とす
るようにしたから、薄板形状をなす難加工性の磁性合金
部材を容易に製造することが可能であるという著大なる
効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による製造工程を例示する
説明図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が異なる2種類以上の金属粒もしく
    は合金粒が拡散接合され、拡散均質化されることなく圧
    延された複合合金板であって、該複合合金板は拡散均質
    化することにより軟磁性合金組成を呈することを特徴と
    する複合合金板。
  2. 【請求項2】 金属粒もしくは合金粒のうちの1種がF
    e粒もしくはFe合金粒であることを特徴とする複合合
    金板。
  3. 【請求項3】 拡散均質化後の軟磁性合金がFe−Co
    系軟磁性合金もしくはFe−Co−V系軟磁性合金であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の複合合金
    板。
  4. 【請求項4】 拡散均質化後の軟磁性合金がFe−Si
    系軟磁性合金であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の複合合金板。
  5. 【請求項5】 拡散均質化後の軟磁性合金がFe−Si
    −Al系軟磁性合金であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の複合合金板。
  6. 【請求項6】 組成が異なる2種類以上の金属粉末もし
    くは合金粉末を混合し、加圧成形し、拡散均質化する温
    度以下の温度で焼結(仮焼結)することにより拡散接合
    し、拡散均質化する温度以下の温度で圧延(冷間ないし
    は温間圧延)することを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の複合合金板の製造方法。
  7. 【請求項7】 Fe粉末と、Co粉末,V粉末,Fe−
    Co系合金粉末およびFe−V系合金粉末の1種以上と
    を混合し、加圧成形し、拡散均質化する温度以下の温度
    で焼結(仮焼結)することにより拡散接合し、拡散均質
    化する温度以下の温度で圧延(冷間ないしは温間圧延)
    することを特徴とする請求項3に記載の複合合金板の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 Fe粉末と、SiOと低融点化合物を
    生成する成分を微量添加したFe粉末もしくはFe−S
    i系合金粉末とを混合し、加圧成形し、拡散均質化する
    温度以下の温度で焼結(仮焼結)することにより拡散接
    合し、拡散均質化する温度以下の温度で圧延(冷間ない
    しは温間圧延)することを特徴とする請求項4に記載の
    複合合金板の製造方法。
  9. 【請求項9】 SiOと低融点化合物を生成する成分
    が、FeO,Al,CaO,CaFであること
    を特徴とする請求項8に記載の複合合金板の製造方法。
  10. 【請求項10】 Fe粉末と、SiOおよび/または
    Alと低融点化合物を生成する成分を微量添加し
    たSi粉末,Al粉末,Fe−Si系合金粉末およびF
    e−Al系合金粉末の1種以上とを混合し、加圧成形
    し、拡散均質化する温度以下の温度で焼結(仮焼結)す
    ることにより拡散接合し、拡散均質化する温度以下の温
    度で圧延(冷間ないしは温間圧延)することを特徴とす
    る請求項5に記載の複合合金板の製造方法。
  11. 【請求項11】 SiOと低融点化合物を生成する成
    分が、FeO,Al,CaO,CaFであり、
    Alと低融点化合物を生成する成分が、FeO,
    SiO,CaO,CaFであることを特徴とする請
    求項10に記載の複合合金板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    複合合金板を所定の形状に加工した後、拡散均質化する
    温度以上の温度で焼結(本焼結)することにより拡散均
    質化して軟磁性合金組成とすることを特徴とする軟磁性
    合金部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113102760A (zh) * 2021-04-09 2021-07-13 中国航发北京航空材料研究院 一种微叠层钛铝铌复合板材的制备方法

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