JP2000109517A - ポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂及び感光性樹脂組成物並びにそれを用いたパタ―ン形成方法 - Google Patents

ポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂及び感光性樹脂組成物並びにそれを用いたパタ―ン形成方法

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JP2000109517A
JP2000109517A JP22081099A JP22081099A JP2000109517A JP 2000109517 A JP2000109517 A JP 2000109517A JP 22081099 A JP22081099 A JP 22081099A JP 22081099 A JP22081099 A JP 22081099A JP 2000109517 A JP2000109517 A JP 2000109517A
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photosensitive resin
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polyvinyl acetate
pattern
saponification product
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JP22081099A
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Tetsuaki Tochisawa
哲明 栃澤
Mitsuharu Miyazaki
光晴 宮崎
Takao Ito
隆穂 伊藤
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Toyo Gosei Co Ltd
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Toyo Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐水性、現像性が良好で、優れたパターニン
グ性を有する感光性樹脂及び感光性樹脂組成物並びにそ
れを用いたパターン形成方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)及び(II)で表される構成
単位を含有するポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂で
あって、 前記一般式(I)及び(II)の構成単位の含有量が、ポリ酢
酸ビニルケン化物の構成ユニットに対して0.5〜10
モル%とする。(但し、Rはアルキル基、アラルキル
基又は低級アルコキシルカルボニルアルキル基を示し、
これらの基はヒドロキシル基、カルバモイル基、エーテ
ル結合、不飽和基を含んでもよい。Rは、水素原子、
低級アルコキシ基を表し、mは0又は1、nは1〜6の
整数を表す。また、下記式の部分は、四級化された芳香
族含窒素複素環基のカチオン部を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリ酢酸ビニルケン
化物系感光性樹脂及び感光性樹脂組成物並びにそれを用
いたパターン形成方法に関し、特に水性現像液で現像可
能で、良好な耐水性、パターニング性を有する感光性樹
脂及び感光性樹脂組成物並びにそれを用いたパターン形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水溶性のポリ酢酸ビニルケン化物
系感光性樹脂としては、特公昭56−5761号公報、
特公昭56−5762号公報、特開昭56−11906
号公報、特開昭59−17550号公報、特開平2−1
18575号公報、特開平2−276806号公報及び
特開平6−43645号公報などに開示されている四級
化芳香族含窒素複素環を有するスチリル誘導体をペンダ
ントさせたポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂が知ら
れている。これらの感光性樹脂は高感度であるが、耐水
性が悪く、現像時に膨潤するため充分な解像度が得られ
ないという欠点がある。
【0003】一方、このような問題点を解決したものと
して、ポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂としてベタ
イン構造を持つ四級化芳香族含窒素複素環を有するスチ
リル誘導体をペンダントさせたポリ酢酸ビニルケン化物
が特開平2−160807号公報に開示されている。し
かしこの感光性樹脂は、水溶性が充分でなく現像性が悪
い、及び感度が若干低いなどの欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂は、何れにして
も、例えば、耐水性が悪い、耐熱性が悪い、水溶性が充
分でない、現像性が悪いなどの欠点を有している。
【0005】本発明はこのような事情に鑑み、耐水性、
現像性が良好で、優れたパターニング性を有する感光性
樹脂及び感光性樹脂組成物並びにそれを用いたパターン
形成方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、下記一般式(I)及び(II)で表される構成単位を含
有するポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂であって、
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
【0009】(但し、R1はアルキル基、アラルキル基
又は低級アルコキシルカルボニルアルキル基を示し、こ
れらの基はヒドロキシル基、カルバモイル基、エーテル
結合、不飽和基を含んでもよい。R2は、水素原子、低
級アルコキシ基を表し、mは0又は1,nは1〜6の整
数を表す。また、下記式は、四級化された芳香族含窒素
複素環基のカチオン部を表す)
【0010】ここで、アルキル基は、例えば、炭素数1
〜10、好ましくは炭素数1〜6であり、アラルキル基
は、例えば、炭素数7〜12、好ましくは炭素数7〜9
であり、低級アルコキシカルニルアルキル基は、例え
ば、炭素数3〜12、好ましくは炭素数3〜7であり、
低級アルコキシ基は、例えば、炭素数1〜6、好ましく
は炭素数1〜3である。
【0011】
【化6】
【0012】前記一般式(I)のX1 -がpK1値が3.5以
下である二塩基酸以上の多塩基酸由来の陰イオンを表
し、前記X2 -はX1 -以外の陰イオンを表し、且つ前記一
般式(I)及び(II)の構成単位の含有量が、ポリ酢酸ビニ
ルケン化物の構成ユニットに対して0.5〜10モル%
であることを特徴とするポリ酢酸ビニルケン化物系感光
性樹脂にある。
【0013】ここで、好ましくは、前記一般式(I)の構
成単位/一般式(II)の構成単位で示されるモル比が0.
05以上あるのがよい。
【0014】また、本発明の感光性樹脂組成物は、上述
した感光性樹脂を用いて作成することができる。好まし
くは、上述した感光性樹脂を水を主体とする溶剤に溶解
あるいは分散させる。
【0015】さらに、本発明のパターン形成方法は、本
発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して感光性樹脂
層を形成する工程と、この感光性樹脂層をパターン露光
し、続いて現像する工程とを含むことを特徴とする。
【0016】ここで、好ましくは、前記基板が、カラー
ブラウン管のフェースプレート内面である。
【0017】本発明者らは、上述した課題を解決する優
れた特性を有する感光性樹脂を開発するために鋭意研究
を重ねた結果、四級化された芳香族含窒素複素環を有す
るスチリル化合物を特定のモル比でペンダントさせ、そ
の陰イオンの一部をpK1値が3.5以下である二塩基
酸以上の多塩基酸由来の陰イオンとしたポリ酢酸ビニル
ケン化物系高分子化合物が、上記課題を解決することを
知見し、本発明に至った。
【0018】本発明のポリ酢酸ビニルケン化物系感光性
樹脂は、新規なものであり、耐水性が良好で、高感度
で、解像性がよいものである。
【0019】また、特に、前記一般式(I)の構成単位/
一般式(II)の構成単位で示されるモル比が0.05以上
のものは、耐水性、感度及び解像性が良好であり、これ
より小さいと、この効果が顕著ではなくなり好ましくな
い。
【0020】なお、本発明の感光性樹脂の構成単位を示
す前記一般式(I)及び(II)のX1 -及びX2 -は、かかる感
光性樹脂を合成する原料及び触媒に由来するもの及び合
成後の事後的な添加物に由来するものであり、何れにし
ても、X1 -としてpK1値が3.5以下である二塩基酸
以上の多塩基酸由来の陰イオンが存在すればよい。
【0021】本発明の感光性樹脂に含有されるポリ酢酸
ビニルケン化物系高分子化合物は、ポリ酢酸ビニルケン
化物又はビニルアルコールと他のビニル化合物との水溶
性共重合体に、下記一般式(III)で表されるアルデヒド
化合物又は下記一般式(IV)で表されるアセタール化合物
を、酸触媒存在下、水系溶媒中で反応させることにより
容易に得ることができる。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】ここで、式中のY-は、例えば、塩化物イ
オン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、モノアルキル硫
酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンなどの陰イオ
ンを表す。また、上述したとおり、R1はアルキル基、
アラルキル基又は低級アルコキシルカルボニルアルキル
基を示し、ヒドロキシル基、カルバモイル基、エーテル
結合、不飽和基を含んでもよく、R2は、水素原子、低
級アルコキシ基を表す。さらに、R3及びR4は、低級ア
ルキル基であり、且つR3とR4とが一緒になってアルキ
レン基を形成してもよい。mは0又は1,nは1〜6の
整数を表す。また、下記式の部分は、四級化された芳香
族含窒素複素環基のカチオン部を表す。
【0025】
【化9】
【0026】ここで、四級化された芳香族含窒素複素環
残基のカチオン部としては、下記に示す例を挙げること
ができる。
【0027】
【化10】
【0028】ここで、R1は、アルキル基、アラルキル
基又は低級アルコキシルカルボニルアルキル基を表し、
Zは、O、S、Se、又はNR5(R5は低級アルキル基
を示す)を表す。
【0029】本発明の感光性樹脂であるポリ酢酸ビニル
ケン化物系高分子化合物を合成するには、第一に、反応
に用いる酸触媒としてはpK1値が3.5以下である二
塩基酸以上の多塩基酸を用いる。かかる多塩基酸の例と
しては、シュウ酸、酒石酸、ジオキシ酒石酸、マレイン
酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸等が例示できるが、
これに限定されるものではなく、pK1値が3.5以下
であれば使用可能である。また、この場合、一般的に用
いられる酸触媒、例えばリン酸、塩酸、硫酸、p−トル
エンスルホン酸、メタンスルホン酸、あるいは酸性イオ
ン交換樹脂などを併用してもよい。
【0030】このような多塩基酸の酸触媒を用いること
により、X1 -としてかかる多塩基酸に由来する陰イオン
が存在することになる。また、この場合、X2 -として
は、上述した一般式(III)又は(IV)のY-又は多塩基酸以
外の酸触媒に由来する陰イオンとなる。
【0031】このような酸触媒の使用量は、アセタール
又はアセタール交換反応の反応pH域であるpH3以下
になるように、且つ好ましくは、前記一般式(I)の構成
単位/一般式(II)の構成単位で示されるモル比が0.0
5以上になる量とする必要がある。なお、多塩基酸触媒
のpK1が3.5より大きいと、アセタール又はアセタ
ール交換反応の反応pH域であるpH3以下にするため
に多量の酸触媒が必要となり、且つ得られた感光性樹脂
は本発明の効果を発揮しない。
【0032】かかる反応は水性媒体中、好ましくは水中
で行われる。反応条件は特に制限はないが、一般には、
室温から100℃までの温度範囲で2〜72時間で行う
ことができる。
【0033】反応後、反応混合物を多量の貧溶媒、例え
ば、アセトン、エタノール、ジオキサンなどに注ぎ、目
的の高分子化合物を沈澱させ、これを分離してメタノー
ルなどで洗い、乾燥することにより本発明に用いられる
ポリ酢酸ビニルケン化物系高分子化合物を得ることがで
きる。又は、反応後、アルカリ水溶液、例えば水酸化ナ
トリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水
等で中和するか、あるいは塩基性イオン交換樹脂で中和
後、イオン交換樹脂をろ別することにより、目的の感光
性樹脂の水溶液を得ることができる。
【0034】かかる反応に用いられるポリ酢酸ビニルケ
ン化物としては、例えば平均重合度200〜5000、
好ましくは300〜3000、ケン化度60〜100
%、好ましくは70〜99%のものが好適である。
【0035】ここで、平均重合度を200〜5000と
したのは、重合度が200より小さい場合、十分な感度
が得られず、また一方、5000より大きい場合には感
光性組成物としたときの溶液の粘度が高くなりすぎ、塗
布性が悪くなるか、又は水現像性が低下するかし、何れ
にしても好ましくないからである。
【0036】また、ケン化度を60〜100%としたの
は、ケン化度が60%より低いと十分な水溶性及び水現
像性が得られないためである。
【0037】また、上記ポリ酢酸ビニルケン化物として
は、例えば親水基変性、親油基変性、アニオン変性、カ
チオン変性あるいはアセトアセチル基のような反応性基
変性などの変性ポリ酢酸ビニルケン化物も用いることが
できる。
【0038】このようなポリ酢酸ビニルケン化物類と、
上記一般式(III)の化合物及び/又はそのアセタール物
と、一般式(IV)の化合物とを酸触媒の存在下に反応させ
る際には、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズ
アルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ベンズ
アルデヒドスルホン酸又はその塩、ベンズアルデヒド−
2,4−ジスルホン酸又はその塩などのアルドヒド類も
しくはこれらのアセタール類を同時に反応させることも
できる。
【0039】ポリ酢酸ビニルケン化物類に対する一般式
(III)の化合物又はそのアセタール物の導入率は、モノ
マ単位当たり、0.5〜10モル%、好ましくは0.8
〜7モル%である。ここで、導入率を0.5〜10モル
%としたのは、0.5モル%より少ない場合は感度が低
く実用的でなく、10モル%より多いと水溶性が充分で
ないからである。一般的には、使用するポリ酢酸ビニル
ケン化物類の重合度が低いと導入率を高くしないと充分
な感度が得られず、重合度が高い場合は導入率が低くて
も充分な感度が得られるという傾向がある。
【0040】また、本発明の感光性樹脂は、このような
製造方法に限定されず、さらに、多塩基酸由来の陰イオ
ンを導入する方法も、上述したように酸触媒として多塩
基酸を用いる方法に限定されない。すなわち、酸触媒と
しては、一般に用いられているリン酸などを用い、合成
後、事後的に上述したような多塩基酸を添加することに
より当該多塩基酸由来の陰イオンを導入することもでき
る。この場合には、多塩基酸を酸触媒として用いた場合
と比較して本発明の効果の出現が十分ではないが、添加
しない従来品と比較すると、本発明の効果が顕著に現れ
る。勿論、酸触媒として多塩基酸を用い、さらに、事後
的に多塩基酸を添加してもよいことは言うまでもない。
【0041】本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の感
光性樹脂に、必要に応じて各種添加剤を添加し、水を主
体とする溶剤に溶解あるいは分散させることにより調製
することができる。
【0042】この際用いられる溶剤としては、一般には
水が用いられるが、これに50重量%以下の割合で水に
可溶な溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリジノンなどの水可溶性剤、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル等を加えることができる。
【0043】また、本発明の感光性樹脂組成物は、さら
に、少なくとも一種の光重合性不飽和化合物と、光重合
開始剤系とを加えることにより、その特性をさらに向上
させた感光性樹脂組成物として使用することができる。
【0044】かかる光重合性不飽和化合物は、疎水性あ
るいは親水性のどちらでもよく、その例として、アクリ
ル基、メタクリル基、アリル基、ビニルエーテル基、ビ
ニル基、アクリルアミド基などの重合可能な不飽和基を
少なくとも1つ持つ不飽和モノマあるいは不飽和プレポ
リマーを挙げることができる。
【0045】また、光重合開始剤系は光照射により光重
合活性のラジカルが生成する系であればよく、その例と
しては、ベンゾインエーテル、ヒドロキシアルキルケト
ン、ジアルコキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィ
ンオキシド、ベンゾインオキシムケトンなどのα−開裂
型開始剤、ベンゾフェノン、ベンジル、チオキサント
ン、ケトクマリンなどの芳香族ケトン並びにこれらの芳
香族ケトンとアミンのような水素供与体との系、有機過
酸化物、オニウム塩、トリフェニルアルキルホウ酸や鉄
−アレーン錯体とチオキサンテン色素やケトクマリンの
ような電子供与体との系、N−アリールグリシンと電子
吸引体との系、ポリハロゲン化合物などを挙げることが
できる。
【0046】さらにこれらの光重合系には、通常、熱重
合禁止剤を加えることが望ましい。
【0047】本発明の感光性樹脂を用いた感光性樹脂組
成物には、上記成分以外の非イオン性の疎水性重合体エ
マルジョン、界面活性剤、染料、顔料、無機充填剤、乳
化安定剤、可塑剤、レベリング剤、シランカップリング
剤、消泡剤なども含有させることができる。界面活性剤
としては、ノニオン系界面活性剤が好ましいが、アニオ
ン系も用いることができる。さらに蛍光体パターン形成
用には各種蛍光体、ブラックマトリックス形成用には有
機、無機系黒色顔料などの光吸収物質を含有させること
ができる。
【0048】このようにして得られた本発明のポリ酢酸
ビニルケン化物系感光性樹脂及び感光性樹脂組成物は、
用途に応じて、アルミニウムやステンレス等の金属板、
スクリーンメッシュ、紙、ガラス板、半導体基板、その
他任意の基材上に、例えば、0.5〜1000μmの乾
燥厚さとなるように塗布・乾燥するようにして使用され
る。
【0049】これらの塗膜には、紫外線、例えば波長3
00〜500nmのような活性光線を照射して照射部を
硬化させた後、非照射部を水等により除去すれば、パタ
ーン画像が得られ、例えば、スクリーン印刷板、カラー
ブラウン管のブラックマトリックスや蛍光体パターン形
成、CCDやLCDのカラーフィルタ、印刷のカラープ
ルーフや各種エッチングレジスト等として利用できる。
【0050】特に、本発明のポリ酢酸ビニルケン化物系
感光性樹脂及び感光性樹脂組成物をカラーブラウン管の
蛍光体パターニングに応用すると、従来の技術によるも
のと比較して、蛍光体パターンの解像度、接着性が優れ
ており、重クロム酸塩を含有する高解像度の感光性樹脂
組成物を用いる必要がなく、容易にこの用途でのノンク
ロム化を図ることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0052】[合成例]ポリ酢酸ビニルケン化物(以下
PVAと略す、GH−17日本合成化学工業製、重合度
1700,ケン化率88%)100grを純水900g
rに溶解した。この溶液にN−メチル−4−ホルミルス
チリルピリジニウムメトサルフェート9.90gr(以
下SbQ(MeS)と略す;PVAのユニットモルに対
して1.45モル%)、およびシュウ酸二水和物4gr
を溶解し、30℃にて20時間攪拌した。この反応液に
アンバーライトIR−45(ローム&ハース社製のイオ
ン交換樹脂)30grを添加して2時間攪拌した。pH
が中性であることを確認後、400メッシュの紗にてア
ンバーライトIR−45を濾過し、淡黄色のポリマー水
溶液を得た。
【0053】紫外分光光度法によりSbQの結合率は
1.30モル%であった。また、イオンクロマト分析に
より、COOH−COO-/SbQ(MeS)由来のC
3SO 4 -=18/82(モル比)であった。
【0054】[比較合成例]PVA(GH−17日本合
成化学工業製、重合度1700,ケン化率88%)10
0grを純水900grに溶解した。この溶液にSbQ
(MeS)9.90gr(PVAのユニットモルに対し
て1.45モル%)、およびリン酸2.5grを溶解
し、30℃にて20時間攪拌した。この反応液にアンバ
ーライトIR−45(ローム&ハース社製のイオン交換
樹脂)20grを添加して2時間攪拌した。pHが中性
であることを確認後、400メッシュの紗にてアンバー
ライトIR−45を濾過し、淡黄色のポリマー水溶液を
得た。
【0055】紫外分光光度法によりSbQの結合率は
1.30モル%であった。
【0056】イオンクロマト分析により、H2PO4 -
SbQ(MeS)由来のCH3SO4 -=37/63(モ
ル比)であった。
【0057】[実施例1] (配合) 合成例の感光性ポリマーの6重量%水溶液 :20gr アクリルエマルジョン(東洋合成工業社製AC-140、固形
分含量40%):1.5gr
【0058】上記配合の感光性組成物をガラス板上に乾
燥膜厚5.0μmで塗工した。続いて超高圧水銀灯(3
50nmにおける照度5.0mw/cm2)にて30秒間
露光した。続いて、このテスト板を純水に1分間浸けた
後、表面水のみをエアーブローした。
【0059】 塗布後のテスト板重量 − ガラス板重量;W1 エアーブロー後のテスト板重量 − ガラス板重量;W2 (W2/W1)×100を塗布膜の膨潤率とすると、その
値は235%であった。
【0060】[比較例1]同様なテストを比較合成例の
感光性ポリマーにて行ったところ、255%であった。
【0061】[比較例2]常法により作成したブラック
マトリックスが形成されたガラス基板上に、0.1%P
VA溶液をプリコートし、乾燥後、下記処方の蛍光体ス
ラリーを塗布、乾燥することにより、12〜13μmの
塗膜を得た。続いて、下記条件によって蛍光体パターン
を作成した。得られた蛍光体パターンは150μmパタ
ーン径以上でも脱落がかなり見られ、非常に接着性の悪
いものであり、150μmパターンの解像性はフリンジ
が多いものであった。
【0062】 (蛍光体スラリーの組成) 緑色蛍光体(平均粒径6.5μm) :50gr 純水 :56.7gr 比較合成例1の感光性ポリマーの6重量%水溶液:45.67gr 10重量%L−62(非イオン系界面活性剤:BASF社製) :0.9gr
【0063】 (パターン作成条件) シャドーマスク :ピッチ0.25mm シャドーマスク−ガラス基板間距離 :9mm シャドーマスク−光源間距離 :270mm 光源 :超高圧水銀灯 ガラス基板面での照度 :0.2mw/cm2 露光時間 :20秒 ウエッジフィルター :透過率0〜100% 現像 :温水スプレー
【0064】[実施例2]比較例2と同様なPVAプリ
コート処理後、下記処方の蛍光体スラリーを塗布、乾燥
することにより、12〜13μmの塗膜を得た。続いて
比較例2と同様な方法にて蛍光体パターンを作成した。
【0065】得られた蛍光体パターンは145μmパタ
ーン径から完全に接着しており、150μmパターンの
解像性は比較例1に比較し、フリンジの少ないものであ
った。
【0066】 (蛍光体スラリーの組成) 緑色蛍光体(平均粒径6.5μm) :50gr 純水 :56.7gr 合成例の感光性ポリマーの6重量%水溶液 :45.67gr 10重量%L−62(BASF社製) :0.9gr
【0067】[実施例3]比較例2と同様なPVAプリ
コート処理後、下記処方の蛍光体スラリーを塗布、乾燥
することにより、12〜13μmの塗膜を得た。続いて
比較例2と同様な方法にて蛍光体パターンを作成した。
得られた蛍光体パターンは135μmパターン径から完
全に接着しており、150μmパターンの解像性は既存
レジストであるPVA−ADC(重クロム酸アンモニウ
ム)系と同等であり、フリンジのほとんどない綺麗なも
のであった。
【0068】 (蛍光体スラリーの組成) 緑色蛍光体(平均粒径6.5μm) :50gr 純水 :55.9gr 合成例の感光性ポリマーの6重量%水溶液 :45.67gr 10重量%シュウ酸水溶液 :0.86gr 10重量%L−62(BASF社製) :0.9gr
【0069】[実施例4]比較例2と同様なPVAプリ
コート処理後、下記処方の蛍光体スラリーを塗布、乾燥
することにより、12〜13μmの塗膜を得た。続いて
比較例2と同様な方法にて蛍光体パターンを作成した。
【0070】得られた蛍光体パターンは145μmパタ
ーン径から完全に接着しており、150μmパターンの
解像性は比較例1に比較し、フリンジの少ないものであ
った。
【0071】 (蛍光体スラリーの組成) 緑色蛍光体(平均粒径6.5μm) :50gr 純水 :55.9gr 比較合成例の感光性ポリマーの6重量%水溶液 :45.67gr 10重量%シュウ酸水溶液 :0.86gr 10重量%L−62(BASF社製) :0.9gr
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐水性、現像性が良好で、良好なパターニング性を有す
る感光性樹脂及び感光性樹脂組成物並びにそれを用いた
パターン形成方法を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)及び(II)で表される構成
    単位を含有するポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂で
    あって、 【化1】 【化2】 (但し、R1はアルキル基、アラルキル基又は低級アル
    コキシルカルボニルアルキル基を示し、これらの基はヒ
    ドロキシル基、カルバモイル基、エーテル結合、不飽和
    基を含んでもよい。R2は、水素原子、低級アルコキシ
    基を表し、mは0又は1,nは1〜6の整数を表す。ま
    た、下記式の部分は、四級化された芳香族含窒素複素環
    基のカチオン部を表す) 【化3】 前記一般式(I)のX1 -がpK1値が3.5以下である二塩
    基酸以上の多塩基酸由来の陰イオンを表し、前記X2 -
    1 -以外の陰イオンを表し、且つ前記一般式(I)及び(I
    I)の構成単位の含有量が、ポリ酢酸ビニルケン化物の構
    成ユニットに対して0.5〜10モル%であることを特
    徴とするポリ酢酸ビニルケン化物系感光性樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記一般式(I)の構
    成単位/一般式(II)の構成単位で示されるモル比が0.
    05以上あることを特徴とするポリ酢酸ビニルケン化物
    系感光性樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の感光性樹脂を水を主体
    とする溶剤に溶解あるいは分散させたことを特徴とする
    感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3の感光性樹脂組成物を基板上に
    塗布して感光性樹脂層を形成する工程と、この感光性樹
    脂層をパターン露光し、続いて現像する工程とを含むこ
    とを特徴とするパターン形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記基板が、カラー
    ブラウン管のフェースプレート内面であることを特徴と
    するパターン形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記基板がブラック
    マトリックスを形成した基板であり、前記感光性樹脂組
    成物に蛍光体を含有させた組成物を用いた蛍光体パター
    ンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
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