JP3510001B2 - ポリビニルアルコール系感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組成物 - Google Patents

ポリビニルアルコール系感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組成物

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JP3510001B2
JP3510001B2 JP12801895A JP12801895A JP3510001B2 JP 3510001 B2 JP3510001 B2 JP 3510001B2 JP 12801895 A JP12801895 A JP 12801895A JP 12801895 A JP12801895 A JP 12801895A JP 3510001 B2 JP3510001 B2 JP 3510001B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリビニルアルコール系
感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組成物に関し、
更に詳しくは高感度で経時安定性が良く、製造も容易で
ある水溶性の感光性樹脂及びそれを用いた感光性組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性のポリビニルアルコール系感光性
樹脂としては、例えば特公昭56−5761号,特公昭
56−5762号,特開昭56−11906号,特開昭
59−17550号,特開平2−118575号,特公
平2−276806号及び特開平6−43645号の各
公報などに開示されている四級化芳香族含窒素複素環を
有するスチリル誘導体をペンダントさせたポリビニルア
ルコール系感光性樹脂が知られている。
【0003】また、特開昭63−198045号公報に
は、ポリビニルアルコール(PVA)に、四級化芳香族
含窒素複素環を有するスチリル誘導体とアジド化合物と
をペンダントさせたポリビニル系感光性樹脂が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記四級化芳香族含窒
素複素環を有するスチリル誘導体をペンダントさせたポ
リビニル系感光性樹脂は、高感度であるものの耐久性が
悪く、現像時に膨潤するため充分な解像度が得られない
という欠点がある。
【0005】また、特開昭63−198045号公報に
開示されているポリビニルアルコール系感光性樹脂は、
アジド基を有する側鎖が疎水性であるため、その導入率
を高くすると水溶性が低下したり、あるいはアジドの光
反応性が悪く、光架橋性基として充分な働きをしないな
どの問題点がある。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決しよう
とするものであり、その目的とするところは、高感度,
高解像度で、更に製造も容易である水溶性のポリビニル
アルコール系感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組
成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、分子内に
カチオン基を有する増感剤が、下記一般式(I)で表わ
される構成単位を有する高分子化合物のアジド基の光増
感剤として有効であることを見い出したが(特願平6−
25041号:平成6年2月23日出願)、更に鋭意研
究を重ねた結果、下記一般式(II)の四級化芳香族含窒
素複素環を有するスチリル誘導体をポリマーの構成単位
とすることにより、該構成単位が光架橋性基として作用
すると共に構成単位(I)のアジド基の増感剤としても
作用することを知見し、前記目的を達成し得ることを見
い出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】かかる知見に基づく本発明のポリビニルア
ルコール系感光性樹脂は、下記一般式(I)及び(II)
で表わされる構成単位を有するポリビニルアルコール系
感光性樹脂に関する。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】上記ポリビニルアルコール系感光性樹脂に
おいて、前記一般式(I)の構成単位が1に対し、前記
一般式(II)の構成単位が0.05〜0.7であること
を特徴とする。
【0012】上記ポリビニルアルコール系感光性樹脂に
おいて、前記一般式(I)の構成単位が1に対し、前記
一般式(II)の構成単位が1.5〜10であることを特
徴とする。
【0013】また、上記ポリビニルアルコール系感光性
樹脂を含有する感光性樹脂組成物であることを特徴とす
る。
【0014】さらに、上記感光性樹脂組成物には、分子
内にカチオン基を有する増感剤を含有するようにすると
更に有効である。
【0015】以下、本発明の内容を詳細に説明する。
【0016】本発明のポリビニルアルコール系感光性樹
脂は、ポリ酢酸ビニルケン化物あるいはビニルアルコー
ルと他のビニル化合物との水溶性共重合体に、下記一般
式(III)で表わされるアルデヒドもくしは、下記一般式
(IV)で表わされるアセタール、及び下記一般式(V)
で表わされるアルデヒドもしくは下記一般式(VI)で表
わされるアセタールを酸触媒下で反応させることにより
容易に得られる。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】また、上記一般式(V)及び(VI)に於い
て、R1 は四級化された芳香族含窒素複素環残基を表わ
す。R1 としては、以下「化9」に示すものを例示する
ことができる。
【0022】
【化9】
【0023】前記の反応に用いられるポリ酢酸ビニルケ
ン化物としては、例えば平均重合度は200から5,00
0、好ましくは300から3,000のもの、また、ケン
化度は60〜100%、好ましくは70〜99%のもの
が好適に用いられる。
【0024】ここで、平均重合度を200から5,000
としたのは、重合度が200より小さい場合、十分な感
度が得られず、また一方、5,000より大きい場合には
感光性組成物としたときの溶液の粘度が高くなりすぎ、
塗布性が悪くなる、あるいは水現像性が低下し、共に好
ましくないからである。
【0025】また、ケン化度を60〜100%としたの
は、ケン化度が60%より低いと十分な水溶性及び水現
像性が得られないためである。
【0026】前記ポリ酢酸ビニルケン化物は、例えば親
水基変性,親油基変性,アニオン変性,カチオン変性あ
るいはアセトアセチル基のような反応性基変性などの変
性ポリ酢酸ビニルケン化物も適宜用いることができる。
【0027】ビニルアルコールと共重合され得るビニル
モノマーとしては、例えばN−ビニルピロリドン,アク
リルアミドなどを挙げることができる。
【0028】このようなポリ酢酸ビニルケン化物類と一
般式(III)又は(IV)の化合物及び一般式(V)又は
(VI)の化合物とを酸触媒の存在下に反応させる際に
は、例えばホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,プロ
ピオンアルデヒド,ブチルアルデヒド,ペンズアルデヒ
ドなどのアルデヒド類もしくはこれらのアセタール類を
同時に反応させることもできる。
【0029】ポリ酢酸ビニルケン化物類に対する一般式
(III)又は(IV)のアジド化合物の導入率は、モノマー
単位あたり0.1〜15モル%程度、更に好ましくは
0.5〜5モル%である。ここで、導入率をモノマー単
位あたり0.1〜15モル%程度としたのは、0.1モ
ル%より少ない場合は耐水性,解像性が十分でなく、ま
た15モル%より多いと、アジド基の光分解による窒素
ガスの発生量が多くなり、感光膜の基板への接着性が低
下し、共に好ましくないからである。
【0030】ポリ酢酸ビニルケン化物類に対する一般式
(V)又は(VI)の四級化芳香族含窒素複素環を有する
スチリル化合物の導入率は、モノマー単位あたり0.1
〜7モル%程度、更に好ましくは0.2〜4モル%であ
る。ここで、導入率をモノマー単位あたり0.1〜7モ
ル%程度としたのは、0.1モル%より少ない場合はア
ジド基に対する増感効果が少なく、光硬化性が不充分と
なり、また7モル%より多いと水溶解性がいちじるしく
低下し、共に好ましくない。
【0031】ポリ酢酸ビニルケン化物類に対する前記ア
ジド化合物及び前記四級化芳香族含窒素複素環を有する
スチリル化合物の合計導入率は1〜20モル%程度が好
ましい。ここで、導入率をモノマー単位あたり1〜10
モル%程度としたのは1モル%より少ない場合は光硬化
性が十分でなく、また20モル%より多い場合は水溶性
が低下し、水現像しづらくなり、共に好ましくないから
である。
【0032】更に、一般式(I)のアジド基を有する構
成単位と一般式(II)の四級化芳香族含窒素複素環を有
するスチリル化合物を有する構成単位とのモル比は、
0.05〜10であるが、更に好ましくは0.1〜0.
7もしくは1.5〜10である。ここで、上記モル比を
0.1〜10としたのは、0.1より少なくても、10
より多くても本発明の目的である高密度,高解像度が達
成できないからである。
【0033】尚、この比が0.7〜1.5では水溶性,
水現像性が低下する。これはこの比の範囲においては、
本発明の感光性樹脂における構成単位(I)のスルホン
酸アニオンと、構成単位(II)の四級アンモニウムカチ
オンが分子内及び/あるいは分子間とで塩を形成するた
めと考えられる。
【0034】従って、本発明の感光性樹脂は、例えば下
記の様な平衡になっていると考えられる。
【0035】
【化10】
【0036】ただし、用いられるポリ酢酸ビニルケトン
化物の重合度が低い場合は、このモル比が0.7〜1.
5であっても水溶性及び水現像性が得られる。
【0037】本発明の感光性樹脂は、上記モル比を1よ
り多くすることによってアニオン性に、1より小さくす
ることによってカチオン性になり、用途に応じて適宜使
いわけることができる。
【0038】一般式(III)及び(IV)におけるl(エ
ル)は0.1又は2であるが、これらをそれぞれ単独で
も混合して用いても良いが、n=0のアルデヒドとアセ
トアルデヒドの反応で得られる混合物をそのまま用いて
も良い。
【0039】また、一般式(I)におけるXは、カチオ
ン種を表わすが、例えばLi,Na,K,アンモニウ
ム,四級アルキルアンモニウムなどを挙げることができ
る。
【0040】本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも
1種の本発明のポリビニルアルコール系感光性樹脂を含
有するものである。本発明組成物には分子内にカチオン
基を有する増感剤を配合するのが有効である。
【0041】このような増感剤は、例えばアンモニウム
基,フォスォニウム基,スルフォニウム基およびオキソ
ニウム基のようなカチオン基を分子内に1個有する増感
剤であるが、製造が容易な点でアンモニウム基が好まし
い。
【0042】このような増感剤の好適な具体例(S−1
〜S−8)を、以下に挙げる。
【0043】
【化11】
【化12】
【0044】これらの例示の中で、構成単位(II)の紫
外吸収波長の重ならないS−1〜S−2及びS−6など
特に有効である。
【0045】本発明組成物において、増感剤の配合割合
は、本発明感光性樹脂の一般式(I)で表わされる構成
単位に対して、5〜90モル%位が好適である。これ
は、5モル%未満であると、配合効果が十分発揮されな
く、また90モル%を超えると、基板との接着性が低下
したり、更なる増感効果が得られないからである。
【0046】本発明の組成物に上記増感剤を配合した場
合は、本発明の感光性樹脂の構成成分(I)のスルホン
酸アニオンと増感剤のカチオンが塩を形成していると考
えられる。
【0047】本発明の組成物には上述のポリビニルアル
コール系感光性樹脂以外の高分子化合物、特にピロリド
ンやアミド構造のようなアジド基の光分解中間体と反応
を起こしやすい基を含む水溶性高分子化合物の配合する
ことにより、更に感度を高めることもできる。
【0048】このような水溶性高分子化合物としては、
例えばポリビニルピロリドン,ダイアセトンアクリルア
ミドとアクリルアミドの共重合体、ポリアクリルアミ
ド,ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド),ダイア
セトンアクリルアミドとN,N−ジメチルアクリルアミ
ドの共重合体,アクリルアミドとN,Nジメチルアクリ
ルアミドの共重合体などを挙げることができる。
【0049】また、本発明の組成物には、塗膜の強度、
耐水性などの性質を改良するために高分子エマルジョン
を混合することができる。このような高分子エマルジョ
ンとしては、例えば、ポリ酢酸ビニルエマルジョン,酢
酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン,酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン,ポリスチ
レンエマルジョン,エチレン−ブタジエン共重合体エマ
ルジョン,スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマ
ルジョン,アセトニトリル−ブタジエン共重合体エマル
ジョン,クロロプレン重合体エマルジョン,ポリ塩化ビ
ニルエマルジョン,シリコーン樹脂エマルジョン,ポリ
ウレタンエマルジョン等を挙げることができる。
【0050】本組成物において、高分子エマルジョンの
配合量は、本発明ポリビニルアルコール系感光性樹脂及
び前述の高分子化合物の合計100重量部に対して、通
常5〜1,000重量部程度の範囲であるが、好ましくは
50〜700重量部である。5重量部未満では添加効果
がなく、1,000重量部より多いと水で現像できなくな
る。
【0051】本発明の組成物には更に少なくとも一種の
光重合性不飽和化合物と、光重合開始剤系とを加えるこ
とにより、その特性を向上させることができる。
【0052】該光重合性不飽和化合物は、疎水性あるい
は親水性のどちらでも良く、例えば、アクリル基,メタ
クリル基,アリル基,ビニルエーテル基,ビニル基,ア
クリルアミド基などの重合可能な不飽和基を少なくとも
1つ持つ不飽和モノマーあるいは不飽和プレポリマーを
挙げることができる。
【0053】また、光重合開始剤系は光照射により光重
合活性のラジカルが生成する系であれば良く、例えば、
ベンゾインエーテル,ヒドロキシアルキルケトン,ジア
ルコキシアセトフェノン,ベンゾイルホスフィンオキシ
ド,ベンゾインオキシムケトンなどのα−開裂型開始
剤、ベンゾフェノン,ベンジル,チオキサントン,ケト
クマリンなどの芳香族ケトンならびにこれらの芳香族ケ
トンとアミンのような水素供与体との系、有機過酸化
物、オニウム塩,トリフェニルアルキルホウ酸や鉄−ア
レーン錯体とチオキサンテン色素やケトクマリンのよう
な電子供与体の系、N−アリールグリシンと電子吸引体
の系、ポリハロゲン化合物などを挙げることができる。
【0054】さらにこれらの光重合系には、通常、熱重
合禁止剤を加えることが望ましい。
【0055】前記の光重合性不飽和化合物は、本発明ポ
リビニルアルコール系感光性樹脂及び前述の水溶性高分
子化合物の合計100重量部に対して、通常5〜400
重量部程度の範囲であるが、好ましくは20〜200重
量部である。これは、5重量部未満では光重合性不飽和
化合物の添加効果がなく、400重量部より多いと、膜
がベトついたり、水現像性が低下したりあるいは硬化膜
に柔軟性がなくなり膜が脆くなる等の問題が発生し、好
ましくないからである。また、光重合開始剤系は、光重
合性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜20部
程度の範囲で使用することが好ましい。
【0056】本発明の感光性樹脂組成物には、上記の成
分以外に通常含まれる添加剤、例えば、乳化安定剤,可
塑剤,界面活性剤,接着助剤,染料,顔料,酸化チタン
やシリカのような無機充填材などを含有させることがで
きる。さらに、蛍光体パターン形成用には各種蛍光体を
含有させることもできる。また、更に強固な光硬化物を
与えるため、本組成物の特性を損なわない範囲で、例え
ば、置換もしくは非置換のジアゾジフェニルアミンとア
ルデヒド類との縮合物、特公昭54−9521号,特開
平2−3049号,特公平1−57332号,特開平5
−125031号の各公報などに開示されているジアゾ
化合物を加えることもできる。
【0057】本発明組成物において、例えば高分子エマ
ルジョン,界面活性剤,蛍光体等を配合する場合、これ
らがアニオン性である場合は本発明感光性樹脂は一般式
(I)の構成単位と一般式(II)の構成単位のモル比が
1より多いアニオン性のものを用い、前述の配合物がカ
チオン性の場合は該モル比が1より小さいものを用いれ
ば良い。これを逆にすると、イオン的作用により組成物
溶液が増粘したり、ゲル化したりし好ましくない。
【0058】本発明の組成物は、本発明感光性樹脂に必
要により分子内にカチオン基を有する増感剤ならびに必
要に応じた各種の配合剤を、水を主体とする溶剤に溶解
あるいは分散させることにより調製することができる。
【0059】この際用いられる溶剤としては、一般には
水が用いられるが、これに50重量%以下の場合で水に
可溶な溶剤、例えば、メチルアルコール,エチルアルコ
ール,イソプロピルアルコール,アセトン,テトラヒド
ロフラン,ジオキサン,ジメチルホルムアミド,N−メ
チルピロリジノンなどの水可溶性剤、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチル
エーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル等を
加えることができる。
【0060】上述のようにして得られた本発明の感光性
樹脂組成物は、用途に応じて、アルミニウムやステンレ
ス等の金属板、スクリーンメッシュ,紙,ガラス板,半
導体基板、その他任意の基材上に、例えば乾燥厚さが
0.5〜1000μmとなるように塗布・乾燥し、塗膜
として使用される。
【0061】これらの塗膜には、紫外線、例えば波長3
00〜500nmのような活性光線を照射して照射部を硬
化させた後、非照射部を水等により除去すれば、パター
ン画像が得られ、例えば、スクリーン印刷版,カラーブ
ラウン管のブラックマトリクスや蛍光体パターン形成,
CCDやLCDのカラーフィルター,印刷のカラープル
ーフや各種エッチングレジスト等として利用できる。
【0062】
【実施例】以下に、本発明を実施例により説明するが、
本発明はこれらにより制限されるものではない。
【0063】次に実施例により、本発明の内容を更に詳
細に説明する。
【0064】<合成例> 比較合成例1<アジド基を含有する高分子化合物:PA
−1> ポリビニルアルコール(GH−17:日本合成化学工業
製)50gを水200mlに溶解した。これに、p−アジ
ドベンズアルデヒド−o−スルホン酸の2%水溶液を1
70g加え、50℃で10時間反応させた。反応後冷却
させ、5%NaOH水溶液19.5g添加し、中和処理
をしてアセタール化を完了し、高分子化合物PA−1の
水溶液を得た。上記水溶液をアセトン再沈し、UV吸収
よりポリビニルアルコールへのp−アジドベンズアルデ
ヒド−o−スルホン酸ナトリウムの導入率を測定したと
ころ、1.6モル%であった。
【0065】合成例1<アジド基およびスチリルピリジ
ニュウム基を含有する高分子化合物:PAS−1> ポリビニルアルコール(GH−17:日本合成化学工業
製)50gを200mlに溶解した。これにp−アジドベ
ンズアルデヒド−o−スルホン酸の2%水溶液を170
g加え、さらに、ホルミルスチリルピリジニュウムメト
サルフェート1.37gを加え、30℃で20時間反応
させた。反応後冷却させ、5%NaOH水溶液19.5
g添加し、中和処理をしてアセタール化を完了し、高分
子化合物PAS−1の水溶液を得た。上記水溶液をアセ
トン再沈し、UV吸収よりポリビニルアルコールへのp
−アジドベンズアルデヒド−o−スルホン酸ナトリウム
の導入率を測定したところ、1.6モル%、スチリルピ
リジニュウム塩の導入率は0.4モル%であった。合成
例1に準じて、アジド基[I]、スチリルピリジニュウ
ム基[II]の導入率を変化させた高分子化合物を合成し
た。
【0066】
【表1】
【0067】[実施例1〜10]次に上記合成例で得ら
れた高分子化合物を用いて、実施例1−10及び、比較
例1−3を実施した。 <解像性>合成例で得られた高分子化合物PA−1、P
S−2、PAS−1、PAS−2、PAS−3、PAS
−4、PAS−5、PAS−6、PAS−7、PAS−
8、PAS−9の各水溶液10g、表に示すカチオン基
を有する増感剤(増感剤なしの場合は添加せず)、及び
水4g、プロピレングリコールモノメチルエーテル3g
を混合、溶解及びろ過し、感光性組成物を各々調製し
た。これらの組成物をガラス基板上にスピンコートで塗
布して、70℃で20分間乾燥する事により、1.0μ
mの膜厚の感光層を形成した。照度5.0mW/cm2 (オ
ーク製作所製紫外線照度系UV−M01でUV35セン
サーを使用して測定)の超高圧水銀灯の光のもとに、フ
ォトマスクをコンタクト露光した。露光後1分間水洗現
像して乾燥後、50μmライン&スペースのパターンを
顕微鏡下で観察した。この結果を「表2」〜「表4」に
示す。
【0068】
【表2】
【表3】
【表4】 「表2」〜「表4」に示すように、本発明にかかる高分
子化合物を用いた場合には、露光時間が短いと共に、感
度及び解像性が良好であり、且つ露光ラティテュードが
広いものを得ることができた。
【0069】<増感効果の確認>上記高分子化合物PA
−1、及び高分子化合物PAS−1の各水溶液から、膜
厚3μmの感光膜を作成し、露光によりアジドの分解
を、赤外吸収スペクトルの2118cm-1の減少により調
べた。露光はガラスを透過した300nm以上の光を使用
した。上記高分子化合物PA−1では、120秒露光で
2%分解したのに対し、高分子化合物PAS−1では、
40%のアジドが分解した。この事により、アセタール
化スチリルピリジニュウム塩は、本発明のアジド化合物
に対し、増感効果を有している事を確認した。
【0070】<感度>合成例で得られた高分子化合物P
A−1、PS−1、PAS−1、PAS−2の水溶液1
0g、下記「表5」に示すカチオン基を有する増感剤
(増感剤なしの場合は添加せず)、水4g、及びプロピ
レングリコールモノメチルエーテル3gを混合・溶解し
た後、ろ過して感光性組成物を調製した。これらの組成
物をガラス基板上にスピンコートで塗布して、70℃で
20分間乾燥する事により、1.2μmの膜厚の感光層
を形成した。照度5.0mW/cm2 の超高圧水銀灯の光の
もとに、富士ステップガイド(富士写真フィルム社製)
を通して露光した。露光後1分間水洗現像し、1%メチ
レンブルーにより硬化膜を染色し、硬化ステップ段数に
より感度を評価した。この結果を「表5」に示す。
【0071】
【表5】
【0072】この表3の結果から、本発明の実施例A〜
Dに係る感光性樹脂組成物は、何れも比較例A〜Fに較
べて、高感度であることが実証された。特に、比較例E
においては、スチリルピリジニュウム基[II]0.4 モル
では、露光秒数が70秒でSTEP段数が「2」であり、比較
例Aにおいては、アジド基[I]1.6 モルでは、 100秒
でSTEP段数が「0」とどちらも低感度であるのに比べ、
実施例Aではアジド基[I]1.6 モル:スチリルピリジ
ニュウム基[II]0.4 モルでは、3秒でSTEP段数「2」
と高感度化されている。また、比較例B,C,Dではア
ジド基[I]1.6 モルに対し増感剤S−1の添加量を増
やすことで、15秒でSTEP段数「3」まで感度が向上する
が、実施例Aほどの感度の向上はできなかった。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感光性樹
脂組成物は高感度、高解像度で経時安定性が良く、更に
製造も容易であり、例えば、スクリーン印刷版、カラー
ブラウン管のブラックマトリックスや蛍光体パターン形
成、CCDやLCDのカラーフィルター、印刷のカラー
プルーフや各種エッチングレジスト等として用いて好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/12 G03F 7/12 (56)参考文献 特開 平5−67433(JP,A) 特開 平5−11442(JP,A) 特開 昭63−198045(JP,A) 特開 昭52−103201(JP,A) 特開 昭52−39742(JP,A) 特開 平6−43645(JP,A) 特開 平7−244374(JP,A) 特開 平8−34898(JP,A) 特公 昭40−28499(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42 C08L 29/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)及び一般式(II)で表
    わされる構成単位を有するポリビニルアルコール系感光
    性樹脂において、前記一般式(I)の構成単位が1に対
    し、前記一般式( II )の構成単位が0.05〜0.7で
    あることを特徴とするポリビニルアルコール系感光性樹
    脂。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)及び一般式( II )で表
    わされる構成単位を有するポリビニルアルコール系感光
    性樹脂において、前記一般式(I)の構成単位が1に対
    し、前記一般式( II )の構成単位が1.5〜10である
    ことを特徴とするポリビニルアルコール系感光性樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載するポリビニルア
    ルコール系感光性樹脂を含有することを特徴とする感光
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載するポリビニルア
    ルコール系感光性樹脂と分子内にカチオン基を有する増
    感剤とを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載する感光性樹脂組成物に
    おいて、 前記増感剤は、下記式(S−1)から(S−8)のいず
    れかで表される増感剤であることを特徴とする感光性樹
    脂組成物。 【化13】 【化14】
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