JP2000109447A - 2―及び4―ヒドロキシマンデル酸の調製方法 - Google Patents

2―及び4―ヒドロキシマンデル酸の調製方法

Info

Publication number
JP2000109447A
JP2000109447A JP11262162A JP26216299A JP2000109447A JP 2000109447 A JP2000109447 A JP 2000109447A JP 11262162 A JP11262162 A JP 11262162A JP 26216299 A JP26216299 A JP 26216299A JP 2000109447 A JP2000109447 A JP 2000109447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
hydroxymandelic
phenol
water
anion exchange
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11262162A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4416877B2 (ja
Inventor
Raoul Kessels
ラオール ケッセルズ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GERARD KESSELS SA
Original Assignee
GERARD KESSELS SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GERARD KESSELS SA filed Critical GERARD KESSELS SA
Publication of JP2000109447A publication Critical patent/JP2000109447A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4416877B2 publication Critical patent/JP4416877B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/347Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups
    • C07C51/367Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reactions not involving formation of carboxyl groups by introduction of functional groups containing oxygen only in singly bound form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/47Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by solid-liquid treatment; by chemisorption

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】グリオキシル酸とフェノールを縮合して2−及
び4−ヒドロキシマンデル酸を調製する方法を提供す
る。 【解決手段】グリオキシル酸をフェノールと反応させ,
その後アニオン交換樹脂を含むカラム内で該フェノー
ル,前記2−及び4−ヒドロキシマンデル酸それぞれを
溶離分離する工程を行い,この工程では,先ず最初に過
剰のフェノールを分離し,ついで,脱着剤に応じて酸又
は塩の形態の4−ヒドロキシマンデル酸をに分離し,最
後に,脱着剤に応じて酸又は塩の形態の2−ヒドロキシ
マンデル酸を分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,2−及び4−ヒ
ドロキシマンデル酸をグリオキシル酸とフェノールとを
縮合して調製する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシマンデル酸類は,ファインケ
ミカルズ技術分野,医薬品分野及び農薬分野などの種々
の分野において使用される化合物製造のための融通性に
富んだスターティングマテリアルズとして極めて価値あ
る化合物である。4−ヒドロキシマンデル酸は,ファイ
ンケミカルズの合成に使用される,4−ヒドロキシベン
ジルアルデヒド;医薬化合物アテノロール(atenolol)の
合成に使用される4−ヒドロキシフェニル酢酸;抗生物
質アモキシリン(amoxycilline)の調製に使用される4−
ヒドロキシフェニルグリシンの調製のための中間生成物
である。2−ヒドロキシマンデル酸は,農薬化合物エチ
レンジアミン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシフェニ
ル酢酸);医薬化合物に使用される2−ヒドロキシフェ
ニル酢酸;殺菌剤の調製に使用される2−ヒドロキシフ
ェニル−2−オキソ酢酸などの調製のための中間生成物
である。
【0003】かなり以前から2−及び4−ヒドロキシマ
ンデル酸をグリオキシル酸とフェノールとを縮合して調
製する技術が知られている。色々異なる条件下でグリオ
キシル酸を過剰のフェノールで縮合し,前記二つのマン
デル酸の混合物を作る。過剰のフェノールは,前記反応
混合物を水不混和溶剤で酸性化処理した後,抽出され
る。引き続いて,通常の態様で4−ヒドロキシマンデル
酸が塩の形態で分離されるが,2−ヒドロキシマンデル
酸は,通常,単離されない。
【0004】ベルギー特許明細書867,287は,水
酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存在のもと,均一
(ホモジニアス)システムにおけるグリオキシル酸とフ
ェノールとの縮合について記載している。4−ヒドロキ
シマンデル酸は,前記反応混合物へ無機塩を添加するこ
とにより塩の形態で単離される。同様に,米国特許明細
書4,408,070は,水酸化ナトリウムを使用して
グリオキシル酸と過剰のフェノールとを均一に縮合する
ことを記載している。過剰のフェノールは,スチーム蒸
留又は1,2−ジクロロエタンでの抽出により中和後分
離され,その後4−ヒドロキシマンデル酸が酢酸ナトリ
ウムの存在のもと沈殿される。製品を塩処理するために
塩を添加する既知の方法においては,塩による汚染が生
じると同時に塩飽和母液が残され,これにより反応の間
に生成される副産物が汚染されてしまう。上記した事例
においては,単離された製品の収率は,61%を越える
ものではない。
【0005】さらにヨーロッパ特許出願EP−0,02
4,181は,水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの
存在のもと,均一(ホモジニアス)システムにおけるグ
リオキシル酸とフェノールとの縮合について記載してい
る。反応混合物は,引き続いて酸性化され,余剰のフェ
ノールは,メチルイソブチルケトンで抽出される。該反
応混合物は,さらに酸性化され,メチルイソブチルケト
ンで再度抽出される。続いて4−ヒドロキシマンデル酸
が抽出物からの塩として50〜73%の収率で沈殿さ
れ,有機マテリアルの残りの部分,即ち,2−ヒドロキ
シ異性体の全部と4−ヒドロキシ異性体の一部とが水性
相と溶剤相との間に分布される。
【0006】ヨーロッパ特許明細書EP−0,368,
696は,水不溶性アミンの存在のもとにグリオキシル
酸とフェノールとを縮合して2−ヒドロキシマンデル酸
と4−ヒドロキシマンデル酸とが12:84の比率で混
合されているものを作ることを記載している。そして過
剰のフェノールは,1,1−ジメチル−1−1メトキシ
プロパンで抽出される。パラアイソマーである4−ヒド
ロキシマンデル酸の70〜74%のみが単離され,2−
ヒドロキシマンデル酸と4−ヒドロキシマンデル酸とが
ほぼ1:1の分離できない混合物が残る。
【0007】前記EP−0,024,181とEP−
0,368,696に記載の二つの方法は,所望のマン
デル酸を得るために二つのアルカリ化合物を使用してお
り;一方の化合物で反応を行い,他方の異なる化合物で
生成物を単離するようにしている。技術ならびに経済性
の観点からみれば,一つの塩基,即ち,マンデル酸の適
当な塩が得られることができる塩基だけを使うことが望
ましい。
【0008】2−ヒドロキシマンデル酸のみを作る試み
が種々なされてきている。 Recl.Trav.Chim,オランタ゛107,2
42〜247 (1988)において,Hoefnagel 他は,金属イオン
触媒を用いてグリオキシル酸とフェノールとを反応さ
せ,4−ヒドロキシマンデル酸と共に適度の収率で2−
ヒドロキシマンデル酸を作ることを記載している。しか
しながら生成物は,単離されない。
【0009】ヨーロッパ特許出願EP−0,556,0
84は,また,三価の金属イオン触媒を使用し,不溶性
アミン類の存在のもとに2−及び4−ヒドロキシマンデ
ル酸の混合物を含む溶液を得ることについて記載してお
り,該溶液においては,2−ヒドロキシマンデル酸が5
9〜87%変化する収率で過剰に存在する。水不混和性
溶剤を使用して,過剰のフェノールを抽出しているが,
生成物は,一切単離されない。これらの方法の欠点は,
最終生成物に値が高い金属イオンが存在し,触媒が再使
用できない点である。生成物は,それが極めて水に溶け
やすいために,絶対に単離されず,不純な溶液を後続の
反応に直接使用することが提案されている。
【0010】フェノールを水から溶剤抽出することは,
すべてのプロセスにおいて共通しているが,これは,こ
の目的のために開発された種々のシステム及びプロセス
から明らかなように,それ自体問題を含んでいる。毒性
が極めて高いことから,遊離溶剤からフェノールを完全
になくしてしまわなければならない。代表的な例は,塩
類,多価アルコール類又はポリグリコールエーテル類を
添加して単純に抽出すること;単独又は多数の溶剤向流
連続抽出;二溶剤抽出蒸留;支持された液体隔膜プロセ
ス;二つの隔膜と一つの溶剤及びストリッピング溶剤で
の抽出デバイス;パーヴェーポレーションによる除去な
どなどである。これらのような複雑で特殊のシステムを
使用しなければならいことは,フェノールが高い水親和
性を有しているからである。水親和性に富む溶剤を使用
すれば,フェノールは,よく抽出されるが,余りにも多
量の溶剤が水性相で消費されてしまう。このような理由
で,部分的に水溶性の溶剤でフェノールを抽出しようと
するとき,塩類又は水不混和性の溶剤を添加しなければ
ならない。フェノール抽出に当たってのさらに別の一般
的な問題点は,抽出に先立って母液を酸性化し,抽出の
間,水性相で存在するイオン化フェノール塩の生成を防
がなければならない点である。この点は,グリオキシル
酸とフェノールと縮合におけると同様,母液がアルカリ
性のときに特に必要である。
【0011】上記した方法によれば,いずれも2−ヒド
ロキシマンデル酸及び4−ヒドロキシマンデル酸との混
合物が得られるだけであって,一つのみの異性体を特に
生成できることには至らない。これら異性体混合物を完
全に分離することができず,それらの相対量は,分析に
よる方法によるほかは測定できない。
【0012】WO94/14746は,2−及び4−ヒ
ドロキシマンデル酸アルカリ金属塩のソリッド混合物の
溶剤抽出による前記異性体両者の分離方法について記載
している。このソリッド混合物は,一つの溶剤,即ち,
アセトンで抽出されて,2−ヒドロキシマンデル酸ナト
リウムの濃縮されたフラクションが得られ,そして残る
固体ものを今度は溶剤エタノールで再び抽出して,4−
ヒドロキシマンデル酸ナトリウムのほぼ純粋なフラクシ
ョンが得られるようになっている。ここで指摘したいこ
とは,前記両ヒドロキシマンデル酸は,水中で生成さ
れ,したがって分離処理が遂行される前には,この水を
完全になくさなければならない点である。他の欠点は,
両異性体の分離に二種類の溶剤を使用するため,適切な
回収システムの使用が必要になる点である。さらに,固
体−液体抽出は,一方の固体が他方に合体してしまい,
その結果,抽出されなくなってしまう点で全く効率的で
ないことである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように,従
来の技術は,種々の問題を含み,従来の技術によっては
解決できなかった問題点である前記両異性体をそれらが
生成される反応混合物から直接に分離し,これによって
水を蒸発させたり,可燃性及び/又は有毒の溶剤の使用
が回避できるようにする技術の提供が本発明の解決課題
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため,この発明は,グリオキシル酸とフェノールを縮合
して2−及び4−ヒドロキシマンデル酸を調製するため
に,グリオキシル酸をフェノールと反応させ,その後ア
ニオン交換樹脂を含むカラム内で該フェノール,前記2
−及び4−ヒドロキシマンデル酸それぞれを溶離分離す
る工程を行い,この工程では,先ず最初に過剰のフェノ
ールを分離し,ついで,脱着剤に応じて酸又は塩の形態
の4−ヒドロキシマンデル酸を分離し,最後に,脱着剤
に応じて酸又は塩の形態の2−ヒドロキシマンデル酸を
分離することを特徴とする2−及び4−ヒドロキシマン
デル酸の調製方法を提供することによって,前記課題を
解決するものである。
【0015】驚くべきことに,グリオキシル酸と過剰の
フェノールとをアニオン交換樹脂の存在のもと,即ち,
固体相で反応させると,2−及び4−ヒドロキシマンデ
ル酸の混合物が得られ,グリオキシル酸をベースとする
トータルの収率が100%であることが示された。この
反応は,粒子状のアニオン交換樹脂を含む攪拌された反
応ベッセル内又はカラム内の流動床で行われる。種々の
成分を分離するために前記反応混合物をカラム内へ移
す。
【0016】驚くべきことに,生成され,そして,前記
樹脂の表面に均一に分布された2−及び4−ヒドロキシ
マンデル酸を前記樹脂から選択的に脱着できることが知
見できた。この技術により,前記反応混合物から前記二
つの異性体を完全に分離することが可能となった。
【0017】また,2−及び4−ヒドロキシマンデル酸
又はそれらの塩を含む溶液をアニオン交換樹脂に接触さ
せると,2−ヒドロキシマンデル酸が選択的に吸着され
る一方,4−ヒドロキシマンデル酸が溶液に残ることが
分かった。この選択的吸着により,前記両異性体を溶液
から容易に,かつ,完全に分離できる。
【0018】前記反応は,アニオン交換樹脂が例えば流
動床技術にならって流動化されているカラム内で行われ
るのが好ましい。これによって,反応器や余分な分離デ
バイスを使用せずに済ませることができる。
【0019】この発明によれば,フェノールをグリオキ
シル酸に対し1.05〜10等量過剰に,好ましくは,
1.1〜6等量過剰に使用することが有利である。
【0020】通常,前記反応は,10℃から95℃の温
度,好ましくは,30℃から70℃の温度で行われる。
【0021】この発明によれば,使用されるアニオン交
換樹脂は,前記グリオキシル酸の使用量に対しアニオン
交換サイトが1〜5等量,好ましくは,1.1〜2.5
等量である。好ましくは,前記アニオン交換樹脂が所有
するアニオン交換サイトの数が前記混合物中に存在する
2−ヒドロキシマンデル酸のモル数に等しくなってい
る。
【0022】この発明によれば,前記アニオン交換樹脂
が一つのタイプ又はいくつかのタイプの官能基を備え,
該官能基は,例えば,R1,R2,R3,R4,R5及びR6がおそらく
同じであるか又は同じではなく,かつ,水素又はアルキ
ル,ヒドロキシアルキル,ベンジル,アリル又は置換ア
リルを表すとき,NR1R2R3 ,N+R1R2R3R4,R1R2NNR3R4,R1R
2NN+R3R4R5,R1R2NC(NR5)NR3R4,[R1R2NC(NR5R6)NR
3R4]+,窒素を含むR1〜R6置換C2〜C9 複素環式基又は窒
素を含むR1〜R6 置換C2〜C9 パーハイドロ複素環式基で
ある。
【0023】この発明の他の特徴によれば,前記フェノ
ールは,余剰分が溶離剤により前記樹脂から選択的に溶
離される。前記溶離剤は,温水又は熱水,スチーム,水
混和性溶剤又は水不混和性溶剤であることが好ましい。
前記水混和性溶剤は,例えばメタノール,エタノール,
エチレングリコール,プロパノール,C3〜C6 アルコー
ル,アセトン.メチルエチルケトン,アセトニトリル,
プロプリオニトリル,ジメチルスルフォキサイド,ホル
ムアミド,ジメチルホルムアミド又はそれらの二種又は
幾つか又はすべての混合物である。
【0024】前記水不混和性溶剤は,例えばメチル蟻酸
塩,エチル蟻酸塩,酢酸メチル,酢酸エチル,C4〜C8
エステル,ジエチルエーテル,第三級ブチルメチルエー
テル,イソプロピルエーテル,C4〜C8 エーテル,C4〜C
6 ケトン,ジクロロメタン,クロロフォルム,ジクロロ
エタン,クロロベンゼン又は他の塩素化溶剤,又はペン
タン,ヘキサン,シクロヘキサン,トルエン,又は他の
炭化水素,又はそれらの二種又は幾つか又はすべての混
合物である。
【0025】この発明によれば,前記樹脂のヒドロキシ
マンデル酸類は,通常,酸,塩基又は塩溶液により溶離
される。前記酸は,例えば塩化水素酸,硫酸,H2CO3,
酸化炭素,スルファミン酸,燐酸,ホウ酸,硝酸,蟻
酸,酢酸,クロロ酢酸,プロピオン酸,メタノスルフォ
ン酸,ベンゼンスルフォン酸,p−トルエンスルフォン
酸,C1〜C14有機酸又はそれらの混合物である。
【0026】前記塩基は,例えば水酸化ナトリウム,水
酸化カリウム,水酸化リチウム,アンモニア,ヒドラジ
ン,水酸化カルシウム,メチルアミン,テトラエチル水
酸化アンモニウム,C2〜C18アミン,C4〜C18水酸化アン
モニウム,ナトリウムメトキシド,カリウムメトキシ
ド,C1〜C4 有機塩基又はそれらの混合物である。
【0027】前記塩は,例えば二炭酸ナトリウム,二炭
酸カリウム,二炭酸アンモニウム,炭酸ナトリウム,炭
酸カリウム,炭酸アンモニウム,又は上記の酸類と塩基
類とにより形成された塩である。この発明の他の特徴に
よれば,前記溶液は,水をベースとする溶液又は溶剤を
ベースとする溶液である。
【0028】この発明による好ましい実施例によれば,
前記2−ヒドロキシマンデル酸および4−ヒドロキシマ
ンデル酸は,選択的脱着により分離されるものである。
好ましい実施例によれば,前記4−ヒドロキシマンデル
酸および2−ヒドロキシマンデル酸は,脱着剤を用いて
連続的に脱着される。好ましい他の実施例によれば,前
記2−ヒドロキシマンデル酸および4−ヒドロキシマン
デル酸は,二つの異なる脱着剤を用いて選択的に脱着さ
れる。
【0029】この発明の他の実施例によれば,酸と塩の
形態である2−ヒドロキシマンデル酸と4−ヒドロキシ
マンデル酸との溶液は,アニオン交換樹脂のカラムにお
ける溶離により分離される。前記塩類は,ナトリウム,
カリウム,リチウム,アンモニウム,メチルアンモニウ
ム,テトラメチルアンモニウム,C2〜C18アンモニウ
ム,エチレンジアミン,マグネシウム,カルシウム,II
族金属カチオン塩の形態における塩の形態で生じる。
【0030】この発明による反応は,アニオン交換樹脂
を介して行われ,該樹脂は,好ましくは,任意のポリマ
ーに付着した第三級又は第四級アミノ基又は両者の組み
合わせ又は他のアニオン交換機能をもつものからなる。
該アニオン交換樹脂は,攪拌される反応容器又はカラム
内に納められ,水中内におかれる。水の量は,幅広く限
定されるものではなく,反応に影響を与えない。前記樹
脂は,使用されるグリオキシル酸の量に対しアニオン交
換サイトの1〜5等量であることが好ましい。前記樹脂
へフェノールを過剰に添加するもので,必要な量は,使
用される等量のグリオキシル酸当たり1.1〜10等量
である。1等量のグリオキシル酸がアニオン交換樹脂の
上(表面)に均一に分布される。縮合反応は,10〜9
5℃,好ましくは,30〜70℃の範囲の温度で行われ
る。
【0031】温度及び樹脂のタイプなどによる用いられ
る条件に応じた適切な反応時間経過後,前記水を沈殿物
が動かないように静かに排出し,フェノールを前記樹脂
から脱着する。フェノールをいくらか含む排出された水
は,次の縮合反応に再使用される。前記脱着処理は,カ
ラム内で行われることが好ましい。前記フェノールの脱
着は,溶剤,熱水又は温水,スチーム又はこれらの混合
物により簡単に且つ完全に行われる。溶剤は,水混和性
又は水不混和性又は両者を混じり合わせたものである。
【0032】この発明によれば,スチーム,熱水又は温
水又はこれらを混ぜ合わせたものいずれも使用できる。
【0033】前記の脱着剤を組み合わせてもよい。
【0034】フェノール及び溶剤混合物は,既知の方
法,例えば,蒸留により,その成分ごとに分離すること
が容易にできる。回収されたフェノールは,グリオキシ
ル酸との縮合に再使用できる。フェノールが熱水又は温
水又はスチームにより脱着される場合,得られるフェノ
ール/水混合物は,本方法に直ちに再使用できる。
【0035】フェノールの脱着が完了すれば,マンデル
酸は,酸性溶液,アルカリ溶液又は塩溶液により脱着さ
れ,必要な酸又は塩の形態で2−ヒドロキシマンデル酸
及び4−ヒドロキシマンデル酸が生成される。マンデル
酸を脱着するための溶液は,水又は溶剤をベースとする
ものであり,上記した溶剤がこの目的に適している。脱
着の際,先ず最初に4−ヒドロキシ異性体が集められ,
ついで2−ヒドロキシ異性体が集められる。オプショナ
ルには,二つの異なる脱着剤を使用して両異性体を得る
ことができる。2−及び4−ヒドロキシマンデル酸を混
合物として脱着することもできる。
【0036】マンデル酸類又はマンデル塩類をコンベン
ショナルな方法,例えば,真空蒸留,スプレイ−ドライ
などの方法により,水又は溶剤をなくして単離すること
ができる。これらのプロセスは,樹脂を変えるものでは
なく,したがって同じ方法に無条件で再使用できる。
【0037】すでに記述したこの発明により又は上記し
た従来の方法の一つにより得られた遊離酸又は塩の形態
である2−及び4−ヒドロキシマンデル酸の溶液は,い
ずれも前記分離プロセスにそのまま使用できる。
【0038】この発明による分離は,アニオン交換樹脂
について行われるもので,該樹脂は,オプショナルには
前記縮合反応において使用のものと同じ樹脂である。好
ましくは,前記樹脂が含むアニオン交換サイトの数は,
前記混合物に存在する2ーヒドロキシマンデル酸のモル
数に等しいものから前記混合物に存在するマンデル酸の
トータルのモル数に対し2.5等量のアニオン交換サイ
トである。最も適切な量は,マンデル酸の形態(遊離
酸,塩のタイプ)及び樹脂のタイプに応じて定まる。
【0039】この発明により分離できる2−ヒドロキシ
マンデル酸と4−ヒドロキシマンデル酸との混合物は,
遊離酸,アルカリ塩,アンモニウム塩,アルキルアンモ
ニウム塩またはII族金属塩の形態における5:95から
95:5の比率の混合物である。
【0040】ヒドロキシマンデル酸類又は塩類は,コン
ベンショナルな方法,例えば,真空蒸留,スプレイ−ド
ライングなどの方法により,得られた溶液から,又は,
他の用途において溶液として直に使用できる溶液から純
粋な形態で単離される。
【0041】この発明を限定するものではない模範的な
実施例により,この発明を以下に詳しく記載する。以下
の実施例における分析のすべては,Recl.Trav.Chim.オラン
タ゛115,355 (1996)にHoefnagel 他により記載されたHP
LC技術を用いて行われたものである。
【0042】
【発明の実施の形態】(実施例1)市販されている粒状
のアニオン交換樹脂10リッターを攪拌されている反応
容器へ入れ,水で覆った。このアニオン交換樹脂は,目
が粗い網状のもので(マクロレティキュラー),四アル
キルアンモニウム基で機能化され,樹脂1リッター当た
り1.2等量アニオン交換サイトを有しているものであ
る。温度を45℃に調節し,攪拌しながらフェノールを
2.51kg(26.7モル)添加した。攪拌しなが
ら,20分にわたり水に50%グリオキシル酸溶液を1
kg(6.7モル)添加した。反応混合物を8時間にわ
たり45℃の温度に維持した。この反応混合物をスタン
ダードなクロマトグラフィカラムへ移し,水を排出し
た。次の反応のために水フラクションを残した。この水
フラクションのHPLC分析によれば,0.2kgのフ
ェノールを含むことが示された。13リッターの第三級
ブチルメチルエーテルを30分にわたり通し,これを別
個に集め,HPLC分析した結果,1.7kgのフェノ
ールを含むことが示された。ついで15.3kgの5%
Na2 CO3 溶液を60分にわたり通過させた。18.
7kgの溶液を集め,HPLC分析した結果,ナトリウ
ムヒドロキシマンデル酸塩一水和物の7.4%縮合(グ
リオキシル酸をベースとする99.5%収率)が示さ
れ,その内,81%が4−ヒドロキシ異性体であり,1
9%が2−ヒドロキシ異性体であった。
【0043】(実施例2)市販されているゲルタイプの
アニオン交換樹脂10リッターを攪拌されている反応容
器へ入れ,水で覆った。このアニオン交換樹脂は,トリ
アルキルアミン基で機能化され,樹脂1リッター当たり
1.5等量アニオン交換サイトを有しているものであ
る。攪拌しながら2.47kg(26.3モル)のフェ
ノールを添加し,温度を35℃に調節した。攪拌しなが
ら,20分にわたり水に50%グリオキシル酸溶液を
1.11kg(7.5モル)添加した。反応混合物を1
2時間にわたり35℃の温度に維持した。この反応混合
物をスタンダードなクロマトグラフィカラムへ移し,水
を排出した。次の反応のために水フラクションを残し
た。この水フラクションのHPLC分析によれば,0.
3kgのフェノールを含むことが示された。14リッタ
ーのメタノールを30分にわたり通し,これを別個に集
め,HPLC分析した結果,1.5kgのフェノールを
含むことが示された。ついで7.7kgの5%アンモニ
ア溶液を60分にわたり通過させた。11.0kgの溶
液を集め,HPLC分析した結果,アンモニウムヒドロ
キシマンデル酸塩一水和物の13.8%縮合が示され
た。この溶液をスプレイドライし,1.51kgの白色
固体物を得た。この固体物を分析した結果、1分子の水
で結晶化された83%4−ヒドロキシマンデル酸アンモ
ニウム塩と1分子の水で結晶化された17%2−ヒドロ
キシマンデル酸アンモニウム塩とからなることが示され
た。グリオキシル酸をベースとするトータルの収率は,
99.0%であった。
【0044】前記メタノールは,通常の蒸留によりメタ
ノールフラクションから分離された。これにより13リ
ッターのマタノールが集められた。残渣は,重さが1.
6kgであり,HPLCでの分析の結果,1.4kgの
フェノールを含むことが判明した。残渣をカールフィッ
シャー分析した結果,水コンテントが13%であること
が測定された。
【0045】(実施例3)実施例2において得られた2
−ヒドロキシマンデル酸塩と4−ヒドロキシマンデル酸
塩との混合物1.51kgを6.88kgの水に溶解し
た。この溶液をカラムで溶離した。このカラムには,3
アルキルアミノ基で機能化され,樹脂リッター当たり
1.8等量アニオン交換サイトを含む3.5リッターの
粗い網状のアニオン交換樹脂が含まれていた。溶剤すべ
てを該カラムに通過させた後,該カラムを1.52kg
の7%アンモニアで洗浄し,すべての4−ヒドロキシマ
ンデル酸を脱着した。集めたフラクションを乾燥するま
で蒸発させ,水1分子で結晶化された4−ヒドロキシマ
ンデル酸アンモニウム塩1.24kgを得た。前記混合
物に存在の4−ヒドロキシマンデル酸をベースとした収
率は,99.7%であった。
【0046】5.04kgの5%NaOHを前記カラム
に通した。集めた溶液を強酸性カチオン交換樹脂に通し
た。このカチオン交換樹脂は,5.05等量酸交換サイ
トを含み,過剰の水酸化ナトリウムを吸着するものであ
る。前記溶液を乾燥するまで蒸発させ,水1分子で結晶
化された2−ヒドロキシマンデル酸ナトリウム塩を得
た。前記混合物に含まれた2−ヒドロキシマンデル酸を
ベースとする収率は,99.4%であった。
【0047】(実施例4)10リッターのアニオン交換
樹脂をカラムへ入れ,実施例2の水フラクションで覆っ
た。該アニオン交換樹脂は,トリアルキル,ヒドロキシ
アルキルアンモニウム基で機能化され,樹脂リッター当
たり1.8等量アニオン交換サイトをもつもであった。
樹脂ベッドを流動化し,実施例2からの1.73kgの
蒸留残渣と0.51kg(24.5モル)のフェノール
とを添加し,温度を65℃に調節した。樹脂ベッドを流
動化する一方,1.21kg(8.2モル)の50%グ
リオキシル酸溶液を水に20分にわたり添加した。この
反応混合物を6時間にわたり65℃に保った。反応完了
後直ちに水を静かに排出した。水フラクションを次の反
応のために残した。この水フラクションをHPLC分析
した結果,0.1kgのフェノールを含んでいることが
示された。12リッターのクロロフォルムを30分にわ
たり通し,HPLC分析のために別個に集めた。分析の
結果,1.5kgのフェノールを含むことが示された。
HCl溶液を60分にわたり通した。先ず最初に集めた
16.1kgの溶液を乾燥するまで注意深く蒸発させ,
温度を50℃以下に保ち,これにより1.16kgの白
色固体を得た。分析の結果,水1分子で結晶化された純
粋な4−ヒドロキシマンデル酸が示された。グリオキシ
ル酸をベースとする収率は,76.9%であった。
【0048】4.3kgの溶液の第2のフラクションを
集め,これを乾燥するまで注意深く蒸発させ,温度を3
5℃以下に保ち,これにより0.29kgのオイルを得
た。分析の結果,これは,98%2−ヒドロキシマンデ
ル酸水和物であることが示された。グリオキシル酸をベ
ースとする収率は,18.8%であった。
【0049】(実施例5)ヨーロッパ特許出願EP0,
556,084の実施例1を再現し,アミン及び過剰の
フェノールをなくし,マンデル酸をカリウム塩へコンバ
ートした後,281g(1.25モル)の2−ヒドロキ
シマンデル酸カリウム塩一水和物および45g(0.2
0モル)の4−ヒドロキシマンデル酸カリウム塩一水和
物を得た。
【0050】該溶液をカラムへ通した。このカラムに
は,ゲルタイプで,テトラアルキルアンモニウム基で機
能化され,樹脂リッター当たり1.6等量アニオン交換
サイトを有する0.95リッターのアニオン交換樹脂が
含まれていた。このカラムを水で洗浄し,集めた溶液を
強酸性カチオン交換体で中和した。集めたフラクション
を乾燥するまで蒸発させ,41.6kgの4−ヒドロキ
シマンデル酸カリウム塩一水和物を得た。その後,1.
33kgの8%カリウムメトキサイド溶液を前記カラム
に通し,集めた溶液を蒸発させ乾燥した。これによっ
て,溶剤フリーの257kgの2−ヒドロキシマンデル
酸カリウム塩を得た。
【0051】(実施例6)10リッターのアニオン交換
樹脂をカラムへ入れ,水で覆った。該アニオン交換樹脂
は,トリアルキルアミノ基で機能化され,樹脂リッター
当たり1.6等量アニオン交換サイトをもつもであっ
た。樹脂ベッドを流動化し,5.31kg(56.5モ
ル)のフェノールを添加し,温度を60℃に調節した。
【0052】樹脂ベッドを流動化する一方,1.39k
g(9.41モル)の50%グリオキシル酸溶液を水に
20分にわたり添加した。この反応混合物を6時間にわ
たり60℃に保った。反応完了後直ちに水を静かに排出
した。水フラクションを次の反応のために残した。この
水フラクションをHPLC分析した結果,0.4kgの
フェノールを含んでいることが示された。21リッター
の熱水(95℃)を45分にわたり通し,HPLC分析
のために別個に集めた。分析の結果,4.0kgのフェ
ノールを含むことが示された。8.5kgの7%NH2
Me・HCl溶液を60分にわたり通した。先ず最初に
集めた9.7kgの溶液を乾燥するまで蒸発乾燥し,
1.57kgの4−ヒドロキシマンデル酸メチルアンモ
ニウム塩一水和物を得た。グリオキシル酸をベースとす
る収率は,77%であった。
【0053】続いて前記カラムから集めた2.8kgの
溶液を蒸発乾燥し,0.44kgの2−ヒドロキシマン
デル酸メチルアンモニウム塩一水和物を得た。グリオキ
シル酸をベースとする収率は,21.6%であった。
【0054】マンデル酸のトータルの収率:98.66
【0055】(実施例7)10リッターのアニオン交換
樹脂をカラムへ入れ,水で覆った。該アニオン交換樹脂
は,粗い網状のもので,樹脂リッター当たり1.7等量
アニオン交換サイトを有し,その80%がトリアルキル
アミノ,20%がテトラアルキルアンモニウムのもので
あった。樹脂ベッドを流動化し,3.20kg(34.
0モル)のフェノールを添加し,温度を35℃に調節し
た。樹脂ベッドを流動化する一方,1.32kg(8.
95モル)の50%グリオキシル酸溶液を水に20分に
わたり添加した。この反応混合物を14時間にわたり3
5℃に保った。反応完了後直ちに水を静かに排出した。
水フラクションを次の反応のために残した。この水フラ
クションをHPLC分析した結果,0.3kgのフェノ
ールを含んでいることが示された。12リッターのアセ
トンを30分にわたり通し,HPLC分析のために別個
に集めた。分析の結果,2.1kgのフェノールを含む
ことが示された。15.0kgの5%NaOH溶液を6
0分にわたり通した。先ず最初に集めた14.9kgの
溶液を蒸発乾燥し,1.49kgの4−ヒドロキシマン
デル酸ナトリウム塩一水和物を得た。グリオキシル酸を
ベースとする収率は,80.3%であった。
【0056】続いて前記カラムから集めた3.5kgの
溶液を蒸発乾燥し,0.35kgの2−ヒドロキシマン
デル酸ナトリウム塩一水和物を得た。グリオキシル酸を
ベースとする収率は,18.9%であった。
【0057】マンデル酸のトータルの収率:99.2%
【0058】通常の蒸留手段により前記有機フラクショ
ンからアセトンを分離した。11リッターのアセトンを
得た。残渣は,2.2kgの重さであり,これをHPL
C分析した結果,2.0kgのフェノールが含まれてい
たことが示された。前記残渣のカールフィシャー分析に
よれば,水コンテントは,11%であった。
【0059】(実施例8)前記カラムに存在している実
施例7と同じ10リッターのアニオン交換樹脂を実施例
7の排水された水フラクションで覆った。樹脂ベッドを
流動化し,実施例7の蒸留残渣とトータルで0.9kg
(34.0モル)のフェノールとを添加した。温度を3
5℃に調節した。樹脂ベッドを流動化する一方,1.3
2kg(8.95モル)の50%グリオキシル酸溶液を
水に20分にわたり添加した。この反応混合物を14時
間にわたり35℃に保った。反応完了後直ちに実施例7
におけると同じ操作を行い,次のフラクションを得た:
【0060】・0.3kgのフェノールを含む水フラク
ション ・2.1kgのフェノールを含むアセトンフラクション ・1.50kgの4−ヒドロキシマンデル酸ナトリウム
塩一水和物 ・0.34kgの2−ヒドロキシマンデル酸ナトリウム
塩一水和物 グリオキシル酸をベースとする4−ヒドロキシマンデル
酸ナトリウム塩一水和物の収率は,80.9%であっ
た。 グリオキシル酸をベースとする2−ヒドロキシマンデル
酸ナトリウム塩一水和物の収率は,18.3%であっ
た。 マンデル酸のトータルの収率:99.2%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリオキシル酸とフェノールを縮合して
    2−及び4−ヒドロキシマンデル酸を調製する方法であ
    り,グリオキシル酸をフェノールと反応させ,その後ア
    ニオン交換樹脂を含むカラム内で該フェノール,前記2
    −及び4−ヒドロキシマンデル酸それぞれを溶離分離す
    る工程を行い,この工程では,先ず最初に過剰のフェノ
    ールを分離し,ついで,脱着剤に応じて酸又は塩の形態
    の4−ヒドロキシマンデル酸を分離し,最後に,脱着剤
    に応じて酸又は塩の形態の2−ヒドロキシマンデル酸を
    分離することを特徴とする2−及び4−ヒドロキシマン
    デル酸の調製方法。
  2. 【請求項2】 前記反応は,アニオン交換樹脂の存在の
    もとに行われることを特徴とする請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 前記反応は,アニオン交換樹脂が流動化
    されているカラム内で行われることを特徴とする請求項
    1又は請求項2による方法。
  4. 【請求項4】 前記フェノールは,前記グリオキシル酸
    に対し1.05から10等量過剰で使用され,好ましく
    は,1.1から6等量過剰で使用されることを特徴とす
    る前記請求項のいずれか一つによる方法。
  5. 【請求項5】 前記反応が10℃から95℃の温度で行
    われることを特徴とする前記請求項のいずれか一つによ
    る方法。
  6. 【請求項6】 前記反応が30℃から70℃の温度で行
    われることを特徴とする請求項5による方法。
  7. 【請求項7】 前記アニオン交換樹脂は,前記グリオキ
    シル酸の使用量に対しアニオン交換サイトが1〜5等量
    であることを特徴とする前記請求項のいずれか一つによ
    る方法。
  8. 【請求項8】 前記アニオン交換樹脂が所有するアニオ
    ン交換サイトの数が前記混合物中に存在する2−ヒドロ
    キシマンデル酸のモル数に等しく,前記混合物に存在す
    るヒドロキシマンデル酸のトータルのモル数の2.5倍
    に達するものであることを特徴とする前記請求項のいず
    れか一つによる方法。
  9. 【請求項9】 前記アニオン交換樹脂が一つのタイプ又
    はいくつかのタイプの官能基を備え,該官能基は,例え
    ば,R1,R2,R3,R4,R5及びR6がおそらく同じであるか又は
    同じではなく,かつ,水素又はアルキル,ヒドロキシア
    ルキル,ベンジル,アリル又は置換アリルを表すとき,
    NR1R2R3 ,N+R1R2R3R4 ,R1R2NNR3R4,R1R2NN+R3R4R5,R1R
    2NC(NR5)NR3R4,[R1R2NC(NR5R6)NR3R4]+,窒素を含むR1
    〜R6置換C2〜C9 複素環式基又は窒素を含むR1〜R6 置換
    C2〜C9 パーハイドロ複素環式基であることを特徴とす
    る前記請求項のいずれか一つによる方法。
  10. 【請求項10】 前記フェノールは,余剰分が溶離剤に
    より前記樹脂から選択的に溶離されることを特徴とする
    前記請求項のいずれか一つによる方法。
  11. 【請求項11】 前記溶離剤は,温水又は熱水,スチー
    ム,水混和性溶剤又は水不混和性溶剤であることを特徴
    とする請求項10による方法。
  12. 【請求項12】 前記水混和性溶剤は,メタノール,エ
    タノール,エチレングリコール,プロパノール,C3〜C6
    アルコール,アセトン.メチルエチルケトン,アセト
    ニトリル,プロプリオニトリル,ジメチルスルフォキサ
    イド,ホルムアミド,ジメチルホルムアミド又はそれら
    の二種又は幾つか又はすべての混合物であることを特徴
    とする請求項10による方法。
  13. 【請求項13】 前記水不混和性溶剤は,メチル蟻酸
    塩,エチル蟻酸塩,酢酸メチル,酢酸エチル,C4〜C8
    エステル,ジエチルエーテル,第三級ブチルメチルエー
    テル,イソプロピルエーテル,C4〜C8 エーテル,C4〜C
    6 ケトン,ジクロロメタン,クロロフォルム,ジクロロ
    エタン,クロロベンゼン又は他の塩素化溶剤,又はペン
    タン,ヘキサン,シクロヘキサン,トルエン,又は他の
    炭化水素,又はそれらの二種又は幾つか又はすべての混
    合物であることを特徴とする請求項10による方法。
  14. 【請求項14】 前記樹脂のヒドロキシマンデル酸類
    は,酸,塩基又は塩溶液により溶離されることを特徴と
    する前記請求項のいずれか一つによる方法。
  15. 【請求項15】 前記酸は,塩化水素酸,硫酸,H2CO3,
    二酸化炭素,スルファミン酸,燐酸,ホウ酸,硝酸,蟻
    酸,酢酸,クロロ酢酸,プロピオン酸,メタノスルフォ
    ン酸,ベンゼンスルフォン酸,p−トルエンスルフォン
    酸,C1〜C14有機酸又はそれらの混合物であることを特
    徴とする請求項14による方法。
  16. 【請求項16】 前記塩基は,水酸化ナトリウム,水酸
    化カリウム,水酸化リチウム,アンモニア,ヒドラジ
    ン,水酸化カルシウム,メチルアミン,テトラエチル水
    酸化アンモニウム,C2〜C18アミン,C4〜C18水酸化アン
    モニウム,ナトリウムメトキシド,カリウムメトキシ
    ド,C1〜C4 有機塩基又はそれらの混合物であることを
    特徴とする請求項14による方法。
  17. 【請求項17】 前記塩は,二炭酸ナトリウム,二炭酸
    カリウム,二炭酸アンモニウム,炭酸ナトリウム,炭酸
    カリウム,炭酸アンモニウム,又は請求項15の酸類と
    請求項16の塩基類とにより形成された塩であることを
    特徴とする請求項14による方法。
  18. 【請求項18】 前記溶液は,水をベースとする溶液又
    は溶剤をベースとする溶液であることを特徴とする請求
    項11から請求項13の一つによる方法。
  19. 【請求項19】 前記2−ヒドロキシマンデル酸および
    4−ヒドロキシマンデル酸は,選択的溶離により分離さ
    れることを特徴とする前記請求項のいずれか一つによる
    方法。
  20. 【請求項20】 前記4−ヒドロキシマンデル酸および
    2−ヒドロキシマンデル酸は,溶離剤を用いて連続的に
    溶離されることを特徴とする前記請求項のいずれか一つ
    による方法。
  21. 【請求項21】 前記2−ヒドロキシマンデル酸および
    4−ヒドロキシマンデル酸は,二つの異なる溶離剤を用
    いて選択的に溶離されることを特徴とする請求項1から
    請求項19による方法。
  22. 【請求項22】 前記2−ヒドロキシマンデル酸および
    4−ヒドロキシマンデル酸は,ナトリウム,カリウム,
    リチウム,アンモニウム,メチルアンモニウム,テトラ
    メチルアンモニウム,C2〜C18アンモニウム,エチレン
    ジアミン,マグネシウム,カルシウム,II族金属カチオ
    ン塩の形態における塩の形態で生じるものであることを
    特徴とする前記請求項のいずれか一つによる方法。
  23. 【請求項23】 前記2−ヒドロキシマンデル酸および
    4−ヒドロキシマンデル酸の分離は,流動床技術をシュ
    ミレートした手段により行われることを特徴とする前記
    請求項のいずれか一つによる方法。
JP26216299A 1998-09-15 1999-09-16 2−及び4−ヒドロキシマンデル酸の調製方法 Expired - Fee Related JP4416877B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NL1010090 1998-09-15
NL1010090A NL1010090C2 (nl) 1998-09-15 1998-09-15 Werkwijze voor de bereiding van 2- en 4-hydroxyamandelzuur.

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000109447A true JP2000109447A (ja) 2000-04-18
JP4416877B2 JP4416877B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=19767815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26216299A Expired - Fee Related JP4416877B2 (ja) 1998-09-15 1999-09-16 2−及び4−ヒドロキシマンデル酸の調製方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US6359172B1 (ja)
EP (1) EP0987245B1 (ja)
JP (1) JP4416877B2 (ja)
AT (1) ATE214359T1 (ja)
DE (1) DE69901015T2 (ja)
ES (1) ES2174570T3 (ja)
IL (1) IL131770A (ja)
IN (1) IN189269B (ja)
NL (1) NL1010090C2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200514826A (en) * 2003-09-19 2005-05-01 Kyung In Synthetic Corp Alpha-hydroxy-benzeneacetic acid derivatives, and compounds having two 5-membered lactone rings fused to central cyclohexa-1, 4-diene nucleus using the same, and uses of the compounds
FR2901553B1 (fr) * 2006-05-24 2011-08-26 Clariant Specialty Fine Chem F Complexes metalliques comprenant un ligand derive d'acide 2-aryl-2-hydroxyacetique et un cation metallique divalent ou trivalent, et leur utilisation
FR2931476B1 (fr) * 2008-05-22 2012-12-28 Rhodia Operations Procede de separation d'un compose phenolique sous forme solifiee
FR2950886B1 (fr) * 2009-10-02 2011-10-28 Rhodia Operations Procede de separation de composes phenoliques sous forme salifiee
FR3013351B1 (fr) 2013-11-15 2016-01-01 Rhodia Operations Procede de preparation de compose aromatique mandelique et de compose aldehyde aromatique
CN108911970A (zh) * 2018-05-25 2018-11-30 江苏道博化工有限公司 一种扁桃酸的制备方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB868926A (en) * 1956-06-28 1961-05-25 Benckiser Gmbh Joh A A method for the purification and concentration of carboxylic acids
SE441524B (sv) * 1978-05-19 1985-10-14 Ici Ltd Fast natrium- eller kalium-p-hydroximandelat-monohydrat och sett for dess framstellning
WO1981000404A1 (en) * 1979-08-09 1981-02-19 Beecham Group Ltd Process for the isolation of a solid salt of p-hydroxy-mandelic acid;some salts of p-hydroxymandelic acid
FR2638740B1 (fr) * 1988-11-08 1991-07-12 Hoechst France Nouveau procede de fabrication industrielle du parahydroxymandelate de sodium
EP0377430A1 (de) * 1989-01-05 1990-07-11 Jungbunzlauer Aktiengesellschaft Verfahren zur Abtrennung von Säuren aus salz- und kohlenhydrathaltigen Substraten
GB9121656D0 (en) * 1991-10-11 1991-11-27 Ici Plc Chemical process
FR2687143B1 (fr) * 1992-02-12 1995-06-23 Hoechst France Procede d'obtention de l'acide orthohydroxymandelique et de ses sels.
KR950005766B1 (ko) * 1992-03-05 1995-05-30 한국화약주식회사 4-히드록시 만델산의 제조방법
NL9202248A (nl) * 1992-12-23 1994-07-18 Univ Delft Tech Werkwijze voor het scheiden van de ortho- en para-isomeer van hydroxyamandelzuur of een zout daarvan, de volgens deze werkwijze verkregen ortho- en para-isomeer van hydroxyamandelzuur, alsmede de toepassing van de ortho-isomeer in de bereiding van EDDHA.
KR950005766A (ko) * 1993-08-21 1995-03-20 한무용 경량세라믹 판넬 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
DE69901015D1 (de) 2002-04-18
IL131770A0 (en) 2001-03-19
ES2174570T3 (es) 2002-11-01
IL131770A (en) 2006-12-10
EP0987245B1 (en) 2002-03-13
ATE214359T1 (de) 2002-03-15
IN189269B (ja) 2003-01-25
EP0987245A1 (en) 2000-03-22
US6359172B1 (en) 2002-03-19
DE69901015T2 (de) 2002-11-07
NL1010090C2 (nl) 2000-03-17
JP4416877B2 (ja) 2010-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2004002924A1 (en) Preparation of chiral amino-nitriles
US20110207928A1 (en) Purification method for adefovir dipivoxil
JP7274000B2 (ja) ペラミビル三水和物の新規な製造方法及びその水系乾燥
JP4416877B2 (ja) 2−及び4−ヒドロキシマンデル酸の調製方法
EP2820028A1 (en) A process for preparing pure citicoline (cdp-choline)
CN110423219B (zh) 一种四氢异喹啉类化合物拆分的方法
JPH0645626B2 (ja) セフタジジムの回収方法
NL8304395A (nl) Werkwijze voor de bereiding van n-methylmoranoline.
JP3165775B2 (ja) フッ素放射性同位元素標識l−ドーパの製造方法
US20090137842A1 (en) Pregabalin -4-eliminate, pregabalin 5-eliminate, their use as reference marker and standard, and method to produce pregabalin containing low levels thereof
CN109836424B (zh) 一种环保型茶碱钠盐甲基化制备咖啡因的方法
US3813434A (en) Preparation of pure glycine
JP3382297B2 (ja) 高純度デフェロキサミン塩の製造法
JP2006516148A (ja) 極性の、好ましくは水性の溶媒から2−ケト−l−グロン酸(kga)を抽出する方法
JP2008510717A (ja) レボルファノールおよび関連化合物の製造方法
JPS628118B2 (ja)
JP2649262B2 (ja) 水溶性アルキルアミン又はアルケニルアミン化合物の製造法
JP4519564B2 (ja) 1−アミノシクロプロパンカルボン酸の精製方法及び製造方法
JPS6011720B2 (ja) シクロシチジントシレ−トの製法
US20050187295A1 (en) Processes for the preparation of gabapentin
JP3924027B2 (ja) オルソヒドロキシマンデル酸ナトリウム/フエノール/水錯体、その製造法及びオルソヒドロキシマンデル酸ナトリウムの分離のための使用
JP3134035B2 (ja) フッ素放射性同位元素標識化合物合成用中間体およびその製造方法
JPH0791252B2 (ja) 7‐ジメチルアミノ‐6‐デメチル‐6‐デオキシテトラサイクリンの製造法
JP3523659B2 (ja) 2−アルキル−4−ハロゲノ−5−ホルミルイミダゾールの単離方法
JP2023077019A (ja) Z-α-メトキシイミノ-2-フラン酢酸アンモニウム塩の精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees