JP2008510717A - レボルファノールおよび関連化合物の製造方法 - Google Patents

レボルファノールおよび関連化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

従来法と比較したとき、より高い純度と収率を伴うモルフィナン類の製造方法が記載されている。特に、その方法は、高収率であり、かつ数種のプロセス不純物を実質的に含まない、レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の製造に使用し得る。

Description

関連出願への相互参照
本願は、2004年8月17日に出願された米国仮出願番号60/602,195への優先権を主張し、その内容を全体的に本明細書に援用する。
発明の背景
レボルファノール(CAS No.:77−07−6)およびレボルファノール酒石酸塩(CAS No.:125−72−4)は、モルフィナン類として知られる化合物のクラスに属する周知の麻薬製オピオイド鎮痛薬である。これらの化合物の構造を次に示す。
Figure 2008510717
レボルファノールおよびレボルファノール酒石酸塩は、従来、3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩から製造された。3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩を、水性臭化水素酸と反応させてメトキシ基をヒドロキシルで置き換える。3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩を水酸化アンモニウムで中和し、粗製レボルファノールを形成する。形成された粗製レボルファノールは、無水レボルファノールに変換できるか、または、水性酒石酸と反応させてレボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物(CAS No.:5985−38−6)を形成させることができる。
従来の製造方法を用いる多くの挑戦の1つは、不純物の存在を最小化または排除するためのものである。レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物は薬物として指定されているので、最低レベルの不純物を含有する形態でそれらを製造する必要がある。
従って、当分野では、レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の合成に使用される従来法により産生される望まざる不純物を低減または排除する新しい方法を開発する必要がある。
発明の要旨
本発明のある態様は、モルフィナン類および構造的に関連する化合物の合成方法を対象とする。
本発明の他の態様は、レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩またはレボルファノール酒石酸塩二水和物の産生方法の改良を対象とする。
本発明のまた他の態様は、レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩またはレボルファノール酒石酸塩二水和物からの不純物の除去方法を対象とする。
本発明のさらなる態様は、不純物の量が低減されたレボルファノール、レボルファノール酒石酸塩またはレボルファノール酒石酸塩二水和物を対象とする。
本発明の他の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の製造の従来法を示す。
図2は、本発明によるレボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の製造方法を示す。
詳細な説明
従来のレボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の製造方法は、3−メトキシ−N−メチルモルフィナンで出発する。3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩を、50%より少ないHBrを含有する水性HBr溶液と反応させる。この反応は、3−メトキシ基を3−ヒドロキシ基で置き換え、HBrの溶液中にレボルファノールを産生する。NHOHを使用してこの溶液を中和し、クロロホルムとイソプロパノールの混合物で抽出する。最後にレボルファノールが有機層中に存在し、抽出できる。レボルファノール酒石酸塩が望ましいならば、粗製の固体状レボルファノールをイソプロパノールに溶解し、酒石酸を添加する。66%水性イソプロパノールからのレボルファノール酒石酸塩の結晶化は、レボルファノール酒石酸塩二水和物をもたらす。
従来法のある大問題は、レボルファノール酒石酸塩二水和物の収率が低い(60%より低い)ことである。故に、従来法は、第1回収物の母液からも生成物を回収した。第2回収物の生成物を析出させ、単離し、第1回収物の結晶と合わせ、再結晶し、最終生成物を得る(図1)。
もう1つの大問題は、従来法が、数種の望まざる不純物を含有する最終生成物を産生することであった。一旦これらの不純物が従来の合成方法で生成されると、それらは、最終生成物に組み込まれる。標準的な再結晶法は、これらの不純物を最終生成物から除去しない。
まとめると、従来法は、低い収率であり、かつ、望まざる不純物を含む生成物を産生する。
本発明による方法は、クロマトグラフィーによる純度およびアッセイにより評価される通り、より高品質な生成物を産生する。さらに、本発明の2段階の結晶化は、2−ブロモレボルファノール(bomolevorphanol)および10−ケトレボルファノールを含む数種の製造工程由来不純物を効果的に除去する。最後に、水溶性アミン塩基での連続的抽出を含む本発明による方法は、生成物の収率を改善する。換言すれば、本発明の方法は、より純粋な生成物をより高い収率で産生する。
本発明による方法の一例は、ハロゲン酸の水性溶液中の3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩の混合物で出発し、3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩を形成させる。例には、HF、HCl、HBrおよびHIが含まれる。水中の酸の濃度は、5%ないし95%、好ましくは25%ないし75%、最も好ましくは約50%の範囲で変動できる。好ましい実施態様では、48%HBrを使用する。
場合により、混合物を好ましくは還流に加熱し、その後、好ましくは室温より低い温度に、より好ましくは約20℃の温度に冷却する。水、アミン塩基、好ましくは水酸化アンモニウム、ハロゲン化溶媒、好ましくはクロロホルム、および低級アルコール、好ましくはイソプロパノールの混合物を合わせ、得られる混合物を2層に安定させる。アミン塩基溶液、好ましくは水中の水酸化アンモニウムによる有機層の抽出後、低級アルコール、好ましくはイソプロパノールを合わせ、得られる混合物を好ましくは加熱する。
本発明のある実施態様では、本方法は、水溶性アミン塩基、好ましくは水酸化アンモニウムによる1回より多い有機層の連続的抽出を含み、収量を増加させる。有機層の抽出は、過剰の臭化物イオンを有機層から除去する。好ましい実施態様では、2ないし5回、より好ましくは、3または4回、最も好ましくは4回、有機層を水溶性アミン塩基で抽出する。
酒石酸の溶液を添加し、レボルファノール酒石酸塩を晶出させる。溶液を、好ましくは加熱し、より好ましくは、約35℃ないし約65℃、最も好ましくは約40℃ないし50℃の温度に加熱する。ある実施態様では、レボルファノール酒石酸塩の結晶化は、水性−有機性溶媒の混合物中で起こる。本発明の実施態様は、約80%ないし約100%の水性イソプロパノール、好ましくは85%ないし98%の水性イソプロパノール、より好ましくは約88%ないし約95%の水性イソプロパノール、最も好ましくは約95%の水性イソプロパノールの溶媒混合物を使用する。他の実施態様では、この結晶化の生成物は、実質的に無水の、好ましくは完全に無水の、レボルファノール酒石酸塩結晶である。
所望の生成物がレボルファノール酒石酸塩二水和物である場合、レボルファノール酒石酸塩の結晶を水和させる。本発明のある実施態様では、レボルファノール酒石酸塩の湿ったケーキを、水和反応の前に乾燥させる。レボルファノール酒石酸塩は、オーブン中で結晶に空気を流すことにより、または、固体から溶媒を除去するために知られている任意の他の技法により、乾燥し得る。レボルファノール酒石酸塩を水和させるには、水を含有する溶媒にそれを懸濁する。得られる混合物を、好ましくは50℃ないし約110℃、より好ましくは約65℃ないし約95℃、最も好ましくは約80℃の温度範囲に加熱し、レボルファノール酒石酸塩を溶解する。好ましい実施態様では、溶液に活性炭を添加し、約5分間ないし約60分間、好ましくは約15分間ないし約45分間の時間にわたり撹拌する。混合物を、好ましくは30℃ないし約75℃、より好ましくは約45℃ないし約65℃、最も好ましくは約60℃の温度範囲に冷却する。好ましい実施態様では、混合物を、好ましくは−10℃ないし約25℃、より好ましくは約−5℃ないし約15℃、最も好ましくは約0℃ないし5℃の温度範囲の2回目の冷却に付す。得られるレボルファノール酒石酸塩二水和物の結晶を乾燥し得る(図2)。
産生された生成物を、X線回折(XRD)、顕微鏡(MICR)、走査型電子顕微鏡(SEM)、赤外線(IR)、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)および粒径分析(PTSZ)を含む様々な技法を使用して分析した。これらの技法の全ては、本発明により産生された生成物の形態が、従来法により産生されたものと類似していることを示す。
アセトニトリル、アセトンおよび他の水溶性ケトン類、水溶性アルコール類、THFおよび他の水溶性エーテル類、ジグリムおよび他のグリム類、およびこれらの混合物を含むいかなる水溶性有機溶媒も、レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩またはレボルファノール酒石酸塩二水和物の結晶化に使用し得る。適するアルコール類の例には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ−ブチルアルコール、第三級ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、イソ−ペンチルアルコールおよびネオ−ペンチルアルコールが含まれる。好ましくは、アルコールは水溶液として使用され、その中でアルコールの濃度は80%(w/w)より高い。無水形態からのレボルファノール酒石酸塩二水和物の再結晶は、好ましくは水中で行われる。しかしながら、他の溶媒または溶媒混合物を、それらが所望の純度、収率および水和度を有する生成物を与える限り、使用し得る。例えば、約75%またはそれより低いアルコール濃度の水とアルコールの混合物を、レボルファノール酒石酸塩二水和物の結晶化に使用し得る。
本発明の方法を使用して、いかなるモルフィナンまたは構造的に関連するクラスの化合物をも産生し得る。好ましくは、本方法を使用して、以下の化合物の少なくとも1種を産生する:レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩またはレボルファノール酒石酸塩二水和物。最も好ましくは、本方法を使用して、レボルファノール酒石酸塩二水和物を産生する。
実施例1:レボルファノール酒石酸塩二水和物の産生
フラスコに固体の3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩(52.0g)を入れた。この固体に、水性48%HBr(2.91g/g、151g)を添加した。混合物を、蒸気空間の継続的な窒素パージ下で、2.5時間還流(約125℃)に加熱した。次いで、反応を20℃に冷却し、温度を20℃ないし30℃に維持する速度で、水(1.71g/g、88.9g)、水酸化アンモニウム(30%、1.12g/g、58.2g)、クロロホルム(3.81g/g、198g)およびイソプロパノール(0.66g/g、34g)の混合物に添加した。一旦添加が完了したら、混合物を15分間撹拌した。混合物を2層に分離させた。
有機層(下層)を、NHOH(5.23M、1.37g/g、71.2ml)の溶液で2回抽出した。次いで、得られた有機層にイソプロパノールを添加して熱伝導を容易にし、固体のレボルファノールがリアクター中で形成されるのを防いだ。蒸留中にさらなるイソプロパノールを添加し、溶液を維持し、溶媒交換を容易にした。溶液の温度がイソプロパノールの沸点(約82.2℃)と等しくなるまで混合物を蒸留した。溶液を冷却し、HPLCでレボルファノールについてアッセイした。レボルファノールの標的濃度は、8.27%w/wであった。さらなるイソプロパノールをこの濃度まで添加するか、または、レボルファノールの量が8.27%w/wより多くなるまでさらに蒸留した。一旦この量に達したら、混合物の温度を60℃にした。
酒石酸(0.427g/g、22.2g)と水(0.427g/g、22.2g)から50%酒石酸溶液を調製し、約40℃ないし約50℃の温度まで温めた。温かい酒石酸溶液をレボルファノール/イソプロパノール混合物に添加した。添加完了後、混合物を約15分間撹拌し、次いで75℃に加熱し、この温度で約30ないし約60分間保持する。
レボルファノール酒石酸塩の結晶化は、温かい水性酒石酸溶液を添加してから数分以内に始まり、結晶化反応は、僅かに発熱性であった。混合物を約60℃の温度に数分間保持し、結晶化が始まる間に温かい混合物が還流するのを防いだ。0℃ないし5℃に冷却し、短くとも60分間この範囲に保持すると、結晶化過程が完了した。結晶を濾過し、約1ないし約2時間濾紙上で乾燥させた。
産生された結晶は、水を含有することがある。本発明の好ましい実施態様では、レボルファノール酒石酸塩の結晶は、水を含有しない。結晶が乾燥していなければ、生成物の総合的収率が悪くなる。
固体の無水レボルファノール酒石酸塩(60.1g)を水(2.25g/g、135g)に懸濁した。得られる混合物を窒素下で約80℃に加熱した。それは、レボルファノール酒石酸塩の溶解をもたらした。炭(20g/kg、1.2g)および濾過助剤(10g/kg、0.6g)を熱い溶液に添加し、約25分間撹拌し、窒素下で別のフラスコに濾過し、30分間にわたり約60℃に冷却した。これらの条件下で、レボルファノール酒石酸塩二水和物の結晶化が起こった。溶液をさらに0℃ないし5℃に冷却し、そこで短くとも60分間保持した。真空濾過により結晶を集め、水(0.25g/g、15g、5℃より低い)ですすぎ、50℃で終夜乾燥させた。
レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の精製における重要な段階は、95%(w/w)水性イソプロパノールからの再結晶であるが、十分に高い濃度のいかなるアルコールも使用し得る。上記で産生される粗製レボルファノール酒石酸塩二水和物を、好ましくは、95%(w/w)水性イソプロパノールに溶解するが、有機成分が80%(w/w)より多い量で存在するいかなる水性−有機溶媒混合物も使用し得る。得られる固体は、レボルファノール酒石酸塩の無水塩であり、それを単離し、さらに加工できる。
好ましい実施態様では、無水レボルファノール酒石酸塩を、その後、それを熱水に溶解し、続いて約1℃ないし5℃に冷却して2度目の再結晶を行うことにより、二水和物の塩に水和させる。レボルファノール酒石酸塩二水和物を熱い95%(w/w)水性イソプロパノールに溶解する。ほぼ無水のレボルファノール酒石酸塩の結晶が沈殿した。結晶を濾過により集め、水から再結晶し、レボルファノール酒石酸塩二水和物を生成させた。無水アッセイ(HPLC試験)は100.7%であり、クロマトグラフィー的純度は99.75%であった。10−ケトレボルファノールおよび2−ブロモレボルファノールの面積パーセントは、各々0.06%および0.05%であった。
実施例2:過剰の臭化物イオンの除去
臭化物イオン(Br)の物質収支解析を実行し、合成過程におけるその運命を決定した。従来法および本発明による方法の両方で、水酸化アンモニウムを使用した。その目的はHBrと反応させてNHBrを産生することであった。それは、水層に残存すると予想される。対照的に、レボルファノールは、塩基形態で有機層中にあると予想される。
レボルファノールはHBrおよびNHBrと反応してレボルファノール臭化水素酸塩を形成し、それは水溶性であることが見出された。故に、臭化物イオンが有機層にある場合、それらはレボルファノールと反応してレボルファノール臭化水素酸塩を形成するであろう。結果として、総合的な反応の収率は低下するであろう。
Figure 2008510717
この仮説を試験するために、水、水酸化アンモニウム、クロロホルムおよびイソプロパノールの混合物の添加に由来する水層を分析し、その中に約84%のBrが含有されること、一方、有機層は約16%のBrを有することを見出した。この臭化物アッセイは、レボルファノール臭化水素酸塩が有機層に可溶であることを明確に確立した。HBrの中和直前のレボルファノールに対するモル比は、6.07:1であった。このBrの16%が有機層中にあるので、有機層中のBrのレボルファノールに対するモル比は、0.971:1であった。換言すれば、存在するレボルファノールに対して、ほぼ完全に当量のBrが存在した。レボルファノール臭化水素酸塩は水性イソプロパノールに可溶であるので、そしてほぼ完全に当量のBrが有機層中にあるので、有意な有機層の臭化物イオン汚染は、レボルファノール酒石酸塩のより低い収率を導いた。
水性NHOHで2回抽出した物質収支実験の有機層は、Brの95%を含有した。3回目の抽出の後、合わせた水相は、Brの97%を含有した。有機層のBr含有量を減らし、無水レボルファノール酒石酸塩の収率を改善するためには、有機層の複数回の抽出が必要とされることが明らかであった。これは、後の実験で確認された。その実験では、レボルファノール反応混合物(48%HBr中のレボルファノール)の一部を記載の通りに後処理(即ち、2回のNHOH洗浄)し、溶媒交換を達成する前にさらに2回の水性NHOH抽出を有機層に実施したレボルファノール反応混合物の他の部分と比較した。さらなるNHOH抽出を行った第2の部分は、第1の部分(88%)と比較して、より高い無水レボルファノール酒石酸塩の収率(91%)であった。
実施例3:プロセスの不純物の同定と単離
レボルファノール酒石酸塩のバッチの調査は、0.1%(w/w)より高いレベルの不純物を明らかにした。不純物を分析し、レボルファノールの第四級メチルアンモニウム塩であると判明した。この塩は、後処理の際にレボルファノールとの反応の副生成物として産生される臭化メチルのいくらかとの反応に起因する。
Figure 2008510717
いくらかのレベルの第四級塩汚染物質を有するレボルファノール酒石酸塩のバッチを、2−ブロモレボルファノールおよび10−ケトレボルファノールの除去のために開発された2重結晶化操作(最初にイソプロパノールを、続いて水を使用する)に従い再処理した。この操作も、生成物の第四級塩のレベルを下げると判明した。2重再結晶操作後の生成物のクロマトグラフィー的純度は、99.68%ないし99.75%の範囲にあった。これは、全ての既知の不純物がそれらの限界よりはるかに低い、優れた品質の物質であった。加えて、2種の最も望まざる不純物、2−ブロモレボルファノールおよび10−ケトレボルファノールは、生成物中に検出されなかった。
本願の方法により産生される生成物は、従来法により産生される生成物と同じ結晶形を有し、それより高い純度である。換言すれば、新方法は、より効率的かつ強力な(robust)処理により、優れたレボルファノール酒石酸塩二水和物を産生した。さらに、記載した通りの2重結晶化操作は、10−ケトレボルファノール、2−ブロモレボルファノールおよびN−メチルレボルファノール第四級塩を除去するのに有用である。
特定の実施態様を使用して本発明を上記で説明したが、これらの説明および実施例は、本発明の構造的および機能的原理を例示説明することを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。それとは逆に、本発明は、全ての改変、変更および置き換えを包含することを意図している。
図1は、レボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の製造の従来法を示す。 図2は、本発明によるレボルファノール、レボルファノール酒石酸塩およびレボルファノール酒石酸塩二水和物の製造方法を示す。

Claims (28)

  1. 水性−有機溶媒混合物中にモルフィナンの水和した塩を溶解すること(ここで、水性−有機溶媒の混合物中の有機溶媒は、約85%(w/w)ないし約100%(w/w)の濃度である)および、
    モルフィナンを結晶化すること(ここで、モルフィナンは実質的に無水である)、
    を含む、モルフィナンまたはその塩の精製方法。
  2. 該有機溶媒が約85%(w/w)ないし約98%(w/w)の濃度である、請求項1に記載の方法。
  3. 該有機溶媒が約88%(w/w)ないし約95%(w/w)の濃度である、請求項2に記載の方法。
  4. 該有機溶媒が約95%(w/w)の濃度である、請求項3に記載の方法。
  5. 該有機溶媒が、水溶性ニトリル、水溶性ケトン、水溶性アルコール、水溶性エーテル、グリムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 該水溶性ニトリルがアセトニトリルである、請求項5に記載の方法。
  7. 該水溶性ケトンがアセトンである、請求項5に記載の方法。
  8. 該水溶性アルコールが、メチルアルコール、エチルアルコールおよびイソ−プロピルアルコールの少なくとも1つから選択される、請求項5に記載の方法。
  9. 該水溶性アルコールがイソ−プロピルアルコールである、請求項8に記載の方法。
  10. 該水溶性エーテルがTHFである、請求項5に記載の方法。
  11. 該水溶性グリムがジグリムである、請求項5に記載の方法。
  12. 該モルフィナンがレボルファノールまたはレボルファノール酒石酸塩である、請求項1に記載の方法。
  13. 該モルフィナンの水和した塩が、レボルファノール二水和物またはレボルファノール酒石酸塩二水和物である、請求項1に記載の方法。
  14. 実質的に無水のモルフィナンを水に溶解すること、および、
    該モルフィナンの水和した塩を結晶化すること、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 該実質的に無水のモルフィナンを、水に溶解する前に乾燥させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. レボルファノール酒石酸塩二水和物を約95%(w/w)のイソ−プロピルアルコールに溶解すること、
    無水レボルファノール酒石酸塩を結晶化すること;
    無水レボルファノール酒石酸塩を水に溶解すること;および、
    レボルファノール酒石酸塩二水和物を結晶化すること、
    を含む、レボルファノール酒石酸塩二水和物の精製方法。
  17. 粗製のレボルファノール酒石酸塩二水和物を、約95%(w/w)のイソ−プロピルアルコールに溶解すること、
    無水レボルファノール酒石酸塩を結晶化すること;
    無水レボルファノール酒石酸塩を水に溶解すること;および、
    レボルファノール酒石酸塩二水和物を結晶化すること、
    により産生される、レボルファノール酒石酸塩二水和物。
  18. 2−ブロモレボルファノールを実質的に含まない、請求項17に記載のレボルファノール酒石酸塩二水和物。
  19. 10−ケトレボルファノールを実質的に含まない、請求項17に記載のレボルファノール酒石酸塩二水和物。
  20. レボルファノールの第四級メチルアンモニウム塩を実質的に含まない、請求項17に記載のレボルファノール酒石酸塩二水和物。
  21. 3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩を、水性臭化水素酸と反応させ、水性レボルファノール臭化水素酸塩を産生すること;
    レボルファノール臭化水素酸塩を、水酸化アンモニウム、クロロホルム、イソプロパノールおよび水を含む混合物で中和し、水層および、レボルファノールおよびレボルファノール臭化水素酸塩の有機層を形成させること;
    有機層を水溶性アミン塩基で少なくとも2回抽出すること;
    レボルファノールを単離すること、
    を含む、レボルファノールの合成方法。
  22. 該有機層の抽出が過剰の臭化物イオンを有機層から除去する、請求項21に記載の方法。
  23. 水溶性アミン塩基が水酸化アンモニウムを含む、請求項21に記載の方法。
  24. 有機層を水溶性アミン塩基で2回ないし5回抽出する、請求項21に記載の方法。
  25. 有機層を水溶性アミン塩基で3回または4回抽出する、請求項24に記載の方法。
  26. 有機層を水溶性アミン塩基で4回抽出する、請求項25に記載の方法。
  27. 3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩を、水性臭化水素酸と反応させ、水性レボルファノール臭化水素酸塩を産生すること;
    レボルファノール臭化水素酸塩を、水酸化アンモニウム、クロロホルム、イソプロパノールおよび水を含む混合物で中和し、水層および、レボルファノールおよびレボルファノール臭化水素酸塩の有機層を形成させること;
    該有機層を水溶性アミン塩基で少なくとも2回抽出すること;
    レボルファノール酒石酸塩を単離すること;および、
    レボルファノール酒石酸塩を、水性−有機溶媒の混合物から結晶化すること(ここで、水性−有機溶媒の混合物中の有機溶媒は、約85%ないし約100%の水性有機溶媒の濃度である)、
    を含む、レボルファノール酒石酸塩の合成方法。
  28. 3−メトキシ−N−メチルモルフィナン臭化水素酸塩を、水性臭化水素酸と反応させ、水性レボルファノール臭化水素酸塩を産生すること;
    レボルファノール臭化水素酸塩を、水酸化アンモニウム、クロロホルム、イソプロパノールおよび水を含む混合物で中和し、水層および、レボルファノールおよびレボルファノール臭化水素酸塩の有機層を形成させること;
    該有機層を水溶性アミン塩基で少なくとも2回抽出すること;
    レボルファノール酒石酸塩を単離すること;および、
    レボルファノール酒石酸塩を、水性-有機溶媒の混合物から結晶化すること(ここで、水性−有機溶媒の混合物中の有機溶媒は、約85%ないし約100%の水性有機溶媒の濃度である)、
    無水レボルファノール酒石酸塩を単離すること;および、
    レボルファノール酒石酸塩二水和物を水性溶媒から結晶化すること、
    を含む、レボルファノール酒石酸塩二水和物の合成方法。
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