JP2000108865A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JP2000108865A
JP2000108865A JP10294503A JP29450398A JP2000108865A JP 2000108865 A JP2000108865 A JP 2000108865A JP 10294503 A JP10294503 A JP 10294503A JP 29450398 A JP29450398 A JP 29450398A JP 2000108865 A JP2000108865 A JP 2000108865A
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brake
braking
braking force
emergency
brake pedal
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Toshio Takayama
利男 高山
Masaru Sakuma
賢 佐久間
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急時に十分にブレーキペダルを踏み込めな
い場合においても、自動ブレーキ機能を十分に発揮させ
ることができるブレーキ装置を提供する。 【解決手段】 自動ブレーキ手段13,38が、緊急ブ
レーキ操作検知手段12,37が緊急操作状態を検知し
たときには、通常ブレーキ手段13によって発生させら
れる制動力よりも大きな制動力を予め定められた所定時
間、制動力発生手段14,23〜26に発生させること
になるため、十分にブレーキペダル11を踏み込めない
場合においても、一旦自動ブレーキ手段13,38が通
常ブレーキ手段13によって発生させられる制動力より
も大きな制動力を発生させた場合には、予め定められた
所定時間の間は、この状態を維持することになり、すぐ
に通常時の状態に戻ってしまうことがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルの
踏込み側の踏力に応じた制動力を越える制動力を発生さ
せることができる自動ブレーキ機能を有するブレーキ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】危険等を回避するために突然大きな制動
力をブレーキ装置に発生させなければならない緊急時、
運転者によっては、大きな制動力の発生が必要であると
意識していても、そのブレーキ操作においては十分にブ
レーキペダルを踏み込めず、大きな制動力を発生できな
い場合がある。そこで、このような場合であっても大き
な制動力を発生できるように、ブレーキ装置側に、ブレ
ーキペダルの操作状況からブレーキ操作が通常状態によ
るものかまたは緊急状態によるものかの判別を行わせ、
通常のブレーキ操作によるものであると判別したときに
は、従来のブレーキ装置と同様にブレーキペダルの操作
量に応じた制動力を発生させる一方、ひとたび緊急状態
と判別した場合には、運転者によるブレーキペダルの操
作量にかかわらず、ブレーキペダルの操作量に応じた制
動力以上の大きな制動力を自動的に発生させる機能(自
動ブレーキ機能と称す)を備えたブレーキ装置が開発さ
れている。このようなブレーキ装置に適用可能なブレー
キブースタとして、例えば、特開平3−227766号
公報に開示されたものがある。このブースタは、内部を
ブレーキペダル側の作動圧室とブレーキペダルに対し反
対側の負圧室とに区画するパワーピストンを有してお
り、また、作動圧室と大気との連通および遮断を切り換
える作動圧弁と、負圧室と作動圧室との連通および遮断
を切り換える負圧弁とを有している。そして、負圧室が
負圧に維持された系統圧力源に導管を介して連通され、
作動圧室が大気に導管を介して連通されており、この大
気に連通する導管には、これを開閉させる電磁式の開閉
弁が設けられている。そして、このブースタは、通常、
ブレーキペダルの操作量により作動圧弁を開き該作動圧
弁を介して大気を作動圧室に導入させることにより、パ
ワーピストンに作動圧室側から負圧室側へ差圧を生じさ
せ、該差圧によりブレーキペダルの入力を助勢しつつ該
ブレーキペダルの入力に応じた制動力を制動力発生手段
に発生させるものであるが、ブレーキペダルの踏み込み
時のストローク速度が速い場合には、ブレーキペダルに
対し遅れて前進するパワーピストンとの速度差で内部の
スイッチがONされることにより、これにより開閉弁が
開かれ、別系統でさらに大気を作動圧室に導入させるこ
とになって、より大きな制動力を発生させるようになっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動ブレー
キ機能を発揮させるため、ブレーキ装置に上記のブース
タを採用した場合には、以下の問題が生じてしまうこと
が予想された。すなわち、緊急時に十分にブレーキペダ
ルを踏み込めない場合に、踏み込み初期においては、ブ
レーキペダルの速度が、遅れて移動するパワーピストン
に対し速いため、スイッチがONされて開閉弁が開くこ
とになるが、その後、出力側から反力を受けると、十分
にブレーキペダルを踏み込めない場合にはこの反力との
バランスでブレーキペダルの速度の低下が即座に起こ
り、すぐにスイッチがOFFとなって開閉弁が閉じてし
まう。その結果、すぐに通常時の状態に戻ってしまうこ
とになり、自動ブレーキ機能を十分に発揮させることが
できない。
【0004】したがって、本発明の目的は、緊急時に十
分にブレーキペダルを踏み込めない場合においても、自
動ブレーキ機能を十分に発揮させることができるブレー
キ装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のブレーキ装置は、車輪に制動力を付与する
制動力発生手段と、ブレーキペダルの操作量に応じた制
動力を前記制動力発生手段に発生させる通常ブレーキ手
段と、ブレーキペダルの踏み込み時の操作態様を検出
し、当該検出結果が予め定められた緊急制動時の踏み込
み操作態様に該当するか否かを比較することにより、ブ
レーキペダルの緊急操作状態を検知する緊急ブレーキ操
作検知手段と、該緊急ブレーキ操作検知手段が緊急操作
状態を検知したときには、前記通常ブレーキ手段によっ
て発生させられる制動力よりも大きな制動力を前記制動
力発生手段に発生させる自動ブレーキ手段と、を備えた
ものであって、前記自動ブレーキ手段は、前記緊急ブレ
ーキ操作検知手段が緊急操作状態を検知したときには、
前記通常ブレーキ手段によって発生させられる制動力よ
りも大きな制動力を予め定められた所定時間、前記制動
力発生手段に発生させることを特徴としている。
【0006】このように、自動ブレーキ手段が、緊急ブ
レーキ操作検知手段が緊急操作状態を検知したときに
は、通常ブレーキ手段によって発生させられる制動力よ
りも大きな制動力を予め定められた所定時間、制動力発
生手段に発生させることになるため、十分にブレーキペ
ダルを踏み込めない場合においても、一旦自動ブレーキ
手段が通常ブレーキ手段によって発生させられる制動力
よりも大きな制動力を制動力発生手段に発生させた場合
には、予め定められた所定時間の間は、この状態を維持
することになり、すぐに通常時の状態に戻ってしまうこ
とがない。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のブレーキ装置の第1の実
施の形態を図1〜図5を参照して以下に説明する。図1
中符号11はブレーキペダルであり、このブレーキペダ
ル11には、ブレーキペダル11の操作量を検出するセ
ンサとして、そのストロークを直接検出するストローク
センサ(緊急ブレーキ操作検知手段)12が付設されて
いる。
【0008】ブレーキペダル11は、その入力を助勢し
て出力するブースタ(通常ブレーキ手段,自動ブレーキ
手段)13に連結されており、ブースタ13のブレーキ
ペダル11に対し反対側には該ブースタ13の出力で制
動液圧を発生させるタンデムタイプのマスタシリンダ
(制動力発生手段)14が連結されている。
【0009】マスタシリンダ14には、発生させた制動
液圧を伝達させる二系統の配管15,16が接続されて
おり、一方の配管15はABSモジュレータ17を介し
て二系統の配管18,19に接続されていて、他方の配
管16もABSモジュレータ17を介して二系統の配管
20,21に接続されている。そして、各配管18〜2
1には、伝達された制動液圧で車輪に制動力を発生させ
る車輪ブレーキ(制動力発生手段)23〜26が接続さ
れている。なお、各車輪には、各車輪の速度を検出する
図示せぬ車輪速センサが設けられており、これら車輪速
センサはABSコントローラ28に接続されている。
【0010】そして、ABSコントローラ28は、車輪
速センサの検出信号により車輪のロック傾向を判定し、
車輪がロック傾向にあると、ABSモジュレータ17に
よりマスタシリンダ14からの制動液圧の車輪ブレーキ
23〜26側への伝達を遮断するとともに、車輪ブレー
キ23〜26の制動液圧を強制的に減圧させて制動力を
弱め、車輪がロック傾向から回避されると、車輪ブレー
キ23〜26の制動液圧を再加圧させて制動力を戻す。
【0011】ブースタ13は、図示は略すが、内部をブ
レーキペダル11側の作動圧室とブレーキペダル11に
対し反対側の負圧室とに区画するパワーピストンを有し
ており、また、作動圧室と大気との連通および遮断を切
り換える作動圧弁と、負圧室と作動圧室との連通および
遮断を切り換える負圧弁とを有している。さらに、ブー
スタ13は、負圧室が負圧に維持された系統圧力源30
に配管31を介して連通され、作動圧室が大気(または
大気圧を越える気圧に維持された圧力源)に配管32を
介して連通されている。この配管32には、これを開閉
させる電磁式の常閉の開閉弁33が設けられている。こ
の開閉弁33は制御装置35に接続されており、この制
御装置35には、ストロークセンサ12が接続されてい
る。
【0012】そして、この実施の形態においては、スト
ロークセンサ12からの検出信号に基づいて制御装置3
5は開閉弁33の開閉を制御する(制御内容は後述す
る)。制御装置35が、開閉弁33を駆動することなく
閉じた状態では、ブースタ13は、ブレーキペダル11
の踏込み側への移動で内部の負圧弁を閉じかつ作動圧弁
を開く状態となって作動圧室を大気に連通させる。これ
により、作動圧弁を介して作動圧室に大気が導入されて
負圧室より高い圧力となり、よって、パワーピストン
が、ブレーキペダル11の踏力を助勢しつつ該ブレーキ
ペダル11のストロークに応じた出力をマスタシリンダ
14に対し行い、該出力に応じた制動液圧をマスタシリ
ンダ14により発生させ、該制動液圧に応じた制動力を
車輪ブレーキ23〜26により発生させる。このとき、
運転者によるブレーキペダル11への踏力はブレーキペ
ダル11のストロークに対応する。この作動をブースタ
13の通常ブレーキ作動とする。
【0013】他方、制御装置35が開閉弁33を駆動し
て開くと、ブースタ13はその作動圧室を配管32を介
して大気に連通させ、これにより作動圧室に大気を上記
より大きな流量で導入し、その結果、作動圧室が負圧室
に対し上記より速い速度で圧力が上昇することになり、
よってパワーピストンが、ブレーキペダル11の踏力に
かかわらず、大きく前進してマスタシリンダ14により
制動液圧を発生させる。その結果、同じブレーキペダル
11への踏力であっても、上記した通常ブレーキ作動に
よって発生させられる制動液圧よりも大きな制動液圧を
マスタシリンダ14により発生させることになり、よっ
て、通常ブレーキ作動によって発生させられる制動力よ
りも大きな制動力を車輪ブレーキ23〜26に発生させ
る。このとき、ブレーキペダル11は、同じ踏力であっ
ても通常ブレーキ作動時におけるストロークよりも大き
くストロークする。この作動を自動ブレーキ作動とす
る。
【0014】他方、開閉弁33を閉じた状態で、ブース
タ13は、ブレーキペダル11が踏込みを解除する側へ
移動すると、内部の作動圧弁を閉じかつ負圧弁を開く状
態となり、作動圧室を負圧室に連通させる。これによ
り、作動圧室と負圧室と差圧が減少し、よってパワーピ
ストンがマスタシリンダ14に対し反対側に戻る。
【0015】次に、上記制御装置35による制御内容を
図2に示すフローチャートを参照しつつ以下に説明す
る。なお、制御装置35は、緊急ブレーキ操作検知部
(緊急ブレーキ操作検知手段)37と、自動ブレーキ制
御部(自動ブレーキ手段)38とを有している。
【0016】図2に示すフローチャートの制御ルーチン
は、一の制御サイクルがタイマ割り込み処理により一定
時間間隔T毎に起動され実行されるようになっている。
まず、一の制御サイクルの開始に当って、ストロークセ
ンサ12の検出信号によりブレーキペダル11の踏込み
側のストローク値sBを割り出して記憶するとともに、
前回の制御サイクルで割り出され記憶されたストローク
値sB´を読み出し、これらストローク値sB,sB´
からストローク速度VBを次式にしたがって算出する
(ステップSA1)。 VB=(sB−sB´)/T
【0017】なお、制御サイクルが初回である場合、前
回の制御サイクルのストローク値sB´が記憶されてお
らずストローク速度VBを算出できないため、ストロー
ク値sBを割り出して記憶するとともに、以下のステッ
プSA2〜SA10を実行せずにこの制御サイクルの制
御ルーチンを終了する。
【0018】次に、後述するステップSA4において自
動ブレーキ制御の実行開始にあたってセット状態とされ
自動ブレーキ制御の実行中はセット状態が維持されるフ
ラグF_BAがセット状態にない(F_BA=0)かあ
るかを判定する(ステップSA2)。
【0019】F_BAがセット状態にない場合は、緊急
ブレーキ操作検知部37が、運転者のブレーキペダル1
1の操作状況が緊急状態にあるか否かをストローク速度
VBに基づいて判定する(ステップSA3)。すなわ
ち、ブレーキペダルの踏み込み時の操作態様であるスト
ローク速度VBが、緊急制動時の踏み込み操作態様に該
当すると判断できる境界値である予め設定された所定値
Seffを越えるか否かを判定し、VB>Seffでな
い場合、運転者のブレーキペダル11の操作状況が緊急
状態にないと判定して、この制御サイクルの制御ルーチ
ンを終了する。
【0020】この状態において、自動ブレーキ制御部3
8は、開閉弁33を閉じた状態とし、これにより、ブー
スタ13は、通常ブレーキ作動を行う。すなわち、ブレ
ーキペダル11の踏込み側への移動で内部の作動圧弁が
開かれると作動圧室を大気に連通させる。すると、作動
圧弁を介して作動圧室に大気が導入されて負圧室より高
い圧力となり、よって、パワーピストンが、ブレーキペ
ダル11の踏力を助勢しつつ踏力に応じた出力をマスタ
シリンダ14に対し行い、該出力に応じた制動液圧をマ
スタシリンダ14により発生させ、ABSモジュレータ
17を介して該制動液圧に応じた制動力を車輪ブレーキ
23〜26により発生させる。
【0021】他方、ステップSA3において、VB>S
effである場合、運転者のブレーキペダル11の操作
状況が緊急状態にあると判定して、まず、自動ブレーキ
制御中であることを示すフラグF_BAをセット状態
(F_BA=1)とし(ステップSA4)、自動ブレー
キ制御開始後の時間を計時するためのカウンタBA_c
ntをクリア(BA_cnt=0)する(ステップSA
5)。そして、自動ブレーキ制御部38が、開閉弁33
を開いて自動ブレーキ作動を実行する(ステップSA
6)。
【0022】これにより、ブースタ13はその作動圧室
を配管32を介して大気に連通させ、作動圧室に大気を
通常ブレーキ作動より大きな流量で導入し、その結果、
作動圧室が負圧室に対し、速い速度で高い圧力になり、
よってパワーピストンが、ブレーキペダル11の踏力に
かかわらず大きく前進してマスタシリンダ14により制
動液圧を発生させる。その結果、同じブレーキペダル1
1の踏力であっても、上記した通常ブレーキ作動によっ
て発生させられる制動液圧よりも大きな制動液圧をマス
タシリンダ14により発生させることになり、よって、
ABSモジュレータ17を介して、通常ブレーキ作動に
よって発生させられる制動力よりも大きな制動力を車輪
ブレーキ23〜26に発生させることになる。このと
き、ブレーキペダル11は、同じ踏力であっても通常ブ
レーキ作動時におけるストロークよりも大きくストロー
クする。そして、ステップSA6の後、この制御サイク
ルの制御ルーチンを終了する。
【0023】他方、ステップSA2において、自動ブレ
ーキ制御の実行中はセット状態が維持されるフラグF_
BAがセット状態にあると判定されると、自動ブレーキ
制御の実行開始後の時間を計時するカウンタBA_cn
tをインクリメントする(BA_cnt=BA_cnt
+1,ステップSA7)。
【0024】そして、カウンタBA_cntが予め設定
された所定値T1(作動圧室が大気圧となるフルブース
ト状態になるのに要する時間、具体的には自動ブレーキ
制御開始後0.1〜1秒、好ましくは0.5秒経過する
に相当する値)を越えたか否かを判定する(ステップS
A8)。
【0025】カウンタBA_cntが所定値T1を越え
ている場合は、自動ブレーキ制御部38は、開閉弁33
の開駆動を停止させ、自動ブレーキ制御の実行状態を解
除する(ステップSA9)。これにより、開閉弁33が
閉じられるため、作動圧室への圧縮空気の導入が停止さ
れることになる。
【0026】ステップSA9の実行の後は、自動ブレー
キ制御の実行中にセットされるフラグF_BAをクリア
し(F_BA=0,ステップSA10)、この制御サイ
クルの制御ルーチンを終了する。
【0027】以上により、図3(a)においてX1で示
すように、緊急時に十分にブレーキペダル11をストロ
ークさせることができない場合(踏み込めない場合)、
図3(b)にX2で示すようにストローク速度が予め定
められた基準値を超えている時間が短いため、従来の装
置においては、図3(a)にX3で示すように、ブース
タ13の出力が若干、X4で示す通常ブレーキ作動時よ
り高まるものの、その後、すぐに開閉弁33が閉じてし
まう結果、すぐにブースタ13の出力が図3(a)にX
4で示す通常ブレーキ作動時のブレーキペダル11への
踏力に応じた出力に戻ってしまうことになり、自動ブレ
ーキ機能を十分に発揮させることができないが、この実
施の形態の自動ブレーキ作動により、ストローク速度が
予め定められた基準値を超えている時間が短くても、予
め定められた所定時間T1は開閉弁33が開かれた状態
が維持されるため、図3(a)にX5で示すように、ブ
ースタ13の出力が大幅に通常ブレーキ作動時より高ま
ることになる。
【0028】そして、T1時間の経過後、開閉弁33を
閉じると、運転者がブレーキペダル11への踏力を一定
に制御した場合には、負圧弁により運転者の踏力に応じ
た制動力まで減少しようとするが、ブースタ13には、
図4に示すようなヒステリシス特性があるため、踏込み
時の運転者の踏力に応じた値(図4中のA)よりも大き
な、戻し時の出力(図4中のB)が保持されることにな
る。さらに、通常、運転者は、制動力を増加または保持
する意志がある場合は、一旦長くストロークしたブレー
キペダル11を、多少ブレーキペダル11からの反力が
大きくなったとしてもそのまま保持するよう踏み増す傾
向があるため、上記のように自動ブレーキ作動で踏力に
比して大きくストロークしたブレーキペダル11が自動
ブレーキ作動が解除されて踏力に応じたストローク位置
に戻ろうとしても、運転者がそのまま保持するよう踏み
増すことになって、その結果、自動ブレーキ作動がなか
った場合に比べて、より大きな制動力が保持されること
になる。
【0029】また、運転者が制動力を減少させる意志が
ある場合は、図4に示す戻りヒステリシス特性に沿って
スムーズな制動力制御が可能となるので、通常ブレーキ
作動と同様のブレーキ操作性が確保できる。
【0030】なお、図5(a)にX6で示すように緊急
時に十分にブレーキペダル11をストロークさせること
ができる場合は、図5(b)にX7で示すように、スト
ローク速度が予め定められた基準値を超えている時間が
長いため、十分にブレーキペダル11を踏み込めない場
合のような課題が生じることはないが、この実施の形態
の自動ブレーキ作動によれば、図5(a)にX8で示す
自動ブレーキ作動がない場合のブースタ13の出力に対
し図5(a)にX9で示すようにブースタ13の出力の
立ち上がり速度を大きくできるため、このような場合に
も、応答性を向上させることができるという効果を発揮
することになる。
【0031】以上に述べたように、第1の実施の形態に
よれば、緊急ブレーキ操作検知部37が緊急操作状態を
検知したときには、ブースタ13が、通常ブレーキ作動
によって発生させられる制動力よりも大きな制動力を予
め定められた所定時間、車輪ブレーキ23〜26に発生
させる自動ブレーキ作動を実行することになるため、十
分にブレーキペダル11を踏み込めない場合において
も、一旦ブースタ13が、通常ブレーキ作動によって発
生させられる制動力よりも大きな制動力を自動ブレーキ
作動により車輪ブレーキ23〜26に発生させた場合に
は、予め定められた所定時間の間は、この状態を維持す
ることになり、すぐに通常時の状態に戻ってしまうこと
がない。したがって、緊急時に十分にブレーキペダル1
1を踏み込めない場合においても、自動ブレーキ機能を
十分に発揮させることができる。しかも、緊急時に十分
にブレーキペダル11を踏み込める場合においては、自
動ブレーキ作動が所定時間経過後に解除されることか
ら、不必要に自動ブレーキ作動状態が持続することに起
因するブレーキ操作フィーリングの悪化を生じることが
なく、ブレーキの効きのフィーリングを向上させる効果
のみが得られることになる。
【0032】次に、本発明のブレーキ装置の第2の実施
の形態を図6を参照して以下に第1の実施の形態との相
違部分を中心に以下に説明する。なお、第1の実施の形
態と同様の部分は説明を略す。第2の実施の形態におい
ては、第1の実施の形態に対し制御内容が相違してい
る。
【0033】すなわち、第1の実施の形態のステップS
A3に代えて以下のステップSB3を実行する。緊急ブ
レーキ操作検知部37が、運転者のブレーキペダル11
の操作状況が緊急状態にあるか否かを、ストローク速度
VBが予め設定された所定値Seff1を越えるか否か
で判定する。そして、VB>Seff1でない場合、運
転者のブレーキペダル11の操作状況が緊急状態にない
と判定して、この制御サイクルの制御ルーチンを終了す
る一方、VB>Seff1である場合、運転者のブレー
キペダル11の操作状況が緊急状態にあると判定して、
ステップSA4を実行する。
【0034】また、ステップSA8で、カウンタBA_
cntが予め設定された所定値T1を越えたか否かを判
定し、その結果、カウンタBA_cntが所定値T1を
越えている場合は、以下のステップSB100を実行す
る。緊急ブレーキ操作検知部37が、運転者のブレーキ
ペダル11の操作状況が引き続き緊急状態にあるか否か
を、ストローク速度VBが予め設定された所定値Sef
f2(但しSeff1>Seff2)を越えるか否かで
判定する。そして、VB>Seff2でない場合、運転
者のブレーキペダル11の操作状況が緊急状態でなくな
ったと判定して、自動ブレーキ制御部38は、自動ブレ
ーキ制御の実行状態を解除するため、ステップSA9を
実行する。他方、VB>Seff2である場合、運転者
のブレーキペダル11の操作状況が引き続き緊急状態に
あると判定して、自動ブレーキ制御部38は、この制御
サイクルの制御ルーチンを終了する。
【0035】以上の変更により、第2の実施の形態によ
れば、自動ブレーキ作動開始後に、所定時間T1が経過
しても、運転者のブレーキペダル11の操作状況が引き
続き緊急状態にある場合には、自動ブレーキ作動を引き
続き実行させることができる。
【0036】次に、本発明のブレーキ装置の第3の実施
の形態を図7および図8を参照して以下に第1の実施の
形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1
の実施の形態と同様の部分は説明を略す。
【0037】第3の実施の形態においては、ストローク
センサ12に代えて、配管16にマスタシリンダ14の
発生させる制動液圧を検出する液圧センサ40が設けら
れており、該液圧センサ40が制御装置35に接続され
ている。そして、制御装置35の緊急ブレーキ操作検知
部37は、制動液圧の変化速度を、液圧センサ40の検
出信号から割り出し、該変化速度からブレーキペダル1
1のストローク速度を検出する。
【0038】すなわち、第1の実施の形態のステップS
A1に代えて、以下のステップSC1を実行する。液圧
センサ40の検出信号により今回の制動液圧値pBを割
り出して記憶するとともに、前回の制御サイクルで割り
出され記憶された制動液圧値pB´を読み出し、これら
制動液圧値pB,pB´からストローク速度VBを次式
にしたがって算出する。 VB=(pB−pB´)/T
【0039】次に、本発明のブレーキ装置の第4の実施
の形態を図7および図9を参照して以下に第2の実施の
形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第2
の実施の形態と同様の部分は説明を略す。第4の実施の
形態においては、第3の実施の形態と同様、配管16に
マスタシリンダ14の発生させる制動液圧を検出する液
圧センサ40が設けられており、該液圧センサ40が制
御装置35に接続されている。そして、制御装置35の
緊急ブレーキ操作検知部37は、制動液圧の変化速度
を、液圧センサ40の検出信号から割り出し、該変化速
度からブレーキペダル11のストローク速度を検出す
る。
【0040】すなわち、第2の実施の形態のステップS
A1に代えて、以下のステップSC1を実行する。液圧
センサ40の検出信号により今回の制動液圧値pBを割
り出して記憶するとともに、前回の制御サイクルで割り
出され記憶された制動液圧値pB´を読み出し、これら
制動液圧値pB,pB´からストローク速度VBを次式
にしたがって算出する。 VB=(pB−pB´)/T
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のブレーキ
装置によれば、自動ブレーキ手段が、緊急ブレーキ操作
検知手段が緊急操作状態を検知したときには、通常ブレ
ーキ手段によって発生させられる制動力よりも大きな制
動力を予め定められた所定時間、制動力発生手段に発生
させることになるため、十分にブレーキペダルを踏み込
めない場合においても、一旦自動ブレーキ手段が通常ブ
レーキ手段によって発生させられる制動力よりも大きな
制動力を制動力発生手段に発生させた場合には、予め定
められた所定時間の間は、この状態を維持することにな
り、すぐに通常時の状態に戻ってしまうことがない。し
たがって、緊急時に十分にブレーキペダルを踏み込めな
い場合においても、自動ブレーキ機能を十分に発揮させ
ることができる。しかも、緊急時に十分にブレーキペダ
ルを踏み込める場合においては、不必要に自動ブレーキ
作動状態が持続することがなくブレーキ操作フィーリン
グに違和感を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブレーキ装置の第1の実施の形態を
示す全体構成図である。
【図2】 本発明のブレーキ装置の第1の実施の形態の
制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】 本発明のブレーキ装置の第1の実施の形態の
タイムチャートの一例であって、(a)はペダルストロ
ークおよびブースタ出力の特性を、(b)はストローク
速度の特性をそれぞれ示している。
【図4】 本発明のブレーキ装置の第1の実施の形態の
ブースタの入出力特性(横軸:ペダルストローク、縦
軸:ブースタ出力)を示す線図である。
【図5】 本発明のブレーキ装置の第1の実施の形態の
タイムチャートの別の例であって、(a)はペダルスト
ロークおよびブースタ出力の特性を、(b)はストロー
ク速度の特性をそれぞれ示している。
【図6】 本発明のブレーキ装置の第2の実施の形態の
制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図7】 本発明のブレーキ装置の第3,第4の実施の
形態を示す全体構成図である。
【図8】 本発明のブレーキ装置の第3の実施の形態の
制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
【図9】 本発明のブレーキ装置の第4の実施の形態の
制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 ブレーキペダル 12 ストロークセンサ(緊急ブレーキ操作検知手段) 13 ブースタ(通常ブレーキ手段、自動ブレーキ手
段) 14 マスタシリンダ(制動力発生手段) 23〜26 車輪ブレーキ(制動力発生手段) 37 緊急ブレーキ操作検知部(緊急ブレーキ操作検知
手段) 38 自動ブレーキ制御部(自動ブレーキ手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D046 BB00 CC02 EE01 HH02 KK07 KK11 LL10 LL22 3D048 BB21 BB26 CC26 HH26 HH38 HH47 HH49 HH66 HH68 RR06 RR21

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に制動力を付与する制動力発生手段
    と、ブレーキペダルの操作量に応じた制動力を前記制動
    力発生手段に発生させる通常ブレーキ手段と、ブレーキ
    ペダルの踏み込み時の操作態様を検出し、当該検出結果
    が予め定められた緊急制動時の踏み込み操作態様に該当
    するか否かを比較することにより、ブレーキペダルの緊
    急操作状態を検知する緊急ブレーキ操作検知手段と、該
    緊急ブレーキ操作検知手段が緊急操作状態を検知したと
    きには、前記通常ブレーキ手段によって発生させられる
    制動力よりも大きな制動力を前記制動力発生手段に発生
    させる自動ブレーキ手段と、を備えたブレーキ装置にお
    いて、 前記自動ブレーキ手段は、前記緊急ブレーキ操作検知手
    段が緊急操作状態を検知したときには、前記通常ブレー
    キ手段によって発生させられる制動力よりも大きな制動
    力を予め定められた所定時間、前記制動力発生手段に発
    生させることを特徴とするブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108394389A (zh) * 2018-03-13 2018-08-14 安徽诺电动科技有限公司 一种电动观光车自动紧急制动执行装置
CN108394389B (zh) * 2018-03-13 2023-08-04 安徽一诺电动科技有限公司 一种电动观光车自动紧急制动执行装置

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