JP3543544B2 - ブレーキのアシスト装置 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
この発明は、前方を走行する車両が急停車したり前方に障害物が突然現れたりするような緊急事態に際してドライバーのブレーキ操作を適切にアシストし、停止距離を短縮して安全性のより一層の向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
ブレーキのアシスト装置に関する先行文献としては、例えば、運転者のブレーキストローク速度が一定のしきい値を上回った場合に緊急と判断してブレーキ力を制御する特開平7−156786号公報に開示の技術やレーザによって前方の物体との距離、相対速度を検出し緊急な状態にあることを運転者に知らせると共に運転者がブレーキ操作をしたときにのみブレーキのアシストを行う特公平4−25182号公報に開示のような技術、あるいはアクセル戻し速度が所定値を上回った段階でブレーキのアシストを行う特開平4−11834号公報に開示のような技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の技術においては以下に述べるような不具合があった。
すなわち、特開平7−156786号公報に開示のような技術は緊急事態の判断が運転者のブレーキ操作に委ねられているため他の物体に接近するなど緊急事態の認知や判断の遅れでブレーキの開始が遅れることが懸念され、特開平4−118344号公報においてはアクセルペダルを踏み込んでいる場合においては緊急事態を検出することは有効であるが、アクセルペダルを踏み込んでいない場合には緊急事態を精度よく検出できない可能性があった。
【0004】
この発明の目的は運転者が緊急事態に直面した際、あるいは運転者が緊急事態と判断した際に迅速かつ的確に対処し得る新規なブレーキアシスト装置を提案するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1にかかるブレーキアシスト装置は、車両走行時の緊急事態に際して運転者のブレーキ操作をアシストする装置であって、この装置は、運転者の操作するフットレストの踏力を検出するフットレスト踏力検出手段と、この検出手段にて検出したフットレスト踏力が車速に比例して増加するしきい値を上回った際に緊急事態であると判断する緊急判断手段とを備え、緊急事態であると判断された場合、所定のブレーキ力を発生させるところに特徴を有する。
【0006】
また発明の請求項2にかかるブレーキアシスト装置は、車両走行時の緊急事態に際して運転者のブレーキ操作をアシストする装置であって、この装置は、運転者の操作するフットレストの踏力を検出するフットレスト踏力検出手段と、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するしきい値変更手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った時およびアクセル戻し速度がしきい値を上回った時の少なくとも一方を満足した際に緊急事態にあると判断する緊急判断手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段とを備える点に特徴を有する。
【0007】
さらに発明の請求項3にかかるブレーキのアシスト装置は、車両走行時の緊急事態に際して運転者のブレーキ操作をアシストする装置であって、この装置は、運転者の操作するフットレストの踏力を検出するフットレスト踏力検出手段と、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するしきい値変更手段と、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する前方距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体との距離と自車両の速度とから該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、アクセル戻し速度がしきい値を上回った場合、接触可能性が高い場合の何れかに該当した時に緊急事態と判断する緊急判断手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段とを備える点に特徴を有する。
【0008】
請求項4にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項1または3の構成において、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段を備え、緊急判断手段は、フットレスト踏力がしきい値を上回った時およびアクセル戻し速度がしきい値を上回った時の少なくとも一方を満足した際に緊急事態にあると判断するところに特徴を有する。
【0009】
請求項5にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項1〜3の何れかの構成において、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体の距離と自車両の速度から該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段とを備え、緊急判断手段は、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、接触可能性が高い場合の何れか1つに該当した時に緊急事態と判断するところに特徴を有する。
【0010】
請求項6にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項1または2の構成において、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する前方距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体との距離と自車両の速度とから該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段とを備え、緊急判断手段は、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、アクセル戻し速度がしきい値を上回った場合、接触可能性が高い場合の何れかに該当した時に緊急事態と判断するところに特徴を有する。
【0011】
請求項7にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項1〜6の何れかの構成において、運転者のブレーキの踏み込みに際し、運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段を有する点に特徴を有する。
【0012】
請求項8にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項1〜6の何れかの構成において、緊急事態であると判断されてから一定時間以内に運転者がブレーキを踏み込んだ場合に、その踏み込みと同時に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段を有する点に特徴を有する。
【0013】
請求項9にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項1〜6の何れかの構成において、緊急事態であると判断された場合、運転者のブレーキの踏み込みまでは所定のブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段を有する点に特徴を有する。
【0014】
請求項10にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項1〜6または9の何れかの構成において、緊急事態であると判断されてから一定時間以内に運転者がブレーキ操作を行わない場合にブレーキのアシスト制御を解除するブレーキ操作解除手段を有する点に特徴を有する。
【0015】
請求項11にかかるブレーキアシスト装置は、請求項2〜4または6の何れかの構成において、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段と、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するしきい値変更手段を有する点に特徴を有する。
【0016】
請求項12にかかるブレーキアシスト装置は、請求項2〜4または6の何れかの構成において、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段と、アクセル戻し速度に応じてアシストするブレーキ力の単位時間当たりの増加率を変更するブレーキ力変更手段を有する点に特徴を有する。
【0017】
請求項13にかかるブレーキアシスト装置は、請求項2〜4または6の何れかの構成において、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、アクセル戻し速度に応じてアシストするブレーキ力の最大値を変更するブレーキ力変更手段を有する点に特徴を有する。
【0018】
この他、この発明においては、請求項1〜10の何れかの構成において、緊急事態であると判断する際のフットレスト踏力のしきい値は車体速度に応じて変更するようにしてもよい。また、請求項5または6においてはフットレスト踏力がしきい値を上回った場合に、運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、前方検出物体の急減速に伴う接触可能性の程度に応じて該しきい値を変更する手段を備えることもできる。
【0019】
また、この発明は請求項5または6の構成において、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、前方車両の急減速による接触(緊急事態)可能性の程度に応じてアシストするブレーキの単位時間当たりの増加率を変更するブレーキ増加率変更手段を備えることもできる。
【0020】
また、この発明は請求項5または6の構成において、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、前方車両の急減速による接触可能性の程度に応じてアシストするブレーキ力の最大値を変更するブレーキ力変更手段を備えることもできるし、さらに前方車両の急減速による接触可能性の程度に応じて運転者のブレーキの踏み込みまで一定のブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段を備えることもできる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1にかかるブレーキのアシスト装置においては、フットレスト踏力検出手段と緊急判断手段を設け、該フットレスト踏力検出手段にて検出したフットレスト踏力が車速に比例して増加するしきい値を上回った際に緊急事態であるかどうかを判断するようにしたので、運転者が視覚で判断するよりも速く判断を行うことができる。
【0022】
これに対し、請求項2にかかるブレーキのアシスト装置においては、フットレスト踏力検出手段と緊急判断手段を設け、該フットレスト踏力検出手段にて検出したフットレスト踏力がしきい値を上回った際に緊急事態であるかどうかを判断するようにしたので、運転者が視覚で判断するよりも速く判断を行うことができる。
【0023】
また請求項2にかかるブレーキのアシスト装置においては、アクセルペダルの戻し速度を検出する手段を設け、緊急事態をフットレスト踏力がしきい値を上回った時、あるいはアクセル戻し速度がしきい値を上回った時の少なくとも一方を満足した時点で判断するようにしたので、運転者のブレーキ操作を的確にアシストできる。
【0024】
さらに請求項2にかかるブレーキのアシスト装置は、ブレーキアシスト制御手段としきい値変更手段を設け、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するようにしたので緊急事態の状況に応じた的確なアシストを行うことができる。
【0025】
これに対し、請求項3にかかるブレーキのアシスト装置においても、フットレスト踏力検出手段と緊急判断手段を設け、該フットレスト踏力検出手段にて検出したフットレスト踏力がしきい値を上回った際に緊急事態であるかどうかを判断するようにしたので、運転者が視覚で判断するよりも速く判断を行うことができる。
【0026】
また請求項3にかかるブレーキのアシスト装置においては、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する前方距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体との距離と自車両の速度とから該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段をそれぞれ設け、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、アクセル戻し速度がしきい値を上回った場合、あるいは接触可能性が高い場合の何れかに該当した時に緊急事態と判断するようにしたので運転者のブレーキ操作をより的確にアシストできる。
【0027】
さらに請求項3にかかるブレーキのアシスト装置も、ブレーキアシスト制御手段としきい値変更手段を設け、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するようにしたので緊急事態の状況に応じた的確なアシストを行うことができる。
【0028】
また請求項4にかかるブレーキのアシスト装置においては、請求項1または3に規定した構成に加え、アクセルペダルの戻し速度を検出する手段を設け、緊急事態をフットレスト踏力がしきい値を上回った時、あるいはアクセル戻し速度がしきい値を上回った時の少なくとも一方を満足した時点で判断するようにしたので、運転者のブレーキ操作を的確にアシストできる。
【0029】
また請求項5にかかるブレーキのアシスト装置においては、請求項1〜3に規定した構成に加え、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体の距離と自車両の速度から該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段をそれぞれ設け、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、接触可能性が高い場合の何れか1つに該当した場合に緊急事態であると判断するようにしたので、上記同様運転者のブレーキ操作をより一層的確にアシストできる。
【0030】
請求項6にかかるブレーキのアシスト装置においては、請求項1または2に規定した構成に加え、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する前方距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体との距離と自車両の速度とから該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段をそれぞれ設け、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、アクセル戻し速度がしきい値を上回った場合、あるいは接触可能性が高い場合の何れかに該当した時に緊急事態と判断するようにしたので運転者のブレーキ操作をより的確にアシストできる。
【0031】
請求項7にかかるブレーキのアシスト装置においては、請求項1〜6に規定した構成に加え、運転者のブレーキの踏み込みに際し運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるアシスト制御手段を設けたので高いブレーキ力を得ることができる。
【0032】
請求項8にかかるブレーキのアシスト装置においては、請求項1〜6に規定した構成に加え、緊急事態であると判断されてから一定時間以内に運転者がブレーキを踏み込んだ場合に、その踏み込みと同時に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段を設けたので、運転者のブレーキ操作と同時に高いブレーキ力を得ることができる。
【0033】
請求項9にかかるブレーキのアシスト装置においては、請求項1〜6に規定した構成に加えてブレーキアシスト制御手段を設け、緊急事態であると判断された場合に運転者のブレーキの踏み込みまでは所定のブレーキ力を発生させるようにしたので運転者のブレーキ操作に先立つ迅速なアシストを行うことができる。
【0034】
請求項10にかかるブレーキのアシスト装置においては、請求項1〜6、または請求項9に規定した構成に加えてブレーキ操作の解除手段を設け、緊急事態であると判断されてから一定時間のうちに運転者がブレーキ操作を行わない場合にはブレーキのアシスト制御を行わないようにしたので不用意なアシストを避けることがでる。
【0035】
請求項11にかかるブレーキのアシスト装置は、請求項2〜4または6に規定した構成に加え、ブレーキアシスト制御手段としきい値変更手段を設け、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するようにしたので緊急事態の状況に応じた的確なアシストを行うことができる。
【0036】
請求項12にかかるブレーキのアシスト装置においては請求項2〜4または6に規定した構成に加え、ブレーキアシスト制御手段とアクセル戻し速度に応じてアシストするブレーキ力の単位時短当たりの増加率を変更するブレーキ力変更手段を設けたので、緊急事態の状況に応じた的確なアシストを行うことができる。
【0037】
請求項13にかかるブレーキのアシスト装置においては請求項2〜4または6に規定した構成に加え、ブレーキアシスト制御手段とアクセル戻し速度に応じてアシストするブレーキ力の最大値を変更するブレーキ力変更手段を設けたので上記同様、緊急事態の状況に対応した的確なアシストを行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いてこの発明をより具体的に説明する。
図1はブレーキアシスト装置を含めた制御機構の全体構成をその一例について示したものであり、図において1aはアクセルペダル、1bはブレーキペダル、2aはアクセルペダル1aの操作量を検出するアクセルストロークセンサ、2bはブレーキペダル1bの操作量を検出するブレーキストロークセンサ、3は電磁弁を内蔵する負圧ブースタ、4はマスタシリンダ、5a〜5dは車輪、6は車輪5a〜5dの回転速度を検出するセンサであり、7はブレーキのアシストを行うブレーキアシスト装置であって、この装置7はブレーキストロークやブレーキ踏力などの情報が入力されブースタ3中の電磁弁を駆動するための制御信号を出力する。また、8は自車両と前方の車両との距離を計測するレーザレーダ装置、9はフットレストの踏力を検出するセンサである。
【0039】
図2は上記負圧ブースタ3の構造を示した図である。このブースタ3において3aは変圧室、3bはエンジンの始動中において常に所定の負圧が発生している負圧室、3cはマスタシリンダであり、ブレーキの非作動時は変圧室3aは負圧状態であって負圧室3bと圧力が釣り合っているが、ブレーキ作動時には変圧室3a内に大気が導入され負圧室3bとの間で差圧が生じ、マスタシリンダ3cに倍力された荷重が伝達される。
【0040】
また、3dは真空弁、3eは電磁弁であって、真空弁3dは運転者の操作によりブレーキペダル1がストロークした時、あるいは電磁弁3eが励磁したときに閉じ、負圧室3 bと変圧室3aとの連通を遮断する。
3fは大気弁であって、この大気弁3fは運転者の操作によりブレーキペダル1がストロークした時、あるいは電磁弁3eが励磁したときに開き変圧室3aに大気が導入される。また、3gはオペレーテイングロッド、3hは電磁弁連動部材、3iはプッシュロッドであり、電磁弁3eが励磁された時に電磁弁連動部材3hが図中左側に移動し、真空弁3dおよび大気弁3fの開閉操作が行われ、これによって負圧室3bと変圧室3aとの間に差圧が生じ、リアクションデイスク3jを介してプッシュロッド3iおよびマスタシリンダ3cに力が加わり、各車輪においてブレーキ力が発生する。
【0041】
実施例1
図3、図4はこの発明に従うブレーキアシスト装置7の演算処理の一例を示すフローチャートである。このルーチンは例えば10m sec に一回流れる周期で実行される割り込み処理ルーチン等が適用される。
まず、ステップ100においてフットレストの踏力値FFが読み込まれ、ステップ101ではアクセルストロークセンサ2bからのアクセルストローク値Aが読み込まれる。
ステップ102では現時点でのアクセルストローク値と過去のアクセルストローク値との差分からアクセルストローク速度(戻し速度)Aoff が算出される。ステップ103ではレーザレーダ装置8を通して自車両と前方に存在する他車両との距離mが読み込まれ、ステップ104で自車両の車体速度vが読み込まれる。
【0042】
ステップ105においては既に得られた距離mと車体速度vから変数TC (緊急変数) を算出する。ここに、変数TC は自車両と他車両の距離が短い程大きく、車速が大きい程大きくなるものとし、距離mの逆数と自車両の車体速度vとの積、すなわち、TC =k1 *(1/m)*vから求める。
ステップ106では、ブレーキストロークセンサ2bからブレーキストロークSが読み込まれ、ステップ107で車速が0か否か、すなわち、車両が停止しているかどうかが判断され、車速が0の場合はステップ108へ進み走行中はステップ110に進むことになる。
ステップ108へ進んだ場合にはフラグpreflg,BAflgをクリアにしてアシスト制御を解除しノーマルブレーキに戻る。
【0043】
ステップ110では、フットレス踏力FFが所定のしきい値FFS よりも大きいかどうかが判断され、大きい場合にはステップ111に進み、そうでない場合はステップ112に進んでアクセル戻し速度Aoff が所定のしきい値AoffSよりも大きいかどうかがどうかが判断される。そしてAoff <AoffSの場合にはステップ113へ進み、そこで緊急変数TC が所定のしきい値TCSよりも大きいかどうかが判断され、大きい場合にはステップ111へ進み、そうでない場合にはステップ114へ進む。
【0044】
この例においては、フットレスト踏力が大きいか、アクセル戻し速度が大きいか、あるいは追突等の緊急状態にあるかどうかの何れかが満たされればステップ111へ進むことになり、ステップ111ではそれらの現象を示すフラッグpreglgが1にセットされることになり、ステップ115で所定量のブレーキ力を確保すべく増圧指令を出力することになる。
増圧指令によるブレーキ力は一般的には運転者に違和感を与えない減速度を発生させるような緩ブレーキとする。
【0045】
フットレス踏力が大きいか、アクセル戻し速度が大きいか、あるいは追突等の緊急状態にあるかどうかの何れをも満たさない場合にはステップ114に進むが、ここで既にpreflgがセットされているがどうかが判断され、セットされている場合にはステップ115に進み、そうでない場合にはステップ116に進む。
ステップ116ではブレーキペダルが踏み込まれているかどうかが判断され、踏み込まれていない場合はステップ117においてブレーキアシスト用のフラグBAflg がクリアされ制御が終了することになる。
【0046】
一方、ブレーキペダルが踏み込まれている場合にはステップ118でPreflgがセットされているがどうかが判断され、セットされている場合はステップ119へ進みアシスト制御を行い、そうでない場合にはステップ120へ進みブレーキストローク速度が所定のしきい値よりも大きいかどうかが判断される。ここでブレーキストローク速度がしきい値よりも大きいと判断された場合には、緊急事態であるとして運転者がブレーキを踏み込んだ状態であると判断しステップ121でBAflg をセットし、ステップ119に進みアシスト制御を行う。ステップ120においてブレーキストローク速度が所定のしきい値よりも小さいと判断された場合はステップ122でBAflg の判断を行い、BAflg =1、すなわち、既に緊急状態であると判断されている場合にはステップ119に進み、そうでない場合にはステップ123に進みアシスト制御が解除される。
【0047】
ステップ119におけるアシスト制御は具体的に、負圧ブースタ3の真空弁3dは閉の位置に、また大気弁3fが開の位置になるように電磁弁3eが駆動され変圧室3aに大気が導入され負圧室3bとの間の差圧にてマスタシリンダ5〜ホイルシリンダで液圧を発生させることにより行う。
ステップ123においてアシスト制御の解除を行うに際しては、負圧ブースタ3の真空弁3dを開の位置に、大気弁3fが閉の位置になるように電磁弁3eを駆動して制御を終了する。なお、この点に関しては電磁弁3fの通電を遮断するだけでもよい。というのは、電磁弁3eの通電を遮断することによってスプリングの付勢力で真空弁3dが開となり、大気弁3fが閉となるからである。
【0048】
実施例2
図5、図6はこの発明に従うブレーキアシスト装置8の演算処理の他の例を示すフローチャートであり、この例は、フットレストの踏力が、車速に応じて定まるしきい値を上回ったときに、ブレーキの踏み込みに先駆けてブレーキ力 (弱め) をプリチャージし、フットレスト踏力がしきい値を上回ったときから所定時間以内にブレーキが踏み込まれた場合、あるいは踏み込みと同時に高い圧力のブレーキアシストを行うが所定時間内にブレーキが踏み込まれなかった場合にはプリチャージを解除する構成になっている。
【0049】
この例ではまず、ステップ200においてフットレスト踏力の値FFが読み込まれステップ201で車体の速度vが読み込まれる。次にステップ202において車体の速度vからフットレスト踏力のしきい値FFS が求められる。フットレスト踏力は車体速度に比例して増加することが実験により確かめられていることから例えばFFS (kgf) =0. 15*v(Km/h)+6として求めることができる。
【0050】
ステップ203ではブレーキストロークセンサ2bーからブレーキストロークSが読み込まれ、ステップ204では車速vが0かどうか、すなわち、車両が停止しているがどうかが判断され、車速vが0の場合にはステップ205へ進み、そうでない場合 (走行中) はステップ207へ進む。
ステップ205では、フラグpreflg,BAflg、およびタイマをクリアにし、ステップ206においてアシスト制御を解除してノーマルブレーキに戻る。
ステップ207ではフットレスト踏力の値FFがしきい値FFS よりも大ききかどうかが判断され、小さい場合にはステップ208へ進み、そうでない場合はステップ209へ進みフットレスト踏力が大きかったことを示すフラグpreflgが1にセットされる。そしてステップ210において所定のブレーキ力を得るべく増圧指令を出力する。この増圧指令は一般的には運転者が違和感のない減速が可能な緩ブレーキとする。
【0051】
さらに、ステップ211ではフットレスト踏力がしきい値を上回ってからブレーキペダルを踏み込むまでの時間を管理するタイマがインクリメントされステップ212に進む。ステップ212ではブレーキペダルが踏み込まれているかどうかが判断され、踏み込まれていない場合にはステップ213でフットレスト踏力がしきい値を上回ってからブレーキペダルを踏み込むまでの時間を示すタイマが所定時間 (例えば1.5秒) を経過したかどうかが判断され、経過した場合はステップ214、215でブレーキアシスト用のフラグBAflg とプリチャージ用フラグpreflgがクリアされフローを終了する。
一方、タイマが今だ経過していない場合はステップ215でブレーキアシスト用のフラグBAflg をクリアしてフローを終了する。
【0052】
ブレーキペダルが踏み込まれている場合にはステップ216でpreflgがセットされているかどうかが判断され、セットされている場合にはステップ217へ進みフットレスト踏力がしきい値を上回ってからブレーキペダルを踏み込むまでの時間を示すタイマが所定時間 (例えば1.5秒) 以内であればアシスト制御を行う。Perflgが0であるか、またはタイマが所定時間を経過したときはステップ218へ進みブレーキストローク速度が所定のしきい値BAS よりも大きいかどうかが判断され、しきい値よりも大きい場合は緊急事態において運転者がブレーキを踏み込んだ状態であると判断し、ステップ219でBAflg をセットし、ステップ220に進みアシスト制御を行う。ステップ218においてブレーキストローク速度が所定のしきい値よりも小さい場合にはステップ221においてBAflg の判断を行いBAflg =1、すなわち、既に緊急事態であることが検出されている場合にはステップ220に進み、そうでない場合にはステップ222へ進みアシスト制御が解除される。
ステップ220におけるアシスト制御あるいはステップ222における制御の解除は上掲図3、図4で説明したところと同様の要領に従う。
【0053】
実施例3
図7、図8はこの発明に従うブレーキアシスト装置8の演算処理の他の例を示すフローチャートであり、この例は、アクセルペダルの戻し速度に応じてプリチャージのブレーキ量、ストローク速度のしきい値、アシストするブレーキの単位時間当たりの増加率、アシストするブレーキの最大値を変更する構成のものである。
【0054】
図7のステップ300においてはまず、アクセルストロークセンサ2aからアクセルストロークAの値が読み込まれ、ステップ301では現時点におけるアクセルストローク値と過去のアクセルストローク値との差分からアクセルストローク速度(戻し速度)Aoff が算出される。
ステップ302においては、Aoff の過去の最大値との比較により、アクセルストローク速度 (戻し速度) Aoff の最大値AoffmaXを更新する。
【0055】
ステップ303では、ブレーキストロークセンサ2bからブレーキストロークSが読み込まれ、次いでステップ304ではアクセルペダルが踏み込まれているかどうかの判断を行い、アクセルペダルが踏み込まれている場合、すなわち、運転者が緊急事態に直面していないと判断された場合はステップ306へと進む。
ステップ306ではフラブpreflg,BAflgをクリアし、ステップ307でアクセルストローク速度 (戻し速度) の最大値A0ffmaXをクリアし、さらに、ステップ308においてアシスト制御を解除しノーマルブレーキに戻る。
【0056】
ステップ305では車速vが0かどうか、すなわち、車両が停止しているかどうかが判断され、車速が0の場合はステップ306へ進み、そうでない場合 (走行中) にはステップ309に進む。
ステップ309では例えば図9に示すような特性に基づいてアクセルストローク速度 (戻し速度) の最大値AoffmaXからプリチャージ量pCCが決定される。
【0057】
ステップ310では例えば図10に示すような特性に基づいてアクセルストローク速度 (戻し速度) の最大値AoffmaXからブレーキ操作による緊急事態として使用するブレーキストローク速度しきい値BAS が決定される。
ステップ311では例えば図11に示すような特性に基づて、アクセルストローク速度 (戻し速度) の最大値AoffmaXから、アシストするときのブレーキの液圧増加率 (単位時間当たり)BA SmaXが決定される。
さらに、ステップ312では例えば図12に示すような特性に基づきアクセルストローク速度 (戻し速度) の最大値AoffmaXから、アシストするときのブレーキ液圧の最大値BA maXが決定される。
【0058】
そして、ステップ313ではプリチャージ量pCCが0以上かどうか判定される。これは、アクセルオフ速度が十分に大きくてプリチャージが必要な緊急事態であるかどうかを判断していることと同等になる。
プリチャージ量がpCC>0の場合、すなわち、プリチャージが必要な緊急事態にあると判断されればステップ314に進み、その現象を示すフラグpreflgが1にセットされる。そして、ステップ315で液圧pCCのブレーキ圧を発生させる指令を出力する。
【0059】
プリチャージ量がpCC>0でない場合 (この実施例ではpCC=0) には316に進み、既にpreflgがセットされているがどうかが判断され、セットされている場合はステップ315に進み、そうでない場合はステップ317に進むことになる。
【0060】
ステップ317ではブレーキペダルが踏み込まれているかどうかが判断され、踏み込まれていない場合にはステップ318においてブレーキアシスト用のフラグBAflg がクリアされて終了する。ブレーキペダルが踏み込まれている場合はステップ319でブレーキストローク速度がアクセルストローク速度 (戻し速度)の最大値AoffmaXによって決定されたしきい値BAS よりも大きいかどうかが判断され、大きい場合は緊急事態となり運転者がブレーキを踏み込んだ状態であると判断しステップ320でBAflg をセットし、ステップ322に進んでアシスト制御を行う。ステップ319でブレーキストローク速度がしきい値よりも小さい場合はステップ321でBAflg の判断を行い、BAflg =1すなわち、既に緊急事態であることが検出されている場合にはステップ322へ進み、そうでない場合にはステップ323へ進みアシスト制御が解除される。
ステップ324ではアシストするのに役立つブレーキの液圧増加率をマスタシリンダの液圧センサから読み取り、該液圧増加率がアクセルストローク速度(戻し速度)の最大値A0ffmaXによって決定された増加率BASmaXよりも大きいかどうかを判断し、大きい場合にはステップ325へ進み液圧増加率を下げるようにアクチュエータに対してその指令信号を出力する。
ステップ326ではアシストの際の液圧値がアクセルストローク速度 (戻し速度の最大値A0ffmaXによって決定された最大液圧値BAmaX よりも大きいかどうかを判断し、大きい場合にはフテップ327に進み、液圧を下げるようにアクチュエータに対して指令信号を出力する。
【0061】
実施例4
図13、図14はこの発明に従うブレーキアシスト装置8の演算処理の他の例を示すフローチャートであり、この例は、緊急事態の程度 (接触可能性の程度)に応じてプリチャージのブレーキ量、ストローク速度のしきい値、アシストの際のブレーキの単位時間当たりの増加率、アシストする際のブレーキの最大値を変更する構成のものである。
【0062】
上掲図13、図14においては、まず、ステップ400ではレーザレーダ装置8から自車両と前方において走行する他車両との距離mが読み込まれ、ステップ401にて自車両の車体速度vが読み込まれる。そしてステップ402では既に得られている距離mと車体速度vとから緊急変数TC を算出する。ここに、緊急変数TC は距離mが短いほど大きく、車体速度vがおおきいほど大きい特性を有するものとし距離mの逆数と自車両の車体速度vとの積、TC =k1 *(1/m) *vより求める。
【0063】
ステップ403では緊急変数TC の過去の最大値との比較により緊急変数TCの最大値TCmaXを更新する。さらにステップ404ではブレーキストロークセンサからブレーキストロークSが読み込まれる。ステップ405ではアクセルペダルが踏み込まれているがどうかが判断され、踏み込まれている場合、すなわち、運転者が緊急事態でないと判断した場合はフテップ406、407、408へと進むことになる。
【0064】
ステップ409では車体速度vが0かどうか、すなわち、車両が停止しているかどうかが判断され車体速度が0の場合にはステップ406へ進みそうでない場合 (走行中) はステップ410へ進む。
ステップ406でフラグpreflg,BAflgをクリアするとともに、ステップ407において緊急変数TC の最大値TC maX をクリアしてアシスト制御を解除、ノーマルブレーキに戻る。
ステップ410では例えば図15に示すような特性に基づいて緊急変数TC の最大値TCmaXからプリチャージ量pCCが決定され、一方、ステップ411では例えば図16に示すような特性に基づいて緊急変数TC の最大値TCmaXから、ブレーキ操作による緊急事態と判断してブレーキストローク速度しきい値BAS が決定される。
【0065】
ステップ412では、例えば図17に示すような特性に基づき緊急変数TC の最大値TCmaXからアシストする際のブレーキの液圧増加率 (単位時間当たり) BASmaXが決定される。
ステップ413では例えば図18に示すような特性に基づいて、緊急変数TCの最大値TCmaX からアシスト際のブレーキの液圧の最大値BA maXが決定される。ステップ414においては、プリチャージpCCが0よりも大きいかどうかが判断される。これは、緊急変数TC の最大値TCmaXが十分に大きくてプリチャージが必要な緊急事態であるかどうかを判断していることと同等となる。
【0066】
プリチャージ量pCCが0以上、すなわち、プリチャージが必要な緊急の事態であればステップ415へ進みその現象を示すグラフpreflgが1にセットされ、そしてステップ416で液圧pCCのブレーキ圧を発生させる指令を出力する。
プリチャージ量がpCC>0でない場合 (この実施例ではpCC=0) にはステップ417に進み既にperflgがセットされているかどうかが判断され、セットされている場合はステップ416に進むことになる。
【0067】
ステップ418ではブレーキペダルが踏み込まれているがどうかが判断され、踏み込まれていない場合はステップ419でブレーキアシスト用のフラグBAflgがクリアされアシスト制御を終了するが、ブレーキペダルが踏み込まれている場合はステップ420でブレーキストローク速度が緊急変数TC の最大値TCmaXによって決定されたしきい値BAS よりも大きいかどうかの判断がなされ、大きい場合には緊急事態において運転者がブレーキを踏み込んだ状態であると判断し、ステップ421でBAflg をセットし、さらにステップ422に進んでアシスト制御を行う。ステップ420でブレーキストローク速度がしきい値よりも小さい場合はステップ423でBAflg の判断を行い、BAflg =1、すなわち、既に緊急事態であることが検出されている場合はステップ422へ進み、そうでない場合にはフテップ424へ進みアシスト制御が解除される。
ステップ425では、アシストする際の液圧の増加率をマスタシリンダの液圧センサから読み取り、増加率が緊急変数TC の最大値TCmaXによって決定された増加率BASmaXよりも大きいかどうかを判断し、大きい場合はステップ426に進み液圧増加率を下げるようにアクチュエータに対して指令信号を出力する。
【0068】
ステップ427ではアシストする際の液圧値が緊急変数TC の最大値TCmaXによって決定された最大液圧値BAmaX よりも大きいかどうかを判断し大きい場合にはステップ428に進み液圧を下げるようにアクチュエータに対して指令信号を出力する。
【0069】
以上この発明の具体的な実施例について説明したが、この発明のとくに請求項2、4については、緊急事態であると判断する際のフットレスト踏力のしきい値は車体速度に応じて変更するようにしてもよし、また、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に、運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、前方検出物体の急減速に伴う接触可能性の程度に応じて該しきい値を変更する手段を備えることもできる。
【0070】
また、この発明は請求項2または3の構成において、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、前方車両の急減速による接触(緊急事態)可能性の程度に応じてアシストするブレーキの単位時間当たりの増加率を変更するブレーキ増加率変更手段を備えることもできる。
【0071】
さらにこの発明は請求項5または6の構成において、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、前方車両の急減速による接触可能性の程度に応じてアシストするブレーキ力の最大値を変更するブレーキ力変更手段を備えることもできるし、さらに前方車両の急減速による接触可能性の程度に応じて運転者のブレーキの踏み込みまで一定のブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段を備えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うブレーキアシスト装置を含めた制動機構の全体構成の例を示した図である。
【図2】負圧ブースタの具体的構成を示した図である。
【図3】この発明に従うブレーキアシスト装置の演算処理のフローチャートを示した図である。
【図4】図3に示したフローチャートの関連図である。
【図5】この発明に従うブレーキアシスト装置の演算処理のフローチャートの他の例を示した図である。
【図6】図5に示したフローチャートの関連図である。
【図7】この発明に従うブレーキアシスト装置の演算処理のフローチャートの他の例を示した図である。
【図8】図7に示したフローチャートの関連図である。
【図9】アクセルストローク速度の最大値とプリチャージ量の関係を示す図である。
【図10】アクセルストローク速度の最大値とブレーキストローク速度しきい値の関係を示す図である。
【図11】アクセルストローク速度の最大値とアクセルストローク速度の最大値によって決定された増加率の関係を示す図である。
【図12】アクセルストローク速度の最大値とアクセルストローク速度の最大値によって決定された増加率の関係を示す図である。
【図13】この発明に従うブレーキアシスト装置の演算処理のフローチャートの他の例を示した図である。
【図14】図13に示したフローチャートの関連図である。
【図15】緊急変数の最大値とプリチャージ量の関係を示した図である。
【図16】緊急変数の最大値とブレーキストローク速度しきい値の関係を示した図である。
【図17】緊急変数の最大値とブレーキの液圧増加率の最大値の関係を示した図である。
【図18】緊急変数の最大値とブレーキの液圧の最大値の関係を示した図である。
【符号の説明】
1a アクセルペダル
1b ブレーキペダル
2a アクセルストロークセンサ
2b ブレーキストロークセンサ
3 負圧ブースタ
4 マスタシリンダ
5a〜5d センサ
6 車輪
7 ブレーキアシスト装置
8 レーザレーダ装置
9 センサ
Claims (13)
- 車両走行時の緊急事態に際して運転者のブレーキ操作をアシストする装置であって、
この装置は、運転者の操作するフットレストの踏力を検出するフットレスト踏力検出手段と、この検出手段にて検出したフットレスト踏力が車速に比例して増加するしきい値を上回った際に緊急事態であると判断する緊急判断手段とを備え、緊急事態であると判断された場合、所定のブレーキ力を発生させることを特徴とするブレーキのアシスト装置。 - 車両走行時の緊急事態に際して運転者のブレーキ操作をアシストする装置であって、
この装置は、運転者の操作するフットレストの踏力を検出するフットレスト踏力検出手段と、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するしきい値変更手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った時およびアクセル戻し速度がしきい値を上回った時の少なくとも一方を満足した際に緊急事態にあると判断する緊急判断手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段とを備える、ことを特徴とするブレーキのアシスト装置。 - 車両走行時の緊急事態に際して運転者のブレーキ操作をアシストする装置であって、
この装置は、運転者の操作するフットレストの踏力を検出するフットレスト踏力検出手段と、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するしきい値変更手段と、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する前方距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体との距離と自車両の速度とから該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、アクセル戻し速度がしきい値を上回った場合、接触可能性が高い場合の何れかに該当した時に緊急事態と判断する緊急判断手段と、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段とを備える、ことを特徴とするブレーキのアシスト装置。 - アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段を備え、
緊急判断手段は、フットレスト踏力がしきい値を上回った時およびアクセル戻し速度がしきい値を上回った時の少なくとも一方を満足した際に緊急事態にあると判断するものである、請求項1または3記載のブレーキのアシスト装置。 - 自車両の前方に存在する物体との距離を検出する距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体の距離と自車両の速度から該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段とを備え、
緊急判断手段は、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、接触可能性が高い場合の何れか1つに該当した時に緊急事態と判断するものである、ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。 - アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出手段と、自車両の前方に存在する物体との距離を検出する前方距離検出手段と、自車両の速度を検出する自動速度検出手段と、距離検出手段にて検出した物体との距離と自車両の速度とから該物体に対する接触可能性の程度を検出する手段とを備え、
緊急判断手段は、フットレスト踏力がしきい値を上回った場合、アクセル戻し速度がしきい値を上回った場合、接触可能性が高い場合の何れかに該当した時に緊急事態と判断するものである、請求項1または2に記載のブレーキのアシスト装置。 - 運転者のブレーキの踏み込みに際し、運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段を有する、請求項1〜6の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。
- 緊急事態であると判断されてから一定時間以内に運転者がブレーキを踏み込んだ場合に、その踏み込みと同時に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段を有する、請求項1〜6の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。
- 緊急事態であると判断された場合、運転者のブレーキの踏み込みまでは所定のブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段を有する、請求項1〜6の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。
- 緊急事態であると判断されてから一定時間以内に運転者がブレーキ操作を行わない場合にブレーキのアシスト制御を解除するブレーキ操作解除手段を有する、請求項1〜6または9の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。
- フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段と、アクセル戻し速度に応じてしきい値を変更するしきい値変更手段を有する、請求項2〜4または6の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。
- フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト制御手段と、アクセル戻し速度に応じてアシストするブレーキ力の単位時間当たりの増加率を変更するブレーキ力変更手段を有する、請求項2〜4または6の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。
- フットレスト踏力がしきい値を上回った場合に運転者のブレーキ操作によって発生するブレーキ力よりも大きいブレーキ力を発生させるブレーキアシスト手段と、アクセル戻し速度に応じてアシストするブレーキ力の最大値を変更するブレーキ力変更手段を有する、請求項2〜4または6の何れかに記載のブレーキのアシスト装置。
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