JP3948268B2 - 走行制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車両の前方の障害物や先行車両といった目標物に自車両が接近したときに、運転者の制動操作時に空走距離を短縮する目的で運転者の制動操作に依らない予備制動制御を行なう予備制動制御手段と、目標物と自車両との車間距離を目標車間距離に維持するために駆動力や制動力を制御する追従走行制御を行なう追従走行制御手段とを備える走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走行制御装置としては、特開2001−233089号公報に開示されるものがある。
【0003】
予備制動制御としては、自車両の車速と目標物との相対距離(車間距離)に基づき目標減速度を算出すると共に、この目標減速度が所定の減速度を超えた場合には予備制動が必要であるとして、アクセルペダルが戻された時点で制動圧を所定時間にわたり発生させ、所定時間の経過後は予備制動を終了する。ここで、所定時間の長さは、予備制動が必要であると判断されてから運転者が制動操作を行なうまでの経過時間を考慮して設定するが、この長さは、予備制動が必要との判断が適切であればこの所定時間内に運転者が制動操作を行なう一方で、所定時間の経過後も運転者が制動操作を行なわない場合は予備制動を必要とした判断が誤りであったとの考えに基づく。
【0004】
追従走行制御としては、自車両や目標物の速度に基づき目標車間距離を設定し、自車両と目標物との相対距離(車間距離)が目標車間距離に一致するような目標車速を設定し、この目標車速を実現するように制動装置を作動させたり、スロットル開度や変速機の変速段を変更することで制動力または駆動力を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のように追従走行制御と予備制動制御との双方を備えた車両においては、追従走行制御の実行中に予備制動制御が実行され、且つ当該予備制動制御が継続される所定時間内に予備制動制御を実行せしめた走行環境が解消された場合に、下記の問題点が生じる可能性がある。なお、このような走行環境としては、自車両の前方に短時間だけ先行車両が存在するような場合、具体的には先行車両が複数車線にまたがる車線変更を行なった場合が考えられる。
【0006】
すなわち、先行車両が自車両の前方に存在することで、先行車両と自車両との接近度合に応じて追従制御と予備制動制御に基づく制動制御が実行され、その後、先行車両が自車両の前方に存在しない状態では制動制御は本来必要ではなく、追従走行制御では前記先行車両と異なる目標物が存在する場合には当該目標物との接近度合、先行車両が存在しない場合は運転者の設定に応じて目標車速が設定されるのであるが、前記所定時間の経過前であることにより予備制動制御が継続される場合には、自車速と目標車速との間に乖離が生じる。これにより、自車両を目標車速に持ち来たすための駆動力が予備制動制御にて発生する制動力の分だけ大きな値となるので、前記所定時間の経過後予備制動制御が解除された時に駆動力が一時的に過大な値となって加減速ハンチングを生じ、運転者に違和感を与えることが懸念される。
【0007】
本発明では上記問題点を解決することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を解決する為に、本発明に係る走行制御装置は、自車両前方の目標物と自車両との車間距離を目標車間距離に維持する追従走行制御の実行中であって、自車両の目標物への接近状態に応じて運転者の制動操作に先行した制動力を所定時間にわたり発生する予備制動制御が実行された場合には、該予備制動制御の終了時に前記目標車速をその時点での実車速とする実車速更新を実行するよう構成されるものである。
【0009】
【効果】
追従走行制御の実行中に予備制動制御が実行された場合は、予備制動制御の終了時にその時点での実車速を目標車速として設定するので、予備制動制御の終了時おいても運転者に違和感を与えることを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態を示すシステム構成図である。図中、21FL,21FRは自車両の前輪、21RL,21RRは後輪であって、これら前輪21FL,21FR及び後輪21RL,21RRには夫々ブレーキアクチュエータ22FL,22FR及び22RL,22RRが装着されている。ブレーキアクチュエータ22FL〜22RRの夫々は、後述のマスタシリンダ25から供給される流体圧に応じた制動力を発生するように構成されている。
【0012】
23はブレーキペダルであり、オペレーティングロッド6を介して電子式負圧ブースタ24及びマスタシリンダ25に連結されている。ブレーキペダル23にはその踏込みを検出するブレーキスイッチ26が配設されている。電子式負圧ブースタ24に関しては後に詳述するものとする。
【0013】
マスタシリンダ25の出力側とブレーキアクチュエータ22FL,22FRとの間は配管17aによって、ブレーキアクチュエータ22RL,RRとの間は配管17bによって、それぞれ連通されており、配管17a,17bの夫々には制動力を検出するために流体圧Pw1,Pw2 を検出する二つの圧力センサ33a,33bが配設されている。これら二つの圧力センサ33a,33bで検出される流体圧Pw1,Pw2 は本来同じ値を検出するはずであるが、何れか一方に検出誤差が生じたときにでも、システムの制御性を確保するため、後述の演算処理に備えて夫々配管17a,17bに設けるものとする。
【0014】
27はアクセルペダルであり、そのストロークからアクセル開度θを検出するアクセルストロークセンサ28が配設されている。
【0015】
前述の電子式負圧ブースタ24は、図2に示すように、変圧室1と負圧室2とがダイヤフラム14によって画成され、変圧室1はブレーキ非作動時はエンジン負圧によって定まる負圧状態となって、負圧室2と圧力釣り合い状態にあり、ブレーキ作動時には大気が導入され、負圧室2との差圧が生じて、マスタシリンダ25に倍力された荷重が伝達される。負圧室2は、エンジン始動中は常に所定の負圧に維持されている。
【0016】
ダイヤフラム14の中央部には軸筒17が固定され、この軸筒17内に負圧室2と変圧室1とを連通する連通路11が形成され、この連通路11の右端側開口部に真空弁3が配設され、この真空弁3は運転者によってブレーキペダル23がストロークしたとき或いは電磁弁5が励磁されたときに閉じ、負圧室2と変圧室1との連通を遮断する。
【0017】
また、変圧室1と大気との間には大気弁4が配設され、この大気弁4は、後述する摺動筒体5bに形成された弁体12と協働して動作し、運転者によりブレーキペダル23がストロークしたとき或いは電磁弁5が励磁されたときに開き、変圧室1に大気が導入される。
【0018】
電磁弁5は、軸筒17の内周部に配設されたソレノイド5aと、このソレノイド5aと対向して摺動自在に配設された摺動筒体5bとで構成され、摺動筒体5bの右端側に前述した真空弁3及び大気弁4を作動させる係合部18が形成されている。
【0019】
この摺動筒体5bは、負圧室2内に配設されたリターンスプリング15によって右方向に付勢されているとともに、内部には、オペレーティングロッド6が配設され、このオペレーティングロッド6の先端がプッシュロッド8を介してマスタシリンダ25に連結されている。
【0020】
そして、オペレーティングロッド6と軸筒17及び真空弁3,大気弁4との間に夫々リターンスプリング13a及び13bが配設されていると共に、オペレーティングロッド6と摺動筒体5bとの間にリターンスプリング16が配設されている。
図1に戻り、30は車速センサであり、変速装置の出力軸回転数から自車速Vmを検出する。31は車間距離センサであり、車両の前部に配設されたレーザレーダもしくはミリ波レーダにより自車両前方の障害物や先行車両といった目標物までの相対距離である車間距離Lを検出する。34は追従走行制御を行なうか否かを選択する追従制御開始スイッチ34である。また32は荷重センサであり、サスペンションと車体との間に介装されて各輪荷重を測定するもので、ロードセンシングバルブを用いている。
【0021】
29は制御装置であり、前記ブレーキスイッチ26からのブレーキスイッチ信号SBRK、アクセルストロークセンサ28からのアクセル開度θ、圧力センサ33a,33bからの制動流体圧Pw1,Pw2 、車速センサ30からの自車速Vm、車間距離センサ31からの車間距離Lが入力され、これらに基づき予備制動を必要とする状態であるか否かを判断すると共に、予備制動を必要とする状態であれば後述の制御に従って予備制動制御目標値PPBを設定し、前記制動圧センサ33a,33bで検出した制動圧が予備制動制御目標値PPBに一致するよう、前記電子式負圧ブースタ24の電磁弁5を制御する予備制動制御処理を行なう。また同時に、車間距離センサ31で検出した車間距離Lに基づいてこの車間距離Lを別途設定する目標車間距離Ltに一致させる追従制御処理を行う。ここで、追従制御処理は、運転席近傍に設けられた追従制御開始スイッチ34がオン状態となったときに処理を開始し、車間距離Lが目標車間距離Ltに一致するように、電子式負圧ブースタ24を作動させるための追従制御用ブレーキ圧PBCを演算すると共に、スロットルバルブ35の開度を変更するためのスロットル駆動モータ36を駆動制御するスロットル開度指令値θを演算する。
【0022】
次に、前記制御装置29で行われる走行処理のための演算処理を図3及び図4のフローチャートに従って説明する。なお、これらの演算処理は、所定時間ΔT(例えば10msec. )毎のタイマ割込処理として実行される。
【0023】
まずステップS1にて、車速センサ30で検出した自車速Vmを読込み、次いでステップS2に移行して、車間距離センサ31で検出した車間距離Lを読込み、次いでステップS3に移行して、今回の車間距離L(n)と前回の車間距離L(n−1)とに基づいて、相対車速に相当する車間距離微分値dL/dtを算出してからステップS4に移行する。
このステップS4では、前記自車速Vm、車間距離L(n)、車間距離微分値dL/dtを用いて、下記(1)式に従って目標減速度GB を算出する。この目標減速度GB は自車両が前方目標物に接触しないために必要な減速度を意味する。
【0024】
GB ={Vm2−(Vm−dL/dt)2 }/2L… (1)
次いでステップS5に移行して、後述する予備制動制御カウンタTPが0であるか否かにより、予備制動制御が必要な状態であるか否かを判断する。ここで、予備制動制御カウンタの値は、予備制動制御が開始されてからの経過時間を示すものである。TP=0の場合は予備制動制御が開始されていないと判断してステップS6に移行するが、そうでない場合はステップS11に移行する。
【0025】
ステップS6では、ステップS4で算出した目標減速度の絶対値|GB|が、予め設定された目標減速度所定値GBSの絶対値|GBS|を超える値であるか否かを判定する。当該目標減速度の絶対値|GB|が目標減速度所定値|GBS|以下である場合には予備制動制御が必要な状態になっていないと判断してステップS7に移行し、予備制動制御目標値PPBを0に設定してから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する。一方、目標減速度の絶対値|GB|が目標減速度所定値|GBS|を超える場合には予備制動制御が必要な状態であると判断してステップS8に移行する。なお、この目標減速度所定値GBSは、通常運転者が発生しうる減速度近傍の値より若干低い値に設定するが、これは本実施例で発生させる制動力が、運転者の制動操作に先立って発生されるものであり、最終的には運転者の通常制動操作での接触回避を前提としていることによる。もちろん、接触回避を運転者の制動操作によらずに実行する構成となすことも可能である。
【0026】
ステップS8では、前記アクセルストロークセンサ28で検出されたアクセル開度Laが、予め設定されたアクセル開所定値LaS以上であるか否かによりアクセルペダル27が開状態であるか否かを判定する。アクセル開度Laがアクセル開所定値LaS以上である場合には予備制動制御が不要なアクセル開状態であると判断してステップS7に移行するが、そうでない場合はステップS9に移行する。
【0027】
ステップS9では自車速Vmと前述の荷重センサ32から得た車両重量Mに基づき、図5に示す予備制動流体圧算出マップを参照して予備制動制御目標値PPBを読み出し、これを所定の記憶領域に更新記憶してからステップS10に移行する。ここで、予備制動流体圧算出マップは、予備制動制御が必要であると判断された時点での自車速Vmと予備制動制御目標値PPBとの関係を示すものであり、自車速Vmが低い低速部A1で最小値Pmin、自車速が高い高速部A3で最大値Pmaxに設定されると共に、低速部A1と高速部A3との間である中速部A2にて最小値Pminと最大値Pmaxとの直線的補間値を取るように設定されているが、これは、自車速Vmが高いほど、予備制動制御目標値PPBが同じ値であっても運転者が感じる減速度は小さいことを考慮したものである。更に、車両重量Mが大なるほど予備制動制御目標値PPBを高く設定しており、車両重量Mに対応した補正を施してある。
【0028】
なお、本実施例の場合、運転者がブレーキペダル23を踏み込んだ際の応答性を向上させることを目的としており、予備制動制御目標値PPBの最小値Pminは0.1Mpaに設定している。この値は車両に減速Gがほとんど発生しない値であるが、制動効果を重視してより大きな値に設定することももちろん可能である。
【0029】
ステップS10では、予備制動制御カウンタTPをインクリメントしてから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する。
【0030】
一方、前記ステップS5にて予備制動制御が開始されていると判断した場合はステップS11に移行するが、このステップS11では、運転者によるブレーキペダル23の踏み込み判断のために、前記ブレーキスイッチ26からのブレーキスイッチ信号SBR がON状態を示す“1”であるか否かを判定し、当該ブレーキスイッチ信号SBR がON状態である場合にはステップS12に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。
【0031】
ステップS12では、運転者が既にブレーキペダルを踏み込んでいるため予備制動制御はもはや必要なくなったとの判断から、予備制動制御カウンタTPを0としてからステップS7に移行し、予備制動制御目標値PPBを0に設定してから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する。
【0032】
一方ステップS13では、ステップS8と同様に、アクセル開度Laが予め設定されたアクセル開所定値LaS以上であるか否かによりアクセルペダル27が開状態であるか否かを判定し、La≧LaSの場合には予備制動制御が不要なアクセル開状態であると判断して前述のステップS12に移行するが、そうでない場合はステップS14に移行する。
【0033】
ステップS14では、予備制動制御カウンタTPが所定値TS以上であるか否かにより、予備制動制御の最大継続時間が経過したか否かを判定する。予備制動制御カウンタTPが所定値TS以上である場合には予備制動制御の最大継続時間が経過したと判断してステップS12に移行し、予備制動制御カウンタTPを0としてからステップS7に移行し、予備制動制御目標値PPBを0に設定してから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する一方、そうでない場合にはステップS15に移行する。
【0034】
ここで、所定値TSは、予備制動が必要であると判断されてから、運転者がブレーキペダル23を踏み込むであろうと考えられる経過時間を考慮して設定する。本実施例では経過時間を1秒に設定するが、これは予備制動が必要であると判断される状況では、当該判断から1秒以内には運転者がブレーキペダル23を踏み込むであろうし、もしそうでない場合は予備制動を必要とした判断が誤判断であったと考えることに基づく。もちろん、この予備制動カウンタ所定値TSは任意に設定可能である。
【0035】
ステップS15では、前回設定された予備制動制御目標値PPB(n-1)をそのまま今回の予備制動流体圧PPB(n)としてから前述のステップS10に移行する。
【0036】
ステップS16では、前述の追従制御開始スイッチ34の状態に応じて運転者が追従制御を指令しているか否かを判断する。追従制御開始スイッチ34がONである場合には追従制御を行うものと判断してステップS20に移行するが、追従制御開始スイッチ34がOFFである場合には追従制御を行わないものと判断してステップS17に移行する。
【0037】
ステップS17では、後述のステップS23にて算出される目標車速Vtを実現するための追従制御制動流体圧目標値PBCを0に設定し、次いでステップS18に移行して、ステップS17と同様に目標車速Vtを実現するための追従制御スロットル開度目標値θを0に設定した後、ステップS19に移行する。
【0038】
一方、追従制御開始スイッチ34がONである場合には追従制御を行うものと判断してステップS20に移行する。
【0039】
ステップS20では、前述のステップS8と同様に、アクセル開度Laが予め設定されたアクセル開所定値LaS以上であるか否かによりアクセルペダル27が開状態であるか否かを判定する。La≧LaSの場合には、追従制御が不要なアクセル開状態であると判断してステップS21に移行し、追従制御を処理を解除してからステップS19に移行するが、そうでない場合はステップS22に移行する。
【0040】
ステップS22では、ステップ1にて検出した自車速Vmに応じて目標車間距離Ltを算出し、ステップS23に移行する。なお、目標車間距離Ltは先行車両の速度に基づき算出してもよい。
【0041】
ステップS23では、ステップS22にて算出した目標車間距離Ltと、ステップS2にて読込んだ車両前方の先行車両までの車間距離Lとに応じて、実際の車間距離Lを所定の目標応答で目標車間距離Ltに一致させるための目標車速Vtを算出する。なお、車両前方に先行車両が存在しないか、先行車両が存在していても実際の車間距離Lが目標車間距離Ltより長い場合には、自車速Vmが運転者が設定した車速に対し所定の応答で一致するような目標車速を算出する。そして、いずれの場合もステップS24に移行する。ステップS24では、予備制動制御目標値PPBの前回値PPB(N−1)と今回値PPB(n)から予備制動制御が終了したか否かを判断する。ここで、PPB(N−1)>0且つ且つPPB=0である場合には予備制動制御が終了したと判断してステップS25に移行するが、そうでない場合はステップS27に移行する。
【0042】
ステップS25では、追従制御にて制動制御が行われているか否かを判断するために、目標車速Vtを実現するための追従制御制動流体圧目標値PBCが正の値であるか否かを判断する。PBC>0の場合は制動制御の実行中であると判断してステップS27に移行するが、そうでない場合には制動制御が実行されていないと判断してステップS26に移行する。
【0043】
ステップS26では、目標車速Vtを自車速Vmに更新して、ステップS27に移行し、目標車速Vtと自車速Vmとの車速偏差ΔVを算出してステップS28に移行する。
ステップS28では、目標車速Vtと自車速Vmとの偏差から、追従制御として制動制御を行うかスロットル制御を行うかを判断するために、前記車速偏差ΔVが正の値か若しくは0であるか否かを判断する。ΔV≧0の場合はステップS29に移行して追従制御スロットル開度目標値θを求めるが、そうでない場合はステップS32に移行して追従制御制動目標値PBCを求める。
【0044】
ステップS29では、予備制動制御の実行中であるか否かを判断するために、予備制動流体圧PPBが正の値であるか否かを判断する。PPB>0である場合は予備制動制御の実行中であるため、ステップS18に移行して追従制御スロットル開度目標値θを0に設定するが、そうでない場合はステップS30に移行して目標車速Vtを実現するための追従制御スロットル開度目標値θを算出すると共に、ステップS31に移行して追従制御制動目標値PBCを0に設定してステップS19に移行する。
【0045】
一方、ステップS32では、目標車速Vtを実現するための追従制御制動目標値PBCを算出すると共に、ステップS32に移行して追従制御スロットル開度目標値θを0に設定してステップS19に移行する。
【0046】
ステップS19では、予備制動制御で設定された予備制動制御目標値PPBと、追従制御で設定された追従制御制動目標値PBCとの、いずれか大なる方を選択するセレクトハイ処理を行うことで、電子式負圧ブースタ24を作動させるための制動圧目標値Ptを設定する。
【0047】
以上が、前記制御装置29で行われる予備制動制御のための演算処理と、追従制御のための演算処理であり、ステップS4〜S15が予備制動制御手段に、ステップS16〜S33が追従走行制御手段にそれぞれ相当すると共に、このうち、ステップS23〜S26が目標車速設定部に、ステップS30〜S33の処理が制駆動力制御部に相当する。
【0048】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0049】
(1)予備制動制御
自車両の前方に先行車両が存在しないか、或いは存在したとしても車間距離が十分に長い状態では、ステップS4にて算出される目標減速度GBの絶対値は所定値GBSの絶対値に対して小さいので、ステップS7にて予備制動制御目標値PPBは0に設定され、予備制動制御は実行されない。
【0050】
自車両の前方に先行車両が出現したり、先行車両の減速により先行車両との車間距離が減少した場合、ステップS4にて算出される目標減速度GBの絶対値が所定値GBSの絶対値を上回ると、ステップS9にて算出された予備制動制御目標値PPBに基づき電子式負圧ブースター24を作動させることで予備制動制御を実行する。予備制動制御は運転者が制動操作を行うか、所定時間が経過するまで実行される。
【0051】
(2)追従制御
自車両の前方に先行車両が存在しないか、或いは存在したとしても車間距離が十分に長い状態での走行中に運転者が追従制御開始スイッチ34を押した場合、ステップS22にて算出された目標車間距離Ltよりも実際の車間距離Lの方が長いので、ステップS23では運転者が追従制御開始スイッチ34で設定した車速を目標車速Vtとして設定し、これが実車速Vmに一致するような追従制御スロットル開度目標値θが算出されることで、追従制御が実行される。
【0052】
追従制御の実行中に、先行車両が新たに自車両前方に現われたり、先行車両が減速する等の理由で、実際の車間距離Lが目標車間距離Ltを下回る状態となると、ステップS23では実際の車間距離を目標車間距離Ltに持ち来たすような目標車速指令値Vtを算出し、これに応じて算出される追従制御制動目標値PBCに基づき電子式負圧ブースター24を作動させることで減速制御を実行する。
【0053】
(3)両制御の同時作動
自車両の前方に短時間だけ先行車両が接近状態で存在した場合などには、予備制動制御と追従制御が同時に実行される可能性があるが、このような場合は、予備制動制御目標値PPBと追従制御制動目標値PBCとのうち高い値に基づき電子式負圧ブースター24を作動させることになる。
【0054】
例えば、自車両が片側三車線の道路の中央車線を走行中に、先行車両が自車両の直前を左車線から右車線まで斜めに横切った場合、先行車両が自車両の直前に先行車両が位置することで車間距離Lが短くなり、これにより目標減速度GBの絶対値が増大して所定値GBSの絶対値を上回ると、運転者はアクセルペダル27を踏み込んでいないので予備制動制御目標値PPBが算出される(ステップS1〜S6,S8〜S10)。同時に、車間距離Lが目標車間距離Ltより短くなることで目標車速Vtが減少し、車速偏差ΔVが負となるので追従制御制動目標値PBCが算出される(ステップS22〜S28,S32)。そして、予備制動制御目標値PPBと追従制御制動目標値PBCとのセレクトハイ値に基づき決定される制動圧目標値Ptによって電子式負圧ブースター24を作動させる(ステップS19、図6のt1の時点)。
【0055】
次いで先行車両が自車両の前から離脱すると、車間距離Lは増大して目標減速度GBの絶対値も所定値GBSの絶対値以下となるが、予備制動制御は所定時間にわたり継続されるので(ステップS1〜S5,S11,S13〜S15)、所定時間が経過しない限りは予備制動制御が続行されて車速Vmは低下傾向となる。その一方で、先行車両が離脱したことで、目標車速Vtは設定車速を実現するように増加されるため、車速偏差ΔVは増大傾向となる(ステップS20,S22〜S24,S27、図6の時刻t2〜t3)が、予備制動制御の実行中であり追従制御スロットル開度目標値θの計算はなされない(ステップS29,S18)。
【0056】
そして、予備制動制御を継続する所定時間が経過し、予備制動制御が終了した時点では、予備制動制御目標値PPBが0であるので(ステップS7にて予備制動制御目標値PPBは0にリセットされる)、目標車速Vtがその時点での自車速Vmに更新される(図6の時刻t3)。この時、車速偏差ΔVは0であるので、追従制御スロットル開度目標値θはさほど大きな変化を生じることはなく、エンジントルクも緩やかに増大するので運転者に違和感を与えることがない(図6の時刻t3以降)。
【0057】
仮に、予備制動制御が終了した時点で目標車速Vtをその時点での自車速Vmに更新しないと、目標車速Vtと自車速Vmとの間に偏差が生じるため、追従制御スロットル開度θの急変を来たし、エンジントルクが急速に立上ることで加減速ハンチングを生じ、運転者に違和感を与える可能性が払拭できない(図7の時刻t3及びそれ以降)。
【0058】
なお、先行車両が自車両の前に割り込んだ場合は、先行車両が自車両の前を横切った場合と同様に、予備制動制御目標値PPBと追従制御制動目標値PBCが算出され、これらのセレクトハイ値に基づく制動圧目標値Ptにより電子式負圧ブースター24を作動させることになるが、先行車両が自車両の前を横切った時とは異なり、先行車両は自車両の前から離脱しないため、電子式負圧ブースター24に対し出力される制動圧指令値は予備制動制御中も正の値を取り続ける(ステップS20,S22〜S24,S27,S28,S32、図8の時刻t1〜t2)。
【0059】
そして、予備制動制御を継続する所定時間が経過し、予備制動制御が終了した時点では、予備制動制御目標値PPBが正の値を取るので目標車速Vtはその時点での自車速Vmに更新されることはなく、引き続き追従制御により制動制御が継続されるので、予備制動制御の終了によっても制動力が変化することがない(ステップS24,S25,S27,S28,S32、図8の時刻t2)。
【0060】
仮に、予備制動制御が終了した時点で目標車速Vtをその時点での自車速Vmに更新してしまうと、目標車速Vtと自車速Vmとの間の偏差がなく、制動圧指令値が一旦0近傍まで低下してしまい、運転者に違和感を与える可能性が払拭できない(図9の時刻t2)。
【0061】
以上に述べたように、本実施例においては、予備制動制御の終了時点において追従制御制動目標値PBCがゼロである場合には、目標車速をその時点における自車速に更新する制御としたので、自車両の前方を先行車が横切った場合の様に自車両の前方に短時間だけ先行車両が存在したような場合であっても、予備制動制御の終了時点においてスロットル開度が急変することを抑制可能であり、当該制御がない場合に生じ得る目標車速のハンチングやこれにより運転者に違和感を与える可能性を低減できる。また、予備制動制御の終了時点において前記追従制御制動目標値PBCが正である場合には、目標車速の更新を行わない制御としたので、自車両の前方に先行車が割り込んだ場合にあっても、予備制動制御の終了前後で制動圧指令値Ptが変化することがなく、当該制御がない場合に生じ得る制動力の変化により運転者に違和感を与える可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステムを示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における電子式負圧ブースターの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における制御装置にて実行される演算処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における制御装置にて実行される演算処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における、自車両の速度と予備制動制御目標値、及び車両重量との関係を示す特性図である。
【図6】自車両の前方に短時間だけ先行車両が存在した場合における本発明の実施の形態を示すタイムチャートである。
【図7】図6の比較例である。
【図8】自車両の前方に先行車両が割り込んだ場合における本発明の実施の形態を示すタイムチャートである。
【図9】図8の比較例である。
【符号の説明】
1 変圧室
2 負圧室
3 真空弁
4 大気弁
5 電磁弁
6 オペレーティングロッド
8 プッシュロッド
23 ブレーキペダル
24 電子式負圧ブースタ
25 マスタシリンダ
26 ブレーキスイッチ
27 アクセルペダル
29 制御装置
30 車速センサ
31 目標物センサ
【発明の属する技術分野】
この発明は、自車両の前方の障害物や先行車両といった目標物に自車両が接近したときに、運転者の制動操作時に空走距離を短縮する目的で運転者の制動操作に依らない予備制動制御を行なう予備制動制御手段と、目標物と自車両との車間距離を目標車間距離に維持するために駆動力や制動力を制御する追従走行制御を行なう追従走行制御手段とを備える走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走行制御装置としては、特開2001−233089号公報に開示されるものがある。
【0003】
予備制動制御としては、自車両の車速と目標物との相対距離(車間距離)に基づき目標減速度を算出すると共に、この目標減速度が所定の減速度を超えた場合には予備制動が必要であるとして、アクセルペダルが戻された時点で制動圧を所定時間にわたり発生させ、所定時間の経過後は予備制動を終了する。ここで、所定時間の長さは、予備制動が必要であると判断されてから運転者が制動操作を行なうまでの経過時間を考慮して設定するが、この長さは、予備制動が必要との判断が適切であればこの所定時間内に運転者が制動操作を行なう一方で、所定時間の経過後も運転者が制動操作を行なわない場合は予備制動を必要とした判断が誤りであったとの考えに基づく。
【0004】
追従走行制御としては、自車両や目標物の速度に基づき目標車間距離を設定し、自車両と目標物との相対距離(車間距離)が目標車間距離に一致するような目標車速を設定し、この目標車速を実現するように制動装置を作動させたり、スロットル開度や変速機の変速段を変更することで制動力または駆動力を制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のように追従走行制御と予備制動制御との双方を備えた車両においては、追従走行制御の実行中に予備制動制御が実行され、且つ当該予備制動制御が継続される所定時間内に予備制動制御を実行せしめた走行環境が解消された場合に、下記の問題点が生じる可能性がある。なお、このような走行環境としては、自車両の前方に短時間だけ先行車両が存在するような場合、具体的には先行車両が複数車線にまたがる車線変更を行なった場合が考えられる。
【0006】
すなわち、先行車両が自車両の前方に存在することで、先行車両と自車両との接近度合に応じて追従制御と予備制動制御に基づく制動制御が実行され、その後、先行車両が自車両の前方に存在しない状態では制動制御は本来必要ではなく、追従走行制御では前記先行車両と異なる目標物が存在する場合には当該目標物との接近度合、先行車両が存在しない場合は運転者の設定に応じて目標車速が設定されるのであるが、前記所定時間の経過前であることにより予備制動制御が継続される場合には、自車速と目標車速との間に乖離が生じる。これにより、自車両を目標車速に持ち来たすための駆動力が予備制動制御にて発生する制動力の分だけ大きな値となるので、前記所定時間の経過後予備制動制御が解除された時に駆動力が一時的に過大な値となって加減速ハンチングを生じ、運転者に違和感を与えることが懸念される。
【0007】
本発明では上記問題点を解決することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を解決する為に、本発明に係る走行制御装置は、自車両前方の目標物と自車両との車間距離を目標車間距離に維持する追従走行制御の実行中であって、自車両の目標物への接近状態に応じて運転者の制動操作に先行した制動力を所定時間にわたり発生する予備制動制御が実行された場合には、該予備制動制御の終了時に前記目標車速をその時点での実車速とする実車速更新を実行するよう構成されるものである。
【0009】
【効果】
追従走行制御の実行中に予備制動制御が実行された場合は、予備制動制御の終了時にその時点での実車速を目標車速として設定するので、予備制動制御の終了時おいても運転者に違和感を与えることを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態を示すシステム構成図である。図中、21FL,21FRは自車両の前輪、21RL,21RRは後輪であって、これら前輪21FL,21FR及び後輪21RL,21RRには夫々ブレーキアクチュエータ22FL,22FR及び22RL,22RRが装着されている。ブレーキアクチュエータ22FL〜22RRの夫々は、後述のマスタシリンダ25から供給される流体圧に応じた制動力を発生するように構成されている。
【0012】
23はブレーキペダルであり、オペレーティングロッド6を介して電子式負圧ブースタ24及びマスタシリンダ25に連結されている。ブレーキペダル23にはその踏込みを検出するブレーキスイッチ26が配設されている。電子式負圧ブースタ24に関しては後に詳述するものとする。
【0013】
マスタシリンダ25の出力側とブレーキアクチュエータ22FL,22FRとの間は配管17aによって、ブレーキアクチュエータ22RL,RRとの間は配管17bによって、それぞれ連通されており、配管17a,17bの夫々には制動力を検出するために流体圧Pw1,Pw2 を検出する二つの圧力センサ33a,33bが配設されている。これら二つの圧力センサ33a,33bで検出される流体圧Pw1,Pw2 は本来同じ値を検出するはずであるが、何れか一方に検出誤差が生じたときにでも、システムの制御性を確保するため、後述の演算処理に備えて夫々配管17a,17bに設けるものとする。
【0014】
27はアクセルペダルであり、そのストロークからアクセル開度θを検出するアクセルストロークセンサ28が配設されている。
【0015】
前述の電子式負圧ブースタ24は、図2に示すように、変圧室1と負圧室2とがダイヤフラム14によって画成され、変圧室1はブレーキ非作動時はエンジン負圧によって定まる負圧状態となって、負圧室2と圧力釣り合い状態にあり、ブレーキ作動時には大気が導入され、負圧室2との差圧が生じて、マスタシリンダ25に倍力された荷重が伝達される。負圧室2は、エンジン始動中は常に所定の負圧に維持されている。
【0016】
ダイヤフラム14の中央部には軸筒17が固定され、この軸筒17内に負圧室2と変圧室1とを連通する連通路11が形成され、この連通路11の右端側開口部に真空弁3が配設され、この真空弁3は運転者によってブレーキペダル23がストロークしたとき或いは電磁弁5が励磁されたときに閉じ、負圧室2と変圧室1との連通を遮断する。
【0017】
また、変圧室1と大気との間には大気弁4が配設され、この大気弁4は、後述する摺動筒体5bに形成された弁体12と協働して動作し、運転者によりブレーキペダル23がストロークしたとき或いは電磁弁5が励磁されたときに開き、変圧室1に大気が導入される。
【0018】
電磁弁5は、軸筒17の内周部に配設されたソレノイド5aと、このソレノイド5aと対向して摺動自在に配設された摺動筒体5bとで構成され、摺動筒体5bの右端側に前述した真空弁3及び大気弁4を作動させる係合部18が形成されている。
【0019】
この摺動筒体5bは、負圧室2内に配設されたリターンスプリング15によって右方向に付勢されているとともに、内部には、オペレーティングロッド6が配設され、このオペレーティングロッド6の先端がプッシュロッド8を介してマスタシリンダ25に連結されている。
【0020】
そして、オペレーティングロッド6と軸筒17及び真空弁3,大気弁4との間に夫々リターンスプリング13a及び13bが配設されていると共に、オペレーティングロッド6と摺動筒体5bとの間にリターンスプリング16が配設されている。
図1に戻り、30は車速センサであり、変速装置の出力軸回転数から自車速Vmを検出する。31は車間距離センサであり、車両の前部に配設されたレーザレーダもしくはミリ波レーダにより自車両前方の障害物や先行車両といった目標物までの相対距離である車間距離Lを検出する。34は追従走行制御を行なうか否かを選択する追従制御開始スイッチ34である。また32は荷重センサであり、サスペンションと車体との間に介装されて各輪荷重を測定するもので、ロードセンシングバルブを用いている。
【0021】
29は制御装置であり、前記ブレーキスイッチ26からのブレーキスイッチ信号SBRK、アクセルストロークセンサ28からのアクセル開度θ、圧力センサ33a,33bからの制動流体圧Pw1,Pw2 、車速センサ30からの自車速Vm、車間距離センサ31からの車間距離Lが入力され、これらに基づき予備制動を必要とする状態であるか否かを判断すると共に、予備制動を必要とする状態であれば後述の制御に従って予備制動制御目標値PPBを設定し、前記制動圧センサ33a,33bで検出した制動圧が予備制動制御目標値PPBに一致するよう、前記電子式負圧ブースタ24の電磁弁5を制御する予備制動制御処理を行なう。また同時に、車間距離センサ31で検出した車間距離Lに基づいてこの車間距離Lを別途設定する目標車間距離Ltに一致させる追従制御処理を行う。ここで、追従制御処理は、運転席近傍に設けられた追従制御開始スイッチ34がオン状態となったときに処理を開始し、車間距離Lが目標車間距離Ltに一致するように、電子式負圧ブースタ24を作動させるための追従制御用ブレーキ圧PBCを演算すると共に、スロットルバルブ35の開度を変更するためのスロットル駆動モータ36を駆動制御するスロットル開度指令値θを演算する。
【0022】
次に、前記制御装置29で行われる走行処理のための演算処理を図3及び図4のフローチャートに従って説明する。なお、これらの演算処理は、所定時間ΔT(例えば10msec. )毎のタイマ割込処理として実行される。
【0023】
まずステップS1にて、車速センサ30で検出した自車速Vmを読込み、次いでステップS2に移行して、車間距離センサ31で検出した車間距離Lを読込み、次いでステップS3に移行して、今回の車間距離L(n)と前回の車間距離L(n−1)とに基づいて、相対車速に相当する車間距離微分値dL/dtを算出してからステップS4に移行する。
このステップS4では、前記自車速Vm、車間距離L(n)、車間距離微分値dL/dtを用いて、下記(1)式に従って目標減速度GB を算出する。この目標減速度GB は自車両が前方目標物に接触しないために必要な減速度を意味する。
【0024】
GB ={Vm2−(Vm−dL/dt)2 }/2L… (1)
次いでステップS5に移行して、後述する予備制動制御カウンタTPが0であるか否かにより、予備制動制御が必要な状態であるか否かを判断する。ここで、予備制動制御カウンタの値は、予備制動制御が開始されてからの経過時間を示すものである。TP=0の場合は予備制動制御が開始されていないと判断してステップS6に移行するが、そうでない場合はステップS11に移行する。
【0025】
ステップS6では、ステップS4で算出した目標減速度の絶対値|GB|が、予め設定された目標減速度所定値GBSの絶対値|GBS|を超える値であるか否かを判定する。当該目標減速度の絶対値|GB|が目標減速度所定値|GBS|以下である場合には予備制動制御が必要な状態になっていないと判断してステップS7に移行し、予備制動制御目標値PPBを0に設定してから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する。一方、目標減速度の絶対値|GB|が目標減速度所定値|GBS|を超える場合には予備制動制御が必要な状態であると判断してステップS8に移行する。なお、この目標減速度所定値GBSは、通常運転者が発生しうる減速度近傍の値より若干低い値に設定するが、これは本実施例で発生させる制動力が、運転者の制動操作に先立って発生されるものであり、最終的には運転者の通常制動操作での接触回避を前提としていることによる。もちろん、接触回避を運転者の制動操作によらずに実行する構成となすことも可能である。
【0026】
ステップS8では、前記アクセルストロークセンサ28で検出されたアクセル開度Laが、予め設定されたアクセル開所定値LaS以上であるか否かによりアクセルペダル27が開状態であるか否かを判定する。アクセル開度Laがアクセル開所定値LaS以上である場合には予備制動制御が不要なアクセル開状態であると判断してステップS7に移行するが、そうでない場合はステップS9に移行する。
【0027】
ステップS9では自車速Vmと前述の荷重センサ32から得た車両重量Mに基づき、図5に示す予備制動流体圧算出マップを参照して予備制動制御目標値PPBを読み出し、これを所定の記憶領域に更新記憶してからステップS10に移行する。ここで、予備制動流体圧算出マップは、予備制動制御が必要であると判断された時点での自車速Vmと予備制動制御目標値PPBとの関係を示すものであり、自車速Vmが低い低速部A1で最小値Pmin、自車速が高い高速部A3で最大値Pmaxに設定されると共に、低速部A1と高速部A3との間である中速部A2にて最小値Pminと最大値Pmaxとの直線的補間値を取るように設定されているが、これは、自車速Vmが高いほど、予備制動制御目標値PPBが同じ値であっても運転者が感じる減速度は小さいことを考慮したものである。更に、車両重量Mが大なるほど予備制動制御目標値PPBを高く設定しており、車両重量Mに対応した補正を施してある。
【0028】
なお、本実施例の場合、運転者がブレーキペダル23を踏み込んだ際の応答性を向上させることを目的としており、予備制動制御目標値PPBの最小値Pminは0.1Mpaに設定している。この値は車両に減速Gがほとんど発生しない値であるが、制動効果を重視してより大きな値に設定することももちろん可能である。
【0029】
ステップS10では、予備制動制御カウンタTPをインクリメントしてから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する。
【0030】
一方、前記ステップS5にて予備制動制御が開始されていると判断した場合はステップS11に移行するが、このステップS11では、運転者によるブレーキペダル23の踏み込み判断のために、前記ブレーキスイッチ26からのブレーキスイッチ信号SBR がON状態を示す“1”であるか否かを判定し、当該ブレーキスイッチ信号SBR がON状態である場合にはステップS12に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。
【0031】
ステップS12では、運転者が既にブレーキペダルを踏み込んでいるため予備制動制御はもはや必要なくなったとの判断から、予備制動制御カウンタTPを0としてからステップS7に移行し、予備制動制御目標値PPBを0に設定してから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する。
【0032】
一方ステップS13では、ステップS8と同様に、アクセル開度Laが予め設定されたアクセル開所定値LaS以上であるか否かによりアクセルペダル27が開状態であるか否かを判定し、La≧LaSの場合には予備制動制御が不要なアクセル開状態であると判断して前述のステップS12に移行するが、そうでない場合はステップS14に移行する。
【0033】
ステップS14では、予備制動制御カウンタTPが所定値TS以上であるか否かにより、予備制動制御の最大継続時間が経過したか否かを判定する。予備制動制御カウンタTPが所定値TS以上である場合には予備制動制御の最大継続時間が経過したと判断してステップS12に移行し、予備制動制御カウンタTPを0としてからステップS7に移行し、予備制動制御目標値PPBを0に設定してから後述のステップS16以降の追従制御処理に移行する一方、そうでない場合にはステップS15に移行する。
【0034】
ここで、所定値TSは、予備制動が必要であると判断されてから、運転者がブレーキペダル23を踏み込むであろうと考えられる経過時間を考慮して設定する。本実施例では経過時間を1秒に設定するが、これは予備制動が必要であると判断される状況では、当該判断から1秒以内には運転者がブレーキペダル23を踏み込むであろうし、もしそうでない場合は予備制動を必要とした判断が誤判断であったと考えることに基づく。もちろん、この予備制動カウンタ所定値TSは任意に設定可能である。
【0035】
ステップS15では、前回設定された予備制動制御目標値PPB(n-1)をそのまま今回の予備制動流体圧PPB(n)としてから前述のステップS10に移行する。
【0036】
ステップS16では、前述の追従制御開始スイッチ34の状態に応じて運転者が追従制御を指令しているか否かを判断する。追従制御開始スイッチ34がONである場合には追従制御を行うものと判断してステップS20に移行するが、追従制御開始スイッチ34がOFFである場合には追従制御を行わないものと判断してステップS17に移行する。
【0037】
ステップS17では、後述のステップS23にて算出される目標車速Vtを実現するための追従制御制動流体圧目標値PBCを0に設定し、次いでステップS18に移行して、ステップS17と同様に目標車速Vtを実現するための追従制御スロットル開度目標値θを0に設定した後、ステップS19に移行する。
【0038】
一方、追従制御開始スイッチ34がONである場合には追従制御を行うものと判断してステップS20に移行する。
【0039】
ステップS20では、前述のステップS8と同様に、アクセル開度Laが予め設定されたアクセル開所定値LaS以上であるか否かによりアクセルペダル27が開状態であるか否かを判定する。La≧LaSの場合には、追従制御が不要なアクセル開状態であると判断してステップS21に移行し、追従制御を処理を解除してからステップS19に移行するが、そうでない場合はステップS22に移行する。
【0040】
ステップS22では、ステップ1にて検出した自車速Vmに応じて目標車間距離Ltを算出し、ステップS23に移行する。なお、目標車間距離Ltは先行車両の速度に基づき算出してもよい。
【0041】
ステップS23では、ステップS22にて算出した目標車間距離Ltと、ステップS2にて読込んだ車両前方の先行車両までの車間距離Lとに応じて、実際の車間距離Lを所定の目標応答で目標車間距離Ltに一致させるための目標車速Vtを算出する。なお、車両前方に先行車両が存在しないか、先行車両が存在していても実際の車間距離Lが目標車間距離Ltより長い場合には、自車速Vmが運転者が設定した車速に対し所定の応答で一致するような目標車速を算出する。そして、いずれの場合もステップS24に移行する。ステップS24では、予備制動制御目標値PPBの前回値PPB(N−1)と今回値PPB(n)から予備制動制御が終了したか否かを判断する。ここで、PPB(N−1)>0且つ且つPPB=0である場合には予備制動制御が終了したと判断してステップS25に移行するが、そうでない場合はステップS27に移行する。
【0042】
ステップS25では、追従制御にて制動制御が行われているか否かを判断するために、目標車速Vtを実現するための追従制御制動流体圧目標値PBCが正の値であるか否かを判断する。PBC>0の場合は制動制御の実行中であると判断してステップS27に移行するが、そうでない場合には制動制御が実行されていないと判断してステップS26に移行する。
【0043】
ステップS26では、目標車速Vtを自車速Vmに更新して、ステップS27に移行し、目標車速Vtと自車速Vmとの車速偏差ΔVを算出してステップS28に移行する。
ステップS28では、目標車速Vtと自車速Vmとの偏差から、追従制御として制動制御を行うかスロットル制御を行うかを判断するために、前記車速偏差ΔVが正の値か若しくは0であるか否かを判断する。ΔV≧0の場合はステップS29に移行して追従制御スロットル開度目標値θを求めるが、そうでない場合はステップS32に移行して追従制御制動目標値PBCを求める。
【0044】
ステップS29では、予備制動制御の実行中であるか否かを判断するために、予備制動流体圧PPBが正の値であるか否かを判断する。PPB>0である場合は予備制動制御の実行中であるため、ステップS18に移行して追従制御スロットル開度目標値θを0に設定するが、そうでない場合はステップS30に移行して目標車速Vtを実現するための追従制御スロットル開度目標値θを算出すると共に、ステップS31に移行して追従制御制動目標値PBCを0に設定してステップS19に移行する。
【0045】
一方、ステップS32では、目標車速Vtを実現するための追従制御制動目標値PBCを算出すると共に、ステップS32に移行して追従制御スロットル開度目標値θを0に設定してステップS19に移行する。
【0046】
ステップS19では、予備制動制御で設定された予備制動制御目標値PPBと、追従制御で設定された追従制御制動目標値PBCとの、いずれか大なる方を選択するセレクトハイ処理を行うことで、電子式負圧ブースタ24を作動させるための制動圧目標値Ptを設定する。
【0047】
以上が、前記制御装置29で行われる予備制動制御のための演算処理と、追従制御のための演算処理であり、ステップS4〜S15が予備制動制御手段に、ステップS16〜S33が追従走行制御手段にそれぞれ相当すると共に、このうち、ステップS23〜S26が目標車速設定部に、ステップS30〜S33の処理が制駆動力制御部に相当する。
【0048】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0049】
(1)予備制動制御
自車両の前方に先行車両が存在しないか、或いは存在したとしても車間距離が十分に長い状態では、ステップS4にて算出される目標減速度GBの絶対値は所定値GBSの絶対値に対して小さいので、ステップS7にて予備制動制御目標値PPBは0に設定され、予備制動制御は実行されない。
【0050】
自車両の前方に先行車両が出現したり、先行車両の減速により先行車両との車間距離が減少した場合、ステップS4にて算出される目標減速度GBの絶対値が所定値GBSの絶対値を上回ると、ステップS9にて算出された予備制動制御目標値PPBに基づき電子式負圧ブースター24を作動させることで予備制動制御を実行する。予備制動制御は運転者が制動操作を行うか、所定時間が経過するまで実行される。
【0051】
(2)追従制御
自車両の前方に先行車両が存在しないか、或いは存在したとしても車間距離が十分に長い状態での走行中に運転者が追従制御開始スイッチ34を押した場合、ステップS22にて算出された目標車間距離Ltよりも実際の車間距離Lの方が長いので、ステップS23では運転者が追従制御開始スイッチ34で設定した車速を目標車速Vtとして設定し、これが実車速Vmに一致するような追従制御スロットル開度目標値θが算出されることで、追従制御が実行される。
【0052】
追従制御の実行中に、先行車両が新たに自車両前方に現われたり、先行車両が減速する等の理由で、実際の車間距離Lが目標車間距離Ltを下回る状態となると、ステップS23では実際の車間距離を目標車間距離Ltに持ち来たすような目標車速指令値Vtを算出し、これに応じて算出される追従制御制動目標値PBCに基づき電子式負圧ブースター24を作動させることで減速制御を実行する。
【0053】
(3)両制御の同時作動
自車両の前方に短時間だけ先行車両が接近状態で存在した場合などには、予備制動制御と追従制御が同時に実行される可能性があるが、このような場合は、予備制動制御目標値PPBと追従制御制動目標値PBCとのうち高い値に基づき電子式負圧ブースター24を作動させることになる。
【0054】
例えば、自車両が片側三車線の道路の中央車線を走行中に、先行車両が自車両の直前を左車線から右車線まで斜めに横切った場合、先行車両が自車両の直前に先行車両が位置することで車間距離Lが短くなり、これにより目標減速度GBの絶対値が増大して所定値GBSの絶対値を上回ると、運転者はアクセルペダル27を踏み込んでいないので予備制動制御目標値PPBが算出される(ステップS1〜S6,S8〜S10)。同時に、車間距離Lが目標車間距離Ltより短くなることで目標車速Vtが減少し、車速偏差ΔVが負となるので追従制御制動目標値PBCが算出される(ステップS22〜S28,S32)。そして、予備制動制御目標値PPBと追従制御制動目標値PBCとのセレクトハイ値に基づき決定される制動圧目標値Ptによって電子式負圧ブースター24を作動させる(ステップS19、図6のt1の時点)。
【0055】
次いで先行車両が自車両の前から離脱すると、車間距離Lは増大して目標減速度GBの絶対値も所定値GBSの絶対値以下となるが、予備制動制御は所定時間にわたり継続されるので(ステップS1〜S5,S11,S13〜S15)、所定時間が経過しない限りは予備制動制御が続行されて車速Vmは低下傾向となる。その一方で、先行車両が離脱したことで、目標車速Vtは設定車速を実現するように増加されるため、車速偏差ΔVは増大傾向となる(ステップS20,S22〜S24,S27、図6の時刻t2〜t3)が、予備制動制御の実行中であり追従制御スロットル開度目標値θの計算はなされない(ステップS29,S18)。
【0056】
そして、予備制動制御を継続する所定時間が経過し、予備制動制御が終了した時点では、予備制動制御目標値PPBが0であるので(ステップS7にて予備制動制御目標値PPBは0にリセットされる)、目標車速Vtがその時点での自車速Vmに更新される(図6の時刻t3)。この時、車速偏差ΔVは0であるので、追従制御スロットル開度目標値θはさほど大きな変化を生じることはなく、エンジントルクも緩やかに増大するので運転者に違和感を与えることがない(図6の時刻t3以降)。
【0057】
仮に、予備制動制御が終了した時点で目標車速Vtをその時点での自車速Vmに更新しないと、目標車速Vtと自車速Vmとの間に偏差が生じるため、追従制御スロットル開度θの急変を来たし、エンジントルクが急速に立上ることで加減速ハンチングを生じ、運転者に違和感を与える可能性が払拭できない(図7の時刻t3及びそれ以降)。
【0058】
なお、先行車両が自車両の前に割り込んだ場合は、先行車両が自車両の前を横切った場合と同様に、予備制動制御目標値PPBと追従制御制動目標値PBCが算出され、これらのセレクトハイ値に基づく制動圧目標値Ptにより電子式負圧ブースター24を作動させることになるが、先行車両が自車両の前を横切った時とは異なり、先行車両は自車両の前から離脱しないため、電子式負圧ブースター24に対し出力される制動圧指令値は予備制動制御中も正の値を取り続ける(ステップS20,S22〜S24,S27,S28,S32、図8の時刻t1〜t2)。
【0059】
そして、予備制動制御を継続する所定時間が経過し、予備制動制御が終了した時点では、予備制動制御目標値PPBが正の値を取るので目標車速Vtはその時点での自車速Vmに更新されることはなく、引き続き追従制御により制動制御が継続されるので、予備制動制御の終了によっても制動力が変化することがない(ステップS24,S25,S27,S28,S32、図8の時刻t2)。
【0060】
仮に、予備制動制御が終了した時点で目標車速Vtをその時点での自車速Vmに更新してしまうと、目標車速Vtと自車速Vmとの間の偏差がなく、制動圧指令値が一旦0近傍まで低下してしまい、運転者に違和感を与える可能性が払拭できない(図9の時刻t2)。
【0061】
以上に述べたように、本実施例においては、予備制動制御の終了時点において追従制御制動目標値PBCがゼロである場合には、目標車速をその時点における自車速に更新する制御としたので、自車両の前方を先行車が横切った場合の様に自車両の前方に短時間だけ先行車両が存在したような場合であっても、予備制動制御の終了時点においてスロットル開度が急変することを抑制可能であり、当該制御がない場合に生じ得る目標車速のハンチングやこれにより運転者に違和感を与える可能性を低減できる。また、予備制動制御の終了時点において前記追従制御制動目標値PBCが正である場合には、目標車速の更新を行わない制御としたので、自車両の前方に先行車が割り込んだ場合にあっても、予備制動制御の終了前後で制動圧指令値Ptが変化することがなく、当該制御がない場合に生じ得る制動力の変化により運転者に違和感を与える可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステムを示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における電子式負圧ブースターの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における制御装置にて実行される演算処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における制御装置にて実行される演算処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における、自車両の速度と予備制動制御目標値、及び車両重量との関係を示す特性図である。
【図6】自車両の前方に短時間だけ先行車両が存在した場合における本発明の実施の形態を示すタイムチャートである。
【図7】図6の比較例である。
【図8】自車両の前方に先行車両が割り込んだ場合における本発明の実施の形態を示すタイムチャートである。
【図9】図8の比較例である。
【符号の説明】
1 変圧室
2 負圧室
3 真空弁
4 大気弁
5 電磁弁
6 オペレーティングロッド
8 プッシュロッド
23 ブレーキペダル
24 電子式負圧ブースタ
25 マスタシリンダ
26 ブレーキスイッチ
27 アクセルペダル
29 制御装置
30 車速センサ
31 目標物センサ
Claims (4)
- 車両前方の目標物に対する相対距離を検出する相対距離検出手段と、自車両の速度を検出する自車速検出手段と、前記相対距離検出手段で検出された相対距離と自車速検出手段で検出された自車速とに基づき、自車両が車両前方の目標物に接近しているときに、運転者の制動操作に先行して制動力を発生する予備制動制御を所定時間にわたり実行する予備制動制御手段と、前記目標物と自車両との車間距離を目標車間距離に維持する追従走行制御を実行する追従走行制御手段と、を備える走行制御装置であって、前記追従走行制御手段は、前記目標物と自車両との車間距離を前記目標車間距離に維持するための目標車速を設定する目標車速設定部と、前記自車両の車速が目標車速に一致するように制動力または駆動力を制御する制駆動力制御部と、を有すると共に、前記目標車速設定部は、前記追従走行制御の実行中であって、前記予備制動制御が実行された場合に、該予備制動制御の終了時に前記目標車速をその時点での実車速となす実車速更新を実行することを特徴とする走行制御装置。
- 前記目標車速設定部は、前記予備制動制御の終了時に追従制御による制動力が生じていない場合に前記実車速更新を実行することを特徴とする請求項1記載の走行制御装置。
- 前記目標車速設定部は、前記予備制動制御の終了時の目標車速が実車速よりも高い場合には前記実車速更新を実行することを特徴とする請求項1記載の走行制御装置。
- 前記追従走行制御手段は、前記自車両の車速、若しくは先行車両の車速に基づき目標車間距離を算出することを特徴とする請求項1ないし3記載の走行制御装置。
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