JP2000106752A - ホンシメジの人工栽培方法 - Google Patents

ホンシメジの人工栽培方法

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裕 福井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商業的生産が可能なホンシメジの人工栽培方
法を提供する。 【解決手段】 キビ亜科植物の実類を含有することを特
徴とするホンシメジの人工栽培用培養基。上記培養基を
使用してホンシメジ子実体を発生させることを特徴とす
るホンシメジの人工栽培方法。上記実類とは、未加工の
実、又は実の加工物を意味する。 【効果】 ホンシメジを高収量でかつ、発生室移動後の
所要日数を短縮して得ることができ、ホンシメジの商業
的人工栽培が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホンシメジ( Lyo
phyllum shimeji )の人工栽培用培養基及びこれを用い
たホンシメジの人工栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホンシメジは10月中ごろにコナラ林又
はコナラ・アカマツ混生林の地上に発生するきのこであ
り、「香りマツタケ味シメジ」と称されているように、
マツタケと並んで我国の食用きのこの中で最高級きのこ
とされている。近年、エノキタケ、ヒラタケ、ナメコ、
ブナシメジ、マイタケ等の食用きのこは主としてオガク
ズと米糠・フスマなどの栄養源を混合した培養基を用い
て栽培を行う人工栽培方法が確立され、1年を通じて季
節に関わり無く安定してきのこが収穫できるようになっ
ている。ホンシメジも極めて美味なきのこであるため人
工栽培方法の確立が望まれているが、前述のエノキタケ
等が木材腐朽菌であるのに対し、ホンシメジは菌根菌で
あるため人工栽培は困難であるとされていた。このホン
シメジの人工栽培についても一部で検討されており、例
えば特公平8−4427号公報では麦類を用いたホンシ
メジの人工栽培方法が開示されており、同発明者らは日
本菌学会報、第39巻、第13〜20頁(1998)で
麦類を用いた培地でのホンシメジ子実体の発生実験につ
いて報告している。また特開平6−153695号公報
ではピートモスを基材とし、デンプン等を添加した培養
基による菌根菌の菌糸培養方法が開示されており、同発
明者らは日本菌学会報、第35巻、第192〜195頁
(1994)でピートモスを基材とし、デンプン等を添
加した培養基でのホンシメジの子実体発生実験を報告し
ている。しかし特公平8−4427号公報の発明者らの
方法では培地に使用する麦類が高価なため培地コストが
高くなる。また特開平6−153695号公報の発明者
らの方法では発生した子実体の収量が低く、いまだ商業
生産レベルには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の現状にかんがみ、安価な培地原料を用いてホンシメジ
を高収量かつ、発生室移動後の所要日数を短縮して発生
させることを可能にする、ホンシメジの商業的人工栽培
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明はホンシメジの人工栽培用培養基に関
し、ホンシメジの人工栽培用培養基がキビ亜科植物の実
類を含有することを特徴とする。本発明の第2の発明は
ホンシメジの人工栽培方法に関し、キビ亜科植物の実類
を含有する培養基を使用して子実体を発生させ、ホンシ
メジを人工栽培することを特徴とする。
【0005】本発明者らは、ホンシメジの人工栽培につ
いて種々の実験を行い、鋭意検討を重ねた結果、キビ亜
科植物の実類を含有する培養基を用いることにより高収
量でホンシメジを栽培することが可能であることを見出
し、更には、麦類を用いた培地を使用した場合よりも、
発生室移動後の所要日数を短縮できることを見出し、本
発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。本発明においてキビ亜科植物の実類とは、無加工の
キビ亜科植物の実又はキビ亜科植物の実の加工物のこと
を指す。なお、本文記載のキビ亜科植物の実について説
明すると、本発明においてキビ亜科植物の実とは学術的
には穎果あるいは穀果と呼ばれる果実を指す。1996
年岩波書店発行、岩波生物学辞典第4版の記載によると
穎果とは、果皮が成熟後、乾燥して種子に密着する広義
の痩果の一種であり、キビ亜科を含むイネ科やタケ科の
植物の果実がこれに当る。
【0007】上記のキビ亜科植物の実の例としては、キ
ビ、ヒエ、サトウキビ、モロコシ、コウリャン、トウモ
ロコシ等の実が挙げられるが、本発明で使用できるキビ
亜科植物の実はこれらに限定されることはなく、イネ科
キビ亜科に属する植物の実であれば良い。また本発明で
使用されるキビ亜科植物の実は、新鮮物であっても乾燥
物であっても良い。また2種類以上のキビ亜科植物の実
を併用しても良い。更に、本発明においては、キビ亜科
植物の実全体を用いても、加工によって分別された実の
一部分を使用しても良い。また実全体のものと分別され
た部分を混合して使用しても良い。
【0008】キビ亜科植物の実の加工物としては、キビ
亜科植物の実を粉砕したものや粉砕した上で篩分けして
粒度調整したもの、あるいは顆粒状やペレット状に成型
したもの等が挙げられるが、本発明ではキビ亜科植物の
実の加工方法や加工物の形状、粒度等は問わず使用で
き、また2種類以上の加工物を併用しても良く、実全体
のものと加工物を併用してもよい。
【0009】本発明におけるキビ亜科植物の実類の具体
例について、トウモロコシの場合で説明する。トウモロ
コシの実は尖帽、表皮、胚乳及び胚芽からなり、胚乳は
更に角質グルテン質部、角質デンプン質部、粉状質部と
呼ばれる部分からなる。本発明ではトウモロコシの実の
全体(全粒)でもこれらの一部分だけでも用いることが
できる。また部分に分けたものを混合して使用しても良
い。トウモロコシの実の加工の一例としてドライミリン
グによる加工について説明するが、本発明で適用される
加工方法はこれに限定されるものではない。トウモロコ
シの実のドライミリングによる加工では、まず精選工程
で夾雑物を除去し、次に胚芽を分離しやすくする目的で
吸水させる調質を行う。次いで脱胚芽機にかけて胚芽を
除去し、ロールミルで粉砕したものを粒度別に篩分けし
たのち乾燥することにより、主として角質部からなるコ
ーングリッツと、主として粉状質部からなるコーンフラ
ワーが得られる。これらは篩分けの段階で数段階の粒度
に分別される。またドライミリングにおける副産物とし
ては、脱胚芽により除去された胚芽及びこれを乾燥させ
たドライコーンジャームや表皮の部分からなるコーンフ
ァイバー、主として表皮と胚乳の間にあるアリューロン
層(糊粉層)と表皮からなるコーンブラン(コーン
糠)、更にこれら副産物をすべて合せたホミニーフィー
ドがある。本発明では上記の加工によって得られた産物
や副産物のいずれも使用することができ、またこれらを
混合して使用しても良い。以上、本発明のキビ亜科植物
の実類についてトウモロコシを例として説明したが、本
発明はこの例に限定されるものではない。
【0010】本発明を実施するための栽培方法として
は、ビン栽培、袋栽培、箱栽培などを適用することがで
きる。一例としてビン栽培について述べると、その方法
とは培地調製、ビン詰め、殺菌、接種、培養、芽出し、
生育、収穫の各工程からなる。次にこれらを具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
培地調製とは人工栽培に用いる各種基材を計量、かくは
んし、加水して水分調整する工程をいう。本発明で用い
られるホンシメジの人工栽培用培養基は、キビ亜科植物
の実類、鋸屑、及びその他栄養剤の組合せからなる。キ
ビ亜科植物の実類とその他の培地基材の混合比率は、例
としてトウモロコシの実の場合で説明すると、トウモロ
コシの実がその他の基材に対して乾燥重量比で1重量部
以上が好ましいが、本発明はこの比率に限定されるもの
ではない。本発明における培地調製をトウモロコシの実
で説明したが、本発明はこれに限定されるもではない。
ビン詰めとは、培養基をビンに詰める工程であり、通常
400〜2300ml容の耐熱性広口培養ビンに、調製
した培養基を例えば850mlビンの場合は500〜8
00g、好ましくは600〜750g圧詰し、中央に1
〜3cm程度の穴を開け打栓する工程をいう。殺菌と
は、蒸気により培養基中のすべての微生物を死滅させる
工程であれば良く、通常常圧殺菌では98〜100℃、
4〜12時間、高圧殺菌では101〜125℃、好まし
くは118℃、30〜90分間行われる。
【0011】接種とは、殺菌後放冷された培地に種菌を
植え付ける工程であり、通常種菌としてはホンシメジ菌
糸をPGY液体培地、1/2PGY液体培地などで25
℃、10〜15日間培養したものを用い、1ビン当り約
10〜50ml無菌的に植え付ける。また、ここまで説
明した工程で得られる液体種菌接種済みの培養基を25
℃で60〜150日間培養し、菌廻りしたものも固体種
菌として用いることができ、1ビン当り15gほど無菌
的に植え付ける。培養とは、菌糸を生育、熟成させる工
程で、通常接種済みの培養基を温度20〜25℃、湿度
40〜70%において菌糸をまん延させ、更に熟成をさ
せる。熟成は省くこともできる。培養工程は、850m
lビンの場合は通常60〜150日間、好ましくは10
0日間前後行われる。芽出しとは、培養工程を終了した
後に栓を外し、子実体原基を形成させる工程で、通常1
0〜20℃、好ましくは15℃前後、湿度80%以上、
照度1000ルクス以下で10〜20日間行う。この
際、菌床面に適当な素材で覆土を施しても良い。覆土素
材の例としては、赤玉土、鹿沼土、バーミキュライト、
石英、パーライト、ガラスビーズ等の無機鉱物質や畑
土、森林土壌、山土等の土壌類が挙げられ、これらは微
細粒子であることがより好ましいが、本発明は覆土材の
粒径に限定されることはない。あるいは日向土、熱処理
して硬質化した赤玉土などの多孔性無機鉱物質や腐葉
土、バーク堆肥、ピートモス等の腐植性素材、あるいは
針葉樹鋸屑、広葉樹鋸屑、コーンコブ、セルロースパル
プ、セルローススポンジ、籾殻、稲ワラ、ミズゴケ等の
植物性素材、寒天製造時に副生する寒天残渣等も覆土材
の例として挙げられる。これらの覆土材は単独で使用し
ても良く、また2種類以上を混合して使用しても良い。
更に、覆土材をあらかじめ適当な含水率になるように吸
水させておいてから使用しても良い。また栓を外した
後、種菌部分と培養基表面をかき取る菌かき操作を行っ
ても良い。更に、栓を外した後又は菌かき後、直ちにビ
ン口まで水を入れて培養基に給水し、3〜5時間後余剰
の水を排水する加水操作を加えても良い。また、芽出し
工程中は加湿で結露水が発生しやすいため、濡れを防ぐ
目的で菌床面を有孔ポリシートや波板等で覆っても良
い。生育とは、子実体原基から成熟子実体を形成させる
工程で、通常芽出し工程とほぼ同じ条件で5〜15日間
行う。生育工程では結露水による濡れの影響を受けにく
いので、有孔ポリシートや波板等の被覆は施さないほう
が好ましい。以上の工程により成熟子実体を得ることが
でき、収穫を行って栽培の全工程を終了する。以上、本
発明をビン栽培方法により説明したが、本発明は上記ビ
ン栽培に限定されるものではない。
【0012】次に、本発明による人工栽培方法に好適な
ホンシメジの菌株の例としては、ホンシメジLa 01
−20株が挙げられるが、本発明で使用できる菌株はこ
れに限定されるものではないく、野生子実体よりの分離
株、市販の菌株、公的機関の保存菌株等が挙げられ、ま
たこれら菌株の変異株、交配株、細胞融合株等、子実体
形成能を有しているホンシメジの菌株が挙げられる。な
お、ホンシメジLa01−20株は、Lyophyllum shime
ji La 01−20と表示され、工業技術院生命工学
工業技術研究所にFERM P−16841として寄託
されている。
【0013】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定さ
れるものではない。
【0014】実施例1 1/2PGY液体培地(組成:グルコース1.0%、ペ
プトン0.1%、酵母エキス0.1%、KH2PO4
0.025%、MgSO4・7H2O 0.025%)
200mlにホンシメジLa 01−20株(FERM
P−16841)の菌糸を接種し、25℃で10日間
培養し、液体種菌とした。一方、ポリプロピレン製の広
口培養ビン(850ml)に、トウモロコシの実〔(株)
イトウ精麦製の飼料用粉砕物より、通常混合される魚粉
を省いたもの〕と広葉樹鋸屑〔(有)トモエ物産製〕を
乾物重量比で2:1に混合し培養基の水分が最終的に6
0%になるように水を加えて十分にかくはん・混合した
ものを圧詰し、中央に直径3cm程度の穴を開けたのち
打栓し、118℃で60分間高圧蒸気殺菌を行い、放冷
したものを固形培養基として調製した。この固形培養基
に上記の液体種菌を約15ml接種し、暗所にて温度2
3℃、湿度60〜70%の条件下で108日間菌糸を培
養し、培地全体に菌糸をまん延させた。次いで栓を外し
ビン口をオートクレーブ滅菌した赤玉土で覆土した後、
温度15℃、加湿をヒューミアイ100〔(株)鷺宮製作
所製〕の表示値で115〜120%となるように制御し
た発生室に移動し、50〜500ルクスの照明下、子実
体原基が生じるまでは水濡れを防ぐためビン口を波板で
被覆し、子実体原基形成後は波板を取去り、更に培養を
続け、成熟子実体を得た。得られた成熟子実体の1ビン
当りの平均収量は123.0g、発生室移動後収穫まで
に要した平均日数は25.5日であった。
【0015】比較例1 固形培養基の組成を、押麦〔豊橋糧食工業(株)製〕と広
葉樹鋸屑〔(有)トモエ物産製〕が乾物重量比で2:1
とした以外は実施例1と同様にしてホンシメジLa 0
1−20株の栽培を行い、成熟子実体を得た。得られた
子実体の1ビン当り平均収量は83.8g、発生室移動
後収穫までに要した平均日数は26.8日であった。
【0016】実施例2 固形培養基の組成を、トウモロコシの実と広葉樹鋸屑が
乾物重量比で1:1とした以外は実施例1と同様にして
ホンシメジLa 01−20株の栽培を行い、成熟子実
体を得た。得られた子実体の1ビン当り平均収量は7
9.0g、発生室移動後収穫までに要した平均日数は2
8.6日であった。
【0017】比較例2 固形培養基の組成を、押麦と広葉樹鋸屑が乾物重量比で
1:1とした以外は実施例2と同様にしてホンシメジL
a 01−20株の栽培を行い、成熟子実体を得た。得
られた子実体の1ビン当り平均収量は69.0g、発生
室移動後収穫までに要した平均日数は29.4日であっ
た。
【0018】実施例3 ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、ト
ウモロコシの実〔(株)イトウ精麦製の飼料用粉砕物よ
り、通常混合される魚粉を省いたもの〕と広葉樹鋸屑
〔(有)トモエ物産製〕を乾物重量比で2:3に混合し
培養基の水分が最終的に60%になるように水を加えて
十分にかくはん・混合したものを圧詰し、中央に直径3
cm程度の穴を開けたのち打栓し、118℃で60分間
高圧蒸気殺菌を行い、放冷したものを固形培養基として
調製した。この固形培養基に実施例1に記載の液体種菌
を約15ml接種し、暗所にて温度23℃、湿度60〜
70%の条件下で105日間菌糸を培養し、培地全体に
菌糸をまん延させた。次いで栓を外しビン口をオートク
レーブ滅菌した赤玉土で覆土した後、温度15℃、加湿
をヒューミアイ100〔(株)鷺宮製作所製〕の表示値で
115〜120%となるように制御した発生室に移動
し、50〜500ルクスの照明下、子実体原基が生じる
までは水濡れを防ぐためビン口を波板で被覆し、子実体
原基形成後は波板を取去り、更に培養を続け、成熟子実
体を得た。得られた成熟子実体の1ビン当りの平均収量
は73.8g、発生室移動後収穫までに要した平均日数
は31.0日であった。
【0019】比較例3 固形培養基の組成を、押麦〔豊橋糧食工業(株)製〕と広
葉樹鋸屑〔(有)トモエ物産製〕が乾物重量比で2:3
とした以外は実施例3と同様にしてホンシメジLa 0
1−20株の栽培を行い、成熟子実体を得た。得られた
成熟子実体の1ビン当りの平均収量は54.6g、発生
室移動後収穫までに要した平均日数は38.6日であっ
た。
【0020】実施例4 固形培養基の組成を、トウモロコシの実と広葉樹鋸屑が
乾物重量比で1:2とした以外は実施例3と同様にして
ホンシメジLa 01−20株の栽培を行い、成熟子実
体を得た。得られた子実体の1ビン当り平均収量は6
9.4g、発生室移動後収穫までに要した平均日数は3
0.1日であった。
【0021】比較例4 固形培養基の組成を、押麦と広葉樹鋸屑が乾物重量比で
1:2とした以外は実施例3と同様にしてホンシメジL
a 01−20株の栽培を行ったが、成熟子実体は得ら
れなかった。
【0022】実施例5 ポリプロピレン製の広口培養ビン(850ml)に、加
熱圧片とうもろこし〔(株)イトウ精麦製〕と広葉樹鋸屑
〔(有)トモエ物産製〕を乾物重量比で2:1に混合し
培養基の水分が最終的に60%になるように水を加えて
十分にかくはん・混合したものを圧詰し、中央に直径3
cm程度の穴を開けたのち打栓し、118℃で60分間
高圧蒸気殺菌を行い、放冷したものを固形培養基として
調製した。この固形培養基に実施例1に記載の液体種菌
を約15ml接種し、暗所にて温度23℃、湿度60〜
70%の条件下で116日間菌糸を培養し、培地全体に
菌糸をまん延させた。次いで栓を外しビン口をオートク
レーブ滅菌した赤玉土で覆土した後、温度15℃、加湿
をヒューミアイ100〔(株)鷺宮製作所製〕の表示値で
115〜120%となるように制御した発生室に移動
し、50〜500ルクスの照明下、子実体原基が生じる
までは水濡れを防ぐためビン口を波板で被覆し、子実体
原基形成後は波板を取去り、更に培養を続け、成熟子実
体を得た。得られた成熟子実体の1ビン当りの平均収量
は92.5g、発生室移動後収穫までに要した平均日数
は26.4日であった。
【0023】実施例6 固形培養基の組成を、コーングリッツ No.2〔(株)
サニーメイズ製〕と広葉樹鋸屑〔(有)トモエ物産製〕
が乾物重量比で2:1とした以外は実施例5と同様にし
てホンシメジLa 01−20株の栽培を行い、成熟子
実体を得た。得られた子実体の1ビン当り平均収量は8
3.5g、発生室移動後収穫までに要した平均日数は2
6.6日であった。
【0024】実施例7 ポリプロピレン製の広口培養ビン(800mlナメコ
用)に、トウモロコシの実〔(株)イトウ精麦製の飼料用
粉砕物より、通常混合される魚粉を省いたもの〕と広葉
樹鋸屑〔(有)トモエ物産製〕を乾物重量比で2:1に
混合し培養基の水分が最終的に60%になるように水を
加えて十分にかくはん・混合したものをビン容積の約半
量程度詰め、中央に直径1.5cm程度の穴を開けたの
ち打栓し、118℃で60分間高圧蒸気殺菌を行い、放
冷したものを固形培養基として調製した。この固形培養
基に実施例1に記載の液体種菌を約15ml接種し、暗
所にて温度23℃、湿度60〜70%の条件下で63日
間菌糸を培養し、培地全体に菌糸をまん延させた。次い
で栓を外しビン口をオートクレーブ滅菌した赤玉土で覆
土した後、温度15℃、加湿をヒューミアイ100
〔(株)鷺宮製作所製〕の表示値で115〜120%とな
るように制御した発生室に移動し、50〜500ルクス
の照明下、子実体原基が生じるまでは水濡れを防ぐため
ビン口を波板で被覆し、子実体原基形成後は波板を取去
り、更に培養を続け、成熟子実体を得た。得られた成熟
子実体の1ビン当りの平均収量は105.3g、発生室
移動後収穫までに要した平均日数は28.6日であっ
た。
【0025】実施例8 固形培養基の組成を、加熱圧片とうもろこし〔(株)イト
ウ精麦製〕と広葉樹鋸屑〔(有)トモエ物産製〕が乾物
重量比で2:1とした以外は実施例7と同様にしてホン
シメジLa 01−20株の栽培を行い、成熟子実体を
得た。得られた子実体の1ビン当り平均収量は87.5
g、発生室移動後収穫までに要した平均日数は28.8
日であった。
【0026】比較例5 固形培養基の組成を、押麦〔豊橋糧食工業(株)製〕と広
葉樹鋸屑〔(有)トモエ物産製〕が乾物重量比で2:1
とした以外は実施例7と同様にしてホンシメジLa 0
1−20株の栽培を行い、成熟子実体を得た。得られた
子実体の1ビン当り平均収量は82.5g、発生室移動
後収穫までに要した平均日数は29.4日であった。
【0027】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よる栽培方法によれば、ホンシメジを高収量かつ、発生
室移動後の所要日数を短縮して得ることができ、ホンシ
メジの商業的人工栽培が可能になった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キビ亜科植物の実類を含有することを特
    徴とするホンシメジの人工栽培用培養基。
  2. 【請求項2】 キビ亜科植物の実類を含有する培養基に
    ホンシメを接種し、実体を発生させることを特徴とする
    ホンシメジの人工栽培方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7971388B2 (en) 2007-07-24 2011-07-05 Takara Bio Inc. Method for cultivating hon-shimeji mushroom on fungal bed
US7984584B2 (en) 2007-05-29 2011-07-26 Takara Bio Inc. Method for fungal bed cultivation of mushroom
US8278508B2 (en) 2007-11-15 2012-10-02 Takara Bio Inc. Hon-shimeji mushroom-fungal bed culture

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