JPH01199525A

JPH01199525A - 食用茸の人工栽培用培地

Info

Publication number: JPH01199525A
Application number: JP63022756A
Authority: JP
Inventors: Koji Miyao; 宮尾　浩司
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1988-02-04
Filing date: 1988-02-04
Publication date: 1989-08-10

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、例えば椎茸のような菌茸類の栽培に用いる食
用茸の人工栽培用培地に関する。

（従来の技術）従来、この種の人工栽培用培地としては、例えばシイの
木から成るほた水内に菌茸類の生育に必要な養分を注入
含浸させたほだ木培地、また例えばシイの木から得られ
たおがくずに常圧で９５〜１２０℃の高温度下で殺菌処
理を施した後、得られた殺菌おがくずに米糖等を混入し
た殺菌済おがくず培地が知られている。

（発明が解決しようとする課題）前記人工栽培用培５地のうち前者のほだ木培地は、培地
に植えつけた茸菌糸がトリコデルマ等の雑菌に強く、し
かも収穫された茸は形ばかりではなく味、香りがよい。

しかしながら茸菌類の茸菌糸の植えつけから茸の収穫ま
での栽培期間が１〜２年と長期間に至るため生産性が低
く、かつほた木１本当りの重量が１０ｋｇ前後と重いた
め、栽培期間中はだ木の展開および運搬作業が重労働と
なって極めて取り扱いにくい等の問題を有する。また後
者の殺菌済おがくず培地は栽培期間が９０〜１００日と
短いので生産性が高く、かつ培地重量か１．２５ｋｇと
軽いため取り扱い易い。しかしながら培地は殺菌処理が
施されているため培地に植えつけられた茸菌糸は雑菌に
対しての抵抗力が低下し、がつ殺菌処理によって培地の
おがくずの表面が硬くなるためおがくず内のセルローズ
、リグニン等の栄養５〕を茸菌糸か十分吸収することが
出来ず、培地に混入した米糖の補助栄養分のみを吸収す
るため、収穫された茸は、はだ木培地で収穫された茸に
比較して味、香りが劣る等の問題を有する。

本発明は、前記問題点を解消し、殺菌済おがくず培地に
比して栽培期間を短縮することが出来、また雑菌に対す
る抵抗力を向上することが出来、かつほだ木培地のもの
と同等の優れた味、香りのものが得られる食用茸の人工
栽培用培地を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本発明者は、前記目的を達成する食用茸の人工栽培用培
地について鋭意検討した結果、従来のおがくずに殺菌処
理を施す代りに、分解酵素および水を添加させることに
よって、栽培期間を短縮することが出来、かつほた木培
地と同等以上の味、香りを有する茸を収穫出来る効果が
あることを知見した。

またおがくずに更に珪水塩化物を添加することによって
、栽培された茸に防かび性を与えることを知見した。

更に前記添加月月を添加した後、発酵させることによっ
て、栽培期間を更に短縮出来る効果があることを知見し
た。

本発明は、前記知見に基づいてなされたものであって、
おがくずに分解酵素および水を添加せしめたことを特徴
とする。

また、おがくずに分解酵素および水を添加せしめ、これ
を発酵させることを特徴とする。

また、おがくすに更に珪水塩化物を！添加せしめたこと
を特徴とする。

本発明で用いるおがくずとしては、例えば、くぬぎ、ナ
ラ、ブナ、椎のような水利を常法により製造したもので
あって、その粒径としては４Ｉｌ１１１以下が好ましい
。

また分解酵素としては、例えば、リグナーゼ、セルラー
ゼが挙げられ、おがくずへの添加量は２〜１０重量％が
好ましい。

また、珪水塩化物としては、たとえば本出願人が先に出
願した、予め空気に接触させた珪素の塩化物に塩化水素
ガスおよびアンチモンの塩化物を夫々２％以上添加し、
共存させた共存物に水素を温度２００℃以上で反応させ
る製造方法によって得られた化合物、該化合物に適量の
肥料を施した混合物が挙げられ、おがくずへの添加量は
３〜１０重量％が好ましい。

また、水のおがくずへの添加量としては培地内含有量が
６５％前後になるようにすることが好ましい。

また、培地の発酵条件としては温度５０〜７０℃で、３
〜７日間が好ましい。

発育促進のためにおがくずへ含有させる補助養分として
は例えばとうもろこしの粉、酵母エキス、燐酸塩、亜硝
酸ソーダ、ＧｅＥＤＴＡ　（ゲルマニウム）が挙げられ
る。またおがくずへの添加量は５〜２０重量％が好まし
い。

（作　用）分解酵素を添加することによって、おがくずの木質を分
解せしめてリグニン、セルルローズ等の栄養素を茸菌糸
が摂取しやすくなって、茸菌糸の生育が促進されるため
従来の殺菌済おがくず培地よりも栽培期間を短縮出来る
。

また、珪水塩化物を添加することによって、栽培された
茸に対し殺虫、殺菌剤とて働き、防かび性を与える。

また、培地を発酵させることによって、おがくずの木質
の分解を更に促進せしめることが出来るため、分解酵素
によって短縮された栽培期間を更に短かくすることが出
来、かつ発酵処理により各種雑菌の繁殖が抑制されるた
め、各種雑菌が茸の成長に支障のない程度となって、茸
菌に対する抵抗力が損われないので、栽培管理が容品に
なる。

また茸菌と少量の各種雑菌とが共生しているため、自然
性と同様の味、香りのものが得られる。

（実施例）以下本発明の具体的実施例と比較例について説明する。

実験例１実施例１ナラから得られた平均粒径２關のおがくず４００ｇに、
分解酵素としてリグカーゼ２０ｇ１セルナーゼ２０ｇ１
それに水４００ｇを添加した後、均一に混合して培地を
作成した。得られた培地１００個に夫々椎茸菌を２５ｇ
の割合で植えつけた後、各培地を温度２５℃、湿度８０
％の栽培室内に展開させた。そして椎茸の栽培期間およ
びトリコデルマ菌等の雑菌に対する抵抗力を調べた。調
べた結果は表−１のとおりである。尚栽培期間は培地に
椎茸菌を植えつけた後椎茸を収穫出来るまで日数とした
。また雑菌に対する抵抗力は次の式より算出した。

×１００実施例２おがくずに分解酵素および水を添加し混合し後、温度６
０°Ｃて６日間発酵させた以外は実施例１と同一方法で
培地の作成、椎茸菌の植えつけおよび栽培室内への展開
を行なった。そして実施例１と同一方法で椎茸の栽培期
間および殺菌に対する抵抗力を調べた。調べた結果は表
−１のとおりである。

実施例３ナラから得られた平均粒径２　ｍｎのおがくず４００ｇ
に、分解酵素としてリグカーゼ２０ｇ１セルラーゼ２０
ｇ、珪水塩化物として予め空気に接触させた四塩化珪素
に塩化アンチモンと塩化水素ガスを添加して共存させ、
この共存物に水素を反応温度４７０　’Ｃて反応させて
生成された珪素と水素と塩素との化合物１７ｇ、それに
水４００ｇを添加した後、均一に混合して培地を作成し
た。そして実施例１と同一方法で椎茸菌の植えつけおよ
び栽培室内への展開を行った。

また実施例１と同一方法で椎茸の栽培期間および殺菌に
対する抵抗力を調べた。調べた結果は表−１のとおりで
ある。

実施例４おかくすに補助養分としてとうもろこし粉末８０ｇを添
加した以外は実施例１と同一方法で培地の作成、椎茸菌
の植えつけおよび栽培室内への展開を行なった。そして
実施例１と同一方法で椎茸の栽培期間および殺菌に対す
る抵抗力を調べた。調べた結果は表−１のとおりである
。

比較例ブナから得られた平均粒径２　ｍ＋ｎのおがくす４００
ｇに、米糖１５ｇ１およびトリコデルマ防除剤としてチ
アベンダゾールの１／１０００希釈液４ｇを添加した後
、均一に混合した。続いて温度１２０°Ｃで４時間殺菌
処理を施して培地を作成した。得られた培地１００個に
夫々椎茸菌を２５ｇの割合で植えつけた後、各培地を温
度２５℃、湿度８５％の栽培室内に展開させた。そして
実施例１と同一方法で椎茸の栽培期間および雑菌に対す
る抵抗力を調べた。調べた結果は表−１のとおりである
。

表−１表−１から明らかなようにおがくずに分解酵素および水
を添加した実施例１２発酵処理を施した実施例２．゛お
がくずに更に珪水塩化物を添加した実施例３．おがくず
に補助養分を含有させた実施例４は、おかくすに殺菌処
理を施した比較例に比して熟成期間も短く、しかも雑菌
に対する抵抗力が高かった。従って本発明の食用茸の栽
培用培地は従来の栽培用培地に比して栽培期間か短縮さ
れ、かつ抵抗力が向上したことか確認された。またおか
くすに分解酵素等を添加し発酵させることによって短縮
された栽培期間を更に短くすることが出来、また向上し
た抵抗力を更に高めることが出来ることが確認された。

実験例２次に前記実施例１．２，３．４および比較例の栽培用培
地から収穫された各椎茸の夫々について味、香りを調べ
た。調べた結果は表−２のとおりである。尚評価はほだ
本培地より収穫された椎茸を基準として味、香りの評価
をパネラ−５０名により評価を行った。

表−２とおりとした。

◎　はだ本培地の茸より良いと認められる○　はだ本培
地の茸と差異なし △　多少の差異が認められるＸ　かなりの差異が認められる表−２から明らかなように、実施例１．２゜３．４の味
、香り共基準のほだ本培地の茸と同じ良好なレベルにあ
った。従って本発明の食用茸の栽培用培地は従来の殺菌
済おがくず培地に比して味、香り共同上したことが確認
された。

またおがくずに分解酵素等を添加し発酵させることによ
って向上した味、香りを更に高めることが出来ることが
確認された。

（発明の効果）上記から明らかな如く、本願の発明によれば、従来の殺
菌済おがくず培地に比して栽培期間を短縮することが出
来、また雑菌に対する抵抗力を向上させることが出来、
かつはだ本培地のものと同等の優れはた味、香りのもの
が得られる食用茸の人工栽培用培地を提供することが出
来る効果がある。

またおがくずに更に珪水塩化物を添加することによって
、栽培された茸に対して防止かび性を与えて、長期間に
亘って鮮度を保持出来る効果がある。

またおがくずに分解酵素等の添加物を添加し発酵させる
ことによって、従来の殺菌済おがくず培地に比して短縮
された栽培期間を更に短くすることが出来、かつ向上し
た味、香りを更に高めることが出来る食用茸の人工栽培
用培地を提供することが出来る効果がある。

またおがくずに補助養分を含有せしめることによって、
茸の発育を促進する効果がある。

Claims

【特許請求の範囲】１、おがくずに分解酵素および水を添加せしめたことを
特徴とする食用茸の人工栽培用培地。２、おがくずに分解酵素および水を添加せしめ、これを
発酵させたことを特徴とする食用茸の人工栽培用培地。３、前記おがくずに更に珪水塩化物を添加せしめたこと
を特徴とする請求項１または請求項２記載の食用茸の人
工栽培用培地。４、前記おがくずは補助養分を含有していることを特徴
とする請求項１ないし請求項３のうちいずれか１項記載
の食用茸の人工栽培用培地。