JP2683775B2 - キノコ類の人工栽培法及びそれに使用する人工培養基 - Google Patents
キノコ類の人工栽培法及びそれに使用する人工培養基Info
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- JP2683775B2 JP2683775B2 JP63125045A JP12504588A JP2683775B2 JP 2683775 B2 JP2683775 B2 JP 2683775B2 JP 63125045 A JP63125045 A JP 63125045A JP 12504588 A JP12504588 A JP 12504588A JP 2683775 B2 JP2683775 B2 JP 2683775B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、キノコ類の人工培養法およびそれに使用す
る人工培養基に関する。
る人工培養基に関する。
従来技術と問題点 近年、キノコの人工栽培はかなり普及し、一般店頭に
も四季を通じてヒラタケ（シメジ）、シイタケ、エノキ
タケ、ナメコ、マイタケ等が売られているが、その中で
比較的一般的であるヒラタケ（シメジ）の例をその一つ
として従来技術の説明を行う。これらのキノコは枯死し
た木、木材等を栄養として成長する木材腐朽菌であり、
人工的には、オガクズを主体として、米ぬか、フスマ或
はコーン粕等を必要に応じ加えた混合物に適量な水分に
なるように水を加え、調整した培養基を、栽培用広口ビ
ンに詰め、これの中央部に穴をあけた後ビンにキャップ
をし、殺菌を行う。殺菌後、キノコの菌を接種し、25日
から30日の培養を行いキノコ菌の成長を促進させる。そ
の後培養ビンのキャップを取り外し、菌かきを行いキノ
コの発芽成長させたのち、収穫・出荷する。
も四季を通じてヒラタケ（シメジ）、シイタケ、エノキ
タケ、ナメコ、マイタケ等が売られているが、その中で
比較的一般的であるヒラタケ（シメジ）の例をその一つ
として従来技術の説明を行う。これらのキノコは枯死し
た木、木材等を栄養として成長する木材腐朽菌であり、
人工的には、オガクズを主体として、米ぬか、フスマ或
はコーン粕等を必要に応じ加えた混合物に適量な水分に
なるように水を加え、調整した培養基を、栽培用広口ビ
ンに詰め、これの中央部に穴をあけた後ビンにキャップ
をし、殺菌を行う。殺菌後、キノコの菌を接種し、25日
から30日の培養を行いキノコ菌の成長を促進させる。そ
の後培養ビンのキャップを取り外し、菌かきを行いキノ
コの発芽成長させたのち、収穫・出荷する。
このキノコ栽培に用いるオガクズはキノコの培養基と
して保水性、通気性を保ち、又、炭素源としても栄養源
にもなつている。又、米ぬか、フスマ等はこの中に含ま
れている炭素源、窒素源、及び各種ビタミン、ミネラル
が栄養源となりキノコの成長に重要な働きをしている。
して保水性、通気性を保ち、又、炭素源としても栄養源
にもなつている。又、米ぬか、フスマ等はこの中に含ま
れている炭素源、窒素源、及び各種ビタミン、ミネラル
が栄養源となりキノコの成長に重要な働きをしている。
しかしながら、オガクズと米ぬか、フスマ等の混合割
合が最適な条件であつても、エノキ、ヒラタケ（シメ
ジ）では50〜60日程度、ナメコで90〜120日程度等と菌
の接種から収穫までの日数を要し、同一ロットでも生育
のバラツキが大きく、又、その子実体の収穫量も大きな
バラツキを有する。さらに、その収率（歩留）も80〜90
％で、かつ培養基乾物当りのキノコの収穫率も最大40％
程度がやつとである。又、キノコの味も自然生育した物
に比較して人工栽培の物は残念ながら劣つているのが現
状である。
合が最適な条件であつても、エノキ、ヒラタケ（シメ
ジ）では50〜60日程度、ナメコで90〜120日程度等と菌
の接種から収穫までの日数を要し、同一ロットでも生育
のバラツキが大きく、又、その子実体の収穫量も大きな
バラツキを有する。さらに、その収率（歩留）も80〜90
％で、かつ培養基乾物当りのキノコの収穫率も最大40％
程度がやつとである。又、キノコの味も自然生育した物
に比較して人工栽培の物は残念ながら劣つているのが現
状である。
発明が解決しようとする課題 本発明は、叙上の状況に鑑みなされたものであつて、
特定な培養基を用いることにより、キノコ類の生育日数
の短縮、生育バラツキの軽減、収量の増大、さらには食
味の改善を行ない得るキノコ類の人工栽培法およびそれ
に用いるためのキノコ類の人工培養基を提供することを
課題とする。
特定な培養基を用いることにより、キノコ類の生育日数
の短縮、生育バラツキの軽減、収量の増大、さらには食
味の改善を行ない得るキノコ類の人工栽培法およびそれ
に用いるためのキノコ類の人工培養基を提供することを
課題とする。
課題を解決するための手段 本発明の特徴は、腐植をアルカリ水溶液で処理し、酸
で中和し、次いで水を加えて抽出して得られる可溶性腐
植を添加した培養基にキノコの菌を接種して培養し、次
いで発芽成長させることから成るキノコ類の人工栽培法
および該栽培法に用いるための上記可溶性腐植を添加し
た培養基である。
で中和し、次いで水を加えて抽出して得られる可溶性腐
植を添加した培養基にキノコの菌を接種して培養し、次
いで発芽成長させることから成るキノコ類の人工栽培法
および該栽培法に用いるための上記可溶性腐植を添加し
た培養基である。
本発明に係る人工培養基に添加して用いる可溶性腐植
は、泥炭、草炭、堆厩肥およびコンポスト等を包含する
天然物である腐植を、アルカリ水溶液で処理し、酸で中
和し、次いで水を加えて抽出して得られるものであっ
て、ここで用いる酸としては硫酸、塩酸、リン酸、硝酸
などの鉱酸ならびにクエン酸、酢酸などの有機酸を例示
し得、また、アルカリとしては苛性ソーダ、苛性カリ、
炭酸ソーダ、重炭酸ソーダなどを例示し得る。
は、泥炭、草炭、堆厩肥およびコンポスト等を包含する
天然物である腐植を、アルカリ水溶液で処理し、酸で中
和し、次いで水を加えて抽出して得られるものであっ
て、ここで用いる酸としては硫酸、塩酸、リン酸、硝酸
などの鉱酸ならびにクエン酸、酢酸などの有機酸を例示
し得、また、アルカリとしては苛性ソーダ、苛性カリ、
炭酸ソーダ、重炭酸ソーダなどを例示し得る。
上記可溶性腐植を調製するには、例えば草炭を苛性ソ
ーダ又は苛性カリの水溶液に浸漬した後、リン酸で中和
し、次いで水を加えて抽出、エキスとして採取する。
ーダ又は苛性カリの水溶液に浸漬した後、リン酸で中和
し、次いで水を加えて抽出、エキスとして採取する。
上述のようにして得られる可溶性腐植を、おがくずを
主体とした前記キノコ類の人工培養基に添加した培養基
を用いてキノコの菌を接種、培養すると、おがくず中の
リグニン質のキノコ菌糸への吸収が容易となつて、菌の
生育が促進され、収量が増大するようになる。また、人
工培養基に添加された可溶性腐植中の無機塩や微量要素
もキノコ菌糸に吸収されるため、得られるキノコの風味
も良くなる。
主体とした前記キノコ類の人工培養基に添加した培養基
を用いてキノコの菌を接種、培養すると、おがくず中の
リグニン質のキノコ菌糸への吸収が容易となつて、菌の
生育が促進され、収量が増大するようになる。また、人
工培養基に添加された可溶性腐植中の無機塩や微量要素
もキノコ菌糸に吸収されるため、得られるキノコの風味
も良くなる。
因に、キノコ菌糸の多くは枯死した木などを栄養源と
して成長する木材腐朽菌の一種であつて、木材中のリグ
ニン質等を栄養源として生育し、子実体を作るものであ
る。
して成長する木材腐朽菌の一種であつて、木材中のリグ
ニン質等を栄養源として生育し、子実体を作るものであ
る。
なお、本発明が対象となるキノコ類としては、ヒラタ
ケ（シメジ）、シイタケ、エノキタケ、ナメコ、マイタ
ケ等の人工栽培するものを包含する。
ケ（シメジ）、シイタケ、エノキタケ、ナメコ、マイタ
ケ等の人工栽培するものを包含する。
以下に実施例により、本発明とその効果を具体的に説
明する。なお、各実施例中の％は特記しない限り重量％
を表わす。
明する。なお、各実施例中の％は特記しない限り重量％
を表わす。
実施例１ 本例は、本発明で人工培養基に添加して用いる可溶性
腐植によるシイタケ菌糸の生育試験の結果を示したもの
である。
腐植によるシイタケ菌糸の生育試験の結果を示したもの
である。
可溶性腐植として、草炭を苛性ソーダ（又は苛性カ
リ）で処理した後、リン酸で中和したものに水を加えて
抽出したエキス〔市販のフモエキス（商品名、日本肥糧
株式会社の登録商標）〕を用いた。
リ）で処理した後、リン酸で中和したものに水を加えて
抽出したエキス〔市販のフモエキス（商品名、日本肥糧
株式会社の登録商標）〕を用いた。
マルトエキス培地に寒天を加えた寒天培地を対照と
し、これに各々マルトエキス培地に対し、上記エキスを
0.02％、0.2％、２％になるように加えた寒天培地を作
り、培地の中央部にシイタケ菌を接種し、１区８連とし
20℃の条件で８日目に生育状態を測定した。
し、これに各々マルトエキス培地に対し、上記エキスを
0.02％、0.2％、２％になるように加えた寒天培地を作
り、培地の中央部にシイタケ菌を接種し、１区８連とし
20℃の条件で８日目に生育状態を測定した。
結果は表１に示すとおりである。
実施例２ オガクズに米ぬか、フスマを加え、これに加水し、水
分約60〜65％にしたものを基本培養基（対照区）とし、
この基本培養基に（重量当り）実施例１で用いたフモエ
キスを0.1％、1.0％、3.0％をそれぞれ加えたものを作
つて各々の区とし、各区の水分を60〜65％とし、容量約
1,000ccの広口ビン（一般に広く使用されているもの）
に各々培養基を詰め、殺菌後ヒラタケ（シメジ）菌を接
種し、常法で培養・菌かきを行いヒラタケ（シメジ）の
栽培を１区８連で行つた。その結果を表２、３に示す。
分約60〜65％にしたものを基本培養基（対照区）とし、
この基本培養基に（重量当り）実施例１で用いたフモエ
キスを0.1％、1.0％、3.0％をそれぞれ加えたものを作
つて各々の区とし、各区の水分を60〜65％とし、容量約
1,000ccの広口ビン（一般に広く使用されているもの）
に各々培養基を詰め、殺菌後ヒラタケ（シメジ）菌を接
種し、常法で培養・菌かきを行いヒラタケ（シメジ）の
栽培を１区８連で行つた。その結果を表２、３に示す。
表２および３にみられるとおり、本発明による効果が十
分に認められる。
分に認められる。
また、本例で得られたヒラタケ（シメジ）の成分を食
品分析法に従つて分析した結果を指数で示すと表４のと
おりである。
品分析法に従つて分析した結果を指数で示すと表４のと
おりである。
発明の効果 以上述べたとおり、本発明によると、キノコ菌糸の生
育が非常に増大し、収穫までの日数の短縮および生育バ
ラツキの減少が可能であつて、キノコ人工栽培を安定化
し得る。さらに、収穫して得られたキノコ類の水分が少
なくなり、蛋白、糖分および無機塩類の含量が増加し、
食味上いわゆるおよび無機塩類の含量が増加し、食味い
わゆる「こく」のあるキノコが得られる事が解る。
育が非常に増大し、収穫までの日数の短縮および生育バ
ラツキの減少が可能であつて、キノコ人工栽培を安定化
し得る。さらに、収穫して得られたキノコ類の水分が少
なくなり、蛋白、糖分および無機塩類の含量が増加し、
食味上いわゆるおよび無機塩類の含量が増加し、食味い
わゆる「こく」のあるキノコが得られる事が解る。
Claims (4)
- 【請求項１】キノコ類を人工栽培するに際し、腐植をア
ルカリ水溶液で処理し、酸で中和し、次いで水を加えて
抽出して得られる可溶性腐植を添加した培養基にキノコ
の菌を接種して培養し、次いで発芽成長させることを特
徴とするキノコ類の人工栽培法。 - 【請求項２】可溶性腐植が、泥炭、草炭、堆厩肥及びコ
ンポストからなる群から選択される腐植をアルカリ水溶
液で処理し、酸で中和し、次いで水を加えて抽出したも
のである請求項（１）に記載したキノコ類の人工栽培
法。 - 【請求項３】キノコ類の人工培養基に、腐植をアルカリ
水溶液で処理し、酸で中和し、次いで水を加えて抽出し
て得られる可溶性腐植を添加して成るキノコ類の人工培
養基。 - 【請求項４】可溶性腐植を添加するキノコ類の人工培養
基が、おがくずを主体としたものに米ぬか、フスマもし
くは必要に応じ他の穀物粕と水とを添加して成るもので
ある請求項（３）に記載したキノコ類の人工培養基。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63125045A JP2683775B2 (ja) | 1988-05-24 | 1988-05-24 | キノコ類の人工栽培法及びそれに使用する人工培養基 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63125045A JP2683775B2 (ja) | 1988-05-24 | 1988-05-24 | キノコ類の人工栽培法及びそれに使用する人工培養基 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01296922A JPH01296922A (ja) | 1989-11-30 |
| JP2683775B2 true JP2683775B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=14900471
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63125045A Expired - Fee Related JP2683775B2 (ja) | 1988-05-24 | 1988-05-24 | キノコ類の人工栽培法及びそれに使用する人工培養基 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2683775B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CH686476A5 (fr) * | 1992-12-22 | 1996-04-15 | Patrick Romanens | Substrat ligno-cellulosique pour la culture de champignons saprophytes. |
| KR101034047B1 (ko) * | 2008-11-20 | 2011-05-11 | 조권호 | 피트모스를 이용한 식물생장촉진제의 제조방법 |
| CN110172007A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-08-27 | 惠州护地农科有限公司 | 一种水溶性精制有机肥及其制备工艺 |
-
1988
- 1988-05-24 JP JP63125045A patent/JP2683775B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01296922A (ja) | 1989-11-30 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |